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やきとり天国 … 焼き鳥「世渡(せと)」(今治)

わが生家から、JR予讃線で南西に向かうと松山に。それと同じくらい北東に向かうと今治に出ます。この今治が、知らぬ間に「やきとり」シティになっているのです。

火付け役は愛媛県今治市在住の土井中照氏。その著書「やきとり天国」(平成11年4月1日発刊)の中で、「今治市が焼鳥日本一である」ということを述べて以来、こういう状況になってきたようなのです。この図書の内容は、土井中照氏のホームページ「モンドえひめ」の一部である、「やきとり天国」上にも公開されていますので、興味ある人は見てみてください。

今治の焼き鳥の特徴は「鉄板で焼く」ことと「センザンギ」と「生キャベツ」。

一般的に焼き鳥というと、「紀州備長炭使用」なんてことが看板に出てたりするぐらい「炭火焼」の店が多いものですが、今治の焼き鳥は「鉄板で焼く」のです。鉄板の上に串刺しの焼き鳥などを置いて、上からプレスという重しで押さえて焼く。これが、今治の焼き鳥なのです。今治の人はせっかちなので、注文したものがすぐに焼きあがるように、こういう焼き方を考え出したのだそうです。

次に「センザンギ」。これは鶏の唐揚げのことです。土井中氏は、中国語で骨付鶏の唐揚げのことを示す「軟炸鶏(エンザーチ)」が転じて「センザンギ」になったのではないかと推測されています。

そして「生キャベツ」。大阪の立ち飲み串カツ屋さんで、おかわりし放題の生キャベツが出てくるそうですが、今治の焼き鳥屋さんでの「生キャベツ」も同様らしいのです。

この3点が守られていることが、「今治の焼き鳥」の条件であると言えそうですね。

件の「やきとり天国」によりますと、今治に現在のような鉄板焼き鳥の店が誕生したのは昭和36(1961)年のことなのだそうです。センザンギのほうは、戦後すぐからあったらしいので、「鉄板で焼く」というほうがあとからできたんですね。この「鉄板で焼く」をはじめたのが「五味鳥(ごみどり)」(0898-32-3753、今治市旭町1-5-20、17:00-23:00、日休)です。

当時、「五味鳥」の前には人の列がとぎれることがなく、その人気に刺激されて、続々と鉄板焼鳥屋が誕生したそうです。それらの各店が研鑽を重ね、昭和40年代には「五味鳥」「無味」「八味鳥」「鳥林」が、焼鳥四天王と称されたのだそうです。それぞれ「甘くてうまい」「むつこくうまい」「上品でうまい」「深くてうまい」という特徴があるそうです。これらのうち、「無味」はもう今治に店がないそうで、「世渡(せと)」がその味を継承しているとのことです。

  • 「八味鳥」(0898-22-1127、今治市常盤町4-3-23)
  • 「鳥林(とりばやし)」(0898-32-1262、今治市南大門町1-6-21、17:00-22:00、木休)

さて、どこに行ってみようかとやや迷ったのですが、「鳥林」は残念ながら、今日木曜日は定休日。両親も一緒に行く予定なので、店内がきれいといううわさの高い「世渡」にしてみましょうか。

「世渡」に到着したのは、開店時刻の午後5時をちょっと回ったころ。正面に駐車場まである店は焼き鳥屋さんというよりは、ちょっとした料理屋さんのよう。のれんをくぐり、入口引き戸を開けます。

「いらっしゃいませ」。正面右手のカウンターの中にいる店主らしき男性から声がかかります。「3人ですけど」「お好きなところへどうぞ」。

右手に回ると、カウンターの後ろ側にテーブル席と、小上がり席がそれぞれひとつずつあったので、その小上がり席に陣取ります。6人ぐらいは座れるところに3人なので、とってもゆったりですね。

店内は、入口を入って左手側に行くと、個室風の座敷席が何個かある造りになっていて、かなり大勢入れそうです。

まずはビール(キリンラガー、大ビン、600円)をもらって乾杯し、ちびちびと飲みながら、なにを注文するか選びます。

鉄板焼きの焼き鳥の中でも、特におすすめなのが「皮焼き」(350円)らしいので、これははずせませんね。2人前ぐらいもらっときましょうか。すると、店主が「皮だけはぜひ1人前ずつ食べてみてください」とのことで、3人前もらうことにしました。「焼き鳥は、それぞれ3本が1人前ですから」と店主。じゃ、「キモ焼」(300円)2人前と「砂ズリ」(300円)1人前をお願いします。それと、「センザンギ」(4個1人前で400円)も2人前ね。

すぐに出てきたのは「皮焼き」です。鉄板の上で、肉もついた皮の部分を焼いて、上からプレスで押さえつけるので、余分な脂が抜けています。「キャベツもこのタレにつけて食べてください」と、小鉢に盛られたキャベツが各人に出てきます。皮自体は塩焼きなのですが、お皿には甘いタレがたっぷり入っていて、それをつけて食べるのです。

「砂ズリ」は、砂肝のことですが、1串に3個刺さっている中で、砂肝は両側の2個。中間の1個は、なんと心臓(鶏ハツ)です。これは塩焼きでとってもいい味です。鉄板がやや傾いているのか、焼いているときに出た脂は流れ落ちるようなのです。

「キモ焼」も塩焼き。これはちょっと、いかにも鶏のキモという味でした。最近、都内の焼き鳥屋などでも地鶏をあつかうお店が増えています。地鶏を、鉄板焼き鳥にすると、とってもおいしいのではないかと思いました。

6時が近くなると、店主の奥さんや、手伝っているらしいアルバイトの男子学生もやってきます。お客さんも、ひとり客、ふたり客と入ってきて、カウンターでやっぱり「皮焼き」から食べ始めます。

われわれもビールを1本追加し、燗酒(1合、400円)をひとつもらいます。燗酒は、今治の地酒「山丹正宗(やまたんまさむね)」の普通酒です。

「センザンギ」が来ました。ほぼ同じぐらいの大きさの唐揚げがずらりと並んでいます。骨はあったりなかったり。

注文はいっぺんにしているのですが、カウンターの中の店主が、われわれの食べるスピードを見ながら、前のを食べ終わると、次のが出てくるというように出してくれているのです。焼き鳥や唐揚げは、熱々の状態をいただきたいので、この心配りはとてもありがたいですね。

「センザンギ」がなくなりかけたところで、店主のおすすめにしたがって「ピーマン」(3個1人前、300円)を2人前追加しましょうか。このピーマンはつくねを中に詰めて、いわゆる肉詰め焼き状態になっているのだそうです。

このほか、注文していないけど気になったつまみは、「せせり焼」(くびの肉、350円)、「鳥酢」(300円)、「チキンステーキ」(450円)などなど。でも今度は、四天王のほかのお店にも行ってみたいですね。

午後7時前まで、約1時間半の滞在で、3人で5,550円でした。

店情報

《平成16(2004)年7月29日(木)の記録》

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「皮にはじまり、せんざんきで終わる」 これが,今治人の焼き鳥の食べ方なそうな.旅行者ももちろんそうすべきなのは疑いの余地もありません. [続きを読む]

受信: 2005.02.27 18:13

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