横須賀で呉酒場を偲ぶ … 「鳥好(とりよし)」(横須賀中央)

だんご


 呉の焼き鳥と、横須賀のとっても濃いホッピー。

 その両者がいっぺんに楽しめるのが、ここ、横須賀の「鳥好」だ。

 しかも、横須賀「鳥好」の大将は、呉の焼き鳥屋が、もっとも華やかな時代に独立して、この店を立ち上げているので、『古き良き時代の呉の焼き鳥屋』が、そのままここに、時代を超えて定着されているのである。

『古き良き時代の呉の焼き鳥屋』とは何なのか。

 すごく単純なことなんだけど、「焼き鳥に専念してる」というのがその答えだ。

 呉(倉橋の室尾)出身の長尾一良さんが、呉の「鳥好」(現在の「本家鳥好」)を開店したのは、昭和26(1951)年のこと。

 長尾さんは、戦時中に働きに出ていた大阪で焼き鳥と出会い、戦後、呉に戻って焼き鳥屋を開いたのだった。

 その焼き鳥屋が、行列ができるほどの大人気店となり、次々にのれん分けした店舗が広がっていったのだった。

 それらの店が「鳥八」「三とり」「鳥晃」などなどと、「鳥」や「とり」が入った店名だったことから、これらを総称して『とり屋』と呼ぶようになったのだった。

 そんな呉の『とり屋』が転機を迎えたのは、昭和50年ごろのこと。

 大手居酒屋チェーン店が、呉にも進出してきたのである。

 これ以降、それら大手居酒屋チェーン店に負けないように、呉の『とり屋』の多くに生簀いけすが設置され、瀬戸内海の新鮮な魚介類などもメニューに並ぶようになったのだった。

 横須賀の「鳥好」が開店したのは、この転機が訪れる前、昭和40年代後期だった。

 だから横須賀の「鳥好」には魚介類のメニューはない。

 呉の『とり屋』も、昔はきっとこんな感じだったんだろうなあ、と思わせてくれる酒場なのである。

 そんな横須賀の「鳥好」に来たら、まずはホッピー(380円)と「鳥皮のみそ煮」(1本70円)だ。

 鳥皮と同じ鍋で煮込まれた玉子とコンニャクも食べたかったので、セット(鳥皮3本+玉子とコンニャクが各1個)でもらった。

 後で知ったことだけど、このセットが500円。実は玉子とコンニャクが意外と高いんだなあ……。

 ちなみに玉子とコンニャクは単品では出していないので、セットでしか食べることができない。

 そして、忘れてはならないのが、だんご(2本1皿300円)と串カツ(3本1皿380円)だ。

 だんごというのは“つくね”のことだんだけど、ここのは揚げてソースをかけているのが大きな特徴。

 これは呉の「本家鳥好」も同じ。というか、「本家鳥好」が元祖だ。

 「本家鳥好」の焼き台は、工夫好きな2代目店主・上瀬弘和さんが若かりし頃(昭和35年頃)に独自に考案したもので、上下から一気に焼き上げることができる。

 普通の焼き鳥はこの焼き台を使うことで短時間で焼けるのだが、つくねの場合はこの高火力が災いして、表面がいい感じで焼けても、中がレアになってしまうのだ。

 そこで、だんごだけはフライヤーを使って揚げることで、焦がさずに、中までじっくりと火を通すことができるようにしたというのが、「鳥好」ならではのだんごの始まりだ。

 カリッとした表面の食感が実にいいのである。

 串カツも「本家鳥好」と同じで、焼き鳥用に串刺しにした鶏肉をカツにしたもの。呉には、この鶏串に衣をつけて天ぷらにして出してくれる店もある。

 最後は横須賀「鳥好」の店主・野村宏さんの生まれ故郷である成田の名産品、「瓜の鉄砲漬」をいただいて〆とした。

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横須賀「鳥好」 / ホッピー / みそ煮セット

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鳥わさ / 串カツ / 瓜の鉄砲漬

店情報前回

《平成27(2015)年12月19日(土)の記録》

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銀色の皿でナポリタン … 居酒屋「千成(せんなり)」(有楽町)

スパゲティナポリタン


 〆でいただいたスパゲティナポリタン(650円)。

 昔ながらの楕円形の銀色の皿で出されるという外観もそうだが、その味わいもまた昔ながら。

 歌の文句じゃないけれど、学生街の喫茶店でスパゲティナポリタンを注文すると、こんなのが出てきてたよなあ。

 なんとも懐かしいかぎり。

 この日は、「古典酒場」の倉嶋編集長が、Webラジオ「オシキリシンイチの脱力主義!」に出演。

 生放送終了後に、番組パーソナリティの押切伸一さんたちと打ち上げをしているところに合流させていただいた。

 やって来たのは有楽町の老舗居酒屋「千成」である。

 店は有楽町駅から、少し新橋駅側に進んだ先のJR山手線のガード下にある。

 ガード下ながら、店内にはずらりとテーブルが並んでいる。100人ほども入れる、けっこう大箱の店らしい。

 まずは生ビール(中、550円)をもらって乾杯する。

 生ビールだけでも、中(550円)、大(700円)、メガ(1,000円)、そしてピッチャー(2,000円)とそろっているところがすばらしい。

 つまみにもらったのは、若竹煮(650円)、いか塩辛(400円)、さわら焼霜(750円)、そして名物のコンビーフポテトチーズ焼き(600円)など。

 大衆酒場と比べると、やや高めの価格設定ながら、銀座にも近い有楽町ガード下と考えると、こんなものなんだろうなあ。

 自ら「美味千成」とも名乗っているとおり、料理はいずれもおいしい。

 飲みもののほうも、ビール、ホッピー、酎ハイ・サワー類、カクテル、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキーハイボールと各種そろっていて、各人の好みに合わせることができる。

 私は、生ビールのあとは黒ホッピー(セット450円、ナカ200円)をもらった。

 最後は「ペパロニサラミのアメリカンピザ」(900円)と、冒頭でご紹介した「スパゲティナポリタン」(650円)をもらって〆。

 2時間半ほど楽しんで、今日のお勘定は4人で1万2千円(ひとり3千円)ほど。

 いやあ、こんな店が有楽町ガード下にあることを、まったく知らなかったなあ。

 またナポリタンを食べに来なきゃね。どうもごちそうさま!

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「千成」 / 生ビール(中)とお通し / 若竹煮、山クラゲ

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自家製いか塩辛 / さわら焼霜 / 名物・コンビーフポテトチーズ焼き

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うきうき山本(うすにごり生) / ペパロニサラミのアメリカンピザ / (なんだっけ?)

店情報

《平成28(2016)年3月22日(火)の記録》

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店情報: 居酒屋「千成(せんなり)」(有楽町)

    千成
  • 店名: 美味千成
  • 電話: 03-3501-6879(予約専用:050-5869-4754)
  • 住所: 100-0006 東京都千代田区有楽町2-1-1
  • 営業: 16:00-24:00(土は -23:00)、日祝休
  • 場所: 東京メトロ銀座駅または日比谷駅のA1またはC1出口を出てJRガード下へ、「登運とん」の近くから狭い通路を線路の真下に入り、新橋方面に向かってすぐ。メトロ出口から徒歩3分ほど。
  • メモ: テーブル93席、カウンター7席の合計100席。予約可、カード可。Facebookあり。
    〔食べもの〕《串焼き》(鶏レバー、鶏もも、手羽先、つくね、せせり、鶏皮、いかだ、砂肝、ししとう、なんこつ)1本120、5本セット550、10本セット1,000。
    《千成名物・だちょう料理》だちょうのカルパッチョ650、炙りダチョウのねぎ塩軍艦550。
    《逸品》豚肉スタミナ焼き500、牛スジ煮込み450、トンテキ600、ゴーヤーチャンプル600、ソーセージ盛り合せ600、和風たこ焼きピザ650、唐揚げねぎ味噌焼き450、出し巻き玉子500、チーズジャーマンポテト550、キムチチヂミ500、チーズオムレツ600、ばくだん550。
    《おつまみ》冷奴250、冷しトマト350、お新香350、梅きゅー350、枝豆400、スナックえんどう塩茹で400、野菜チップ400、鶏皮ポン酢450、ざく切り塩キャベツ350、ピリ辛こんにゃく400。
    《サラダ》海鮮 男のサラダ700、温玉のシーザーサラダ600、蒸し鶏のぱりぱりサラダ600。
    《魚》まぐろ刺身650、北海たこ刺し500、するめいか刺し500、ししゃも450、ホッケ一夜干650、カレイ唐揚げ600、鮭ハラス550、いか丸干し500、エイヒレ400、大皿カルパッチョ(限定5皿)1,500。
    《千成オリジナル》コンビーフポテトチーズ焼き600、牛タンメンチ500、豆アジフライ600、チリビーンズ&チップス600、ナチョス750。
    《揚げ物》なつかしのハムカツ550、若鶏の唐揚500、イカゲソ唐揚500、さつま揚500、鶏皮カリカリ揚400、スパイシーポテト400、川海老唐揚400、さきいか天450。
    《お食事》焼きそば450、おにぎり(梅、酒、明太子、おかか)250、細巻(鉄火、コンビーフマヨネーズ)250・(納豆、かっぱ、山ごぼう)200、ばくだん巻き巻き550、せいろそば550、天せいろ650、味噌汁150。
    〔飲みもの〕《ビール》生ビール(中)550・(大)700・(メガ)1,000・(ピッチャー)2,000、大瓶ビール600、黒ビール小瓶400。
    《ホッピー》シャリキンホッピー450、ホッピー(白・黒)ビン250、ホッピー(白・黒)セット450、なか200。
    《酎ハイ・サワー》酎ハイ400、レモンサワー400、ウーロンハイ400、緑茶ハイ400、ライムサワー400、青りんごサワー400、カルピスサワー400、すだちサワー400、ジャスミンハイ400、ウコンハイ450、梅干しサワー450、生グレープフルーツサワー450、沖縄みかんサワー450、自家製梅肉エキスサワー450。
    《カクテル》カシスソーダ450、カシスウーロン450、カシスオレンジ450、カシスグレープフルーツ450、スクリュードライバー450、ブルドッグ450。
    《日本酒》白鷹(2合)600、他におすすめメニューあり。
    《ワイン(赤・白)》グラス400、ボトル2,000。
    《ハイボール》千成ハイボール400、竹鶴ハイボール550、リタハイボール400、角ハイボール450、ジャックダニエルハイボール550。
    《ボトル》自家製かめ出し(芋)1,800、さつま白波(芋)2,100、黒霧島(芋)2,200、いいちこシルエット(麦)2,100、二階堂(麦)2,200、たんたかたん(しそ)2,100、千成ハウスボトル(芋・麦)1,900。(2016年3月調べ)

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ハツとタンの塩焼で〆 … もつやき専門店「カッパ」(荻窪)

ハツとタンの塩焼


 6年ぶり、もつ焼き「カッパ」である。

 コの字カウンター15席の店内は、8割ほどの入り。

 空いている席のひとつに座り、大瓶ビール(キリンラガー、600円)とお新香(220円)をもらう。今日のお新香はキュウリだ。

 6年も来ないうちに、焼き台も若いおにいさんが担当するようになっていて、まるで新しい店に来たようなアウェイ感がある。

 この店のもつ焼き(1本100円)は、1種類が2本ずつで出されたと思うんだけれど、焼き台を見ると1種1本ずつで焼かれているものが多いようだ。

「もつ焼きは1本ずつでも注文できるんですか?」

 念のため確認してみると、

「はい。1本ずつで大丈夫ですよ」

 と、さわやかな笑顔で答えてくれる、焼き台のおにいさん。

「それじゃあ……」

 と、レバ(肝臓)、リンゲル(膣)、ヒモ(大腸)、ナンコツ(喉笛)の4種類を1本ずつ、タレ焼きで注文した。

 まず出されたのはレバ。プリッと新鮮なレバが、ちょうどいい焼き加減で提供される。

 そして、1本、また1本と、焼けた順に、もつ焼きを皿の上に置いていってくれる。

 知らぬ間に店内は満席になり、それでもやって来たお客さんのために、焼き台のおにいさんが、店の外に出て、入口前に臨時テーブル席をセッティングし始めた。

 代わりに焼き台に入ってきたおねえさんには見覚えがある。

 以前この店に来ていたときに、焼き台を担当していたおじさんと交代で、もつ焼きを焼いていたおねえさんだ。

 そのおねえさんに、トロ(直腸)とカシラ(ほほ肉)を1本ずつ、タレで注文し、少し話もうかがわせていただいた。

 このおねえさんが、創業者(現在92才、お元気!)の娘さんで、さっきまで焼き台にいた若者(ゆうき君)は、なんと、おねえさんの息子さんなんだって!

 おねえさんが三代目の焼き手で、ゆうき君が四代目だ。

 おねえさんの前にいた焼き手のおじさんは二代目で、現在75才。ときどき仕込みを手伝いに来てくれたりしているそうだ。

 三代目(おねえさん)、四代目(ゆうき君)はもとより、初代、二代目もお元気というお話をうかがって、なんだかとても安心した。

 中野の「カッパ」も一緒に経営しているそうだ。

 最後にタン(舌)とハツ(心臓)を1本ずつ塩焼きでもらって、しめとした。

 1時間ちょっとの酒場浴。大瓶ビール1本ともつ焼き8本、お新香で、今夜のお勘定は1,620円なり。

 どうもごちそうさま!

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もつ焼き専門店「カッパ」 / ビール(大) / オシンコ

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レバ(肝臓) / リンゲル(膣) / ヒモ(大腸)

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軟骨(喉笛) / トロ(直腸) / カシラ(ほほ肉)

店情報前回

《平成28(2016)年8月20日(土)の記録》

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しめ鯖たっぷり半身分 … 立呑み「やきや」(荻窪)

しめさば


 八戸直送のイカ料理を中心に、つまみのほとんど(全22品のうち20品)が170円均一の「やきや」。

 170円じゃないのは、「いかしょうが棒」(200円)と「しめさば」(270円)の2品だけだ。

 今日はホッピー(320円)と「げそ揚げ」(170円)をもらってスタートしたあと、ナカ(おかわり焼酎、160円)をもらって、この店の最高級品(=もっとも高価な料理という意味)である「しめさば」を注文した。

 「しめさば」は、3枚におろした半身が1人前のパックになっていて、注文を受けて開封し、食べやすい大きさに切り分けてくれる。

 つまり270円という値段ながら、サバ半身分のシメサバが出されるということだ。

 そう考えると、ここの「しめさば」は、ものすごく安いと言えよう。

 だから、この店の最高級品ながら、注文する客が多い人気の品でもあるのだ。

 半身分のシメサバというのは、ボリュームもあって、これを食べている間に、さらにもう1杯、ナカをもらった。

 ホッピーがセットで320円、ナカが160円というのも安いよねえ。

 ここ「やきや」がものすごく安い理由のひとつは、ほぼ170円均一の料理にあるが、もうひとつの大きな理由は、飲みものが安いことなのだ。

 日本酒(北の誉、冷・燗)は1合250円、同じ「北の誉」のにごり酒は270円。

 ビールの中瓶が400円、生ビールは380円、レモンサワーやウーロンハイは280円。

 特筆ものはウイスキー水割(ブラックニッカ300ml水割ボトル)の380円だ。

 このウイスキー水割ボトルの380円とホッピーセット320円という値段は、都内でも1、2を競う安さなんじゃないかと思う。

 最後にもう1杯、ナカ(160円)をもらって、つまみには「なんこつ焼」(170円)を注文。

 ゆっくりと立ち飲むこと2時間弱。ホッピーがソト1・ナカ4に、つまみ3品で、お勘定は1,410円だった。どうもごちそうさま!

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「やきや」 / げそ揚げ / なんこつ焼

店情報前回

《平成28(2016)年8月20日(土)の記録》

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ドーンと煮込みホホ肉 … やきとん「弐ノ十(にのじゅう)」(都立家政)

煮込みホホ肉


 1週間の帰省から東京に戻ってきたら、食べたいものは、やっぱりもつ焼きである。

 会社の帰りに「弐ノ十」にやって来ると、店は満席。さすが人気店だ。

 ちょうどカウンターにいた2人連れが帰るところで、なんとか入ることができた。

 黒ホッピー(380円)をもらって、つまみを検討する。(カッコ内の価格は、すべて税別表記)

 満席のにぎわいとあって、焼き台の上にはもつ焼きがずらりと並んでいる。

 こりゃ焼きものは時間がかかりそうなので、まずは煮込みにしておきますか。

 もつ煮(350円)、煮豆腐(200円)、煮たまご(100円)のほか、今日はボリュームたっぷりの「煮込みとんそく」(350円)もある。

 冬場の煮大根(200円)も、もつ以上にもつらしい風味が味わえていいのだが、夏場の今はない。

 あれっ? 「煮込みホホ肉」(250円)というのもあるじゃないか。初めて見る品書きだなあ。これにしてみよう。

「すみません。煮込みホホ肉をお願いします」

「ハイヨッ。少しお時間をいただきますが、いいですか?」と店主のアキさん。

「じゃ、ガツ酢もください」

 あっという間に出てくるガツ酢(250円)も、あわせて注文した。

 煮込みホホ肉も、煮込み鍋からあっという間に出てくるのかと思っていたんだけれど、さにあらず。

 じっくりと煮込んだホホ肉のかたまりを、炭火でじっくりと焼き上げて、最後にタレをつけて仕上げる。

 刻みネギをトッピングし、練りガラシを添えて出してくれる煮込みホホ肉は、これはもう豚ホホ肉のステーキだ!

 でも煮込んでいるので、身はホロリとやわらかくて、はしで簡単に切り分けることができる。

 これはうまいねえ!

「煮込みホホ肉は、いつもあるわけじゃなくて、あってもすぐに売り切れるんですよ」

 となりの常連さんがそう教えてくれたとおり、この日も、私のあとにもうひとりが煮込みホホ肉を注文したところでヤマ(=売り切れ)になった。

 逆どなりの常連さんが注文したのはハムキャベツ(200円)。

『えっ? ハムキャベツ? 渋谷の「富士屋本店」の名物メニューだよなあ。ここにもあるんだ』

 出てきたハムキャベツを見ると、ハムがたっぷり! 下のキャベツ千切りが見えないぐらいびっしりとハムがのっている。

 これもいいねえ。煮込みホホ肉を食べ終えた後、私もハムキャベツを注文した。

 ゆっくりと2時間ほど楽しんで、黒ホッピーはソト1・ナカ4(ナカは250円)。お勘定は2,080円+消費税(10円未満切り捨て)で、2,240円なり。

 もつ焼きは食べなかったものの、煮込みホホ肉やハムキャベツに初挑戦することができて良かったなあ。どうもごちそうさま!

 さて、いつも大人気で、満席が続く「弐ノ十」ですが、現在、となりに新店舗ができつつあります。

 野方「秋元屋」と同じように、今の店と新店舗は、つうつうにつながっていて、行き来することができるようになっているものの、新店舗のカウンターにも焼き台が付きそうな感じ。

 今は補助席的に使っている新店舗。できあがって本格運用が始まるのが楽しみですね。

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ガツ酢 / ハムキャベツ(下に千切りキャベツ) / 「弐ノ十」(左側が準備中の新店舗)

店情報前回

《平成28(2016)年8月18日(木)の記録》

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創業58年の開店記念日 … サントリーバー「露口(つゆぐち)」(松山)

店主ご夫妻


 「露口」の創業は昭和33(1958)年8月15日。ちょうど今日、創業58周年を迎えた。

 まずはお祝いのシャンパンをいただいて乾杯したあと、「露口」名物の角ハイボールへと進む。

 この店の角ハイボールは、8オンス(240ml)のタンブラーに、ウイスキー(角瓶)を50ml入れる。

 氷を入れて、ソーダ(炭酸水)を満たし、やわらかくステアしたらできあがりだ。

 ビシッと濃い目のハイボールは、ウイスキーのうまみや香りを、たっぷりと感じることができる。

 氷入りの角ハイボールではここ「露口」のが、氷なしの角ハイボールでは銀座「ロックフィッシュ」のものが最高にうまいと私は思っている。

 「露口」の店主・露口貴雄さんは、昭和11(1936)年、徳島生まれ。

 18歳のとき(昭和29年)に大阪に出て、「サントリーバー」に就職。

 3年ほど修業したところで、四国で初めてのトリスバー(松山)の店長となり、22歳のとき(昭和33年)に独立、ここ「露口」をオープンしたのだった。

 そういう経緯もあってか、今も「露口」の店内には、サントリーのCM曲が流れているし、飲みものや炭酸水なども、基本的にサントリーの製品を使っている。

 店主が25歳のとき(昭和36年)、奥さま(朝子さん)と出会い、それ以来、今日までずっと二人三脚で、「露口」を切り盛りされてきたのである。

 最後はマティーニを作ってもらって、キリッとしめた。

 創業58周年、おめでとうございます!

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「露口」 / 今日からこのコースター / まずはシャンパンで乾杯

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角ハイボール / オレンジピール / 最後にマティーニ

店情報前回

《平成28(2016)年8月15日(月)の記録》

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今が旬、瀬戸内のギゾ … おでん「赤丹(あかたん)」(松山)

ギゾ刺身


 お盆休みでで帰省したときの最大の楽しみは、旧友たちと大いに呑み語ること。

 卒業してから40年になるのに、話し始めるとすぐに昔に戻るのがいいよね。

 そんな連夜を終えて、今日は久しぶりに「ひとり酒」である。

 やって来たのは松山市駅前のおでんの老舗「赤丹本店」だ。

 店に着いたのは午後4時半。まだ真っ昼間の明るさだし、なにしろ暑い。

 店は奥に向かって、うなぎの寝床のように細長く、その全体を一本の直線カウンターが貫いている。

 手前から中央にかけては、ポツポツと先客が座っている状態。さすがにいつもよりは少ないなあ。

「あっちに座ったらええわい」

 と女将にうながされるままに、奥から2番めあたりの席に座り、まずは大瓶ビール(650円)をもらうと、あっという間にキリン一番搾りが出てきた。

 ちなみに中瓶は550円、小瓶は450円である。

 暑くても、「赤丹」に来たら、おでんである。

 新しいお客が入ってくると、女将がおでん鍋の前に立ち、「なん取ろか?」とスタンバイしてくれているのである。

 言ってみれば、おでんがお通しのようなもんですね。自分で物を選べるのがありがたい。

 まずはイイダコと焼き豆腐をもらった。

 イイダコは、漢字で書くと「飯蛸」。頭の中にびっしりと詰まった卵が、まるでご飯のように見えるから飯蛸と言うんだそうな。

 でも残念ながら、頭の中にびっしりと卵が詰まる季節は冬から初春(12月~3月)。今のイイダコには卵はない。

 そのイイダコと焼き豆腐をつまみながら、今日のホワイトボードメニューを確認する。

【刺身】かつお、しめさば、ぎぞ、しまあじ
【一品】かまあげ、生たこ焼、はも塩焼、アスパラバター、トマト、長芋
【干物】ホータレ
【一品】ほご煮付、なごやふぐ煮付、はも唐揚、生たこ天麩羅、あまぎ唐揚、牛ロースあみ焼

 刺身メニューの中に「ギゾ」とあるのを見て、さっそく注文した。

 ギゾと言うのは愛媛では人気が高い白身の魚で、標準和名はキュウセン。各地ではギザミとかベラなどとも呼ばれている。

 関東地方ではあまり食用にしないんだけど、関西地方、特に瀬戸内海沿岸では高値で取り引きされるんだって。

 だいぶ前に亡くなった私の叔父が、亡くなる直前に「何が食べたい」と聞かれて、

「ギゾの焼いたんに、味噌をつけて喰いたい」

 と答えたというほど、我われ愛媛県人にとってはなじみが深い魚なのだ。

「活きがええギゾじゃったけん、肝もつけといたよ」

 と言いながら出してくれたギゾの刺身がきれいなこと!

 その肝は、とても小さいので、肝醤油にしたりするほどじゃない。まず最初に、その肝に醤油をつけて、つるんといただいた。

 ん~~っ。小さいけれど濃厚じゃ。これはうまいのぉ~っ。

 そして、その白身をひと切れ、またひと切れ。

 夏の魚らしくすっきりとした味わいなんだけど、旨みが強い。

 こりゃ日本酒だね。燗酒(大関)を、ぬる燗で作ってもらう。

 ギゾの刺身を食べ終えたところで燗酒をおかわりして、ニシ貝とツミレのおでんを取ってもらう。

 自家製のツミレは、この店の自慢のおでんネタのひとつなのだ。

 さらにもう一品、ここに来たら食べておきたい料理がある。

 ホータレだ。

 カタクチイワシのことを、この辺ではホータレと呼ぶ。瀬戸内海の対岸、広島では小イワシだ。

 新鮮なホータレがあるときは刺身で、そうでないときは干物で出してくれる。今日は干物だ。これを軽く炙って出してくれた。

 このホータレをつまみに、燗酒をもう1杯(3杯め)もらう。

 ゆっくりと2時間ほどの酒場浴。

 お勘定をお願いすると、なんと4,500円。

 ここのメニューには値段が書かれていないが、ほとんどの場合、びっくりするような金額にはならない。

 今日は思ってたよりもちょっと高かったので、レシートをチラリと確認すると、ギゾ刺身(丸1尾分)が1,400円で、ホータレの干物は400円。(おでんは、食べ終えた串で清算するため、レシートには書かれていない。)

 今が旬のギゾは、けっこうな高級品だったんですね。でも美味しかった。

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「赤丹本店」 / 焼き豆腐、イイダコ、大瓶ビール / 燗酒(大関)

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ニシ貝、ツミレ / ホータレ干物 / おでんは食べ終えた串で清算

店情報前回

《平成28(2016)年8月15日(月)の記録》

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チイチイイカの天ぷら … 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)

チイチイイカの天ぷら


 今治から福山に向かう高速バスは、きっと遅れるだろうと思って、かなり早めに実家を出発した。

 その「かなり」が、かなり「かなり」で、乗換案内で出てくる時間よりも2時間も早い。

 実は福山に着いてから、予約の新幹線を待つ間に、「自由軒」に行ってみようと思っているのである。

 どこかの酒場で飲むには1時間では少な過ぎる。2時間以上になると、もう1軒行きたくなってしまう。

 だから、どれだけバスが遅れても、1時間以上は飲むことができるように、この時間での移動を選んだ次第。

 案の定、お盆帰りの渋滞に巻き込まれて、高速バスが福山駅に着いたのは、予定時刻の30分遅れだ。

 でも大丈夫。あと1時間半はあるもんね。

 さっそく「自由軒」へと向かう。

 とは言うものの、「自由軒」のお盆休みを確認しているわけではない。

 「開いてるかどうか」。開いてたとしても、席が「空いてるかどうか」。

 ふたつの「あいてるかどうか」問題にドキドキしながら天満屋てんまや(福山店)の裏側へと向かう。

 おぉ~っ。開いてる開いてる。あとは空いてるかどうかだけだ。

 のれん越しに店内をのぞき込むと、コの字型のカウンター席は6割程度の入り。やったね、入れそうだ。

「ひとりです」

 と言いながら店に入ると、入口すぐの、コの字の角のあたりの、ゆっくりと座れる場所に案内してくれた。

 さっそく大瓶のビール(550円)を注文すると、「キリンとアサヒがありますが」とおねえさん。キリンをもらうことにした。

 おでんは「自由軒」の看板メニュー。真夏の今でもおでんはあるのだ。

 目の前のおでん鍋から、スジ(300円)と豆腐(150円)を取ってもらう。

 ほとんどのおでんは1個150円。スジ(300円)とロールキャベツ(250円)だけがスペシャル価格である。

 コリコリと硬めのスジには、自動的に「自由軒」秘伝のミソがかけられ、豆腐のほうは、おねえさんが目顔で「どうする?」と聞いてくれたので、「それもミソで」とミソをかけてもらった。

 赤味噌と白味噌をブレンドして、ほかの食材(山椒の実など)も混ぜ合わせながら作る、この店独自のおでん用のミソだれ。これがうまいのだ。ここに来たら絶対に、このミソだれをかけてもらわないとね。

 そのおでん2品がなくなりかけたところで、ネブト唐揚げ(400円)を注文する。

 ネブトの標準和名はテンジクダイ。もともと小さい魚なんだけど頭(の中にある耳石じせき)が硬くて、丸ごと食べることはできない。

 その硬い頭をとると、身の部分はほんの親指の先ぐらいの小ささになってしまうんだけど、これを唐揚げにすると、お酒(特にビール)によく合うつまみになるんだなあ。

 呉ではメンパチと言いますよね。

「ごめん。ネブトは海に逃げたみたいじゃ」

 注文を受けた、奥の厨房の女性陣から、そんな返事がかえってきた。ありゃ残念。売り切れちゃったんですね。

「じゃ、小イワシ天(400円)をください」

 ネブトと同じく、小イワシも今。夏場(6~8月)が旬の魚である。

 ほとんど待つこともなく出てきた小イワシ天は、呉や広島でよく食べる丸ごとの天ぷらではなくて、小イワシを3枚におろして、身の部分だけを天ぷらにした上品なもの。

 だからできるのも早かったんですね。

 これを山椒塩でいただくというのも、また上品ではありませんか。

 新幹線の時間を見すえながら、ゆっくりといただこうと思っていたのに、端が止まらない。ひと切れ、またひと切れと、次から次へと食べてしまう。

 それくらいうまいのである。

 まわりのお客さんたちが麦焼酎の水割り(350円)を飲んでいるので、私も麦焼酎の水割りをもらう。

「ネブトはなかったけど、今日はチイチイイカの天ぷらがあるよ」

 小イワシがおいしい、おいしいと言ってたら、カウンターのおねえさんが、そう声をかけてくれた。

 チイチイイカというのは、ミミイカとかベカ、ベコとも呼ばれる、瀬戸内海や有明海の特産の小さなイカ。ホタルイカと同じぐらいの大きさだろうか。これまた夏が旬の魚介類である。

 「つかまえるとチイチイと鳴くから、チイチイイカと言うんだ」という話も聞いたことがあるけど、本当だろうか?

 うちの故郷いなかのほうでは、チンチイカなんて呼んでましたけどね(笑)

 ゆで冷まして酢味噌で食べることが多いんだけど、天ぷらでは食べたことがないなあ。(ちなみに、「自由軒」のメニューにはチイチイイカ酢味噌(450円)もあります。)

 おねえさんのおすすめにしたがって、チイチイイカ天(500円)を注文すると、丸ごと天ぷらにされたチイチイイカが小鉢にたっぷり。クシ切りのレモンと、粗塩が添えられている。

 ど~れどれ。できたて熱々のチイチイイカ天ぷらをほお張ると、熱が加わったイカの旨みが強いこと! これはいいねえ。

「おねえさん、これ、ものすごくうまいよっ!」

 思わずそう声をかけると、

「あぁ良かった。おすすめした甲斐かいがあったわ」

 と、おねえさんもうれしそう。麦焼酎の水割り(350円)もおかわりした。

 その2杯めの水割りを飲み終えるころには、もう福山駅に急がないといけない時間になった。

 後ろ髪を引かれる思いでお勘定をお願いすると、今日のお勘定は2,600円なり。

 常連さんたちに「お先に」とあいさつしながら、店を後にした。

 いいねえ、「自由軒」。また来なきゃね。どうもごちそうさま!

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しまなみ海道(来島海峡大橋) / 「自由軒」 / スジ(おでん)

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豆腐(おでん) / 小イワシ天 / 麦焼酎の水割り

店情報前回

《平成28(2016)年8月17日(水)の記録》

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電車を待つ間にビール … 定食屋「つくし」(今治)

砂ズリと大瓶ビール


 「しまなみ海道」を渡る高速バスが、今治駅前に到着したのは午後8時半。

 私が乗る予定の電車は、午後9時2分発なので、まだ30分ほど時間がある。

 こういうときは駅前の大衆酒場でちょいと一杯ですね。

 あたりを見回してみると、駅前バスロータリーの先に、「定食・うどん つくし」と書かれた黄色い電灯看板を発見。ほかには大衆酒場や大衆食堂らしき電灯看板は見当たらない。

 今治駅は、特急電車も停車する駅なので、ここしかないということはないと思う。少し離れた別のエリアに、酒場街が凝縮されてるのかもね。

 時間も30分ほどしかないので、今日は迷わず「つくし」に飛び込むことにした。

 店内は手前にテーブル席が3つあって、その奥にL字(ゆったり9席)のカウンター席がある。

 そのL字カウンターの一番奥側の席で新聞を読んでいた年配の女性が、「いらっしゃいませ」と立ち上がる。おぉ、「先客ひとり」かと思ったら、そのお一人もお店の人でしたか。

 カウンターの中には年配の男性がひとり。どうやらご夫婦二人でこの店を切り盛りされているようだ。

 看板に「定食・うどん」とあったとおり、壁のメニューは定食(800円か900円のものを中心に30種類ほど)と麺類が中心で、その他には200円から500円ぐらいの一品料理が16品ほど並んでいる。

 メニューには飲みものは見当たらない。

「電車の時間まで、ちょっとビールでも飲ましてもらおうと思って入ってきたんですけど、いいですか?」

 カウンターの中の大将にそう聞いてみる。

「生にする? ビンにする?」

 お、やった。あるんだね。

「大瓶があれば大瓶でお願いします」

 カウンターの後ろ側(客の背中側)にある冷蔵庫から瓶ビールが取り出され、シュポンッと栓を抜いて出してくれる。銘柄はアサヒスーパードライだ。

 つまみには一品メニューの中から「砂ズリ」(300円)を注文した。砂ズリは、鶏の砂肝のことだ。(「魚のお腹の下の身(マグロなら大トロの部分)」のことを「砂ズリ」と呼ぶこともあります。)

 ビールを飲みながら待つことしばし。すぐに出てきた砂ズリは、薄くスライスした砂肝を、シンプルに塩コショウで炒めたもの。クシ切りのレモンが1切れ添えられている。

 それにしても量が多い!

 この量の砂肝を焼き鳥(串焼き)にしたら、4~5本分にはなりそうだ。

 これで300円というのは安いよなあ。

 砂肝は大好物なので、テンションも上がりまくる。

 そこへ入ってきたのは、まるでジョギングをするような格好の、若いおにいさん。若いといってもすごく若くて、大学生ぐらいだろうか。

「豚しょうが焼(800円)をお願いします」

 と注文。豚しょうが焼は定食しかなく、単品の設定はない。

 続いて入ってきた男性二人連れは、これまたもっと若い。高校生ぐらいだ。

「とりからあげ(800円)ください」

「ボクも、とりからあげ」

 と二人仲良く、鶏唐揚げ定食だ。これも単品の設定はない。

 駅前の食堂というと、ステレオタイプ的に、「我々のような呑兵衛おじさんがたむろしてる場所」というイメージをもってしまうんだけど、この「つくし」食堂は、なんだかさわやか。すごく健全である!(いつもそうかどうかは、わかりませんが……。)

 あっという間の30分。最後はちょっと急ぎ気味にビールと砂ズリを食べ終えて、お勘定は900円なり。

 ということは大瓶ビールは600円だったんですね。

 どうもごちそうさま!

 大急ぎで駅に向かうと、予定の電車は6分遅れて到着。

 しかも今治駅でのすれ違いが予定されている特急電車も遅れており、結局、15分ほど遅れての出発。(JR予讃線は単線なので、行き違い電車が来ないと、出発することはできないのでした。)

 15分もあれば、もっとゆっくり飲み食いできてたのになあ。とっても残念なり!

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今治駅前の猿飛佐助の銅像の向こうに「つくし」 / 大瓶ビール / 砂ズリ

店情報

《平成28(2016)年8月11日(木)の記録》

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