« 2004年8月 | トップページ | 2004年10月 »

店情報: 居酒屋「斎藤酒場(さいとうさかば)」(十条)

    060525z1
  • 店名: 大衆酒場「斎藤酒場」(さいとうさかば)
  • 電話: 03-3906-6424
  • 住所: 114-0034 東京都北区上十条2-30-13
  • 営業: 16:30-23:30、日休
  • 場所: JR埼京線十条駅の西口から、駅前ロータリーにそって右に周り、すぐの路地を右折した左手側。駅から徒歩30秒程度。
  • メモ: 昭和3(1928)年創業。お酒160円、焼酎160円。串揚げ(2本)200円、ポテト野菜サラダ200円、自家製カレーコロッケ200円など。
  • HTML版(2003年以前): (01.08.28)(01.05.16)(01.02.23)

| | コメント (0) | トラックバック (4)

町内に越してきて!? … 居酒屋「斎藤酒場(さいとうさかば)」(十条)

恵比寿界隈での仕事を終えてJR埼京線で北に向かうこと20分弱。十条駅に到着します。駅前のロータリーを右に回りこむようにして右側の路地に入ると、左手に大きく大衆酒場と書かれた紺ののれん。ここが「斎藤酒場」です。

いい居酒屋が居並ぶ北区でも、この「斎藤酒場」は1、2を争う名居酒屋。いや。東京全体で見ても五指に入る店なのではないかと思います。

大きなのれんをくぐり、引き戸を開けて店内へ。午後6時過ぎの店内は、もうたくさんの人です。「いらっしゃいませ。おひとりさん? こちらへどうぞ」と、店のおばちゃんのひとりが店内右手のテーブル席を指し示してくれます。

この店にはカウンター席はなくて、すべてテーブル席。しかもそのテーブルがすべて形が違う天然木のテーブルなのです。

お客さんは、仕事帰りのひとり客といった感じの男性客が多いのですが、それぞれがテーブルの空いているところへひとり、またひとりと案内されて入れ込み状態で入っていくのです。

「小瓶のビールをお願いします」。まずは例によってビールからスタートです。ビールはサッポロ黒ラベルで小瓶は330円。ちなみに大瓶だと440円。壁のメニューに「冷やしビール」と書かれているのがおもしろいですね。昔はキュ~ンと冷えてるということが売りだったのでしょうか。なにしろ、昭和3(1928)年創業。今年でもう創業以来76年になるという老舗ですからねぇ。

そのビールといっしょに出てくるのはお通しの小皿です。このお通しはサービスで年中同じで、殻付き落花生が3つ。そして割り箸が出されます。

1杯目のビールをググゥ~ッと飲み干してひと息つきます。やぁ、今週の仕事も終わりました。ほっとしながらもう1杯。小瓶のビールは、コップに3杯ぐらいの量(350ml)なので、「なにはさておきまずビール」というときにちょうどいいのです。

ものの10分くらいの間に、落花生3つ(中のピーナッツでいうと6粒分くらい?)をつまみに小瓶のビールを飲みきります。

その場で軽く(顔の前くらいの高さに)手を上げて合図を送ると「は~い」とおばちゃんがやってきてくれます。「お酒とマグロブツをください」「お酒は冷たいのにしますか」「えぇ、そうしてください」「は~い」。

この店では、フロアは昔から3人ほどのおばちゃんたちが切り盛りしているそうなのです。もちろん、昔はおばちゃんではなくて、おねえさんだったんでしょうが…。そんな大ベテランのおばちゃんたちなのに、いい意味で可愛らしいのです。

だいたいは3人が店内に目配りしているのですが、お客が多くなってくるとやはり目の届かないところも出てくる。そんなときに店内から「すみませ~ん」と声がかかると、「は~い。お声かけどなた?」と声がかかったあたりにすぐ出向いていきます。

そして、お客さんが「スジコひとつと…、あと冷やっこもらおうかな」と注文すると、「は~い。あら、スジコとヤッコで覚えやすいわ」なんて、ものすごく忙しそうな状況下にもかかわらずニッコリと微笑みながらの切り盛りなのです。有名になってくると、やたら店員さんがえらそうな態度になったりする店もあるのですが、ここ「斎藤酒場」にはそういうところは微塵(みじん)も見られません。

「はい。お酒はこちらでしたね」と、受け皿に置いた分厚い多角形のコップ(←よく、屋台で出てくるヤツです)にトトトッと、受け皿にあふれるまでお酒を注いでくれます。このお酒(清龍)がなんと160円。

そして、東京の居酒屋の華(はな)、マグロブツは小皿に盛られて250円。どうです。お酒とマグロブツで合わせて410円ですよ!

ちなみにマグロブツは250円ですが、マグロ刺しは450円です。そして、このマグロ刺しの450円というのが、この店で最も高いつまみなのです。2番目に高いのは、さっきとなりのお客さんがたのんでたサンマ塩焼きの400円かな。

逆に一番安いのは花らっきょうの150円。2番目はワサビ漬けの180円と続き、その次は冷やっこ、ポテト野菜サラダ、カレー野菜コロッケ、串カツ、イカ塩辛、お新香盛り合せなどなどの200円ものとなり、250円、280円、300円、350円と続きます。

目の前に置かれている伝票にも一番左の縦の列には150円、180円、200円、……と先ほどの値段が印刷されていて、その右側に1、2、3、4、……と数量が書かれています。飲んだり食べたりするたびに、その数量のところにチョンと印が付けられます。最後にこの伝票でお勘定してもらうという仕組みなのです。

さっき入ってきた常連さんと思しき男性客。空いてる席に座ると、おばちゃんのほうから「お酒と煮込みでいいの」なんて、先に声がかかっています。ほぼ毎日やってきてはお酒と煮込みを注文してるんでしょうね。この店に限らず、私がとっても好きな「毎日でも行くことができる大衆酒場」にはこういうお客さんが多いように思います。

横浜・野毛の「武蔵屋」なんて、この究極的なもので、店の側で固定したメニューにしてるくらいです。同じ人に迎えられ、同じ席に座り、同じ肴をつまみに、同じ酒を飲む。たとえ昼間の仕事が波乱に富んでいたとしても、夕方のこの瞬間にフゥ~ッとくつろげるのではないでしょうか。

さてさて。お酒(160円)をおかわりして、この店の名物料理のひとつポテトサラダ(正確にはポテト野菜サラダ、200円)をもらいましょうか。ポテトサラダも、東京の大衆酒場ではマグロブツと並び立つ主力メニューのひとつですね。

「斎藤酒場」というのは、斎藤さんがやってる店だから「斎藤酒場」かと思いきや、実は違うらしいのです。中島らも、小堀純共著の「せんべろ探偵が行く」の中で、このあたりを女将さんに確認していて、それによると、女将さんのお父さんが働いていた酒屋が斎藤酒店で、そこからの暖簾分け(のれんわけ)で今の場所に酒屋を出したのがはじまりなので、店の名前も「斎藤」を引き継いでいるのだそうです。

その後、「女手でもできるように」と、女将さんのお父さんが接客中心の大衆酒場にしてくれたのが今に続いているのだとか。ちなみに女将さんは吉田さんなのだそうです。

そうそう。その「せんべろ探偵が行く」の中で、故・中島らも氏が次のような文章でこの店のことを書かれていて、それがこの店のことを実によく表していると思いますので、引用させていただきますね。

【引用開始】
今回、「斎藤酒場」で飲んでいて、蕎麦屋で飲んでいるときのあの感じを思い出した。店内はとても静かで一人一人の客が自分のためだけの酒を飲んでいる。1杯160円なので、千円でベロベロになろうと思えば不可能ではないが、そんなことをする客はいない。3杯くらい飲んでほんのりと潤ったらサッと帰る。

おれが自分の町内に求めていたのはこれだ、と思った。いつも通りの簡素な肴があって、ほど良く冷やした酒があって、そして必ず自分のための席がある。ぼんやり何も考えないで小一時間を過ごす。今の日本に失われてしまったのはこういう空間なのだ。

十条に引っ越そうかという考えが本気で脳裡を過(よぎ)った。「斎藤酒場」がおれの町内に引っ越してきてくれたら一番いいのだが……。
【引用終了】

ちょうど1時間の滞在で、今日は1,100円でした。どうもごちそうさま。

そういえば、太田和彦さんの番組「新全国居酒屋紀行」でも、ここ「斎藤酒場」が紹介されました。このたび、その番組のDVDができたのだそうで、「太田和彦のニッポン居酒屋紀行(1)東日本篇」の中で「みますや」、「さいき」、「銀次」など14軒のうちの1軒として、ここ「斎藤酒場」も入っているそうです。

こういうのがあると、自分の行けない地域の居酒屋の様子も知ることができていいですね。なお同じシリーズで「(2)中日本篇」「(3)西日本篇」も出ているそうです。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月20日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (2)

東十条から中野へ … もつ焼き「春(はる)」(中野)

斎藤酒場」を後に、久しぶりに十条~東十条をブラブラしてみます。JR線の踏切を越えて演芸場通りに入ります。すぐ左手にあるのが、ここも人気の大衆酒場「田や」。煮込みが300円、煮込み豆腐が500円といったお店です。外から垣間見える店内には年配客が多い様子。大衆酒場の世界は、今でも年の功が信頼できるので、年配客が多いお店は安心ですね。今度入ってみたいお店のひとつです。

その先、右手が人気の讃岐うどん屋、「すみた」です。外には若い男女ふたり連れなどが5~6人ほど行列しています。

東十条駅を通り過ぎて坂を下ると、交差点の右手側にあるのがもつ焼きの「埼玉屋」。ここのもつ焼きも、都内で五指に入るほどうまいのですが、前回訪問時(3年前)に1串100円だったのに、その後120円の時代をへて、今は1串130円になっているそうです。氷を入れると水っぽくなるという理由で、焼酎自体を凍らせた生ホッピーやレモンハイ。「肉を食べるときは野菜も食べてね!」と、半ば強制的に注文させられる生野菜(クレソン、大根など。3年前は400円だった)も懐かしいですね。

今日は、同じ交差点の左側にあるもつ焼き屋、「新潟屋」をのぞいてみようと思っていたのですが、ガラリと引き戸を開けて入ってみると、店内は満席。この店はもつ焼き屋さんにしてはけっこう大きいですねぇ。もしかすると、練馬の「金ちゃん」や恵比寿の「たつや」と同じように、もつ焼きもあるけど、ほかのつまみもいろいろとそろってるタイプの居酒屋なのかな。しばらく入口のところで待ってたものの、(店員さんが近くにいるのに)「いらっしゃいませ」の声もかからないほど忙しそうな状況だったので、今日はやめておくことにしました。

再び電車に乗って、自宅のある中野方面へ。そうです! もつと言えば中野の「春」があるじゃありませんか! しかも今日は金曜日。レバ刺しの食べられる日ですからね。(「春」では、月・水・金曜日のみレバ刺しが食べられるのです。)

どうかなぁ? と思いながら「春」の店内をのぞき込んでみると、午後8時過ぎの店内はカウンターの手前側に先客が2人いるだけ。さっそく一番奥に陣取って、例によってホッピー(380円)をいただきます。お通しはいつもの豚耳刺しです。

この店は、午後7時半~8時半くらいに開店となるので、今の時間はまだ開いたばかりなんですね。

先客が注文していた品も一段落し、店主が「なににしましょう」とたずねてくれます。「レバ刺し(380円)と、ガツ刺し(380円)をお願いします」。

この店では、レバ刺しもガツ刺しも、注文に応じて塊りの豚レバーや胃袋からスライスして出してくれるのです。もつ焼きも同じ。レバーを注文すると、その時点で下ごしらえをはじめて焼いてくれます。魚の刺身だと、注文してから刺身にしていくのは比較的当たり前のことなんですが、もつの場合はあまり見かけません。この強烈な鮮度が「春」の人気の秘密なのです。

しかし、なにしろほぼ店主ひとりでこれらの支度をやらなければならないので、お客さんが多くなってくると大変なのです。

こうやってレバ刺し、ガツ刺しの出を待っている間にも、お客さんは続々と入ってきて、私が入ってから15分もたたない間に、直線カウンターだけ7席分(つめて8席分)の店内は、もう満席です。

さあ、レバ刺し。どうです、このエッジがピシッと立ったきれいなレバー。これは、ごま油に塩をちょいちょいと入れて食べるとうまいんですよね。ん~。とろけます。ここのレバ刺しを食べると、ほかの店ではなかなか食べる気にならなくなっちゃうんですよねぇ。困ったもんだ。

そしてガツ刺し。こちらは酢味噌で。どういうわけだか、ガツとお酢とは合うんです。

ホッピーのほうも、ナカ(焼酎部分のおかわり)をもらいましょうね。

その間にも、満席(8人)のお客さんから次々に注文が入り、もう店主は一瞬も休めないくらいの忙しさになってきました。その状態でも、入口から店内をのぞきこんで、残念そうに帰っていく人もいる。

本当は、もつ焼きもいくつかいただいて帰りたかったのですが、少し時間がかかりそうなので、この辺にしておきますか。どうもごちそうさま。

1時間半の滞在で、今日は1,540円でした。

店主に「どうもありがとうございました」と見送られながら、カウンターのお客さんたちの後ろを通って入口へ向かいます。あ。なんと、一番入口の席にいるのは、先日、「秋元屋」でお会いしたお客さんです。もつ好きの集まる店のひとつですからね、ここも。「どうも、どうも」なんてあいさつをしながら店を後にしたのでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月20日(金)の記録》

| | コメント (3) | トラックバック (1)

店情報: 中華「朝陽(ちょうよう)」(阿佐ヶ谷)

  • 店名: 中華「朝陽」(ちょうよう)
  • 電話: 03-3339-4650
  • 住所: 166-0001 東京都杉並区阿佐谷北4-7-12
  • 営業: 18:00-24:00くらい
  • 場所: JR中央線阿佐ヶ谷駅から、旧・中杉通りに沿って北上すること約10分。右手。店の向かい側は酒屋「升要」。
  • メモ: 夜遅くまでやっている定食のお店。ちょっと甘めの「玉ブタ定食」(600円)がおすすめ。定食は550円、600円、700円の価格帯で10品程度。直線カウンター10席程度の店内は、遅くまでにぎわっている。

| | コメント (0) | トラックバック (4)

おすすめは玉ブタ … 中華「朝陽(ちょうよう)」(阿佐ヶ谷)

もつ焼き「」からの帰り道に寄ったここ「朝陽(ちょうよう)」は、居酒屋というよりは定食屋。ビールやお酒も置いてあるよといったお店なのです。ここに書くのははじめてですが、夜遅くまで開いているということもあって、呑んだ後にちょいとお世話になることが多いお店です。

今日はラーメン(500円)をお願いしますね。

直線カウンターだけの店内は10席あるかないか。その席に、おそらくこの界隈に住んでるんだろう若者たちが5~6人座って食事をとっています。

店は、テキパキといつも中華鍋をふってるイメージの強いお父さんと、ふっくらおっとりのお母さんのふたりで切り盛り。こんなにおっとりした感じに見えるのに、ときどきけんかをしたりしているところもおもしろいところ。

店内のテレビを見ながら、出てきたラーメンをズズッとすすります。ラーメンは、特にうまくてたまらんということもないのですが、なんとなく食べたい味なのです。チャーシューメンだと650円。この季節だけ出される冷し中華の750円が、この店の最高価格です。

私が好きなのは玉ブタかな。その名のとおり、玉子と豚肉を炒めたもので、単品が500円、玉ブタ定食にすると600円。ちょっと甘めの味付けが特徴です。

こういう定食系の10品ほどが550円、600円、700円といった価格帯。それぞれ単品だと100円安です。そしてチャーハン(500円)などもある。

飲みものはビールと酒があるのですが、逆にビールと酒しかありません。(チューハイとかはない。)

昔は、換気扇の出口が、ちょうど人の高さくらいのところにあって、炒め物のおいしそうな匂いが通りを歩く人たちに襲いかかっていたのです。私も、最初はその匂いにさそわれて、店に入ったのでした。その後、換気扇の出口が、ちょっと高いところに移ったので、あのおいしそうな匂いがあまりしなくなったのが残念です。あいかわらず、ザッザッと炒め物をする音は響いてきますけどね。

どうもごちそうさま。はい、500円ね。

この店の向かいには、ワインやビールに力を入れている酒屋、「升要」があって、こちらも店内のお酒をながめてるだけでもおもしろいところです。

店情報

《平成16(2004)年8月20日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

常連さんは野菜系!? … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

土曜日です。いつもは図書館のあと「川名」に向かうことが多いのですが、気候もよくなってきたので今日はちょっと遠出をしてみようと、荻窪まで出てきました。せっかくなので、本屋さんや、昔の闇市の面影をかすかにとどめるタウンセブンの地下商店街も散策します。この地下商店街には魚屋をはじめ、八百屋、肉屋、鶏屋、乾物屋、惣菜屋、さらにはお菓子屋なんかもあって、見てるだけで楽しいのです。この地下街では「うなぎの尾張屋もおいしいよ」という情報をいただいてるのですが、まだ行けていない。今日もお客さんが多いなぁ、「尾張屋」は。

地上に出て、いつもの飲み屋横丁へ。向かう先は立ち飲みの「やき屋」です。土曜日5時前の店内は、なんとお客さんがいっぱい。ちょうど左手サブカウンターの手前側にいた人がお勘定をしはじめたので、その人と入れかわるようにサブカウンター手前側に陣取ります。もしかすると、私が入ってきたから場所を譲ってくれたのかなぁ。その場ではお礼できませんでしたが、ありがとうございます。

荷物(図書館の本が入ったデイパック)を置いて振り返ると、女将さんが「何にしましょう?」と目顔(めがお)で聞いてくれます。「ホッピー(300円)お願いします」と、いつものホッピーを注文し、そのホッピーを出してもらうタイミングで「いかなんこつ焼き」(150円)を注文します。

「いかなんこつ焼き」でナンコツと呼んでる部分は、イカのゲソ(足)とワタ(内臓)の中間の、目や口などがある部分の近くの肉のこと。ナンコツというものの、本当に軟骨があるわけではないのです。私はこの「いかなんこつ焼き」が大好きなんです。1人前6切れで普通はタレ焼き。ときどき「塩で焼いて」なんていう人もいますが、その場合は塩で焼いてくれます。

女将さんが「最近、若い人で塩で焼いてって人が多いんだけど、塩で焼けないものはあるの?」と店長のゲンさんに尋ねたところ、ゲンさんの答えは「なんだって塩で焼けるよ」とのことでした。

イカは、その身がけっこう淡白な味わいなので、個人的にはタレ焼きが好きなんですけどね。タレの甘辛い味わいのあとに、噛み締めてるとイカのうまみがジワッと出てくる。この感じが好きなんですよねぇ。

それにしても、土曜日の店内は近所の常連さんたちばかりという雰囲気。みんなそれぞれひとり客として入ってくるのですが、店に入ると互いに名前や愛称で呼び合ってるのです。なにしろ背広姿の人がひとりもいないところが土曜日らしいですね。

さてと。ナカ(焼酎のおかわり、150円)をもらって、つまみのほうは、前回「川名」の常連さんたちに人気が高かった「しめさば」(200円)をいってみましょうか。「つまみ全品150円」というのが売りのこの店にあって、シメサバだけが掟破りの200円なのです。なにしろ、袋入りの市販のシメサバとはいえ、半身まるごとが1人前ですからねぇ。驚きの安さです。

まわりのお客さんの注文を聞いていると、今日は「枝豆」(マメ、150円)と「みそきゅうり」(ミソキュウ、150円)が人気があるようです。ちなみに、カッコ内のカタカナ表記は、ゲンさんが女将さんにできあがった品を伝達するときの符丁です。

そういえば普段から「つけもの」(150円)も人気が高いですよね。意外と呑んべには野菜系のつまみがうけるのかもしれませんねぇ。う~む。そうしてみると、私なんか「いかなんこつ焼き」と「しめさば」と、まだまだタンパク質系の領域から抜け出せてませんなぁ…。

それじゃ、今日はこの辺にしときますか。どうもごちそうさま。ちょうど1時間の滞在で、840円(800円+税)でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月21日(土)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

テッポウ味噌を樽酒で … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

日曜日です。今日も今日とて夕方の居酒屋散歩。単身赴任寮の交通の便が悪いこともあって、平日は飲みに出かけることが少なくなってしまい、週末のこの居酒屋散歩が、私にとって重要な居酒屋タイムになりつつあります。

今日向かっているのは「秋元屋」。一昨日、もつ焼き「」で急にお客さんが増えて、もつ焼きを食べそびれちゃったので、もつ焼きが食べたくて食べたくて。

「こんちはぁ」。5時開店の「秋元屋」は、まだ開店から10分くらいしかたっていないはずなのに、もう8割がたお客さんが入っている。私も、両側の先客にあいさつしながら、入口すぐのところ(“コ”の字で言うと、下の辺の真ん中あたり)に陣取ります。

まずはやっぱりビールでしょ。久しぶりに大ビンにしようかな。ラガーのほうね。

この店のビールはサッポロですが、大ビン(480円)は黒ラベルとラガーから選択できるのです。どっちがうまいかはよくわからない(どっちもうまい)のですが、赤い星のマークがなんとなく懐かしくて、ラガーを置いてある店ではついラガーをたのんでしまいます。ッカァ~ッ、うまいっ! 1杯目のビールは他のなにものにも代えがたいですねぇ!

店主は、開店とほぼ同時にドカッと入ったお客さんたちのもつ焼きの注文に大いそがし。ここはしらばく別のつまみで乗り切りましょうか。ちょうど目の前に来たヨッちゃん(だったかな?)にガツ酢(180円)を注文します。なにしろガツ酢は、あらかじめ作ってタッパーに保存されているのを小鉢に入れてもらうだけ。煮込みとどっちが早いかというくらい、すぐ出るメニューのひとつなのです。しかも、うまい!

「昨日(土曜日)、お客さんがたくさん来てくれたんで、今日は(もつ焼きが)終わりじまいなんですよ」と店主。「日曜日は仕入れがないんです。だから、普通のもつ焼き屋さんは日曜日が定休日なんですよね」。なぁ~るほど。言われてみればそうだ。日曜日に開いてるもつ焼き屋さんって、ここくらいですねぇ。われわれからすると、日曜日にでももつ焼きを食べることができてうれしいのですが…。

お。焼き台に少し空きができたようですね。それじゃ、私も焼いてもらいましょうか。レバーとコブクロ、ハラミを1本ずつ、塩でお願いします。(もつ焼きは1本100円)

そのとたんに、まわりからも続々ともつ焼きの注文が入り、店主も、おかみさんのゆき子さんも、そして手伝っているヨッちゃんもてんてこ舞いです。「ホルモン」(沼袋)や「カッパ」(荻窪)もそうですが、ここ「秋元屋」も、焼く前のもつは別室にある冷蔵庫で保存されていて、焼く直前に、はじめて焼き台の前にやってくるのです。

カウンターの右側(“コ”の縦の辺)のところで盛り上がっている男性ふたりは、この店に来る前からもう飲んでたらしく、とっても楽しそう。今日は、ここ野方地区の夏祭りで、さっきも御神輿(おみこし)が練り歩いてた。その御神輿の休憩所で、ふるまい酒として缶ビールを2本もらって飲んだのだそうです。この時期、夏祭りが続きますからねぇ。今週は高円寺の阿波踊り。これがこの界隈では一番盛大かな。

おぉ、来た来た。まずはレバーですね。なんか、1本100円になってからサイズも大きくなったように感じるのですが気のせい? ん~。いい焼き加減ですねぇ。夏が過ぎると、レバ刺しも出せる予定なのだそうです。これも楽しみですね。

さて。ビールもなくなってきたし、今日はお酒(日本酒)にしてみようかな。この店には、日本酒もいろんな種類がそろってるんですが、今日はごくスタンダードに菊正宗の樽酒(400円)をもらいましょうか。

店の内外に菊正宗の樽(たる)がある様子でもなかったのですが、いったいどうやって出てくるのかな。興味津々でながめていると、冷蔵庫から「菊正宗・樽酒」というビン入りのお酒が取り出されて、それをトクトクと注いでくれました。なるほどぉ。樽酒をこうやってビンに詰めた状態で販売してるんですね。これならわが家でも樽酒の味を楽しめそう。いい香りですねぇ。大好きです、このお酒も。なんだか条件反射的に蕎麦がたぐりたくなるなぁ。もうすぐ新蕎麦の季節だし…。

「もつ焼きには焼酎!」と思ってきたけれど、こうやって飲んでみると日本酒もおいしいねぇ。

追加で、テッポウ(直腸)も1本焼いてもらおかな。テッポウはなにしろ味噌ダレでお願いしますね。他のものもおいしいのですが、テッポウは特に味噌ダレによく合うのです。

楽しい時間はすぐ過ぎて、もう6時過ぎ。後ろ髪を引かれつつも、この辺でお勘定。今日は1時間で1,460円でした。どうもごちそうさま!

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月22日(日)の記録》

| | コメント (2) | トラックバック (1)

仕事帰りにおいしいお酒 … 立ち飲み「鈴傳(すずでん)」(四ツ谷)

四ツ谷界隈での仕事を終えて、四ッ谷駅まで来ましたが、ふと思い立って「鈴傳」です。時刻は午後6時ですが、さすがに月曜日とあって店内はカウンターこそ満席に近いものの、まわりの立ち飲みテーブルには比較的空きがある状態です。

この店は、カウンターの一番手前側が注文場兼受け取り場、支払い場になっていて、そこで飲みものなどを注文する仕組み。私もさっそく「小瓶のビール(350円)。サッポロをください!」と元気よく注文。するとカウンター内を仕切っている玲子さんから「小瓶はサッポロはないんだけど、キリンでいい?」と確認が入ります。「いいです。それと刺身(350円)ください」「は~い。両方で700円ね」といいつつ、まずは冷蔵ケースの中から取り出した小瓶のビールの栓を抜き、そしてカウンターの上に並んだバットから、小皿に刺身を取り分けてくれます。今日の刺身はいつものマグロの他に、タコの頭の部分が加わっています。最後にちょいとワサビを添えてできあがり。千円札を渡して、300円のおつりをもらいます。

その注文場、支払い場のすぐ横のカウンターが、ちょうどひとり分くらい空いているので、そこで飲むことにしました。

まずはグイッと1杯目のビールを飲み干して、おもむろに刺身に醤油をまわしかけます。お。刺身には刻みミョウガも添えられてるんですね。ミョウガも好きなんですねぇ、実は。

クイクイと2杯目、3杯目とビールを飲み干して(小瓶のビールはだいたいグラス3杯分なのです)、いよいよ日本酒です。どれにするかなぁ。注文場横の壁には、おすすめの日本酒が10品ほど、短冊(たんざく)に書き出されています。530円(税込み)という価格帯のものが多いようです。う~ん。迷うなぁ。一番左上端の「呉春(ごしゅん)」を飲んでみましょうか。これも530円です。

ちょっと大きめの受け皿に、ビールメーカー(アサヒビール)のマークが付いたコップが乗せられ、そこに一升瓶からお酒が注(つ)がれます。ちょうどコップにすりきりいっぱい分。ここの受け皿は、注ぎこぼすためではなくて、この注文場でお酒を入れてもらって、自分の場所に運ぶまでの間にお酒がこぼれてしまわないようにするために付いているものなんですね、きっと。

私の席は、注文場のすぐ横なので、こぼす間もなくすぐに移動でき、まずはツツゥ~ッとひと口。うわぁ。これはしっかりとした、濃い口のお酒ですねぇ。

「呉春」は、大阪府池田市にある呉春株式会社で造られたお酒です。池田市が昔「呉服(くれは)の里」と呼ばれていたことと、昔の中国(“唐”のころ)でお酒のことを「春」と言ったことから付いた名前が「呉春」なのだそうです。つまり「池田のお酒」という意味の名前なんですね。谷崎潤一郎が愛飲したお酒でもあるそうです。

今飲んでるのは「呉春」の中でも「本丸」と呼ばれる特別本醸造クラスのお酒なんですが、「白鷹(はくたか)」なんかと似た旨口の酒って感じです。燗をつけて飲んでもうまいでしょうね。

次のつまみは何にするかな。なにしろカウンターの上のケースにずらりとつまみが並んでいて、どれもこれもおいしそうなのです。煮玉子、串カツのほか、筑前煮なんかもいいですねぇ。や。一番向こうの下側はマカロニ・サラダですね。これも大好きなのです。「サラダください」とさっそく注文です。このマカロニ・サラダは350円。マカロニのほかに、キュウリやツナも入っていて、食感も味わいもいいのです。

そして、お酒のほうは前回はじめて飲んだ「伯楽星(はくらくせい)」(生詰特別純米、530円)をもう一度飲んでみましょう。ん~。そうそう。このフルーティさでしたね。「ポスト十四代の食中酒」とうたわれているお酒です。

店の中は、徐々にグループ客も増えてきて、立ち飲みテーブル席もお客さんで埋まった状態になりました。あとは入口通路側に何卓かある立ち飲みテーブル席が空いてるくらいかな。

グループの人たちは3合瓶でお酒をもらったりしています。どのお酒も「3合で」と注文すれば青い3合瓶に入れてくれるのです。

私のほうは「伯楽星」を飲み切ったところで今日は終了。ちょうど1時間の立ち飲みで、支払い総額は2,090円でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月23日(月)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

店情報: やきとり「たつや」(恵比寿)

    05092101
  • 店名: やきとり「たつや」駅前店
  • 電話: 03-3710-5844
  • 住所: 150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-8-16
  • 営業: 08:00-(翌日)05:00(月曜は14:00- )、たぶん日曜定休
  • 場所: 恵比寿駅西口から徒歩1分。
  • メモ: 1階と地階があって、1階はカウンター中心、地階はカウンターのほかにテーブル席も何席かある。焼鳥(もつ焼き)は1本160円で、1本単位で注文可。おすすめはガツ刺し(340円)。ホッピーおよび黒ホッピーあり(410円)。他に南店と西店もある。(値段は2004年8月)
  • HTML版(2003年以前): (03.05.21)(01.03.15)(00.10.19)(00.07.21)(00.06.20)(00.06.15)(00.02.23)(98.01.22)

| | コメント (0) | トラックバック (5)

おすすめはハラミとナンコツ … やきとり「たつや」(恵比寿)

恵比寿での仕事を終えて、仕事仲間たちと4人で「たつや」です。店の前に立つと、ガラリと引き戸が開き、中から出てきた店のおにいさんが「4人? じゃ、地下でどうでしょう。携帯電話も使えますよ」と、入口右手の地下への階段を指し示してくれます。グループでやって来ると、こうやって地下へ案内されることが多いのです。

この「たつや」。赤羽もびっくりの午前8時開店。朝から飲み始めることができるのです。しかも、閉店は翌日の午前5時! な~んと1日21時間もの営業時間なのです。

そんなこともあって、カウンターが主体の1階フロアは早い時間から年配のお客さんが多くて、われわれがやってくる午後6時前くらいにはもうほとんど満席状態なのです。しかし、地下のフロアは、たしか午後5時のオープンなので、1階が満席になってから、じわりじわりと地下にもお客さんが増えていくのでした。

まずはそれぞれホッピーや生ビールをもらって乾杯です。

注意しないといけないのは、この店では生ビールや日本酒などの飲みものが高いということ。生ビールは中ジョッキが710円。日本酒は大徳利が1,000円なので、普通のお店の感覚でおかわりを繰り返すと、お勘定のときにビックリということになるのです。

したがって、最初の1杯を生ビールで乾杯したら、それ以降はホッピー(410円)に切りかえてチビチビとやる。あるいは、ホッピー好きな人であれば、最初からホッピーですっ飛ばすというのがいいと思います。ちなみに、ホッピーは赤黒そろっています。

お通しのキンピラゴボウをつっつきながら、おつまみを選びます。やっぱり「たつや」といえば、まずは「ガツ刺し」(340円)でしょう。それと「やきとり盛合せ(5本)」(800円)ももらっときましょう。どっちも2人前ずつね。やきとりは塩でお願いします。

それにしても、やきとりも高くなりましたねぇ。1本160円ですか。夜中も営業してるから、その分、割り増し的な価格設定になってるのかもしれませんね。

「ガツ刺し」は、丸い深皿に細切りになったガツ(豚の胃袋)が盛られ、酢醤油がたっぷりと張られています。上にはこれまたたっぷりと刻みネギがのり、皿の縁には練りガラシが添えられています。いろんな流儀があるんでしょうが、私はいつもこのカラシを酢醤油の中に落として、グリグリとかき回し、全体を一体化した状態にしてから食べはじめるようにしています。こうすると、最初から最後まで、同じような味わいでガツをいただくことができるのです。

「やきとり盛合せ」は、ハツ、カシラ、レバー、タン、ツクネで1人前。塩焼きと指定して、レバーとツクネが入っているところに、店の自信のようなものを感じますね。レバーは素材が、そしてツクネは下ごしらえがしっかりしていないと、なかなか塩焼きでは出せませんもんね。

飲みものも随時おかわりしながら、食べものも人気の「川エビ」(450円)のほか、やきとりもハラミ、ナンコツを2本ずつ塩焼きで追加します。この店のやきとりの中では、私としてはハラミとナンコツが最もおすすめです。

ひとりでチンマリと飲むときのおすすめとしては、まずホッピー(410円)とガツ刺し(340円)を注文する。するとお通し(400円くらいなのかな?)も出てくるので、1杯目のホッピーはこれらでいただき、ホッピー(410円)をおかわりするときにハラミとナンコツ、そして好みに応じてレバーなんかを、それぞれ1本ずつ塩焼きしてもらう(160×3=480円)。これで「ごちそうさん」と席を立てば、お勘定は2,000円ちょっと。毎日飲める額ではありませんが、ま、これくらいなら許容範囲かな、というところではないでしょうか。

われわれのほうは、さらにハラミをもう1回と、タンシタ、ギンナンをそれぞれ2本ずつ追加です。ハラミはやっぱり人気がありますね。

今日は約2時間過ごし、4人で10,680円(ひとり平均2,670円)でした。どうもごちそうさま。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月26日(木)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

店情報: 居酒屋「さいき」(恵比寿)

  • 店名: 酒寮「さいき」
  • 電話: 03-3461-3367
  • 住所: 150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-7-12
  • 営業: 17:00-24:00(22:45料理LO)、土日祝
  • 場所: JR・営団恵比寿駅徒歩2分
  • メモ: 創業昭和23(1948)年。酒は賀茂泉、一ノ蔵各500円など。
  • HTML版(2003年以前): (03.12.22)(03.10.10)(02.12.13)

| | コメント (0) | トラックバック (6)

恵比寿な夜 … 居酒屋「さいき」(恵比寿)

たつや」をあとに、所用で帰宅したひとりを除いた3人で二次会に向かいます。恵比寿界隈にもいいお店が多くて本来ならば迷うところですが、今日は3人の中に「さいき」の大常連さんであるK氏が含まれているため、ちぃ~っとも迷うことなく「さいき」に向かいます。道すがら、K氏がお店に電話を入れて、3人入れることも確認がとれたので、大安心です。

入口の引き戸を元気よく開けると、「お帰りなさぁ~い!」と、「さいき」ならではのお迎えの声がひびいてきます。午後8時前の店内は7~8割程度の入り。右手のテーブル席にも空きがあるようなので、われわれはそっちに案内されるかな、と思いきや、店主のクニさんが指差したのは、なんとL字カウンターのLの短辺。一番入口に近い部分の3席です。

「えぇ~~っ! いいんですか!」と確認しつつ、その席にずらりと並んで座ります。私なんて一番奥の壁際。このL字の一番手前は、いつも本当に大常連さんが座っている席で、この店に通い続けた人たちの「上がりの席」とも呼ばれているくらい。なにしろ、カウンターの中、この目の前が店主・クニさんの席。ここにでんと座って、お客さんたちとの会話をくりひろげる場所ですからねぇ。自然とそのまわりに大常連さんたちが多くなるようなのです。

さっそくK氏がキープしている焼酎「吉四六」を水割りで作ってもらって乾杯です。お通しは小鉢に入った煮物。これをチマチマとつつきながら二次会のスタートです。

カウンターのお客さんたちは、われわれを除いてはひとり客。それぞれが別々に入ってきて、別々に飲んでいるのに、それぞれの人たちがみんな顔見知りの様子。「この前、あれからどうした」「ん~。あの後? あれからねぇ、……」なんて会話からすると、顔見知り以上の、まさに『さいき同好会』の面々が集う場といった雰囲気ですね。

つまみのほうは、トマト(450円)と冷やっこ(450円)に、シメ新子(750円)をもらいます。新子(しんこ)はコハダの幼魚のこと。私自身、今シーズン初の新子ですが、新子が出るのは7~9月くらい。これで今年は最初で最後になるかもね。

そういえば前回、常連のお医者さんがこの店のことを書いた本を出版する予定であるということを書きましたが、いよいよその本が出版されました。前回の議論にもあったとおり、本の名前は「恵比寿な夜」。

「さいき」で出会った人々を題材としたエッセイ集なのですが、それぞれの人に、それぞれのドラマありで、「さいき」を知らない人が読んでもとてもおもしろいのではないでしょうか。しかし。「さいき」に行ったことがある人が読むと、なにしろどの人のことを書いているのかというのもよくわかって、よりいっそうおもしろいのではないでしょうか。さらにさらに、「さいき」のお店の様子そのものも浮かんでくるので、本を読んでいるだけで「さいき」に行った感じになるのです。

午後10時半をまわるころまで、常連のみなさんたちの輪の中で楽しく過ごし、お勘定です。「今日は39円です」。この店では100分の1の単位でお勘定が告げられるので39円は3,900円のこと(ひとり平均1,300円)。K氏のキープをいただいたおかげで安くつきました。どうもごちそうさま。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月26日(木)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

バーテンダーの心得 … バー「ブリック」(中野)

私の横浜での単身赴任生活もそろそろ丸3年になろうとしています。金曜日の仕事を終えると、電車で東京の自宅に向かいつつ、途中でどっかの酒場に引っかかるのも定番となってきました。たいていは東京へ向かう電車の中で「しばらくもつ焼きを食べてないなぁ」とか、「刺身が食べた~い」というところからはじまって、それじゃと店が決まっていくパターンなのですが、なぜか今日はボォ~ッと半分眠ったような状態で、気がつくともう中野。う~む。今宵どこで飲むかについては「ブリック」で飲みながら決めることにするか。

午後7時過ぎの「ブリック」の店内は1階カウンターが6~7割程度の入り。金曜日は都心部で飲んでから郊外で二次会、三次会という人が多いのか、この界隈のお店はいずこも早い時間は比較的ゆったりめのようなのです。

私もL字カウンターの短辺の角に近い位置に座り、まずは生ビールの小(400円)をもらいます。生ビールからのスタートするというのも、このところの「ブリック」の定番になってきましたが、なんでもなくスゥ~ッとついでくれるこの店の生ビール(モルツ)がとっても喉越しがよくて好きなのです。

お通し(400円)は何種類か用意されているようなのですが、飲み物として生ビールをたのむと枝豆がお通しになることが多いようです。少なくともここ3回くらいはそのパターンが続いています。

この店では、席につくとまずメニューの飲みもののページを開けて渡してくれます。そして飲みものの注文を終えると、今度はつまみのページを開けてくれるのです。今日はポテトサラダ(400円)をもらいましょうか。(ただし、すっごく常連さんで、注文するものもほぼ決まってるような人にはメニューは渡さないようです。)

生ビール(小)をググゥ~ッと3口くらいで飲み干して、トリハイ(トリスのハイボール、200円)をもらいます。

注文をすると、普段は目の前に立ててあるレシートが、さっと横向けに寝かされます。そしてバックバーからグラスをひとつ取り出して、メジャーカップでちょうど1ジガー(45ml)分のトリスを量ってグラスに入れます。そしてカウンターの中に山と詰まれた氷をカラカラとグラスに入れて、炭酸をシュワァ~ッと注ぐ。クルクルッとステアしたあと、ピッとレモンピールし、その皮もグラスに入れてできあがりです。

「はい、どうぞ」とコースターの上にトリハイを出してくれ、レシートにチェックを入れると、また元のようにレシートが立てられます。つまり、レシートが横になっている人は現在注文待ちの状態だということなんですね。

サントリーのトリスバーのページの中で、ブリック店長の菊地さんが「バーテンダーの心得は五つあります。公平であること。正確であること。親切。丁寧。スピード。これは接客の五原則です。この底にある一番大切なものは『こころ』。この一点です」ということを述べられていますが、これは店内でも徹底されていて、単価200円のトリハイでも1杯1杯をきちんとメジャーカップで計量しながら正確に、丁寧に作られるのです。バーテンダーのみなさんがきちんきちんと仕事をこなしていくさまは見ていて実に心地よい。

ポテトサラダにはマスタードが添えられているのですが、このマスタードがいつもピリッとよく効いてるんですよねぇ。ポテトサラダが出されるのと同時に、ウスターソースの瓶も出てくるところが、いかにも古くから続いているバーらしいですよね。

トリハイのおかわりをもらいましょうか。

そうそう。今宵どこで飲むかを決めなきゃね。この界隈だと、もつ焼きならば「」、魚ならば「第二力酒蔵」や「らんまん」。グダグダとしゃべりながらくつろぐのであれば「路傍」や「北国」なんかがパッと思いつきます。

ん? そういえば先日南口界隈を散策してるときに、急にノスタルジックな一角を見つけたなぁ。飲み屋っぽいのも何軒かあったような…。よし、あそこに向かってみよう。

そんなわけで、どうもごちそうさま。約1時間の滞在で、1,540円。お店のみなさんの「どうもありがとうございました」の声に見送られながら中野駅南口方面へと足を踏み出したのでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月27日(金)の記録》

| | コメント (1) | トラックバック (3)

店情報: うなぎ「ばんば」(中野)

  • 店名: うなぎ「ばんば」
  • 電話: 03-3381-8344
  • 住所: 164-0011 東京都中野区中央4-61-4
  • 営業: 12:00-13:00(月火木金のみ)、17:30-23:00、日と第3土または第3月休
  • 場所: JR中野駅南口を出て、中野通りに沿って南下すること約5分。大久保通りなどと交わる「中野五差路」の先左側が中野センターで、「ばんば」もその中にある。
  • メモ: うな丼(鰻定食、1,200円)、うな重(2,500円)、鰻骨(300円)、生ビール(500円)、お酒(350円)。他に鰻キモ焼、ヒレ焼、カブト焼など。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ウナギの白焼を塩で … うなぎ「ばんば」(中野)

ブリック」を出て、中野駅北口のバスターミナルを回りこむようにして中野通りに出ます。このまま中野通りに沿って南下すると、目的の「中野センター」に出ることができるのですが、せっかくですので中野通りの1本西側を平行して通っている「ファミリーロード商店街」を南下しましょうね。どの街もそうだと思うのですが、バスも通るような大通りよりは、その1本か2本かはずれたところにあるのが飲み屋街。どうせ歩くのなら飲み屋街の中を歩くほうが楽しいですからね。

この「ファミリーロード商店街」の中ほどにあって、今日もたっぷりのお客さんでにぎわっているのが立ち飲み・焼き鳥の「やきや」です。名前からもわかるとおり荻窪の「やき屋」の姉妹店。両方くらべると中野のほうがやや高いものの、それでも界隈の標準的な居酒屋価格とくらべると安いのが特長です。

「やきや」を通り過ぎると、間もなく大久保通りに突き当たります。そして、その大久保通りの横断歩道を渡った先、右手側にど~んと横たわっている古びた建物が「中野センター」なのです。2階か3階部分にあたる壁のところに「中野光座」と書かれているところを見ると、昔は映画館かなんかだったんでしょうね。

「中野センター」の大きな建物にそって、時計まわりに回り込むように進むと、ラーメン屋や古びた小料理屋「わか松」などがテナントとして入っていて、なんだかそそられます。他にも食料品店などの店も入っているようです。

へぇ~っと思いながら歩いていると、その並びに漫画風にかわいいうなぎの絵が描かれた電燈看板があるお店を発見。開けっ放しの入口からは、何人かのお客さんが飲んでいる様子も垣間見えます。よし。この「ばんば」というお店に入ってみましょうね。「こんばんは」。

「いらっしゃいませぇ」と迎えてくれたのは、ご夫婦と思しき店主とおかみさん。店内は入口の正面から右手にかけてL字型カウンターがあり8人くらいはかけられそう。左手側と、右手手前側にそれぞれ1卓ずつテーブル席があり、それぞれ4人ずつ座れます。

午後8時半の店内は、カウンター右手奥に若い3人連れ(男2、女1)、カウンター左手奥には年配の男性1人客が座っています。私も入口を入ってすぐ、ちょうど両者の中間あたりでもあるカウンター角のところに陣取ります。

「なんにしましょう」と店主から声がかかります。「お酒をお願いします」「え~と。お酒はここに並んでるのになるんですけど」と指し示された壁際を見ると、「辛丹波」「一ノ蔵(特別純米)」「高清水」「上善如水」などの一升瓶が何本か並んでいます。それぞれの値段は明記されてないので、まずはだいたい値段がわかるところでいきますか。「高清水(たかしみず)を!」「冷たいのですか」「ええ。冷たいのでお願いします」。

すぐにカウンターの中で受け皿とコップが用意され、目の前に置かれます。そして店主がカウンターの中から出てきて、入口左手手前にある冷蔵庫から「高清水」の一升瓶を取り出して、トトトトッとあふれるまで注ぎこぼしてくれます。コップがビールメーカーのものなので、注ぎこぼれるまでいくと1合以上ですね。

その間に、カウンターの中のおかみさんが、カウンター上段に並んでいる大皿の中から、ヒジキの煮物を小鉢に取り分けて、お通しとして出してくれました。

まずは「高清水」を口から迎えにいって、ツツゥ~ッとひとすすり。ッカァ~ッ。染みますなぁ。

東北のお酒(「高清水」は秋田の酒)はすっきりとした味わいが多くて、珍味的な味付け(塩辛い系統のもの)にとってもよく合うように思います。それにくらべると、広島(西条)や愛媛などの瀬戸内のお酒は、つまみが瀬戸の小魚などの淡い味わいが多いからか、お酒のほうはいかにも日本酒といった感じの濃い味のものが多いように思うのですが、どうなんでしょうね。

それにしても、このヒジキの煮物。おいしいですね。上にのってるのは身欠きニシン。具の一部として入っている油揚げもいいバランスをかもし出していて、これだけでしばらくはいけちゃいます。

右側に座っている若い人たちは、肩から腕にかけてタトゥー(入れ墨)を入れていたり、姿かたちもいかにも今風なのですが、店主夫婦としゃべっているのを聞いていると常連さんの様子で、言葉遣いも「レモンサワーをお願いします」などときちんとしている。

若い人も年寄りも、どっちもが遠慮なく入れるようなお店は意外に少ないのですが、どうやらここはそういうお店のひとつのようですね。

さてさて。私もつまみを選びますか。さっき若い人たちはウナニラ(400円)なんてたのんでました。ウナギの入ったニラ玉なのかなぁ。カウンターの上から壁にかけて、ずらりとメニューの短冊が並んでいますが、値段は書いてあったりなかったり。若い人とお年寄りが多いお店は、(自分のお金で飲んでる人が多いので)それほど高くないことが多いので安心です。

焼き鳥、うなぎ串焼き系が各種、さらにカウンター上段にはおかみさんの手作りと思われる料理類が並んでるんだけど値段は明記なし。珍味類は塩らっきょう(300円)、鯛しおから(350円)、酒盗(350円)などなど。そしてウナギ。今日は初回だから「うなぎ白焼」(1,200円)にしてみるかな。

「白焼をお願いします。」「はい。白焼ね」と返事した店主。右に続くカウンターよりもさらに右奥側にあるらしき焼き台に向かいます。

この店は昼間もやってるようで、うな重が2,500円、うな丼(定食とも書かれている)は1,200円。壁のメニューにはなにやら割引情報(特定の曜日は安いといったことなど)も書かれています。

このあたりで年配の男性客が帰り、入れかわるようにこれまた男女3人連れ。こちらは私と同じくらいの中年のお客さんで、高円寺の阿波踊りを見に行って、その帰りにここにやってきたようです。この3人もいかにも常連さんのようで、注文もそこそこに盛り上がりはじめます。

さぁ、白焼も出てきました。四角いお皿の上側に腹の部分。下側に尻尾の部分と2列に並べられた白焼は、見た目も実に美しい。まずはひと切れ切り分けてパクリと口に含みます。

ん~。このアブラののりが白焼きですねぇ。蒲焼きにするには、ここから「蒸し」の工程に入り、最後にタレをつけて焼き上げていきます。その「蒸し」が入ってない分、白焼はカリッとアブラがのった感じで仕上がるんですね。個人的には蒲焼きよりもむしろ白焼が大好きです。

次のひと切れは定番の食べ方でワサビ醤油。うまいよなぁ。蒲焼もさることながら、実はこの食べ方が一番うまいんじゃないかなぁ。すくなくとも酒を飲んでるときには。ただ、表面積が広いということもあって、すぐに熱々の状態じゃなくなってしまうことだけが欠点なんですよねぇ。ひと口ごとに、いつまでも熱々で食べられる白焼があると本当にいいんだけどなぁ。

お酒。「高清水」のおかわりをお願いします。

「は~い」とまたまたカウンターを出て、こちらの冷蔵庫から高清水を注いでくれた店主。そのついでに「この白焼は山椒粉と塩で食べてもうまいんだよね」といいながら、四角い皿の横っちょのほうにちょいちょいと山椒粉と塩を入れてくれます。そして「これで試してみて」と言いつつカウンターの中へ。

どれどれ。ほぉ。もつ焼きの塩焼きと同じように、塩だけで食べるほうがウナギそのものの味がダイレクトに入ってきます。たしかにこれはうまい。しかしこれまたもつ焼と同じように、この食べ方でこうやって「うまい」と感じるのは、素材も相当良いんですね。そうでなければこの食べ方はすすめられませんもん。

やぁ。おいしかった。どうもごちそうさま。初回の今日は1時間の滞在で、お酒を2杯にお通しと白焼で2,400円でした。

中野も、このあたりまで来るとまだまだ発見が多いですねぇ。『恐るべし、中野!』ですね。

店情報

《平成16(2004)年8月27日(金)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

店情報: とんかつ「鉄路(てつろ)」(阿佐ヶ谷)

    S1080881
  • 店名: とんかつ「鉄路」(てつろ)
  • 電話: 03-3338-4788
  • 住所: 166-0004 東京都杉並区阿佐谷南2-42-1
  • 営業: 11:30(土日祝は12:00)-14:30、17:00-20:30、水休
  • 場所: JR阿佐ヶ谷駅東口を出て、中央線高架にそって高円寺方向に横断歩道を渡ると、ガード下の建物がゴールド街。その1階の一番奥、左手が「鉄路」。
  • メモ: 小カツ定食(トンカツ定食)900、中カツ定食(トンカツライス)1,200、大カツ定食(大カツライス)1,600、豚生が焼ライス750、鳥から揚ライス950、ハンバーグ定食(ハンバーグライス)750、イカキスフライ定食750、魚フライ定食700、イカフライ定食700、ランチ750、チキンソティライス950、ハヤシライス700、野菜サラダ600など。(2007年4月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (01.08.25)(01.03.18)(00.08.14)(00.08.11)(00.05.01)(00.04.08)(99.08.23)(99.08.05)(99.08.02)

| | コメント (0) | トラックバック (2)

人気の定食屋が復活! … とんかつ「鉄路(てつろ)」(阿佐ヶ谷)

JR中央線阿佐ヶ谷駅のガード下に「鉄路(てつろ)」という名のトンカツを中心とした定食屋さんがあります。この店の売りは盛りの多さと肉のうまさ。ところがここ数年、店が閉まっていることが多かったのです。「どうしたのかなぁ」と思いながら、この近くを通るときにのぞいてみるようにしていたところ、先日、ついに開いているのを発見。とはいえ、ちょっと遅い時間だったので、店はおかあさんと息子さんとか片付けをしている最中。「またやるようになりましたか?」と聞いてみたら、おかあさんから「はい。前のように5時からすぐということにはならなくて、少し遅れて開店ということになるかもしれませんが、やっていきたいと思います。よろしくお願いします」とうれしい返事が返ってきたのでした。

すぐにでも行ってみたいと思っていたのですが、なかなか「鉄路」の営業時間内に阿佐ヶ谷まで帰って来ることもままならず、今日になってしまったのでした。

「こんばんは」と久しぶりに「鉄路」の入口を入ったのは午後7時40分。以前と同じようにカウンターに座ろうとしたところ、おかあさんから「テーブル席にどうぞ」と声がかかります。「え? いいんですか?」

以前はとにかくいつ入っても満席。ひとりで入ってテーブル席に座るなんてことはあり得なかったのです。ところが今は3割程度のお客さんしかおらず、テーブル席にもゆったりと空きがあります。しばらく閉めてたからしかたないのかなぁ。

店内は入口を入るとまずL字型のカウンター(Lの左側が入口)があり、ここに10人ばかり座れます。そしてそのカウンターの右奥すぐのところにテーブル席(4人掛け)が2つ。さらにもっと右奥にウナギの寝床状にテーブル席が2~3個続いているのです。(ウナギの寝床の奥のほうにはほとんど行ってみたことがないので、どうなっているのかよくわかりません。)

さて。この店で私が大好きだったのはポークソテーライス。再開一発目はぜひそのメニューでいきたいですね。どれどれ。壁のメニューを確認してみると、なんとポークソテーがない! ポークソテーばかりか、メニューの半分くらいは上から紙が貼りつけられています。

この店は、以前来てたときはおとうさんとおかあさん、そして息子の3人に、手伝いのおばちゃんが入って4人の体制でやってたのです。ところが、先日も今日も、フロアを担当するおかあさんと、調理を担当する息子の2人で店を切り盛りしている。

どうやら、以前はほぼひとりで調理を担当していたおとうさんになんらかの異変があってしばらく休業状態が続いていたものを、息子ができるレパートリーだけで再開したといった状態のようです。

ポークソテーはないものの、チキンソテーはあるようですね。「チキンソテーライス(950円)をお願いします」。水をもってきてくれたおかあさんに注文したところ、以前と同じように「チキンソテーは少し時間がかかりますが、よろしいですか」という確認が入ります。「はい、大丈夫ですよ。それとビールをください」「はいはい」。

すぐにビール(キリン一番絞り、中ビン、450円)とお通しの冷奴が出されます。さっそく1杯目のビールをプハァ~ッとやり、冷奴をひとつまみしたところで、2品目のお通しであるお新香(キュウリと大根のヌカ漬け)も登場します。そうそう、忘れるところだった。「ご飯は少なめでお願いします」。

なにしろ、ここのご飯は普通だと丼2杯分くらいありますからねぇ! 少なめでも丼1杯分よりは多いかも…。昔はバクバクかっこめてたんですが、さすがにこの年になるとビールも飲んで、普通の量のご飯を食べてというのはむずかしいですからねぇ。

カウンターの中には調理人(昔はおとうさん。今は息子)を取り囲むようにコの字型の三つの辺にそれぞれコンロがスタンバイされていて。コの字のど真ん中に立つと、コの上の辺(調理人の左手)にトンカツなどの揚げ物用の鍋が、右の辺(調理人の正面)には生姜焼きなどのフライパンを振って調理をするためのコンロが、そして下の辺(調理人の右手)に味噌汁用、デミグラスソース用、そしてソテーなんかをするためのフライパン用のコンロがずらりと並んでいるのです。

わがチキンソテーのチキンも下ごしらえが終わり、フライパンに乗せられて下の辺のコンロに乗せられます。「北島亭」(四ツ谷)の焼き肉もそうですが、ここ「鉄路」の焼き肉(ソテー)も、それほど強くない火でジワリジワリと肉に熱が入れられるのです。このあたり、おとうさんの技を息子さんも引き継いでくれていて、とってもうれしく思います。

前にポークソテーを食べたときは、たしか息子が作ってくれたので、彼もポークソテーは作れるんではないかと思うんですけどねぇ。おとうさんが横で目を光らせてたからできたのかなぁ。

ビールを飲みながらチキンソテーの焼き上がりをじっくりと待っている間にも、お客さんは次々と入ってきます。「ランチ(700円)ください」「トンカツライス(950円)ね」「チキン唐揚ライス(950円)お願いします」。なんだか、みなさんが注文しているそれぞれの品物が、みんななつかしいですねぇ。

ここは根がトンカツ屋さんだけあって、トンカツ系は3種類のメニューがラインナップ。まず普通のトンカツである「トンカツ定食(800円)」。ぐんとトンカツが大きくなって「トンカツライス(950円)」。さらにはそのグンと大きいのが2枚のった「大カツライス(1,200円)」です。そうそう。「ヒレカツ定食(1,000円)」というのもあります。

そういえば、昔社宅に住んでたときに、向かいに住んでた奥さんがこの店のスパゲティ・ナポリタンを注文し、(あまりにも大盛り過ぎて)「食べても食べても終わりが来ない」と言っていたのを思い出します。え~と。あ。スパゲティもなくなっちゃいましたか。あのナポリタンもおいしかっただけに、ちょっと残念ですね。

さぁ、来ましたよぉ。懐かしの「チキンソテーライス(950円)」です。銀色の長円形のお皿の右側に主役であるチキンソテーが2塊り。そして左側にはこれまたたっぷりのつけ合わせであるキャベツの千切り。そして左手前にはポテトサラダと、スライスされたゆで玉子(1個分)が添えられています。さらには別皿でご飯と味噌汁、そしてお新香です。

ポークソテーはあらかじめカットされてるんですが、チキンソテーはまるごと出され、いっしょに出てくるナイフとフォークで切り分けながら食べるというのも以前どおり。

ど~れ、まずひと切れ。う…、うまいっ! ちゃんと味を維持してるじゃありませんか。見直したぞ、息子!

そうしてみると、メニューを半分くらい消しちゃったというのは、おとうさんのやってたメニューをすべてやろうというのではなくて、ひとまず自分が自信を持って出せるところに絞ったということなんでしょうね。そうか、そうか。ポークソテーもスパゲティ・ナポリタンも、きっとおいおいと復活してくることでしょう。

長く閉まってましたからねぇ。常連だったお客さんたちにできるだけ早く戻ってきてほしいですね。

どうもごちそうさま。ちょうど1時間の滞在で、今日は1,400円でした。また来なきゃね。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年8月30日(月)の記録》

| | コメント (2) | トラックバック (1)

たっぷりと肉ドーフ … 居酒屋「金田(かねだ)」(自由が丘)

会社のイベント(工場祭)で午前中から飲み続け、東京に向かう電車に乗ったのは午後7時半ごろ。ウィ~ッ、よく飲みました。しかし、屋外での行事だったこともあって、つまみも汁っけがないもの(乾き物や、焼き鳥、焼きイカ、フランクフルトなど汁がポタポタと落ちないもの)中心。最後はなんとなく汁っけたっぷりのもので締めたいですね。

そんな思いで東急東横線・自由が丘駅で途中下車です。ここには、東京で1、2を争う居酒屋の名店「金田」があるのです。

先ほどから急に降り出した雨の中、入口の引き戸を2回くぐって店内へ。入口を二重構造にしているのは、風雨を避け、冷暖房時の室内温度を維持したりすることが目的なんでしょうね、きっと。

午後8時20分の店内は7割程度の客の入り。「いらっしゃいませ」と声をかけてくれた店主に指し示されるまま、ダブル「コ」の字カウンターの小さいほうのカウンターに腰をおろします。そして、すぐに来てくれたおねえさんに、まずは「花の井」(燗酒、380円)を注文。おもむろにA3用紙にコピーされたメニューを確認します。

「花の井」とともに出されたお通しはミニ冷奴です。お通しとしてミニスープ豆腐が出ることが多いのですが、夏場はミニ冷奴なんでしょうか。つるんと喉越しもいいですね。

そうそう。汁っけのものでしたね。それじゃ「サンマ団子汁」(500円)をお願いします。

「金田」のメニューは100品近くあるのですが、お造り、蒸し物、鍋物、煮物、酢物、串焼、焼物、揚物、その他一品料理、飲物ときっちりと分類されて表記されています。サンマ団子汁は、この中で「鍋物」に分類されている一品です。

来た来た。蓋付きのお椀で出てくるところがいかにも「金田」風。居酒屋なんだけど、ちょっとした小料理屋風の出てきかたをするのです。

お椀を鼻の近くまで持ってきて、ヨッと蓋を取ります。フワリと香るダシのいい匂い。これが蓋付き椀のいいところですねぇ。そのまま汁をひとすすり。ッタァ~ッ。ずぅ~っと乾いていた体の中に、ダシ汁が染みわたります。

お椀の中には、大きな団子(サンマのツミレ)が2つ。シイタケと白ネギが添えられ、ダシ汁がたっぷりと張られている。見た目も実にうまそうじゃありませんか!

団子もサンマの味がしっかりとしています。それにしてもこのダシがねぇ。……。なんてことで、実をつつき、汁を飲みしているうちに、お酒もほとんど飲まないままに、サンマ団子汁はすっかり胃袋の中に納まってしまいました。なにしろ汁っけに飢えてましたからねぇ。しかたない。もう一品いきましょう。同じく「鍋物」の中から、今度は「肉ドーフ」(700円)をお願いします。

9月に入り松茸も出始めたようで、メニューの中には「松茸土瓶蒸し」(1,500円)、「松茸茶碗蒸し」(900円)なんて品もあります。それらにも非常に引かれたのですが、今日はなにしろ午前中から飲んでるもので、すでに酔いが相当進行してしまっている。こんな状態で松茸もなぁと、今回のところはあきらめておいたのでした。

さあ来ました。肉ドーフです。お盆の上に鍋敷きが置かれ、その上にひとり用の鉄鍋がすえられています。手前にチリレンゲ、そして左には取り分けるための小鉢が置かれ、これまた小料理屋風の上品さでの登場です。

肉ドーフは、豚肉と豆腐、それにたっぷりの玉ネギをちょっと甘めに煮て、最後に玉子をフワリと仕上げた一品。ボリュームもたっぷりです。

あったかい豆腐をつついて、酒をひと口。肉をつまんでは、酒をひと口。そしてズズッと汁をすすってまたひと口と、つまみもお酒も進みます。

本当はお酒をもう1本いただきたいところですが、土曜日はいつもより30分早くて、午後9時にラストオーダーになり、午後9時半が閉店なのでした。

たっぷりの肉ドーフも食べ終わり、最後の日本酒もグイッと飲み干して、お勘定をお願いしたのは午後9時20分。少なくとも1階カウンターでは最後のお客になってしまってました。(2階から上にまだお客さんがいるかどうかは不明。)

「1,630円です」。ニッコリ顔の店主が、いつものようにしっかりと区切るようにお勘定を告げてくれます。はい。どうもごちそうさんでした。

すでに後片付けの段階に入っていた厨房の人たちも含めて、店中の人たちからの「ありがとうございました」の大合唱をうけながら、店をあとにしたのでした。やっぱり「金田」はうまいなぁ。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月4日(土)の記録》

| | コメント (0) | トラックバック (1)

穴子の押し寿司 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

明日の仕事に備えて、横浜での仕事終了後に自宅に移動し、西武新宿線・都立家政駅で下車したのは午後10時半。ちょっと腹ごしらえをしてから帰りましょうね。

「竹よし」の前で傘をたたんでいると、店の中から店主が「いらっしゃいませ」と出てきて、あわてて外においていたもの(濡れては困るもの)を店内にしまいこみます。どうやらこちらの雨はついさっき降り始めたばかりの様子。私が傘をたたんでいるところを見て、はじめて雨に気づいたようなのです。

横浜では雨が上がったのに、こちら東京は今がまさに雨