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宮崎地鶏で焼酎を … 居酒屋「ななおれ」(武蔵関)

地元の居酒屋通、Hsさんから「いい店を見つけました」というメールをいただき、週末の今日、東京出張からの帰り道に出かけてみることにしました。場所は西武新宿線・武蔵関(むさしせき)駅の近くらしいのです。

目指すお店は、居酒屋「ななおれ」。この「ななおれ」というのは宮崎県の高千穂近くの地名(宮崎県西臼杵郡日之影町『七折』)だそうで、お酒、焼酎の品ぞろえがよくて、冷汁や鶏炭火焼など宮崎料理が置いてあるとのこと。

北口の階段を降りるんですね。あ。なんだ、ほとんど階段の目の前じゃん。

ガラガラ。入口の引き戸を引いたのは午後5時40分。「いらっしゃいませ」というおねえさんの声に導かれながら入った店内は、L字カウンターのみ10席程度の小さい造り。左手はテーブル席かと思いきや、これは焼酎を置くための台のようで、さまざまな焼酎や泡盛が所せましと置かれています。

この時間、先客はなし。私もカウンター中央やや手前に陣取ります。

「え~と。まずはビールをお願いします。」「ビンと生とがありますが。」「ビンでお願いします」。すぐにスーパードライ中ビン(500円)と、お通し(400円)の枝豆が出されます。

「はい、どうぞ」。1杯目のビールをお酌してくれます。あ、どうもどうも。ググゥ~ッと1杯を飲み干すと、「あぁ、今週も終わった…」という気持ちが高まります。

つまみには「ひむか地鶏かし炭焼」(400円)をいただきましょうか。これ時間かかる? あ、そう。すぐできますか。じゃ、お願いします。

時間がかかるようだったら、「今日のおすすめ」というボードに書かれているマグロの刺身(500円)かなにかでつなごうかと思っていたのですが、その必要はなさそうですね。

その「ひむか地鶏かし炭焼」は、おねえさんの言葉どおり、ほとんど待つことなくやってきました。あらかじめ調理されているものを最後に温めるだけなんでしょうね、きっと。ん~。このコリコリ感が宮崎地鶏ですね。炭火の香りもしっかり効いています。

カウンターの奥は厨房スペースになっているようで、やや年配の女性がもうひとり働いています。どうやら、さっきのおねえさんが店長的な役割で、ふたりで切り盛りしているようですね。そのおねえさん店長は、カウンターの奥のほうに静かにたたずんでいます。

さてと。2杯目は焼酎をもらいましょうか。宮崎の料理が多いので、宮崎の焼酎にしようと、メニューリストを見ます。意外と宮崎の焼酎はないんですね。「黒霧島」(480円)をお湯割りでお願いします。あと、「塩らっきょう」(200円)もね。

目の前でお湯割りを作ってくれたおねえさんと、お店のこと、焼酎のことなど、話をはじめます。このおねえさん自身は宮崎とは直接関係ないのですが、お店のオーナーが宮崎の出身なのだそうです。しかし、焼酎や日本酒のセレクションは、このおねえさん自身がされているのだといいます。特に日本酒は「いいなと思うお酒はたくさんあるんですけど、開けたらなるべくすぐに飲みきれるように、あまり何種類もは出してないんですよ」とのこと。

「最近は、栓を抜いてちょっと熟成させるとおいしいお酒もあるらしいですよ」。最近仕入れたばかりの半端知識を披露してみます。

仕入れ元は、芝浦工大教授の古川修さんが書かれた「蕎麦屋酒」(光文社新書)。それによると、しっかりした造りの純米無濾過生原酒の場合、5年ほど自宅の床に放置して常温熟成させると、味に深みが出て、それが酒質の劣化(ひね)をカバーしてあまりあるほどになるのだそうです。

そして、ここからが裏ワザですが、こうやって何年もかけずに熟成させる方法として、まずしっかりした造りの純米無濾過生原酒を早い時期に購入し、常温で置いておく。そして飲もうとする日よりも数日前に栓を開けてしまうのだそうです。こうして口開けすることにより、空気に触れて塾生が早く進む。翌日は前日夜もうまみが増え、2日目にはさらにバランスがよくなる。そして3日目にはなんともいえない熟成状態になるのだそうです。

熟成というのはバラバラだったアルコールの分子と水の分子が、お互いに混ざり合って集団(クラスター)の構造をとるようになることで、これによってやわらかくバランスのとれた、酒本来の味が楽しめるようになるのだそうです。

ただし、どのお酒でもいいというわけではなくて、あくまで「しっかりした造りの純米無濾過生原酒」だけですからね! 「蕎麦屋酒」では、香川の「悦凱陣(よろこびがいじん)」、大阪の「秋鹿」、兵庫の「奥播磨」などをはじめとする9種類ぐらいの銘柄が、例としてあげられています。

それにしても、「塩らっきょう」とは珍しいですね。焼酎とものすごくよく合うと思うんですけど、あんまり置いてある店がないんですよね。

「黒霧島」(480円)をもう1杯。今度はロックでいただけますか。

ロックは、大ぶりのロックグラスで、球形の氷とともに出てきます。「ほぉ。なんだかバーで飲んでるみたいですねぇ。」「このほうが、氷が溶けにくいんですよ」とおねえさん。

そう。この店の雰囲気は、居酒屋というよりはまるで日本酒や焼酎のバーといった感じなのです。

じゃあ、次は日本酒をいただいてみましょうか。「燗がおいしい」と書かれている「独楽蔵(こまぐら)」(600円)にしましょう。え? 温度? まずは普通でお願いします。「わかりました。飲み頃燗(のみごろかん)ですね」。へぇ。「飲み頃燗」って言うんだ。

つまみのほうは、日本酒に合わせて「酒盗(しゅとう)」(400円)をもらいましょうか。

おぉ。これはなかなか濃厚な感じのお酒ですねぇ。先ほどの熟成の話ではありませんが、この「独楽蔵」というお酒は、温度を約15℃に保った蔵で、じっくりと2~3年寝かして熟成させたお酒なのだそうです。

このお酒、正式な銘柄は「独楽蔵 特別純米 燗」といって、小売価格は一升瓶で2,200円と、わりと普通のお酒なのに、いい味を出してますねぇ。つまみなしでも大丈夫なぐらい。

ガラリ。入口引き戸があき、店内に入ってきたのはなんとHsさん! 「やぁ。こんばんは。さっそく来てみたんですよ」なんてあいさつを交わし、Hsさんといっしょに飲み始めます。

私も「独楽蔵」(600円)のおかわりをもらって、つまみはいっそ「ハッシュド・ポテト」(250円)にでもしてみましょうか。合う、合わないというよりも、単純に「ハッシュド・ポテト」が食べたかっただけですが…。

Hsさんとふたりで話をはじめると、おねえさんは最初のころのようにカウンターの奥のほうで、静かにたたずみモードに入ります。けっして話に割って入ったりすることもなく、必要なときにはすっと来てくれて、とっても好感がもてます。

軽く飲む予定が、午後8時過ぎまで2時間以上楽しんでしまいました。お勘定は4,310円。Hsさんとともに、「ごちそうさまぁ」とお店をあとにしたのでした。

店情報

《平成16(2004)年6月18日(金)の記録》

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