店情報: 寿司「久兵衛(きゅうべえ)」(虎ノ門)
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休日夕方の図書館から「川名」への散歩(?)も終えて、帰宅しました。ゆっくりと風呂につかり、家族で夕食です。今日のメニューは鳥鍋。いつもだと日本酒でいただくところですが、今のところ自宅でもジャパニーズ・ウイスキーを試してみているので、今日もウイスキーの水割りにしましょうか。
現在、自宅で飲んでいるウイスキーは、サントリーの角瓶です。「北国」(中野)や「銀次」(横須賀)などで、サントリー・ホワイトの水割りが居酒屋料理に実によく合うことに気付いたのが、ジャパニーズ・ウイスキーの水割りを“あえて”飲むようになったきっかけなので、本当はサントリー・ホワイトといきたいところなのです。しかし、近くの格安酒販店でいざ品物を選ぶというときに、角瓶に付いてくる「おまけ」につられて、ついつい角瓶を手にとってしまうのでした。ちなみに、今飲んでいる角瓶のおまけは、角瓶のロゴマーク入りの携帯電話ケースでした。
前にも書きましたように、ジャパニーズ・ウイスキーは、スコッチほど香りのクセ、味のクセがないので、乱暴に言ってしまえば「高級熟成麦焼酎」としてとらえることができるのではないかと思っているのです。
しかも、ウイスキーひと瓶(うちの近所のディスカウント店で、角が1,160円、ホワイトが1,060円)から約20杯の水割りが作れるので、1杯あたり単価は60円弱。焼酎をロックでいただく場合にも、一升瓶(乙種で1,480円ぐらい)から約20杯とれますので、こちらの単価は70円強となり、なんと、焼酎のほうが高くつくのです。こうなると、ウイスキーが「高級」(高価)とも言えないかもしれませんね。「オーク樽で熟成された高アルコール度麦焼酎」なのかな。たしかにジャパニーズ・ウイスキーの水割りを飲むと、麦焼酎に似た甘みを感じます。
そんなわけで、地鶏の鳥鍋をつつきながら、角瓶の水割りをチビチビとやっているところへ、田舎の友人から「急に上京してるんだけど、1杯やらない?」という電話が入りました。う~む。もうけっこう飲み食いしちゃったけど、ま、なんとかなるでしょう。じゃ、これからそっちに向かうね。
ってなわけで、彼が宿泊しているホテルオークラのロビーに着いたのが午後8時。すぐに、ホテル内の寿司屋、「久兵衛(きゅうべえ)」に入ります。
「久兵衛」は、かなり高級な寿司屋なのに、いつ来てもお客さんがいっぱい入っているのが不思議です。ここに来ると、「日本って本当に景気悪いの?」なんて思っちゃいます。今日もカウンターも、テーブル席も8割がたぐらいの入り。われわれ2人も、カウンター中央部に腰を落ちつけます。
移動の間に、ちょっと酔いもさめてきたし、やっぱり最初はビールかな。エビスの小瓶をもらいます。というか、銘柄は何種類か指定できますが、瓶の大きさは小瓶しか置いていないようなのです。ホテルのレストランって、一般的に小瓶? これが、1本800円位です。
「今日のお通しは、カワハギの皮を和えたものか、イカの塩辛ですが、どちらになさいますか」と、担当してくれる板さんから聞かれます。この店のカウンターで、お好みの寿司を食べる場合は、ひとりの板さんが担当としてずっとついててくれるのです。「う~ん。どっちもおいしそうだから、両方」と友人。「じゃ、私も両方」。なんとわがままな客であることよ。(笑)
「適当につまみをお願いします」という注文に、まず出てきたのはヒラメの刺身です。刺身はたいていの場合、3切れぐらいずつ出てきます。紅葉おろしをちょいと入れたポン酢醤油でさっぱりといただきます。次はタイ。白身が続きます。
以前聞いたところでは、この店の仕入れは、とにかくその日築地で一番いいものを買う。しかも、ホテルの寿司屋なので、有名なタネは、多少高くても絶対に仕入れないといけないようなのです。その日しか宿泊しないお客さんもいらっしゃいますからねぇ。そのお客さんから「タイが食べたい」と言われたときに、「今日は、タイが高値だったので、仕入れてないんです」なんてことは言えないですよね。
前は、タネケースがなかったように思うのですが、今日はカウンターの中央部やや右側にタネケースがあって、立派なタネの数々を見ることができます。もしかすると、冬場はタネケースを出しているのかもしれませんね。
出てきたのはシメサバです。上に、すりおろしたニンニクをちょいと乗せていただくのが「久兵衛」流。アブラのよくのったサバとニンニクが合うんですよねぇ。
日本酒をもらおかな。もうけっこう飲んでるんで、今日はさっぱりと冷酒がいいなぁ。
つまみのほうは、マグロ(トロ)の炙りです。そしてタイラギの磯辺風。これは、タイラ貝の貝柱を、高さ方向に5ミリぐらいの厚さに切ってタレ焼きし、海苔にはさんだもの。タイラギの甘さがきわだちます。
友人は「シャンパンが飲みたい」ということで、ソムリエに来てもらって、「クリュッグ(KRUG)」です。えぇ!? 寿司にシャンパン? というご意見もありましょうが、この「クリュッグ」というお酒は、不思議と何にでも合っちゃうように思います。クセのない香りと、さっぱりとした酸味、そしてスパークリング(発泡)による舌先のリフレッシュ感がいいのかなぁ。
なお、高級シャンパンのイメージとして、日本では「ドン・ペリニヨン」が、アメリカでは「クリスタル」が、そしてヨーロッパではこの「クリュッグ」があげられることが多いようですよ。
さぁ、握ってもらいましょうか。まずはコハダをお願いします。
握りのほうも、もちろんおまかせにすることもできるのですが、今日は私も夕食のあと、友人も早い夕方に軽めの食事をとったので、そんなには食べられない。そこで、こちらからタネを指定して、何品か握ってもらうことにしたのでした。
続いては、イカ。ここの握りは、比較的小ぶりのフワッと温かい酢めしに、これまた小ぶりといっていいタネがのっていて、パクッとひと口で食べるのにちょうどいい大きさなのです。タネのほうは、きっとこのくらいの大きさが普通なんでしょうが、最近の寿司屋(特に回転寿司)などで、必要以上に大きい(食べにくいぐらい大きい)タネがのっていることが多くなってきたので、世間水準的には「小ぶり」といった感じになっちゃいました。
けっこうお腹はいっぱいのはずなんですが、刺身も寿司も、出てくるとパクパクっと、すぐに食べられるのが不思議ですねぇ。別腹かなぁ、お寿司も。
なにしろ、ここのお寿司は、さっきも書いたように酢めしが「フワッと温かい」というのが特長のひとつでもありますので、このごはんが温かい間に、そして上にのっているタネのほうは冷たい間に、急いでいただかなくてはなりません。2貫ずつ出てくる(もちろん1貫ずつにしてもらうこともできます)お寿司を、パクリ、パクリと続けざまにいただいて、それからゆっくりとお酒を飲んだり、しゃべったり。話の内容によっては、前に立っている担当の板さんも話題に入ってくれます。
そして、そろそろ口寂しくなったところで、「蒸しアワビをお願いします」と、次のタネを握ってもらうのです。「アワビは塩とタレでね」と1貫ずつ、味を変えてもらいます。
最後は例によってアナゴです。これも塩とタレで1貫ずつ。アナゴは、なにしろタネのほうも温かいですからねぇ。しかも、炙ったばかりなので芳ばしいのです。
こうして約2時間、じっくりと楽しんだのでした。
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いつもであれば、「久兵衛」のあとは「グレース」でウイスキーなんぞをいただくところですが、今日は日曜日なので定休日なのです。「それじゃあ」と向かったのは、同じホテルの中のバー「ハイランダー」です。
このホテルの中には、本館側にメインバーである「オーキッドバー」、そして別館側にスコティッシュバーと銘打った「ハイランダー」の2つのバーがあるのです。
特に「オーキッドバー」は、寿司の「久兵衛」があるのと同じフロア(本館5階)にあるので、本当は「オーキッドバー」のほうが近いのですが、以前来たときに、たまたま「ハイランダー」側にボトルキープを入れたのが縁で、それ以来「ハイランダー」に行っているのでした。
今日も、本館と別館とをつなぐ長い渡り廊下(まわりはホテル内の商店街になっている)をトコトコと渡って、別館に向かいます。
店内は、比較的お客さんが多くて、入って左手側のカウンター席は手前のほうしか空いていない状態です。三連休の中日なので、みなさんくつろいでるんでしょうか。ホールのテーブル席のほうも6~7割がたのテーブルは使われている状態です。
われわれは、カウンターの一番手前側に陣取り、キープしている「グレン・グラント 31年」のカードを渡して、それを持ってきてもらう間に、まずたのんだのが「ザ・マッカラン 25年」です。「ザ・マッカラン」は10年、12年、18年とあって、現在、普通に市販されているのものでは25年が一番酒齢(しゅれい)が高いようです。
お店の人から「ザ・マッカラン・ミレニアム」という、ホテル・オークラのオリジナルのマッカランもあるという話があり、それもいただきます。こちらは酒齢20年です。
どちらもおいしいのですが、25年ものから、20年ものへと飲みすすむと、どうしても20年のほうがちょっと味の深みが浅くなったように感じてしまいますねぇ。逆の順番で飲んだほうが、両方の味に感動できたかもしれません。
ここで、やっとキープの「グレン・グラント 31年」ですが、こうして飲んでみると、このグレン・グラントも、まろやかで深い味であることに気がつきます。このお酒もホテル・オークラのオリジナルで、本当は2001年に30年ものの状態で売り出そうとしていたのに、1年遅れてしまい、31年ものになってしまったのだと聞きました。
「マッカランがお好きならば、レッドリボンのものもありますよ」と、珍しいボトルを見せてくれます。説明も聞いたのですが、詳細は忘れちゃいました。(^^;
お通しのミックスナッツがなくなったところで出てきたのが、枝つき干しブドウです。この干しブドウは、ブドウの丸々ひとふさ分を、そのまま干しブドウにしたもののようです。見た目にもおもしろいですねぇ。味も、すっごく甘くてフルーティ。いい品物です。
「グレンリヴェットの35年というのもあります。普通はグレンリヴェットもシェリー樽で熟成させるのですが、これはオーク樽なんです」ということで、それも飲んでみます。
最後にちょいとカクテルでも…とたのんだのが、まずは「ブルショット」。私は、はじめてですねぇ、このカクテル。よ~く冷やしたコンソメを、ウォッカと合わせて、塩・胡椒でピリッと味付けしたものです。こういうカクテルは、コンソメがふんだんに用意されているホテルのバーならではかなぁ。このカクテルは1杯が1,700円(税・サ別)だそうです。
そして「エッグノッグ」。このカクテルはブランデーやラムがベースなのですが、今日のはブランデー・ベース。それに玉子、牛乳、砂糖が入ります。これはまさに洋風玉子酒ですね!
本当は、もっと飲んでいたいところなのですが、「ハイランダー」は、日曜・祝日は夜12時までの営業。残念ながら、タイムアウトとなってしまったのでした。
それにしても、「川名」からはじまり、自宅、「久兵衛」、「ハイランダー」と、よく飲んだ1日でした。あぁ~おいしかった。
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このところ、なんだかバタバタしていることもあって、平日はほとんど飲みに出ていない状態なのです。せいぜい、単身赴任寮で夕食の弁当(ケータリング・サービスのもの)をつまみにお酒を飲むぐらい。
この弁当が、実に人気がなくて、150人以上いる寮生の中で、私も含めて10人ぐらいしか利用していないのです。まぁ、電子レンジが用意されているとはいえ、冷たくひえた弁当を食べるよりは、帰り道の食堂などで食べたほうが、あったかみがありますからねぇ。人気がないのもわかります。
しかし、この弁当。呑んべにとっては、必ずしも悪くはない。届けられる弁当は、7つの小さい区画に分かれていて、それぞれに少量ずつのおかずが盛り込まれています。なにしろ弁当ですので、基本的には冷めても大丈夫そうなメニューが選ばれている。これが「つまみ」としてなかなかいけるのです。ま、お花見のときの弁当と同じようなものと考えていただければいいでしょうか。
たとえば、今日のメニューはホッケみりん焼き、豚野菜炒め、カニ・クリーミィ・コロッケ、里芋大根煮、シャケ・フレーク、フキ佃煮、そしておしんこです。
寮に帰って、まずは大きいお風呂にゆったりと入ってくつろぎます。
それから食堂に入り、見るともなしにテレビを見つつ、缶ビールをパキッとあけて、ググゥ~ッと喉にほうり込みます。ッカァ~ッ。うまい。
仕事が終わって、大きいお風呂にザッブ~ンと飛び込んで、身体全体を大の字に伸ばすのも至福のひとときだし、こうやってクゥ~ッと1杯目のビールを飲(や)る瞬間もいいものですよねぇ。
で、つまみには弁当のカニ・クリーミィ・コロッケと豚野菜炒めという油っぽいシリーズをいただきます。ビールにはこういうのが合いますね。
そして、飲みものを日本酒に切り換えて、ホッケみりん焼きから里芋大根煮という和風のつまみに向かいます。
お酒をおかわりして、今度はつまみつまみしたフキ佃煮とおしんこです。「いやぁ、酒がうまいなぁ」という瞬間です。おなかもある程度満足して、あとは寝るだけというくつろぎのなかで、チビチビといただくお酒というのは、なにものにも代えがたい至福ですよねぇ。
最後に、味噌汁とご飯でしめます。これらは、弁当とは別に、ジャーにホッカホッカの状態で保温されていて、自分で食器によそって食べるのです。今日は麩(ふ)の味噌汁。ご飯には、このために最後までとっておいたシャケ・フレークをふりかけていただいたのでした。
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週末です。今日は仕事が長引いて、横浜の事務所を出たのが午後10時半。この時間になると、自宅につくのは午前0時を回ってしまいます。おなかもすいてるので、ちょいと1軒、と向かったのは、鷺ノ宮駅のすぐ近くにある居酒屋「ほ里乃家」です。
「こんばんは」と入ると、0時過ぎにもかかわらず、常連さんたち4人ほどが盛りあがっています。
まずはビール(アサヒ・スーパードライ、大瓶、550円)からいきますか。0時を過ぎてからいただく1杯目のビールです。あぁ。うまい。今週も終わりましたねぇ。
お通し(200円)として、切干大根煮が出ます。
つまみは何にしようかな。店の奥の壁に並んだ短冊(たんざく)を確認します。お。「そら豆」(450円)が出てますね。この「そら豆」と、あとは「たらぽん酢」(400円)をもらおかな。
まずは「たらぽん酢」から出てきます。これは鱈(たら)の身をゆでて冷蔵庫で冷やしておいたものを、注文を受けてから1人前分の身をほぐし、ワカメと一緒に小鉢に盛り込んで、それにポン酢醤油を回しかけたものです。鱈とポン酢醤油は、身も白子も、ベストマッチですねぇ。
そして「そら豆」。この店の「そら豆」は、注文してからサヤから出して、その場でゆでてくれるのです。ゆでたての「そら豆」のうまいことといったら…。
お酒を燗でお願いします。「剣菱(けんびし)」のほうね。
この店には、普通のお酒は2種類あって、甘口が「剣菱」、辛口が「剱(つるぎ)」。どちらも320円で、銘柄を指定しないで注文した場合には「剱」が出るようです。他に、純米酒の「穏(おだやか)」(380円)などもあります。
おでんももらいましょうか。ダイコンと、スジ、チクワブにするかな。
先日、古本屋さんで、以前から気になっていた「とことんおでん紀行」(新井由己著)を購入して読んだばかりなのです。この本は、原付バイクで100日以上かけて日本各地のおでんを食べ歩いた結果をまとめたものです。資料として「おでん種分布図」「付けだれ分布図」「揚げかまぼこの呼び名」なんかもついていて役に立ちます。これらの分布図は、著者が開設している「おでん博物館」でも見ることができます。
この分布図によりますと、スジは関東圏内のみ、そしてチクワブにいたっては、東京界隈のみというせまい分布範囲になっています。スジは、関西でよく見られる牛スジではありません。紀文の「おでんだね事典」には、『白身魚のすり身に軟骨を加えて棒状に形づくり、ゆでたもの。軟骨のコリコリした歯ざわりが特徴』とのっています。同じくチクワブは『東京のおでんに特有のたね。小麦粉のタンパク成分(グルテン)が、もちっとした口あたりを生む。クタクタに煮たのが好き、という人が多い』だって。たしかに今食べてるチクワブも、クタクタに煮込まれてます。
お酒のおかわりをもらいましょうね。
ダイコンの項目もおもしろいですよ。『家庭でもおでん屋さんでも、ダントツで人気ナンバー1のたね。庶民派野菜として親しまれるが、奈良時代には1本が米1升と同じ値段だったとか』。奈良時代には高かったんですねぇ。
常連さんたちの話を楽しく聞いたりしているうちに、気がつくともう1時半。閉店時間を過ぎちゃってるではありませんか。お勘定は2,650円でした。
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今日は東京方面は少~しだけ雪模様。寒いですねぇ。天気予報によると、「午後からは雪になる」とのことだったので、午前中の間に図書館に行ったりしておいたのですが、午後になっても、それほどふる気配はありません。ちらりほらりと雪が舞う程度。ちょっと拍子抜けです。
このくらいの天気であれば、毎週恒例の夕食前の居酒屋散歩(?)にも出かけられそうですね。今日はどういうわけだか、むしょうにカキが食べたい気分。となると、この近くでは「竹よし」か、「魚がし」、「魚幸」なんかも思いあたりますが、今日はわが家からもっとも近い「鳥八」にしてみようかな。
実はわが家ではカキ料理は絶対に出ないので、カキが食べたいときには外で食べるしかないのです。うちのカミサン(広島県出身)ももともとはカキは大丈夫だったのですが、あるとき広島に住む知人から送ってもらったカキを食べ過ぎて、体調を崩しちゃったのです。それ以来、すっかりカキが苦手になってしまったようで、今では「見るのもいや」といった状況なのでした。
そんなことを言ってるうちに「鳥八」に到着です。なにしろ、わが家からだと徒歩5分ほどですからねぇ。「こんばんは」。
午後5時に開いたばかりの店内には、すでに先客の男性2人連れがカウンター中央あたりに座っています。私も、カウンターの入口側に陣取り、まずはビール(サッポロ黒ラベル、中瓶、500円)をもらいます。お通し(500円)は、なんと穴子の煮つけの小鉢。いやいや。これはいいですなぁ。
そうそう。カキはあるかな。後ろを振り返って、カウンター背後の壁にある黒板メニューを確認します。あるある。「活・かきからむし」(←実際には、「活」の字は○で囲まれている。890円)ってのがおいしそうですねぇ。これお願いします。
さっそくカウンター内のコンロに、蒸し器がセッティングされます。店は、店主夫婦がふたりで切り盛りしていて、ご主人の趣味は釣り。天井には大きな魚拓が張られています。奥さんは華道の先生。そのせいか、外見はとってもボロっちい(失礼!)感じのお店なのに、店内に入ってみると、ピリッと清潔感があふれているのです。
店主が魚好きなので、仕入れてる魚介類もこだわり品が多いんでしょうね。店の名前(鳥八)からすると、焼き鳥屋っぽい感じ(実際、焼き鳥のメニューもあります)なのに、その実態は、魚も自慢のお店なのです。今日だって、目の前のタネケースにどかんと鎮座(ちんざ)してるのは本マグロの大きな身です。見た目にもきれいですねぇ。この本マグロの刺身が980円ですか。これは安いなぁ。
刺身盛り合せ(1,000円)にもひかれますねぇ。なにしろ単品の刺身メニューで、先ほどの本マグロのほか、イカやシメサバなどがラインナップされてますからねぇ。きっとこれらが数切れずつ盛り合わされるんでしょうね。う~む。これまで食べると、お腹いっぱいになっちゃうしなぁ。
蒸し器のフタが開き、中からカキが取り出されます。殻の部分の長さが10~15センチはあろうかという大きなカキが5個。その殻の上側がはずされると、店内においしそうなカキの香りがフワァ~と広がります。
その下側だけの殻にのったカキが、大きなお皿に並べられて目の前に出てきました。うわぁ。身がぷっくりとふくらんで、おいしそうですねぇ。まず1個。熱々をホフホフとほおばります。んまいっ! 調味料はなにも使われていない(レモン汁すらかけていない)のに、この塩加減はどうよ! これが天然の味なんですねぇ。いいよ、これは、と店主の顔を見ると、「三陸は広田の産なんですよ。身もしっかりしてて、いいカキですねぇ」と、調理した店主も満足げです。
じゃ、このカキに合わせて、日本酒に切りかえるかな。燗酒の大きいほう(大徳利690円。ちなみに小徳利は360円)をもらいましょうか。燗酒は、チロリで湯せんされてから、徳利に移されます。徳利には「菊千歳」と書かれています。灘のお酒ですよね。
それとね。せっかく蒸し器が出てるついでに、「ウニ茶碗蒸し」(750円)もお願いします。これも、さっき壁のメニューを見ていて気になっていた一品なのです。
他にも、「小イワシの天ぷら」や「小イワシの煮付け」(ともに500円)といった、東京ではあまり見かけない品書きもあって、これも気になるところです。店主の実家が岡山らしいので、そちらから送ってもらったのかな、もしかすると。あれも食べたい、これも食べたいという状態ですが、なにしろ夕食前の散歩なので、控えめに、控えめにと、自分に言い聞かせながらの居酒屋タイムです。
熱々のカキを大急ぎで食べ終えたところへ、「ウニ茶碗蒸し」ができあがってきます。つやつやの表面にスプーンを入れて、底のほうのウニと一緒に口中へ。あぁ。これもいいですねぇ。温められたことで、ウニの風味がふくらんでいます。しかし、逆に、温められたことでウニの身がちょっと固まってしまうのが残念ですねぇ。ウニの身が、生のトロトロ感のままだと、まわりの玉子の部分の柔らかさと同じぐらいになるんだけどなぁ。なんて言いつつ、あまりのうまさに、お酒を飲む間もなく、一気に完食してしまいました。(苦笑)
そんなわけで、お酒のつまみを再注文です。「セリごま和え」(550円)をいただきましょうか。セリは、春の七草のひとつでもあります。今年は、七草粥(ななくさがゆ)の日は普通の出勤日で、横浜の単身赴任寮にいたため、七草粥も食べていないのです。
セリをつまみながらお酒をチビチビといただいているところへ、新しいお客さんもひとり、そしてまたひとりと入ってきて、カウンターはほぼ満席です。なにしろ、この店の直線カウンターは(実質)6人ぐらいしか座れませんからねぇ。奥に小上がりの座敷席(6人ぐらいの座卓が1卓)があるので、家族やグループで来た場合には、そちらがいいでしょうね。
さて。そろそろ腰をあげますか。どうもごちそうさま。午後6時まで、約1時間の滞在で、今日は3,880円でした。
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今日も今日とて、夕方の居酒屋散歩。今日は、小4の息子も一緒です。まずは近所の本屋さんによって、「最高の酒亭へ」という山同敦子さん監修の特集記事がある雑誌「日経 おとなのOFF」を購入してから、帰り道の途中にある焼き鳥屋、「くしとも」に入ります。
店内は、右手がカウンター席(直線で6席程度)、左手がテーブル席、そして奥に小上がりの座敷席があって、週末は家族連れなどの姿も多く見かけます。家内の話によると、昼間のランチも、主婦連中に人気があるのだそうです。
そのカウンター席には、先客の老人が2人。それぞれひとり客としてやってきているようです。われわれも、カウンターの一番手前側に陣取り、まずは生ビール(中ジョッキ、500円)とキリンレモン(200円)を注文します。お通し(500円かな?)として小松菜のおひたしの小鉢と、大根おろしの小鉢が出てきます。
焼き物は息子が選択し、砂肝(250円。以下、価格はすべて2本1セット分の価格)、鳥皮(250円)、牛串焼(450円)、手羽焼(450円)を1セットずつ注文。なるほどなぁ。若い(?)だけに、アブラっぽいものが多いですねぇ。しかし、砂肝と鳥皮とは、なかなか渋い選択です。もし、つまみになる感じのものがなかったら、追っかけて私も注文しようと思っていたのですが、これなら追加しないでもよさそうです。
この店では、この冬から、「鳥鍋」をはじめたようです。1人前が800円。2人前だと1,500円です。ちゃんと1人前からあるところがひとり飲みの呑んべにはうれしいですね。最近は「鍋は2人前から」なんて店も多いですからね。
さらに、この鍋に焼き鳥がついたコースもあって「鳥鍋+串3本」が1,200円、「鳥鍋+串5本」が1,500円です。ひとりでふらりと入って、このコースのどちらかをたのんで、チビチビやるというのが良さそうですね。250円の追加で、雑炊かうどんを入れてもらうこともできるようですので、1軒でシメまでいけちゃいます。冬の間だけのメニューらしいので、この冬中に1度食べてみたいですね。
ビールがなくなったので、お酒(白鶴、燗、400円)をもらいましょうか。
家で待っている他の家族にも、お土産を持って帰ることにし、牛タン焼(500円)、アスパラ・ベーコン巻(450円)、ササミのシソ巻(350円)を焼いてもらいます。
午後5時過ぎから6時過ぎまで1時間ほど楽しんで、お土産代も含んで4,300円でした。
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午後からの恵比寿での仕事が、午後6時ごろに終了しました。恵比寿といえば、塩コショウ味のもつ焼きで有名な立ち飲みの「縄のれん」、文人が集っていたという古い居酒屋「さいき」。太田和彦氏説くところである『深化した居酒屋』のひとつ「和(なごみ)」。さらには信州料理で酒がのめる「なゝ樹(ななき)」、徳之島料理の「大吉」もいいですねぇ。おっと忘れてならないのはもつ焼きの「たつや」とホルモンの「徳ちゃん」です。
そんな名店がひしめく中、今日向かったのはJR恵比寿駅東口の向かい側の大黒ビルの1階にある居酒屋「丸福」です。
恵比寿駅前のいかにも大衆酒場風の店構えが、前々からなんとなく気になっていたことに加えて、最近「居酒屋紀行掲示板」に、居酒屋のオヤジさんの「丸福」での『白子体験記』(1/9付け、第1153番発言)が載ったこともあって、グゥ~ンと惹かれていたところだったのです。
その駅前ビルの、魚屋さんのとなりにある入り口をガラリと開けて店内へ。うわぁ。けっこう人が入ってますねぇ。「おひとりさん? こちらへどうぞ」という、店のおばちゃんの声にしたがって、店の奥へと向かいます。
おもしろいことにこの店は、その形自体がL字型をしているのです。Lの右側がJR恵比寿駅。L字型に欠けている右上の部分が魚屋さんです。四角形の右上の部分四角形のところだけが魚屋さんになっているような造りと言えばわかりやすいでしょうか。
そのL字型の店内の壁に向かって、L字型になるようにカウンターが配置されています。店のおばちゃんに案内されるまま、奥のカウンターの左のほうに腰をおろします。
目の前のカウンターの中にいる男性が、ここの店主でしょうか。店は、この男性と、この男性の奥さんといった感じの女性、さらに、先ほどこちらの席を指し示してくれた年配の女性の3人で切り盛りしているようです。もしかすると、この年配の女性がここの大女将(おおおかみ)、つまりは店主のおかあさんなのかもしれませんね。もっとも、そんな風に見えるものの、実はまったく赤の他人同士がやっている店なんてのもありますから、断定はできませんが…。
その大女将らしき女性は、向こう側のカウンターを担当していて、もうひとりの女性が、ちょうどL字のカウンターの角のところにいて、全体に目を行き届かせているようです。
さてと。まずはビールをもらいましょうか。目の前にいる店主から、お通しのチリメンジャコの皿が手渡されます。追いかけるようにして出てきたビールはサッポロ黒ラベルの大瓶です。ビールは小瓶も選べます。
つまみ類は、壁にずらりと貼られた短冊(たんざく)の他、L字カウンターの角のところにある黒板にも書き出されています。金額は書いてあったり、なかったり。
なにはともあれ、「マダラの白子ポン酢」(600円)をもらわなきゃね。
私とほぼ同時に店に入ってきた右どなりの男性は、ビールの小瓶(こちらもサッポロ黒ラベル)を飲みながら、ヤリイカの刺身を注文しています。刺身は、値段が書かれているものだけで類推すると800~1,000円ぐらいのようです。湯豆腐やおしんこ、にこごりなんかが500円ぐらい。
来ましたよぉ。白子ポン酢です。丼タイプの器に、だし汁が張られ、白子のかたまりが4~5切れ泳いでいます。ズズッとまずはそのだし汁をすすってみると、柑橘(かんきつ)系のお酢の味が広がります。これに醤油をちょいとおとして、白子をパクリ。ん~。とろけますなぁ。ちょっと温めた白子は、トロントロンにやわらかくなるんですよねぇ。
となりの男性からも「オレも白子もらおうか」の声が飛びます。たしかに、見るからにうまそうですよねぇ、これは。
客層としては、界隈のサラリーマンといった風情の人たちが多いようですね。ほとんどの人が、仕事を終えて、帰宅前の一杯といった感じです。こちら側(店の奥側)のカウンターの背後には、テーブル席も3卓ほどあるのですが、そこにもサラリーマンのグループ客が座って盛り上がっています。
空いていた私の左側にも、若いカップルが入ってきました。へぇ。こんな若い人たちも気軽に入って楽しめるお店なんですね。そのカップルの男性は、いかにも慣れた感じで「小瓶のビールと、お酒を1本。あと、アン肝をください」なんて注文をしている。女性が小瓶のビール。男性がお酒を飲むようですね。アン肝(800円)は、平皿にスライスされた大ぶりの肝が何切れか並んでいて、これもおいしそうです。
私も、お酒を1本と、つまみには「初物」と書かれている「白魚(しらうお)」をもらうことにしました。白魚には値段が書かれてないんですが、ま、これだけ界隈のサラリーマンや若いカップルなどが気軽に入れるお店であれば、ビックリするようなこともないでしょう。800~1,000円ぐらいじゃないかな。
お酒は、徳利型のガラス瓶(1合)に入ったもので、瓶ごと燗付けされていて、注文すると、燗付け器の中から取り出して、栓を抜いて渡してくれるのです。銘柄は、京都・伏見の「富翁(とみおう)」です。
ひやぁ、この白魚もきれいですねぇ。透き通った白魚を2~3尾箸にとって、ポン酢醤油でツルンといただきます。
「後ろの魚屋さんとは関係があるんですか」と店主に聞いてみたところ、まったく別の店であるということでした。ここ「丸福」は「丸福」で、独自に築地で魚を仕入れてきてるんですって。
右どなりのおじさんが、「ごちそうさん」と席を立ちます。ビール(小瓶)に酒1本。ヤリイカ刺身と白子ポン酢で2,400円。続いて、左のカップルもお帰りです。こちらはビール(小瓶)に酒2本、それにアン肝で2,300円です。みなさん、なかなか粋(いき)な飲み方をしますねぇ。まさに、サッと飲んで、スッと帰るといった飲み方です。
そして、入れかわるように新しいお客さんが入ってきます。ほぼ満席の状態がずぅ~っと続いてるって感じです。それでいて、入れない人がいたり、待ってる人がいたりということはないようです。ちょうどいいバランスで人が入ってるんですね。
さて、白魚も食べ終わり、お酒もちょうどなくなったので、私も席を立ちますか。ごちそうさん。約1時間の滞在で、お勘定は2,600円でした。
まさに、古い時代の大衆酒場そのものといった感じのお店でした。魚もおいしいですよ。
・店情報
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恵比寿の「丸福」を出て、山手線、総武線と乗り継いで、中野まで帰ってきました。まだ7時半ですので、もう1軒寄って帰りましょう。久しぶりに「北国」でウイスキーの水割りでも飲むかな。
「こんばんはぁ」と店内に入ると、けっこうお客さんが多い。なにしろ、金曜日ですからねぇ。「ここへどうぞ」と女将さんに示されるまま、カウンターの中央付近にポツンとひとつ空いている席に座ります。「荷物は後ろに置いといていいからね」という言葉に従って、コートやカバンは後ろの小上がりに置きます。みなさんもそうしているようで、小上がり上は、すっかり荷物置き場と化しています。
「なんにする? ビール?」とたずねる女将さんに「ウイスキーをお願いします」。そうか、まだこんな時間だから、ここが1軒目だと思ったんでしょうね、女将さんは。(そういえば、前回来たときも、同じように聞かれました。)
「はい。お通しです」と、ユミさん(女将さんの姪で、店を手伝っている女性。漢字は知らないけど、実際はユミコさんという名前で、店のお客さんたちからは“ユミちゃん”と呼ばれている)から渡されたのは、えびしんじょの椀ものです。いやぁ、あったかくて、おいしくて。これはいいですねぇ。「そうでしょ。今日も寒かったからねぇ」とユミさんもにっこりです。
この界隈には、店内がひとつの話題で盛り上がるタイプの店も多くて、ここ「北国」もそういう1軒です。中野駅北口側の「路傍」なんかもそうですね。「路傍」は、店主を中心にして話題が回っていくのに対して、こちら「北国」は、お客さん同士で話題が回っちゃうところが、強いて言えば違うところでしょうか。
今も、この店でいつも見かける常連の男性客を中心に、自分の部屋でどう過ごしているかということで盛り上がっているところです。
「なにしろひとり暮らしだからねぇ。ゴキブリだって友達よ」「名前付けたりしてね」「そう。いつも来るやつにテツヤって名前を付けてんだ。おい、テツヤ! 今日はサユリはどうした。ってね」「サユリってだれだよ」「サユリはテツヤのかみさんらしくてね。ときどき一緒に見かけるんだ」。なんだか他愛もない話なんですが、店内は爆笑の渦なのです。
ウイスキーのおかわりをお願いします。あと、「塩らっきょ」(280円)をもらおかな。
水割り用のグラスにたっぷりと氷を入れ、サントリー・ホワイトを計量用の小さいグラスで量(はか)って、そのグラスに移します。そして、水道水をジャジャっと入れて、かき回して完成です。なにしろ、ミネラルウォーターなんて使わないところが、古き大衆酒場らしいところですよね。
「塩らっきょ」は、本来、焼酎にぴったりのつまみなんですが、焼酎に合うんなら、ジャパニーズ・ウイスキーにも合うんじゃないかなぁと思ってたのんでみたものです。これも、違和感はないですねぇ。
右どなりの年配の男性が帰り、入れかわるように常連の男性客が入ってきます。「そこに座れば」と、女将さんが私の右どなりの席を指します。「え。いいの」と、ちょっと遠慮しながら、そこに着席する常連さん。
聞けば、その席はちょうど後ろに柱があって、もたれることができるので、だいたいは「超」がつくほど常連の年配客が座ることが多いのだそうです。井伏鱒二(いぶせますじ)氏なんかも、この席が好みだったということで、若輩者はなかなか座れない席なのだといいます。
その話を聞いていた左どなりの女性客も、「そうなのよね。この店に来ると、私もまだまだ人生の後輩だって気づかされるのよねぇ」としみじみ。「あんたなんて、この店で一番後輩じゃないの!?」。言われてみればそうかも。40台半ばにしてペェペェなのです、この店では!
結局、もう1杯ウイスキーをおかわりして、午後9時ちょっと前まで、1時間半ほど楽しんで、今日は1,380円でした。やぁ、よく笑いました。それじゃ、みなさん、お先にぃ!
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故郷(いなか)の友人が上京し、彼の息子(中3)も含めて3人で夕食です。あらかじめ予約を取れているということで、四ツ谷の「北島亭」に向かいます。店についたのは午後8時。この時間が、この店のラストオーダーの時間なのです。
例によって食前酒のクリュッグ(シャンパンの銘柄)を飲みながら、手渡されたホワイトボードを前に、楽しい楽しいメニュー選びです。
「メインは絶対にエゾシカ(2~3人前)にしようね!」。なにしろ、前回もエゾシカのメニューがあって、あとで北島シェフに「エゾシカを召し上がるかと思ってました」と言われたところだったので、気になっているメニューだったのです。
そんなわけで、メインはあっさりと決まり、前菜の選択へと移ります。「うにのコンソメゼリー寄せ」(3,000円)は、この店の看板のひとつ。毎回必ずたのんでます。これは今回も人数分いただきましょうね。
焼いた白子もうまいんだけどなぁ。値段が消えています。このホワイトボードの中で、値段が消えているものは、「もう売り切れました」ということを示しているのです。
おいしいワインを飲むためのつまみとして「サバのマリネ」と「マスのマリネ」(各3,000円)をひと皿ずつもらって、シェアしましょうか。
そして、われわれが「バクダン」と呼んでいる、「トリュフのパイ包みあげ」(12,000円)を人数分。これも、この季節ならではの一品です。
それと、本当はメイン用のメニューなんだけど、「黒むつのソテー(ポワレかも?)」(4,500円)をひと皿もらって、シェアしましょうか。
いつも、メニュー選びのときは、いくらでも食べられる感じがして、ついついたのみすぎちゃうんですが、最近はなんとかちょうどいいところというのが見つけられるようになってきたと思います。
まずはアミューズに、アンチョビの入ったミニ・クロワッサンが出され、それをサクサクと食べ終わるタイミングで「うにのコンソメゼリー寄せ」です。このメニューは、少しずつ表記や内容が変わりながらも、だいたいいつもあるようです。ウニの殻に入って出てくるときもあるのですが、この季節は平皿(スープ皿)で出てくるようです。これがまた、見た目にもとってもきれい。皿のまん中に生ウニがこんもりと盛られ、お皿いっぱいに冷たいコンソメゼリーが注がれている。上から見ると、茶色いコンソメゼリー越しに、ウニのしっかりとしたオレンジ色が透けて見えるのです。
皿の外周のところから、スプーンを差し込んで、ウニの1辺とともに、ゼリー状になったコンソメをパクリといただきます。なにしろ、このゼリーのやわらかさと、生ウニの身のやわらかさとが、ほとんど同じなのがすごいところ。歯を使う必要はまったくなくて、舌と上あごの間でトロンと押しつぶれるぐらいです。それとともに、ウニの甘さと、コンソメの味がフワァ~ッと口の中に広がります。キャァ~ッ。これはうまいですねぇ、いつ食べても。ここで、シャンパンをゴクリとひと口。まさに至福のひと時です。
サバとマスのマリネが出るタイミングで、白ワイン(コルトン・シャルルマーニュ1999年)と赤ワイン(ボンヌ・マール)を注文します。赤ワインは、栓を抜いてしばらくしたほうがおいしいらしいので、少し早めに注文しておく必要がああるのです。なお、「北島亭」では、グラスワインも用意されていますので、あまり量を飲まれない方は、それを飲むのもいいのではないでしょうか。
そして、今日の目玉のひとつ、「トリュフのパイ包みあげ」です。トリュフは、フォアグラを食べたりするときに、うす~くスライスされたものがちょっと乗っかってたりするものを食べることが多くて、どちらかというと香りを楽しむといったものになっていますよね。ところが、この「トリュフのパイ包みあげ」という料理は、トリュフそのものが主役なのです。
「来た来たぁ~っ!!」なんて大騒ぎをしながら、期待に胸を膨らませて、両手のフォークとナイフを握りなおします。そして、自分の鼻をできるだけパイに近づけておいて、おもむろにパイの中央をざっくりと切り裂くのです。その瞬間にドワァ~ッと広がるトリュフの香り! すっごいキノコですよねぇ、まったく。
パイ皮の中には、もちろんフォアグラも入っていますが、これはどちらかというと脂の味をつけるために添えられてる感じで、主役はあくまでもトリュフ。大きくぶつ切りにされたトリュフがゴロゴロと入っているのです。
あとでシェフに聞いたところでは、いつもの年は、この料理を作るときに1人前60gのトリュフを使うらしいのですが、今年はあまりの高値のために40gしか使えないのだそうです。「年末までキロ25万もしてましたからねぇ。年が明けてやっとキロ20万ぐらいになってきたところです」とシェフ。
しかも、この「トリュフのパイ包みあげ」は、トリュフが主役だけに、仕入れたトリュフのすべてがこの料理に使えるわけではないらしいのです。キロ20万のトリュフが、すべて使えたとしても、40gだと材料費だけでも8,000円。そうしてみると、1人前12,000円という値段は、けっして高くはない感じがしますよね。
そのトリュフの大きなかたまりをフォークにさして、口の中でコリコリとかじると、鼻の奥のほうから、トリュフの香りが体中に広がります。胃の中から逆流してくる香りまで、トリュフなのです。
そして、「黒むつのソテー」。皮の側にゴマをまぶして、こんがりと焼いた一品は、アブラがたっぷりとのっていて、身はトロトロ。これが、ことのほかうまいのです。
もともとが、“トリュフとエゾシカのつなぎにもう一品”ってな感じの、失礼な選択をしていたのに、それをガツンと叱られたような味わい。のちほど、すべてを食べ終わったあとで、彼の息子が「ゴマのついた魚が一番うまかった」といい、北島シェフが「今日の黒ムツは良かったですねぇ」と自画自賛したほどの品物だったのでした。
最後はエゾシカです。まずは焼きあがったエゾシカの塊りがお披露目され、すぐに切り分けるために厨房に戻っていきます。そして、人数分に切り分けられた、輝くような赤身の肉が出てきました。ん~。実にやわらかいですねぇ、これは。
昨年末に出版された“「北島亭」のフランス料理”という本(大本幸子著、日本放送出版協会発行)によりますと、フランスで修業していた北島シェフが、「オーベルジュ・ド・リル」というレストランで鹿肉のポアレを食べたことが、現在では“肉を焼かせたら右に出るものなし”と言われるほどの北島シェフの原点になったとのことなのです。
北島シェフは、どうすれば焼きあがった肉がバラ色になるか、肉をやわらかく焼けるかだけしか考えていないそうなのです。どうすれば肉がふわっと焼けるか。大きな肉に無理して火を入れないで、じわーっと火を入れていく。これが北島亭の肉の焼き方の極意らしいのです。
われわれがスタートするのが遅かったので、他のお客さんたちはすでに席を立ち、ホールには北島シェフも出てきました。明日(日曜日)は、店の定休日なので、北島シェフもシャンパンを飲み始めています。グラスで出た飲み物の残りを飲んでいるのだそうです。
「エゾシカは、猟師が山で撃ったその場で、高く売れる部分だけを切り取って持って帰るんですよ。全部は運べませんからね。それが、たまたまひと晩戸外に置いておかれたりすると、夜の寒さで凍ってしまう。こうなると、良くない肉になってしまうんですが、これが見分けられないんですよねぇ」といった話を聞かせてくれます。
北島シェフは、本当に料理が好きで好きでしょうがない様子で、食材のことや調理のことを、われわれ素人に対しても熱く語ってくれるのです。
われわれも、もう1本赤ワイン(シャトー・マルゴー1994年)を追加して、その話に聞き入ります。店員さんたちは、明日の定休日に向けて、われわれやシェフにあいさつをして、帰路につきます。みなさん、調理服姿の時には凛々しい感じがしますが、こうやって私服に着がえると、街なかの若いおにいちゃん風になるのが不思議です。「いい子なんですよ、みんな」。北島シェフも目を細めます。調理中には怒鳴りつけたりすることも多いらしいのですが、それもこれも、一所懸命さのあらわれなんでしょうね。
デザートのシャーベットの盛り合せと、エスプレッソをいただいて、どうもごちそうさまでした。う~。今日もまた満腹です。
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今日は、新宿住友ビル50階にある中華料理の「秀山(しゅうざん)」(ぐるなび、Yahoo!グルメ)で、昨年11月末に閉店したもつ焼き「鳥芳(とりよし)」のお別れ会が開催されました。
集まったのは、40人を超える「鳥芳」の常連さんたち。どこを見ても「鳥芳」の店内でよく見かけた顔、顔、顔です。でも、みんな「鳥芳」で見るほどラフな格好じゃないので、なんだか違う人たちのように感じますねぇ。
まずは、「鳥芳」の女将(ママ)さんのあいさつから会がはじまります。
鷺ノ宮の地に、もつ焼き屋を開いたのが、東京オリンピックが翌年にせまった昭和38(1963)年の2月。当時の鷺ノ宮は、今のような町ではなくて、「こんなところでやっていけるんだろうか」と不安に思ったのだそうです。それから、いろんな出会いや別れがありましたが、みなさんのおかげで40年間店を続けることができましたという内容の、涙ながらのごあいさつでした。
そして、ずっとおとなりで営業されてきた「ペルル」のマスター、古川さんの音頭で乾杯です。
ちょっと緊張気味だった出席者も、お酒が入ると徐々にいつもの「鳥芳」での雰囲気に戻っていきます。
司会者から「10年以上の常連さんは手を上げて」という問いかけに、ほとんどの出席者の手が上がります。「じゃ、20年以上の人」。これでも半分ぐらい。「30年以上の人」。今日は6つのテーブルを囲んでのお別れ会なのですが、各テーブルに1~2名ずつは30年以上通っている常連さんがいます。
特徴的なのは、30年以上通っている女性客が多いということです。もつ焼き屋というと、酔っ払いオヤジの溜まり場といった雰囲気がある中、30年以上、女性客に支持され続けてきたというのもすごいことだと思います。
最近でこそ、女性がもつ焼き屋で飲んでても何の不思議もない感じですが、20年前、30年前は、なかなかむずかしかったのではないでしょうか。しかも、今でこそ、みなさん60歳過ぎぐらいのお年になっていますが、30年以上前ともなると、けっこう妙齢ですからねぇ。
その30年以上の常連さんを中心に、女将さんへの贈る言葉です。女性はもとより、大の男まで涙まじりに話される様子は、いかにこの店がみんなに愛されていたのかということを物語っています。店に集って飲んでいたお客の側も「ありがとう」。女将さんも「ありがとう」と、お店も客もお互いに感謝の言葉がいっぱいです。
私と同じテーブルには、店を手伝っていたブッちゃんも座っています。今は、近所の先輩の仕事を手伝いにいったりしてるとのことで、風邪をひいてはいるものの、とても元気そうでした。「12月は『満月』にも17回ぐらいしか行ってないよ」というブッちゃんの言葉に、同じテーブルの常連さんたちから「それだけ行きゃ十分だよ」の声が飛びます。
女将さんは、出席者全員のところをお酌して回ってくれています。私にもお酌をしてくれながら、「インターネットを見て、遠くからわざわざ来てくれたり、よその県から出張のついでに店に来てくれたりした人がいて、とてもうれしかった。みなさんにもよろしくお伝えください」とのことでした。女将さんに成りかわって、僭越(せんえつ)ながら私からもお礼申しあげます。どうもありがとうございました。
泣いて、笑って、感謝して。とってもいいお別れ会でした。これだけの常連のみなさんたちと集える場所だったということに改めて驚くとともに、このメンバーが一堂に会する機会がもうないかもしれないという寂しさを感じながら、帰路についたのでした。
「鳥芳」の跡地は、「ぜん」という居酒屋さんになっているのですが、「鳥芳」の内部をほぼそのまま使っていることなどもあって、逆になかなか足が向かない状況です。あそこまでそのままだと、懐かしすぎて、なんだか寂しいですからねぇ。
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明日は朝から東京方面での仕事なので、横浜での仕事を終えてから、自宅に向かって移動します。移動の途中、桜木町駅で途中下車したのが午後7時過ぎ。久しぶりに「武蔵屋」に寄って帰ろうと思っているのです。
午後7時過ぎというのは、一番お客さんの多い時間帯だけど大丈夫かな。ガラガラと引き戸を開けます。おぉ。さすがに多いですねぇ。右手の6人ほどかけられる小さいカウンターは満席ですが、小上がりの座敷席左手側はガランと空いた状態。こりゃなんとかなりそうですね。ズイと店の中へ進みます。
「おひとり?」と問う女将さんに、「そう、ひとりです」と人差し指を立てながら応えます。「それじゃ、そちらへどうぞ」と指し示されたのは、入口左手奥側のテーブル席です。4人掛けのテーブルの片側に若いカップルが座っていて、その向かい側が2人分空いている。「武蔵屋」に行かれたことのある方には、『ちょうどトイレの入口の前のところ』と説明すればわかりやすいでしょうか。
この場所に座るのははじめてですねぇ。「すいません。同席させてくださいね」と先客にあいさつしながら、その場所に腰をおろします。何度かいったことのある店でも、はじめて座る場所から見える風景は、また新鮮です。ふ~ん。店の奥側から入口側を見ると、こんな風に見えるんだ。
老姉妹はあいかわらずお元気そうな様子で、まずはひと安心。バイトの若いおねえさんふたりも変わりありません。そのおねえさんが、湯呑みに入った塗り箸をトンと置きながら、「お酒でよろしいですか」。「えぇ。お酒にしてください」と私。ちょっと風邪気味だし、外も寒かったので、最初から燗のお酒であったまりたい気分なのです。
定番のつまみである玉ネギの酢漬け、おからが用意されます。このあたりで、目の前に座っていたカップルが席を立ちます。なるほど。もうお勘定も終わってたんですね。
入口側のテーブル席が4人掛けに5人で座ってたりする混雑の中、私ひとりで4人掛けのテーブルを独占してる状態になっちゃいました。これはまた、ずいぶんとゆったりですねぇ。
カウンターの中から女将さんが出てきて、1杯目のお酒をツツゥ~ッと注(つ)いでくれます。その表面張力を、口からお迎えです。ッカァ~ッ。沁(し)みますなぁ。
それにしても、この玉ネギの酢漬け。柑橘類の生絞り酢が使われてたんですねぇ。今日の酢漬けには、たまたま白い種が1個紛れ込んでいたので気がついた次第です。
そして、タラ豆腐の登場です。このつまみは、お客の顔を見てから準備を始めるようで、他のものに比べるとちょっと時間がかかるのです。しかし、このタラ豆腐が、この店のつまみの華(はな)でもあるのです。唯一のあったか物ですからねぇ。
2杯目のお酒をお願いしたところへ、会社員らしき男女2人連れが入ってきます。「座敷でもいいですよ。テーブルだとご相席になります」と案内され、「すみません」と、私と同じテーブルに相席になることになりました。たしかにねぇ。座敷はテーブルが低いので、女性にはむずかしいかもしれませんね。
2杯目のお酒とともに出てくるつまみは納豆です。考えてみると、おから、タラ豆腐、納豆と、大豆製品が多いですよね。お酒のつまみには、朝ごはんのおかずと同じように、良質のタンパク質がいいらしいので、大豆製品がつまみの中心というのは理にかなっているように思います。
大ぜいで来たときは、つまみはどんな風に出てくるんだろうなぁ、と思いながら、向こうの5人連れの席を観察してみると、つまみは一番早い人のペースに合わせて出されるようです。つまり、みんなで1杯目のお酒を飲みはじめて、だれかが最初に2杯目のおかわりをしたところで、そのグループのみんなに納豆が出されます。そして、3杯目を注文したところで、みんなにお新香です。したがって、ペースの早い人が混ざっていると、つまみもペース早く出てくることになるようです。
じゃ、私も3杯目をお願いします。3杯目のお酒は、手伝っているおねえさんのうち、ベテランのほうのおねえさんが注いでくれます。このおねえさんも、注ぐのがとっても上手になっていて、ダダァ~ッと、土瓶を高く持ち上げながら、ちょうど表面張力のところでピタリと注ぎ終わります。
もうひとりのおねえさんが、3杯目用のつまみ、お新香を持ってきてくれます。
昔は、ここのお酒を3杯飲んでも、まったく飲み足りないように感じてたのですが、最近は、この量がちょうどいい気分ですねぇ。平日、あまり飲みに出なくなったせいなのか、それとも年のせいなのか。(^^;
今日も、ちょうど1時間ぐらい滞在して、お勘定は1,900円。お店の女性4人の笑顔に見送られながら、店をあとにしたのでした。
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「武蔵屋」をあとに、桜木町駅から東急東横線の電車に乗り込みます。2月からは、東急東横線は横浜駅で地下鉄みなとみらい線と相互乗り入れするようになるので、桜木町~横浜間の東横線は、今週いっぱいで廃止になってしまうのです。
野毛界隈で飲んだあと、桜木町駅から始発の東横線にゆっくりと座って帰れるのがうれしかったのですが、来月以降はそういうわけにもいかなくなりますねぇ。
乗ったのはちょうど特急電車。これに乗っちゃえば、横浜、菊名、武蔵小杉、自由が丘、中目黒と停まって、6駅目にはもう渋谷に着いちゃうのです。しかし! 4駅目の自由が丘で、ふらりと下車してしまいます。まだ9時前なので、「金田」の営業時間(9時半がラストオーダー)に間に合いそうなのです。
入口の引き戸を開けて、さらにその内側にある引き戸を開けて、店内に入ります。「いらっしゃいませ」と、おだやかだけど元気のいい店主の声がひびきます。
火曜日なのに、コの字型2連カウンターの1階店内はほぼ満席。この店も、あいかわらず人気が高いですねぇ。
しかし、店主がすっと手を伸ばして、空いている席を指し示してくれています。「了解」ということを示すために、私もちょっと手を上げて会釈を返し、まずは店の壁際にずらりと並べられた椅子のひとつに、カバンとコートを置いて、その席に向かいます。
「飲みものは?」というおかみさんらしき女性の問いかけに、「『花の井(はなのい)』をお願いします」とお酒から入ります。「はい、ハナいっちょぉ~っ!」と、奥に注文がとおり、すぐにお通し(サービス)のスープ豆腐が出されます。
いやぁ、このあたりの手順も、以前とちっとも変わってなくて、安心しますねぇ。
日本酒は、単に「お酒!」とたのむと辛口の「菊正宗」(400円)が出てきます。紙のメニューにのっている「酒」というのも、この「菊正宗」です。甘口が好きであれば「花の井」(360円)。そして、店主が「甘口、辛口という感じではなくて、どちらかというと濃い感じの味ですねぇ」という「白鷹(はくたか)」(450円)の3種類の燗酒のほか、樽酒、生酒(どちらも900円)などの冷酒もあります。
カウンターの上の段に置かれたメニュー(A3サイズの用紙に、毎日印刷されている)に手を伸ばし、今日のメニューをながめます。なにしろ、この店は肴(さかな)の種類が多いですからねぇ。
おすすめの品には、メニューの横に、○や()で囲んだ文字で、「活」とか「旬」「初」「新」「最上」「天然」「美味」「珍味」というのが書かれていて、80品にもおよぶメニューの中から、おすすめのものが選びやすいようになっているのです。
その「旬」という印がついたものの中から、「イイダコ煮付」(450円)をもらいましょうね。実はこの品は、最初にこの店に来たときに、食べたかったのに売り切れてたという、くやしい経験をもつ一品なのです。
すぐに出てきたイイダコ。頭の部分からパクリといただきます。いやぁ、これはイイ(体内の卵)もびっしり詰まっていて、おいしいですねぇ。いい味です。なにしろ、煮ると卵のかたまりが飯粒のようになることから、イイダコ(飯蛸)という名がついたのだそうですよ。
イイダコでじっくりとお酒をいただいたところで、この店でもひとつジャパニーズ・ウイスキーを試してみようかな。メニューには「ウイスキーオールド(ミニチュア)」(500円)というのがのっています。ウイスキーはこの1種類のみです。
出てきたのはサントリー・オールドのミニチュアボトル(50ml)。ただし、これは新品のボトルではなくて、大きなボトルから注ぎ分けているようです。そして氷のたっぷりと入ったロックグラス風のグラス。それとは別に水が出されます。
う~む。普通にシングルの量だと30ml、ジガーだと45ml、ダブルだと60mlなので、50mlというのは、ちょっと中途半端な量ですね。グラスも小さめなので、ちょうど2杯分ぐらいをめざして作りますか。
つまみはどうするかなぁ。ウイスキーにとても合いそうにないものをたのんでみるかな。え~と。ホヤ塩辛(400円)をお願いします。
このホヤがねぇ。おそらく自家製なんだろうけど、ぜんぜん臭みがなくて、いいできなのです。これだと、どんなお酒にも合っちゃうなぁ、残念ながら。なにしろ、ホヤ特有のえぐみがほとんどない状態に仕上がってますからねぇ。
それじゃ、もう一品。ユリ根の白煮(500円)をもらいましょうか。これは、ウイスキーに云々(うんぬん)ではなくて、単に食べたかっただけです。(笑)
閉店直前の午後10時前まで、約1時間楽しんで、今日は2,320円(2,210円+税)でした。
今日は食べてはないんだけど、ひかれた品の数々は、北海ツブ貝刺身(800円)、(旬)スッポン鍋(2,000円)、肉ドーフ(700円)、湯ドーフ(450円)、トコブシ煮付(900円)、魚の子(生タラ子)含め煮(500円)、ブリ大根(500円)、ウナギクリカラ焼(450円)、あい鴨ロース焼(1,500円)、白子(タラ)焼(900円)、カキ山椒焼(800円)、アナゴ白焼(800円)、シャコわさ(小柴)(700円)、ウニ煮凍り(当店製)(700円)、(珍味)カキもろみ(当店製)(600円)、あい鴨ロースくんせい(500円)、海老しんじょう揚げ(900円)、サクラエビかき揚げ(600円)、メゴチ天ぷら(600円)などなど。どうです、このラインナップ。これでメニューのほんの一部だというのがすごいですよね!
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昨年の夏ごろ、メッセージボード(掲示板)に「自分でもつ焼きの専門店をはじめようと思っています」という書き込みをいただいた“ばけつさん”のお店が、いよいよ昨日(2004/01/30)オープンしたそうなのです。店は、西武新宿線・野方駅のすぐ近くだということで、私もさっそく出かけてみることにいたしました。
「やきとん 秋元屋」という看板も新しい店の前に到着したのは午後5時20分。開店時刻は午後5時なので、すでに20分ぐらいが経過しています。店はガラスの引き戸3枚が並んだ入口で、どの引き戸も開けることができそうです。真ん中の引き戸から「こんばんは」と店内に入ります。
こちらを向いて「いらっしゃいませ」と声をかけてくれたのは、ばけつさん改め秋元屋の店主の秋元さんです。「あっ!」と店主も気づいてくれて、「どうもおめでとうございます」とあいさつをしながら、店内へと進みます。
店内はコの字カウンターのみのシンプルな造りで、コの字の下側が入口になっています。各辺に、それぞれ5~6人ずつぐらい座れるようになっていて、先客は、コの字の下の辺に男女の2人連れ、右の辺の下側あたりに男性のひとり客です。焼き台や煮込み鍋は右の辺のすぐ内側にありますので、私もその右の辺の上側あたりに座らせていただきましょうか。
カウンターの中で店主のそばにいる女性は、店主の奥さんかな。この2人で切り盛りしていくようです。まずはビールをもらいましょうか。「サッポロラガー、置いてますよ」と店主。や。それはありがたいですねぇ。さっそくサッポロラガーの大瓶(480円)をもらいます。
自慢のもつ焼き(=やきとん)は、じっくりといただくとして、まずは煮込みかな。玉子入りの方(380円)にしてください。
「煮込みは、まだ味が浅いんですけどね」と言いながら、煮込み鍋から小鉢によそってくれます。なにしろ、昨日オープンしたばかりですからねぇ。
煮込みをつついて、ビールを飲みながら、店内を見渡します。もともと、カラオケなんかもある小料理屋さんだったものを、内装は完全にやり直したのだそうです。カウンターや壁なんかも、まだピッカピカの新品です。
しかし、メニューは先ほどのビール大瓶 480円もしかりですが、やきとん(レバー、ハツ、タン、ナンコツ、シロ、テッポウ、カシラなど)が2本1セットで180円(つまり1本90円)、焼酎が240円(湯割りなどは280円)、日本酒も280円と、古くから続く大衆酒場の価格構成と似たようなラインナップになっています。やきとん以外のメニューも、冷奴や、ポテトサラダ、お新香などなどの、いわゆる大衆酒場メニューが200円台を中心にずらりと並んでいます。これは店主の志(こころざし)を感じますねぇ。
「呑んべ好みするメニューが多いですねぇ」と声をかけると、「いや、ちょっと欲張りすぎたかもしれませんね」と謙遜していますが、他のお客さんもウムウムとうなずいています。
やきとんにはサービスメニューで、「6本で500円」というセットがありますので、これをもらってみましょうか。本当は、店におまかせの6本なのかもしれないのですが、店主が「好きなのをどうぞ」と言ってくれたので、レバー、タン、ナンコツ、シロ、テッポウ、カシラを1本ずつと、各種を取りそろえてみました。焼き方はおまかせにしますが、おすすめの味噌ダレは絶対に何本か入れてね。
この味噌ダレのやきとんは、東松山(埼玉県)あたりの特徴的な味らしいのです。都内にも何軒かはあるようですね。ここの店主は、ある店の味噌ダレに惚れこんで、そこで修業をさせてもらったのだそうです。
味噌ダレというから、何か味噌のかたまりのようなものでも塗ったくるのかな、なんて思いながら見ていると、あにはからんや、普通の醤油ダレと同じようなタレの壷にトプンとつけて焼いています。なるほどなぁ。液体風になった味噌ダレなんでしょうね、きっと。
「もつ焼きが好きな人は、やっぱり塩焼きなんでしょうけどね。ま、試してみてください」と、お皿に入れてくれます。「最初だから」と、味噌ダレで焼いてくれたのはシロとテッポウの2品です。ど~れどれ。
ほぉ。これはピリッと味もしまっていい感じですねぇ。
醤油ベースのタレを使っている店だと、ときどき甘ったるい感じの味になってしまう店があるのですが、この味噌ダレは、味も香りもしっかりとしています。たしかに、シロやテッポウにも抜群に合いますが、タンやカシラもうまいかもね。これはいいや。
じゃ、飲みものは、キンミヤをお願いします。キンミヤは、甲種焼酎のブランドのひとつで、もともと東京下町の大衆酒場でよく飲まれていたこともあって、このところちょっとした有名ブランドになっているものなのです。この店でも、普通の焼酎が240円なのに対して、キンミヤは270円と、プレミア価格になってますからねぇ。
「キンミヤ。はじめて出ました」と店主。ポンッと新しい一升瓶の封が切られます。
それにしても、コの字型のカウンターというのがいいですねぇ。「居酒屋兆治風の空間にひかれまして」と店主。
6時が近くなって、お客さんも増えてきました。すでに店内は8割方ぐらいの客の入りになっています。新しい店ができたのを見て訪れたご近所の人や、この界隈の呑んべのみなさんたちです。この界隈の呑んべのみなさんたちは、店主が店を開く前から知っているようで、もうすっかり顔なじみといった感じです。その中には、都立家政の「魚がし寿司」の常連さんや、高円寺の「バクダン」のお客さんもいらっしゃるようです。
じゃ、キンミヤ(270円)をおかわりして、お新香(220円)をもらいましょうか。
お新香は、自家製のキュウリのぬか漬け。タッパーで簡単に漬けているように見えるのに、実にいい味が出ています。
そうそう。お酒や焼酎には、いわゆる地酒や、今はやりの地焼酎(っていうのかなぁ?)もありますが、店主が、「単価をなるべくおさえたい」という方針であるため、たとえば地酒も本醸造を中心とした品ぞろえで、1杯480円ぐらいの価格設定になっています。
お客さんが多くなったので、焼き台にはずらりとやきとんが並んでいる状態。目の前のお客さんからは「もっと幅の広い焼き台にすればよかったのに」と声がかかりますが、店主は「いやいや。この幅が、いまの私が焼ける精一杯なんです。これより広いと焼きムラが出たりするんです」と、1本1本をきっちりと焼き上げていきます。
いやぁ、しかし、こういう昔の大衆酒場のポリシーをもった新しい居酒屋の誕生は実にうれしいことですねぇ。幸いここなら、わが家からも自転車圏内なので、ときどき寄らせてもらおっと。(^^)
1時間ちょっと、新しいお店を楽しんで、今日は1,620円でした。どうもごちそうさま。また来ますね。
・店情報
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金曜日です。都内での仕事を終えて、まっすぐ阿佐ケ谷へ。
このところ、どういうわけだか新しい店を開拓するよりも、なじんだお店でくつろぎたいという気持ちのほうが強くて、すぐに自宅近くの店に戻ってきてしまうのでした。
この「新しい店の開拓意欲」というのは、ときどきむくむくと頭を持ち上げてくるようなものなのです、私の場合。特に仕事が忙しいとか、忙しくないとかには無関係で、むしろ、仕事が忙しくてバタバタしているときのほうが、開拓意欲が強くなったりするのです。そういう状態のときの方が、身体全体が活性化しているからなのでしょうか…。
行きたいんだけど、まだ行けていないお店はたくさんあるんですけどねぇ。こういうホームページをやっててよかったなぁと思うのは、同好のみなさんから「あそこもいいよ」「ここもおすすめ」という情報をたくさんいただけることです。「情報がほしければ、まず自分からどんどん情報を発信せよ」というのは本当ですね。申しわけなくも、みなさんからのメールに、ほとんどお返事できていない状況ではありますが、おすすめのお店はしっかりと記録させていただいています。どうもありがとうございます。
そんなことを考えながら、自宅に向かって旧・中杉通りを北上しているうちに、ちょうど「川名」の前です。今日も店先の焼き台にはアイちゃんが立ち、お客さんが3人ばかり、お持ち帰り用の焼き鳥の焼きあがりを待っています。
今は6時半。ちょっと寄って帰りますか。焼き台の横の入口から店内へ入ります。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」と、おかみさんがカウンター6番席を指し示してくれます。
この店のカウンターは直線で7席。入口に近いほうから順に1番、2番、…と番号で呼ばれていて、一番奥の、テレビに一番近い席が7番となります。今のところ、カウンター席は2~4番、そして7番に先客がいる状態。その7番さん(知らない人)にあいさつをしながら、となりに腰をおろします。
最近は座るとすぐにヨウさんが注文を取りに来るといった感じだったのですが、今日はそれがない。あれっと見渡してみると、ヨウさんはいなくて、ほかのおねえさんが手伝いに入っているようです。カウンターの中のおかみさんに、「ホッピーをお願いします」と飲みものを注文します。
すぐに、おねえさんがホッピー(320円、ジョッキとホッピー瓶のセット)と、お通しをもって来てくれます。このところ、リンゴのお通しが続いていたのですが、今日のはグレープフルーツかな。
最初のころは、お通しに果物が出てくることに違和感があったのですが、このところ、ホッピーを飲む前にちょいとつまむ果物の甘みと酸味がなんとなく心地よく感じるようになってきました。習慣なんですかねぇ、これも。
さあて。つまみは何にするかな。まずは目の前のタネケースをながめてみます。ちょうど目の前にあるのは、これはホヤですねぇ。注文すると1個分丸々を酢のものにして出してくれるんですよねぇ。
このシャケもまた立派です。ここで、カウンター奥の壁中央に掲げられているホワイトボードを確認します。なるほど。「新巻鮭」(220円)っつうのがこれですね。これを炭火で焼いてくれるわけか。
アジもつややかでいいですねぇ。その奥はタラの白子か。これをもらおかな。「あじたたきと白子酢をお願いします」。
まず出てきたのは「白子酢」(220円)です。小鉢にワカメをひいて、その上に白子が3切れのっています。これって、生白子じゃないですか! 先日、近所の居酒屋「竹よし」で生白子を食べたばかりで、今度はいつ食べられるかという思いだったのに、こんなに早く次の機会が来ようとは。チュルンと口に入ってくる感覚と、それを舌と上あごの間で押しつぶすときのとってもやわらかい弾力感と、ぱっと広がる甘みがなんともいえません。
そして「あじたたき」(280円)。1尾丸ごとのタタキで、残った頭と中骨、尾びれは、よく小料理屋で出てくるように、串で刺されて弓なりになったものが皿の奥に飾られています。こんな値段で出しているにもかかわらず、きちんとこういう手間ひまをかけるところが、この店の人気の秘訣なのかもしれませんね。
新しいおねえさんは、けっこう日本語も上手です。そこで、さっそくナカ(ホッピーの焼酎部分のみのおかわり)を注文したところ、「ナカ?」と聞き返されてしまいました。さすがにこれは専門用語(!?)か。すぐに、カウンター内のおかみさんがフォローしてくれて、無事にナカの注文が通りました。
店によって、ナカの料金設定がしているところと、してないところがあって、この店ではナカの料金設定はありません。ソト(瓶入りホッピーの部分)とナカをセットでたのもうが、ナカだけをたのもうが、どちらも320円です。
荻窪の「やき屋」などは、メニュー上はナカは明示されてないんだけど、事実上ナカ・ソトのそれぞれが150円、セットなら300円という料金設定がされています。ただし、最初にホッピーを注文しないで、いきなりナカからはじめる(つまり、焼酎を生(き)で飲むためにナカを注文する)ということはできません。
つまみをもらいましょうか。このところ、「マグロブツ」(280円)もごぶさたしてますが、今日はすでに生ものを2品たのんじゃったからなぁ。「あんきも」(220円)や「べったら漬」(140円)などにもひかれます。焼き物だと「ししゃも(3尾)」(180円)や、先ほども気になった「新巻鮭」(220円)…。お。「皮はぎ焼」(180円)がありますねぇ。これにしてみましょう。カワハギを焼いて食べるって、はじめてのような気がする。
飲みものは、今度は生グレープフルーツサワー(320円)をもらいましょうか。
カワハギは、頭と内臓を取って下ごしらえした状態(つまり身だけの部分)で長さが10センチ程度の小さいのもが2尾。炭火で焼かれて、皿に盛られて出てきます。ほぉ。これは中骨の固いところ以外は全部食べられますねぇ。身もホコホコとおいしい。
生グレープフルーツサワーは、この店の人気の品のひとつですが、個人的にはもうちょっと濃いお酒のほうが好きかな。
さてと。今日の寄り道はこれくらいにしときましょうか。どうもごちそうさま。8時前まで、1時間強の滞在で、お勘定は1,722円(1,640円+税)でした。
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夕食に家族で回転寿司です。鷺ノ宮駅前にある回転寿司屋は、ひと皿130円均一。にぎりは通常2貫ひと皿で、タネによって(トロなど)は1貫ひと皿です。この店のうれしいところは、「つまみで!」とたのむと、そのタネを3切れに、ツマをそえたものをひと皿(130円)として出してくれるところなのです。
カミサンと子供たちがパクパクお寿司を食べてる横で、つまみで造ってもらった刺身や生ガキ、そして海鮮サラダ(これも130円)などをつつきながら、生ビールをグイグイといただきます。日本酒がないのが残念ですね。
しかし、回転寿司は比較的短時間で食べ終わっちゃうので、ほかの家族3人と、飲んでる私とはペースがまったく合わないのです。午後6時に店に入って、6時半にはもう食事終了です。この店のお勘定は、家族4人で5千円程度。
店を出て、自宅に向かう家族3人に「もうちょっと飲み足してくるね」と言い残して、今日は食後(というほど、私自身は食べてないのですが…)の居酒屋散歩です。
鷺ノ宮駅のすぐ北側の通りを、西武新宿線の線路に沿って、都立家政(とりつかせい)・西武新宿方面に向かって歩くこと10分弱。着いたのは「竹よし」です。
「こんばんは」と店内に入ると、右手の直線カウンターには先客が2人。それぞれ男性のひとり客で、カウンターの手前側と奥側の両端に座っています。私もカウンター中央に陣取ります。入口左手のテーブル席2つは空いている状態。日曜日ですからね。
カウンターの入口側のお客さんからは、「生ビールと湯豆腐ね」という注文が飛びます。なるほど、このお客さんもいらっしゃったばかりなんですね。
私のほうは、さっきの回転寿司屋でお酒(日本酒)が飲みたかったのに、おいてなかったから、ここはいきなりお酒からいきましょうか。「菊正宗」(400円)を燗でお願いします。
つまみはなにをもらおかなぁ。…と考えているところへ、カウンター奥側のお客さんが注文していた料理ができあがってきました。なにやら唐揚げのようです。さっそく口をつけたお客さん。シャクッと軽快な音も実においしそう。さっそく正面上部に張り出された短冊メニューを確認します。「もしかして、これはアンコウの唐揚げ?」「そうですよ」と、そのお客さんと、店主がほぼ同時に答えてくれます。「じゃ、私もこれ!」
今日のお通し(200円)は、生ダコと中華クラゲのダシびたし。それをつっつきながら、お酒をチビチビといただきます。生ダコのプリプリ感、中華クラゲのコリコリ感が、ひとつの小鉢の中で不思議とマッチしますねぇ。
そこへ、アンコウ唐揚げ(750円)が出てきました。丸いお皿の奥側に添えの野菜。そして手前に唐揚げが5個盛られています。「これが肝(アンキモ)、これが腸、こっちのが顔の周りのゼラチンの部分で、このふたつが身の部分です」と店主が説明してくれます。
アンコウの唐揚げ。はじめて食べます。まずは腸からいってみるかな。サクッとした唐揚げの歯応えのあとに、中はクニュプリッとした内臓ならではの食感。内部までホワッとあったまってるので、味も広がりますねぇ。
お酒のおかわり(400円)をお願いして、じっくりと唐揚げに立ち向かいます。
いや、しかしこのアンコウはうまいですねぇ。となりのお客さんも「前回も、これを食べたんですよ。アンコウを唐揚げで出したりするのが、マスターならではですよね」と満足げです。
鍋で食べるよりも、アンコウのそれぞれの部位の特徴がわかりやすいように思います。鍋だと、食感の違いはわかるのですが、味わいそのものは比較的均質な味(鍋のダシの味)に引っ張られちゃいますからねぇ。
ちなみに、アンコウはもちろん鍋のメニューもあって、こちらは一人前1,500円です。ひとり客も多いお店なので、先ほどのお客さんが注文していた湯豆腐なども含めて、鍋はひとり分から注文できます。
「アンコウも今が時期ですからね。今度の夕食会もアンコウでいこうかと思ってるんですよ」と店主。「ブリも今なんですけどねぇ」と、ブリにもちょっと心惹かれているようです。「そうそう。今月はたまたま第2土曜日(2月14日)と第3日曜日(2月15日)が連続になってしまうんですよ。続けてというものなんなので、今月は14日の土曜日、1回だけの夕食会にしようと思います」。は~い。わかりました。土曜日のほうが、心おきなく飲めますもんね、われわれサラリーマンは。
最後に、今回はじめて入荷してみたという熊本の「美少年 吟造り 純米酒」(550円)をいただいて締めましょうか。
どうもごちそうさまでした。今日は1時間20分程度の滞在で、2,300円でした。
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火曜日なんだけど、明日(2月11日)は祝日(建国記念日)。自宅に帰る道すがら、荻窪で寄り道することにしました。荻窪といえば「やき屋」ですよね。空(あ)いてるかな。
店に着いたのは、午後9時ちょっと前。メインカウンターにはすでに先客が大勢いますが、左手のサブカウンターの奥側と、奥のテーブル席は空いてるようです。じゃ、サブカウンターで飲むかなと、サブカウンターの奥側に入ってみたところ、メインカウンターの一番奥も空いていることを発見。さっそく店の最深部まで突き進みます。
「ホッピー(300円)とゲソ揚げ(150円)をお願いします」。ここのところ、まずこのセットを注文することが多くなっています。ゲソ揚げは、あらかじめ用意されているものをつぎ分けてくれるだけなので、出てくるのが早いんですよね。他のつまみも、焼き物以外はだいたい早いのですが、それらの中でも、ゲソ揚げはズバ抜けて早く出てくる一品なのです。
このところ、「やき屋」もグループ客(ふたり連れ以上で入ってくるお客さん)でザワザワしていることが多かったのですが、今日はひとり客が多いようです。なんだか久しぶりに、落ち着いた「やき屋」を感じますねぇ。
常連のお客さんと店長との、掛け合い万才的な会話も心地よい。「牛や鳥はいろいろ危ないみたいだけど、イカは大丈夫なの?」「そういやコイ・ヘルペスなんてのもあったよね」と、常連さんたちも勝手なことを言い合います。「イカは大丈夫だよ」とハイライトをふかしながら店長も返します。「ハイライトっちゅうのが珍しいじゃない。今どき」と客。「昔はこれがハイカラだったんだよ」。心なしか、今日は店長やおかみさんの顔も和んでいるように感じます。
江戸文化研究家の杉浦日向子(すぎうら・ひなこ)さんが、「立ち飲み屋さんは、やはり地元の方のものです。地元のお父さんが寛ぐ場所ですので、よそ者が入る時には、その中にさりげなく混ぜていただくのだという気持ちが必要ですね。そしてひとりで行くべきです。仲間と一緒だと常連さんたちが作っている雰囲気を壊します」ということを書かれているのですが、私もその意見に大賛成です。立ち飲み屋に限らず、家族だけで切り盛りしているような大衆酒場風のお店のすべてに言えるのではないでしょうか。
私自身、いろいろな場所に出かけていって、その地域に根付いた大衆酒場で飲むことが趣味なので、杉浦さんの言葉を胸にしまって、気をつけるようにしていきたいと思っています。
さて、ナカ(150円)をおかわりして、イカ納豆(150円)をもらいましょうか。
イカ納豆は、ひとり用の小さい納豆パック1つ分の納豆をまず小鉢に入れ、グルグルっと混ぜた上に、その場で刺身に引いたイカの身(イカ刺しの場合の半分ぐらいの量)をきれいに上に並べ、刻んだネギを上にかけて完成です。
この小鉢を受け取って、まずはその景色の美しさを愛(め)でたあと、醤油をちょいとかけて、全体をグリグリグリと混ぜ合わせます。それをズズッとすすり込みながらいただくのです。あぁ。うまい。
このままでもおいしいけど、冷奴(150円)を一緒にとって、その上にちょっと醤油を多めに入れたイカ納豆を乗せて食べるのもよさそうです。この場合は、冷奴の上のカツオ節は、かけないまま出してもらうほうがいいかも。今度試してみようかなぁ。
向こうのお客さんから「ミミ焼きね」という注文が飛びます。「じゃ、私も」と便乗注文です。イカミミ焼(150円)は、イカのミミ(エンペラ)の部分2枚(2尾)分をタレ焼きしたあと、スィ~ッ、スィ~ッと細切りにスライスし、マヨネーズを添えて供されます。
ナカ(150円)もおかわりしましょうか。
メインカウンターの中央上部には、イカは身体にいいぞということを、地元のお医者さんらしき人が書いた紙が張り出されています。なるほど、タウリンが多いのか。
栄養ドリンクの肩書き(?)でよく見かけるタウリンですが、アミノ酸の一種で、魚介類、特にイカ・タコのほか、貝類や魚の血合いに多く含まれているのだそうです。高血圧予防やコレステロールの低下、心臓機能の強化などに効果があるとのことですが、それと一緒にガンガンお酒もいただいちゃうので、あまり効き目がないかも…。(^^;
最後はつけもの(150円)をいただいて、今日は終了。「どうもごちそうさんでした」。今日は1時間強くつろいで、ホッピーがソト1・ナカ3、つまみが4品の、1,200円でした。
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荻窪駅からバスに乗り、降りたのは鷺ノ宮駅。明日が祝日なので、もう1軒寄って帰りましょう。週のまん中に休みがあるというのも、なかなか気が楽ですねぇ。
ガラガラと引き戸を開けて入ったのは、鷺ノ宮駅からもほど近くにある居酒屋「満月」です。このお店は、見るからに濃い雰囲気で、フラッと入るにはかなり敷居が高いところなのです。私自身、この店の存在を発見してから、実際に店に入ってみるまで、かなりの月日を要したことを思い出します。
店には、向かって左側と右側の両側に入口があって、それぞれ店内では2列のカウンターを隔てて別の空間に入るようになっているのです。実際には漢字の「四」のような感じの店内なんですけどね。「四」の上の辺の左右が入口です。
今日は、向かって左側(「四」だと右上)の入口から入ったのですが、カウンター奥側に先客の男女2人連れが1組。反対側の空間には、若い男女3人組が入って飲んでいるところです。祝前日の午後10時半にしては少ないかな。
こんな濃い感じの店なんだけど、いつも若い人たちを見かけるのも、この店のおもしろいところ。入るのをためらわうような大衆酒場の場合、通常は、年配の、何十年もその店に来ているようなお客さんが大勢たむろっているものなんですが、この店はなんだか違うんですよねぇ。
おや。今日はカウンターの中にはおかみさんの姿しか見えないですねぇ。大将はどうしたんでしょう。ま、それはいいとして、まずは飲みもの、飲みもの。「ホッピー(300円)をお願いします」。
カウンターの上の段にずらりと並んだ大皿の中から、つまみを選びます。どれにするかなぁ。その一番向こうにある四角いのはな~に? え、グラタン? そんなおしゃれなものがあるんですねぇ。じゃ、それをもらいましょう。
バットの中一面のグラタンから、1人前分の四角いグラタンが、小皿に切り分けられて電子レンジでチンされます。
グラタンは…と。カウンターの背後にある壁一面に張り出されているメニューを確認します。あった、あった。450円ですね。
この店では、ほとんどのメニューはカウンター上の大皿に盛られた状態でスタンバイされているのです。注文を受けると、それを小皿に取り分けて、必要に応じて電子レンジで温めたりして仕上げます。西荻窪の「遥々亭(はるばるてい)」なども似たようなスタイルですね。
カウンターの奥に座っている男女は、この近くに住むご夫婦のようで、おかみさんと近所のパン屋さんの話をしています。「『麦笛(むぎぶえ)』のパンがおいしいのよ」とお客さんの女性。へぇ。「麦笛」って、わが家から一番近いパン屋さんなので、ときどき利用しているんですが、そうだったんだ。「『ベルク』はどうですか」と聞いてみます。「ベルク」は、うちのカミサンのお気に入りのお店で、鷺ノ宮駅のすぐ近くにあります。「私は『麦笛』のほうがおいしいと思うな。でもねぇ、本当におすすめなのは、野方のルカ病院の近くにある『山田屋』の食パン。これは絶対おいしいと思うよ」。そうなのか。これはカミサンに伝えておかなきゃね。
そこへ店の大将が帰ってきました。「だめだ。全然出なかったよ」。どうやら目の前のパチンコ屋さんに行っていた様子です。それにしても、ここの大将はいつも飲んだり、遊んだりしてておもしろいなぁ。近所に住んでいるHsさんは、朝の通勤時にこの店の前を通るそうなのですが、そのときに、大将がカウンターにつっぷして寝ている姿をときどき見かけるらしいのです。
ホッピーのナカ(焼酎部分のおかわり。多分300円)をください。つまみは「生ハム」(350円)を食べてみようかな。
「生ハム」は大皿料理ではなくて、注文を受けてから作るつまみのひとつです。こういうつまみも何種類かあるのです。
「はい。生ハム」と、おかみさんがお皿を手渡してくれます。お皿の上には、マヨネーズであえた野菜をくるりと巻いた生ハムが6個並んでいます。どれどれ。やぁ、たしかに生ハムですねぇ。中の野菜がないほうがおいしいかもしれないけど、それじゃボリュームが少なくなってしまうので、こうやって出してるんでしょうね。
「それじゃ、私はこれで」。お客さんたちにあいさつをして、おかみさんは店をあとにします。
私の想像する大将夫婦の1日は、こんな感じです。明け方近くまで店にいた大将が、午後にゴソゴソと起き出してきて、十数皿に及ぶ大皿料理の仕込みをはじめます。夕方の開店時刻までには仕込みも終わり、まずはおかみさんがカウンターの中に入って営業開始です。仕込みを終えた大将は、ここでひとまず一段落とばかりに、口開けの常連のお客さんたちに混ざって飲みはじめ、ときにはパチンコに行ったりしてくつろぎます。そして、夜10時過ぎになると、おかみさんと一緒にカウンターの中で再び仕事をはじめ、11時過ぎにはおかみさんが家路につく。それからあとは、大将の受け持ち時間となり、お客さんがいるままに、ときには朝方近くまで飲んだりする、といった流れなのではないでしょうか。
私自身、この先はあまり覚えていないほど、飲んで、飲んで。話して、話して。気がつくと、もう午前2時。そろそろ帰らなくちゃ。ちょっと飲むつもりが、たっぷりと飲んでしまいました。
「帰りま~す。お勘定お願いします」。「ん~。2千円」と大将。は~い。どうもごちそうさまでした。
それにしても、店内はまだまだお客さんがたくさん。明らかに、来たときよりは今のほうが多いんですよねぇ。みなさん、遅くまで飲むんですねぇ。
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東京方面での仕事のあと、高円寺です。ひさしぶりに「バクダン」にでも入ってみますか。「こんばんは」。
午後5時半の店内は、すでに常連さんたちが、そこここのテーブルに座って飲みはじめています。
この店は、入口の手前側に4人掛けのテーブル席が4つと、2人掛けのテーブル席が1つ。そして、奥に8人ぐらい座れそうな直線カウンターという造りになっていますが、常連さんたちに人気があるのは、手前のテーブル席です。
ひとり客で入ってくる常連さんが多いのですが、各テーブルに入れ込みの状態で相席するのが基本的な流れのようなのです。
私も、入口に一番近い、テレビの真下のテーブル席に腰をおろし、まずはビールを注文します。「ビールはアサヒ、サッポロ、キリンがありますが」と店のおにいさん。店はおやじさんと、このおにいさん。そして大女将らしきおばあさんの3人で切り盛りされています。「じゃ、キリンを…」。
このところ、しばらくキリンビールを飲んでいないような気がして、キリンにしてみたのでした。出てきたのはキリンラガーの大瓶。どのメーカーのものも、大瓶が480円です。
プッハァ~ッと1杯目のビールを飲み干して、牛もつ煮込み(350円)をもらいます。このもつ煮こみが、シマチョウを煮込んだもので、おいしいんですよねぇ。
燗のお酒(250円)をもらいましょうか。1合ガラス瓶入りの普通酒が、カウンター横の燗付け場で湯煎されており、注文するとすぐに出てきます。
つまみはエシャレット(300円)をもらおかな。
ヤリイカ煮付け(450円)もおいしそうなんだけど、これを食べはじめると、もっともっと飲んじゃいそうだからなぁ。実は、明日は年に何度かの土曜出勤日なので、あまり深酒するわけにはいかないのです。
店内は、近所に住んでいる高齢の方が多い。早い時間帯は、だいたいそんな感じらしいのです。昔からの常連さんが、早い時間にさっと集まって飲んでいくんでしょうね。
さてと。今日は早めに引き上げますか。お勘定をお願いします。1時間ちょっとの滞在で、今日は1,390円でした。
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「バクダン」を出て、いつもならバスかJR中央線で帰路につくのですが、今日はまだ時間も早いので、歩きますか。
「バクダン」のある「高円寺庚申通り商店街」を抜けて、早稲田通りを渡り、そのまま古い商店街に沿って北上を続けます。この商店街にも、ポツリポツリと、いかにも昔から続いているっぽい定食屋や中華料理屋、大衆酒場なんかがあるのです。妙正寺川を渡ると住宅街に入ります。川を渡ってから300mほど進むと、野方(のがた)と都立家政(とりつかせい)を結ぶ「みつわ通り」という通りに出ます。
実は、この辺に、少し前から気になっているバーがあるのです。
フォアローゼス模様の灯り看板に書かれている店名は「PURE」。店の上部には、緑色で「レストラン&バー ピュアー」と書かれた看板も出ています。なんとなく良さげな雰囲気なんだけど、どうかなぁ…。
よっこいしょと扉を開けて、店内をのぞきこみます。新しい店に入るときは、いつもこの瞬間が緊張するんですよねぇ。
「いらっしゃいませ」。先客はおらず、落ち着いた感じの店主(マスター)が、カウンターの奥のほうで迎えてくれます。
店内は直線カウンターのみ。10人座れるかどうかといった大きさです。「どこに座ればいいですか?」とたずねると、「お好きなところへどうぞ」とのこと。カウンターの手前や奥は、その場所を好む常連さんもいそうなので、ちょうど真ん中あたりに座っちゃいますか。
カウンターの中の壁一面に、ウイスキーやカクテルのもとになるスピリッツ、リキュール類がずらりと並んでいます。これは期待できそうです。
この場所に、お客さんの名前が書かれたキープボトルがずらっと並んでたりすると、入った瞬間にがっくりきたりするんですが、この店はそういうことはないようです。いや。キープボトルがずらっと並んでいても、ちゃんとしたいいお店というのもあるんですよ。「ペルル」(鷺ノ宮)や「パパ・ジョン」(野毛)、「コモ」(山手)みたいに。ただし、確率的には少ないように思います。
まずは「ジンフィーズ」(←メニューに記載されているとおりの表記。700円)をいただきましょうか。
スピリッツに砂糖と炭酸を加えるカクテルを、一般的に「フィズ」と呼ぶらしいのですが、ジンフィズは、このフィズ・スタイルのカクテルの代表選手なのです。レモンジュースも加えて、シャララララァ~とステア。「はいどうぞ」と、おしゃれなグラスで出てきました。
クゥ~ッと、まずひと飲み。うん。これはおいしいですね。
店主はいったん、カウンター奥にあるカーテンの向こうに引っ込みます。どうやらあの先に厨房があるようですね。
しばらくして、お皿を手に戻ってきました。「お通しのルッコラとクラゲのサラダです」。なんと、お通し(300円)もおしゃれですねぇ。ただ、よく若者向けの店で見かけるようなチャラチャラしたおしゃれさではなくて、「きっちり作りました」という感じのおしゃれさなのが好感がもてます。
そこへ新しいお客さんの登場です。私と同年代かもうちょっと若いぐらいの男性ひとり客。すぐにバーボン(ブラントン)のダブルをロックでもらって飲み始めます。店主とのやり取りを聞いていると、けっして馴れ合った話し方ではないものの、言葉の端々から、常連さんであることがうかがえます。
このくらいの世代の男性ひとり客、しかも、お酒が好きそうなお客さんが、常連さんとしてやってくるところから見ても、なかなかいいお店そうです。
表の看板に「レストラン&バー」とあるとおり、店内のメニューを見ても、ウイスキーやバーボン、カクテルもさることながら、料理メニューも充実しています。料理のサイズにM(ひとり用)とS(半分)があるところも、呑んべ向けでいいですねぇ。
1,000円を超えるメニューが少ないのもありがたいところ。今日のメニューの中では、ピザやパスタなどの食事系メニュー(これらは1,000~1,400円ぐらい)を除くと、「舌ビラメのムニエル」がちょうど1,000円で、あとはすべて千円未満です。
「“活”生鮮 殻付き生ガキ」は、黒板に別書きされているので、特におすすめなのかなぁ。これが1個250円となっていて、1個単位で注文できるようなのです。
となりのお客さんは、さっきからグイグイとバーボン・ロックをやっていて、すでに3杯目に入っています。そのお客さんによると、「この生ガキなんかも、こういう値段じゃ出せないようなものが出るんだよねぇ」とのこと。すべての料理がそんな感じなのだそうです。
このお客さんは沖縄出身とのこと。店主から「あなたは?」と聞かれ、「愛媛なんです」と答えると、「おや。それはうれしいですねぇ。私も松山なんです」と店主。いやぁ、なんと郷里の先輩でしたか。
となりのお客さんによると、店主は元々日本で一番古い某ホテルにいて、11年ほど前にこの店を開店したのだそうです。「この場所でのバーの営業ということで、苦労されたようですよ。今の価格設定よりも100円ぐらい上がると、もうお客が来なくなったりするんだそうです」とそのお客さん。
なるほどなぁ。ショートカクテルの標準価格が600円。ロングカクテルの標準価格が700円ですからねぇ。「日登美」(新井薬師前)よりも安い。
私もおかわりをもらおかな。ちょっと風邪気味なので、「ホット・バタード・ラム」(600円)でももらいましょうか。
ホット・バタード・ラムは、名前のとおりラムのお湯割り(?)に砂糖とバターを入れて、上にナツメグをふりかけたものです。この店のものは、ナツメグが種のまま入っているほか、バターが上に浮いていて、自分でかき混ぜて飲むのがおもしろいところですね。あぁ、あったまる。
となりのお客さんは、「最後にスパゲティをお願いしようかな。いいかなぁ」と店主に確認しています。パスタ類は手間も時間も(他のつまみ類に比べると)かかるんでしょうね、きっと。
野方界隈には、いろいろといいお店が多いらしいので、ちょっと探ってみたいですね。先日、やきとんの「秋元屋」さんが開店したことでもありますし、他にも何軒か見つけておくと、野方で途中下車しやすいですからねぇ。
となりのお客さんが、おいしそうなスパゲティを食べはじめたのを見届けてから、おもむろに腰をあげます。「どうもごちそうさまでした」。ちょっと様子見の予定が、1時間半ほどくつろいでしまいました。今日は1,680円(1,600円+税)でした。
年中無休でやってるようなので、また来てみなきゃね。
・店情報
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今日は「竹よし」の2月の夕食会です。今月のテーマは「アンコウ」。楽しみですねぇ。
夕食会は午後5時からの開始ですが、なんと今日は年に何度かの土曜出勤の日。フレックスを利用して、早めに会社をあがらせてもらったものの、自宅を経由して、店に着いたのは午後5時半でした。さすがに横浜からだと時間がかかるなぁ。
「こんばんは」と店内へ。店内はカウンターに4人、テーブルには3人ぐらいの先客がすわり、すでにアンコウを食べはじめています。カウンターは奥から順につめてる状態になっているので、私もその次の席に。ちょうどカウンターの真ん中からひとつ右にずれたあたりです。
カウンターの上の段には、アンコウの七つ道具がずらりと並んでいます。
アンコウの七つ道具というのは、えら、皮、トモ(尾ビレ、胸ビレ)、ヌノ(卵巣)、水袋(胃)、肝に柳肉(りゅうにく~三枚におろした身)です。
まず出てきたのは、アンコウの刺身。なんと刺身で食べられるんですねぇ、この魚。
店主から「今日のアンコウは、常磐産の活けじめ。おそらくアンコウの中でも最高級品じゃないかと思います」と説明が入ります。このアンコウ、目方が6.3kgあって、仕入れ価格が2万円もしたのだそうです。高級魚なんですねぇ。
刺身の食感は、極上のタラにも近い感じ。アンコウのほうが、味の透明感(すっきり感)が高いかな。
アンコウ特集ながら、カウンターの上にはブリ大根の大皿もあります。「ブリも2月までがおいしいですからね」と店主。どれどれ。さっそく小鉢にとって、これもいただきます。なんと! 大根によく味が染み込んでいて、実にうまいですねぇ。
最初の生ビールを飲み終えて、今日は高知の「酔鯨(すいげい)」を飲んでみましょうか。
カウンター内の厨房では、おかみさんが「あんこう鍋」の準備を着々と進めています。アンキモがたっぷりと入れられて、コクがありそうですね、この鍋は。
カウンター上には、にぎり寿司が出ます。アンコウのにぎりが2貫に、トロが1貫。
このトロがまた、きれいですねぇ!
店を開店した直後(平成5年3月)に、あるお客さんから「魚料理を看板にするからには、マグロが大事。マグロだけは赤字にしてでもいい品をそろえたほうがいい」という助言を受けて、マグロには力を入れているそうなのです。
だから、いつきても常にマグロの刺身はメニューにのっているし、いい品物が出てくるのです。今日のトロのにぎりもおいしいや。
と、ここで、出席していたTkさんから、店主をはじめ、常連のみなさんに重大な報告があるとのこと。「なに、なに?」とTkさんを注目する参加者一同。「実は、私たち、婚約しました」。えぇ~~っ! おめでとう! 店内には、祝福の拍手が響き渡ります。
なんとねぇ。同じ女性(Kwさん)といっしょに出席されることが多いので、「仲がいいんだなぁ」とは思っていたのですが、そうですか。ご結婚ですか。
さっそく常連さんのひとりが取りしきって、共同記者会見(!?)です。「どこでプロポーズしましたか」「そのときの状況は」と、次々に質問が飛びます。照れながら答えるTkさんもKwさんも、本当にうれしそう。Kwさんの指に輝く婚約指輪は、なんと、今日手渡したものなのだそうです。これはめでたい場になりましたねぇ。
そこへ出てきたのがあんこう鍋。カウンター上、そしてテーブル上には卓上の固形燃料式コンロが用意されます。
「はい。それじゃ、おふたり初の共同作業ですよ」なんて言いながら、チャッカマン(コンロなどに着火するための、先の長いライター)がふたりにわたされます。ふたりで、手に手をとって、固形燃料に着火! 店内はまたまた祝福の拍手です。
あんこう鍋をつっつきながら、参加各人が、それぞれ自分の婚約のときの様子や、婚約の言葉などを報告します。もう、けっこう酔っているので、みんなの話は大いに脱線しつつ、とてもおもしろおかしく進行します。
カウンター上には、よ~く開いた蕗の薹(ふきのとう)の天ぷらや、常連のMyさん手製のゴマ豆腐が登場です。
最後は、店主もカウンター側で、みんなと一緒に祝福の輪に加わります。
いやいや。アンコウもおいしかったですが、TkさんとKwさんとの婚約話で、とっても盛り上がった夕食会でした。結局、10時前まで、5時間近くも楽しんでしまったのでした。
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「竹よし」での夕食会が終わり、同じ方向に帰るHsさんといっしょに店を出ます。「もう1軒、寄って帰りましょうか」という話になり向かったのが、昨夜行ってみたばかりのバー「ピュアー」です。「竹よし」から「ピュアー」までは、歩いて10分かかるかどうかという距離です。
さぁ。土曜日の今日はどうかな。「こんばんは」と扉を開けたのはちょうど午後10時。「いらっしゃいませ」とマスターのやわらかな笑顔です。
直線カウンター1本だけの店内では、中央やや手前に若い男女3人組が座ってカクテルを楽しんでいます。われわれ2人は、カウンターの一番奥側に陣取ります。
さ~て。なにを飲もうかな。Hsさんは、まずはジン・リッキー(ロングカクテルは基本的に700円)から入ります。私は…と。お、珍しげなカクテルがある。これにしてみましょう。「フォークショット(←メニュー記載どおり。600円)をお願いします」。
フォークショットか、ホークショットか、正しい名前がよくわかりませんが、これは先日、バー「ハイランダー」で飲んだブルショットを温かくしたカクテルのようです。というか、温かいままのコンソメとウォッカで作るとホークショット(鷹の一撃)、冷やしたコンソメとウォッカで作るとブルショット(牡牛の一撃)ということのようなのです。
やぁ、これはあったまるし、胡椒のピリッとした刺激がまたいいですねぇ。
今日のお通し(300円)は、カニみそバターとサラミの盛り合わせです。カニみそバターが、風味豊かなこと!
Hsさんは、この界隈に長く住まれていて、アスクユー・レストランガイドにも投稿されているので、界隈の居酒屋情報などについても詳しいのです。「あそこの店はねぇ、…」と、教えていただくことばかり。年齢も近いので、おおいに盛り上がります。
2杯目はなんにしましょ。Hsさんはスクリュー・ドライバー(700円)、私はドライ・キャット(700円)をお願いしました。
スクリュー・ドライバーはウォッカ+オレンジ・ジュース、ドライ・キャットはジン+グレープフルーツ・ジュースと、どちらも女性も好みそうなカクテルで、グラスなんかも、とってもおしゃれっぽい。
しかし、今日は日本酒をたっぷりといただいたあとなので、スピリッツ+ジュースのさっぱりとした喉越しと酸味が心地よいですね。
向こうの3人組は、カクテルのほか、料理も次々に注文しています。なにしろ、「レストラン&バー」という肩書きですからね、ここは。
店内には「2月のおすすめカクテル」というメニューが出ています。スノーカントリー、細雪(ささめゆき)、ドライキャット、アメリカンビューティ、ブルーレディ、ゴールデン・ドリームなどに加えて、この時期ならではの温かいカクテルとしてバタードラム、カーボーイ、フォークショット、ホット・ブランデーなど、全部で12品が、今月のおすすめカクテルです。
Hsさんが、そのおすすめの一番頭に書かれているスノーカントリー(600円)を注文。私も同じものをもらうことにしました。
このカクテルは、昭和33(1958)年のサントリーカクテルコンクールで第1位となった、日本人の創ったカクテルだそうで、日本では「雪国」、海外で「スノーカントリー」と呼ばれているのだそうです。
カクテルグラスの縁には、砂糖をつけられます。これをスノースタイルというのだそうです。そして、緑色のミントチェリーがグラスの中に入れられ、コアントロー+ベルモット+ライムジュースをシェイクしたカクテル本体部分が注がれて完成です。
このミントチェリーの緑色が、グラスの中でほんのりと冬の終わりを感じさせます。見た目にも美しいカクテルですねぇ。
明日が休み(日曜日)という気楽さもあって、結局、午前0時半近くまで、2時間以上も楽しんでしまったのでした。実に居心地のいいお店です。お勘定は、2人で4,720円(4,500円+税)でした。
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平成13(2001)年10月に、工場全体が東京から横浜に移って、はや2年半。そろそろ、横浜方面のお店にも、いろいろと出かけてみたいですね。
今日は、横浜での仕事を終えて、会社の最寄り駅であるJR根岸線・新杉田駅近くで飲むことにしました。でかけたのは、駅近くにずらりと並んだ居酒屋の1軒、ろばた割烹「濱大郎」です。
店に入ったのは、午後7時前。店内は、左手に炉を囲んだコの字型のカウンターがあり、ここに10数名座れます。コの字の下側が、入口側です。右手には小上がりがあって、4人掛けの座卓が並んでいます。
先客は、カウンターに5~6名、小上がりに4人組ひと組の、合わせて10人ぐらい。ひとり客は2人ぐらいで、あとはグループ客です。かくいう我々も、同じ会社の仲間3人連れ。カウンターの一番奥側に陣取ります。
まずは、生ビールをもらいます。お通しは切干大根。
カウンターの中の炉では、先客たちの魚や貝が焼かれていて、おいしそう。さっそく、みんなで魚介を注文します。私はニシン(600円)を焼いてもらおかな。
以前、「川名」(阿佐ヶ谷)で、ニシンの炭火焼を食べて、「そうだ。ニシンには数の子が入ってるんだ」という、考えてみれば当たり前のようなことに気づいてから、ニシンの焼き魚は大好きなのです。
同行者たちは、サバ(500円)やサンマ(400円)を焼いてもらっています。それぞれ1尾が400~600円ぐらい。人気のホタテ(600円)など、貝類も同じぐらいの価格帯です。
このお店、ここに書いたのははじめてですが、実は、今までに2回ほど出かけたことがあるのです。この界隈で炉端焼(ろばたやき)はここしかないので、いつもにぎわっています。
サンマは注文が多いのか、4尾並べて串を打ち、まとめて焼いています。ときどき、サンマから落ちる脂でボッと炎が立ちのぼります。カウンター内で焼きを担当している、若き店主は、少しもあわてずちょいと魚をずらしたり、それでもダメなときには、上からボールに入った水をサッとかけ回したりして、魚に直接炎が当たるのを防いでいます。水をかけても、しばらくすると炎が立ちのぼったりするところに、炭火の強力さを感じます。
さぁ、できてきました。これは身の厚いニシンですねぇ。炉端のいいところは、焼きたての熱々が、すぐに目の前に出てくるところ。ハフハフしながら、おなかのあたりの身をいただきます。すると中には…。あった、あった。たっぷりの数の子です。ん~。いい歯応え。うれしいなぁ、これは。
飲みもの、なんにしましょうか。今日のサービス品はなにかな。この店は、曜日ごとにサービス品が決まっていて、月曜日の今日は、焼酎のボトルが、ふだんは1,900円のところが、1,000円でキープできるのです。ただし、金曜日などの、ほっといてもお客さんが多い曜日は、サービス品の設定はありません。
焼酎は、何種類かの銘柄が選べるようです。今日は、芋焼酎の「白波(しらなみ)」にしましょうか。学生時代(今から20年ほど前)には、焼酎といえば「白波」しかないような感じだったのに、今じゃ、いろんな焼酎が飲めるようになりましたよね。ん? 飲み方? 私はお湯割りでもらおかな。当時は、ロックとか水割りなんて飲み方はしていなかったこともあって、個人的に「白波」といえば「お湯割り」というイメージが強いのです。
ッカァ~ッ。こりゃたしかに「白波」だ。でも、昔にくらべると、なんだかこじゃれた味わいになったような気がするなぁ。昔のほうがもっとクセがあったような…。
え? ボトルに番号書いとくの? ふ~ん。10本飲むごとに1本サービスなんですか。じゃ、「1」と。向こうのボトルなんて、60近くまでいってますねぇ。みんな、そんなに飲んでるんだ。
魚も食べ終わったところで、普通のつまみもいっときましょうか。私は「鳥皮ポン酢」(350円)をもらおかな。同行のメンバーも、串カツやお新香などを次々に注文します。こういう小鉢系のつまみは、店の奥にある厨房で用意されて出てきます。
ボトルなくなったので、「白波」もう1本ね。それじゃ、今度は「2」と。すごいね。1日で、「2」まで、自己申告制のボトル・カウンターがあがっちゃったね。
9時半までたっぷりと飲んで、食べて、今日は3人で12,000円弱(ひとりあたり4,000円弱)でした。炉端もいいもんですねぇ。
・店情報
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炉端焼の「濱大郎」を出て、ちょっと自宅の遠いひとりを新杉田駅で見送ったあと、近くに住むふたりで、界隈のバーに向かいます。
「X Ray」というこのバーは、2002年の3月にオープンして、そろそろ2周年になろうかどうかという新しさ。しかしながら、店内の雰囲気も、お酒の品ぞろえも、きっちりと本格的なバーなのです。
表通りに面した窓から、店内の様子がうかがえます。カウンターには、まだ空きがあるようですね。
店に入ったのは、午後10時前。店内は、多くの若者でにぎわっており、われわれ2人がもっとも年配かな。
この店も、ここに書くのははじめてですが、今までに何度か行ったことのあるお店です。同じ職場には、キープボトルを入れている人もいるぐらい。とはいえ、見た目にもかなり本格的なバーなので、キープしたボトルも棚には並んでおらず、言えば奥から出してくれるのです。
さ~て。なにを飲もうかな。私はジン・リッキー(850円)をいただきましょうか。同行者は、モスコミュールを注文しています。
リッキー(Rickey)というのは、ベースとなるお酒に生ライム(あるいは生レモン)を絞って入れ、ソーダ水で満たしたミックス・ドリンクのことだそうです。フィズのように砂糖も入らず、トニックのようにトニック・ウォーターの甘みもないため、さっぱりとした飲み心地になります。
ず~っと焼酎のお湯割りを飲んでいたので、ピシッと冷えたジン・リッキーの喉越しが気持ちいい。
続いては、同じジン系のカクテルで、マティーニ(800円)をいただきましょうか。同行者もショートカクテルを選んでいるようです。
カクテルを作ってくれているのは、この店の若い女性バーテンダー。基本的に、スタッフも、みなさん若いのです。
店内は、このL字型のカウンターのほか、入口左手にはボックス席もあって、そっちにも10人以上座れるのです。会社の二次会、三次会で流れてくるときは、そのボックス席を大きく占領して座ることが多い。そんなときには、店の雰囲気にそぐわないほど、うるさくなってしまうのでした。反省しなきゃね。
最後は、これまた同じジン系のカクテル、ヨコハマ(800円)をお願いします。
ヨコハマはジン、ウォッカ、グレナデン(ざくろ)シロップ、オレンジジュースを同量ずつ混ぜ合わせてシェイクしたショートカクテルです。意外なことですが、カクテルブック等を見ても、日本の地名がついているカクテルは、このヨコハマぐらいなのです。真っ赤な色合いも鮮やかですね。
12時前まで、3杯ずつのカクテルで楽しんで、ふたりで4,980円(4,750円+税)でした。
・店情報
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仕事のあと、同僚たちと5人で飲みに出かけます。向かったのは、京急・屏風ヶ浦(びょうぶがうら)駅の近くにある居酒屋「夕凪(ゆうなぎ)」です。
実は、先月末(1/30)にも、ここ「夕凪」で職場の宴会を開いたばかりで、「また行ってみよう」ということで、有志5人で出かけたのでした。
店内は、入ると正面が直線のカウンター席になっていて、入口の左右、カウンター席の後ろ側に4人掛けのテーブル席が何卓か並んでいます。そして、右手奥には、座敷があって、宴会などはここでできるのです。
今日は5人なので、入口左側のテーブル席に、1個椅子を追加してもらって座ります。午後6時半の店内には、先客はおらず、われわれ5人のみ。
さっそく生ビールをもらい、まずはモツ煮豆腐(580円)やドンコ煮付(480円)、京揚げと水菜のサラダ(680円)などを注文して、飲み始めます。
この店は、素材のよさが売りで、店主は毎朝、佐島漁港まで魚介類の仕入れに行くほか、野菜や調味料なども厳選しているのだそうです。
メニューの中に『当店自慢のミネラルウォーター「寿鶴(じゅかく)」で仕込んだ芋焼酎「海(うみ)」』というのがあるので、これをもらってみましょうか。「海」は、720mlボトルが2,980円です。
飲んでいると、若い3人組が入ってきて、入口右手のテーブル席へ。刺身などを注文して飲みはじめています。さらには、女性のひとり客も入ってきて、カウンター席へ。
店は店主とそのおかあさん、そして手伝いの女性という3人で切り盛りしています。店主が調理を担当し、残りの女性二人が注文とりと、飲みものや料理のお運びを担当しているようです。
さぁ。つまみはスルメイカ沖漬け(480円)や真サバ竜田揚げ(580円)などを追加し、焼酎も空いたので、今度は大麦焼酎の「中々(なかなか)」(2,800円)をもらいましょうか。
「中々」は、今や幻の焼酎となってしまった「百年の孤独」と同じ、宮崎の黒木本店で造られた焼酎です。ま、原酒としては同じ系統といえるでしょうか。「百年の孤独」は、この原酒を長期熟成させたもので、度数も40度。720mlのボトルが1万円強するらしいのです。(注:この価格はインターネット等で出ている価格です。「夕凪」での「百年の孤独」のボトルは5,800円だそうです。)
「百年の孤独」は、以前、こんなに有名になる前に1~2回飲んだことがあるのですが、味はあまり覚えていません。「中々」も、その名のとおり中々おいしい焼酎です。きっと、この延長線上の味だったんだろうなぁ。
つり好きのメンバーから、「メニューの中に鮭児(けいじ)がありますよ!」という驚きの声があがります。
鮭児は、「幻の鮭」といわれている鮭で、1万本に1~2匹の割合しか獲れず、全身がトロといわれるほど脂がのっているらしいのです。
専門家の分析によると、この鮭児は、どうやらアムール川系の鮭らしく、日本近海やカムチャツカ半島を回遊しているうちに、冬場にときどき主に知床から網走付近でとれるらしいのです。ちなみに、日本の鮭は遠くベーリング海を回遊するのだそうです。
う~む。1人前が1,980円かぁ。店主に「1人前でみんな食べられますか」と確認したところ、「1切れずつぐらいはあたるでしょう」ということだったので、1人前だけもらうことにしました。この値段で、原価販売なのだそうです。
出てきたのは、きれいなルイベ。鮭児といえども、天然の鮭であることには変わりはない。養殖でない魚には寄生虫がゼッタイいないとは断言できないらしいのです。そこで、鮭児も、獲れるとすぐに急速冷凍されて運ばれるそうなのです。
最初はまずルイベの状態で、そして、しばらく置いて解凍した状態でいただきました。ルイベだと、鮭児らしい脂ののりはあまり感じませんが、それでも口の中で溶けていく感覚はいいですね。解凍後のものは、まさにとろけるトロです。
このお店で残念なのは、厨房がカウンターの壁の向こうにあるところ。せっかくいい素材がそろっているので、それを調理するところも見ることができるといいかもしれません。また、店主がお客さんとのおしゃべりなどの接客も担当されているようなので、その意味でも、厨房までがオープンスペースになっていると、ひとり客、ふたり客などのカウンター目当て(店主とのおしゃべりが目当て)のお客さんももっと増えてくるかもしれませんね。
しかしながら、たとえば「竹よし」の店主からも、「料理をしているときは、そうとう集中しないといけないので、とてもおしゃべりどころじゃない」というようなことをうかがったりするので、オープンキッチンにすると、料理に集中できなくなったりするかもしれませんが…。
午後10時すぎまで、おいしい料理やお酒をたっぷりと堪能し、お勘定はひとり5千円ずつでした。
参考用に、注文はしていないものの、心ひかれた品々をリストアップしておきますね。活〆・城下カレイ(1,280円)、佐島産・本カワハギ(1,280円)、佐島産・子持ちヤリイカ(1尾480円)、大船渡産・カキ(赤崎冬香、2個850円)などかな。
あ。そうそう。うちの職場で、この店の名前を「ゆうだこ」と読んだ人がいましたが、店の名前は「ゆうなぎ」ですからね。『凪』これが「なぎ」で、『凧』これが「たこ」です。ご参考までに。
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金曜日。横浜での仕事を終えて、自宅に向かいます。久しぶりに横浜駅で途中下車してみようかな。
これまでは、東急東横線の始発駅である桜木町(野毛への入口駅!)で途中下車することが多かったのですが、今月から、地下鉄みなとみらい線への乗り入れにより、東横線の桜木町駅はなくなっちゃったのです。呑んべの好みは野毛(のげ)なんだけど、世間の人たちには中華街(みなとみらい線の終点)のほうが人気があったようですね。
そんなわけで横浜で下車し、向かう先は狸小路(たぬきこうじ)。ここが横浜駅のションベン横丁なのです。
そして、行き先は「味珍(まいちん)」。この店は、店の看板やのれんにも「豚の味珍」(ぶたのまいちん)と大々的に出しているとおり、醤油ベースのタレ煮込んだ豚の珍味(ちんみ)をいただくことができる店なのです。
店は狸小路をはさんで両側にあります。横浜駅から遠い側が本店。近い側が支店です。遠い、近いといっても、狸小路の幅分(1mぐらい?)の違いでしかありませんが…。
前回は、通りの横浜駅より店(支店)に行ったので、今回は本店のほうに行ってみましょうね。
「よいしょ」っと扉を押しながら、その扉に書かれた注意書きに目が行きます。「引いてください」。そうか。この扉は、引かなきゃダメなんだ。改めて、扉をこっちに引き直して、店内に入ります。
店を入ると正面には、“Γ”型の十数人入れそうなカウンターがあり、入口右側には2階に続く急な階段が見えます。
午後8時過ぎの今、カウンターはほぼ満席状態。かろうじて、一番手前の1席が空いているので、そこに腰をおろします。この席は、階段のすぐ下だし、さっき私自身が間違ったように、入口の扉を押してしまうと当たりそうな席なので人気がないんでしょうね、きっと。
カウンターの中には、奥側にこの店の店主っぽい男性(以下、“店主”と書きます)、そして手前には若い男性店員さん(同じく、以下、“おにいさん”)の2名。この2人で店を切り盛りしているようです。
「いらっしゃいませ。よろしければ、お荷物はこちらに置いてください」と、おにいさんが階段下のスペースを教えてくれます。なるほど。こんなところに荷物が置けるんですね。
さてと。まずは焼酎(350円)をもらって。尻尾(700円)はありますか? あ、そう。売り切れですか。じゃ、胃(700円)は? そう。胃はありますか。じゃ、それを1人前お願いします。
残念ですねぇ。「至高のはらわた」というホームページにある「味珍」の記事を読んで、今度はぜひ尻尾を食べてみなければと、虎視眈々とねらっていたのになぁ。
目の前に受け皿付きのコップが用意され、常連さんたちからはヤカンと呼ばれる、銀色のツボっぽい器から焼酎がなみなみと注(つ)がれます。
え~と。梅シロップはどれかな。これ? 2段になったカウンターの、上の段に置かれた、長い口金がついた瓶を指差して確認します。「はい。それが梅シロップです」とおにいさん。
ほぉ。これはおもしろいですねぇ。細長い口金の先に、小さい弁のようなものが付いている。これを開いて注(そそ)ぐのかな、とその弁をつっついていると、おにいさんが「あ。そのままついでいただければ、自動的に開きますから…」。あ。そうだったのですか。これは失礼。ツツツッと梅シロップを注ぎます。
クッとひと口飲んでから、おもむろに目の前の小皿の準備を始めます。この小皿は、入店して、席につくと同時に「いらっしゃいませ」と出されるものなのです。前回(このときが初回)来たときに、「この小皿にカラシを入れて、お酢で溶くんですよ」と教えてもらったことを思い出しながらの準備です。
グリグリグリっと、小皿のカラシ酢を混ぜ合わせたタイミングで、「胃袋お待たせしましたぁ」と、細長くスライスされた豚の胃袋が出てきます。醤油っぽい、コクのある色合いです。どれどれ。まずはひと切れ。
ほぉ。これはガツにしては柔らかいですねぇ。非常によく煮込まれているように思います。
この店の豚料理は、いわゆる「冷製(れいせい)」の肉。中華料理の前菜のような感じなのです。
「辣白菜(白菜の漬物)」(300円)というメニューがあるので、これももらってみましょうか。「すみません。白菜の漬物ください」。それにしても、メニューの上のほうに書いている「辣白菜」って、なんて読むんだろうなぁ。
「はい。白菜の漬物です」と、小鉢に入った漬物が出てきました。やぁ。これはけっこうボリュームたっぷりですねぇ。甘酸っぱくて、ピリッと辛くて。こりゃ焼酎にあいますねぇ。
「焼酎(350円)のおかわりをお願いします」と、2杯目の焼酎をもらったところで、となりにいた2人連れのサラリーマンらしきおじさんたちが席を立ちます。そのうちのおひとりは、もうフラフラの状態。よく飲まれたんですねぇ! 2人で5千円ほどの支払を済ませて、店を出て行きます。
それと入れかわるように入ってきたのが、とっても落ち着いた感じの年配のサラリーマン。私のすぐ横に座るなり「ヤカンと○※△ね」と、なにやらわからない名称のつまみを注文しました。すぐに出てきたのは、私のと同じ白菜の漬物です!
「すみません。この漬物。なんて読むんですか」と店のおにいさんに確認したところ、「いや。白菜の漬物でけっこうですよ。ラーパーサイと読むそうですが…」とていねいに教えてくれます。へぇ。これはおいしいもんですねぇ。
胃袋も食べ終わったので、もうちょっとなんかもらうかな。とはいえ、肉物(頭、耳、舌、胃、足、尾の六種(各700円))だと多すぎるので、皮蛋(ピータン、300円)をもらいましょうか。
ピータンは、アヒルの卵を泥に漬けたもので、卵白が泥の作用で発酵して、黒いゼラチン状になっているのが特徴です。いかにも玉子を濃縮したっぽい味と香りが特徴ですね。
それにしても、この2階に続く階段は急ですねぇ。さっきから、続々と2階へもお客さんが上がっていきますが、「行きはよいよい…」ではないけれど、これだけ急だと、酔っ払って下りてくるのは大変なんじゃないかなぁ。階段を転げ落ちる人がいたりして…。
なぁ~んて思っているところへ、お店の人の先導で、いかにも酔っ払った風のおとうさんが、階段を下りてきました。なるほどぉ。危ないときは、こうやって店の人が先導してくれるんですね。
聞けば、2階にも、1階と同じようにカウンターがあって、2階は2階で、まるで1軒の支店のように運営されているんだそうです。
さあて。今日は、これくらいで自宅に向かいますか。ちょうど1時間楽しんで、お勘定は2,000円ジャストでした。どうもごちそうさま。
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