黄金の輝き、ブルショット … バー「HIGHLANDER(ハイランダー)」(虎ノ門)
たっぷりとうなぎを堪能し終わったのが午後2時前。さ~て二次会。なにしろ日曜日ということもあって、普通は昼間やっているお店でも開いていないことが多いのですが、そんなときの強~い味方がホテルのバーなのです。
たとえば帝国ホテルのメインバー「オールドインペリアルバー」は11:30~24:00(LO)で年中無休。ニューオータニのメインバー「バー・カプリ」は平日は午後4時からなんだけど土日祝日は13:00~01:00の営業。ウェスティンやヒルトン、センチュリーハイアットなどの外国系のホテルは、バーは夕方からなんだけどロビーのラウンジで昼間からカクテルが飲めたりする。値段も安くはないものの、銀座のクラブなんかのように座っただけで何万円というほど高くもなくていいのです。
友人といっしょによく行くのはホテルオークラのバー「ハイランダー」です。オークラのメインバーは「オーキッドバー」なんですが、昔、「オーキッドバー」が満席だったときに、一度「ハイランダー」に入って、そこにボトルキープをして以来、あとはずっと「ハイランダー」に行っているのでした。
もっとも、最初からキープしているボトルに引っ張られて行ってるのではなくて、「オーキッドバー」よりも静かで居心地がよかったので「これはいいね」とボトルを入れた。ボトルを入れちゃったら、それに引っ張られて「今回もハイランダーにするか」ってな感じのスパイラルに入っているのでした。
「ハイランダー」に到着したのは午後2時半頃。昼下がりの店内は、ホールの手前に外人客がひとりと、一番奥のテーブルに3人連れが座っているだけで広い店内はガラ~ンとした状態。われわれ(3人)も窓際中央のテーブルに陣取ります。身体全体をすっぽりと包み込むような革張りの椅子に座ると、それだけでもうゆったり気分。このくつろぎ感が「ハイランダー」の真骨頂です。
このくつろぎ感は、カウンターに座った場合も同じです。カウンターはさすがにこういう包み込むような椅子ではないのですが、そのかわりにカウンター手前のひじ乗せの部分が、ほんわりとした皮製のクッションになっていて、そこにひじを乗せて上体の体重をあずけるのがいいんですよね。いろんなバーのカウンターの中で、ここのカウンターが一番好きです。
キープしている何本かのボトルのうち、「グレングラント (Glen Grant) 31年」がもうちょっとで空きそうになっているので、これからやっつけちゃいますか。ストレートでお願いします。
スコッチウイスキーの産地は、大きく分けると北のハイランドと南のローランド、そして西側の各島(アイラ島など)に分かれています。北のハイランドの中でも、特にスペイ川という川の流域に多くの蒸留所が集まっており、これらの蒸留所で造られるモルトウイスキーのことを、特にスペイサイドモルトといったりするようです。この「グレングラント」もスペイサイドモルトのひとつで、シングルモルトとして世界ナンバー2の売り上げ(2002年実績)を誇っているのだそうです。ちなみにナンバー1は、三角形のユニークなボトルでもおなじみの「グレンフィディック (Glenfiddich)」だそうです。これもやっぱりスペイサイドモルト。「グレンフィディック」もおいしいスコッチですよね。
互いに2杯ずつくらい飲んで「グレングラント」のボトルは終了。
続いては「ザ・マッカラン (The Macallan) 20年」にいきますか。これはまだ8分目くらい入っている。「ザ・マッカラン」も同じくスペイサイドモルト。さっきの「グレングラント」はとってもやわらかでデリケートな味わいですが、こちら「ザ・マッカラン」はパンパカパ~ンとファンファーレが聞こえてきそうなくらい華やか。スカーッと明るいスターのようなお酒です。ちなみに世界での売り上げは第5位ながら、日本では堂々の第1位です。日本で最も好まれてるシングルモルトウイスキーなんですね。英国では“モルトのロールス・ロイス”なんて言い方もされるそうですよ。
「最後にブルショット飲もうね」なんてことで、このあたりで「ブルショット (Bull Shot)」(1,785円、サ別)を注文しておきます。このカクテルはコンソメスープをキリッと冷やして、ウォッカ少量と合わせ、塩・胡椒とともに出されるもので、コンソメを冷やすのに20~30分くらい時間がかかるために、少し早めに注文しておかなければならないのです。
つまみに出されたピーナッツ、アラレ(柿の種)、そして枝付き干しぶどうをつっつきながら「ザ・マッカラン」をチビリチビリ。実にゆったりとした午後の時間ですなぁ。
バーのスタッフの人たちは、遠くから様子を見ていて、グラスが空きそうになるとスゥ~ッと近づいてきて「同じものでよろしいですか?」と確認して、ウイスキーをついでくれます。こういう至れり尽くせりのサービスがホテルならではですね。
そのスタッフの人から「ブルショットもいつでも準備できる状態になりましたので、お声をかけてください」というメッセージが伝えられます。コンソメも冷えたようですね。じゃ、さっそくいただきますか。
「ブルショット」を作るには、なにしろコンソメスープがいりますから、なかなか普通のバーでも出しにくい一品のようです。ホテルにはバーのほかにレストランもついてますから、こういうことができるんですね。ホテルオークラのコンソメは『厳選した和牛の後足のスネだけをふんだんに使用し、一昼夜、約17時間煮込んだブイヨンに、挽き肉、野菜、卵白を加えて、更に4時間』(ホテルのホームページより)かけて作ったものだそうで、カクテルになってもその深い味わいは失われていません。
よく汁物をつまみにお酒を飲んだりしますが、この「ブルショット」の場合は1杯のカクテルの中に汁物(それも最高のコンソメ)もお酒(ウォッカ)も両方含んでいるので、これだけで自己完結してる。そんな意味でも大好きなカクテルのひとつです。
やぁ。昼間からよく飲んだ。おいしかったね!
羽田空港へと向かう友人を見送ってから、夕方(とはいえまだ4時過ぎ)の町をフラリフラリと家路についたのでした。
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