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ウナギの白焼を塩で … うなぎ「ばんば」(中野)

ブリック」を出て、中野駅北口のバスターミナルを回りこむようにして中野通りに出ます。このまま中野通りに沿って南下すると、目的の「中野センター」に出ることができるのですが、せっかくですので中野通りの1本西側を平行して通っている「ファミリーロード商店街」を南下しましょうね。どの街もそうだと思うのですが、バスも通るような大通りよりは、その1本か2本かはずれたところにあるのが飲み屋街。どうせ歩くのなら飲み屋街の中を歩くほうが楽しいですからね。

この「ファミリーロード商店街」の中ほどにあって、今日もたっぷりのお客さんでにぎわっているのが立ち飲み・焼き鳥の「やきや」です。名前からもわかるとおり荻窪の「やき屋」の姉妹店。両方くらべると中野のほうがやや高いものの、それでも界隈の標準的な居酒屋価格とくらべると安いのが特長です。

「やきや」を通り過ぎると、間もなく大久保通りに突き当たります。そして、その大久保通りの横断歩道を渡った先、右手側にど~んと横たわっている古びた建物が「中野センター」なのです。2階か3階部分にあたる壁のところに「中野光座」と書かれているところを見ると、昔は映画館かなんかだったんでしょうね。

「中野センター」の大きな建物にそって、時計まわりに回り込むように進むと、ラーメン屋や古びた小料理屋「わか松」などがテナントとして入っていて、なんだかそそられます。他にも食料品店などの店も入っているようです。

へぇ~っと思いながら歩いていると、その並びに漫画風にかわいいうなぎの絵が描かれた電燈看板があるお店を発見。開けっ放しの入口からは、何人かのお客さんが飲んでいる様子も垣間見えます。よし。この「ばんば」というお店に入ってみましょうね。「こんばんは」。

「いらっしゃいませぇ」と迎えてくれたのは、ご夫婦と思しき店主とおかみさん。店内は入口の正面から右手にかけてL字型カウンターがあり8人くらいはかけられそう。左手側と、右手手前側にそれぞれ1卓ずつテーブル席があり、それぞれ4人ずつ座れます。

午後8時半の店内は、カウンター右手奥に若い3人連れ(男2、女1)、カウンター左手奥には年配の男性1人客が座っています。私も入口を入ってすぐ、ちょうど両者の中間あたりでもあるカウンター角のところに陣取ります。

「なんにしましょう」と店主から声がかかります。「お酒をお願いします」「え~と。お酒はここに並んでるのになるんですけど」と指し示された壁際を見ると、「辛丹波」「一ノ蔵(特別純米)」「高清水」「上善如水」などの一升瓶が何本か並んでいます。それぞれの値段は明記されてないので、まずはだいたい値段がわかるところでいきますか。「高清水(たかしみず)を!」「冷たいのですか」「ええ。冷たいのでお願いします」。

すぐにカウンターの中で受け皿とコップが用意され、目の前に置かれます。そして店主がカウンターの中から出てきて、入口左手手前にある冷蔵庫から「高清水」の一升瓶を取り出して、トトトトッとあふれるまで注ぎこぼしてくれます。コップがビールメーカーのものなので、注ぎこぼれるまでいくと1合以上ですね。

その間に、カウンターの中のおかみさんが、カウンター上段に並んでいる大皿の中から、ヒジキの煮物を小鉢に取り分けて、お通しとして出してくれました。

まずは「高清水」を口から迎えにいって、ツツゥ~ッとひとすすり。ッカァ~ッ。染みますなぁ。

東北のお酒(「高清水」は秋田の酒)はすっきりとした味わいが多くて、珍味的な味付け(塩辛い系統のもの)にとってもよく合うように思います。それにくらべると、広島(西条)や愛媛などの瀬戸内のお酒は、つまみが瀬戸の小魚などの淡い味わいが多いからか、お酒のほうはいかにも日本酒といった感じの濃い味のものが多いように思うのですが、どうなんでしょうね。

それにしても、このヒジキの煮物。おいしいですね。上にのってるのは身欠きニシン。具の一部として入っている油揚げもいいバランスをかもし出していて、これだけでしばらくはいけちゃいます。

右側に座っている若い人たちは、肩から腕にかけてタトゥー(入れ墨)を入れていたり、姿かたちもいかにも今風なのですが、店主夫婦としゃべっているのを聞いていると常連さんの様子で、言葉遣いも「レモンサワーをお願いします」などときちんとしている。

若い人も年寄りも、どっちもが遠慮なく入れるようなお店は意外に少ないのですが、どうやらここはそういうお店のひとつのようですね。

さてさて。私もつまみを選びますか。さっき若い人たちはウナニラ(400円)なんてたのんでました。ウナギの入ったニラ玉なのかなぁ。カウンターの上から壁にかけて、ずらりとメニューの短冊が並んでいますが、値段は書いてあったりなかったり。若い人とお年寄りが多いお店は、(自分のお金で飲んでる人が多いので)それほど高くないことが多いので安心です。

焼き鳥、うなぎ串焼き系が各種、さらにカウンター上段にはおかみさんの手作りと思われる料理類が並んでるんだけど値段は明記なし。珍味類は塩らっきょう(300円)、鯛しおから(350円)、酒盗(350円)などなど。そしてウナギ。今日は初回だから「うなぎ白焼」(1,200円)にしてみるかな。

「白焼をお願いします。」「はい。白焼ね」と返事した店主。右に続くカウンターよりもさらに右奥側にあるらしき焼き台に向かいます。

この店は昼間もやってるようで、うな重が2,500円、うな丼(定食とも書かれている)は1,200円。壁のメニューにはなにやら割引情報(特定の曜日は安いといったことなど)も書かれています。

このあたりで年配の男性客が帰り、入れかわるようにこれまた男女3人連れ。こちらは私と同じくらいの中年のお客さんで、高円寺の阿波踊りを見に行って、その帰りにここにやってきたようです。この3人もいかにも常連さんのようで、注文もそこそこに盛り上がりはじめます。

さぁ、白焼も出てきました。四角いお皿の上側に腹の部分。下側に尻尾の部分と2列に並べられた白焼は、見た目も実に美しい。まずはひと切れ切り分けてパクリと口に含みます。

ん~。このアブラののりが白焼きですねぇ。蒲焼きにするには、ここから「蒸し」の工程に入り、最後にタレをつけて焼き上げていきます。その「蒸し」が入ってない分、白焼はカリッとアブラがのった感じで仕上がるんですね。個人的には蒲焼きよりもむしろ白焼が大好きです。

次のひと切れは定番の食べ方でワサビ醤油。うまいよなぁ。蒲焼もさることながら、実はこの食べ方が一番うまいんじゃないかなぁ。すくなくとも酒を飲んでるときには。ただ、表面積が広いということもあって、すぐに熱々の状態じゃなくなってしまうことだけが欠点なんですよねぇ。ひと口ごとに、いつまでも熱々で食べられる白焼があると本当にいいんだけどなぁ。

お酒。「高清水」のおかわりをお願いします。

「は~い」とまたまたカウンターを出て、こちらの冷蔵庫から高清水を注いでくれた店主。そのついでに「この白焼は山椒粉と塩で食べてもうまいんだよね」といいながら、四角い皿の横っちょのほうにちょいちょいと山椒粉と塩を入れてくれます。そして「これで試してみて」と言いつつカウンターの中へ。

どれどれ。ほぉ。もつ焼きの塩焼きと同じように、塩だけで食べるほうがウナギそのものの味がダイレクトに入ってきます。たしかにこれはうまい。しかしこれまたもつ焼と同じように、この食べ方でこうやって「うまい」と感じるのは、素材も相当良いんですね。そうでなければこの食べ方はすすめられませんもん。

やぁ。おいしかった。どうもごちそうさま。初回の今日は1時間の滞在で、お酒を2杯にお通しと白焼で2,400円でした。

中野も、このあたりまで来るとまだまだ発見が多いですねぇ。『恐るべし、中野!』ですね。

店情報

《平成16(2004)年8月27日(金)の記録》

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