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まるごとたっぷり石ガレイ … 居酒屋「夕凪(ゆうなぎ)」(横浜・屏風ケ浦)

金曜日です。午後7時が近くなると、「だれか、今日飲みに行かないかなぁ」という風情の男がひとり、ふたり現れはじめます。「おっ。行く?」なんて、すぐに笑顔で同調するヤツ。「オレはダメ。今週は三連荘だもん」というヤツ。「給料日前だから許してくれぇ!」というヤツ。すでに別件が決まっているヤツ。職場の中がモゾモゾと動き始めます。

7時半も近くなったころ、そのうちのひとりが「よしっ! 行こうっ!」と踏ん切ります。「よぉ~し」と後に続く私と、もうひとり。さらにロッカールームでもうひとり仲間が増えて都合4人。いそいそと向かう先は、会社の近くにある居酒屋「夕凪(ゆうなぎ)」です。

「夕凪」は、地元・佐島漁港の魚介類、葉山の野菜類を中心に、全国各地の特選素材が自慢の店で、地酒や焼酎の種類も多い居酒屋なのです。

「こんばんはぁ」「いらっしゃいませ」と店主に迎えられながら、入り口左側のテーブル席に陣取ります。店内は、正面から右手にかけてカウンターが横に伸びており、入り口の右手側と左手側の手前にテーブル席があるのです。

「いらっしゃいませ」とおしぼりを持ってきてくれた、アルバイトのおねえさんに、まずは生ビールを4杯注文し、「お疲れぇ~っ!」と乾杯です。

今日のお通しはホタルイカ、ヒジキ、キヌカツギの3種盛り。

さて、つまみのほうは何にしましょうか。なにしろ、この店のメニューはびっしりと数ページにおよんでますからねぇ。表紙のところにあるのが野菜などの特選素材。たとえばフルーツトマトやフルーツ人参(各380円より)や葉山産の夏みかん(1個500円)なんかが出ています。夏みかんのほうは、絞って、炭酸とともに焼酎を割るんですね。

表紙をめくるとその裏が、「活・活じめ」のページ。主として佐島(三浦半島西岸の漁港町)で仕入れてきた魚介類が並んでいます。その次のページから、普通(?)の魚介類や定番のメニューが数ページ続き、地酒のページが1ページ。焼酎のページが1ページ。各ページは、けっこう小さい字でびっしりと書かれているので、なかなか全部は読みきれないぐらいです。

みんなで、「う~ん」とうなりながらメニューを検討し、「オレは天然赤ホヤ姿造り(580円)と牛スジ煮込み」「じゃ、スミイカ(980円)もらおかな」と各自注文をはじめます。ちょっと待った! せっかく4人で来たんだから、大勢じゃないと食べられないものもいってみようよ。『石ガレイ1尾(刺身、カルパッチョ、粗煮)3,850円』ってのがあるから、これにしてみない? 「いいねぇ」というみんなの同意も得て、その石ガレイも注文します。

この店は、店主とそのおかあさん、そして先ほどのアルバイトのおねえさんの3人で切り盛りしていて、調理は店主が行います。その店主が、カウンター横の水槽に活魚をとりにやってきました。「スミイカとホヤは残念ながら死んじゃったんですよ。どうしましょう。なにか他のものにされますか」「う~ん。どうしよう。なににする」「この箱フグなんかもおいしいですよ」「じゃ、それにしてみます」。なるほどなぁ。メニューに「活」と書いている魚は、本当に生きてないと出されないんですねぇ。

水槽のところでは、店主が箱フグを網ですくおうとしています。しかし、水槽の水面付近にゴンズイがたくさんいて大変そう。ゴンズイは海産魚だけどナマズの仲間。ヒレに棘(トゲ)があって、刺されると人によっては医師の治療が必要なほどなのだそうです。

なんとか、箱フグと石ガレイを引き上げることができ、調理に入ります。

ちなみに『活 箱フグ ネギ味噌焼き』は大きさによって値段が違っていて、特大の2,800円からはじまって、中1,400円、小980円と続きます。われわれは4人なので特大にしてもらいました。

箱フグ歓談しながら待つことしばし。まずその箱フグが出てきました。箱フグは、その名のとおり、身体全体が硬い甲羅のような皮膚でおおわれていて、まさに箱のような形状なのです。そのお腹の部分を楕円形にくりぬいて、味噌を入れてオーブンでまるごとの甲羅焼きしているのがこの一品。「かき混ぜて食べてくださいね」という言葉にしたがって、味噌をかき回すと、脂たっぷりのキモが味噌と混ざり合います。

ほぉ。これはお酒が進みますねぇ。皮の近くに、ちょっぴりとある肉の部分もいいですね。

石ガレイの刺身そして! なんとこれは美しいですねぇ! 丸皿にずらりと並んだ、透き通るようなきれいな刺身は石ガレイです。

おぉっ。プリップリ。うっまぁ~っ。まん中に盛られているエンガワと肝が、特にいいですねぇ。日本酒ください、燗で!

すでに、みんな1杯目の生ビールから、あるものは地酒に、またあるものは焼酎にと移っていたのですが、私はもう1杯生ビールをもらってたのでした。しかし、この石ガレイの刺身で、一挙に燗酒に移行です。ちなみに、燗酒は「越の誉(こしのほまれ)」です。(もしかすると、他の地酒も燗をつけてくれるのかもしれませんが、注文してみたことはありません。)

石ガレイの洗い「こちらは洗いです」。同じ石ガレイの刺身が、今度は洗いで出てきました。もともとさっぱりとした味わいなのに、こうやって洗いを食べてみると、刺身のほうはけっこう脂がのっていることが認識できます。へぇ。こちらもいいなぁ。「やっぱり夏はカレイだよね!」と思わせてくれる一品です。

石ガレイのカルパッチョそして、カルパッチョ。これも、どう考えても悪かろうはずがない。これだけの石ガレイですからねぇ。

しかし、これは4人でちょうどいいぐらいです。2~3人で注文すると、この時点でもう満腹になっちゃうかも。魚1尾って、思ったよりボリュームがあるんですね。

中骨の唐揚げ「中骨の唐揚げで~す」。おぉ。まだ出るか! 大きな丸皿いっぱいに、中骨がその形のままドカンと乗っかってます。なるほど。こんな大きい石ガレイだったか。

唐揚げには、焼酎かな。すでにボトルでもらっていた「浪漫倶楽部」を1杯ついでもらいます。ん? この焼酎もうまいですねぇ。ちょっとボトルを見せて。へぇ。北海道清里町産のジャガイモ焼酎ですか。ホワイトオーク(樽)で長期保存してるんだって。だから琥珀色なんですね。最近は、焼酎も本当に種類が増えて、味も香りもよくなってきてます。

石ガレイのあら煮あら煮も登場です。これで石ガレイ5品目。なにしろ煮魚で食べてもおいしい石ガレイですからね。あら煮もさすがのうまさです。

ひとしきり調理も終えて、近くに来てくれた店主からは「来週になるとサッポロのエーデルピルスが入りますよ。ホワイトアスパラも入る予定です」という情報。アスパラは、北海道は喜茂別から毎年(グリーンアスパラとともに)入っている品物で、2週間ぐらいの短い間しか食べられない逸品なのだそうです。ボイルやバター炒め、網焼きが各580円の予定。

エーデルピルスのほうは、ファインアロマホップたっぷりで、同じサッポロのエビスビールよりも贅沢なビールだそうです。ただし、業務用にしか売られていないので、それを仕入れているお店で飲むしかないですね。中ジョッキ1杯が680円とのことです。

石ガレイのあら汁(みそ汁)おぉ。12時だ。そろそろ帰らなきゃ、近くの人たちも電車がなくなっちゃう。「はいはい。じゃ、最後に石ガレイのみそ汁を出しましょうね」と、各自に1杯ずつのあら汁が出てきます。

うわ。シメとしても最高ですが、時間的な余裕があれば、このあら汁だけでもお酒が数杯いけそうですねぇ。いいダシが出てます。

それにしても、この石ガレイ1尾丸ごとは、正解でしたねぇ。大勢(少なくとも3人以上)で来たときでないと、量が多すぎてたのめなさそうですが…。小ぶりの魚を選んでもらえば、2人ぐらいでも楽しめるのかなぁ。

お勘定は4人で18,400円(ひとり平均4,600円)ぐらいでした。いやいや。たっぷり4時間以上楽しんじゃいましたねぇ。金曜日なので、本当は自宅に帰る予定が、この時間になるともう電車もない。しかたない。今夜も単身赴任寮に帰るか。なにしろ、ここから寮までは歩いても20分ほど。タクシーでもワン・メーターの距離なのです。

他のみんなは、店のすぐ近くの屏風ヶ浦駅から京急線に乗り込みます。改札口のところで、「じゃあね。お休みぃ! また来週!」と見送って、寮へと向かったのでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年5月21日(金)の記録》

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