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気分直しの居酒屋浴 … 居酒屋「ふくろ」(池袋)

今日は仕事の関係で15人ほどで宴席。会場は都内のチェーン居酒屋“T”でした。それぞれのグループが、個別に仕切られた空間に案内されるのは今風でいいのですが、いかんせん、その空間が狭い! 地方から出席されている人たちからは、「東京の居酒屋は、見た目はしゃれてるけど狭いねぇ」という声もあがります。

テーブル上には1卓(4人掛け)にひとつずつコンロがセットされ、豚の朴葉(ほおば)焼き風の器がセットされているほか、各自に平皿、小皿、小鉢の3つの取り皿とお通しの器が並び、すでに他のものを置く余地はほとんどない状態。そんな状態なのに、料理は4人用の大皿に一緒盛りで出てくるのです!

「こんな大きな皿、どこに置くんだろう」と思いながら見ていると、店のおにいさんやおねえさんは、けっして自分ではそれらの皿をテーブルの上に置かない。「○○になりまぁす」と料理の名前を言いながら、座っている客のひとりに直接手渡すのです。後は客のほうで勝手にやってくれ、というスタンスなんですね。

渡された客のほうも困ってしまいます。なにしろテーブル上にはスペースはない。しかたなく、「ひとりずつ取って回してねぇ」なんてことで、空中を手渡しの大皿が行き交う状況になってしまうのでした。

しかも、けっこう汁っけのある料理が多いにもかかわらず、宴会を間中、最初にセットされていた3皿以外の取り皿は出てこない。最後のほうは、いろんな料理の味が混ざって、なにがなんだか…、といった状態だったのでした。

さらにさらに。飲み物は飲み放題だったのですが、店員さんがほとんど来ない(客の数に対して、店員数が非常に少ない)ため、ほとんどおかわりの注文はできないのです。「料理を持ってきてくれたついでに…」と思っていても、その料理が、上に書いたように近くの客にパッと手渡したら、店の人はいなくなっちゃうような出てきかたなので、注文の機会がない。飲み放題なのに、テーブル上には飲み干された空のグラスがずらりとならんでるという、なんとも不思議な光景なのでした。

しかしながら、お店自体はかなり繁盛しているようで、お客さんがひっきりなしに入ってくる。人気店であることは間違いないようです。もしかすると、少人数でやってきて、普通に一品ずつたのむようなやり方だと、個室風でくつろげるのかもしれませんね。飲み放題付きの宴会コースがぱっとしないだけなのかも…。

今日のメンバーが、30代半ばから50代ぐらいの年齢層だったということもあるのかもしれませんね。若い人たちのように、お店の人が近くにいようがいまいが、大きな声で「す・み・ま・せぇ~~んっ!」と呼びつけて、「お酒おかわり!」とか、「お皿取り換えて!」とやれるのであれば、お店に対する印象も違ったものになるかもしれません。

そんなこんなで、個人的にはかなり不満を感じた宴席を終えて、自宅に向かうため山手線に乗り込みます。ん!? この方向の山手線だと、途中、田端、大塚や池袋を通るぞ。まだ時間も早いし、ちょっと途中下車して、気分を変えてから帰宅しますか。

どこにしようかなぁと迷いながら、結局降りたのは池袋。久しぶりですねぇ、池袋も。「いいお店がありますよ」というご紹介のメールをたくさんいただいている場所でもありますが、今日は1軒目の口直しなので、勝手を知った店にしときましょうか。

向かったのは西口のすぐそばにある大衆酒場「ふくろ」です。今までは沖縄料理の「おもろ」がある側の入口から入っていたのですが、今日は気分を変えて、反対側から入ってみましょうね。この店は、2本の平行する路地の間に建っていて、両方の路地に面してそれぞれ入口があるのです。

店内は、両方の路地を結ぶように細長い長方形になっていて、その内部をグルッと取り囲むようにカウンター席が設置されているのです。ただし、渋谷の「富士屋本店」のような、全周を取り囲むカウンターではなくて、長辺の一方向が、厨房等のスペースによって一部切りかかれています。

しかし、軽く見積もっても40人ほどは座れようかというカウンターが、なんと満席なのです。しかたない、2階にあがるか。なにしろ、この「ふくろ」という酒場はビルの中にあって、1階から3階までのフロアがすべて居酒屋空間になっているらしいのです。

私自身、1階以外で飲むのはこれがはじめて。いったいどんな造りになってるんでしょうねぇ、2階は。期待に胸をふくらませながら、ちょっと急な階段をのぼります。そして、目の前に広がった光景は! ……。1階とまったく同じでした。3階も同じなのかなぁ、もしかすると。

その2階には、一部ではありますが空席もあり、私もそのひとつに腰を落ち着けます。

「いらっしゃいませ」と、そのカウンターを担当するおねえさんがお通し(200円)を持ってきてくれるのも1階と同じです。カウンターは、向こう半分と、こっち半分をそれぞれひとりずつ。フロア全体でふたりのおねえさんが担当しているのです。客の数あたりの店員数でいえば、この店もけっして多くないのですが、なにしろカウンターがそのおねえさんを取り囲むようにできているので、目はよく行き届くのです。

「焼酎と炭酸をお願いします」。まずは飲み物から注文します。この店は、焼酎は焼酎だけとしてガラス製の1合ビン(徳利型のもの)で出てくるのです。これが190円。それに自分の好みに合わせてビン入りの炭酸(130円)や、ウーロン茶、サワー(の素)、ホッピーなどを注文するのです。それとは別に、氷をたっぷりと入れたサワーグラスが渡され、自分で好きに調整します。カウンター上には、マドラー付きの氷入れもどんと置かれ、準備完了です。

さて。つまみですね。さっきの店で、空中を行き交う大皿料理(苦笑)を何品かいただいたので、つまみつまみした肴(量は多くなくて、酒がすすむ品)にしましょうか。ほんじゃ、煮こごり(400円)をお願いします。

すぐに出てきた煮こごりは、平皿上に8切れ。4切れずつ2列にきれいに並び、横には練りガラシが添えられています。煮こごりは、見た目もきれいなんですよねぇ。

この店は、なにしろ中高年男性のひとり客が多くて、みなさん比較的もの静かに飲まれています。だいたい1~2品を目の前において、ちびりちびりと焼酎や日本酒をやっているようです。いわゆる「ベテラン呑んべ」が多いお店なんですね。

つまみも、焼き物、煮物、天ぷら、刺身、酢の物と、呑んべ好みのする品々が、400~600円ぐらいの価格帯を中心として並んでいるのです。たとえば、刺身はマグロ刺しが500円、ハマチ刺しが550円、盛り合せなら1,000円など。天ぷらはメゴチ天、キス天がそれぞれ400円、盛り合せなら600円などなど。

さて。焼酎をおかわりするか。というか、さっきたのんだ焼酎1本と炭酸1本で、ちょうど2杯分の酎ハイが作れるので、「おかわりする」といっても、残っている半分ずつをグラスに注ぐだけですけどね。目の前の氷入れから、氷も追加します。

つまみは、「くるみ」(300円)をもらってみるかな。

つまみを選ぶときに、メニューを見て「これは」と思うことと、まわりの人たちが食べてみるのを見て「おいしそうだなぁ」と注文することの2つの場合が多いのですが、さっきたのんだ「くるみ」は前者です。「くるみ」なんてメニュー、ほかの居酒屋でもあまり見たことがないので、どんなものが出てくるか楽しみでもあります。

「くるみです。お待たせしました」。大ぶりの小鉢に、ペーパーが敷かれ、その上に軽く塩がまぶされたクルミの実がたっぷり。なるほど、乾き物風のクルミなんですね。

このクルミをポリポリとかじりながら、いただく酎ハイのうまいこと。量が多すぎるかと思っていたのに、けっきょくきっちりと食べてしまいました。

「どうもごちそうさま」。おねえさんが、目の前でレシートを集計して、「1,220円です」とお勘定をすませます。まさに、どっぷりと居酒屋浴ができるお店ですよねぇ、この店も。1軒目でガクンと落ち込んだ気分を、すっかり盛り返して帰宅したのでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年3月18日(木)の記録》

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コメント

チェーン系居酒屋のサービスはほんとに悪いですよね。
人件費と材料費を削りに削ったという感じで、いくら安くても、少しも楽しくありません。
行くたびに腹が立つことがでてくるので、最近では全く行ってませんが、大勢で予約無しにどこかで呑もうとすると、結局、W民やT狗しか空いてなく、いやな思いをするはめになってしまいます(T_T)

投稿: はくめい | 2004.03.30 15:23

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受信: 2007.01.04 15:38

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