宮城のホヤに宮城の酒 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

ホヤ刺身とホヤ水


 「竹よし」の冷蔵ショーケースにホヤが並んでいる。

 丸ごと1個が600円。これを酢の物ではなくて、刺身でいただくのが「竹よし」の定番である。

 さっそくそのホヤを注文すると、店を手伝っているリエさんから、「それじゃ、お酒はやっぱり『浦霞うらかすみ』ですか?」と声がかかる。

 そうだった、そうだった。

 前にホヤをいただいたときに、リエさんから、宮城産のホヤにぴしゃりと合うのが、同じ宮城の「浦霞」であることをうかがったのでした。

 郷土の料理には同郷の酒。これが一番おいしい組み合わせである。

 さっそくその「浦霞」(1合500円)を冷酒でもらって、ちびりちびりとりながら、ホヤの出を待つ。

 海底の岩などに固着しているホヤは、「海のパイナップル」とも呼ばれるような外観をしていて、まるで植物のように見える。しかしその実体は、プランクトンなどを餌にして生きている動物なんだそうな。

 ホヤの特徴は、その独特のにおいにある。鮮度が落ちるのがものすごく早くて、鮮度が落ちるにつれて、その独特のにおいもきつくなる。

 愛好家にとっては、そのにおいも含めてホヤが好きなんだろうが、そうでない人にとっては「ただ臭いだけ」といった感じになり、好みがはっきりと分かれるところだ。

 その「鮮度よく美味しく食べることができる時間がきわめて短い」ということが影響しているのか、私自身、これまで東京以西ではホヤを食べたことがない。東京に来てから初めて知った味のひとつである。

 昔は、食べた瞬間に「わっ。やられた」みたいなホヤを出す店もあったが、最近はあまりハズレはない。特に「竹よし」のホヤは、ハズレたことがない。

 さあ、いよいよ出て来ましたよ。

 丸皿の上に置かれたホヤの殻の上に、オレンジ色のホヤの身がプルルンと並び、添えられる小さなグラスには、ホヤの殻の中に閉じ込められていた水(=ホヤ水)が入っている。

 このオレンジ色の身の裏に、黒っぽい内臓が付いていて、それがホヤ独特のにおいの発生源であるとともに、愛好者にとってはたまらぬ味わいの源になる部分なんだけれど、そこはていねいに取り去られているから、あまりクセはない状態である。

 醤油皿も添えられてるんだけど、醤油は使わない。

 ホヤ水に、ちょいとワサビを溶きいれて、そこにホヤの身をつけていただくのが美味いんだ。

 このホヤ水。基本的には海水なんだけど、ホヤの殻の中で、ホヤの身と一緒に過ごすうちに、なんとはなしにホヤっぽい旨さが溶けだしてきているようなのだ。

 1本めの「浦霞」はあっという間になくなって、すぐに2本めをおかわりである。

 ホヤの身がなくなった後も、ホヤ水そのものがつまみになる。いいねえ、ホヤ。

 ほかの常連さんが注文した「マグロの目玉と野菜煮」(500円)なども、ちょっとつつかせてもらったりしながら、2時間ちょっとの酒場浴。

 今夜のお勘定は1,600円でした。どうもごちそうさま。

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「竹よし」 / 調理前のホヤ / 「浦霞」(冷酒)

店情報前回

《平成29(2017)年4月8日(土)の記録》

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玉ネギも美味いPトロ … やきとん「すっぴん酒場」(野方)

玉ネギも美味いPトロ


 通勤経路がJR中央線に変わったので、これまで途中下車して立ち寄っていた西武新宿線沿線の酒場が、ちょっと遠くなった。

 そこで土曜日の今日は、散歩もかねて、野方の「すっぴん酒場」にやってきた。

 うちの故郷いなかのほうだと、電車の一駅というと、何キロもの距離があったりするが、東京二十三区内の一駅は最長でも2キロほどと、わりと近い。わが家からだと、中央線の高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪、西武新宿線の野方・都立家政・鷺ノ宮・下井草あたりが、すべて徒歩圏内なのである。

 店に着いたのは午後6時。

 立ち飲みカウンターの奥のほうでは、すでにS藤さんやK藤さんといった常連さんが、いつものように大笑いしながら立ち飲んでいて、その姿を見ただけで、なんだかホッと気持ちが落ち着くなあ。

 私もいつものように黒ホッピー(450円)をもらって、レバ、シロ、チレ(各100円)を注文すると、すぐに出されるお通し(100円)は、今日はポテトサラダだった。

 売り切れていない限り、1巡めは必ずレバ、シロ、チレから入り、その3本を食べる途中で2杯めとなるナカ(250円)をもらうのが定番の流れだ。ここまではほぼ無意識に、なにも考えることなく注文している。

 そしてその最初の3本を食べ終えるころに、初めて「今日は何を食べようかなあ」と考え始める。

 ちょうどそのとき、焼き台近くで立ち飲んでいるお客さんから「中島メンチ」(250円)の注文が飛んだので、ここぞとばかりに私も「中島メンチ」を便乗注文した。

 「中島メンチ」は、地元で人気の「中島屋精肉店」の自家製手造りメンチカツを炭火で炙って出してくれるもの。熱々のところへ、中濃ソースをちょいとかけて、練りカラシをつけていただくのがうまいんだ。

 この「中島メンチ」で3杯めをいただいて、4杯めをもらうのと一緒に注文したのが、急に思いついた『豚肉トリオ』。「あぶらにんにく」(100円)、「Pトロ」(150円)、そして「豚バラ味噌だれ」(200円)の3種3本だ。

 ところが!

「ごめんなさい。豚バラ味噌だれ、売り切れです」

 アイタタタ。ここの品書きは、カウンターの上にぶら下げられている木製の短冊で表示されている。売り切れるとその札が裏返って、赤字での表示になるのだが、時として、売り切れたのに札を裏返すのを忘れていることがあるのでした。

 代わりに「しょうがみょうが」(200円)をもらうことにした。

 「あぶらにんにく」は、焼いても縮みにくいカシラ脂とニンニクを交互に刺して焼いたもの。

 「Pトロ」は、豚トロと玉ネギを交互に刺して焼いたもの。玉ネギが1切れ、2切れじゃなくて、小さなブロックで刺されているのがいいんだね。(冒頭の写真がそれです。)

 そして「しょうがみょうが」は、生姜(しょうが)と茗荷(みょうが)を豚バラ肉で巻いて焼いたものである。

 ゆっくりと2時間ほど立ち飲んで、ホッピーがソト1・ナカ4での総支払額は2,300円なり。どうもごちそうさま。

 店を出ると、満開の夜桜。いい季節だね!

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「すっぴん酒場」 / 黒ホッピー / お通しのポテトサラダ

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れば / しろ / ちれ

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中島メンチ / あぶらにんにく / しょうがみょうが

店情報前回

《平成29(2017)年4月8日(土)の記録》

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テーブル席で座り飲み … 立呑み「やきや」(荻窪)

塩辛で燗酒


 仕事を終えたあと、職場の会議室で軽く飲む予定が、けっこうヘビーに飲んでしまい、荻窪駅に降りたったのは午後9時。

 せっかくなので、もうちょっと飲んで帰りますかね。

 南口側に出て、「やきや」へと向かうと、目の前を歩いていたおにいさんも、吸い込まれるように「やきや」に入っていった。

 私もすぐそのあとに続いて店内へ。

 満席に見える店内を、ずんずんと進んでいくと、立ち飲みカウンターの一番奥のほうに、ひとり分の空席があって、先行するおにいさんがそこに立つ。

 ほかに空きはないのかと見ると、なんと一番奥のテーブル席に1席分の空きがあったので、そこに入らせてもらった。

 ここ「やきや」は基本的に立ち飲みなのだが、一番奥のテーブル席の壁側にだけ、2人~つめて3人ぐらいの座れる席があるのである。

 いやあ「やきや」で座ったのは久しぶりだなあ。

 会議室ではウイスキーをグイグイといただいたので、ここ「やきや」では「北の誉」(250円)を燗でいただくことにする。合わせるつまみは「自家製塩辛」(200円)を選択。

 イカの塩辛には、すっきりと浅めに漬けたフレッシュタイプと、旨みたっぷりにしっかり漬け込んだ熟成タイプがあるが、八戸産の新鮮なスルメイカが自慢の「やきや」の塩辛は、スカッとあと味も爽やかなフレッシュタイプである。

 2本目の燗酒には「いか納豆」(200円)を合わせた。

 イカ納豆は、イカ刺+納豆+刻み白ネギの小鉢である。

 これに醤油をサッと回しかけて、グリグリ、グリグリとたっぷりとかき混ぜてからすすり込む。

 ックゥ~~ッ。納豆の旨みと、イカ刺の弾力感。

 さっきのフレッシュタイプの塩辛が、「イカ刺のワタ和え」だとすると、こっちは「イカ刺の納豆和え」だ。

 これまた燗酒によく合うのぉ。

 燗酒2本(2合)と、イカ料理2品で1時間ちょっと楽しんで、今宵のお勘定は900円なり。

 この安さも「やきや」ならではだね。どうもごちそうさま!

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「やきや」 / 自家製塩辛 / いか納豆

店情報前回

《平成29(2017)年4月7日(金)の記録》

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おからで櫻正宗の燗酒 … スタンディングルーム「鈴傳(すずでん)」(四ツ谷)

おからで櫻正宗


 4月から職場が四ツ谷界隈になったので、通勤経路もこれまでの西武新宿線+JR山手線から、JR中央線1本に変更した。

 四ツ谷といえば、まずパッと思い浮かぶ酒場が、スタンディングルーム「鈴傳」だ。

 その母体となっている地酒専門店「鈴傳」の創業は江戸時代後期。ペリーがやってくる3年前の嘉永3(1850)年のこと。今年で創業167年という老舗である。

 そんな老舗酒店の一角で立ち飲みができるようになったのは昭和24(1949)年のこと。だから立ち飲みの歴史だって68年という老舗である。戦後間もないその当時は、大蔵省や東京陸運局などが四ツ谷にあって、ちょっとお酒を飲むことができる場がにぎわっていたんだそうな。

 私自身はというと、ずいぶんごぶさたしてしまっていて、実に5年ぶりの「鈴傳」である。

 火曜日、午後6時の店内は、予想どおり混みあっていて、ほぼ満席の状態である。

 ただし今は、スタンディングルーム側だけではなくて、店内(酒屋さんの側)でも立ち飲みができるようになっているらしく、数人で来たグループは、立ち飲みカウンターの一番手前側のお酒の注文をする場所で人数を聞かれ、そちらに案内されている。

 そのお酒を注文する場所のすぐ奥側に、ちょうどひとり分の空間があったので、私はそこに陣取って、「手取川」(450円)と「刺身」(430円)を注文した。

 料金は品物と引き換え払い(キャッシュ・オン・デリバリー)である。

 カウンターの目の前にあるケースの中には、マグロ、〆サバ、タコという3種類の刺身が並んでいるが、単品では出していなくて、この3種が盛り合わされて430円となる。ひとりで食べるのに、ちょうどいい量だ。

 つまみは他にも煮物やら、揚げ物やら、お新香やらが10種類ほど並んでいて、それぞれ380~430円という価格帯。というか、注文カウンターのすぐ横で聞いていると、380円か430円のいずれかの価格のようだった。

 そんなつまみの中に、「おから」(380円)があるのを発見。

 さっそくその「おから」をもらって、お酒は「櫻正宗(純米・山田錦)」(600円)にお燗をつけてもらうことにする。

 「おから」をつまみに、「櫻正宗」の燗酒。気分はすっかり、今はなき野毛の「武蔵屋」である。

 酒屋さん側で飲んでるお客さんも、スタンディングルーム側に空きができると、順次、こちら側に案内されてきている。酒屋さんの側は、満員時の緊急避難場所的な使われ方をしてるんだろうな。

 この記事を書くのにあたって、改めて公式サイトを確認してみたところ、なんと今は予約もできるようだ。

 1時間ほどの酒場浴。本日の支払総額は1,860円なり。どうもごちそうさま。

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「鈴傳」 / 刺身と「手取川」 / マグロ、タコ、〆サバの3点盛り

店情報前回

《平成29(2017)年4月4日(火)の記録》

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横綱一味が気になって … 居酒屋「ペルル」(鷺ノ宮)

横綱一味


 居酒屋「ペルル」のつまみに、「横綱一味よこづないちみ」(300円)というのがある。

 前からとても気になっていたんだけれど、なぜかずっと注文しないままだった。

 今日、他のお客さんから横綱一味の注文が入ったので、ここぞとばかりに私も便乗注文してみた。

 「あさぶろ」「パラスパ」「ねぎ兵衛」「ショーパン」など、昔から面白い名前のつまみが多いのが、ここ「ペルル」の大きな特徴。

 今回注文した「横綱一味」も、そんな面白ネームのつまみのひとつだ。

 ど~れどれと見ていると、驚くほど簡単。お皿の上に紙ナプキンを1枚敷いて、その上に「あられ」を、袋からカラカラカラっと入れる。もう1つの小皿にマヨネーズをチュルチュルチュルっと出して、その上に一味唐辛子をパラパラっと振りかけたらできあがりだ。

 この「あられ」が、京都・伏見の天狗製菓の「横綱あられ」だというところがポイントなんだろうな。

 「横綱あられ」+「一味唐辛子を振りかけたマヨネーズ」だから、「横綱一味」というわけだ。

 がしかし!

 このとってもシンプルなつまみが、やけに美味しいんだからおもしろい。

 決め手は「一味唐辛子を振りかけたマヨネーズ」にある。

 「横綱あられ」そのものは、言ってみれば極めて普通のあられなのに、これに「一味唐辛子を振りかけたマヨネーズ」をつけると、なんだか「ちゃんとしたつまみ」になるのだ。

 よくこの食べ方を見つけたよねえ。

 キープしているウイスキーボトルに、氷セット(500円)、炭酸水(300円)×2本、温豆富(400円)に「横綱一味」(300円)で、今夜のお勘定は1,800円なり。

 開店直後(午後7時過ぎ)にやってきた今日も、けっきょく閉店間際近く(午後11時20分ごろ)まで居座ってしまった。

 どうもごちそうさま。

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「ペルル」 / ウイスキー・ハイボール / 温豆富

店情報前回

《平成29(2017)年4月1日(土)の記録》

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カマンベールチーズ焼 … やきとん「すっぴん酒場」(野方)

カマンベール


 西武新宿線・野方のがた駅に到着したのは午後11時前。

 「すっぴん酒場」の閉店まで、あと1時間。

 よーし。寄っていこう!

 「すっぴん酒場」までは、駅から徒歩2~3分。

 店内は、いつもいる常連さんたちもすでに帰っていて、そろそろ閉店に向かうモードに入っている。

 いつものようにホッピー(黒のみ、450円)をもらって、お通し(100円)のお新香で飲み始める。

 そして注文した焼きものもまた、いつもと同じくレバ、シロ、チレ(各100円)である。

 なにしろ1時間しかないので、ホッピーを少し飲んだところへ、ソトをつぎ足しながら、ソト1・ナカ2のペースを目指していく。

 いつもはソト1・ナカ4で、2~3時間程度のペースだから、その半分ぐらいだ。

 2杯めとなるナカ(250円)をもらったところで、今日はカマンベール(250円)を注文してみた。

 カマンベールは、小さな円形のものを8等分したものを2個(つまり全体の4分の1の量)、炭火で炙り、同じく薄くスライスしたフランスパン2枚も炭火で炙って添えて出してくれる。

 これをチビチビとかじりながら、2杯めのホッピーをゆるゆるといただく。

 閉店まで1時間の酒場浴。今夜のお勘定(キャッシュ・オン・デリバリーの総支払額)は1,350円なり。

 どうもごちそうさま。

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黒ホッピーセット / お通しのお新香 / れば

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ちれ、しろ / カマンベール / 提灯の消えた「すっぴん酒場」

店情報前回

《平成29(2017)年3月31日(金)の記録》

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老舗で飲む燗酒がいい … 酒寮「さいき」(恵比寿)

燗酒


 久しぶりに「さいき」にやって来た。

 前に来たのが平成20(2008)年のことだから、実に9年ぶりである。

 相変わらず、「お帰りなさ~いっ」と迎え入れられるのがいいね。

 店内の様子は変わっていないが、カウンターの中や外で働いているおねえさんたちは、アジア系の外国の方が多いようだ。

 店内のお客さんたちも、ずいぶん若返ったように感じる。

 店主の那(くに)さんの姿が見えないので聞いてみると、今は老人ホームに入っているそうだ。

 でもまあ、前のままの形でお店が続いているんだから、ありがたいと思わないといけないなあ。

 「さいき」の創業は昭和23(1948)年。今年で創業69年である。

 まずはビール(サッポロ黒ラベル)をもらうと、日替りの3品のお通し(1,300円)が出される。

 ビールがなくなったところで凍結酒(600円)に移行する。この凍結酒も、昔から「さいき」の名物のひとつである。

 それなら料理も名物をと、「海老しんじょう」(900円)を注文した。

 揚げたて熱々で出される「海老しんじょう」は、ほっくりと軟らかい。添えられた青海苔塩をつけていただく。これまた懐かしい味だなあ。

 凍結酒の後は、燗酒に移行して、「柳かれい一夜干し」(950円)、「だし巻玉子」(650円)、「おしん香」(450円)、「らっきょう」(650円)を追加注文。

 となりに入ってきた外国人カップルは、なんとブラジルはサンパウロからの出張客。ガイドブックでこの店のことが紹介されていたんだそうな。

 ポルトガル語の歌うようなリズムが、耳に心地よい。

 じっくりと4時間近くも飲みに飲んで、今夜のお勘定は二人で15,300円。

 ひとり当たり7,650円というのは、私のこの店での最高新記録だなあ。そんなにたくさん燗酒をいただいてしまいましたか。

 たしかに自分でも、ものすごく酔っている自覚がある。

 気をつけて帰らないとな。どうもごちそうさま。

 店を出る背中に投げかけられる、おねえさんたちの「行ってらっしゃ~いっ!」の声がうれしいね。

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お通しの3品 / 凍結酒 / 海老しんじょう

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燗酒 / おしん香 / 柳かれい一夜干し

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だし巻玉子 / らっきょう / ブラジルからのカップルと

店情報前回

《平成29(2017)年3月31日(金)の記録》

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とうべいをご存知か? … 「九州酒場(きゅうしゅうさかば)」(田町)

とうべい


「おすすめのつまみは?」

 客席を切り盛りする女店員さんに、そう質問すると、

「珍しいのは『とうべい』(370円)かしら。お酒が進みます」

 という答えが返ってきた。

 熊本の山奥、平家落人の里で作られ、それ以来、800年に渡って伝承された秘伝の保存食。ものとしては「豆腐のみそ漬け」で、その名称は漢字で「豆銘」と書いて、「とうべい」と読む。(公式サイトあり。)

 さっそく注文してみると、まるで羊羹(ようかん)のようにスライスされた一切れが、小皿にのせた大葉の上に鎮座してやってきた。

 ほっほぉ~っ。この感じ、以前にも見たことがありますなあ。

 これはそう、沖縄の「豆腐よう」か、中国の「腐乳(ふにゅう)」の系統のつまみに違いない。

 箸の先っぽに、ちょっとだけつけてなめてみる。

 おぉ。系統的には「豆腐よう」「腐乳」なんだけど、こちら「とうべい」は、なんといっても、みそ味!

 日本のお酒(焼酎や日本酒)には、圧倒的に「とうべい」のほうが合うよねえ。

 これはいいつまみを知ることができた。

 今日は職場での飲み会の二次会として、4人でここ「九州酒場」にやってきた。

 満席でも26人ほどという小さい酒場ながら、店内にずらりと並ぶ各種焼酎(1杯が400~600円)や、九州各地の名物料理が、この店の大きな売りだ。

 我われも、それぞれ好みの焼酎を、好みの飲み方で出してもらう。私は芋焼酎「さつま寿」を湯割りでもらった。

 つまみは熊本の「辛子れんこん」(560円)に、福岡の「炙り明太子」(500円)、「イシダイ刺身」(580円)、かごしま黒豚の「肉味噌きゅうり」(270円)、そして冒頭でご紹介した、熊本の「とうべい」を注文。

 それぞれ九州らしい一品に舌鼓を打ちながら、焼酎を次々におかわりする。ふと気が付けばもう午後11時だ!

 いかんいかん、まだ週半ばなのに、すっかり飲み過ぎてしまった。

 大急ぎでお勘定を済ませ、家路についた。

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「九州酒場」 / 辛子れんこん / 炙り明太子

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イシダイ刺身 / 肉味噌きゅうり / 一次会の写真

店情報

《平成29(2017)年3月29日(水)の記録》

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店情報: 「九州酒場(きゅうしゅうさかば)」(田町)

    九州酒場
  • 店名: 九州酒場 田町店
  • 電話: 03-3457-0218
  • 住所: 108-0014 東京都港区芝5-33-1 森永プラザビルB1F
  • 営業: 11:15-13:30 & 16:30-23:00(土は12:00-20:00の通し営業)、日祝休
  • 場所: JR田町駅三田口を出て右手、森永プラザビルのB1F。駅から徒歩1分。都営地下鉄三田駅A5出口からも徒歩1分。
  • メモ: 平成24(2012)年3月開業。カウンター席とテーブル席で合計26席。
    〔当店一押し〕炙り馬刺し(熊本)650、赤身馬刺し(熊本)750、馬刺し2種盛り(熊本)1,180、辛子れんこん(熊本)560、黒豚味噌焼(鹿児島)650、チキン南蛮(宮崎)650、いわし明太子焼(福岡)460。
    〔焼き物〕地鶏もも焼(宮崎)650、きびなご一夜干(鹿児島)460、ぶ厚い油揚げ460、ソーセージ網焼460、地鶏せせり肉網焼き(宮崎)460。
    〔一品うまかもん〕明太オムレツ(博多)460、長崎サラダ(長崎)560、肉味噌きゅうり(黒豚)270、高菜もやし炒め(福岡)370、ホルモンポン酢460、冷やしトマト370、ポテトサラダ270、生野菜サラダ370、おしんこ340、冷奴270。
    〔揚げ物〕さつまあげ(鹿児島)370、地鶏の唐揚げ(大分)460、とり天(大分)560、ポテサラちくわ天(熊本)460、きびなご天ぷら(鹿児島)460、明太子天ぷら(博多)650、串カツ(2本)460、ハムカツ(2枚)370。
    〔珍味〕とうべい(熊本)370、塩辛370、酒盗460、えいひれ460。
    〔めしもの〕ミニちゃんぽん560、レギュラーちゃんぽん750、焼おにぎり(1個)200、皿うどん700。
    〔焼酎〕各種焼酎の一升瓶が店内にずらりと並んでいて、それぞれ1杯が400~600円ほど。
    〔焼酎以外のドリンクメニュー〕生ビール450、レモンサワー380、グレープフルーツサワー380、ウーロンハイ380、緑茶ハイ380、酎ハイ380、梅干サワー430、角玉梅酒500、ハイボール390、レモンハイボール430、グレープフルーツハイボール430、竹鶴ハイボール550、日本酒(西の関)1合580・2合1,150、コーラ300、緑茶300、ウーロン茶300。
    〔本日のうまかもん(日替りの一例)〕ふきのとう・山うど・ホタルイカの天ぷら盛り合わせ620、厚切りベーコン黒コショウ焼680、酢もつ480、長芋のわさび正油450、菜の花のおひたし450、薬味たっぷり厚揚480、炙り明太子500、ホヤの塩辛480、ちゃんポン麺ソース焼そば or 塩焼そば720、刺身4点1,580・3点1,280、イシダイ刺580、タコ刺580、炙り〆サバ刺580、マグロ刺580。(2017年3月調べ)

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3月末日をもって閉店 … 呑み処「細雪(ささめゆき)」(渋谷)

ホッピーセット


 2年ぶりに「細雪」にやってきたら、火曜日の夜9時半にもかかわらず、店内は「超」が付くほどの満席状態。

 入口すぐのテーブル席に相席させてもらって、私はホッピーセット(350円)を、同行者は燗酒(300円)をもらって乾杯し、つまみは自慢の刺身をおまかせで盛り合わせてもらう。

 ホッピーセットには、自動的にコップ1杯(=180ml)分のナカ(焼酎、300円)が付いてくるので、合計は650円となる。しかし、この組み合わせで、ホッピーがソト1に対して、ナカが3~4杯分は楽しめるんだから、1杯あたりに換算すると160~220円ほど。実に安いのだ。

 それにしても、なんでこんなにお客さんが多いんだろう?

 不思議に思って、近くの常連さんらしき人たちに話を聞いてみると、なんと「細雪」は今月末で閉店するという。それを惜しんで、常連さんたちが連日やって来ているんだそうな。

 今月末と言っても、今日が28日の火曜日。明日、水曜日は定休日なので、あとは30日(木)と31日(金)の2営業日しかないではないか!

 改めてお話を伺ってみると、今までこの店はご夫婦で切り盛りさていると思っていたのだが、実は姉・弟。木場「河本」の真寿美さん(女将)と、あんちゃん(料理を担当する弟さん)と同じような関係だということがわかった。

 お二人とも70歳を過ぎる年齢になったので、「そろそろゆっくりしようか」ということで、お店を閉めることにされたんだそうな。

 『後継者がおらず、店主ご高齢のために、やむなく閉店』

 野毛の「武蔵屋」や、杉田の「はまや食堂」、古いところでは鷺ノ宮の「鳥芳」、阿佐ヶ谷の「ホルモン」など、同じ理由での閉店は枚挙にいとまがない。

 こうしてまた1軒、地域で愛された大衆酒場がなくなっていくことが、まことに残念なり。

 今日、この店に来る前に、JRガード下の「さつまや」に向かったんだけど、こちらも閉店していた。こっちは山手線の耐震工事のための閉店とのこと。今から1年半ほど前、平成27(2015)年9月5日(土)をもって、昭和45(1970)年の開店以来、45年続いた店の歴史に終止符を打った。

 さらに現在、渋谷駅周辺の再開発事業も行われているから、数年後にはこのあたりも大きく変わってしまうのかもなあ。

 再開発されたところは、たしかに近代的で効率的な街にはなっているんだけれど、街ごとの個性はなくなっていくような気がしてならない。

 そんなことを改めて思った夜になった。

 1時間ちょっとの酒場浴。お勘定は二人で3,050円(ひとりあたり1,525円)。ごちそうさま。これまでありがとうございました。

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「細雪」 / 燗酒 / 刺身おまかせ盛り(食べかけ)

店情報前回(Muito Brasil)前回(居酒屋礼賛)

《平成29(2017)年3月28日(火)の記録》

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