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2004年10月

おすすめ! 湯豆腐 … 立ち飲み「富士屋本店(ふじやほんてん)」(渋谷)

金曜日の今日は恵比寿方面で仕事終了。仕事仲間たちは“よ~し。今日は「徳ちゃん」で肉でも食いながらビールにしよう!”と、すでに十分な臨戦態勢です。ところがねぇ。私は明日は熱海で同窓会。今日飲み過ぎると明日が大変なので残念ながら「徳ちゃん」には不参加です。なにしろ今日のメンバーには大のビール好きが2人そろってますからねぇ。軽~く済むとは思えない。そもそもみんなと楽しく飲むときは、自分が一番ブレーキがきかないですから…。

そんなわけで恵比寿駅でみんなと別れたものの、せっかくの週末なのに何も飲まないというのも寂しすぎる。ちょっと一杯やって帰ろうかと降り立ったのは、となり駅の渋谷です。ひさしぶりに立ち飲みの「富士屋本店」に行ってみようとしているのです。なにしろ立ち飲みだとほとんど飲み過ぎることはないですからねぇ。どんなに酔っても自分が立ってられる限度内だし、なによりそんなに長くは立っていられない。まさにサッと飲んでスッと帰るということが身体的な面でも要求されてしまう場所なのです。

入口の小さな看板のところから地下に向かう階段を降りていきます。こんな殺風景でほとんど目立たない入口の奥に呑んべのパラダイスがあろうとは。まさに“知る人ぞ知る”名店なのです。

階段を降りきって通路にそって身体を左にひねるとド~ンと広い店内が目の前に現れます。ビルの地下全体が1フロアで、そのフロア全体を変形「ロ」の字型(凹の字型との折衷くらい)のカウンターがぐるりと取り囲んでいて、入口左手側と右手側の2辺には壁ぎわにサブカウンターも作り付けられています。

午後6時半といういかにもお客が多そうな時間帯ですが、ラッキーなことにちょうど入り口の正面の角のところのお客さんが席を離れたばかり。さっそくその後がまとして、その場所に陣取ります。器をさげてカウンター上をきれいに拭いてくれている女将さんに、まずはビールを注文します。

カウンターの中には何人かの女性と何人かの男性がいて、都合4~5人くらいで全体を切り盛りしているようです。

ビールはサッポロ黒ラベルの大ビンで450円。大ビンが450円というのは他の土地と比べてもかなり安いと思います。渋谷の中では一番安いかも!

つまみのほうは、まずはマグロ中落ち(350円)をもらいましょうか。

その中落ちが出て「じゃ、両方で800円ね」とあらかじめカウンターの上に置いておいた千円札2枚のうち1枚をとり、おつりの200円を残った1枚の上に置いてくれます。この店は注文した品が出されたとき払いのキャッシュ・オン・デリバリー制。私の場合は「今日は2千円くらいで飲もう」と思っていたので最初から2千円をカウンター上に置いていたものです。こうしておけばこの2千円がなくなったタイミングで帰ればいいですからね。こうやってあらかじめカウンター上にお金を置いておいて、注文の都度そこから持っていってもらってる人が多いのはたしかですが、もちろんその都度ポケットからお金を出して払ってもかまいません。

「ゴボウ天お待たせ。200円いただきます」と、となりのカップルのところにゴボウ天(200円)が出てきます。丸皿からあふれんばかりのゴボウのかき揚げでシャクシャクという音も小気味よくておいしそうです。見回してみるとこの山盛りのゴボウ天をつっついているお客さんが多い。人気の品のようです。

そのゴボウ天よりももっと高い頻度でみんなの前に出されているおわん。なんだろうねぇ、あれは。ちょうどそのとき、向こうにいたサラリーマンふたり連れが「湯豆腐ふたつね!」と注文。件のおわんがふたつ、彼らのもとへ出されます。なるほど湯豆腐(200円)だったんだ。私ももらってみましょう。「すみません。お酒を燗で。あと湯豆腐をお願いします」。

お酒は埼玉の「寒梅(かんばい)」が280円。幻の銘酒といわれた「越の寒梅」と名前が似てますがまるで別ものです。念のため…。

そして小さいおわんに入れられた湯豆腐。このツユがただのお湯ではなくて、なんとダシ汁。「三州屋」(銀座新橋など)の鳥豆腐(とりどうふ)風のうまみがあるのです。ほとんどの人が注文するほど人気がある理由が、ほんのひと口でわかるほどの逸品。いいですねぇ、これは!

私の左どなりでは、男性ひとり客がウコンハイを飲みながらもうすっかりできあがってきた様子。この店は立ち飲み屋なのにほとんどがグループ客。ざっと見たところひとり客は、私と左どなりのお客さんも含めて5人いるかどうかといったところ。ざっとみても数十人(50人くらい?)が立ち飲んでる中の5人ですからねぇ。これも珍しい。渋谷ならではでしょうか。

左どなりのお客さんは、入り口横に設置されているテレビを振り返るようにして見ながら「なんだ! このやろう!」とテレビに向かって怒ったかと思うと、こっちを向き直って「どうもすみません。酔ってるもんで。ヘヘ…」なんて愛想笑いを振りまいたりしている状態。「あたしゃぁ、シロシっつうんだけどね。今日は先に“やまがた”でやってきちゃったもんで、もうそろそろやめとかなきゃね」といいつつ、焼酎をトトトッとつぎたしてクイッとひと口。「わっ。っきゃろう。濃いなぁ、こいつは! エヘヘ。すみませんね、どうも」なんて、自分の入れた焼酎を怒りながら、こっちを向いて笑ってる。

このお客さんは本当はヒロシさんって言うみたいなんだけど、下町生まれなのか‘ヒ’の発音ができなくて‘シ’になってしまう。だから自分の名前が“シロシ”になっちゃうんですね。ちなみにもつ焼きで腸のことをシロと呼ぶのも、もともと腸のことを示す‘尋(ひろ)’のことなんじゃないかなぁと思ったりしています。

「“やまがた”でやってきた」って言ってたのは、渋谷駅南側ガード下にある「酒蔵やまがた」のことです。この店もまるで渋谷ではないような、どっちかというと新橋、神田あたりの雰囲気があるお店なのです。そういえばズゥ~ッと行ってないなぁ、「酒蔵やまがた」にも。

そして焼酎。先ほど「ウコンハイを飲みながら」と書きましたが、この店の焼酎は1杯売りもあるようですが、たいていの人が飲んでるのは「いいちこ」を300mlくらいのビンに入れたもの。このほかにウコン茶やウーロン茶をもらって、自分でウコンハイ、ウーロンハイを作るのです。

さてと。目の前の残金は720円。まだいけますね。お酒(280円)のおかわりとマカロニサラダ(200円)をお願いします。ここのマカロニサラダは“マカロニ”といいつつも、その実態はスパゲティ。それを小鉢にこれでもかというほど山盛りについでくれるのです。

シロシさんはあいかわらずごきげんで「あたしゃ、上野なんだけどよぉ」。あ、やっぱり下町なんだ。「御徒町(おかちまち)のガード下にもいい立ち飲みがあるんだよ」。「へぇ。御徒町だと“味の笛”とか、立ち飲みじゃないけど八百屋の裏の“佐原屋”なんか行ったことがありますけど」。「お。にいさん、知ってるねぇ。そうそう。その“味の笛”。よく行くんだよ。(フト振り返って)おっ、元気かいっ! あっはっは。今日はもう飲みすぎっ。飲み過ぎだよっ! (こっちを向き直って)エヘヘ。今の人、知り合いなんですよ。どうもすみませんねぇ」と、こっちとしゃべりながらも、入り口から入ってくるお客さんとあいさつを交わしたりしている。それにしてもシロシさん。顔が広いですねぇ。さっきからやってくる常連さんらしき人たちと次々に親しげに話している。今や店内はまわりのサブカウンターのところにまでお客さんが入って大盛況です。

「あぁ、酔った。じゃ、にいさん、お先に」とシロシさんがカウンターを離れます。

え~と。カウンター上の残りは240円か。最後にちょっと気になるポーク・フランクフルト(150円)をもらいますか。これで残りは90円。今日はここまでですね。

ポーク・フランクフルトは刻み目を入れてしっかりと焼いたものが長方形のお皿にのってやってきます。とろんとしたソースがかけられ、お皿の隅には練りガラシ。そのカラシをちょいとつけて、熱々のフランクフルトをほおばります。ほんで、燗酒。な~んでマヨネーズたっぷりのマカロニサラダやソースたっぷりのフランクフルトが燗酒に合うのかなぁ。さらに言えば、ハムカツなんかもいいですねぇ。いやいや。正確に言うと合うのは“普通酒の燗酒”ですね。純米や吟醸だと(酒がうますぎて)こうはいかないかも。

お。もう8時だ。シロシさんの楽しげな話もあって、1時間半も飲んじゃいましたか。さぁ、ボチボチと引き上げましょう。カウンター上のおつり90円をポケットにしまって「どうもごちそうさま」!

店情報 (前回、「寄り道Blog」)

《平成16(2004)年10月22日(金)の記録》

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店情報: 立ち飲み「富士屋本店(ふじやほんてん)」(渋谷)

  • 店名: 立ち飲み「富士屋本店」(ふじやほんてん)
  • 電話: 03-3461-2128
  • 住所: 150-0031 東京都渋谷区桜丘町2-3(地下)
  • 営業: 17:00-21:00(20:30頃から片付け)、日祝・第4土休
  • 場所: JR渋谷駅南口の歩道橋を渡り、リンガーハットの角を曲がる。数軒先の右側に「富士屋本店」の看板が歩道に出ているので、そこから地下に降りる。駅徒歩2~3分程度。
  • メモ: サッポロビール大瓶 450円、生ビール 450円、エビスビール中瓶 400円、日本酒は「寒梅」(埼玉)が280円、「一の蔵」が400円。つまみは数十種類で100~400円ぐらい。
  • HTML版(2003年以前): (01.09.29)(01.03.19)(00.10.06)

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バストの通り道!? … 居酒屋「北国(きたぐに)」(中野)

八千代」を出て、住宅街の中の路地を中野駅に向かいます。その途中に小さい飲み屋が集まった横丁があり、その一番中野駅よりの角にあるのが酒房「北国」です。あれ? 入口が開いてて店内が見える。ど~れ。ありゃ、まだ座れるぞ。と思った瞬間、足は知らず知らずのうちに店内へ。

「あら。いらっしゃい。お久しぶりねぇ」とカウンターの中のママさん(常連さんたちは「スミちゃん」と呼ぶ)から声がかかります。

店内は右手前のテーブル席(定員4~5人)に4人くらい、左のカウンター(定員7~8人)にも4人くらい、そして右手奥の小上がり席(定員4~5人)にはだれもいないといった状態です。カウンターの手前のほうの席の人たちはほとんど後ろ向きに座ってテーブル席の人たちと談笑しているので、そのあたりは通り越して、一番奥に座っている年配のお客さんの手前に座ります。

「なににする? ビール?」といつものようにママさんからの問いかけがあり、これまたいつものように「ウイスキーください」と返事。「はいよ」とサントリー・ホワイトの水割りを作ってくれます。最後にレモンスライスをひと切れ浮かべてできあがり。

今日のお通しは熱々で汁たっぷりのロールキャベツ。「寒くなったわねぇ」とユミさん(手伝っている女性で、ママの姪御さん)がそのお通しの小鉢を置いてくれます。本当に。このロールキャベツの熱々がとっても心地よく感じます。

現在時刻は午後6時半。この店は6時開店なので、みなさんほぼ開店と同時にいらっしゃったんですね。私の左隣に座っているのは木曜日の常連さんであるサッちゃんです。そのサッちゃんが「おにいさん、今日は“十六夜(いざよい)会”だからね」と教えてくれます。

見れば、目の前にも“十六夜会”という札がかかっている。ママさんによると、毎月16日に“十六夜会”と称して、三味線を習っているお客さん(実は私の右隣に座っている男性)の演奏に合わせてみんなで歌ったりする会らしいのです。とはいえ、店は普段のままの営業。たまたま居合わせると、その日は三味の音が楽しめるのです。今月は16日が非営業日(土曜日)だったので、今日に延期になったのだそうです。

“十六夜(いざよい)”というのがまたいい響きですね。まん丸の満月よりも、それがちょっと欠けはじめたときに風情を感じるという日本人ならではの風流でしょう。

「もうちょっと飲んだら演(や)るからね」と右どなりの男性。このお客さんはこの店が開店したとき(昭和30(1955)年頃)からの常連さんで、すでに50年近く通っているのだとか。「もう私が一番古くなっちゃいましたよ」と言いながら、「ほらここ」と目の前の柱の一部を指差します。「柱のここだけがすれてるでしょう。ここがスミちゃんのバストの通り道なんですよ。50年毎日通るうちにこうなったんですね」。カウンターの端っこにあるこの柱。厨房に抜けるにはこの柱の横を通り抜けないといけないんだけど、カウンターの中には冷蔵庫(なんと木製の冷蔵庫です!)なんかもあって通路の幅が狭いのです。やや太め(失礼!)のママさんがこのすき間を通過しようとすると、どうしても胸のあたりがこの柱に当たってしまうんですね。ママさんも「いつもこの話をするんだから」と面白そうに笑っています。

ウイスキーをおかわりして、おつまみは「とり豆腐」(550円)をいただきましょうか。280円~380円くらいのおつまみが多い中、この「とり豆腐」はこの店の最高級品です。この店の人気メニューであるおでんは11月10日(水)からスタート。それまでの間、あったかいものが食べたいお客さんに人気なのが、この「とり豆腐」なんだそうです。奥の厨房で仕上げられたひとり用の土鍋。ユミさんが「危ないからちょっとよけてね」といいながら運んできてくれるくらい熱々の状態で出てきます。ん~。これはうまいっ。

「それじゃ、そろそろはじめますか」と三味線の演奏が始まります。サッちゃんのリクエストに合わせて、次々といろんな曲が披露されます。三味線の音色にサッちゃんの唄声。三味の音はお腹に染みわたるように響きます。

向こうの常連さんから「塩らっきょう」(280円)の注文が入りました。「私も塩らっきょうお願いします」と便乗注文して、ウイスキーもおかわりをもらいます。ウイスキーはおかわりのたびにレモンスライスを1枚ずつ入れてくれるので、これでもう3枚。このレモンスライスの数で自分が何杯飲んだかわかるんですね。

三味線の演奏も一段落して、あとはみんなの歓談タイム。というか、この店は開店している間中、ズゥ~ッと歓談タイムなのです。いわば常連さんたちのサロンのような雰囲気のお店で、それでいて一見さんを排除するような感じはあまりない。似たような雰囲気をもつお店もけっこうあって、たとえば中野の「路傍」、恵比寿の「さいき」、吉祥寺の「豊後」なんかがそうです。こうやって見ると、いずれも文壇酒場とか、作家が集まるお店なんて言われているところばっかりですね。

彼らも普段はひとりで机に向かっていることが多い業種だろうから、夜になると人とのコミュニケーションを求めてこういう場所にやって来るのかなぁ。そういう意味では個人でやってる職人さんと似たところがあるのかもしれないですね。我々サラリーマンの場合には、昼間の仕事がコミュニケーションそのものだったりするので、夜の酒場では逆にボォーッと静かに座っていたい、なんてときも多いんですけどね。

最後にもう1杯ウイスキーをもらおうかな。つまみは「チーズ巻き」(380円)をお願いします。先ほど「塩らっきょう」を注文した常連さんが、「こっちも同じくチーズ巻き」と今度は向こうが便乗注文。互いに顔を見合わせてニッと微笑みます。「塩らっきょう」も「チーズ巻き」も、この店の定番人気メニューですからね、なにしろ。

横丁を通りながらフッとのぞき込んだのが運のつき(!?)。結局2時間半も楽しんでしまいました。お勘定は2,480円。どうもごちそうさま!

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月21日(木)の記録》

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吉田類さんおすすめの … やきとり「八千代(やちよ)」(中野)

最近、吉田 類(よしだ るい)さんの「酒場歳時記」という本が出版されました。この中で、『中野に来ると、つい足が向いてしまう一軒の焼き鳥屋「八千代」がある』。『盛場からは離れ、しかも使い勝手が悪いとされている三角形の店舗。手洗いは、男性用のみが店の脇に造作されているだけである。ところが、こんな条件のすべてが、半世紀以上の歳月を経て「八千代」の味わいに転じている。おそらく、それが常連客にとって魅力に違いない』と紹介されている「八千代」。全然知らないお店なので、さっそく行ってみることにしました。

丸井本店の裏手で、半ば住宅街に入り込んだY字路の鋭角の部分にあるらしいのですが、どこだろうなぁ。あ。公衆電話発見。タウンページで「八千代」を調べてみましょう。あったあった。住所は『中野3-22-1』ですか。カバンから、先日100円ショップ「ダイソー」で買ってきた東京23区の携帯マップを取り出して場所を確認します。この地図帳が100円(税が入って105円)で買える時代ですからねぇ。ありがたいことです。あとは調べた場所へと一直線です。(実際にはかなりいりくんだところにあるので一直線とはいきませんが…。)

おぉ。発見。確かにYの字の角にあるなぁ。Y字の鋭角のところにのれんと赤ちょうちんが出ているのですが、入口はそれとは別に左側に入ったところにある。入口じゃないところにのれんがかかっているというのも面白いですねぇ。すりガラス越しに先客の背中が見えます。

ガラリと引き戸を開けて店内へ。なにしろ先客の背中が見えてたくらいだから、引き戸を開けると目の間がすぐにカウンター。カウンターは鈍角(どんかく)のL字型、つまり「ヘ」の字に近い形で、そのカウンター以外の席はありません。全体でギュッとつめても8人くらい。ゆったり座ろうとすると4~5人でいっぱいいっぱいかなぁ。先客は中年の男性がひとりと、やや高齢の男性がひとり。そのふたりの間に入れてもらいます。

「いらっしゃいませ。お飲みものは?」とたずねてくれるこの女性がおかみさんなんですね。鋭角の先っぽにある焼き台との間には仕切り壁があってよく見えないものの、男性がひとり“やきとり”を焼いている様子。おそらく彼が店主でしょう。「ビールをお願いします」「ビールはアサヒとキリンがありますけど」「じゃ、キリンで」。

すぐにコップとキリンビールの大瓶(520円)が用意されます。ググゥ~ッとコップ1杯のビールを飲み干して、まずはひと息。あぁ、うまいっ。なおビールは小瓶もあって、こちらは330円のようです。

「なにか焼きますか?」とおかみさん。「え~と。最初は煮込みをください」。「はあい。煮込みね」とおかみさんが小鍋を用意し始めます。煮込みは大鍋でグツグツとやっているタイプではなくて、注文に応じて小分けされたものを小鍋であっためるタイプのようです。「酒場歳時記」に『味のルーツは名古屋方面にあり、モツ煮込みには八丁味噌をベースに使う』と書かれているとおり、お皿にさらし玉ネギとともに盛られて出てきた煮込みは、黒っぽい色合い。味わいもけっこう濃い味で、これはいいつまみになります。ビールよりはむしろ日本酒か焼酎が合いそうですね。

両側のおふたりの“やきとり”も焼きあがってきました。左に座っている男性はビール(アサヒ)を飲みながらの“やきとり”。そして右のおじいさんはウイスキーを飲みながらの“やきとり”です。カウンターの中に置かれているボトルを見ると、銘柄はサントリー・ホワイト。ロックグラス風のグラスですが、中味はどうやら水割りのようです。メニューを見るとウイスキーは180円。こりゃまた安いですねぇ!

左の男性からは「キリンのほうが小さく感じるねぇ」と声がかかります。たしかに。こうやってアサヒと2本を並べると、アサヒの瓶は“いかり肩”。それにくらべてキリンは“なで肩”でスマートなのでなんだか小さく感じます。「ほんとねぇ。でも中味の量は同じなのよ」とおかみさん。

正面のテレビでは昨日関東地方も通過した台風23号の被害状況を報じています。異常に広い強風域(超大型)をもち、大雨も伴ったこの台風によって、バスの屋根の上に取り残されているお年寄りの集団がいたり、帆船「海王丸」が打ち寄せられていたりとかなり深刻な様子。こうやって映像で見ると、一段とひどいですね。亡くなったり行方不明になったりしている人も相当いるようです。これで今年日本に上陸した台風は10個、沖縄も含めると13個となり、ともにうれしくない新記録です。

さあて。私は燗酒をもらおかな。え~と。なんと、お酒のメニューは2級260円、1級290円、特級350円なんて書かれてる。懐かしい表記ですねぇ。そのメニューのすぐ下に一升瓶がならんでいるのがそうなんですね。2級は「大関」の佳撰、1級は「菊正宗」の上撰、そして特級は「黒松 剣菱」の特選です。

「黒松 剣菱(くろまつ けんびし)」とはこれまた懐かしいなぁ。もう20年以上前の話になりますが、学生時代に当時一番うまい酒としてみんなで珍重したのがこのお酒です。仕送り直後やバイト代が入ったりしたときにこのお酒をもらって、モツ鍋をつまみながらしこたま飲んだことを思い出します。「このお酒はいくら飲んでも全然悪酔いしないね」なんていいながら…。その後、「越乃寒梅(こしのかんばい)」に代表される地酒ブームの到来ですっかり影がうすくなり、私自身、その後「黒松剣菱」を飲んだことがありませんでした。今日は久しぶりにこのお酒をいただいてみましょうか。燗でお願いしますね。

あと、“やきとり”はカシラ、レバ、ナンコツを1本ずつ。塩でお願いします。ここの“やきとり”はいわゆるもつ焼きで、他にもタン、シロなど普通の品ぞろえで1本が90円。“やきとり”の持ち帰りもできるようです。

右どなりのおじいさんはウイスキーをおかわりして、白菜の漬物を注文しています。漬物も何種類かあるようです。件(くだん)の「酒場歳時記」でも、『モツ焼きと糠(ぬか)漬け、それに看板娘の笑顔。これが「八千代」の三種の神器というべきものである』と紹介されています。看板娘のほうは「ジュンちゃん」という娘がいて、本来は3人で店を切り盛りしているらしいのですが、開店直後の今の時間はまだ店に出ていないようです。

小さな燗付け器で燗された「黒松剣菱」ができてきました。ど~れどれ。あぁ、これはいいですねぇ。すぅ~っと喉を通ります。“やきとり”もうまいや。店には“やきとり”だけではなくて、ヒジキなど、いわゆる小料理風のつまみも多いようなので、じっくりと腰をすえて飲めそうですね。

ガラリと引き戸が開いて、若い、いかにも今風の女性ひとり客。なんでもなくLの短い辺のところに座り、「レバーとハツと…」と“やきとり”を8本くらい注文。ふ~ん。こういう若い女性客なんかもフラッと入れるお店なんですね。

私のほうは初回はこの程度にしておきますか。どうもごちそうさま。ちょうど1時間の滞在で、今日は1,470円でした。

今日は“三種の神器”のうちのモツ焼きしか体験できませんでしたが、次回はぜひ残る2つも知りたいですね。それにしても吉田類さん、なんでこんな辺鄙(失礼!)なところにある店を知ってるんでしょう。さすがですねぇ。

店情報

《平成16(2004)年10月21日(木)の記録》

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店情報: やきとり「八千代(やちよ)」(中野)

  • 店名: やきとり「八千代」(やちよ)
  • 電話: 03-3381-1368
  • 住所: 164-0001 東京都中野区中野3-22-1
  • 営業: 17:30-01:30、盆・正月以外は無休
  • 場所: 中野駅南口を出て右折。すぐの信号交差点(中野通り)を渡り、中央線の線路に沿って高円寺方面に歩く。150mほど先の2本目の路地(桃丘小学校手前の路地)を左折。その後また150mほど直進。突き当たり(左角が肉屋)を右折するとすぐ先にY字の分岐が見える。そのYの付け根が「八千代」。駅からは徒歩6~7分程度。
  • メモ: やきとり(もつ焼き)は1本90円。八丁味噌の煮込みは330円。そのほかつまみは各種。ビールは大瓶(アサヒかキリン)が520円、小瓶は330円。日本酒は2級(「大関」佳撰)260円、1級(「菊正宗」上撰)290円、特級(「黒松 剣菱」特選)350円。他にも何種かあり。焼酎は「いいちこ」が350円。ウイスキーは「ホワイト」で180円。

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浦霞ひやおろし特別純米酒 … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

日曜日、午後4時半の「川名」です。今日はどういうわけかお客さんも少なく、前回に続いてカウンター席に座ることができました。お客さんが少ないとはいえ、これでカウンターは満席。ただし、まだテーブル席が2卓空いてるので、いつもよりは少なく感じるといった程度です。

お通しのリンゴをもってきてくれたミィさん(店を手伝っている中国人女性)に、いつものように生グレープフルーツサワー(336円)を注文します。まずはなにしろこれからスタートですね。

つまみはなんにしましょう。昨日は無性に魚が食べたかったのですが、今日はどっちかというとこってりとしたものが欲しい。久しぶりに焼き鳥にしてみるかなぁ。なにしろ「川名」の正式な店の肩書(?)は“焼鳥割烹”ですからねぇ。あ。今日のおすすめメニューに豚ロース味噌焼き(231円)がある。この品もときどき見かけるんですが食べたことはない。今日はこれからはじめましょうね。

豚ロース味噌焼きはハムステーキなどと同じくらいの大きさ、厚みの味噌漬け豚肉を炭火で焼いて、食べやすいようにスライスされて出てきます。豚肉だけでも酒に合う、味噌だけでも酒に合うのに、この豚ロース味噌焼きはそのふたつが合体してますからねぇ。しかも焼き鳥2本分程度の値段でこのボリューム。まさに鬼に金棒的な酒の肴(さかな)です。

1杯目の生グレープフルーツサワーを飲み干し、豚ロース味噌焼きを食べ終わるころにはテーブル席もお客さんで埋まり、いつもの「川名」らしくなってきました。

今日はカウンター4番席。ちょうどカウンターのどまん中の位置なので、ネタケースの中もよく見ることができます。どかんと置かれているこの40センチ級のきれいな魚はイナダ(ハマチ)ですね。これを造ってもらいましょうか。(イナダ刺し、294円)

飲み物のほうは前回見つけたアレにしましょうね。ミィさん、「浦霞」の冷おろし(ひやおろし)をお願い。すぐに受け皿とグラスが用意され、よ~く冷えた「浦霞 ひやおろし 特別純米酒」が受け皿にあふれるまでつがれます。これが420円ですからねぇ。若干グラスが小さめ(7勺くらい)とはいえ、この値段でこのお酒が飲める店は他にあまりないのではないでしょうか。ッカァ~ッ。うまいっ。

さっきまで丸1尾だったイナダは、半身が切り取られた状態でネタケースにもどってきます。切り口から見える身も美しいですねぇ。追いかけるように「イナダ刺し、お待たせしました」とミィさんが刺身をもってきてくれます。

ちょうどカウンター内での仕事も一段落したのか、店主(常連さんたちは“シゲルちゃん”と呼ぶ)がカウンターの向こう側ながら目の前に来てくれます。「ほいっ」と手渡してくれたのは小鉢に入った焼きギンナン。できたばかりの熱々(あつあつ)です。ときどきこうやって常連さんにサービス品が配られるのですが、どういうわけだか今日は常連さんの席がばらけてる。いつものように「ちょっとずつ取りながら回してね」ってわけにはいかんだろうなぁ、と思っていたら直接渡してくれたのでした。いつもはサービス品手渡しの並びの中にたまたま座っているから、私もサービス品にありつけるのかなぁ、なんて思っていたのですが、こうやって直接いただくと「やった! 常連さんのひとりとして認めてもらえたか!」といううれしい気持ちになります。

「特に宣伝したりしているわけでもないのに、来てくれてるお客さん同士の口コミなんかで、いつもこうやって大勢の人が来てくれてありがたいんですよ」と店主。「でも、いろんなお客がいてねぇ。前には店の女の子のお尻を触って出入り禁止になった人もいるんですよ。あとで聞いてみると、そのお客さんは来るたびにちょいとお尻を触ったりしてたんだって。表に出ろっつって、思いっ切り怒ったんですよ」。熱血漢の店主ですからねぇ。「いらっしゃいっ」。新しいお客さんが入ってきて、店主も仕事にもどります。

しばらくして、また「ほいっ」と出されたサービス品。これはなんだろう? 見た目は明らかに煮こごり。ど~れ。や。これはもしかすると豚軟骨煮込みの煮こごりか! メニューには当然のことながらのっていない。煮込みはいつも早い時間に売り切れちゃうから、いつもは煮こごりにするほど汁も残っていないじゃないのかなぁ。となると、この煮こごりは、たまたま汁が残ったかなにかでできた、いわば「幻の煮こごり」なんでしょうね、きっと。「ミィさん。お酒、おかわり」。思わず「浦霞」(420円)もおかわりです。ついでにゲソ串(105円)も1本いただきましょうね。

カウンター内では、ちょっとした注文品の行き違いがあった様子。店主のところに3人くらいで集まって善後策を検討してます。なにやら言い分がありそうな店の女の子に対して、店主が「謙虚に! 謙虚に! 謙虚にいこうね!」と檄(げき)を飛ばします。一連のやりとりは、私がたまたまカウンター4番(ほぼ店主の目の前)に座っていたから聞こえたくらいの声の大きさで行われていたので、きっと他のお客さんはだれも気がついていないと思います。私も今はじめて聞きましたが、カウンターの中ではこんなやりとりが行われてるんですね。

このお店ではなにしろ、注文の品をお客さんに再確認することもなく、ほとんど間違えずにたのんだ人のところへ出しますからねぇ。「これ注文したのどなたぁっ?」なんて大声で確認しているお店の方は、ぜひここのやり方を勉強されたらいいのではないかと思います。

お。もう6時が近くなっています。いつもだいたい1時間くらいで引き上げるのに、今日はちょっと長居しちゃいましたねぇ。どうもごちそうさま。お勘定は1,806円。「浦霞」のひやおろし2杯に大満足の今宵でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月17日(日)の記録》

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アジ酢で一献 … 魚料理「魚がし(うおがし)」(鷺ノ宮)

なんだか魚が食べたいんだけど、今日はとっても寒くて「川名」や「竹よし」まで行く元気が出ない。もうちょっと近くとなると「鳥八」か「魚がし」か。今日は久しぶり(2年ぶりくらい)に「魚がし」に顔を出してみることにしましょう。

「こんばんは」と入口引き戸を開けます。店内は右手に4~5人かけられるカウンター、左手には4人用のテーブル席がふたつ。先客はおらず、カウンターのちょうどまん中あたりに腰をおろします。

前は大将とおかみさんのふたりで切り盛りされてたんだけど、今は無口な大将ひとり。その大将が「いらっしゃいませ」とさっそくお通しの準備に入っています。「お酒をください。燗で」。こう寒いと、まずビールって気持ちにもなりませんね。(注: 奥で物音がしてたので、おかみさんもいたようです。)

すぐにお通しといっしょにお酒(おそらく「富貴(ふうき)」)が出されます。なにはさておき、まず1杯。ッフゥ~ッ。あったまりますなぁ。

ここのお通しは300円という値段ながら必ず3種盛り。今日は左から順にバイ貝、アンキモ煮、サザエの3種です。ん? このバイ貝には爪楊枝を付けてくれてるんだけど、身がパンパンに張っていて殻から引っ張り出せないぞ。「殻を割りながら食べてみてください」と大将。どれどれ。なるほどこの殻はそんなに固くないので、すぐにパリパリと割れます。ちょうど玉子の殻くらいの固さなんです。そうして出てきた身を爪楊枝でエイッ。あ。途中で切れちゃった。まずは今取れた身をいただいてと…。いい味ですねぇ。お酒もチビリ。さらに続きの殻を割りながら、貝の先っぽまでぜ~んぶいただきます。

続いてはアンキモ煮。普通アンキモというとさっと湯がいたものを醤油でいただいたりするのですが、これはすでに味がついています。さっきのバイ貝の先っぽのほう同様、これも箸先にちょっとつまむだけでお酒がクイクイいけますねぇ。

「なにかお造りしましょうか」と大将。あ、そうだ。一所懸命お通しに取り組んでいましたが、魚が食べたくて来たんでした。え~と。今日のメニューはアジたたき、生ウニ、イクラ、サンマ(刺)などが各700円、カレイ、カンパチなどが900円、そしてヒラメ昆布締めや真ダイなんかが1,000円ですか。他にはヌタが500円に、お、アジ酢(500円)がある。これにしましょう。

シメサバ風に軽く酢で〆られたアジが出てきて、醤油をちょいとつけながらいただくようなものを想像して注文したのですが、出てきたアジ酢は、どっちかというと酢の物。小鉢にキュウリや岩ノリ(生)といっしょに盛られて出てきます。期待とは違ったものの、これはこれでうまいですねぇ。アジ自体の味がいいので、全体がピシッと締まります。「お酒、おかわりをください」。思わずお酒も進みます。

この店は、居酒屋というよりは魚料理屋。定食メニューもあって「竹よし」と似たような感じです。もちろん「竹よし」同様に居酒屋風に飲んでる人はよく見かけるのですが、この店の場合、さらに仕出しもしていることなどもあって、魚料理屋としての色合いは「竹よし」よりもより強いようです。5品3千円のおまかせコースなんかにも引かれてるんですが、まだたのんでみたことはありません。

1時間弱くつろいで、今日は1,700円。ということはお酒がお銚子1本450円だったのかな。どうもごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月16日(土)の記録》

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店情報: 魚料理「魚がし(うおがし)」(鷺ノ宮)

  • 店名: 魚料理「魚がし」(うおがし)
  • 電話: 03-3330-3831
  • 住所: 165-0035 東京都中野区白鷺2-49-25
  • 営業: 17:00-22:00(売り切れまで)、日祝休
  • 場所: 西武新宿線鷺ノ宮駅を南側に出て、妙正寺川を渡って右折。妙正寺川に沿ってバス通り(中杉通り)を横切って、1分ほど進んだ左手。
  • メモ: 魚専門の店。5品3千円からのおまかせコースや定食類もある。
  • HTML版(2003年以前): (02.12.09)(02.08.06)(02.07.18)

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プルンと生ガキ … バー「PURE(ピュアー)」(野方)

沼袋(ぬまぶくろ)の「鳥まさ」を出て野方(のがた)です。まずは「秋元屋」を確認してみますがあいかわらず休店したまま。お休みがけっこう長引いてます(注: 11/1(月)から再開だそうです)。引き返して駅前商店街を抜けみつわ通りへ。この通り沿いも酒場が数件あり、ホッピーののぼりがはためいていたりするのです。うどん屋さんのような酒場のようなお店も最近できました(手打ちうどん酒房「さぬき亭」、03-3310-3514、中野区野方5-18-5 )。開けっ放しの入口から店内をチラッと確認すると、カウンターの奥に女性客がひとり飲んでいます。その横をスタスタと通りすぎて「ピュアー」です。(その後の顛末: 実はこのうどん屋さんで飲んでた女性は「おぽんちNote♪」の作者、ponsukeさんだったのでした。)

「ピュアー」に到着したのは午後9時半。店内には先客はおらず、マスターひとりだけ。さっそくカウンター中央やや奥(奥から3番目くらいかな?)に陣取ります。

「いらっしゃいませ。スーツ姿はじめて見たような…」とマスター。そう言われてみれば、この店に来るのはほとんど土日ですねぇ。会社帰りにやってきたのは一番最初に来たときくらい?

「マスター、今日はバーボンのソーダ割りが飲みたいんですけど」。ビール→日本酒ときて、こんどはさっぱりシュワシュワとハイボール系の飲み物が飲みたいのです。マスターは「どのバーボンにしますか?」と言いながら、店に置いているバーボンの中から、炭酸で割っておいしそうなものを何本か見せてくれて、それぞれこれはこんな味で、こんな香りといった簡単な説明もしてくれます。じゃ、そのコクがあるというメーカーズマークをお願いします。私自身はあまり飲んだことがありませんが、Hsさんが「ペルル」にキープされているらしいし、まるでトロリと蝋(ろう)が溶けたかのようなボトルの封印の姿にもひかれます。この封印は1本1本手作業で行われるのだそうですよ。

ソーダ割りにすると、バーボンの特徴的な味と香りがより強調されて、甘くて芳ばしい味わいが増大するように思います。あぁ、おいしい。

「今日のお通し(310円)はマグロのカルパッチョです」とマスターが美しく盛られたお皿を出してくれます。

この店は年中無休。「ということは、正月もやってるんですか?」「はい。もちろん正月もやってますよぉ」とマスター。なんと正月は昼間から営業してるんだそうです。「すっかりごぶさたしているお客さんたちも顔を出してくれたりして、かえって普段よりもいそがしいんですよ」。私の場合は、何年も前からこの店に気づいてはいたものの実際に入ってみたのは今年の2月。年末年始の「ピュアー」を知らないのです。

マスター、メーカーズマークのソーダ割りのおかわりをお願いします。なんだかスイスイ飲めちゃいますねぇ、このお酒。それはそうと、年中無休で身体のほうは大丈夫なんですか?

「店を休むとつい後輩がやってる店をのぞきに行ったりしてねぇ。そうなると1軒で1杯ってわけにはいけないので、少なくとも3杯くらいは飲んじゃう。後輩も私が酒が強いのをよく知ってるので、トリプル(90ml)くらいの強さで作ってくれるんですよね。せっかくの休みだからと何軒か回っているうちにけっこう飲んじゃって、翌日、いや場合によってはその後3日間くらい調子が悪かったりする。けっきょく年中無休が一番健康的なんですよ」。

「そんなにお酒がお強いのに、年中無休じゃ飲む間がないんじゃないんですか?」と聞いてみると、「仕事中はいっさい酒は飲まないんですが、片づけも終わって、午前3時ごろから明けがたま、ちびちびとウォッカをいただくんですよ。毎日ボトル1本くらいずつでしょうか」。しぇ~っ! 毎日ボトル1本! なんてすごいんだ。

ウォッカよりほかのお酒は飲まないんですか。たとえば日本酒なんか。「日本酒はアルコールが弱すぎてダメなんですよ。水みたいな感じで1升くらいはスゥ~ッと飲んでしまう。これは遺伝的なものなのかもしれません。親戚中みんなそうなんです。たまに正月に集まったりすると、1升ビンが6本入る木箱がありますよねぇ、あれが玄関先にどんどん積み上げられていくんですよ」。それはまた、ものすごい一族ですねぇ。

さ~て。2杯目のメーカーズマークも飲み干したところで、いよいよ本日のデザートといきますか。先日いただいたポートワインをお願いします。あれがおいしかったんですよ。銘柄はなんていうんですか? へぇ、「サンデマン」って言うんですか。いや、ポートなんていつもいつも飲むわけじゃないから、銘柄を聞いてもわかるわけじゃないんですけどね。(笑)

おつまみには「世界のチーズ」をお願いします。「S」のほう(520円)でいいです。(ちなみに「M」というか「普通サイズ」のものは840円です。)

お皿に3種、美しく盛られたチーズのほうも銘柄を聞いたのですが、瞬間的に忘れてしまうくらい聞いたことのない名前でした。そのチーズをつつき、ポートをなめながら、若き日の故郷の話題に花が咲きます。なにしろマスターは同じ郷里の大先輩。話に出てくる詳細な地名までなつかしいのです。

そんな話をしているところへ、若い男女ふたり連れがやってきました。ふたりでカクテルなどを注文し、つまみも何品か。男性は「生ガキもひとつください」と注文します。そうか「生ガキ1個 210円」は1個から注文できるんですね。実は私も生ガキが気になってたんです。すみません、マスター。私も1個お願いします。

「はいよっ」と返事したマスター。カキの殻をあけるためのナイフを取り出してコリコリッと蓋を明けていく。「はい、お待たせしました」。ありゃりゃぁ。こりゃまた見るからにうまそうですねぇ。「これ、カクテルソースね」とビンに入った赤いソースを渡してくれます。

ツルンと一気に食べるとおいしそうですが、ここはいろんな味を試してみましょう。まずなにもしないでひと口。おぉ。こりゃまた絶妙な塩加減ですねぇ。自分でこの塩加減になっちゃうとは、なんてすごいやつなんだ。まさに生まれながらの酒の肴なんですねぇ。次は横に添えられたレモンをちょいと絞ってもうひと口。ん~。カキそのものの味わいはさっきのほうが鮮烈ですが、後口はこっちのほうが好印象。さすがにいい相性ですね、カキとレモンは。

そして、最後に残ったプルプルの身にマスターお手製のカクテルソースをトロリとかけて、ひと息にペロリ。ん~。これもいいですねぇ。

生ガキの季節に合わせて「シャブリ」とスペインの「ラ・マンチャ」という2銘柄の白ワインも用意されています。それぞれ1杯が780円と580円なんですが、生ガキといっしょに注文した場合はそれぞれ100円引きになるのもうれしいところですね。(なお、「ピュアー」の生ガキの写真は「寄り道Blog」や「おぽんちNote♪」にあります。)

午後11時半まで、2時間たっぷりとくつろいで、今日は3,130円でした。どうもごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月15日(金)の記録》

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牛タンと焼き鳥 … 焼鳥「鳥まさ(とりまさ)」(沼袋)

金曜日です。沼袋(ぬまぶくろ)の駅をおりて、いつもの北口商店街に入ります。午後8時過ぎの「ホルモン」の店内には、なぜか今日は空席があります。しかし、今日のねらいはさらにその先。先日、沼袋在住の「竹よし」のお客さんにご紹介いただいた焼き鳥屋、「鳥まさ」に行ってみようとしているのです。

沼袋では「ホルモン」しか知らない。その「ホルモン」はときとして満席で入れないこともある。ということで、もう1~2軒、“ここならば”というお店を作っておきたい町なのです。駅の近くに「四文屋 沼袋店」があったり、北口商店街に入ったところに「奥さま公認のお店」と書かれたホッピーののぼりがはためくお店があったりはするのですが、いずれもまだ行ってみたことがありません。

「ホルモン」と「鳥まさ」とは、商店街の同じブロックの中にあります。一番手前の角にあるのが「ホルモン」。そして一番向こうの、ちょうど突き当たりになった角にあるのが「鳥まさ」です。

ガラリと引き戸をあけて店内へ。いやぁ、けっこう小さいお店なんですね。右手のカウンターに5人程度、左手にふたつある小さいテーブル席にも5人程度。全体で10人も入ると超満員かといった広さです。先客はカウンターに男性ひとり客がふたり。テーブルに男女3人組がひと組の都合5人です。

地元に根ざした古い大衆酒場に入ると、入った瞬間に常連さんたちがジロリと一瞥(いちべつ)をくれて、知り合いが来たのかどうかを確認したりする。大衆酒場に慣れないうちは、これがけっこう苦痛だったりするのですが、そういう点ではこれくらいの規模のお店だと、たとえ一瞥されたとしても、人数が少ないので大丈夫ですね。

私も、ずいと奥へ進みカウンターの一番奥の席に陣取り、「いらっしゃいませ」とおしぼりを出してくれた店主にまずはビンビールを注文します。店はどうやらこの店主ひとりで切り盛りしている様子です。

すぐに出されたビールはサントリー・モルツの大ビンで500円。大ビンが500円というのは良心的な価格設定ですね。お通しはキンピラの小鉢です。

1杯目のビールをクィ~ッと飲み干し、2杯目を飲みながらメニューを確認します。なるほどこの店はいわゆる本当の焼き鳥屋さんなんですね。都内で“やきとり”を看板に掲げている店には、鶏肉と鶏の内臓だけの本当の“焼き鳥屋さん”のほかに、鶏も豚もあつかう平仮名表記の“やきとり屋さん”、そして鶏はあつかわず、もっぱら豚の内臓などだけで勝負する“もつ焼き屋さん”(“やきとん屋さん”ともいう)が存在するのです。この店の場合は鶏肉と鶏の内臓だけの“焼き鳥屋さん”です。そのほかに牛タン料理をあつかってるのがちょっとした特徴かな。冷奴などの一品ものも何品かあるようです。

一番端っこに「コース(1,200円)」ってのがあるので、初回の今日はこれにしてみましょうか。

コースは「牛タン塩焼き」(単品だと600円。以下、セット中の品物の価格はすべて単品の場合のもの)からスタートします。目の前のネタケースの中にド~ンと存在感を示しているのが牛タン。スパッと切られたまん丸の断面が見えているのですが、こりゃまた質量ともにすばらしい牛タンです。その牛タンをスライスして、炭火でさっとあぶる程度に焼いたものが3枚。牛タンに定番のレモンとたっぷりの刻みネギが添えられて出てきます。「ネギを巻くようにして召し上がってみてください」と店主。どれどれ。う~ん。とってもジューシーな牛タンです。これはいいなぁ。

牛タンを食べ終わったタイミングで出てきたのは「焼鳥盛り合せ」と「大根おろし」(100円)。「大根おろしに醤油をちょっとたらしていただいて、焼鳥にからめて召し上がってください」。なるほど。大根おろしってそうやって食べるんですね。醤油をちょいとかけて、上にのってるウズラの玉子をプチュンとつぶしてグリグリとかき混ぜます。ひと口味見してと…。うん。うまいっ。これだけでも十分つまみになりますね。

さあ。それじゃ「焼鳥盛り合せ」の中から、まずはツクネ(90円)をいただきましょう。大根おろしをからめてパクリ。なるほどタレの味と大根おろしのさっぱり感が混ざり合って、新しい味わいですね、これは。続いてはレバ(90円)。串の両端は鶏ハツです。そしてハサミ(正肉とネギ、90円)、砂肝(90円)と続き、手羽先(100円)までの5本(都合460円分)が盛り合せです。焼き始める前に「嫌いなものはありますか?」と聞かれたので、もし嫌いなもの、食べられないものなどがある場合には他のものに差し替えてくれるみたいです。それにしても焼鳥1本90円というのは安いですね。大きさも普通だし。鳥皮、正肉なんかも90円です。

「あとは鳥スープが出てコースはおしまいになりますので、スープがほしいときにおっしゃってください」と店主。なるほど、スープを飲んじゃうともうおしまいって雰囲気になるので、お客さん自身がタイミングを示すんですね。

それじゃ、鳥スープの前にお酒を燗でいただいて、あとはギンナンとボンチリ(各100円)を1本ずつ焼いてもらいますか。お酒は小(350円)と大(550円)があるとのことでしたので、小にしました。なお、焼酎、チューハイ、サワー類は300円。ほかにワインなどもあるようです。

ボンチリは鶏の尾の先っぽを焼いたものですが、ここのボンチリはけっこう大ぶり。ハート型に開かれたボンチリには軟骨もついていていい味です。ギンナンも食べ終わったところで鳥スープをお願いします。あとはこのスープをつまみにお酒をチビチビいただこうという考えなのです。

この鳥スープが単品だと150円なので、けっきょく単品で注文すると1,310円になるところが、コースだと1,200円で食べられるということなんですね。この店のおすすめ品がずらりと食べられるみたいなので、なかなかいいメニューではないかと思います。

どうもごちそうさま。ちょうど1時間の滞在で2,340円でした。(ということはお通しが90円なのかな?)「どうもありがとうございます。またいらしてください」と店主に見送られながら店をあとにしたのでした。

店情報

《平成16(2004)年10月15日(金)の記録》

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店情報: 焼鳥「鳥まさ(とりまさ)」(沼袋)

  • 店名: 焼鳥「鳥まさ」(とりまさ)
  • 電話: 03-3388-9332
  • 住所: 165-0025 東京都中野区沼袋1-38-5
  • 営業:
  • 場所: 西武新宿線沼袋駅北口を出て、すぐ右に折れて、またすぐに左折。古い商店街に入る。銭湯や「ホルモン」を過ぎて、小路が終わるところ右側。
  • メモ: 「竹よし」にて、沼袋在住の常連さんから教えてもらった牛タンと雛鶏のお店。牛タン、焼鳥盛り合せ、大根おろし、鳥スープのコースが1,200円。焼き鳥は1本がそれぞれ90円か100円。ビールはサントリー・モルツ(大瓶、500円)。焼酎、サワー類は300円。日本酒は小350円、大550円。ワインもある。店はカウンター5席、テーブルも5席程度しかない。店主ひとりで切り盛りしている。

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御影石風カウンター … 立ち飲み「小鉢(こばち)」(横浜・上大岡)

「会社の近くでも飲んでみよう!」のコーナー(そんなコーナー、いつできたの!?)の第二弾は上大岡(かみおおおか)です。社内の友人が先日新しい立ち飲み屋を見つけたのだそうで、そこに行ってみようとしているのです。(ちなみに第一弾は「鳥平」)

京急上大岡駅の改札を出て、右手の階段を地上へ上がります。左手にあるバス通り側に出ることはよくあるのですが、こちら側にはめったに来ないですねぇ。階段を出て左折し、そのまま直進します。右手角に怪しげな串カツの立ち飲み屋があって、これにも心引かれるものがありますが今日のねらいはここではない。そのちょっと先右手の「小鉢」と書かれた小じゃれたお店。ここが今日のお店なのです。できたばかりという風情の新しさですねぇ、これは。

さっそく引き戸を開けて店内へ。雨の火曜日だからお客さんは少ないかなと思いきやL字の立ち飲みカウンターだけの店内にはたくさんのお客さん。かろうじてLの角の位置が空いているので、そこに友人とふたりで角をはさむように陣取ります。

まずはビール(一番絞り、中ビン、500円)をもらって乾杯です。すぐにお通し(たぶん100円)の煮物の小鉢が出されます。ビールの値段も立ち飲み屋にしてはちょっと高めですが、お通しが出たりするところも居酒屋風ですね。カウンターが黒っぽい御影石(みかげいし)風なのも高級感があります。

店内は10人も入れば満員になるくらいの広さ。母娘(おやこ)なのかな、という感じの女性ふたりで切り盛りしているのですが、このおふたりがまた上品そうな感じで、とても立ち飲み風じゃない。食べものメニューがほぼ300円均一というところがかろうじて立ち飲み屋風といえるところでしょうか。

メニューは定番メニューと、手書きの今日のおすすめメニューの2種類があります。まずは今日のおすすめメニューから「ブリカマ塩焼き」をいただきます。先ほど「ほぼ300円均一」と書きましたが、この「ブリカマ塩焼き」が唯一400円であるため“ほぼ”になってしまったもので、これさえなければ堂々と「全品300円均一」なのにおしかったですね。ま、今日のおすすめメニューは仕入れ値によって価格設定するんでしょうから、仕方ないとも言えますね。あらかじめ塩焼きされて大皿にずらりと並べられているものからひと切れ(といってもなにしろブリカマなので大きい!)をお皿に移し、レンジでチンして目の前に出してくれます。

ここは注文はレシートに記録され、後でまとめて清算するタイプ。立ち飲みでよく見かけるキャッシュ・オン・デリバリ(出たとき払い)ではありません。

さてと。ビールで喉が潤ったところで、今日は焼酎にしてみますか。この店には日本酒や焼酎もいろんな銘柄のものがずらりと並んでいるのです。とくに焼酎は品ぞろえが豊富。友人は「富乃宝山(とみのほうざん)」(芋、450円)を、そして私は「なかむら」(芋、450円)をそれぞれロックでいただきます。

つまみのほうはジャーマンポテト(300円)と串カツ(300円)をもらいます。串カツは注文してから油で揚げて出てきます。2本が1人前なので1本ずつ分けっこ。立ち飲みと串カツはいい相性ですよね。大阪風の1串に1個のネタのほうが立ってるときは食べやすいのですが、ボリュームでは東京風の串カツ(豚肉と玉ネギを交互に刺して揚げたもの)が一歩リードの感があります。

友人はなにやら聞いたことがない芋焼酎(450円)をもらい、私は「なかむら」(450円)をおかわりします。

先ほど来、何人かの人たちがガラリと入口を開けて店内をのぞき込んでは満席の様子を見て残念そうに立ち去っていってます。新しそうなお店なんだけどけっこう人気があるんですね。お客は中高年のサラリーマン層が多いようです。

ここらで「塩辛」(300円)でももらいますか。飲み物のほうは、私は燗酒(菊正宗、小300円)をもらおかな。友人も燗酒にしてみるとのことで、お猪口は2つ。燗酒は一升瓶を逆さに立てたような燗付け器から徳利につがれます。すぐにお酒はなくなって、もう1本おかわりです。

カウンター内の女性二人は同じようなエプロンで、同じようないでたち。「それ制服?」なんてまわりのお客さんたちにも聞かれています。

さぁ、それじゃ最後の1杯をもらって締めましょうか。友人はまた新しい芋焼酎(450円)をもらい、私は最後は胡麻(ゴマ)焼酎の「紅乙女(べにおとめ)」(450円)をいただきます。この「紅乙女」という焼酎は学生時代(今から20年以上前!?)にもときどき飲んでた焼酎で、なんだか懐かしい味わいなのです。

2時間たっぷりと楽しんで、2人で5,600円(ひとりあたり2,800円)。どうもごちそうさまでした。

店情報

《平成16(2004)年10月12日(火)の記録》

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店情報: 立ち飲み「小鉢(こばち)」(横浜・上大岡)

  • 店名: 立ち飲み「小鉢」(こばち)
  • 電話: 045-842-1166
  • 住所: 233-0001 神奈川県横浜市港南区上大岡東1-3-21
  • 営業:
  • 場所: 京急上大岡駅の改札を出て、右手の階段を地上へあがり左折。その先の交差点(右手角に立ち飲み屋)を超えて直進した右手。駅からは1分程度。
  • メモ: つまみはほぼ300円均一。日本酒、焼酎は各種そろっている。焼酎はほぼ1杯450円。ビールは一番絞り中ビンが500円。

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トロたっぷりのマグロブツ … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

台風一過なのにどんよりと曇り空。今にも雨が落ちてきそうです。なんだろうねぇ、この天気は。そんな中を今日も「川名」に出かけます。

店に着いたのは午後5時ちょうど。普通の土日だと座れるか座れないかという微妙な時間帯ですが、三連休の中日の今日はどうでしょう。「こんちはぁ」と店主や、入口近くの常連さんたちにあいさつをしながら店内へ。常連さんたちがずらりと居並ぶカウンターは、3番席だけがポツンと空いている状態。ついさっき、そこに座っていたお客さんが帰ったばかりといった風情です。

テーブル席のほうも、A卓(入口に一番近い卓)に“役者さん”と、もうひとりが座っているだけで、B卓、C卓は空いています。奥の座敷にも何組かのお客さんが入っている様子。今日はいつもと比べるとすいてるようですね。

そのポツンと空いたカウンター3番席に陣取ります。1番席にはいつもの“1番のおにいさん”が座り、私の左どなりの2番席には“バンダナのおにいさん”、そして右どなりの4番席、ちょうどカウンターの中央にはなんと“イトーさん”が座っています。“イトーさん”の指定席は7番なんですが、今日は7番に座れなかったんですね。

「いらっしゃいませ」。横からフッとかわいい手が伸びてきて、お通しのリンゴの小皿をトンと置いてくれます。やぁ、ミィさん。いつものとおり生グレープフルーツサワー(336円)をお願いしますね。「は~い」。

“いつものとおり”なんて書きましたが、実は定常的に生グレープフルーツサワーを飲むようになったのは今年の5月ごろから。平成13(2001)年にこの店にはじめて来てから、今年の5月までの3年間は、たいていの場合ホッピーでしたからねぇ。なにしろこの店の場合、生のグレープフルーツ半個分が1杯のチューハイに入りますから、ものすごくフルーツっぽい感じが強くなるのです。グレープフルーツを使ったロングカクテル(ジョッキなのでロングロングカクテル?)みたいなものなんですね。

つまみのほうは、まずは刺身かな。今日はと…。シメサバ、マグロがブツか山かけ、モンゴウイカ、カツオ(いずれも294円)ですか。久しぶりにマグロブツをいただいてみるかな。

すぐに出てきたマグロブツ。いつものとおりお皿にこんもりと山になるほど盛られているんですが、問題はその中味! どうしたの、これ! 半分以上トロじゃないの! こんもりと積まれたマグロブツの山は、まるでイチゴシロップのかき氷のよう。てっぺんあたりに赤々と赤身の部分がのっかっていて、とても鮮やか。そして下側の、かき氷でいえば氷にあたる部分がぜ~んぶトロなのです。いやいや。こりゃうれしいですねぇ。

まわりのお客さんの注文を聞いていると、今日は赤魚粕漬け(231円)が人気が高いようです。注文を受けてから店正面の焼き台を使って炭火で焼いてくれます。この赤魚粕漬けに限らず、炭火焼の焼き魚はたいていいつも人気が高い。今日もサケやホッケの焼き魚(いずれも231円)も出ているようです。

“役者さん”と相席している人が食べてるピータン(231円)もはじめてみるメニューですがおいしそうです。

ここで、前回同様、店主から冷凍ハスカップ(北海道産の果物でブルーベリーに似ている)がまわされてきます。やぁ。マグロがあまりにおいしいので、次は燗酒にしようかと思っていたのですが、ハスカップが出てきたとなるともう1杯生グレープフルーツサワー(336円)だなぁ。

ミィさんがサワーのおかわりを持ってきてくれます。「そういえば指はもう大丈夫?」「はい直りました。ほら」と左手を開いて、指先にちょっと残った傷跡を見せてくれます。少し前に、包丁で切っちゃったらしいのです(顛末は「寄り道Blog」にて)。まわりのお客さんたちも「どれどれ」と指を見て「良かったねぇ」なんて声をかけています。

ミィさんが近くにいるついでに煮込み(231円)も注文します。ここの煮込みは豚軟骨を大根、ニンジン、ゴボウといった根菜(こんさい)類とともに煮込んだもので冬場の人気商品のひとつでもあります。いよいよこういったメニューも始まってきましたね。

焼き台の横に置かれた煮込み鍋から、小鉢に盛ってきてくれたミィさん。カウンターの中の店主に向かって「煮込み終わりました」と報告しています。おぉ。最後の煮込みとなりましたか。午後6時でもう売り切れとは…。まだ本格的なシーズンではないので、仕込んでいる量も多くないのかもしれませんね。

いつもだとこのくらいの量(チューハイ2杯とつまみを2品)で飲み終わるところですが、今日はちょっと気になる品物があるので、それをいただいてから帰りましょう。それは、目の前の張り紙「浦霞 ひやおろし 特別純米酒」です。この店も、「ひやおろし」が登場する時期には1~2銘柄の「ひやおろし」が置かれるのです。今年はこの1銘柄だけのようですが。ミィさん、この「浦霞」を1杯(420円)ね。「は~い」と返事をしたミィさんが受け皿とグラスをまず置き、冷蔵庫のところまで引き返して「浦霞」の一升瓶を持ってきてあふれさせてくれます。

ど~れ。グラスの表面張力を口からお出迎えです。ッカァ~ッ、うまい。この「浦霞」用に、つまみをもらいますか。野菜入り白ちくわ(189円)をお願いします。

酒だけでもうまいんですが、ちょっと醤油をたらしたチクワをつまみながらの日本酒はまた格別ですなぁ。おもわずニマニマと笑ってしまうくらいです。(気持ち悪い?)

やぁ、おいしかった。どうもごちそうさまでした。お勘定は1,806円。今日は1時間半ほどくつろいでしまいました。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月10日(日)の記録》

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フルーツの秋 … バー「PURE(ピュアー)」(野方)

竹よし」を出て、台風の去った静かな都立家政商店街を有志5人で「ピュアー」へ向かいます。途中でYkさんが携帯電話で席が空いていることも確認できました。さきほどの鍋といい、空席の確認といい、気がきく人がひとりいると違いますねぇ。われわれ呑んべばかりだととてもこうはいかない。Ykさんも飲んでるはずなんだけど、しっかりしてますよねぇ。

Tkさん、Skさんのおふたりは、今回が初「ピュアー」なのだそうです。

いやぁ。今月のおすすめカクテルのメニューには、いつにも増してフルーツのカクテルが多いなぁ。なにしろ秋ですからねぇ。「エスポワール(Espoir)」は夏の名残の巨峰のカクテル。今が旬、ナシを使った「ハッピー・プリンセス(Happy Princess)」。キウイの「グリーン・バード(Green Bird)」、リンゴの「アップル・ジャック(Apple Jack)」、モモの「ピーチ・エンゼル(Peach Angel)」。ずらりとフルーツのカクテルが並びます。ここのフルーツは、すべてフレッシュ・フルーツですからねぇ。

そんな中、私が今日いただいたのは「バナナ・ダイキリ(Banana Daiquiri)」(580円)。みんなもそれぞれに思い思いのカクテルを注文します。

柿サラダとバナナ・ダイキリ一連のカクテルが出終わったあと、「お通し(310円)です」と出てきたのは、細長い柿をくりぬいて、その中にサラダを詰めたもの。これもまた季節感があります。

先ほどカクテルのメニューを紹介しましたが、つまみのほうも「新さんまのガーリック・オリーブ焼き」(520円)、「紅茶鴨の燻製」(630円)、「ハマグリのワイン蒸し」(730円、小520円)、「牛すじ肉の洋風煮込み」(520円)などなどと、秋から冬に向かうメニューが増えてます。もちろん「“活”生鮮殻付生かき(カクテルソース添え)」(1個、210円)もはじまりました。1個単位で注文できるというのがうれしいではありませんか。(「おぽんちNote♪」に写真があります。)

このあとも、各自もう1杯ずつくらいカクテルを楽しんで、お勘定は5人で6,590円(ひとりあたり1,300円強)でした。この店を出たところで、みんな帰る方向がバラバラ。「駅はどっちだぁ?」と深夜の道路を、みんなとまるで逆方向に向かったTkさん。無事に駅にたどりついたでしょうか。

店情報 (前回、同じときの「寄り道Blog」)

《平成16(2004)年10月9日(土)の記録》

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台風の中の夕食会 … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

大型で強い台風22号が関東地方に接近中。今年台風が日本に上陸したのはこれでなんと9個目になります。今回も沖縄から入ってきて九州、四国と北上し北海道に抜けるという日本列島縦断コース。各地に与える影響も大きいようです。

そんな台風がちょうど関東地方に最接近している中、第36回となる「竹よし」の夕食会です。こんな天気だからきっとキャンセルも多いだろう。少なくとも近所に住んでる私は行かなきゃ、なんて妙な義務感にかられながらやってきたのですが、店に入ってみると木場からやってきたTkさん、荻窪から初参加のSkさんがすでにスタンバっており、私のあとにもYkさん、Hsさん、Iwさん、Itさんらが続々と店に入ってきます。さすがにキャンセルされる方も何人かいて、いつもより人数は少ないものの無事食事会となりました。

わが家から「竹よし」へはゴチャゴチャとした住宅街の路地をたどるコースとなるためそうでもなかったのですが、東西にスパッと開けた新青梅街道沿線にお住まいのみなさんの中には大変な思いでこの店までたどり着いた人もいらっしゃったようです。

第36回となる今回の夕食会のテーマは「手巻きずし」と「京風かにすき(生タラバ)」。いつもはメインとなる食材がそのままテーマとなる(たとえば「アンコウ」だとか「タラ」「真ダイ」など)ことが多いのですが、今回はさすがに数日前から徐々に接近してきた台風の影響で「これは!」という食材がむずかしかったのでしょうか。その中にあって、北の国から生タラバが入っているのはさすがです。

フロフキ玉ねぎ席について、まず最初のビールをいただいているときに登場したのが「フロフキ玉ねぎ」です。ママさんに「ひとりひとつずつ取ってね」と言われて取ったひとつの大きいこと! 握りこぶしよりははるかに大きく、赤ん坊の頭くらいあります。しかも、よほど長く下ごしらえしたのか、全体がトロットロでとっても甘いのです。

横のお皿にさりげなく盛られているのは煮こごり? ママさん、これはなんの煮こごりなの? へぇ、アンコウですか。なるほど、もともとゼラチン質の多い魚ですからねぇ。わっ。うまっ! こりゃ、さっそくだけど日本酒にしましょうか。

今日の日本酒は「福乃光」。“無濾過純米原酒”と書かれていて色が赤い! なんだか不思議なお酒です。う~む。原酒(アルコール度数が18度前後)だけあってなかなか強いですねぇ。「アンコウ煮こごり」のほんわりとやわらかい味つけを楽しみながら、ときおり赤い日本酒をチビッとやる。煮こごりが口の中にとろける感じがいいですねぇ。

「今日は予定どおりやってる?」という確認の電話があってやってきたのは、先日もここでお会いした沼袋のCzさん。「こんばんは。先日はどうも!」なんてごあいさつをして、みんなに混ざって飲みはじめます。飲み友だちのIzさんも登場。さらにはいつものようにご近所のご隠居Ssさんも席につきます。台風の中ながら、そろいましたねぇ。

手巻きずしつまみのほうは「手巻きずし」。ホタテ、イカ、カンパチ、真ダイにマグロ、サーモンなど。「つまみがいい人は、そのままつまみで食べてください」という言葉にしたがって、お刺身でいただきます。わが家で「手巻きずし」をするときもそうなんですよね。家人と子どもたちが純粋に「手巻きずし」を楽しむ中、私ひとりがいつも刺身としてつまみながらお酒を飲んでいる。わが家でも、こんなに立派な食材がならぶと言うことないんですが…。そこはやはり、夕食会の場ならではということでしょうか。

「福乃光」を飲み終えて、同じ酒蔵の山廃純米酒「加賀鳶(かがとび)」に移ります。

「春菊とリンゴのクルミ和えも作ったんだから食べてよ」とママさんの声が飛びます。そうそう。これもいただかなきゃね。まさに秋の味わいです。

生タラバの京風かにすきそしていよいよ生タラバの「京風かにすき」です。その前にちょっとずつ焼きタラバも食べてみようか、とみんなに少しずつ焼きタラバが配給(笑)されます。そう。こうやって焼いて食べるタラバが香ばしくて最高にうまいんだけど、この食べ方をするとあっという間になくなっちゃうんですよね、貴重なカニが。そんなわけで、今日は“焼き”は配給程度にとどめておいて、「かにすき」です。

すっかり酔っ払いと化してワイワイと大騒ぎするわれわれに、Ykさんが「はいっ。カニスキできたよ」と小鉢によそってくれます。あ。どうもありがとうございます。この温かい汁っけがうれしいんですよね、この季節は。な~んてことを言いながら、あいかわらずお酒をグイグイ。「竹よし」での夕食会のときは、気心知れたみなさんの中に混ざって楽しく飲むからか、ついつい飲み過ぎてしまうんですよねぇ。

ヘロヘロに酔って「どうもごちそうさま!」と店を出るころには台風もすっかり通過。ふだんの静かな夜になっていたのでした。

店情報 (前回、同じときの「寄り道Blog」)

《平成16(2004)年10月9日(土)の記録》

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新メニュー登場! … 立ち飲み「やき屋」(荻窪)

金曜日です。大きな台風22号が、日本列島を縦断しながら関東地方に向かっているということもあって、今日は早めに会社の事務所を出て湘南新宿ライン→中央線と乗り継いで荻窪駅に到着したのは午後8時過ぎです。

雨風がじょじょに強くなってきているものの、ちょっと飲んでから帰りましょうか。荻窪といえば「やき屋」ですね。金曜日の「やき屋」は満員で入れないことのほうが多いくらいだけど、今日は雨だから大丈夫かな。

はじめて気がついたのですが、「やき屋」にはひさしがないので、店の外側で傘をたたむことができないんですね。ヤッと気合いを入れて傘をたたむと同時に、エイッと縄のれんをかき分けて店内へとすべり込みます。

ホッとしながらおもむろに傘を丸めていると、サブカウンターの奥から「こんばんは」と声がかかります。なんとそこにはHsさんが!

「こんばんは」とあいさつしながらHsさんのとなりへ。とはいえ、今のところはサブカウンターはHsさんと私の2人だけなので、けっこうゆったりです。ふり返るとメインカウンターは8人ほど立っていてほぼ満席(Hsさんによると、ギュッと入ると10人は立てるのだそうです)。テーブルにも何人かのお客さんが据わっているようです。台風接近中の雨の中ながら、みなさんやっぱり飲んで帰るんですね。私も人のことは言えませんが…。

さっそく女将さんにホッピー(300円)をお願いして、Hsさんと話をはじめます。「はい。ホッピーね」と渡してくれた女将さんに「ワタ和え(150円)をお願いします」とつまみも注文です。

明日は「竹よし」の食事会だけど、この台風。大丈夫ですかねぇ。なんて話をHsさんと繰り広げながら飲み進みます。

そこへスッと入ってきた女性ひとり客はMsさん。一瞬、サブカウンターにちょっと間を開けて立っていたわれわれの間に立つかという素振りを見せながら、次の瞬間にはメインカウンターの一番奥に行ってしまいました。あらら…。お店に入ってきた瞬間って、すでにお店の中にいる側からはよく見えてるんですが、入ってきた側からはよく見えないんですよねぇ。「あ…」と声をかける間もなく、Msさんは遠くへ行ってしまいました。

こんな雨にもかかわらず、お客さんはその後も増えていき、いまやサブカウンターも4人びっしりです。人数が少ないときにはゆったりと、そして人が多くなるとギュッとつめてと、人数によってまるで呼吸をするかのように立ち間隔を調整できるのが立ち飲みのいいところです。あらら。Hsさんも、最初はサブカウンターに面して立っていたのに、今はサブカウンターの奥側にはまりこんで飲んでいます。(「やき屋」をよくご存じの方々には、「灰皿置き場になってる棚の前のところ」といえばわかりやすいでしょうか。)

ギュッとつまったところで、ナカ(ホッピーの焼酎部分のおかわり、150円)をもらって、つまみのほうはイカミミ刺し(150円)をお願いします。先ほどのワタ和えの残りのタレに、このミミ刺しを入れて食べようと思ってるのです。

ミミ刺しが届いたところで、まずは添えられたワサビを取り出してワタ和えの器に入れます。グリグリッとかき混ぜると、とろみのあるワタ和えのタレにワサビが溶け込んでいきます。しかる後にミミ刺しを全部その中に入れて、再びグリグリとかき混ぜます。そして箸でひと切れはさんで口中へ。うっまぁ~っ!

この食べ方は、この近所に住んでいる常連さんのKmさんから教わったのですが、最近お会いしてないですねぇ。お元気でしょうか?

ナカ(150円)をもう1杯おかわりします。ここのホッピーは、ビン入りホッピーをグラスにすりきりいっぱいまで入れて2杯分、ちょっと少なめに入れると3杯分、そして味つけ程度に入れると4杯分のホッピー割りが作れるのです。

私自身は2杯程度でちょうどいいホロ酔い加減になるので、このところは2杯で切り上げることが多いのですが、今日は店に入った瞬間にHsさんとお会いしたため、あらかじめちょっと少なめの3杯ペースでホッピーを作っていたのでした。エッヘン!(って、いばるようなことかい!?)

その3杯目のホッピーに合わせるつまみは、Hsさんから「新しいメニューが出てますよ」と教えてもらった「いかしょうが棒」(150円)を注文してみます。

「いかしょうが棒」は、棒型のイカ入りカマボコに串を刺したもので、見かけはフランクフルトに似ています。注文を受けてから焼き台であっためるところもフランクフルトと同じ。あっため終わったカマボコは、長方形のお皿にのせられて、横におろし生姜(しょうが)がひと盛り添えられます。な~るほど。だから「いかしょうが棒」なのか。おろし生姜の上からシャラッと醤油をかけて、それをちょいちょいとつけながらいただくのがおいしいですね。ん~。これはきっと日本酒も合うだろうなぁ。もともと、ソーセージやカマボコなどの練り物は和洋を問わず大好きなので、この「いかしょうが棒」もいっぱつで気に入ってしまいました。

まわりのお客さんたちが入れかわるなか、Hsさんとの話もはずんで1時間半以上も立ち飲んでしまいました。さぁ、ボチボチと引き上げますか。お勘定は1,106円(1,050円+税)。「どうもありがとうございます」という女将の笑顔に見送られながら店を後にします。

鷺ノ宮や都立家政で飲んだときは、Hsさんは北に、私は南に帰るため「じゃあまた」と別れることが多いのですが、ここ荻窪から見ると同じ方向。同じバス路線上なのです。そうなると「ペルル」あたりで二次会を、となるところですが、なにしろ明日が「竹よし」の夕食会。きっと夕食会+二次会となるでしょうから、今日はグッとがまんしておきましょうね。それではまた明日。お休みなさ~い。

店情報 (前回、同じときの「寄り道Blog」)

《平成16(2004)年10月8日(金)の記録》

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牛もつ煮込みがはじまりました … 居酒屋「バクダン」(高円寺)

都内での仕事を終えて、午後5時半には高円寺の一角にある大衆酒場「バクダン」です。開けっ放しの脇の入口から店内に入ると、右手のテーブル席には6~7人くらいのグループ客がテーブル2、3卓に陣取っており、左手のカウンターと、そこに一番近いテーブルにそれぞれ男性客がひとりずつ座っていてお互いにおしゃべりをしています。

私もカウンターの男性の奥側に座り、まずはビールでスタートです。ビールはサッポロをお願いしますね。ここは、サッポロ、キリン、アサヒと3銘柄そろってますので、ビールの注文時には銘柄を指定する必要がるのです。ビールは大瓶が480円。この界隈でも最も安い値段ではないでしょうか。

さあ。今日のつまみは何にしましょう。正面入口近くのテレビの下に、今日のメニューが書かれた黒板があるので、ちょっと立ち上がってそちらを確認します。すると、カウンターの中のおにいさんが「こちらにもメニューがあるんですよ」と背後の壁を指し示してくれます。うん? と振り返ってみると、あ、ほんとだ。ここにも今日のおすすめメニューが出されている。これはありがたいですね。や。「コブクロ(ボイル)」(380円)がある。まずこれをもらいましょう。

今日の刺身はマグロやカンパチなんかが450~600円くらいであるのですが、定番的なメニュー(いつもあるメニュー)としてマグロブツ、イカ刺し、タコブツ(各350円)もあって、手軽に刺身をつつきながら飲めるお店なのです。

ありゃあ。さっきは今日のおすすめメニューだけ見てたので気づきませんでしたが、となりに「牛もつ煮込み 350円」という短冊(たんざく)も掛かっています。な~るほど。煮込みもはじまりましたか。ここのはシマチョウの煮込みでおいしいんですよね。

待てよ、もつ煮込みがはじまったということは…と、店のまん中あたりに出ている、定番メニューの短冊も確認します。しかし、残念ながらはじまったのは「牛もつ煮込み」だけのようで、鍋物類はまだのようです。ここの鍋物も湯豆腐(350円)、煮込み豆腐(600円)、ブタ鍋(600円)、タラ鍋(700円)、そしてカキ鍋(800円)と低価格ながら、コンロの上でひとり用の鍋で作られる優れものなんですよね。

ユズ胡椒の香りも心地よいコブクロをつついているうちにビールも終了。ここでも燗酒(250円)をもらいましょうか。このところ、個人的な燗酒ブーム。夏が過ぎたこともあって、燗酒を飲むことそのものがなんだかうれしいのです。

先にお猪口(ちょこ)が出てきて、その後、徳利(とくり)の形をしたガラス容器(150ml)に入ったお酒、「京樽(きょうたる)」(埼玉、石井酒造)がレンジでチンして出できます。

「牛もつ煮込み」もいきたいところですが、1品目が「コブクロ」だったので、あまりにモツモツしすぎますね。2品目は定番の「マカロニサラダ」(250円)をいただきましょう。最近は「マカロニサラダ」といいつつも、スパゲティの麺を使ったサラダが出てくる店も多いのですが、この店の「マカロニサラダ」は、昔風の正しい(?)「マカロニサラダ」です。個人的にはどっちのタイプも好きなんですけどね…。

やぁ、おしかった。どうもごちそうさま。約1時間の道草タイムで、今日は1,360円でした。

ここからバスに乗ると、スゥ~ッと家の近くまで帰ることができるんですが、気候もいいし酔い覚ましに歩いて帰りますか。「バクダン」のある庚申通りを抜け、早稲田通りを横切り、大和町中央通りというこれまた古くから続いていそうな商店街を抜けていきます。

この通りには「民生食堂」というのれんのかかった「天平」や、大衆酒場の「ともしび」、焼き鳥の「大和鳥」、さらには冬のボルシチがおいしいという「イワン」などが並び、なかなか濃い雰囲気をかもし出しているのです。

その大和町中央通りを抜けて、妙正寺川にぶつかったところでひと悩み。ここを川に沿って左側に行くとわが家へ。橋を渡ってまっすぐ行くと「ピュアー」のあるみつわ通りを横切って、都立家政方面へと抜けるのです。どうすっかなぁ。「ピュアー」に寄ろうかなぁ。それともこのまま帰るかなぁ。う~む。きっと明後日の「竹よし」での食事会の後も「ピュアー」に行くから、今日は止めときますか。まだ木曜日だし。と、結局わが家への道を選んだのでした。

ちなみに、この日の「ピュアー」の様子が「寄り道Blog」に載っています。もし「ピュアー」に行くというほうを選んでたら、この状況の中に入ってたんだと思うと、これまたおもしろいですね。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月7日(木)の記録》

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たっぷりと鳥もも焼き … 鳥料理「鳥平(とりへい)」(横浜・新杉田)

秋になって気候もよくなってきたので、またボチボチと横浜の職場界隈のお店にも行ってみましょうか。手始めの今日は、以前行っておいしかった鳥料理の「鳥平」です。このために単身赴任寮の夕食もキャンセルして臨んでますから、たっぷりといただきましょうね!

午後8時の店内は6~7割程度の入り。入って右手側に三つ並んでいるテーブル席は全部使われていますが、左手のカウンター席には3~4名程度しか座っていません。私もカウンターのまん中付近に陣取って、まずは瓶ビールを注文します。「瓶ビール(大瓶、650円)はキリンとアサヒがございますが」とおかみさん。店は基本的におやじさんとおかみさんの2人で切り盛りしており、ときどき息子さんが手伝いに出てくるようです。「キリンのほうでお願いします」。

なにしろ横浜は、日本のビール産業発祥の地。後にキリンビールとなったスプリング・バレー・ブルワリーが明治3(1870)年に開設された土地柄ということもあってか、たいていのお店にキリンビールが置かれているのです。

そのビールが出るよりも早く、お通しのひとつとして出されるのが湯呑みに入った鳥スープです。最後のシメでいただく鳥スープもいいのですが、こうやってしょっぱなに出てくるのもまたいいですね。浮いてるのは玉ネギを刻んだものでしょうか。コリコリッとした食感が心地よい。うすい塩味が泣かせますねぇ。

さらに追いかけるようにお通しの小鉢が2品。だだ茶豆と、もうひとつはキュウリとレタスのサラダです。だだ茶豆の濃い味わいがビールを進めますね。

「なにをお造りしましょうか」。カウンターの中のおやじさんから声がかかります。「ハツをお願いします」。前回来たときには鳥ハツはなかったように思うのですが、今回は「鳥はつ塩焼き(3本)」(450円)というメニューも増えています。なにしろ鳥ハツは大好物ですからねぇ。あれば必ず食べたい一品です。

ここの焼き鳥は、他にやきとり、もつやき、つくね焼、皮やきなどがあってそれぞれ3本一皿で450円。私のあとに入ってきたお客さんが「盛り合わせはないんですか」と尋ねたところ、「盛り合わせはありません。3本一皿のこちらのメニューだけなんです」という返事でした。1本1本注文できたほうが、いろんなものを食べることができていいんですが、焼き手の効率からすると1本1本はやりにくいんでしょうか。

炭火でほんわり焼き上げられた鳥ハツをいただきながら、飲み物は燗酒(400円)に切りかえます。日本酒は「鳥平」。店の名前をラベルに付けてもらったお酒なんでしょうね。本醸造と書かれています。チロリで燗づけられて、そのチロリのまま、竹のわっかに入って出てきます。

さて。ちょっとボリュームのあるものをいただいてみましょうか。「鳥もも焼き(700円)をお願いします。」「塩・タレは?」「塩でお願いします」。なるほど、もも焼きも塩・タレの味が選べるんですね。ちなみに「鳥もも揚げ」も700円で、こっちにもちょっと引かれたのですが、今日は「焼き」のほうにしてみたのでした。

「鳥もも焼き」は、注文してから炭火の上でじっくりと焼かれて出てきます。骨の先っぽにペーパーナプキンが巻かれて、お皿にはレモンのくし切りが添えられています。どれどれ。じゃ、豪快にかぶりつきますか。肉にはあらかじめ食べやすいように切り目が入っているので、がぶりとかじると、ちょうどその切り目のところで肉が分かれてきます。うぅ~っ。おいしぃ~っ。

肉をかじりつつ、お酒をちびりちびり。あ。お酒がなくなっちゃった。おかわりお願いしま~す。さすがにもも焼きはボリュームたっぷりですねぇ。

本当は最後に鳥ぞうすいかチキンライス(ともに850円)でしめて帰ろうと思っていたのですが、この時点でもうかなり満腹になってしまいました。本日はこれで終了。

約1時間の滞在で、今日は2,700円でした。どうもごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月6日(水)の記録》

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店情報: 鳥料理「鳥平(とりへい)」(横浜・新杉田)

【このお店は現在閉店しています】

  • 店名: 鳥料理「鳥平」(とりへい)
  • 電話: 045-771-9477
  • 住所: 235-0033 神奈川県横浜市磯子区杉田4-8-55
  • 営業: 17:00-21:30(21:00LO)、月木休
  • 場所: JR根岸線新杉田駅と、京浜急行線杉田駅のちょうど中間ぐらい。どちらの駅からも徒歩5分程度。新杉田駅から行く場合、京急杉田駅方面に歩き、杉田商店街入口の交番で左へ折れ、横須賀方面に少し進み、最初の路地を右折すると、すぐ先の左手。
  • メモ: やきとり、もつやき、つくね焼、皮やきなど、それぞれ3本が1人前で450円。もも焼、ももから揚、手羽から揚、立田揚、鳥さしみ、鳥わさが各700円。チキンライス 850円、鳥ぞうすい 850円など。ビール(キリン、アサヒ、大瓶)680円、焼酎 500円、清酒 400円、ウイスキー 350円など。
  • HTML版(2003年以前): (03.06.29)

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午後4時開店! … 居酒屋「孔子(よしこ)」(都立家政)

西武新宿線の都立家政(とりつかせい)駅近くに午後4時開店の居酒屋ができたといううわさを聞いて、雨の中をやってきてみました。おぉ、ここだここだ。なんだ「竹よし」のすぐ近くじゃないですか。手書きで「孔子」という看板が出ている。紹介してくれた人が「孔子(こうし)と書いて、“よしこ”と読むらしいんですよ」と教えてくれたのですが、よく見ると看板にも“よしこ”とふりがなが振ってあります。

傘をたたんでガラリと引き戸を開けて店内へ。「いらっしゃいませ」という女性の声が響きます。「こんちは。傘は…」「傘は特に置くところがないので、カウンターの端っこに引っかけておいてください。こっち側は使ってませんから」と、カウンターの中から出てきて私の傘を受け取り、そこに置いてくれます。

雨という天候のせいもあるのか日曜午後5時の店内には先客はだれもいません。6つある席の手前から2番目に陣取って、まずはビールを注文します。「ビールはビンと生とがあるんですけど」と女将(ママ)さん。「ビンでお願いします」。

すぐに出されたビンビールはスーパードライの中ビンで500円。店内に大きく「前金制」と書かれています。じゃ、つまみも一品注文しておいて、いっしょに払っちゃいましょうか。「え~と。里芋の煮つけ(200円)をお願いします」と注文しつつ、小銭入れの中に入っていた100円玉をカウンターの上段にジャラジャラっと置きます。

「はい。こちらお通しはサービスです」と、まずレタスをひいた上に揚げシューマイが1個と刻んだ赤いピーマンが数片のせられた小鉢が出てきます。なんだ。お通しがあったんですね。あわててつまみをたのまなくてもよかったか。その「里芋煮付け」も追っかけるように出てきます。「それじゃ、700円いただきますね」とカウンターの上の100円玉を7個持っていきます。

「立ち飲み屋さんだと前金制(キャッシュ・オン・デリバリ)をよく見かけますが、こうやって座って飲む酒場で前金制は珍しいですね」と聞いてみると「そうなんですか。私は立ち飲み屋さんは知らないんですけど、ドトールやファスト・フードのお店のようにできないかと思って…」と女将さん。

店内はL字カウンター(Lの下側が入口)のみなのですが、そのLの縦の辺の部分、6席分しか椅子はない。Lの短い辺のところは使っていないのです。その短い辺のところに私の傘が置かれています。

「かなりゆったりとした、贅沢なスペースの使い方ですねぇ」とビックリしていると、「いえいえ。このくらいが今私にできる精一杯なんです」と女将さん。あまりこういう商売の経験がないのか、話す口調も普通の主婦のような印象を受けます。

振り返って、後ろの壁に貼ってあるメニューを確認します。枝豆、厚揚げ煮、冷奴などが200円、サンマ塩焼き、シシャモなどが300円、そしてイカリングやミニヒレカツなどが400円といった価格帯。「刺身はやらないんですか」と確認してみると、「このあたりにはお魚を扱っているお店が多いようなのでやめたんです」とのこと。なるほど。「竹よし」や「魚がし寿司」「おいらせ」「とっとっと」。さらには私自身は行ったことがありませんがお好み焼き・鉄板焼きの「剣」(03-3336-4186、中野区若宮3-20-2 )も、実は魚がおいしい店らしいですからねぇ。

このあたり、早くから開いている飲み屋が少ない。だいたい5時開店なんです。少し範囲を広げてみると荻窪の「やき屋」や阿佐ヶ谷の「川名」なんかが4時開店で、いずれも開店と同時に満席になるほどの人気。なお、もっと早い開店時間のお店もあって「四文屋」(新井薬師前)が3時開店。「鳥もと」(荻窪)にいたっては正午開店です。

ところが、都立家政にはこういう早く開くお店がなかったんですね。早い時間帯にはその地域に住んでる人たち、特にやや高齢で自分の時間が自由になる通人たちが集まることが多いようですので、楽しみですね。ただ、そのためにも居酒屋の華(はな)である刺身は1~2品程度入れておいたほうがいいかもしれません。マグロブツとイカなんかだと、定常的にそろえやすいのかもしれませんね。

え~と。お酒を燗でいただいて、「カシラと玉ネギの串焼き(2本)」(400円)をお願いします。お酒は大徳利(400円)でもらいましょうか。

お酒は1合徳利が300円、大徳利が400円。安いなぁと思ったら、なんと紙パックの合成酒「かぶき桜」(1.8Lで4~500円程度で売っているもの)でした。いやぁ、久しぶりの合成酒ですが、やっぱりまずいですねぇ。(苦笑)

つまみは女将さんの手づくりっぽい感じが伝わってくるものが多くてとってもおいしいのですが、飲み物にやや難ありですね。チューハイなんかもグラスが350円、ジョッキが450円と横浜地区並みの価格設定です。ちなみにチューハイは下町地区が280~300円くらい。山の手地区で320~350円くらい。そして横浜地区が400~420円くらいと、下町地区を基点として西へ行くほど高くなってくるようです。

この店での飲み方としては、まずは「いいちこ」「白波」などの乙類焼酎をボトルでキープ(料金はどちらも2千円)し、毎回氷や水(どっちも200円だったと思う)だけをもらうというのがいいようですね。それがきっとお店としてもおすすめの飲み方なんでしょう。そうすれば、つまみはもともと美味しくて安いものがそろっているので、早い時間から楽しめると思います。

いずれにしても、(おそらく)この地域初の4時開店の店。がんばっていってもらいたいですね。

今日は約1時間の滞在で1,500円でした。

店情報

《平成16(2004)年10月3日(日)の記録》

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店情報: 居酒屋「孔子(よしこ)」(都立家政)

  • 店名: 居酒屋「孔子」(よしこ)
  • 電話: 03-3223-3904
  • 住所: 165-0032 東京都中野区鷺宮3-6-2
  • 営業: 16:00-23:00、月休
  • 場所: 西武新宿線・都立家政駅の改札を出て都立家政商店街を北上すること約100m、右向こうにセブンイレブンがある四つ角を左折すると右側にスナックなどが3軒くらい並んでいる。そのうちの1軒が「孔子」。
  • メモ: 平成16(2004)年9月にオープンしたばかりの店。前にこの地でやっていた店を、そのまま居抜きで借りているため、新しい感じはない。立ち飲みではないものの、キャッシュ・オン・デリバリー(出たとき払い)方式を採用している。女店主ひとりできりもりしており、カウンター6席のみ。

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バーボンソータ … ピザ&パスタ「OLD CROW (オールドクロウ)」(吉祥寺)

Eさんとともに「吉祥寺ビアホール」をあとにサンロード(吉祥寺駅北口のアーケード)を横切り、路地の中へ。またまた地下へ続く階段を下りていきます。階段の下の入口のところで店のおにいさんが待ちかまえていて、「いらっしゃいませ。お二人様ですか。こちらへどうぞ」と店内へ。

「カウンターとテーブルと、どちらがよろしいでしょうか」とおにいさん。「どっちでもいいけどテーブルにしてみるか」とEさん。「ではこちらへどうぞ」とズラリの並ぶテーブルのひとつに案内してくれます。

ここは「OLD CROW (オールドクロウ)」というバーで、午前2時まで開いているので、一番最後に来ることが多いお店なのだそうです。後でもらった店の名刺では、店の肩書き(?)はバーではなくて「ピザ&パスタ」となっていますが、やや薄暗い感じの店内はおしゃれなバーっぽくもありますね。

お客さんは圧倒的に男女2人連れが多い。グループ客も男女混合。しかも若い。男だけの、さらに言えば中年のグループって、われわれだけじゃないかなぁ。しかしながら、ずらりとそろっている若い店員さんたちも、店の雰囲気的にも、そういう男性中年グループが入りづらいようなところは一切感じられません。な~んか自然に溶け込める感じ。なんでかなぁ。キャピキャピとした騒がしさがないからだろうか。店のおにいさん、おねえさんたちがシャキッとした態度で接客するからだろうか。

そのおにいさんが注文を取りに来てくれます。Eさんは「マルガリータ(Margarita)」(900円)を注文。テキーラベースのカクテルですね。じゃ、私は店名にもなっている「オールドクロウ(Old Crow)」をシングル(500円)で。ソーダ割り(+150円)でお願いします。

「せっかくだから、ピザも食べようか」と、こちらは「マルゲリータ(Margherita)」(1,580円)を注文します。

飲み物とともに「お通し(550円×2人前)です」とガーリックトーストが出てきました。こりゃまた、ボリュームたっぷりのお通しですね。

「オールドクロウ」はバーボンのひとつで、松田優作が生前愛したお酒としても有名です。「寄り道Blog」によると、阿佐ヶ谷のバーのマスターも仕事が終わってホッとしたときはオールドクロウのソーダ割りを飲むのだそうです。バーボンはその香りにクセがあるのですが、それがソーダのスパークリングでうまく強調されています。

さあ、ピザ「マルゲリータ」が出てきました。トマトソースとバジル、モッツァレラチーズで、イタリア国旗の赤・緑・白を表わしているというこのピザは、見た目も美しい。さっそく一切れとって食べはじめます。この店のピザは、薪を使う窯で焼き上げるというのが特長なのだそうです。そのせいかどうか、全体的にフワッとやわらかく仕上がっていて、実にうまい。それまでいろんな話をしていたのに、ふたりとも急に無口になってピザに取り組むくらいの味なのでした。

そのピザも一段落した(すっかりなくなっちゃった)ところで飲み物のおかわりです。Eさんも「オールドクロウ」に切り替えで、「シングル(500円)をストレートで」と注文しています。「私は…」とグラスを持ち上げながら同じものを注文しようとすると、おにいさんのほうが先に「オールドクロウのソーダ割りでよろしいですか」とニッコリとグラスを受け取ってくれます。よく覚えてますねぇ、さすがです。

店内には各種ウイスキーもずらりと並んでいるし、カクテルの種類も豊富。店員さんの応対もよくて、バーとしても十分ですね。ワインも各種あるようです。

さて、11時もまわったし、そろそろ腰をあげますか。お勘定は海外でのレストランのように自分のテーブルで支払うスタイル。これもなかなかいいですね。ふたりで5,380円(ひとりあたり2,690円)でした。階段下の出口までおにいさんが見送ってくれて店を後にします。

う~む。吉祥寺もまだまだ奥が深いですねぇ。阿佐ヶ谷からたった6分で来れるので、もっと足をのばしてみなきゃね。

店情報

《平成16(2004)年10月2日(土)の記録》

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店情報: ピザ&パスタ「OLD CROW (オールドクロウ)」(吉祥寺)

  • 店名: ピザ&パスタ「OLD CROW」(オールドクロウ)
  • 電話: 0422-21-1468
  • 住所: 180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-23
  • 営業: 18:00-02:00、無休
  • 場所: JR中央線吉祥寺駅北口を出て、サンロード(正面の商店街のメイン通路)の入口のところにあるちょっと大き目の路地に向かって左折。1本目の路地を右折した先、左側。入口が地下に向かう階段になっていて、店は地下にある。駅からは徒歩2分程度。
  • メモ: 店名にもなっているバーボン「オールドクロウ」はシングルが500円、ダブルは900円。日本では珍しい「まき火がま」で焼いたピザがうまい。ウイスキー、カクテルも各種あり、バーとしても楽しめる。

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インタビュー演習 … 「吉祥寺ビアホール」(吉祥寺)

小金井市在住のEさんと吉祥寺で待ち合わせです。待ち合わせの時刻は午後8時。少し早めに行って吉祥寺界隈を散策してみましょうね。

吉祥寺駅南口(井の頭公園口)を出て、右手の路地を「丸井」のほうに抜ける角にあるのがもつ焼きの「カッパ」。開けっ放しの入口からは、満員のお客さんがもつ焼きをつまみながら飲んでる様子がうかがえます。なるほどコの字のカウンターをメインとして、壁際にもいくつかのサブカウンターがあるんですね。店員さんも何人かいて、荻窪の「カッパ」よりも新しく、かつ規模も大きい。

その「カッパ」の角を右折して井ノ頭通りにそって次の大きな交差点まで進み、そこを左折して吉祥寺通りに入ると、右向こうの角にあるのが「吉祥寺の代名詞」とまで言われるやきとりの「いせや」です。やぁ。さすがに今日も歩道まではみ出して行列ができるほどの人気ですねぇ。

再び吉祥寺通りを引き返し、JRのガードをくぐって駅の北側に出ます。吉祥寺駅の北側にあるゴチャゴチャっとした横丁群が、人呼んで「ハモニカ横丁」です。横丁に沿って小さい店がずらりと並ぶようすがハモニカの吹き口に似ていることからこの名がついたと聞きます。正式名称は「北口駅前商店街」。ここも昔の闇市の名残なんですね。

入り口角にうなぎの「串の坊」があるこの路地。ここがそのハモニカ横丁の中でも「のれん小路」という横丁の入り口です。ここを入るとやきとりの「大衆」、和風スタンドの「里」、居酒屋「ささの葉」と続き、路地の突き当たりの居酒屋「千鶴」まで、古くて小さい酒場が並びます。そういえば、ハモニカ横丁内で突き当たりになってしまう路地はここしかないんじゃないかなぁ。ほかは縦横に走る路地が反対側まで突き抜けてますもんね。

少し戻って、横丁内を真横に貫く通りを路地2本分ほど東向き(荻窪・新宿側)に進むと、その路地には昔から続く居酒屋「美舟」などと並んで、とっても今っぽい雰囲気のやきとり「てっちゃん」やキッチン&バー「ハモニカキッチン」などが現れます。この横丁も、少しずつリニューアルされてきてるんですね。古い居酒屋ファンの私にとっては、ちょっと悲しいことではありますが…。

と、そこへEさんから電話です。「今、北口の改札にいるよ」とのこと。さっそく私も、ここからだと歩いて1分もかからない改札口へと向かい、Eさんと落ち合います。

阿佐ヶ谷から吉祥寺は3駅、150円区間。Eさんが住む東小金井から吉祥寺も3駅、150円区間と、ちょうど両者の中間地点なのです。しかしながら、品川に勤務されているEさんにとっては、吉祥寺は途中下車できる駅。界隈の飲み屋事情には詳しいのです。

同じくらいの距離でも、自宅に帰る途中にある駅と、自宅最寄り駅を通り過ぎる駅とでは、圧倒的に途中の駅のほうが引っかかる可能性が高くなる。私にとっての中野駅と同じ感覚が、Eさんにとっての吉祥寺駅なのかなぁ。

そのEさんに、これまでほとんど知らなかった東急裏手のおしゃれな飲み屋ゾーン(こじゃれたバーなどが多いのです)や、駅北口右手側の客引きのおにいさんが多いあやしい地帯などをひと回り説明してもらいながら駅前まで戻ってきました。

「喉も渇いたし、ここに入りますか」と階段を下りて地下へ。ここが「吉祥寺ビアホール」です。今は夜ですが、ビアホールと蕎麦屋は昼間っからお酒が飲める貴重なお店ですね。ここ「吉祥寺ビアホール」も、午前11時から真夜中の午前0時まで中休みなく営業しているのだそうです。ビアホールといいつつも、店内は大規模チェーン店の居酒屋風。カウンターあり、テーブルあり、さらには座敷席まであるみたいです。

われわれも6人用のテーブルに案内されます。6人用とはいえ、本当に6人で使うとかなりギューギュー詰めといった大きさ。しかし2人で使うには十分です。

まずは生ビール(スーパードライ、中ジョッキ、567円)をもらって乾杯。おつまみには地鶏のおすすめ串(1,350円)、大根のさっぱりサラダ(350円)、じゃこ天(235円)、そして海鮮ビーフン(580円)を注文します。

今日の目的は編集教室の通信講座を受けているEさんの「インタビュー記事をまとめる演習」のお手伝い。私はインタビューされる役です。テーマは「私の趣味」。

ビールを飲み、つまみをつつきながら「どうして居酒屋をテーマに、自分のホームページに記事を載せるようになりましたか?」とインタビューが始まります。

もともと森下賢一さんの「居酒屋礼讃」(1992年出版)や、太田和彦さんの「精選 東京の居酒屋」(1993年出版)などに出会ったのが、“古くから続く居酒屋”に興味を持つきっかけでした。以来、仕事で近くに行ったりするとちょいと寄ってみたりしました。

そんなことから、ニフティでホームページサービスが始まったとき(1997年末)に、自分のホームページの一部として「居酒屋礼賛」という、森下賢一さんの著書の名前そのままのコーナーを設けたんです。

ところが、平成11(1999)年頃に勤務先の工場ごと東京から横浜に移転する計画が明らかになってきた。そうなると、東京都内の居酒屋にもあまり行くことができなくなるだろうなと思って、それ以来、自分でも意識して精力的に名店と言われる居酒屋を回ってみるようにしたんです。そして、その訪問記を自分の覚えのために「居酒屋礼賛」のコーナーに記録し続けてきた。

工場は予定どおり平成13年の秋に横浜に移転したのですが「居酒屋礼賛」のコーナーは、なんとなく今もまだ続いているのです。以前ほど都内のいろんな店には行けませんけど…。

「なるほどねぇ」とEさん。ボイスレコーダーで録音したり、かたわらのメモ用紙にさらさらと鉛筆を走らせたりと、なんだか記者みたい(笑)。「すみませ~ん」とおにいさんを呼んで生ビールを2つ、おかわりです。「飲んでるときにメモを取っていないのに、たのんだメニューや値段なんかを覚えているのはなぜ?」

これはよく聞かれるんですが、たぶんひとりで飲んでるからだろうと思います。会社の仲間たちとド~ンと繰り出していったりすると、話したり笑ったりするのに夢中で、何をたのんだか、それがいくらだったかなんてことはまったく覚えていない。ひとりでチビチビと飲んでいると、他にすることもないので店内をながめたり、メニューを確認して「おっ。こんなものもあるのか」とか「この店のヤッコは安いなぁ」「次はどれをたのむかなぁ」なんてことを考えている。

本当はその場でメモが取れると楽でいいんですけど、私が好きな「ほとんど毎日通って来る常連さんが多い大衆酒場」では、そういう常連さんを中心として店の空気ができあがっているところが多いので、メモを取ったり、ましてやデジカメで写真を撮ったりというのはすっごくむずかしい。

ただ、頭の中で覚えているだけでは、すぐに忘れてしまうので、店を出てから移動する電車の車内なんかでキーワードを手帳にメモするようにしています。あとで訪問記を書くときにこの手帳を見ると、そのキーワードをもとにしてそのときの様子が思い出されてくるんです。

なんてことを話しているうちに、だんだんとアルコールも回ってきて、いつしか雑談モードへと切り替わっていきます。

「そのメモの取り方、おもしろいですねぇ。なんていう方法なんですか」。今度は私から質問です。「これ? これはマインドマップというやり方。脳の思考方法にそってまとめ方なんだって」とEさん。

もともとEさんとはニフティの「知的生産の技術フォーラム」で知り合ったので、ふたりともこういう「まとめ方」だとか、そのための道具だとかには目がないのです。ビンビール(サッポロラガー、中ビン、504円)も追加して、話はどんどんと横道にそれていきます。

「さあ、せっかくの吉祥寺なのでもう1軒行きますか」と席を立ちます。お勘定は2人で5,287円(ひとりあたり2,600円強)でした。

店情報

《平成16(2004)年10月2日(土)の記録》

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店情報: 「吉祥寺ビアホール」(吉祥寺)

  • 店名: 「吉祥寺ビアホール」
  • 電話: 0422-20-2301
  • 住所: 180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-15-9 岩崎吉祥寺ビルB1F
  • 営業: 11:00-24:00(ランチは11:00-15:00)、無休
  • 場所: JR中央線吉祥寺駅北口のロータリーの向こう側、右手角に看板や入口があり、そこから地下に入る。駅から徒歩1分。
  • メモ: ビアホールと言いつつも、やきとりあり、刺身ありで、内容的には居酒屋風。飲み物も各種。カウンター席、テーブル席、座敷席とあり、かなり広い。

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牡蠣と冷おろし … 居酒屋「竹よし(たけよし)」(都立家政)

10月に入りました。今年も残すところあと3ヶ月。まったく「光陰矢のごとし」ですねぇ。

9月末が締め切りの仕事が終わったこともあって、今日は会社を早め(午後6時過ぎくらい)に出て、西武新宿線の都立家政(とりつかせい)駅に到着したのは午後8時前です。自宅最寄駅のひとつ前で途中下車したのは、もちろんちょっと引っかかって帰るため。なんだか魚が食べたい気分なのです。

「こんばんは」と「竹よし」に入ると、カウンターには男女ふたり連れが2組。2組のまん中と、一番奥が空いていたので、一番奥に座ります。「いらっしゃい。ついさっきまでHsさんもいたんですよ」と店主。そうだったんですか。ちょうど入れ違いになっちゃったんですね。

温かいおしぼりで手、顔を拭きながら例によってビンビール(スーパードライ、中ビン、500円)からスタートです。今日のお通し(200円)は、なんとブリ大根。いやいや、季節はもう秋をとおり過ぎて冬に向かいつつありますなぁ。なにしろ残すところあと3ヶ月ですからねぇ。

やぁ。このブリ大根の熱さがとっても心地よい。ハフハフと大根をかじり、冷たいビールをククゥ~ッと。ホワッと熱く、キリッと冷たく。ちょっとしたことですが、幸せですねぇ。

店主(マスター)はカウンターの中でなにやら料理と格闘中。チラッとまわりの様子を見ると、すぐとなりのふたり連れもお通しのブリ大根をつついているところ。ということは、店に入ってからまだあまり時間がたっていないんですね。

店主が一段落するまで、じっくりとメニューを選びましょうね。

ほぉ。この季節はメニューもおもしろい。アジのナメロウや穴子などの夏っぽい品が並ぶ一方で、カキ酢や湯豆腐などの冬のメニューもはじまって、あっちにも引かれ、こっちにも引かれといった状態です。

「お刺身盛合せ、お待たせしました」。色合いもよく盛りあわされたお刺身がこちらのカップル、あちらのカップルに出てきます。「マグロ、生ウニ、真鯛、…」と、店主がひとつひとつを指し示しながら説明しています。赤、黄、白とならんだ色合いもきれいなのですが、このウニ! すごいですねぇ。プリッと大きく身が張って、見るからにおいしそう。

さて、それじゃ私も注文しようかな、と思っているところへ、店主から「こちらのお客さんはインターネットをご覧になっていらっしゃったそうですよ。もしよろしければ、こちらに移られますか」と声がかかります。なんと。男女ふたり連れが2組と思っていたのに、入口側のお客さんはそれぞれ男性ひとり客と、女性ひとり客だったんですね。おすすめにしたがって、おふたりの間に入れてもらいます。

ひとしきりごあいさつを終えて、本日の一品目は“初物・三陸産”と書かれたカキ酢(600円)をお願いします。なにしろ“初物”なんて書かれていると、すぐにほしくなっちゃいますからねぇ。ちょっとだけ季節を先取った感じがいいですよね。

すぐに出てきたカキ酢。舟型の器に生のカキが盛られ、上に紅葉おろしと刻みネギがのっています。それとは別にポン酢醤油。

なんとねぇ。このカキは小粒ながらもプリッとふくらんで、つややかに灯りをはね返している。ちょっと揺すったらプリンのようにプルルンとなりそうなくらいの弾力感。う~む。食べるのがおしいくらいですねぇ。

よ~し。東北のカキには、東北の酒を合わせますか。「出羽桜(でわざくら)」(500円)をお願いします。

そこへ、勝手口から「こんばんは。いらっしゃいませ」とママさんが入ってきました。「今日は調子もいいし、なにか造ってみるか」とニッコリ顔。ママさんは、昨年体調を崩してから自宅で療養中。お店には食事会のときなどを中心に、ときどき顔を出してくれるのです。

プリップリのカキをつまみ、出羽桜をチビチビと飲(や)りながら、他のお客さんたちと話をしているところへ、ママさんから「ほらできたよ。熱いうちに!」と出てきたのは、イカ焼きです。イカ焼きと言葉で書いてしまうとちっとも珍しくないのですが、このイカ焼きは表面にウニとユズ胡椒が塗ってあって、実に贅沢。さっそくひと切れ口に入れると、熱々のイカの食感とともに、口の中にウニの風味がたっぷりと広がります。生のウニもうまいですが、こうやって焼いたウニもまた香りが高くていいですねぇ。ほらほら、みんなも。と、みんなでママさん作のつまみを分けあいます。

さて。お酒をおかわりしましょうか。日本酒のほうも、この季節らしく「冷(ひや)おろし」が出てるんですね。「冷おろし」というのは、去年の冬造られたお酒が、ひと夏を過ごして熟成され、秋になって外気温と蔵の中の温度が同じくらいになったときに出荷されるお酒です。この季節になると気温による酒質への影響がないため、火入れすることなく出荷できるというのが「冷おろし」の特長なのだそうです。荒々しかった新酒が、ひと夏の熟成でまろやかで濃くのあるお酒になるんですね。「秋上がり」とも言うんだそうです。

この店に出ている「冷おろし」は、奈良の「嬉長(きちょう)」。特別純米、本醸造、上撰と3種(各500円)ありますので、ひとつずついってみましょうか。まずは特別純米から。つまみにはイナダの刺身(500円)をお願いします。

イナダは、ブリの小さいやつです。ブリはご存知のとおり出世魚で、1歳くらいで15センチ前後のものをワカシ(関西ではツバス)、2歳くらいで40センチ程度のものがイナダ(関西でハマチ)、3~4歳で60センチ級くらいになるとワラサ(関西でメジロ)、そして5歳で80センチを超えてるくらいになってはじめてブリと呼ばれるのです。イナダ(ハマチ)級のやつは、四国の実家のほうではヤズとも呼ぶんですけどね。昔から好きな刺身のひとつです。

カウンターの奥側に座っている男女ふたり連れもご夫婦かと思いきや、そうではなくて、もう15年以上も続いている飲み友達なのだそうです。沼袋に住んでおられるのだそうで「いい焼き鳥屋さんがあるわよぉ」と教えてくれます。なにしろ、沼袋も「ホルモン」しか行ったことがありませんからねぇ。

本醸造の「冷おろし」に入ったくらいで11時頃になり、みなさん順々にお勘定を済ませて腰をあげ始めます。ホームページを見ていらっしゃったお客さんも、ご自宅が京成線沿線方面ということもあって、こちらにはめったに来られないご様子。「今度はぜひ堀切菖蒲園あたりで!」なんて話をしながら、店を後にされます。

そうなんですねぇ。三ノ輪、千住から堀切菖蒲園あたりの、いわゆる「酔わせて下町」地帯。かのページを見るたびに行ってみたいなぁと思いながら、さっぱり行くことができていないのです。会社の帰りとか、出張のついでといった行きかたはどうやらできそうにないので、こいつはいっちょう、どっかの土曜日にでも、そのためだけに出かけていかないといけないですねぇ。

最後は私ひとりになり、店主との会話を楽しみながらお酒をいただいていると、どやどやと男性3人連れが来店です。どっかで飲んで来られて、最後に自宅近くのこのお店にたどり着いたって感じです。「刺身の盛合せとぉ…」と、閉店間際にもかかわらず、けっこう大量の注文が入ります。ま、そこは個人経営のいいところで、お客さんがいて、注文が続いている間は閉店しませんからねぇ、ここも。

「ちょっとこれでもつまんどいて」と小鉢にちょいと盛られた生ウニと、別皿に焼き海苔を出してくれます。ちょうど刺身の盛り合せを作り始めたところのようで、生ウニの準備をしたついでに私にもちょっとおすそ分けで出してくれたんですね。さっき、となりのお客さんが食べてた刺身盛り合せを見て「すっごくきれいなウニですねぇ!」なんて騒いでいたのを覚えていてくれたんですね。

それじゃ、お酒も最後の上撰の「冷おろし」といきますか。

いやぁ。見た目もすごいですが、味のほうもさすがですねぇ。おいしいですよ、このウニは。お酒も、意外と上撰のバランスがよくて飲みやすい。ま。本日すでに4本(4合)目ですからねぇ。すっかり酔っ払い舌になってるとは思いますが…。

3人連れのお客さんたちのつまみを作り終えた頃合いで、私もおもむろに腰をあげます。けっきょく12時半まで、たっぷりと4時間半以上楽しんで今日は4,700円でした。どうもごちそうさまぁ!

店情報 (前回)

《平成16(2004)年10月1日(金)の記録》

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豚足で1杯 … 豚料理「味珍(まいちん)」(横浜)

9月末が締め切りの仕事が無事終了し、今日は横浜駅界隈で打ち上げ会。10月からは別の場所で、別の仕事にかかわるメンバーもいることから、送別会も兼ねた盛大な会となりました。

その会が終わったのが午後9時。ウイークデイ(木曜日)ということもあって、ほとんどのメンバーはここで解散し、二次会に行く若手たちは横浜駅西口北側の濃い地域に繰り出して行きます。

私も明日のことを考えて、みんなと一緒にど~んと繰り出すことは止めておきましたが、せっかくの横浜(横浜駅)なので、ひとりで「味珍」で締めて帰ることにしました。

「味珍」は、横浜駅西口北側の公衆トイレのある横丁「狸小路」のまん中あたり。通り沿いに向かい合って2軒、4店舗があるのです。なぜ2軒なのに4店舗かというと、向かい合う本店と新店にそれぞれ1階と2階があって、それぞれが独立したお店になっているからなのです。

私自身、最初に行ったのが新店1階、2回目が本店1階。そして、今日が3回目の「味珍」なのです。今日はどの「味珍」にしようかなぁ。通りからのぞき込んでみると、新店1階は4~5人の入り。ここは店が小さいので、4~5人入ってるとかなりこんでる感じになります。本店1階は、奥のほうでL型に曲がったところには3人くらい先客がいますが、入口から続くLの長辺のところには1人しか先客がいない。ゆったり入れそうだから本店1階にしましょうか。「こんばんは」。

「いらっしゃいませ。お鞄はこちらにどうぞ」。カウンターの手前からふたつ目あたりに腰掛けようとしていると、目の前の階段下のスペースのあたりを店のおにいさんが指し示してくれます。本店1階は店主とこのおにいさんの2人で切り盛りしているようです。

さっそく、常連さんたちが“やかん”と呼ぶ焼酎(350円)を注文し「尻尾はまだありますか?」と念のため確認してみます。この尻尾が人気メニューのようなのです。案の定「尻尾は売り切れました」という答え。「じゃ、豚足をお願いします」。

「味珍(まいちん)」は、表の看板に「豚の味珍」と書かれているとおり、中華風に調理した豚の珍味(ちんみ)が食べられるのが特徴。メニューには豚の頭、耳、舌、胃、 足、尾の六種 があり、それぞれ700円です。

その豚足が届く前に、座るとすぐに出される小皿に練ガラシとお酢を入れて、ツケダレを作って待つのがこの店のお約束。グリグリとかき混ぜているところへ、お皿にたっぷりと盛られた豚足が出てきます。豚足は小さくひと口大にカットされていて、箸でつまんで食べやすい。これを用意しておいたタレにちょいとつけていただくのです。あぁ~、うまい。この店にしかない味なんですよねぇ。

「辣白菜(ラーパーツァイ)」(白菜の漬物、300円)ももらっとこうかな。酸っぱ辛いこの漬物が、コラーゲンたっぷりの豚料理の合いの手にはぴったりなのです。

お酒(「富翁」)もあるみたいなので、今度は燗酒で豚の珍味をいただいてみなきゃなんて、すでに次回の計画が頭をよぎります。

今日はサックリとこのあたりで終わりますか。45分程度の滞在。焼酎1杯と、豚1品、漬物1品で、1,350円でした。どうもごちそうさまでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月30日(木)の記録》

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恵比寿といえば!? … やきとり「たつや」(恵比寿)

午後から恵比寿方面での仕事。同行者の中に「恵比寿ははじめて」というメンバーがひとりいて、仕事終了後に「それじゃ、恵比寿らしいところで飲もう!」という話になりました。

「恵比寿らしいところ。どこだろうねぇ?」 昔ならすぐに「エビス・ビアホール」となったところですが、ガーデンプレイスができてからは、普通にそこここにあるサッポロ・ビアホールとあまり変わりがなくなってしまい、「恵比寿らしい」とは言えない状態だしなぁ。

やっぱりホルモン焼の「徳ちゃん」か、居酒屋「さいき」。そしてやきとりの「たつや」でしょうということになって向かったのが、その時点で一番近かった「たつや」です。

時刻は午後6時。5時をまわると確実に満席で入れない1階を早々にあきらめて、店につくなり地下への階段をおります。ガラリと引き戸を開けながら「4人です」。「はい、いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」と、店員さんが左手奥の長五角形の変形テーブルの奥側へ案内してくれます。

まずは「ここは生ビール(中ジョッキ710円)と日本酒(大徳利1,000円)が高いから気をつけなきゃね。基本はホッピー(410円)だよ」なんてことを、ノウハウとして伝授しながらの飲み物選びです。「そうは言っても、喉も渇いてるので最初の1杯はビールを飲ましてくれ」というワガママな私ともうひとりが生ビールを注文。残りの2人はホッピーからスタートです。さすがにホッピーだと、ググゥ~ッとひと息にジョッキの半分くらい、なんて飲み方はできませんもんねぇ。

飲み物といっしょに出されるお通しは、前回と同じく小鉢のキンピラ。

つまみのほうは冷奴(300円)、ガツ刺し(340円)を2人前ずつ。そしてもつ焼きがタン、ハツ、カシラ、レバ、ハラミを各2本ずつの都合10本(1本160円)を注文します。冷奴はさておき、ガツ刺しともつ焼きは「たつや」に来たら食べとかなきゃね。

このあとは、みんなでホッピーに切りかえて、おかわりを繰り返します。つまみも、本場・鹿児島風にやや甘い味付けのさつま揚げやもつ焼き(タンシタ、ナンコツ、ツクネを各2本)などを追加です。

最後はみんな黒ホッピーに切りかえてカンパ~イ。

午後9時まで、3時間におよぶ楽しい飲み会は、4人で12,610円(ひとりあたり3,150円程度)でした。

「たつや」を出た一行は「恵比寿といえばラーメンだろうよ!」と駅の東側に向かいます。ホルモン焼きの「徳ちゃん」を横目で見ながら通りをわたり、路地に入ります。ここが「英(はなぶさ)」で、角を曲がって「山頭火(さんとうか)」、と1軒1軒様子をのぞきながらの街歩きです。タコの形の滑り台がある公園を過ぎて、大きな通り(明治通り)を渡った右側にあるのが「一風堂(いっぷうどう)」です。

それぞれ好みに応じて「赤丸新味(あかまるしんあじ)」(750円)、「白丸元味(しろまるもとあじ)」(650円)を注文。あっという間に食べ終わって、替玉(150円)をしている人もいます。

しかし、「山頭火」にしても、「一風堂」にしても、今はいろんな街で見かけるのでそれほど珍しくなくなってしまいましたねぇ。

久しぶりに飲んだ後にラーメンを食べて、すっかり満腹で帰路についたのでした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月28日(火)の記録》

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定食の小鉢をつまみに … 食事処「百工房(ひゃくこうぼう)」(鷺ノ宮)

久しぶりに家族で外食です。とはいえ外は雨模様。上着を着なければ寒いくらいの天候なので、出かけたのはわが家から2分程度のところにある食事処、「百工房」です。ここは定食もあるし、つまみもあるし、お酒もあるといったお店で、家族で出かけるには最適なのです。

ネギトロ丼の定食(950円)やサンマ塩焼き+栗ごはんの定食(850円+100円(栗ごはんへの変更分))などを注文する家族を尻目に、まずは生ビール(500円)をもらいます。上着がいるほど寒くても、最初の1杯はビールがいいですよね。

ここにくると、生ビールを注文することが多い。なにしろ、私以外の家族は食事が主体なので、ゆっくり飲んでるとペースが合わないのです。自分ひとりでチビチビと飲むときには、コップ1杯ごとにきっちりと泡を作れる瓶ビールのほうがむしろ適しているのですが、速いペースでググゥ~ッとやるときには、やっぱりジョッキの生ビールのほうが向いてますよね。

今日のお通し(200円)は、ハルサメや野菜のマリネ風サラダです。つまみには、以前にも食べておいしかった砂肝キュウリ炒め(650円)を注文しておきましょうか。

日曜7時の店内は、ちょうど食事時らしく、近所の住人と思しき男性ひとり客が4~5人、カウンターにずらりと座っています。ビールや酎ハイをもらって、つまみを1品程度とり、そのあとに定食を食べるというスタイルの人が多いように見えます。

居酒屋との違いは、お客さん同士が互いに話しをしないこと。そればかりか店の女性とも特に会話は交わしておらず、みなさんテレビを見ながらの夕食タイムのようです。

週末の遅い時間など、酔っぱらった人が多い時間に来ると、また雰囲気が全然違ったりする(ほとんど居酒屋と同じ状態になってる)のですが、まだ時間が早いこともあって、こういうもの静かな雰囲気なんですね。

テーブル席のほうには宴会の予約が入っているのか、テーブルをくっつけて15~6人は座れそうな状態で、テーブル上には大皿の料理などもスタンバイされています。

砂肝キュウリ炒めが出たところで、燗酒をもらいましょうか。まったく銘柄は確認しないで飲みはじめましたが、ここの燗酒は、たしか「高清水」(500円くらい?)だったように思います。

家族の定食にも、ヒジキの小鉢や、切干大根の小鉢、さらにはたっぷりと盛られたお新香などもついているので、みんなの小鉢をちょっとずつ突っつかせてもらうだけで、十分にお酒のつまみになっちゃうのでした。これがまた定食のいいところでもありますね。

本当は、少なくとももう1本くらいお銚子をもらいたいところですが、家族はすっかり食事終了。後ろ髪を引かれつつも今日はこれで切り上げますか。どうもごちそうさま。お勘定は、家族4人分で4,700円でした。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月26日(日)の記録》

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“もつ”も“おでん”も … 居酒屋「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

明日は「秋分の日」。横浜での仕事が遅くなり、西武新宿線鷺ノ宮駅に到着したのは午後11時15分。南口の階段を下り、橋を渡った先、「ほ里乃家」に。

「いらっしゃいませ」と店主に迎えられながら店内へと進みます。Jの字型のカウンター(Jの右上が入口)には男性が入口近くと奥のほうにひとりずつ。私はズズイと進んでカウンターの一番奥(Jの一番下のところ)に陣取ります。

まずは瓶ビールをもらいましょうか。ここの瓶ビールはスーパードライの大瓶で550円。この界隈、スーパードライのお店が多いのです。今日のお通し(200円)は枝豆。ビールにはぴったりです。

入口近くに座っているのは、この店の大々常連さんであるK藤さん。少なくとも、私がこの店に来たときには必ずK藤さんが飲んでるのです。「玉子焼きを注文してもいいかなぁ」と、そのK藤さんから注文が入ります。「いいよ」と店主(マスター)。ここの玉子焼きは400円というごく普通の居酒屋価格ながら、注文を受けてから玉子を溶いて、玉子焼き専用のフライパンで焼き上げる。熱々フワフワで人気の品なのです。

店主が手際よく玉子焼きを仕上げて、「なにかお造りしましょうか」と問いかけてくれます。「マグロ納豆(400円)をお願いします」。昼ごはんを食べてから、ズゥ~ッとなにも食べていないので、ちょっと腹にたまるものがほしい気分なのです。

マグロ納豆は、小鉢に盛られたマグロブツの上に、納豆と刻みネギをのせて、横にちょいとカラシを添えて出てきます。これに醤油をかけてグリグリネバネバとかき混ぜるのです。よ~し、美味しそうになってきたぞ。それじゃ、お酒をお願いします、燗で!

ここの日本酒は、普通に「お酒」とたのむと辛口の「剣(つるぎ)」(320円)が出されます。甘口がいい場合には「剣菱(けんびし)」(320円)を指定する必要があります。私は、どっちかというと甘口(というよりも本当に好きなのは旨口)のお酒が好きなので、だいたいいつも「剣菱」のほうをもらっているのですが、店主がそのことを覚えていたのか、今日は「お酒」と注文しただけで「剣菱」を燗づけてくれました。

このほかの日本酒としては、特別純米の「穏(おだやか)」や、同じ「穏」の吟醸酒などが置いてあります。

J字カウンターの私に近い側に座っている男性からも「お酒をもうひとつ」と注文が入ります。この人も常連さんのようで、店主やK藤さんが話しているところでは、これでどうやらお銚子8本目。やや呂律(ろれつ)が回らない感じにはなっているものの、まだ壊れている(!)感じではない。そういえば、最近あまり酒場で壊れている人を見かけないなぁ。新橋や神田などのサラリーマン地帯で飲んでないからかな。

「こんばんは」と、いつもK藤さんのとなりで飲んでいるK子さんが入ってきて、いつものようにK藤さんのとなりに座ります。うん。こうやって二人そろうと、深夜の「ほ里乃家」っちゅう雰囲気が高まりますね。このおふたりはご夫婦ではないようなのですが、どういう関係なんでしょうね。そんなことを考えながら飲むのもまたおもしろい。

え~と。焼さつま揚げ(350円)をお願いします。

ぼちぼちとマグロ納豆が底をつきそうになってきたので、追加のつまみを注文します。常に自分のまわりに2~3品のつまみがないと気にいらないといったタイプの人もいらっしゃるようですが、私の場合はこうやって1品また1品と、1品ずつ注文していくことが多いのです。

その焼さつま揚げはイカが入ったさつま揚げと、野菜が入ったさつま揚げの2種類が盛られています。ちょっと炙った練り物をショウガ醤油でいただくのが、これまた燗酒に合うんですよねぇ。

ガラリと入口引き戸が開いて、入ってきたのは近所の居酒屋のママさん、H子さんです。入口のすぐ近く、K藤さんの向こう側に腰掛けながら、「あら、こんばんは」とこちらにもあいさつをくれます。そのお店は11時に閉店になるので、店を閉めてからこちらにいらっしゃったんですね。「ほ里乃家」にはそういう同業者のお客さんも多いようなのです。

「マスター。浜田さんに1本さしあげて」とH子ママから「剣菱」が1本届きます。ありゃ、どうもすみません。

そこへ、この店のおかみさんも2階から降りてきて、1階のカウンターの中に入ります。ピークの時間帯(夜11時くらいまでかな?)を過ぎると、おかみさんは2階で片づけをして12時ごろには帰宅されるようなのですが、今日は降りてみるとお客さんが大勢(といっても5人ですが)いたので、カウンターの中に手伝いに入ったんでしょうね。

せっかくおかみさんがいるので、私もさっそくイカゲソ焼き(250円)を注文します。焼き台を使って焼くつまみはおかみさんが担当していることが多いのです。「すみません。イカゲソ焼きは売り切れたんですよ」。「それじゃ、もつみそ焼き(350円)をお願いします」。

やきとり(もつ焼き)まであるのが、この店のおもしろいところ。もつみそ焼きは、もつ焼き屋さんでいうところのシロ(腸)を串に刺して、味噌味のタレに漬け込んだものを焼いてくれます。1人前が4本なので1本あたりの値段は88円ほど。もつ焼き屋さんのシロほど鮮烈なプリコリ感はないものの、味噌ダレで味が付けられた“もつ”は、日本酒にとってもよく合います。

すみません。お酒(320円)のおかわりをください。これで「剣菱」も3本目です。

閉店時刻である午前1時が近づいてきて、店主はおでん鍋の片づけに入ります。そうかぁ。おでんも始まってたんですね。この間まで暑い暑い夏だと思ってたのに、あっという間に季節が移って、秋らしくなってきました。おでんに燗酒、楽しみですね。

さぁ。それじゃ私も腰をあげますか。今日のお勘定は2,440円。ちょいと飲んで帰るつもりが、けっきょく午前1時の閉店時刻まで腰をすえてしまいました。それじゃみなさん、お先に。どうもごちそうさまでした!

店情報 (前回、関連記事:「寄り道Blog」)

《平成16(2004)年9月22日(水)の記録》

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今日の彼女は「湯あがりの君」 … バー「PURE(ピュアー)」(野方)

秋元屋」をあとに、Hsさんとふたりで「ピュアー」へ。8時前の店内はカウンターの中央手前側に男性3人連れ。われわれはカウンターの一番奥に腰をおろします。(その後の顛末: 3人連れのおひとりは、掲示板にも書き込みをいただいているTtさんだったようです。しかも、そのうちのおひとりは女性! 大変失礼いたしました。)

Hsさんは「ジントニック」からスタート。私は…、えーと、私は「シェリー(Sherry)」(520円)をお願いします。「アハハ、シェリーね。笑うことはないか…」とマスター。Hsさんも「えっ! シェリーですか!」

以前、この店で会った「シェリーな彼女」は、その後、実はHsさんがずっと「野方の女神」として慕っていた人だということがわかり、今日も「もしかしたら彼女もいるかもね」なんて話しながら店に来たところだったのです。そして「シェリー」はその彼女のトレードマークのようなお酒。それを私が注文したので、思わずマスターの笑いやHsさんの驚きの声が出たのでした。

「シェリー」はワイングラスをそのまま小さくしたような、シェリーグラスという専用グラスに注がれます。銘柄はゴンザレス・バヤスのティオ・ペペで、冷蔵庫でよ~く冷やされています。

「シェリー」は、ワインにブランデーやリキュールなどアルコール分の高いお酒を混ぜた“酒精強化(しゅせいきょうか)ワイン”というタイプの飲み物のひとつで、スペインの南西端にあるヘレス地方のお酒です。酒精強化をするタイミングによって、そのお酒の味わいもずいぶん変わってくるのですが、「シェリー」の場合には、ブドウの発酵が完全に終わってから、つまり糖分がすっかりなくなってからブランデーが加えられます。そのため辛口のお酒に仕上がるのです。

今日のお通しはマリネっぽいナス? 料理の世界に詳しくないので、なんと呼んだらいいのかよくわかりませんが、洋風のおいしいナスです。(汗)

2杯目の「シェリー」を飲むころには、Hsさんも「じゃ、私もシェリーを飲んでみるかな」と「シェリー」に移ります。「女神、来ないかなぁ」とふたりで話していると、マスターが「じゃ、ちょっと声をかけてみますか」と電話してくれました。「もしもし、今、なにしてるの? … あ、そう。 … おもしろいことがありそうだけど、来てみない?」ということで、彼女も来てくれることになりました。

彼女、Rmさんは本当に近くに住んでいるようで、ほとんど待つこともなく登場です。どうもこんばんは。急におよびたていたしまして…。「あらあら、なにかと思ったら」ととなりに座る「シェリーな彼女」=「野方の女神」は、今日はすっかり「湯あがりの君」。ちょっと上気したほっぺに、ホワンとただようシャンプーの香り。さっそく注文したのが「シェリー」です。

みんなは普通のシェリーグラスなんですが、Rmさんには彼女専用のシェリーグラスがあって、それに注いでもらっています。「実はここんとこがちょっと欠けてるんだ。マスターが捨てようとしてたんで、私の専用グラスにしてもらったの」。われわれも、もう1杯シェリーをおかわりし、乾杯です。

Hsさんも、Rmさんも、おたがいにBlogをもっており、しかもこの店の常連さん同士。Blogの世界でも、実世界でも知り合いのふたりなのに、そのふたつの世界のつながりがついた(Blog上のあの人が、実世界のこの人だとわかった)のは、特にRmさんにとっては今がはじめてなのだそうです。「あぁ。あなたでしたか」。こんなところもネットのおもしろいところですね。(Hsさんは「寄り道Blog」の、Rmさんは「おぽんちNote♪」の作者です。)

シェリーの話しから、話題はポートワインの話しに移ります。どっちも“酒精強化ワイン”なんですが、「シェリー」はスペイン、「ポート(Vinho de Porto)」はポルトガルです。「シェリー」が発酵が終わってからブランデーを加えるのに対して、「ポート」のほうは発酵の途中で、まだ糖分が残っているときにブランデーを添加するのです。したがって、できあがったお酒(=「ポート」)も、アルコール度数は高いものの甘口のお酒になるのです。

海外出張に行くと、山のように出てくるデザートに辟易(へきえき)としますが、そんなときに助けてくれたのがポートワインだったのです。デザートの時間になって、みんながお皿に山盛りのケーキを食べているときに、「じゃ、私はポートワインとチーズ」と注文するのは、けっしてマナー違反にならないらしいのです。つまりポートワインとチーズも十分にデザートの一品と認められるみたいなんですね。そのことを知ってから、これまで大変(甘い物との格闘の場)だったデザートの時間が、とっても楽しい時間になったのでした。

そんな話をしているところへ、マスターが「ほら」と出してくれたのが、なんとポートワイン! なんでもありますねぇ! ど~れと飲んだこのポートワインがうまいこと!! 「こりゃまた、ものすごいポートワインですねぇ」。

ちなみに、“酒精強化ワイン”の世界には“世界三大酒精強化ワイン”というのがあるそうです。今日いただいた「シェリー」「ポート」と、「マディラ(Madeira)」です。「マディラ」はその名のとおり、モロッコの沖合いにあるマディラ島で造られるお酒で、気温50~60度位で数ヶ月熟成させて酸化(酸化熟成)させるのが特徴なのだそうです。

今日はズゥ~ッと「シェリー」をいただいてきたので、最後に蒸留酒で締めますか。前回いただいた「ジャマイカ・ラム・ミスト」(520円)をもらおかな。

彼女がいるだけで場がド~ンと明るくなるRmさん。Hsさんからはいろいろとトホホ話が紹介されるのですが、そのトホホ話も、Rmさんを通過するとすべてが笑い話になってしまうところがおもしろい。みんなで大笑いしながら過ごすうちに、もう11時前。おぉ。明日からは普通の仕事だから、そろそろお開きにしなきゃ。

例によって、ひとりずつきちんと会計された金額がマスターから示されます。私は今日は2,350円。とてつもなく楽しい時間でした。Hsさんも、そしてわざわざ出てきてくれたRmさんも、どうもありがとうございました。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月20日(月)の記録》

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日本酒でもつ焼き・アゲイン … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

三連休最後の今日は「秋元屋」です。店についたのは午後5時ちょうどくらいなのに、もう店内は6~7割の入り。コの字カウンターの空きが多い部分に座ろうとしていると、店主から「あちらにHsさんが…」と声がかかります。「あ。こんにちは」とさっそくHsさんのとなりへ移ります。

「まずはビールをお願いします。小ビンで」。すぐにサッポロ黒ラベルの小ビン(320円)とグラスが出てきます。トトトッとグラスに注ぎ、Hsさんと小さく乾杯をしてググゥ~ッと飲み干します。フゥ~ッ。この1杯目のビールのうまいことといったら!

今日も開店と同時に入ってきたお客さんたちからのもつ焼きの注文が、すでに山とたまっているようなので、しばらくはもつ焼き以外のつまみで過ごしましょうね。え~と、ガツ酢(180円)をお願いします。

いつものように年配のひとり客もいれば、若いカップルもいる。この広い客層が「秋元屋」の特徴のひとつでもありますね。

さあ。店主のもつ焼きの手もすいてきたようなので、こっちももつ焼きを注文しますか。レバとハラミ、そしてテッポウを1本ずつ。テッポウは味噌で、あとは塩でお願いしますね。(もつ焼きはすべて1本100円)

注文が終わったとたんに、まわりのお客さんたちからも次々にもつ焼きの注文が入り、またもや店主は大量のもつ焼きの山との格闘です。いやいや。焼き台の上は常にもつ焼きがずらりと並んでいて活気があっていいですね。

そう! 先日ホルモン」(沼袋)で普通酒の燗を試してみて、見事にもつ焼きと合うことを発見したところなので、飲み物は日本酒を試してみたいんです、この店でも。しかもずらりと居並ぶ銘酒ではなくて普通のヤツね。

この店の普通のお酒は「菊正宗」です。1合が280円。2合だと550円。2合でお願いします。「は~い」という返事とともに、煮込み鍋の横のヤカンで燗がつけられます。

「これくらいでどうでしょう」とヨッちゃん(店を手伝っている女性)が1杯目をお酌してくれます。さっそくお猪口で受けてツゥ~ッと流し込みます。ッカァ~ッ。うまいっ! いい温度ですよ!

「や。おいしそうですねぇ。私も日本酒をいただこうかな」。横で見ていたHsさんも日本酒に移ります。こうやって夏から秋に向かっていって、とてつもなく暑かった日々を乗り切ると、なんだか燗酒がなつかしいですよねぇ。

まずはレバが出てきました。ほら。やっぱり合うよなぁ、もつ焼きに日本酒。ただし、この場合の日本酒は、純米とか吟醸ではなくて、ごくごく普通のアル添酒であるところに注意が必要です。

ハラミもさることながら、なにしろよく合うのがミソ味のテッポウです。考えてみれば、味噌と日本酒とはもともと相性がいいので、こりゃ当たり前かもね。

燗酒で身体も温まったところで、今度はトリハイ(トリスの炭酸割り、280円)をもらいますか。つまみはポテトサラダ(280円)をお願いします。

チビチビとトリハイをなめながらHsさんとの会話を楽しみます。こういうときにはウイスキーハイボールが合うんですよね。Hsさんも知らぬ間にトリハイに移行です。Hsさんは「ペルル」でもメーカーズマーク(バーボン・ウイスキー)をキープされていて、それをハイボール(炭酸割り)で楽しまれているそうですので、もともとハイボール好きなんですね。(詳細は「寄り道Blog)」で。)

もう1杯トリハイ(280円)をいただいて、7時半になったところで「次に行きましょうか」とHsさんと席を立ちました。今日のお勘定は2,190円でした。

店主から「これからおふたりで『ピュアー』ですか」なんて笑顔で見送られながら店をあとにしたのでした。

店情報 (前回、関連記事:「寄り道Blog」)

《平成16(2004)年9月20日(月)の記録》

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ハタの刺身も川名価格 … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

夕方からいつものように図書館経由で「川名」です。到着したのは午後4時半ながら、すでに店内カウンター(7席)はお客さんでいっぱい。しかしながら、さすがにカウンター後ろのテーブル席はまだ空いており、A卓右(一番入口に近いところ)に陣取ります。

すぐにお通しのメロン2切れを持ってきてくれたミィさんに、生グレープフルーツサワー(336円)を注文します。

さて、つまみ。さすがにこの時間に来るとホワイトボードもびっしりいっぱい。まだ消えているもの(売り切れのもの)はひとつもありません。刺身はマグロ(ブツ、山かけ)、イワシ、サンマ、ホタテなどなどがずらりと並んでいます(各294円)。秋だし、サンマをいただきましょうか。飲み物を持ってきてくれたミィさんに、さっそくサンマ刺しを注文します。「ミィさん。刺しね!」と強調。メニューにはサンマ焼魚もあるので、念のため。

生グレープフルーツサワーは中ジョッキにたっぷりの酎ハイと、それとは別に絞り器とともに半切りのグレープフルーツが出されます。なにしろこのままでは絞ったグレープフルーツジュースの入るすき間はまったくありませんので、まずはググゥ~ッとジョッキの上のほうの酎ハイをそのまま1~2センチ分飲みます。そうやって空いたすき間に絞ったばかりのジュースを注ぐ。おっとっと。グレープフルーツ半玉分のジュースですからね。これじゃとても入りきらないくらいの量なのです。続きはもうちょっと飲んでから入れることにしましょう。

なんだかねぇ。これだけの量のフレッシュグレープフルーツジュースが飲めるとなると、酎ハイながらもなんだか身体に良さそうに感じてしまいます。

そのグレープフルーツたっぷりの酎ハイをいただきながら、カウンター中央のガラスのタネケースを確認します。手前のほうにはずらりとサンマが並んでますねぇ。ん~。その上にある赤い魚はなにかな? 「マスター。この赤いのなに?」 さっそく確認してみたところ「それはアズキハタです。珍しいでしょ」「じゃ、それ1人前お願いします」。

よ~くホワイトボードメニューを確認してみると、一番左上に「アズキハタ刺身 294円」というのがありました。一番上だったし、あまり馴染みがない名前だったので見落としてたんですね。それにしてもハタの刺身が294円とは! さすが「川名」ですなぁ。

そこへ、最初にたのんでいたサンマ刺しの到着です。おぉ、やったぁ。これは丸々1尾分の刺身ですねぇ。サンマの長さ方向に切られた刺身はアブラののり具合も絶妙で(まだあまりアブラアブラしていなくて)刺身で食べると口の中でとろけんばかり。ゆっくり食べようと思うんだけど、ひと切れ食べると、つい次のひと切れに手が伸びてしまう。ショウガ醤油との相性もいいですねぇ。

改めてカウンターを見ると、1番席(入口に一番近い席)には、いつもの“1番のおにいさん”が座り、3番には“棟梁”、5番に“現場の親方”、6番には以前店のおねえさんたちの名前を教えてくれた常連さん、そして7番にはいつもの“イトーさん”が座っていて、知らないのは2番の人、4番の人くらい。みなさんほんとにいっつも来てるんですねぇ。

「こんちはぁ」と元気のいい、渋い声がひびき入ってきたのは“役者さん”。店主(マスター)の「いらっしゃいませ」の声に続き、カウンターの常連さんたちからも「よぉ」とか「こんちは」なんていう声がかかります。私も「こんちは」と“役者さん”にごあいさつ。「やぁ、こんちは。ここいいかな」と“役者さん”が、私と同じA卓に相席です。

B卓、C卓にはまだお客さんは入っていないものの、なるべく知り合い同士はこぢんまりと集まって、他の卓を空けておいてあげたほうがいいのです。土日は特にすぐに満席になっちゃいますからねぇ。

店主から「今日はハタがあるよ」と声がかかりますが「こりゃ珍しいなぁ。でも今日はちょっとやめとこう」と“役者さん”。私のほうを向き直って「今日は息子の家族が来てるから、後で自宅(うち)で刺身を食べる予定なんだよ」と笑いながら話してくれます。

ミィさんが“役者さん”用の生グレープフルーツサワーを持ってきます。「ミィちゃん。じゃ、アカシヤを焼いてもらうか」。コクンとうなずくミィさん。

思わずパクパク食べてしまったサンマの刺身があと2切れくらいになったところで、タイミングよくアズキハタの刺身が出てきました。これはきれいですねぇ。雰囲気的にはカワハギやオコゼなどの刺身に近いかな。ど~れ。ん~。淡白な中からフワッと感じる旨み。白身魚の極致ですなぁ。プリッとした歯ごたえもいいじゃないですか。

ちょうど近くを通るミィさんに、「アカシヤ遅いなぁ。待ちきれないからキムチももらっとこうか」と“役者さん”。「は~い」と返事したミィさんがすぐにキムチを持ってきてくれます。

“役者さん”がそのキムチをひと口、ふた口くらい食べたところへ、サンマの塩焼きが出てきました。なるほど、これがアカシヤでしたか。「なんだろうなぁ?」と思いつつも、「ま。出てくりゃわかるか」と待ってたのですが、“サンマ”と“明石家さんま”をかけたシャレだったんですね。それにしてもミィさん、よくわかったなぁ。いつもそういう頼みかたをしてるのかな、もしかすると。

そこへ、店主が小皿に入ったトロッとしたものを持ってカウンターの中から「これどうかなぁ。ちょっと味を見てくれる」と出てきました。「なんだよ、これ」と問う“役者さん”に、「鳥肉といっしょに炊いた四穀粥(よんこくがゆ)なんだけどね。味付けがこれでいいかどうかみてもらおうと思って」と店主。“役者さん”はスプーンですくってちょっと食べて「うん。うまいっ」。

「ありがとう」といったんカウンターに引っ込んだ店主、小鉢に入れた四穀粥をみんなに配ってくれます。やぁ、どうもありがとうございます。温かい汁っけ。最近好みのつまみです。鶏ダシのいい味が出てますねぇ。

新しいお客さんが入ってくるものの「申しわけありません。満席なんです」。“役者さん”や“1番のおにいさん”から、「お客さんをお断りしなきゃいけないなんて、うらやましいくらい景気がいいねぇ」と店主に声がかかります。

近くを通りかかったミィさんに、“役者さん”とともに生グレープフルーツサワー(336円)のおかわりを注文。ちょうどそこへ、店主からの2つめの差し入れであるハスカップのお皿が回されます。ハスカップは北海道でのみ自生する落葉低木の植物で、その実はブルーベリーなんかに似た感じです。

「酎ハイに入れて飲むとうまいんだよ」という“1番のおにいさん”や“役者さん”の言葉にしたがって、わたしも酎ハイのジョッキの中に冷凍ハスカップを投入します。「汁が服につくと色が落ちないから、気をつけるんだよ」と注意を受けながら、慎重に慎重にスプーンですくい上げながらの作業です。

「入れ終わったら、箸の後ろ側でハスカップをつぶす」。実が小さいから、箸を回りこむように逃げてしまって、なかなか言われたとおりにつぶせませんが、それでも徐々につぶれてきました。それにしたがって、ジョッキの中にはかなり濃い目の紫色が広がります。見た目も効きそうな飲み物に変身してきましたねぇ!

ど~れ。味わいもブルーベリーと似てて、酸っぱいなかにちょっと甘みがあります。

そういえば、明日の月曜日は「敬老の日」の日で休み。みなさんは例によって「やき屋」ですか? 「ところがねぇ。明日は『やき屋』が休みらしいんだよ。な。そうだろ、イトーさん?」「うん。明日は『やき屋』休み」と、7番席から“イトーさん”の回答が返ってきます。「イトーさんは、こういうとき(「川名」も「やき屋」も休みのとき)には吉祥寺の『いせや』に行くらしいよ」と“役者さん”。なるほど、みなさん何店かの候補を持ってるんですね。

「オレは明日は休肝日にするか」と“1番のおにいさん”。「私もそうするかな」と“役者さん”も同調。なにしろおふたりとも、火~日は「川名」、そして月曜のみ「やき屋」と、まさに毎日飲まれてますからねぇ。こういうときでもないと休肝日もとれない。

このあたりでちょうど午後6時になり、“1番のおにいさん”、“役者さん”、“イトーさん”と常連さんたちが次々に勘定に入ります。開店の午後4時から6時までの2時間が、「川名」の1回目のピークなんですね。

それじゃ、私もお勘定お願いします。今日は刺身2品に生グレープフルーツサワー2杯で1,260円でした。どうもごちそうさま。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年9月19日(日)の記録》

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