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吉田類の酒場放浪記 … 樽酒「路傍(ろぼう)」(中野)

BS-iの人気番組「吉田類の酒場放浪記」。酒場詩人の吉田類さんが、希少な庶民の酒場空間を案内してくれる番組なのですが、今回の取材先は私も何度か行ったことのある中野の酒場「路傍」なのだそうです。それはちょっと見学に行ってみなきゃと、飲み仲間・呑んだフルさんとともに「路傍」に出かけたのでした。

午後7時の店内には先客はなく、我われが最初の客になりました。ただし、番組のスタッフ陣はもう到着されていて、照明の準備などが着々と進められています。吉田類さんは、中野の街なかを歩くシーンを撮影中なのだそうです。

我われはJ字カウンターの一番端っこに陣取り、まずはビール(キリンラガー、大ビン、800円)をいただいてスタートです。お通しは「炒り豆腐」。さらにビールをたのんだ人用の小さい籠に盛られた「赤えんどう豆」も出されます。

そこへ吉田類さんや撮影チームのみなさんたちも到着。店内の撮影準備も仕上げの段階に入ります。準備が終わったところで吉田類さんもいったん店の外に出て、「それじゃ、よろしくお願いします」というディレクターさんの声で撮影開始。

051003a「こんばんは。お邪魔します」と、はじめて店にやってきたように入ってくる類さん。店主夫婦も「いらっしゃいませ」と迎えます。類さんはJ字カウンターの一番先っぽ(J字の一番下)のところに座ります。ここはちょうどカウンターの中に小さい囲炉裏が切られていて、炉で調理する様子がよく見える席です。普段は大常連さんたちがよく座っている席です。

類さんもビールをもらい、岩魚(800円)や万願寺唐辛子(400円)などを注文。すぐに目の前の炉で焼かれはじめます。

撮影の様子を横目で見ながら、飲み物は樽酒(800円)に移行します。この店の樽酒は、広島は呉のお酒「千福(せんぷく)」です。1合升で出される樽酒には、別の小皿で赤穂の天塩が添えられます。軽い味わいの「千福」は、つまみがなくてもすいすいと飲めてしまう危ない日本酒なのです。

つまみは店の奥の壁にずらりとならんだ短冊の中から選ぶか、目の前のカウンターの上に並んだ食材で選ぶか。短冊には「はんぺん」「おとうふ」「油揚げ」「生揚げ」「さつま揚」「たたみ」「きみの玉手箱」「煮こごり」「宗八かれい」「ししゃも」「いかげそ」「赤かぶ」「もずく」「とんぶり」「おしんこ」「トマト」「ねぎま鍋」「やきそば」という品々が並んでいます。店主夫婦が自然を愛し、自然の恵みを増殖した形でつまみを出すというスタイルをとっているらしく、できあいのつまみや、冷凍ものなどは使っていないのだそうです。

そんな数々のつまみの中から「きみの玉手箱」(700円)をいただきます。「きみの玉手箱」は、それ専用の小鍋で、摩り下ろした山芋と玉子をじっくりと蒸し焼きした一品。鍋の底に敷いたタテガミの脂が味の秘密なのだそうです。岩海苔のソースをちょいとのせて、スプーンでとろりとすくっていただきます。

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「千福」樽酒 / 天塩を添えて / きみの玉手箱

さらにお酒をおかわりし、今度は「煮こごり」。そして、カウンターの上に並んだ食材の中から「しいたけ」を焼いてもらいます。「しいたけ」は軸の部分までちゃんと添えられてるのが、いかにも自然好きな感じですね。この部分もコリっと硬くていいつまみになります。

ちなみにこの店のメニューには値段は書かれていません。今回、値段の記載がある部分は、今回の番組の取材ではじめてわかったものです。したがって、類さんがたのんだもの以外の値段は、残念ながらわかりません。ま、しかし、大体似たような価格帯なんでしょうね。一般的なつまみ類は7~800円程度。そして野菜を焼いてもらったりするのは400円程度なんだと思います。

ここらで類さんたちは取材を終えて店を後にされます。今日はこの後さらに2軒の取材が予定されているのだそうです。1日に3軒分(番組3回分)を取材してしまうんですね。番組は、毎回類さんの句で締めくくられるのですが、今回の句は「地酒酌む 岩魚の日々を 遡(のぼ)りつつ」(吉田類)でした。

残った我われはさらに樽酒をおかわりし、またまたカウンター上に並んだ食材の中から「これはなんですか?」と質問しなければわからないような野菜を調理してもらいます。これは「四角豆(しかくまめ)」というんだそうです。沖縄を中心に栽培されているんだそうで、沖縄では“ウリズン”と呼ぶのだとか。ウリズンというのは、新緑の季節といったような意味なのだそうですが、たしかにいかにも新緑の季節といった感じのとても美しい薄緑色をしています。

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煮こごり / しいたけ / 四角豆

さらに囲炉裏のところでグツグツ煮ていた「ひっつみ鍋」をお椀についでもらいます。中に入っているキノコは「落葉(らくよう)」というのだそうです。先ほどの「四角豆」が沖縄産だったのに対して、こちらは北海道産。“ハナイグチ”とも呼んで、「道民のキノコ」の代表格なのだそうです。

たっぷりと2時間の滞在は、ふたりでビール1本と樽酒を3杯ずついただいて8,100円(ひとりあたり4千円強)でした。どうもごちそうさま。

店情報 (前回当日の番組ページ)

《平成17(2005)年10月3日(月)の記録》

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恵比寿から中野に移動し、本日ラストは樽酒「路傍」です。昭和36(1961)年に、現在の主人のお母さんが創業したこの店は、現在は創業者の息子夫婦が切り盛りしており、すでに創業以来45年の老舗。店内に置かれた大きな樽酒と、カウンター上にずらりとならんだ食材が特長で、肴は基本的に注文を受けてから、その食材から作っていくのです。 金曜日とはいえ、すでに午後11時をまわった店内には先客はそれぞれ男性ひとり客... [続きを読む]

受信: 2006.08.06 10:33

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