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ママが入院! … 居酒屋「北国(きたぐに)」(中野)

大阪から出張で上京している友人から「今晩、こっち泊まりなんだけど、飲みに行かない?」という電話があり、急きょ中野で飲むことにしました。待ち合わせ時刻は午後7時。横浜の事務所を5時半に出発してギリギリ到着する時間です。

「おーい。久しぶり」と落ち合って、向かったのは中野駅南口・丸井の裏にある酒坊「北国」です。

「こんばんは」と店内へ。金曜日の店内は、すでにカウンターは8割方埋まり、右手のテーブル席にもお客さんが1人座っています。どういうわけだかカウンターの中にいるユミさんから「二人ならこっちにあがる」と声がかかります。「こっち」というのは、右手テーブル席のさらに奥にある小上がりの座卓です。この小上がりは普通はお客さんの荷物を置いたり、厨房の仕事が一段落したときにユミさんが腰をおろしたりするために使われることが多いようで、私自身、ここに座ったことはありません。この機会にぜひ座ってみましょう。

カウンターの中からおしぼりを渡してくれるユミさんにまずはビールをお願いします。「キリンのラガーと一番絞りがあるけど」「ラガーのほうで。ところでママさんどうしたの?」「昨日急に調子が悪くなってねぇ。救急車で入院したんですよ。肺に水がたまってるんですって」。この間来たときにはお元気そうだったのになぁ。ちょっと心配です。

ラガーといっしょに出されたお通しは筑前煮の小鉢。見れば、ずらりと並んだみなさん全員がこの小鉢でしのいでいる。そりゃそうですよねぇ。なにしろふだんは厨房にいるユミさんがカウンターの中で大奮闘中ですから、料理をたのもうにも作る人がいない。

われわれもビールで乾杯し、その筑前煮をつまみながら近況を報告しあいます。

友人は「東京の、しかも中野駅のすぐ近くにこんな古びた酒場があるとは知らなかった。お客さんも年配の人ばかりで落ち着くねぇ」と喜んでいます。たしかにわれわれよりも若そうなのは1~2名くらいしかいなくて、その若い人もせいぜい30代くらい。

われわれ二人以外はみなさん「超」が付くくらいの常連さんのようで、「昨日は驚いたねぇ」なんて、昨日もここにいらしてた様子。そして、今日も今日とて来ないではいられない心境だったようで、あいたお皿を下げたり、新しいビールをもって来たりと、かいがいしく手伝いをしている人もいるくらいです。

1本目のビールはすぐになくなり、2本目に。ほかのお客さんたちからも燗酒などの注文が入りはじめます。「○○さんは、いつもどれ飲んでたっけ?」と確認するユミさん。カウンターの中には、日本酒が4種類くらい置いてある。ママさんは、どのお客さんがどの銘柄というのを把握していて、別に銘柄指定しなくてもその人の好みのお酒が出てくるんですが、いつもは厨房にいるユミさんにはそれがわからない。聞かれたお客も「オレが飲んでたのなんだっけ?」なんてまわりの人に聞いたりしてる。あげくのはてに「いいや。なんでも」だって。

2本目のビールも飲み終わり、「次はどうする? お酒? 焼酎?」と友人にたずねます。「いつもはなにを飲んでる?」「いつもはウイスキー。」「えっ? ウイスキー?」「そう。このところちょっと安めのジャパニーズ・ウイスキーにはまってて…。」「じゃ、俺もそうしてみる」ということで、さっそくユミさんに水割りを2つ作ってもらいます。

「うわぁ。懐かしいねぇ、ホワイト!」とグラスを持ち上げる友人。「でしょ」と笑いながら、私もグラスを持ち上げてカチンと乾杯です。学生時代に彼といっしょによ~く飲んだ洋酒(この言葉が懐かしい)がこのサントリー・ホワイトなので、こうやって飲んでると二十数年の時をさかのぼって、まるで学生時代に戻ったようです。

このくらいまできたところで、やっとまわりからもポツポツとつまみの注文が入りはじめます。それでも忙しそうなユミさんを気遣って「塩らっきょう」や「白菜漬け」「小なす漬け」なんかの手のかからないものをたのんでるところに、みなさんのやさしさを感じますねぇ。

「ユミさん。僕らもなんか欲しいんだけど、なにができる?」と聞いてみると、「時間がかかるのはできないからねぇ。サツマとか、ホヤ塩辛とか…」と、さっきのもの以外のものを教えてくれます。「じゃ、そのサツマとホヤをひとつずつ」。サツマは「野菜さつま」(たしか380円)というのが正式名(?)で、野菜入りのサツマ揚げをあぶってショウガ醤油で食べる一品。温かさが身体に染み込みます。「これは赤ホヤの塩辛よ」と出してくれたホヤ塩辛。これがジャパニーズ・ウイスキーにも合うのが実におもしろい。(ホヤ塩辛はたぶん280円)

「ウイスキーおかわりお願いします!」と2人分のおかわりをお願いすると、カウンターのお客さんが空のグラスをユミさんに手渡してくれます。

カウンターの中でウイスキーのおかわりを作りはじめたユミさん。「あら? こっちはウイスキー入れたかな? ま、いいや念のためもう1回入れとこう。濃かったら言ってね。水足すから」といいながらグラスを渡してくれます。念のため入れたほうだったのは友人のグラス。う~む。見るからに濃いぞ、これは。チビッ、と一口飲んだ彼も「やぁ、濃い濃い。でもちょうどいい」、なんて逆に大喜びです。そうかぁ、私のにも念のため入れてくれればよかったのになぁ。

ママさんが緊急入院し、いつもと違う状況ながら、お客さんはいつものようにいっぱい。われわれも結局2時間も腰を据えてしまったのでした。お勘定は2人で3,660円(ひとりあたる1,830円)。ママさん、ちょっと心配ですね。

店情報 (前回)

《平成16(2004)年11月5日(金)の記録》

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コメント

いつも拝見しています。ホワイト!懐かしいですね。学生時代、友人の下宿でよく飲んでました。昔書かれていたフランス料理の北島亭も会社の先輩がシェフの北島さんと大の仲良しで時々同席しました。当方は、主に大田区品川区が守備範囲で、飲んでおりますが、いつか野方あたりへぜひ出張したいと思っています。そのときはよろしくお願いします。

投稿: somuchfor | 2004.11.23 22:27

すっかり亀レスになってしまってすみません。>somuchforさん
ホワイトの水割り。好きなんですよ。ここ「北国」や横須賀の「銀次」。どっちもホワイトです。
大田区、品川区あたりは、横浜からの帰り道なので、行ってみたいと思いつつ、なかなか時間帯が合わずに実現できていません。(金曜日はついつい遅くなってしまいがちなのです。)
いいお店がありましたら、ぜひご紹介くださいね。

投稿: 浜田信郎 | 2004.12.05 23:05

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受信: 2005.01.03 09:45

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