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穴子の押し寿司 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

明日の仕事に備えて、横浜での仕事終了後に自宅に移動し、西武新宿線・都立家政駅で下車したのは午後10時半。ちょっと腹ごしらえをしてから帰りましょうね。

「竹よし」の前で傘をたたんでいると、店の中から店主が「いらっしゃいませ」と出てきて、あわてて外においていたもの(濡れては困るもの)を店内にしまいこみます。どうやらこちらの雨はついさっき降り始めたばかりの様子。私が傘をたたんでいるところを見て、はじめて雨に気づいたようなのです。

横浜では雨が上がったのに、こちら東京は今がまさに雨のピーク。雨雲を電車で追いかけてきちゃったんですねぇ。

なにはさておき、まずはビールかな。ビン(スーパードライ、中ビン、500円)でお願いします。温かいおしぼりで手を拭き、顔を拭きながら、飲みものの注文です。

お通し(200円)はサバの味噌煮。刺身風にスライスされたサバの切り身を使った味噌煮です。やぁこれは日本酒、それも冷酒にピタリと合いそうなつまみですねぇ。

そうそう。今日は夕食もかねて来てるので、お腹にたまりそうなつまみをもらいましょうね。ん~と。「穴子の押し寿司」(800円)にしようかな。

この時間、先客はカウンター奥側の男性ひとり。不思議なことにカウンターの上には、飲みものも食べものも何も置かれていません。どうしたのかなぁ、と思っていると「穴子の押し寿司」が登場。このお客さんも穴子を注文してたんですね。

聞けば「竹よし」のすぐ近くに住んでる人だそうで、奥さんが風邪かなんかで具合が悪くてご主人だけが「竹よし」に食事に来た。その帰りに「穴子の押し寿司」を奥さんのお土産に買って帰ったところ、これが大好評で、もう一度買いに来られたのだそうです。

そのお客さんは「穴子の押し寿司」を受け取って席を立ちます。

ここから私用の穴子がさばかれはじめます。なるほど、1尾の穴子をさばくところから作りはじめるんですね。なにしろ店主が料理好きですからねぇ!

なにやら新しいお酒が入ってるようなので、それをいただいて、あとは穴子待ちの間に「自家製 塩辛」(350円)をもらいましょうか。

新しいお酒は「想天坊(そうてんぼう)特別純米・生貯蔵酒」(600円)という新潟のお酒です。ガラス製の徳利(とくり)に入れられて、ガラスのお猪口(ちょこ)とともに出てきます。どれどれ。ほぉ。これはまた飲みやすい。メーカーはすっとキレのある淡麗“旨”口をねらっているようですが、そのとおりになっているのではないでしょうか。塩辛なんかにも抜群に合いそうな…。

じゃ、その塩辛をひと切れいただきましょうね。お。いいですねぇ。これこそまさに淡麗旨口(笑)の塩辛です。店主もカウンターの中で塩辛をちょっと味見。「今回は、耳(エンペラ)の部分もいっしょに塩辛にしてみたんですよ。身の部分よりもややコリッとした食感があって、好きな人が多いんですね。どうですか」と店主。なるほど。私なんか、もとから耳の部分は大好きなので大歓迎ですね。ゲソ(イカの足の部分)は使わないんですか? 「以前はゲソも使ってたんですけど、口あたりの硬さを嫌がるお客さんが多かったのでやめたんですよ」。

保存のためのやたら塩っ辛い塩辛ではなくて、イカをうまく食べるために刺身にキモ(イカワタ)の旨みを加えてちょっと熟成させた程度の塩辛は、旨味がぐ~んと突き抜けています。日本酒と本当にいい相性ですねぇ、これは。

「そのイカワタだけのところもありますよ。やってみますか」と店主がルイベ状になったイカワタを2切れほど小皿に切り分けてくれます。うわぁ。これはまたさらに濃厚で、旨旨旨味って感じですね。「塩は使ってないんですよ。自然の味です」。う~む。自分でちょうどいい味わいになるとは、なんとすごいヤツなんだ。

穴子の押し寿司カウンターの中には、焼きあがった穴子にタレが塗られ、最後の仕上げに入っています。酢メシとともに巻き簾(まきす)で巻いて、ひと口大に切り分けるとできあがり。やぁ、おいしそう。なにしろ、まわりの穴子はできたて熱々ですからねぇ。

お酒のほうは、今度は「朝日山(あさひやま)特別純米」(500円)にしてみましょうか。「朝日山」は「久保田」と同じ朝日酒造(新潟)のお酒。

天保元(1830)年、現在と同じ場所で久保田屋として創業し、その後、大正9(1920)年に社名を朝日酒造とした老舗です。有名な「久保田」は、昭和60(1985)年に創業時の屋号を冠して発売されたお酒なのだそうです。

シメサバ前回のシメサバもよかったですが、今回もまたいいのができまして」と、小皿に3切れほど出してくれたシメサバのきれいなこと! こりゃまた、なんともいえず艶やかですねぇ。

塩辛と日本酒も合いますが、シメサバと日本酒も相性抜群です。

「先日整理をしてたら、昔の店の写真が出てきたんですよ」と店主が古いアルバムを見せてくれます。見れば、昔店主が神奈川県のほうでもっていたお店の写真。なるほど、昔の店も「竹よし」となんですね。3階建ての大きな建物です。店内を写した写真を見ると、フロアは床全体が生簀(いけす)になっていて、座敷の床がガラス張り。座っている下を魚が泳いでいます。「なにしろ、バブルに向かうころだったんで、店の造りもいかにもバブルですねぇ」と店主も苦笑しています。「バブルがはじけたとたんに、お客さんがぱたっと来なくなって、つぶしてしまいました」。それから10年以上たって、今やっと笑い話として語れるといったところなんでしょうか。それにしても、ものすごいお店だったんですね。

昔話に花を咲かせているうちに、気がついたらもう12時をまわっています。それじゃ、ボチボチとおいとましましょうか。今日のお勘定は2,950円でした。

この週末は夕食会だそうで、そっちにもエントリー(予約)しておきました。夕食会は、今年に入ってからは月に2回ずつあったのですが、月1回のほうがピシッと締まっていいということもあり、これからはまた月1回(第2土曜日)に戻すそうです。

9月に入り、メニューにもサンマ塩焼きやキノコの精進蒸し、さらには湯豆腐なんかも登場し、いよいよ燗酒がおいしい季節も近くなってきましたね。楽しみです。

どうもごちそうさま。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月9日(木)の記録》

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受信: 2004.09.26 19:46

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