店主が一所懸命魚好き … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

スタミナ六品


 ときどき食べたくなるのが「竹よし」のスタミナ六品(600円)。マグロに、山芋、ネギ、オクラ、納豆、生玉子(黄身だけ)の5品を加えた一鉢で、これをグリグリとかき混ぜて、ズズズゥ~ッとすすり込むと、日本酒が進むこと進むこと。

 「竹よし」など、近所のお店はしょっちゅう来てるので、このブログにはすべては記録していないのですが、前回、スタミナ六品をいただいたときの写真が、黄身が崩れた写真になっているのです。黄身以外のすべての品を用意してから、最後にその真ん中にジワリと黄身を置くので、ときどき細く切った山芋の角で、黄身が崩れてしまうらしいのです。前回のものは、ちょうどその崩れた黄身の画像なんですね。いつかきれいな画像を載せようと思いながら、ほぼ1年後になってしまいました。

 ここ「竹よし」は、なにしろ店主が一所懸命魚好きで、魚が安くて美味いのと、日本酒が普通においしいのとで、何度も何度も足が向いてしまうお店なのです。

 店主は横浜の魚屋の次男坊として生まれ、平成5(1993)年に、ここ「竹よし」をオープンしました。魚が売りのこの店は、毎日4~5品がそろう刺身が、それぞれ500~800円くらいで、名物でもある5品の盛り合わせが1,000円。煮物や焼き魚なども、ぼぼ500~800円くらい。そして、もうひとつの看板メニューである天ぷらも、天ぷら盛り合せ(1,000円)もさることながら、その日の仕入れによって、中に入る具材(海鮮もの!)が変わる、かき揚げ(700円)がこれまた絶品なのです。

 日本酒も、普通に「酒!」と注文すると「菊正宗」の上撰(本醸造)(1合、350円)が出されるほか、各種地酒も500~650円ほどでそろっていて、まさに普通に美味しいお酒(すべてのお酒が本醸造以上)を、ごくごく普通に飲むことができるのが嬉しいところ。この日本酒で、おいしい魚をいただくのが、まさに至福の時間なのです。

 そんなこともあって、昨日、8月30日(土)には、jirochoさん主催による「松茸と鱧のシャブシャブを楽しむ会」が店を貸しきって行われるなど、居酒屋ファンにも大人気。この会には私も参加させていただいたのですが、松茸と鱧はもちろんのこと、サイドメニューで出された鯨カツが、これまた絶品。刺身でも食べられるやわらかいミンク鯨の身は、カツにしてもふんわりとやわらかくて、すばらしい仕上がりでした。

 そんな「竹よし」ですが、週末には手伝いの女性が入ることがあっても、基本的に料理は店主一人で切り盛りするため、注文が殺到するとなかなか手がまわり切らない状態になります。お客さんが多いときには、じっくりと待つ気持ちでお酒を楽しむのがいいと思います。自家製塩辛(350円)や、酒盗とクリームチーズ(500円)など、手伝いの人でも作れる品々をつっつきながら料理を待つというのが私のおすすめです。

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松茸と鱧のシャブシャブ / 鯨カツ / う巻き

店情報前回

《平成20(2008)年8月31日(日)の記録》

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〔コラム〕 単身赴任のひとり呑み … 「武蔵屋」(横浜・野毛)

「武蔵屋」の酒肴


 平成13(2001)年10月1日に始まった、横浜での単身赴任生活も、丸7年を終えて、この10月から8年目に突入しました。

 都内に勤務しているときは、仕事帰りに、自宅に着くまでの間のワン・クッションとして、ひとりで酒場に寄ることが多かったのです。会社で大勢の人と共に過ごし、家庭で家族と共に過ごす。それはそれで非常に楽しい時間なんだけど、その途中にポツンと1時間ほど、ひとりで過ごす時間が欲しかったというのがその理由です。

 ところが! 単身赴任生活になると、会社を出れば、その瞬間からもうひとり。こうなると、「少しだけひとりで過ごす時間を持つ」ということが目的で酒場に向かうのではなくて、「単身赴任の夕食を兼ねて」ということが主目的になってきました。

 それでは、単身赴任の夕食を兼ねた理想的な酒の飲み方とは、どんな飲み方なのか。

 実は7年も過ごしてきながら、そんなことを考えながら飲んだことは、ほとんどありませんでした。自宅にいるときも、単身赴任しているときも、自分の好きなものを好きなように食べながら飲むだけ。そんな飲み方だったのです。

 単身赴任を始めた当初は、単身赴任寮に食堂が付いていたのですが、利用者が減ってきて途中からケータリングのお弁当に変わり、そうなるとますます利用者も減少し、ついにはそのお弁当もなくなってしまいました。そんなわけで、現在の私の食生活は、飲みに出るのも含めて外食中心の毎日になっています。

 外食の問題点は単純に考えると野菜不足に脂肪過多。そしてついつい塩分を採りすぎてしまうこと。

 そういえば、焼き鳥も、もつ焼きも、刺身も、それぞれ好物なのでワシワシ食べるけど特に野菜はとっていません。酒に合うつまみは、たいてい塩っ気もよく効いてますもんね。

 そして飲み物。アルコール飲料は、エンプティ・カロリーと呼ばれていて、身体には蓄積しないなんて言われてますが、それも適量(日本酒換算で3合程度)までのこと。それより多い量を飲むと、アルコールを分解する過程で出る脂肪の元となる成分で作られた中性脂肪が消費しきれなくなって、脂肪肝や内臓脂肪の増加、肥満、高脂血症、高尿酸血症、高血圧などを引き起こすようになるんだそうです。我われ呑ん兵衛には、実に怖い話ですねぇ!

 塩分控えめで、低カロリー・高タンパク。野菜もとれて、お酒は3杯以内。そんなキーワードで、パチッとひらめいたのが、野毛の老舗酒場、「武蔵屋」です。

 ここは年中いつきても肴(さかな)は、玉ねぎの酢漬け、おから、たら豆腐、納豆、お新香の5品。そしてお酒はピッチリと3杯までと決まっているのです。動物性タンパク質は、たら豆腐に入っているタラの切り身、1切れだけ。玉ねぎとお新香以外は、すべて大豆製品(納豆、豆腐、おから)という徹底ぶりです。

 ここで5品と3杯を飲んで、「なるべくまっすぐ帰ってください」というおばちゃんの言葉どおり、まっすぐに帰れば理想的な「お酒も含んでの単身赴任の夕食」となりそうな気配です。

 さっそくやってみました。

 とはいえ、仕事終わりに店に入ると、まずはやっぱりビールを飲みたいので、最初は小瓶のビールを1本もらうと、つまみには小皿の豆菓子が出されます。喉も潤ったところで、いつもの5品と3杯。しばらくぶりにやってきた「武蔵屋」は、いつもとちっとも変わっておらず、身も心もゆったりとくつろぎます。

 小上がり座敷の一番手前にある、小さな二人用卓で1時間ちょっと過ごして、お勘定は2,600円。ちょっと値上がりしたのかな。

 いつもはここから「ホッピー仙人」や「日の出理容院」などに向かうのですが、ぐっとガマンしてまっすぐ寮へと帰ります。

 満腹ではありませんが、お腹がすいてるという状態でもない。酔い心地もちょうどいい具合です。翌朝、目がさめると胃もたれ感もなく、酔いもまったく残っていません。なるほど。これくらいの飲み方が健康的なんですね。でも、ストイック過ぎて、おもしろ味には欠けるよなぁ。この課題、もうちょっと考えてみたいと思います。

・「武蔵屋」の店情報前回

《平成20(2008)年9月30日(火)の記録》

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店情報: 馬肉料理「柿島屋(かきじまや)」(町田)

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  • 店名: 馬肉料理専門店「柿島屋」
  • 電話: 042-722-3532
  • 住所: 194-0013 東京都町田市原町田6-19-9
  • 営業: 16:00-22:00(21:30LO)(土日祝は12:00-21:00(20:30LO))、水休
  • 場所: JR町田駅北口を出ると、大きな歩道橋デッキに出るので、正面にまっすぐ伸びている道に左側の階段から下りて、直進すること約5分(250mほど)。上運寺前信号交差点を左に折れた先、左手。
    小田急町田駅からは東口を出て左(踏み切りと反対の方向)に直進。大通り(これがJR町田駅北口正面の道)に突き当たったら左へ。その先ひとつ目の信号交差点(上運寺前信号交差点)を左に折れた先、左手。
  • メモ: 肉なべ1100、上肉なべ1500、馬刺し800、上馬刺し1200、たてがみ(刺身)450、肉皿(煮込)475、チョリソ(ソーセージ)475、ハム420、メンチ550、メンチカレー650、大和煮420、肉キムチ420、生たまご60、自家製そば玉230、肉ぬた420、サラミ350、盛り合わせ(きゅうり、枝豆、エシャロット)370、野菜サラダ315、トマト265、冷や奴270、酢の物(きくらげ)160、おしんこ210、肉そば450、カレーそば550、カレーライス550、ご飯(大270、中220、小110)、みそ汁160、キリンラガー生ビール(大)860、生ビール(中)540、大びん660、小びん380、焼酎(明石 白梅)290、梅割290、ぶどう割290、サワー割(梅、ぶどう、レモン)450、サワー(レモン風味炭酸水)160、ホッピー割(白、黒)510、ホッピー(白、黒)220、ウーロン割450、緑茶割450、どくだみ焼酎S(自家製)320、コーヒー焼酎(自家製)330、ブルーベリー酒(カクテル)330、ワイン(赤、白)300mlビン490、芋焼酎(宮崎 逢初)420、麦焼酎(明石 麦大吉)320、麦焼酎(ピュアブルー)350mlビン990、泡盛(琉球泡盛)S165、W330、吟醸冷酒(菊正宗)300mlビン800、清酒(特別本醸造・岡山 桜冠)一合370、二合740、清酒(醸造・岡山 桜冠)一合315、二合630、ウイスキー(角)180mlビン840、ソフトドリンク(オレンジジュース、キリンレモン、コーラ、ウーロン茶、緑茶)グラス160、ジョッキ320。(2008年9月調べ)

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創業124年の馬肉店 … 馬肉料理「柿島屋(かきじまや)」(町田)

肉なべと盛り合わせ


 伊丹由宇(いたみ・ゆう)さんの書かれた「超こだわりの店百番勝負」(文春文庫PLUS)という本で、町田の馬肉料理「柿島屋」のことを読んで、今日はその町田にやってきました。

『八王子と横浜港をつなぐ鎌倉街道は、馬車で生糸を運んだので「絹の道」と呼ばれ、町田は調度中間の休憩所にあたった。そこで使えなくなった馬を食べてみたら旨かったので、馬肉の店ができたという。この店も屋台の肉そば(馬肉の日本蕎麦)からはじまった。』

 伊丹さんの著書ではそう紹介されているほど歴史を感じる「柿島屋」の創業は、なんと明治17(1884)年。今年で創業124年という老舗中の老舗です。

 店は、JRの町田駅からも、小田急の町田駅からも、それぞれ歩いて7~8分のビルの1階にあり、すぐ近くや2階にも「柿島屋」のグループ店があって、一瞬、「あれ!? どこがそうなのかな?」と迷ってしまいました。ちょっと路地を入ったところにある、シンプルに「柿島屋」とだけ表記されたお店が、目指す「柿島屋」です。

 店に入ると、店員さんが「いらっしゃいませ、こちらにどうぞ」と、長テーブルがずらりと並ぶ店内の一角に案内してくれます。この長テーブルは、椅子も長椅子(ベンチ風)で、ひとり客もグループ客も、入れ込みで通されていきます。

 まずはやっぱり肉なべ(1,100円)をいただいてみなきゃね。飲み物には瓶ビール(キリンラガー大瓶、660円)を注文し、肉なべができあがるまでのつなぎとして、盛り合せ(370円)をもらいます。

 盛り合せは、ひとつの皿に、きゅうり(もろきゅう)と枝豆、エシャロットを盛り合わせたもので、予想どおりあっという間に出されましたが、肉なべも、これまたあっという間に出てきて、目の前のコンロに置かれます。早いなぁ。

 コンロは4人に1個ずつ程度しかないので、近くに座るひとり客同士が鍋を注文するとバッティングしちゃうことがあるかもしれません。このテーブルは私の右前と左前にそれぞれひとり客が座っていて、正面と左右両側は空いている状態。つまりひとり客がジグザグに座っている状況で、鍋をたのんだのは私だけ。

 他のふたりは焼酎ダブル(580円)をもらって、馬刺し(800円)をつついています。ガラスの徳利で出される焼酎ダブルは、飲むためのグラスとは別のグラス(ワンカップのグラス)で、梅割り用の梅エキスが出され、自分で梅割りにして飲むようになっています。ぶどうエキスがいい人は、ぶどうも選べるようです。ちなみに左前のおじさんは、その焼酎ダブルと馬刺しに、冷奴(270円)を追加して、しめて1,650円なり。30分ほどでサクッと帰っていきました。

 まわりを見わたしてみると、グループ客のほとんどは肉なべをつついていますが、ひとり客で肉なべをつついているのは3~4人にひとりくらい。このコンロの数もちょうどいいのかもしれませんね。少なくとも夏場は。

 肉なべは、すき焼き同様に割り下で煮込んで、溶いた生卵(別売、60円)をからめていただきます。さっぱりとした馬肉がいいですねぇ。

 瓶ビールもなくなって、私も焼酎を、シングル(290円)でもらうと、斜め前のおじさんたちと同じガラスの徳利に、半分の量だけ焼酎が出されます。ついてくる梅エキスの量も半分ほど。常連さんのほとんどは、最初からダブルの量をもらうんですね。ただし、メニューには「焼酎290円」という表記しかありません。

 伊丹さんの本でも紹介されていた、創業の味、肉そば(450円)のほか、メンチ(550円)や、たてがみ(刺身、450円)なども人気がある様子。また奥の小上がりや、入口左手の道路に面したテーブル席では、上肉なべ(1,500円)や、上馬刺し(1,200円)も食べられる(逆に普通の肉なべと場刺しは食べられない)ようです。

 肉なべに残った汁には自家製そば玉(230円)も入れることができますが、ひとり分の鍋を食べたら、もう満腹。今日はここでお勘定とします。ちょうど1時間の滞在は2,480円でした。どうもごちそうさま!

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「柿島屋」 / 肉なべ / 焼酎(梅割)

店情報

《平成20(2008)年9月5日(金)の記録》

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松茸とハモの土瓶蒸風 … 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)

松茸と鱧の土瓶蒸風


 和服に割烹着の美人女将の店、「燗酒屋」にやってきました。この店は真夏(7月と8月)は土日が休みだったので、平日は横浜に短距離単身赴任している私は、なかなか来ることができなかったのです。

 開店時刻の午後5時に合わせて店に出かけると、口開け直後にもかかわらず、すでにL字カウンターの手前短辺のところと、店の奥へと向かう長辺の奥側には、それぞれ男性ひとり客が座り、飲み始めています。

 私も長辺手前の位置に座り、「まず冷酒をいただきたいんですけど」とお願いすると、奥の冷蔵庫から3~4本の一升瓶を持ってきてカウンターの上に並べ、それぞれ銘柄と種類(本醸造とか、吟醸とか)を説明してくれます。ここの女将は、お客が来るたびに、手間ひま惜しまず、こうやってすべての日本酒を見せて説明してくれるのです。

 そんな中から根知男山(ねちおとこやま、620円)をもらうと、今日のお通し(500円)は岩もずくと新子の酢の物です。いやぁ、この夏は新子を食べそびれたかと思っていたのですが、ここで出会えてよかったです。

 前回前々回も、女将はメガネ姿だったのに、今日はメガネじゃありません。

「アレルギーの季節はコンタクトができないからメガネなんですよ」と女将。

 なるほど、そういう理由でしたか。

 ひとり、またひとりとお客さんも増えてきて、ひとりで切り盛りする女将はもう大忙し状態。燗酒をあっためるときや、過熱が必要な料理を作るときは、コンロの横にぶら下がっているタイマーをピピッとセットして、そのタイマーが鳴るまで間に、刺身を引いたり、酢の物を出したり、冷酒を出したりと、いろんなことが同時進行です。

 そんな状態にも関わらず、お客さんとの会話も絶やさないところがものすごい。しかも、新しいお客さんが入ってくると、相変わらず一升瓶をずらりと並べて説明してくれるのです。

 和服に割烹着の美人という姿形だけではなくて、こういうところも人気の理由なんでしょうねぇ。

 冷酒でいただいた根知男山(ねちおとこやま、620円)は、燗で飲んでも美味しいということで、2杯目は燗をつけてもらうことにし、料理のほうは、黒板にずらりと並んだメニューの中から、松茸と鱧の土瓶蒸風(880円)を選択します。

 松茸と鱧の土瓶蒸風は、土瓶ではなくて、一人用の土鍋で作られます。なるほど、だから土瓶蒸“風”と、「風」の字が付いているんですね。

「はい、お待たせしました。熱いから気をつけてくださいね」

 と言いながら、カウンターの目の前に松茸と鱧の土瓶蒸風が出てきました。松茸(まつたけ)と鱧(はも)もさることながら、海老、しめじ、豆腐に三つ葉と、具沢山。ダシがまた美味しくて、これだけすすっても燗酒のつまみになります。

 骨切りされた鱧の身に、スライスされた松茸をのせて、両方を一緒にパクリ。ふわんとした鱧に、しゃっきりとした松茸。しつこさを感じさせない鱧の脂に、鼻の奥から漂ってくる松茸の香り。松茸と鱧のしゃぶしゃぶのシンプルさもいいですが、いろんな具材とともに煮た土瓶蒸風もまたいいですねぇ。

 今宵は1時間半ほど楽しんで、お勘定は2,620円でした。どうもごちそうさま!

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「燗酒屋」 / 岩もずくと新子の酢の物 / ハモと松茸

店情報前回

《平成20(2008)年9月6日(土)の記録》

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ミズ納豆に鮎子うるか … 酒亭「善知鳥(うとう)」(阿佐ヶ谷)

燗酒と珍味


 日本酒を美味しく飲むことをとことん追求したお店、「善知鳥」にやってきました。

 土曜日、午後6時半過ぎに店に入ると、カウンター7席と、小上がりテーブル席2卓の店内には先客はなし。軽く「へ」の字に折れたカウンターの角のあたりに陣取って、まずは「和田来(わたらい)」(純米吟醸)を冷酒でいただきます。

 今日のお通しはミズ納豆。ミズというのは、東北地方ではよく食べられる山菜なんだそうで、今日のミズは津軽産。初夏の頃にしか採れないという、季節限定のこの山菜を、店主自ら3ヶ月ほど漬けたものを、塩納豆と和えたのがミズ納豆です。

 お店が休みの日には、数ヶ月後に出すための珍味類をコツコツと準備することが多いという店主。カウンター内の棚のところにずらりと張り出された短冊メニューにも、生カラスミ、タラバ内子、牡蠣塩辛、ホヤ塩辛、白魚塩辛、白作り、沖漬け、黒作り、莫久来(ばくらい)、クチコ、子の腸(わた)、塩ウニ、焼カゼ(青森の焼ウニ)、粒ウニ(甘塩漬け、アルコール未使用)、鮑酒盗、蛸の精(タコの卵の塩辛)などなどと、まさに呑ん兵衛好みのする珍味類がずらりと並びます。それもこれも、すべて日本酒をおいしくいただくためのもの。ここまで徹底しているのです。

 ガラリと引戸が開いて入ってきた男性3人連れは、何度かこの店に来ているようで、カウンターの奥側に並んで座って、「今日は何をもらう?」と3人で楽しそうに日本酒のメニューをめくっています。

 私のほうも、2本目のお酒として「喜久酔(きくよい)」を燗でもらって、肴には鮎子うるか(鮎の卵の塩辛)を注文すると、この鮎子うるかが、なんと1年間漬け込んだもの。ねっとりとしているのに、粒々感もあって、クセになる食感、クセになる味わいです。お酒も進むなぁ。

 続いて入ってきた若い男性ふたり連れは、青森の出身で、「善知鳥」(←青森の県鳥)という店名に引かれて、はじめてやって来たんだそうです。

 ここの店主も青森の出身で、先ほどご紹介した珍味類以外にも、お通しでも出されたミズ納豆や、南部駒の霜降桜刺、煎餅汁などの郷土料理も並んでいるのです。

「なにかおすすめを」と若いふたり連れからたのまれた店主は、

「それじゃ、クリーム帆立はいかがでしょう」と、私も大好物の一品をすすめます。

 このところ、やって来るたびにクリーム帆立があったので、いつもある肴(さかな)かと思っていたのですが、本当はときどきしかないんだそうです。

 このクリーム帆立は、この店のオリジナルで、甘みと旨みが強いという陸奥湾で採れた帆立を、玉子の黄身と和えて、3ヶ月ほど漬け込んだもの。青森の郷土料理である貝焼ミソと帆立玉子とじ、そして店主の好物でもある帆立グラタンをヒントに、工夫を重ねて作りあげたんだそうです。

 ゆっくりと2時間ちょっと愉しんで、お勘定は3,000円でした。どうもごちそうさま。

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「善知鳥」 / ミズ納豆 / 鮎子うるか

店情報前回

《平成20(2008)年9月6日(土)の記録》

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おしんこはムルキムチ … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

おしんこ(水キムチ)


 日曜日は、夕食前の“よじかわ”(←寄り道さんの造語で、開店時刻の午後4時に「川名」に行くこと)です。

 「川名」など、近くの酒場にはしょっちゅう行っているので、逆にこのブログにはあまり登場しない(何回かに1度くらいしか書いていない)のですが、今日、「川名」に行ったのには、ひとつ目的があったのです。

 それは「川名」のおしんこを食べること。

 「川名」に“おしんこ”というメニューがあること自体は知っていたのですが、そのメニューは、大きく短冊で張り出されるわけでもなく、また日々おすすめのホワイトボードに書き出されるわけでもない。壁にかけっぱなしの定番用のホワイトボードの片隅に小さく「おしんこ(白菜)126円」と載っている程度だったのです。

 これを見て、これまで私の頭の中に想像されていたのは、牛丼屋さんなどで出てくる、あの白菜漬けのイメージでした。その白菜漬けだって嫌いなわけではないのですが、多彩な「川名」の品揃えの中にあって、なかなか注文する機会が訪れなかった一品だったのです。

 ところが、先日「Y-TABEのレミング2」に載った「川名」の記事によると、このおしんこが本場の「ムルキムチ(水キムチ)」であると書かれているではありませんか。これはさっそく試してみなきゃと、やってきたのでした。

 いきなりおしんこというのも何なので、まずはマグロぶつ(294円)と生グレープフルーツサワー(336円)でスタートすると、今日のお通し(サービス)はスイカ。そしてサワーをおかわりしたところで、いよいよ満を持しておしんこ(126円)の注文です。

 すぐに小皿で出されたおしんこは、見た目は非常にシンプルな白菜の漬物で、ちょっと水分が多いかなといった感じ。よく見ると、ところどころに小口に切った唐辛子片が混ざっています。

 ひとつまみ口に入れると、シャクシャクと軽快な白菜の歯ごたえの中から、ピリリとパンチの効いた辛味がじわーんと出てきます。この辛味が、辛過ぎることもなく、効かないこともなくの、ちょうどいい具合。いやぁ、これはいいなぁ。

 さっそく私の後ろを通過中だったハルちゃん(=ハルカさん。店を手伝っているカワイイ女性)を呼び止めて、おしんこのおかわりをお願いします。

 このおしんこ。店にやって来るなり、必ず注文する人も多いんだそうで、知る人ぞ知る名物品のひとつだったんですね。

 ここ「川名」のメニューには、書かれている料理名だけで判断してはならない逸品が数多く隠れています。たとえばマーボ豆腐(504円)。イメージの中にある赤い辛いマーボ豆腐とはまるで違って、ここのマーボ豆腐は、ひとり用の土鍋にたっぷりと作られた、とろとろ熱々の豆腐スープといったもので、お腹にもやさしい一品なのです。(初食時の記事はこちら

 同じマーボ・ファミリー(?)のマーボ春雨(504円)も、同じくひとり用土鍋にたっぷりと作られる、とろみ付きラーメンの麺が春雨、といった品。(同じくこちら

 湯ギョウザ(504円)は、ひとり用土鍋たっぷりの野菜スープの具に餃子が入ったもの。(同じくこちら

 おもしろいのはツナコーンサラダ(336円)で、これもまたひとり用土鍋で出される一品。まず鍋にレタスを敷き詰めて、その上にトマト、ツナ、コーンが、鍋の三方にデーンと盛られているのです。(同じくこちら

 こうしてみると、ひとり用土鍋で出される料理に、おもしろい料理が多いんですねぇ。

 おしんこを2人前いただいた後は、うなぎきも串(189円)と、このところはまり気味の皮にんにく串(168円)をもらって、午後6時前まで、2時間弱の滞在は1,764円でした。どうもごちそうさま。

 次回から、おしんこもまた私のお気に入りメニューになりそうな予感です。

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まぐろぶつ / うなぎきも串 / 皮にんにく串

店情報前回

《平成20(2008)年9月7日(日)の記録》

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〔コラム〕 私の二日酔い予防法

「川名」の生グレープフルーツサワー


「今日こそ飲み過ぎないように気をつけよう!」

 いつもそう思いながら飲み始めるのですが、なかなか実行できたためしがない。気がつくと、たいてい飲み過ぎになってしまっているのでした。

 それじゃ、飲み過ぎてしまってからの対応策として何をすればいいのか。

 答えはものすごく簡単で、体内からアルコール分を追い出してしまえばいいのです。

 飲んでいる仲間が急性アルコール中毒になった場合、救急車を呼ぶと、搬送先の病院では点滴(輸液)を行って、利尿によりアルコール(エタノール)分を体外に出そうとしてくれます。

 しかし、日常的に点滴ができる環境が近くにある人は、そうはいませんよねぇ。

 自分でできる対応策。それは、水分を大量に補給することと糖分を補うことです。

 点滴と違って、水を大量に飲んだからといって、急速にアルコール濃度が薄まったりするわけではありませんが、アルコールの利尿作用によって水不足になっている身体に水分が補給されることで、尿や汗とともにアルコールを体外に出すことが促進されます。

 体内に入ったアルコールは、肝臓の働きによって、アセトアルデヒドという状態を経て、酢酸(さくさん)に分解され、最終的に水と二酸化炭素になって体外に排出されるのですが、この分解のために必要なのが糖分で、なかでも果糖がいいんだそうす。

 この両方(水分と果糖)を一気に補給できるのが、たとえば果汁100%のグレープフルーツジュース。たくさん飲んで帰ってきたあと、寝る前に大量のグレープフルーツジュースを飲んでおくと、翌日の二日酔いを(ある程度)予防することができるはずです。

 ジュースがない場合は、水をたくさん飲んでおくだけでも、ある程度の効果は得られると思います。

 迎え酒は、新たに入ったアルコールの酔いによって、二日酔いの不快感を麻痺させる方法です。新たな酔いが醒めるときに、また同じ状態になりますので、言ってみれば「問題を先送りした」だけなですね。常に酔いが醒めない状態(連続飲酒!?)にしてしまえば、この方法も有効かもしれませんが、そうすると二日酔いはなくなっても、アルコールによって身体を壊してしまうなど、別の面での影響がとても大きそうです。

 二日酔いのときに、吐いたり、下したりというのも、身体の中の毒素(アルコールなど)を早く追い出そうと、身体が自らがんばってる状態なので、下痢止め薬などで止めてしまうのは逆に良くないそうです。しばらくガマンしておくしかありません。

 そんなわけで、個人的には「二日酔い対策として有効なのは、寝る前のグレープフルーツジュース(ないときは水)に限る」という結論を得たような次第ですが、この対応策、大量の水分摂取と、アルコールによる利尿作用とで、夜中に必ずトイレに立たないといけないという副作用があるのがちょっと(かなり?)欠点です。二日酔いのつらさと、眠いのにトイレに行かないといけないつらさのどっちを選ぶか。酔って帰ってきている身には、とても厳しい選択です。

 その時点では「今日は飲み過ぎてないから大丈夫。ゆっくりと眠るほうを選びましょう」と思って対策を怠り、翌朝になってからすごく後悔することも多いのです。

「そうか。じゃ、生グレープフルーツサワーをもらって、アルコール摂取と同時に、グレープフルーツジュースの摂取も行っちゃえば一石二鳥だな」

 そんな虫のいいことを考えて、生グレープフルーツサワーがメニューにある「川名」などでは、生グレープフルーツサワーを注文することも多いのですが、これぞまさにマッチポンプ。ちゃんと効いてくれているんでしょうか(笑)。

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店情報: さしみや「五坪(ごつぼ)」(蒲田)

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  • 店名: さしみや「五坪」
  • 電話: (非公開)
  • 住所: 144-0052 東京都大田区蒲田5-23-5
  • 営業: 17:00-22:00、日祝休、(ランチ 11:30-13:30)
  • 場所: JR蒲田駅東口を出て、信号付き横断歩道でロータリーを渡り、正面のローソン(左)とアコム(右)の間の路地へ進む。3分ほど歩いた左手角。
  • メモ: 店名のとおり5坪の敷地の酒場。1階が立ち飲み、2階はカウンターと座敷の座り飲み。本業が築地の魚屋で、魚介類が充実していて安い。昼はランチ営業もあり。
    メジトロ630、メジマグロ525、タイ525、黒タイ525、黒ソイ525、石カレイ525、皮ハギ525、カツオ525、サンマ525、サンマあぶり525、殻付カキ525、クジラユッケ525、マグロユッケ525、サーモンルイベ525、鹿の子ルイベ525、アオリイカ472、水タコ472、白イカ525、ツブ貝525、ミル貝525、平貝525、ホッキ貝525、生サバ420、〆サバ420、トビ魚420、トビ魚なめろう420、生ウニ420、北海青つぶ貝315、岩ガキ630から、アワビ840から、サザエ525から、伊勢エビ天ぷら525、巻エビ唐揚525、穴子天ぷら420、ハマグリ酒むし525、すっぽんにこごり367、三点天ぷら(しいたけ、みょうが、ピーマン)472、カニ酢367、玉子とうふ315、イワシフライ420、生ワカメ315、焼き地ハマグリ525、サーモンコロッケ472、サバ塩焼420、納豆磯辺揚げ367、タコ唐揚472、ハタハタ塩焼630、いか納豆367、マグロ納豆420、あん肝ポンズ420、金目頭煮付472、金目カマ煮付472、くらげ315、大田川天然アユ840、もろきゅう315、キュウリたたき315、ハモ南蛮315、タコのやわらか煮367。
    〔焼物〕くさや(ムロアジ)1260、くさや(とび魚)1575、平目塩焼420、サバ塩焼420、こまい420、くりから367、いわし丸干し315、ハラス塩焼262、サザエつぼ焼525~、〔サラダ〕オニオンサラダ367、ポテトサラダ367、〔揚物〕白身フライ472、ハモの天ぷら472、アジフライ420、ゲソの唐揚げ420、ホタテフライ399、カレイ唐揚げ472、桜えびのかき揚げ420、タコ唐揚げ472、〔一品〕クジラベーコン525、いか塩辛(自家製)315、ホヤの塩辛315、塩らっきょ315、もずく210、もろきゅう210、〔御飯〕海鮮丼630、ウニ・イクラ丼840、おにぎり(ウメ・昆布)1個250、みそ汁210、お新香210、〔自家製〕梅酒シャーベット157、特大梅甘露煮105、トマトジュース157。
    〔ビール〕エビス中瓶525、スーパードライ中瓶472、生ビール(スーパードライ中)367、〔日本酒〕菊正宗(燗、冷)315、一の蔵(冷)525、ヒレ酒840、〔サワー〕ウーロンハイ315、緑茶割315、レモンサワー315、梅サワー315、シークサワー420、〔1ショット(芋焼酎)※1ショットはロック、水割り、お湯割りともに同一料金です〕島美人420、黒霧島420、白霧島420、黒伊佐錦420、さつま司420、秀水525、幸蔵577、薩摩577、こうもり630、龍宝630、天酔楽1050、十六代1050、魔王2100、〔1ショット(麦焼酎)〕かふか420、香吟525、〔1ショット(黒糖焼酎)〕三年寝太蔵525、れんと525、里の曙525、天下一525、花恋慕630、八千代630、朝日630、〔1ショット(泡盛)43度〕古酒840、瑞穂840、久米仙840、〔ワイン〕赤・白420、〔ボトル〕芋焼酎・島美人(900ml)2100、黒霧島(900ml)2100、黒糖焼酎・れんと(720ml)2625、れんと(900ml)3150、麦焼酎・かふか25度2100、香吟28度3150、〔ソフトドリンク〕オレンジジュース241、シークワサージュース525、〔ピッチャー(600ml)〕緑茶525、ウーロン茶525、〔その他〕氷(ロックセット)210。(2008年9月調べ)

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蒲田で人気の魚介の店 … さしみや「五坪(ごつぼ)」(蒲田)

さしみや五坪


 都内南部エリア最大の酒場タウン、蒲田にやってきました。駅を東側(海側)に出て、呼び込みのお兄さんがたくさん並んでいる通りを抜けたところにあるのが、魚介類を安く楽しむことができることで名の知れた、さしみや「五坪」です。

 1階が立ち飲み、2階は座り飲みになっているそうなのですが、その1階はお客さんがいっぱい。無理すれば入れないこともなさそうなのですが、せっかくなので2階の店内ものぞいてみようと階段を上がると、2階の店内は、入ってすぐのカウンター席と、小上がりにテーブル席が4卓ほど。その店内に、一組(男性二人連れ)しかお客さんが入っていない状態で、我われ(2人)も、座敷の1卓に案内されます。

 まずは瓶ビール(エビス中瓶、525円)をもらって乾杯すると、すぐにホワイトボードに書き出された「本日のおすすめ」メニューを持ってきてくれます。

 ずらりと書き出された品数はおよそ60品。これとは別に、テーブル上に置かれたメニューがありますので、全体では90品に近い品数です。刺身類は420円から630円といったところで、メジマグロやタイ、石カレイ、皮ハギなどの525円というのが刺身の最多価格のようです。他に天ぷらや、焼き物、揚げ物、ご飯物などが並びます。一番高いのはトビウオのくさやで1,575円。これとムロアジのくさや(1,260円)の2品だけが千円以上の品です。

 そんな中から、ハモ南蛮(315円)と、くじらユッケ(525円)、あん肝ポン酢(420円)の3品を選びます。

 ありゃっ!? 今、これを書きながら気がついたのですが、せっかく「さしみや」にやって来ながら、魚の刺身を注文しなかったんですねぇ。ま、くじらユッケがそれに近いといえば近いか。

 ご飯物には海鮮丼(630円)や、ウニ・イクラ丼(840円)も並んでいて美味しそう。ランチタイムも営業しているのだそうです。

 ビールをもう1本もらって、1時間ほどの滞在は二人で2,310円(ひとりあたり1,155円)でした。

080909a 080909b 080909c
ハモ南蛮 / くじらユッケ / あん肝ポン酢

《平成20(2008)年9月9日(火)の記録》

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