店情報: 大衆酒場「明星(あけぼし)」(板橋)
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赤羽を出てJR埼京線でふた駅。はじめて降り立つ板橋駅です。この地にとっても濃い酒場があるという。「明星」(みょうじょう)と書いて、実は「あけぼし」と読むらしい。「酔わせて下町」の「大衆な風景」のページにある「明星」の写真を見ると、店先ののれんまでボロボロに破れていて実にいい味を出しているのです。(あ。ほめてるんですからね!)
えーと。場所的にはこのあたりだけどなぁ。わっ。なんだ。のれんがきれいになってるじゃん。ま、しかし。いかにも大衆酒場といった感じのすばらしい店構えであることよ。のれんにもくっきり「大衆明星酒場」と大書されています。
そののれんの奥。こちら側の壁にあたる部分全体がアルミサッシ風4枚引き戸の入り口になっているのですが、どういうわけだかど真ん中の一番開けやすそうな2枚の引き戸の中央部にプランターが置いてあって非常に邪魔になる。そうか。きっとこれは左右のどちらかから入れってことなんだな。じゃ、左からよいしょっと。「こんばんは」。
うわぁーっ。これはまた本格的に正しき大衆酒場ですねぇ。店内は奥に長いコの字なんだけど、一方の辺は途中までしかないためJの字といったほうがいいようなカウンターのみ。10人も入ればもう満席になるほどのこぢんまりとしたお店です。そして、なにしろ本格的らしいところは、いかにも地元の人らしい年配のひとり客が多い。しかもおじいちゃんだけでなくて、おばあちゃんのお客もいる。
私の個人的な感覚かもしれないけれど、地元の年寄り客が多い酒場は、まず間違いなくいい酒場が多いんですよねぇ。ほかにそういう地元の年寄り客が多い酒場というと、私の地元近くだと、たとえば「川名」や「バクダン」、「金ちゃん」、そしてありし日の「鳥芳」などがそうです。地元の年配客のみなさんは、ほぼ毎日やってきますからねぇ。安くていい店じゃないと毎日続かない。だからそういうお客さんたちが集まっている店は間違いがないように思うのです。
「いらっしゃい」と迎えてくれるのは女将さんというほどの年齢ではない女性。だいたいこういう“正しき大衆酒場”という店は、お客もさることながら店主側も年配者であることが多いのに、ちょっと意外でした。店はこの女将さんひとりで切り盛りしているようです。
「チューハイ」(280円)を注文すると氷とレモンスライスの入ったサワーグラスに焼酎を入れてくれて、それとは別に炭酸ひと瓶が出されます。炭酸は強烈な泡立ちで有名なニホンシトロンのもの。サワーグラスに普通に注いだだけでシュワワワワァーッとあふれんばかりに泡がわき立ちます。
ックゥゥーッ。
効きますねぇ。口の中であばれる感じのシュワシュワ感がニホンシトロンならではの持ち味です。
さてつまみ。なんにするかなぁ。短冊メニューを確認すると刺身は東京の大衆酒場の定番・マグロ(400円)のみといさぎよく、他には煮込み(320円)、玉子焼(250円)、納豆(300円)、らっきょう(300円)などなどと、品数こそそれほど多くないものの、大衆酒場定番のメニューが並びます。さっとまわりを見渡してみると、どういうわけだか小鉢に盛られた肉ジャガ(320円)を食べてる人が多い。お。短冊メニューの中に板ワサ(350円)を発見。これをもらいましょう。
ちょっと名の通ったそば屋で板ワサを注文すると600円ほどでほんの二切ればかりの蒲鉾が出てきたりするのですが、ここはさすがに大衆酒場。長方形のお皿にずらりと並んで出てきた板ワサは、板付き蒲鉾丸々1本分です。なにしろ練り物好きですからねぇ。たまりませんなぁ。
横に添えられた練りワサビ入りの小皿がまたいいではありませんか。これを醤油皿にして刺身のように板ワサをいただこうということですね。
今でこそ刺身はいつでも手に入るようになってきましたが、流通や冷凍・冷蔵技術が今ほど発達していないころにはそうはいかない。その代用品として魚肉の練り製品である蒲鉾を、刺身と同じようにワサビ醤油で食べたんじゃないかなぁ。そんなことを思わせる一品です。
店内に年配客のひとり客が多いことはすでに書きましたが、年配客だけじゃなくて比較的若いお客さんも混ざっている。店の一番奥の上部にテレビが置かれていて、NHK総合テレビにチャンネルが合わされています。うーむ。昔、おとうさんが家に居るときの茶の間のチャンネルはいつもNHK総合テレビだったなぁ、なんて思いながら、居並ぶみなさんとともにテレビを観賞します。そう。みなさんテレビで放映中のクジラの番組(「ダーウィンが来た!」の「サンゴ礁にクジラが歌う」)を見ながら、「へぇ、そうなんだ」と相槌を打ったり、テレビの話題から派生して別の話題で盛り上がったりと、いい意味でテレビが話題づくりに貢献しています。
テレビを見ながら話に盛り上がるお客さんたちをよそに、女将さんはフライパンでジャージャーとなにやら炒めはじめました。できあがったところで短冊メニューをテレビの下にペタリと貼り付けます。「きんぴら 320円」。
「きんぴらができたの。じゃひとつもらおうか。」「じゃ、こっちもきんぴらね」とお客さんたちから注文が飛びます。こうしてできたてのきんぴらがお客さんたちの前へ。なるほどなぁ。肉ジャガを食べてる人が多かったのも、これと同じような状況だったのかもね。
1杯目のチューハイを飲み終え、炭酸がまだ残っているので「焼酎(ナカ)」(170円)だけおかわりすると、女将さんがカウンターのところにチョークでなにやら印をつけます。まわりを見てみると、他のお客さんたちの前にも印がある。これでなにを何杯飲んでるのかがわかるようになってるんでしょうね。
私の正面に座っているおにいさんは独身らしく、まわりのお客さんから「ちゃんと女の子とつきあったりしてるのか?」などとつっこみが入ります。「大丈夫ですよ。ボクは技のデパートといわれるくらい多彩な技を繰り出してますから。押し倒したり、はたき込んだりとそれはもう大変ですよ。……。でも、一番多いのは勇み足かな…」。これには店内も大爆笑。
笑い声が絶えない店内というのはお酒を飲んでても気持ちがいいですね。
あまりの居心地の良さに、気がつくと1時間半ほど過ごしてました。お勘定はなんと800円。どうもごちそうさまでした。
・店情報
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板橋からさらに埼京線でひと駅。池袋は「千登利」です。「明星」が昭和23年創業ならば、こちらの創業は昭和24(1949)年。ここも老舗ですねぇ。
店内は左手の店の奥まで続くカウンター席を基本として、右手前と奥のほうにいくつかのテーブル席がある造り。日曜日の夜9時でも店内は満席に近く、カウンター奥のほうにかろうじて空いていた席に座り、ホッピーセットを注文します。
ホッピーセットはビアタンになみなみと表面張力いっぱいまで注がれた焼酎と、それとは別に氷がたっぷりと入ったジョッキ、そして瓶入りのホッピーとアイスペールがドンと出されます。これで自分でホッピー割りを作るわけですね。ビアタン半分の焼酎に、瓶入りホッピー半分を入れると、ちょうどジョッキ1杯分のホッピー割りができあがるので、ホッピーセットひとつで2杯分のホッピー割りが飲めることになります。
つまみのほうはまずはこの店の客のほとんどが注文する名物「牛肉豆腐」(570円)を注文。「牛肉豆腐」はカウンター中央部やや入口よりの大鍋でグツグツと煮込まれており、注文に応じて、長円形のカレー皿を小さくしたような深皿によそってくれます。すぐに出された「牛肉豆腐」はよく煮込まれた豆腐の上に、これまたよく煮込まれた牛肉(カシラ肉らしい)がたっぷりとのって、さらに刻みネギがトッピングされています。甘ったるいとも感じるほど甘い味つけが、闇市時代から続くこの店の「牛肉豆腐」の味の特徴なんでしょうね。

ホッピーセット / 牛肉豆腐 / カブ
2杯目のホッピー割りを作り、次なるつまみです。先日複数の酒友から「「千登利」の本当のおすすめは実は季節の野菜(400円ほど?)なんだよ。中でもカブ(蕪)がいいよね」と教えられていたので、今日はそれも注文してみたいですね。壁の短冊メニューには出てないようなので、目の前のおねえさんに「カブはありますか?」と聞いてみるとあるという返事。さっそくそれを注文します。
出てきたのは丸々1個の茎付きのカブを、リンゴを割るように4分割したもの。これに味噌が添えられています。ちょいちょいと味噌をつけてガブリとかじりつくと、しっかりとした歯応えの生のカブの食感がいいこと。なるほどたしかにこれはおすすめだ。
他にはセロリなどもあるようでした。これまたシャッキリとおいしいかもね。
約1時間の滞在は、ホッピーセットひとつとつまみが2品(牛肉豆腐とカブ)で1,800円でした。ということはホッピーセットが800円以上する値段だったんですね。この店は一般的な大衆酒場とくらべると値段がちょっと高いのが難点ですね。でも池袋で人気のお店のひとつです。
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ゴールデンウイークの9連休も3日目に入り、今日から5月です。「地域を広げよう。西へ、東へ、まん中へ」のテーマにそって、今日は“東”。下町エリアも通り越し、江戸川も越えて、おとなりの千葉県は船橋まで行ってみようと思います。
船橋でぜひ行ってみたいと思っていた筆頭が、船橋漁港で捕れる江戸前の魚を出すという居酒屋「三番瀬」です。
ここは人気のお店ながら、14人ほどしか入れないほど小さいらしい。出遅れると絶対入れないだろうと思い、開店時刻の午後5時をねらって船橋にやってきたのでした。それでもその日の漁によっては開いてるかどうかわからないお店。店に着くまでとても不安です。
駅前の大通りから路地に入った小さい商店街の端っこに、店頭に大漁旗が掲げられた「三番瀬」がありました。のれんも出て営業しているようで、まずはひと安心。そののれんをくぐり、入口引き戸を開けて店内に入ると、先客は誰もおらず、本日口開けのお客になってしまいました。店内はまだ開店準備中といった雰囲気で店主らしき男性と、その奥さんらしき女性のふたりがカウンターの内外で料理の準備をしたり、テーブルをきれいにしたりしています。
店内は入り口左手の直線カウンターに6人。入り口右手の4人がけテーブル席2つに8人で全14人となります。あとでわかったことですか、2階にもほぼ同じ形の予約客専用スペースがあるそうなので、1、2階を合わせると最大30人ほど入れるようです。
その直線カウンターの一番奥の席に陣取り、瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)をもらって、お通しのフキと大根の煮付けをつつきながら、カウンター上部のホワイトボードにずらりと並んだ魚メニューを確認しつつ開店準備が整うのを待ちます。
準備が整ったらしきところで店主に「ナヨシってなんですか?」と確認。メニューにずらりと並んだ品々のなかで、これだけがなんだかわからないのです。「ナヨシはボラのことです」と店主。なるほど、ボラは食べたことがないけど、ひとつそれをいただいてみましょう。ナヨシの刺身(700円)をお願いします。
出されたナヨシの刺身は、ちょっと朱が入った白身の刺身で予想外に美しい。ひと切れ取って口に運ぶと、これはもうまさに極上の白身の刺身。「いやぁ。ボラって臭いんだと思ってましたけど、ぜんぜん臭くないですねぇ!」と店主に話すと、「お客さん。これまでボラの刺身を食べられたことがありますか?」と店主。「いや。実はこれがはじめてなんです。」「そうでしょう。ボラはキ水域に棲んでいて川底・海底の泥といっしょに苔などを食べる魚なんで、その餌の味がそのまま身の味になってしまうんですよ。コイなんかと同じですね。一時、東京湾がものすごく汚れたときに、ボラもたしかに臭くなった時期があった。ただ、東京湾は化学的な汚染は少なかったので、工業排水などをやめることによってよみがえってきたんです。だから、今お出ししているような活ジメのボラはうまいんですよ。残念ながらまだまだ『ボラはまずい』という定説は蔓延していて、市場でも安い魚です。市場で安いから漁師もボラがとれても大事にしない。ボラがとれてもすぐその場で活ジメにしたりして市場でいい評価を受けるようにしないんです。そんな悪循環が、ますますボラの品質を悪くしてしまってるんですね」と熱く語る店主。
そんな店主が店に置いている魚は、冒頭でも書いたとおりほとんどが地元・船橋港にあげられたものばかり。「マグロなどはさすがにだめだけど、沿岸で捕れるような魚はほぼ全種類が東京湾で捕れるんですよ。その数が少ないことは少ないんですけどね」と続ける店主。そうやって地ものばかりで商売をしているため、漁がなかったりすると店を閉めざるを得ない状況になるのだそうです。したがって定休日は決まってなくて、不定休。
「魚は数日は大丈夫なんですが、貝はダメですね」。じゃ、このあとバカ貝のヌタ(ばかぬた、800円)をたのもうと思ってたんですけどそれもダメですね。「そうですねぇ。昨日、今日と強風のために漁がなかったんで、貝類は入ってないですね。でもそれでいいと思ってるんですよ。自然が相手の漁なんで、ある日があれば、ない日もある。いつも同じものが同じように食べられないといけないなんて思うから、魚も野菜も不自然になってると思うんです」。たしかに。その日たまたま捕れたものをおいしくいただくというのが一番自然ですよね。
店内にはBGMとして、ずっとビートルズの曲が流れていて我われの世代には懐かしく心地好い。ビールを飲み終わったところで燗酒(500円)とコノシロ酢物(600円)を注文します。燗酒は「白鹿 灘仕込 からくち」(普通酒)。店内には各種の地酒や焼酎類もそろっています。
コノシロは江戸前の寿司ネタとしておなじみのコハダの成魚。体長にして15センチくらいを超えるとコノシロになるのだそうです。コノシロももちろん東京湾で捕れたものだそうです。羊の肉(ラム→ホゲット→マトン)と同じように、コノシロ(新子→コハダ→コノシロ)も成長すればするほど、独特の風味が出てくるようです。個人的にはこの魚は小さいほうが好みかな。コノシロよりはコハダが、コハダよりは新子がいいなと思ってしまいます。
コノシロ酢物をつつきながら燗酒をちびちびとやっているところへ「やぁ。疲れた、疲れた」と言いながら入ってきたのは、この近くで働いているらしきサラリーマンふたり連れ。「3人になるからね」と言いながら入口右手のテーブル席のひとつに座ります。このふたりはいかにも常連さんっぽい感じで、席に座るのも待ちかねるように「今日はバカ貝ある?」と店主に確認します。「いやぁ、こんな天候で昨日から漁がなかったのでバカ貝はないんですよ」と断り、今日できる刺身類を列挙する店主。ふたり連れはその中から2~3品の刺身を注文し「それとシジミ汁もね!」とシジミ汁(300円)も注文します。
シジミ汁もうまそうですねぇ。私もそれをひとつお願いします。はじめての酒場に行ったときは、常連さんが注文するものをまねして注文するのが一番間違いがないんですよね。
シジミ汁は注文を受けてから作り始め、ちょうどコノシロを食べ終わって、燗酒もおかわりをしたところでできあがってきました。大きなお椀に盛られたシジミ汁のほかに、「こちらは殻入れですね」と深皿が出されます。なるほど殻入れが出されるということは、「シジミの身も食べてください」ってことですね。お椀の中にはたっぷりのシジミが入っています。「いや。私は子供のころからシジミの身は食べないんですけどね」と店主。ありゃ、そうなんですか。「身を食べるお客さんもいらっしゃるので殻入れもお出ししてるんです」とのこと。
シジミをひとつ取り出して身を食べてみるとうまい。これはいいや。私は身も食べることにしましょう。シジミによっては泥臭いものがあったりするのですが、このシジミはそんなことはありません。身そのものも、チマチマとしてはいますがいいつまみになります。
たっぷりのシジミ汁で燗酒をいただいて終了。2時間弱の滞在は3,600円でした。
・店情報
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「三番瀬」をあとに2軒目は同じ通り(仲通り商店街)の入り口側にある大衆酒場「一平」です。先ほど来るときにも気になっていたのですが、午後7時前の酒場ゴールデンタイムを迎えてますますにぎわっている様子。
奥に長い長方形の店ながら、店の奥半分くらいが少しだけ左に平行移動したような形の店内。その店内形状に合わせるようにコの字カウンターも奥側が少し左にシフトした独特の形状です。
「いらっしゃい。お好きなところへ!」と迎えてくれるおにいさんの言葉にしたがって、入り口のすぐ近くに空いていた席に座りつつ、表の看板にもでかでかと書き出されていたチューハイ(210円)と牛煮込みどうふ(400円)を注文します。
実際に看板に書いているのは「名代 煮込み・チューハイ」。のれんには左に「にこみ」、右に「ハイボール」と書かれています。その煮込みには「牛煮込み」(250円)、「肉どうふ」(200円)、そして先ほどたのんだ「牛煮込みどうふ」(400円)の3種類があるのでした。
すぐに出てきたチューハイは210円という値段ながらジョッキにたっぷりと入って、レモンスライスも添えられています。船橋も東京下町並み、あるいはそれ以上の安さですねぇ。これはありがたい。

チューハイ / 牛煮込みどうふ / 店内の様子
続いて出てきた牛煮込みどうふは丸皿にまず豆腐が入り、その上にたっぷりのモツ煮込み。腸やフワ、コンニャクなどが入ってるのが見えますねぇ。そして最後にパラリと刻みネギ。ひと口食べてみると、これがかなり塩辛い味付けなのです。うーむ。もしかすると、ちょっとずつ食べてもたっぷりとお酒が飲めるようにという配慮なのかなぁ。逆に、これだけ味が濃いといっぺんにたくさんは食べられない。どうしてもチマチマとつまんではググゥ~ッとチューハイを飲むパターンになってしまいます。このつまみだけでしばらくは十分だなぁ。
煮込みをつつきながら、壁にずらりと貼られた短冊メニューを確認すると、つまみはいか塩辛、納豆・玉子入り、しゅうまいなどの200円ものから始まって、一番高いくじらテキ、マグロ・脳天・カマ刺身、カツオ刺身などのグループでも450円と全体的に安いのです。こういうラインナップの中にあっては牛煮込みどうふの400円というのも、かなり高級な肴の部類に入りますね!
店内にはテレビもあるのはあるんですが、店の一番奥の上部にひっそりと14インチ程度の小さいのが置いてあるだけ。それもあってか、みなさんけっこう正面を向いて飲んでます。大衆酒場に行くと、お客さんたちの顔がみんなテレビの方を向いてるなんてことも多いんですが、ここは違いますねぇ。
カウンターの中には大衆食堂風に白い上着を着た男性ばかり3人ほど。男性ばかりが切り盛りしている酒場というのも、ビシッとした感じでいいですね。
チビチビと食べ進めていた牛煮込みどうふもなくなりました。グゥ~ッとチューハイを飲み干して、ごちそうさま! 約30分の滞在は610円でした。安いよなぁ。船橋、恐るべし!
・店情報
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船橋での3軒目はバス通りを渡って反対側、JR船橋駅南口から見ると右手前方、京成船橋駅のすぐ近くにある居酒屋「伸幸」です。店は2階にあるのですが、1階の入口付近にはずらりと並んだ短冊メニューに混ざって「大人の居酒屋」「ひとり酒可」なんて張り紙があるのがおもしろいですねぇ。しかも短冊メニューによるとチューハイ、ウーロンハイはなんと160円です!
さっそく階段を2階へと上がって店内へ。「いらっしゃいませぇ!」と迎え入れられた店内はかなり広い。入口正面真ん中辺りに大きなテーブルがふたつ。このテーブルには中央部に瓶を置くための棚があって焼酎のボトルがずらりと並んでいます。この中央部の棚のために、大きなテーブルはまるでロの字型のカウンターのようになっていて、まわりにぐるりとお客さんが座っています。そして右手壁の方にはテーブル席がずらりと並んでいて、奥が小上がりの座敷席。左手が厨房スペースになっているようです。軽く50人以上は入るなぁ。かなりの大箱店です。
ロの字カウンターのような大テーブルの奥のほうに空きがあったので、そこに座ってまずは件のウーロンハイ(160円)を注文してみます。「お待たせしました」とお通し(210円らしい)の小さいガンモドキの煮物ふたつとともに出されたウーロンハイは、ジョッキに入ってしっかりとしたもの。うーむ。これで160円か。まさに船橋、恐るべしだなぁ。(ちなみにチューハイ、ウーロンハイ以外のサワー類は210~290円くらいです。)
さて肴。ずらりと並んだ短冊メニューにはイワシ天ぷら(400円)、イワシ刺身(400円)、ナス味噌炒め(380円)、小アジ唐揚(320円)、ナスと豆腐の揚出(400円)などなど。300円~500円くらいがほとんどで、それ以上のものというとマグロブツ(580円)や、三種刺身盛(680円)、そして最高級品の五種刺身盛(1,280円)があるくらい。あ。もうひとつあったか。それは「いわしセット」(580円)です。これはイワシのタタキ、天ぷら、つくね焼の三品がセットになったもので、この店の名物らしいのです。せっかくの船橋なので奮発して(というほどの値段ではないのですが、この店の料理の中では高級品なのです!)その「いわしセット」を注文します。

店内の様子 / がんもどき / いわしセット
ガンモドキとつっつきながら待つことしばし、丸いお弁当箱のような器の「いわしセット」が出てきました。丸い器の中は三つの部屋に仕切られており、手前の部屋には丸1尾分の開いたイワシの天ぷらが、左上の部屋にはイワシの刺身(タタキ??)が、そして右上の部屋には、なるほどこれがイワシのつくね焼なんですね。串に刺した状態で揚げた細身のさつま揚げみたいなのが2本。練り物好きにはうれしいですねぇ。ボリュームも満点で、こいつはいいや。

天ぷら / 刺身 / つくね焼
店内ではアルバイトらしき若い女性たちが働いており、お客さんもまさに老若男女。ひとり客あり、ふたり連れあり、そしてグループ客ありと、まさに大箱店らしい多彩さなのですが、店内は比較的静かでくつろげます。連休中ということもあるのかな。
ゆったりと1時間弱の滞在は950円でした。「いわしセット」おすすめです!
・店情報
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「伸幸」を出て京成線方面(JRとは逆方向)に進むと短い地下トンネルで京成線をくぐります。トンネルを抜けて右手にあるのが「菊正宗の酒蔵」です。店の看板やのれんはいかにも酒場っぽい雰囲気をかもし出しているのですが、店の2階にある風俗店のハデハデしい看板にすっかり圧倒されてしまっているのがとても残念です。惜しいなぁ。
ましかし、「菊正宗の酒蔵」という名前がいかにも「日本酒を飲めー!」という感じでいいではありませんか。店頭のメニュー看板にも「季節海鮮料理 お刺身(魚貝類二十種以上)」と書き出され、いかにもうまい魚が食べられそうです。
店名が大書された大きなのれんをくぐり、開けっ放しの入口から店内に入ると店内は右手がL字のカウンター席、左手は小上がりの座敷席になっていて、午後8時半の店内は5割ほどの入りといったところでしょうか。ちょうど入ってすぐのL字カウンター短辺角部分が空いていたのでそこに腰をおろします。

店の外観 / のれん / 燗酒とお通し
目の前に置かれた飲み物メニューを見ると日本酒は店名のとおり「菊正宗」1本で、「上撰(燗・冷)」(300円)、「樽酒(燗・冷)」(310円)、「生酒(冷酒)」(550円)の3種が選べるようです。ビール(キリン)は大瓶が550円、中瓶が450円。生ビール(中ジョッキ)もあって550円。チューハイ(レモンハイ)、ウーロンハイなどはそれぞれ400円と、これまでの船橋の店々にくらべると高めの価格設定です。「菊正宗」の上撰(燗)(300円)をいただきましょうね。
お酒は一合升を受け皿代わりにしたグラスになみなみと注がれ、お通し(サービス)のおあげと切り干し大根の煮物といっしょに出てきました。
壁には黒板に書き出されたメニューがずらりと並んでいます。まぐろ刺身(840円)からはじまって、かつお、かんぱち、しまあじ、さざえ、つぶ貝、白みる貝などの刺身が各945円。そのほか、小柱わさ(630円)、やりいかさし(840円)、生たこさし(735円)、生うに(735円)、しめさば(840円)と生ものが豊富。天ぷらもえび天(1,050円)、いか天(840円)、穴子天(840円)、めごち天(840円)と並び、焼き物もかます塩焼(840円)、あゆ塩焼(735円)、穴子てり焼(840円)、まぐろてり焼(840円)、ほたてバター焼(840円)、まて貝焼(630円)、焼蛤(630円)と呑んべ好みする魚介類がそろっています。
刺身二点盛(945円)だと、好みの刺身(中トロは除く)2品を半人前ずつ盛り合わせてくれるようですので、それにしてみましょう。じゃ、サザエとシマアジの二点盛りでお願いします。注意書きで“中トロは除く”とわざわざ書かれているのは、他の刺身類が単品だと945円以内におさまっているのに対して、中トロだけが単品だと1,575円もする品物だからのようです。
カウンターの短辺のところからは、中の板前さんたちが魚を調理する様子もよく見えておもしろいですね。

壁のメニュー / カウンター内厨房 / 刺身二点盛
出てきた二点盛りはサザエが6切れほどとシマアジが3切れほど。その刺身をつまみに燗酒をチビリチビリ。ひとり客は少なくて(今のところ私だけ)、カウンターも小上がりのテーブル席も2~3人連れが多いようです。なにしろ魚介類の種類が多いので何人かでやってきていろいろと盛り込んでもらうと楽しいかもしれませんね。「刺身丸皿盛合わせ」(2,500円より)は「ご予算に応じて盛り合わせいたします」と書かれています。
入口近くのレジのところには昔の「菊正宗の酒蔵」の写真がかざられていて、これがまたたいそう良さげな(=古びた)外観なのです。この古い酒場は平成5(1993)年に、現在の店に改装するために閉められたのだそうです。古い時代にここで飲んでみたかったですねぇ。
刺身で1本を飲み終えて、ここは1,245円でした。どうもごちそうさま。
・店情報
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船橋を後に地下鉄東西線で落合へ。ここから西武新宿線・新井薬師前駅に向かって徒歩10分ほど行ったところにあるのがカクテルバー「日登美」です。5月初日の酒場ツアーの〆は「日登美」のカクテルにいたしましょう。
午後10時過ぎのカウンター10席程度だけの店内は先客なし。「いらっしゃいませ」と笑顔のマスターに迎えられます。カウンター中央部にゆったりと座り、出されたおしぼりでゆっくりと手をぬぐって、たのんだ最初のカクテルは「スティンガー(Stinger)」(800円)のハードシェイク。ブランデーとペパーミントのカクテルです。
カクテルグラスに注がれた「スティンガー」は、ハードシェイクによって表面に氷のかけらがチラチラと浮かんでいて、とてもおいしそうです。どれどれ。うーん、ブランデーの芳醇な味わいと、ペパーミントの爽快感がこのカクテルの持ち味なんですよねぇ。うまいなぁ。「スティンガー」というのは“針”とか、“痛烈な一撃”といった意味なんだそうです。ミントのすっきり感のことを指すのか、そのすっきり感にだまされてアルコール度数の高いブランデーがぐいぐい飲めちゃうので、あとで“痛烈な一撃”になってしまうことを指すのかは定かではありませんが、強い割りに飲みやすいカクテルなのです。
店の一番奥、トイレへと向かう扉のところに「お知らせ」が張り出されています。それによると「日曜・月曜連休の場合は、日曜営業、月曜お休みといたします」とのこと。マスターによると「一度「日登美」に行ってみたいんだけど、日曜日しか休みがないから行けないんですよ」という同業の人が何人かいらっしゃったので、年に何度かでもそういう方たちが来店することができるような定休日設定にしてみたのだそうです。
「スティンガー」を飲み干して、本日最後のお酒として注文したのは「マティーニ(Martini)」(800円)です。「マティーニ」はジンとベルモットを4:1~6:1くらいの比率で混ぜ合わせて、オリーブをひとつ入れてできあがるシンプルなカクテルなのですが、店によって、作る人によってぜんぜん味が違うと言われるほど幅広い味わいのカクテルなのです。「カクテルはマティーニに始まり、マティーニで終わる」とも言われていて、「カクテルの王様」という別名でも呼ばれるほどです。
この日、別の店ですでに何杯ものお酒をいただいてきたことを見てとったか、マスターはオリーブの種を置く小皿とともに、冷たい水の入ったロンググラスをチェイサーとしてすっと差し出してくれました。
クイッと「マティーニ」を飲み干した後にいただく冷水のなんとうまいことよ。まさに甘露ですねぇ。
「どうもごちそうさまでした」。約1時間の滞在は1,600円でした。いつもキリッと蝶ネクタイ姿のマスターに「ありがとうございました」と見送られて酒場ツアーを終了したのでした。
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飲み友達のH氏から「ぜひみなさんにご紹介したいお店があるんですよ。メニューに載ってるものが全部おいしいんだけど、いつもすぐに満員になって、しかもメニューに載ってる品がどんどん売り切れてしまう。だから行くなら大勢で行って端からどんどんたのむのがいいと思うんです」という話があり、ゴールデンウイーク中の今日、H氏をはじめ、飲み仲間たちと5人で予約して向かったのは本所(ほんじょ)にある居酒屋「わくい亭」です。
祝前日、午後6時20分の店内は開店(5時半)から1時間もたっていないのにすでに右手L字型カウンター席は短辺の部分を除いて満席(空いてる短辺の部分も予約客用にとってある様子)、左手に3つほどならぶテーブル席も我われも含んで満席。そして店の奥にあるテーブル席や小上がりの座敷席もいっぱいのようです。本当に人気の高いお店なんですね。

のれん / 店内の様子 / ビールとお通し
左手のテーブル席は一番手前だけが4人掛けになっていて、奥側のふたつは2人掛け。我われはその4人掛けテーブルを、椅子をもうひとつ追加してもらって囲み、瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、550円)をもらって乾杯です。出されたお通しはフキの煮物。小皿にちょっとの量ですが実にいい味付けです。
メニューはカウンターの上部に黒い短冊板に白字で書かれた定番メニューらしき品物が7品ほど並んでいるほか、壁の黒板にはチョークで本日のおすすめメニューが30品ほど。値段的には生しらすの300円からはじまって、400~800円くらいの品々が最多価格帯で、千円を超える品物はくじらベーコン(1,000円)、のどぐろ一夜干し(1,200円)、牛もも肉バター焼き(1,200円)の3品のみです。
「すぐにたのんどかなきゃ売り切れちゃうんです」という名物のメンチカツ(600円)をまず注文し、そのほか、たくさんの品書の中から初回の注文品として選んだのは生しらす(300円)、砂肝にんにく炒め(500円)、貝盛り(みる貝、さざえ)(800円)の3品です。
開店後1時間もたっていないのに、すでに銀だらかま煮付け(900円)のメニューは横線で消され、売り切れであることが示されています。こうやって横線(取り消し線のような線)で、いわゆる見え消し状態になっていると、なにが売り切れたのかよくわかるだけに「しまったぁ! たのんでおけばよかったなぁ」とくやしさもひとしおですよねぇ。
すぐに出てきた生しらすは、小皿にこんもりと盛られて、てっぺんに山葵(わさび)がのっかっています。さっと醤油をかけていただくとうまいこと。これは日本酒ですね。燗酒は麒麟山・伝統辛口で大徳利が700円、小さい徳利は400円。大徳利をいただきます。燗酒が出てくるころには砂肝にんにく炒めも出てきます。しらすを食べては燗酒をちびり。砂肝をつっついてはビールをごくりと、飲み物を目の前にふたつ並べておいて、肴に合わせて飲み分けます。

生しらす / 砂肝にんにく炒め / 燗酒
そして出てきたのは名物・メンチカツ。みんなから「おぉっ!」と感嘆の声がもれるほど大きい! 大きな丸皿いっぱいのメンチカツです。添えられているナイフでサクサクサクとまん中を切ってみると、内部はジュワッとちょうどいい火の通り具合。小さく切り分けて口に運ぶと、味つけが絶妙で、ソースなどはなにもかけないほうがおいしいほど。大きいだけじゃなくて、味もいいからすぐに売り切れるほど人気があるんですね。ビールもすすみます。

メンチカツ / メンチカツの断面 / 貝盛り
貝盛り(みる貝、さざえ)も出てきました。初夏になると貝類もおいしくなってきていいですね。コリコリむっちりとした食感が貝の持ち味。こちらは燗酒でいただきます。
H氏がしきりにすすめてくれたとおり、どれを食べてもおいしいですねぇ。さらにビーフカツ(800円)やあまえび酒盗和え(500円)、焼きなす(400円)も追加します。
ビーフカツもまた皿からこぼれんばかりにボリュームたっぷり。「醤油をちょっとかけて食べるとうまいですよ」という声にしたがって、さっそく試してみるとたしかにうまい。ビーフと醤油はよく合うものの、ビーフカツにも醤油が合うとはおどろきです。
「ワインももらいましょうか」ということで、ミッシェル・リンチの赤をボトル(2,500円)でいただきます。この店にはグラスワインは置いていないようなので、ワインは必ずボトルでいただくようです。

ビーフカツ / あまえび酒盗和え / 飲み物3種
次に出てきたのはあまえび酒盗和え。これは圧倒的に燗酒ですね。ビール、燗酒、ワインの3種をならべて、肴にあわせて飲み分けます。焼きなすも出てきました。
ワインに合わせて生ハムとチーズの盛り合せ(800円)もいただきます。メニューが和風から洋風と幅広く、かつそれぞれがおいしいというのがいいですね。なにしろこの店の女将・涌井純子さんは「本所わくい亭のお惣菜ふう酒の肴―お酒がすすむごはんもすすむ」という本を出されているほどなのだそうです。燗酒用になまこ酢(500円)もいただきます。

焼きなす / 生ハムとチーズ / なまこ酢
お酒は燗酒だけではなくて地酒も十数種類がそれぞれ1合500円から2,000円(←久保田・洗心)までそろっています。焼酎類はウーロンハイ、レモンハイなどが各350円であるほか、2,300~2,800円くらいで麦・芋・米などの焼酎5種類ほどがボトルキープできます。ウイスキーもボトル売り(スーパーニッカ4,500円、竹鶴5,000円)です。
そんな地酒の中からにっきーさんがもらったのは「千代の光」(特別本醸造、500円)。このお酒はやまけんさんのおすすめのお酒なのだそうです。私もちょっと飲ませてもらいました。
カウンターのお客さんのところへ出てきた肴を見て、そのあまりの量の多さに思わず「同じものを!」と注文したのが海老とわかさぎのフライ(600円)。これまたお皿からあふれんばかりにたっぷりと盛られたフライがどーんと出されます。
時間とともに黒板のメニューはどんどん売り切れていって、午後8時半現在で半数以上(30品中の17品)が売り切れてしまいました。我われもそろそろ終了といたしますか。約2時間の滞在は5人で16,800円(ひとりあたり3,360円)でした。満足満足。どうもごちそうさま。
・店情報 (「アル中ハイマー日記」、「宇ち中」、「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)
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刺し物はレバ刺し、ハツ刺し、タン刺し、シロ刺し、タマ刺し、コブクロ刺し、ガツ刺し、センマイ刺し各400円、上ミノ刺し600円、馬刺し800円。焼き物はたれ・塩・ニンニクだれが選べ、シロ、カシラ、レバ、タン、ハツ、ナンコツ、コブクロ、鳥タタキ(各110円)、焼き鳥(130円)のほか、上ミノ(350円)、手羽先(3本、450円)、豚トロ(一人前480円)、豚足(500円)など。煮込み(400円)、お新香(350円)、長ナス1本漬(350円)、さつまあげ(450円)、玉子焼き(450円)、焼海苔(250円)、タンおろし(450円)、軟骨あられ(450円)、ゴボウスティック(400円)、ナス味噌炒め(450円)、クサヤ(750円)などの肴メニューも充実。飲み物はビール(大)550円、生ビール(大)700円、生ビール(中)450円、お酒(2合)600円、酎ハイ330円、レモンハイ330円、ウーロン割り330円、麦茶割り330円、わかば割り(緑茶)350円など。
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「わくい亭」を出て三ツ目通りを東に渡った路地に入ったところにあるのがもつ焼き「わかば」。「酔わせて下町」をして『界隈を散策して「本所は他にもいい店がありそうだ、次は○○へ」と、思ってはいるのだが、「春日通、右に曲がるとわくい亭、左に曲がるともつ焼きわかば」。なんとも酒呑みを悩ませる魔の交差点に来ると、その考えはいつも挫折してしまう。笑』と書かせた、本所の二大巨頭の1軒なのです。
「わかば」という店名のとおり、店の表にある提灯やテント、のれんはすべて若葉の緑色。その緑ののれんをくぐって店内に入ると、午後9時前の店内はお客さんでいっぱいです。店内の造りは入って左側が店の奥まで続く直線のカウンター席。間が人が通れるように切れているのが特徴的。右手はやや広めの小上がりのテーブル席になっていて、座卓が4つほど並んでいます。右手奥にはコの字型の壁のくぼみにそってテーブル席が置かれていて、壁際にコの字に並んで座れるようなベンチシートが作りつけられています。我われ5人は、そのくぼみに作られたテーブル席に通されました。
酎ハイ(330円)や生ビール(中、450円)をもらって乾杯し、まずたのんだのはこの店の名物でもあるらしいモツの刺身類です。噂どおりモツの刺身にはかなり力を入れているようで、メニューにもレバ刺し、ハツ刺し、タン刺し、シロ刺し、タマ刺し、コブクロ刺し、ガツ刺し、センマイ刺し各400円、上ミノ刺し600円、馬刺し800円という10品がずらりとならんでいます。その中からレバ刺し、ハツ刺し、タマ刺しの3品(各400円)を選択。

飲み物 / レバ刺し・ハツ刺し / タン刺し・タマ刺し
レバ刺しは新鮮さをアピールするようなキラリとした光沢で、ひと切れひと切れの身の厚さもあって食欲をそそります。ハツ刺しもプリプリと新鮮そのもの。そして「ごめんなさい。1人前なかったので半分はタン刺しを入れました」と出てきたタマ刺し、タン刺しのピンクの色のきれいなこと!
もつ焼きはシロ、カシラ、レバ、タン、ハツ、ナンコツ、コブクロ、鳥タタキが各1本110円で、味はたれ・塩・ニンニクだれから選べます。焼き物メニューはさらに焼き鳥(ネギマ、130円)、上ミノ(350円)、手羽先(3本、450円)、豚トロ(一人前480円)、豚足(500円)、ネギ(120円)、ししとう(2本、250円)、ピーマン(一人前、250円)などがラインナップされています。そんな中からシロをたれ(110円×2)で、特シロとカシラはニンニクだれ(110円×2×2)で、そして豚トロ(一人前480円)をいただくことにしました。

シロ(たれ) / 特シロとカシラ(ニンニクだれ) / 豚トロ
シロ。ひと切れひと切れが大きい! タレもたっぷりとつけられていてプリプリくにゅくにゅといい食感です。そのシロでおどろいていたらもっとびっくりは特シロ。これはいわゆるテッポウで、まさにとろけんばかりのフンワリ感です。カシラの香ばしい油の感覚もよく、ニンニクだれともよく合います。豚トロがまた、肉のかたまりといっていいくらいのもので、食べ応え十分。
うーむ。この店も1軒目にお腹をすかせて来るべき店ですねぇ。もつ刺しやもつ焼き以外にも煮込み(400円)、お新香(350円)、長ナス1本漬(350円)、さつまあげ(450円)、玉子焼き(450円)、焼海苔(250円)、タンおろし(450円)、軟骨あられ(450円)、ゴボウスティック(400円)、ナス味噌炒め(450円)、クサヤ(750円)などの肴メニューも充実。さらにはお茶漬け、焼きおにぎり、焼ソバ(各500円)といったシメの食事メニューまであるため、1軒でしっかりと楽しめる感じです。
今日はすでに1軒目にたっぷりといただいていたため、ここらで終了。1時間強の滞在は5人で8,700円(ひとりあたり1,740円)でした。
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ゴールデンウイークの9連休も後半戦に入って6日目。飲み友達たちと3人で連れ立って出かけたのは吉祥寺は「いせや本店」です。祝日午後3時半の店先は今日も立ち飲み客でいっぱい。比較的空いている2階テーブル席に陣取り、まずはビール(サッポロラガー大瓶、480円)と定番の「自家製シューマイ」(330円)に“本日のお楽しみ”である「牛の白滝煮」(350円)を注文します。

店の外観 / 自家製シューマイ / 牛の白滝煮
「自家製シューマイ」はその大きさが特徴。「いせや」はもともと肉屋からスタートしたため、肉はたっぷりとあったんだそうです。“本日のお楽しみ”は日替わりのおすすめメニュー。毎日1品ずつボードや張り紙に書き出されるのです。
はじめていただいてみた「生野菜」(380円)は千切りキャベツを主体にトマトがちょっと入り、レモンスライスとパセリが添えられたうえにたっぷりとマヨネーズ。「焼きとうもろこし」(1本250円)ももらったところで飲み物も「酎ハイ」(320円)に切りかえます。酎ハイ用の梅シロップもお願いしたところ、小さいグラスに梅シロップを入れてきてくれました。

生野菜 / 焼きとうもろこし / 酎ハイ(梅シロップ)
2時間弱の「いせや」タイムは3人で2,900円(ひとりあたり970円弱)でした。
・店情報 (前回、「帰り道は、匍匐ぜんしん!」「アル中ハイマー日記」)
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「いせや本店」を出て大分料理の「豊後」に向かいますが、店があるべきガード下に行ってみるとなんと工事中。うーむ。もともと古い店だったので建てかえになっちゃったんでしょうか。
その後の顛末:「豊後」はすぐ近く(武蔵野市吉祥寺南町2-6-6)に場所を移して営業しているようです。電話番号(0422-43-7407)は以前と変わりません。
しかたがなく「それじゃビールでも飲もう」と入ったのは「オールドクロウ」。ビールは生ビール(小380円、中650円)、ハイネケン(650円)、ギネス(740円)とあり、ハイネケンとギネスを注文。ビールは瓶入りで、キンキンに冷えて霜のついたジョッキとともに供されます。女性の分はだまっていても店員さんが注いでくれますが、男性の分は「こちらでお注ぎしますか?」と確認する店員さん。そう聞かれると「いや。自分でやります」と答えちゃいますよねぇ。

店の外観 / ビール / お通し
お通し(ひとり550円)はひとつのお皿にジャラっと盛られたジャイアントコーン。うーむ。3人前(1,650円分)でこの量と思うとものすごく高いジャイアントコーンですねぇ。(ま、実際にはジャイアントコーン代ということではなくて、一定のチャージとして発生する費用なんでしょうが…。)
ピザとパスタの店なのでピザもいただきましょう。ピザは厚くてフカフカの生地のナポリタイプと、薄くてパリパリのローマタイプの2種類が選べ、さらにパリパリのローマタイプはフルサイズとハーフサイズが選べます。チーズ好きのここっとさんが4種類のチーズの入った「クワットロフォルマッジ」のローマタイプ(パリパリのもの)・ハーフサイズ(1,240円)を選択。ピザは店の奥の薪窯(まきがま)で焼き上げられます。

ピザ / バーボンソーダ / 店の看板
ビールの後は店名と同じバーボン「オールドクロウ」をソーダ割り(オールドクロウ550円+ソーダ150円=700円)でいただいて終了。約1時間の滞在は3人で6,980円(ひとりあたり2,300円強)でした。
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神田の老舗そば屋「まつや」の吉祥寺店が吉祥寺東急百貨店9階レストラン街にあります。いつもは店の外にも行列ができるほど込んでるのですが、連休中とあってか午後7時過ぎの店内は空いている様子。我われ3人も待つことなく店内に入り、テーブル席のひとつに座ります。
時間帯的に夕食代わりにそばだけを注文している人も多いようですが、我われはまずはお酒(630円)から。「燗はどのように?」と聞いてくれるのもうれしいですね。それじゃぬる燗でお願いします。お酒には親指の先くらいのそば味噌が付いてきます。これをちょいとなめながらいただく燗酒がうまいんですよねぇ。ビール好きのここっとさんはここでもビール(アサヒスーパードライ中瓶、630円)です。ビールにもそば味噌が付いてくるんですね。
そのほかにいただいた肴は「わさびかまぼこ」(609円)と「焼鳥」(703円)。「わさびかまぼこ」はいわゆる「板わさ」です。少し厚めの蒲鉾が2切れ。それがまん中で半分に分割されているため、全体としては4切れになっています。

お酒(ぬる燗)とそば味噌 / わさびかまぼこ / 焼鳥
そして「焼鳥」もそば屋の焼き鳥。串に刺さず、そばのかえしを絡めて焼き上げるのが特徴です。焼き鳥屋の焼き鳥とはまた違ったおいしさがあるんですよねぇ。
ひとしきりつまみもいただいたところで「もり」(567円)です。「まつや」はそばにはワサビが付きません。にっきーさんはもりそばのてっぺんに横一筋に七味唐辛子です。

もり / 横に一筋、七味唐辛子 / そばつゆ(そば湯で)
最後にそばつゆ(そば湯でのばしたもの)をつまみにいただくお酒がまたうまいですよねぇ。そばと一緒に出される刻みネギも、このときまで食べずにとっておいたのです。ちょっとスープをすすってはお酒をちびり。いいそば屋のそばつゆは、けっこう薄くのばしてもいい味がするんですよねぇ。
約1時間のそば屋酒は3人で4,336円(ひとりあたり1,450円弱)でした。百貨店のレストラン街にあるお店らしく、家族連れが多いお店です。
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飲みに行く地域を広げるゴールデンウィーク。9連休も残り3日となった今日は三軒茶屋(さんげんぢゃや)に出かけます。東京西北エリアで出かけることができていない地域のひとつがここ三軒茶屋なのです。
午後3時。同好の士たちと三軒茶屋駅前に集合し、本日の1軒目、朝9時半から営業しているという大衆居酒屋「味とめ(あじとめ)」(03-3412-9973、世田谷区太子堂4-23-7
)を目指すも、その「味とめ」が連休中で、営業は明日(5月6日)からとのこと。うーむ残念。
「ビールでも飲みながら作戦会議といきますか」と入ったのは、三軒茶屋交差点のそば、マクドナルドの横にあるアジア屋台「FO(フォー)」です。店内は小さい厨房を囲むように4人くらい座れる小さいカウンターと、それとは別に4人座れるテーブルがひとつだけの狭さ。カウンターには先客がひとり居たため、我われ3人はテーブル席に陣取ります。
ビールは缶ビール(350ml)が3種類ありいずれも525円。せっかく3人ですからそれぞれ別の銘柄をもらいましょうね。まず1本目はシンガポール産の「タイガー」。クセのない飲み口は、生産国のシンガポールはもとより、マレーシア、タイ、ベトナムをなどのアジア各国でもよく飲まれているのだそうです。2本目はベトナム産の「バババ」。缶には「333」と書かれていますが、この「333」を「バババ」と読むのだそうです。そして3本目はタイ産の「シンハ」。これまでの2本がそれぞれその国を代表するビールだったように、この「シンハ」もタイを代表するビールなんだそうです。
そしてつまみ。店の赤提灯には「ベトナム汁そばフォー」と書かれているのですが、店内メニューを見ると何種類かのフォー(525円~)の他に蒸鶏の冷製(525円)、マーボ豆腐(639円)、韮野菜挽肉炒め(525円)、イカのエスニック炒め(630円)、牛肉の柔らか煮(840円)、エビチリソース(630円)、鶏サラダ(525円)といった一品料理もあるようです。そんな中から「韮野菜挽肉炒め(にらやさいひきにくいため)」(525円)と「イカのエスニック炒め」(630円)の2品を選択。注文を受けてカウンターの中にいる男性が料理をはじめます。小さい店はこの男性ひとりが切り盛りしている様子。夜中までやってるお店らしいので、何人かで交代しながらやってるのかもしれませんね。

アジアンビール3種 / 韮野菜挽肉卵炒め / イカのエスニック炒め
「韮野菜挽肉炒め」も「イカのエスニック炒め」も、最後に香草(パクチー)が添えられるのが特徴的。いかにもアジアンな味わいになります。
フォーもさることながら、「フーティユ(ベトナム風素麺)」や「トムヤンクンヌードル」、「ナシゴレン」(各840円)などのメニューにも引かれるものがありますね。我われがビールを飲んでるときにも、東南アジア系のおにいさんたちがふたり入ってきておいしそうにフォーを食べているのが印象的でした。
ビールを2本おかわりし、1時間弱の滞在は3人で3,780円(ひとりあたり1,260円)でした。
・店情報
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「アジア屋台FO」を出たもののまだ4時過ぎ。「それじゃもう1軒」と入ったのは、交番の横・すずらん通りに入ってすぐ左側にこの3月にオープンした立ち飲み屋「凸(でこ)」です。路地に置かれた看板によると午後7時までは“ハッピーアワー”ということで通常480円の生ビール(サントリー・プレミアムモルツ)が280円なのだそうです。
午後4時に開店したばかり(←5月当時。現在は午後5時開店らしい)の店内は先客はひとり。店内は右手がメインカウンターになっているものの、左手や店内の奥の壁のあたりまで作り付けの立ち飲みカウンターが付いていて、かなりの人数が入れそうです。
まずはなにしろハッピーアワーの生ビール(280円)からスタートですね。
この店の主力商品は炭火焼きの焼き鳥らしいのですが、そのほかにも「串が焼きあがるまでの間にどうぞ!」と書かれた100円からの“前菜”のメニューがずらりと並んでいます。その中からナッツ(100円)と浅漬け(100円)、そしてこの店の食べ物メニューの中ではおそらく最高価格が付けられた角煮(350円)をいただきます。

生ビールとナッツ / 浅漬け / 角煮
カウンターの上には缶詰類もずらりと積み上げられていて、これがそれぞれ200円。全体的に価格は低く押さえられているようです。
飲み物のほうで特徴的なのはホイス(350円)があることでしょうか。ホッピー(350円)もあります。レモンサワーやウーロンハイなどはそれぞれ300円です。
2杯目はハイボール(トリハイ、350円)をいただいて、つまみも串焼きです。まずは「新メニュー」と書かれたチーマン(150円)。これはピーマンの中にチーズをつめて焼いたもののようです。

ハイボール / チーマン / せせり、ねぎバンバン
焼き鳥は、いわゆるもつ焼きのほかに鶏を焼いたものも種類が豊富。そんな中からせせり(首あたりの肉、150円)とねぎバンバン(120円)をいただきます。
ねぎバンバンは、もも(100円)を焼いた上にネギたっぷりでとろみのある塩ダレをかけたもの。これがお店の秘伝のタレらしく、おいしいのです。
なお、「凸(でこ)」という名前からも想像がつくとおり、姉妹店に「凹(ぼこ)」という立ち飲みのワインバーもあるそうです。
1時間弱の立ち飲みタイムは、3人で2,440円(ひとりあたり810円強)でした。
・店情報
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三軒茶屋の3軒目は、『三軒茶屋と言えば』という決まり文句つきで呼ばれるほど名のとおった銘酒居酒屋「赤鬼」です。なにしろ地酒が常時100種類以上あるというんだから驚きです。しかも年中無休というのがうれしいではありませんか。
開店時刻は午後5時半。開店と同時に入ろうと、その少し前に店に行ってみるとなんともう開店しています。あとで知ったのですが土日祝日は午後5時に開店するんですね。右手カウンター席にずらりと先客がいるほかは、左手や店の奥のテーブル席は空いてる様子。
「3人です」と告げると、「お煙草は吸いますか?」と確認された後、「7時半からのご予約が入ってるので、それまでに出ていただけるのであれば、このテーブルを使っていただいてもいいんですけど」と店のおにいさん。そうか。空いてるように見えても予約のお客さんがいるんですね。でもまぁ、7時半までならまだ2時間以上あるので大丈夫ですね。「じゃ7時半までで」ということでそのテーブル席に陣取ります。私以外のふたりが喫煙者なので喫煙可能な席にしてもらったのですが、店はカウンター席をはじめとして半分以上が禁煙席なのだそうです。
ずらりと並んだ地酒のメニューの中からまず1杯目として選んだのは赤鬼PB(プライベートブランド)の「十四代・純吟原酒・生酒」(700円)です。この店は「十四代」を世に広めた店なのだそうで、「十四代」の“本丸 生詰”(600円)、“山田錦(生)”(750円)、“雄町(生)”(850円)、“愛山(生)”(1,000円)が常時置かれている他、ホワイトボードには季節品の「十四代」も書き出されています。
赤鬼PBの「十四代」は升の中に置かれた大ぶりの利き猪口(底に青い蛇の目模様が付いたもの)にたっぷりと注がれます。ビール好きの同行者はここでもやっぱり生ビール(エビス中、650円)です。

酒と生ビール / 赤鬼PB十四代 / お通し
お通し(500円)として出されたのは、“くみ出し豆腐のカニ玉あんかけ”と“ゴーヤのサラダ”の2点盛り。こうやってきちんと手のかかったお通しが出てくると、その後のつまみにも期待が持てますね。
そのつまみは壁のホワイトボードに50品ほどが書き出されていますが、その他のメニューも合わせて全部ではなんと200品目にも及ぶそうです。塩らっきょう(300円)、野沢菜漬(350円)からはじまって、500~800円くらいの品がずらりとそろい、その一角だけひときわ高いのが刺身類で、1,300~2,000円程度(ちなみに2,000円の品は北海道産の生ウニ)です。
そんな中から我われが選んだのは「カブときゅうりの浅漬」(450円)と「ちりめんじゃこ」(350円)。それとビールのつまみ用に「手羽餃子」(500円)です。

カブときゅうりの浅漬 / ちりめんじゃこ / 手羽餃子
2杯目のお酒は、それぞれ自分の故郷のお酒を飲むことにします。愛媛出身の私は「梅錦 蔵開 吟醸生」(600円)。そして富山出身の酒友Fは「苗加屋(のうかや) 純米吟醸 無濾過生原酒」(600円)。もうひとり、東京出身、ビール好きの酒友Kは再びエビス生ビール(650円)。そういえばエビスビールも東京生まれか。

梅錦・蔵開 / 苗加屋 / まぐろぬた
つまみは「まぐろぬた」(650円)を追加。この「まぐろぬた」が、出されたときからしっかりと混ぜ合わされていい味です。またまぐろがいいですねぇ。日本酒もうまいですが、この店のつまみも負けてないなぁ。
続いてのお酒は「大信州」の純米大吟醸生原酒。瓶に書かれた名前はなんと「仕込三十一号」(600円)。なんだかロボットのような不思議なネーミングですねぇ。この1杯は地酒好きの酒友Fとわけあっていただきます。

店内の様子 / 仕込三十一号 / 貴醸酒「翡翠」
気がつけばもう7時15分。ラスト1杯として選んだのは若鶴酒造の長期熟成・貴醸酒(きじょうしゅ)、「翡翠(ひすい)」(1,300円)です。美しい緑の瓶で出された「翡翠」。ガラスの猪口に注ぐと、褐色に色づいています。こういう貴醸酒や古酒なども置いているところがすごいですねぇ。
約束の7時半には退席。2時間ちょっとの滞在は3人で9,250円(ひとりあたり3,100円弱)でした。「どうもごちそうさま」と満席の続く店を後にしたのでした。
・店情報
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三軒茶屋をあとにバスで三宿(みしゅく)に移動。テックスメックス料理(テキサスでアメリカナイズされたメキシコ料理)の「ゼスト・キャンティーナ」に入ります。店内には天井から大きな鳥のような模型が吊り下げられていたりしておもしろい。
ナチョス(870円)や、野菜たっぷりのスパイシースープ(370円)、シーザーサラダ(420円)などをつまみに、ハウスワインの赤(フルカラフ、1,900円)をいただきます。

ナチョス / ゼストスープ / シーザースサラダ
ナチョスはコーンチップに、メキシコの煮込み料理であるチリコンカーンとチーズをかけてオーブンで焼いたもの。たっぷりとのせられたバターもいいですね。
シーザーサラダは、店のおねえさんがグルグルまわすチーズおろし器でチーズをかけてくれます。「いいところでストップをかけてくださいね」と言われたものの、じっと黙っていたら「そろそろいいでしょうか?」とおねえさん。とてもたっぷりのチーズとなりました。
カクテルなどもいただいて約2時間の滞在は3人で4,580円(ひとりあたり1,530円ほど)でした。
・店情報
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三軒茶屋~三宿ツアーのラストは、三宿で朝4時まで(日祝は2時まで)やってる京うどんとむぎとろの店、「夢吟坊」です。店内は祝日午後10時前ながらお客さんでいっぱい。普通のテーブル席には空きはなく、我われ3人は奥の小上がりの座卓に案内されます。
夜中までやってることからもわかるとおり、京うどんの店といいつつもちゃんとお酒やつまみも置いています。燗酒(京の心、520円)や生ビール(中、570円)とともに、きのこおろし(525円)と味噌田楽(260円)をたのみます。

店内の様子 / きのこおろし / 味噌田楽
シメのうどんは、酒友Kは冷しかき揚げうどん(995円)にさらにきつね(80円)をトッピング。ここは大きなかき揚げ天ぷらが別盛りで出てくるのです。酒友Fはあっさりとせいろうどん(670円)。そして私はかけうどん(605円)。テーブル上に置かれたとろろ昆布や七味、柚子七味を入れていただくと、京うどんのおつゆが燗酒のいいつまみになるのです。

冷しかき揚げうどん / せいろうどん / かけうどん
約40分の滞在は3人で4,225円(ひとりあたり1,410円ほど)でした。
・店情報
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ゴールデンウィークの9連休も8日目。あと今日と明日の2日間を残すのみとなりました。さあて、今日はどこに行こうかなと布団から抜け出したところへ、横浜の酒場通・伊東さんから「本日、16時戸部駅集合の角打ちツアーがあります。お時間があるようでしたらお待ちしております」というありがたいメール。さっそく返信してみると、ホッピー仙人主催の立ち飲みコンペなのだそうです。
午後4時に京急本線・戸部(とべ)駅集合。横浜のとなり駅ながら、この駅で降りるのははじめてです。電車を降りたところへ、同じ電車に乗っていたらしく伊東さんも歩いてきてホーム上で合流。改札を抜けると「ホッピー仙人」でよく見かける顔がずらりとそろっています。「こんにちは」とあいさつしを交わしつつその輪に合流すると、さっそく仙人がみんなを集めてルール説明です。
ここ京急・戸部駅から相鉄・西横浜駅にかけての一帯(その中心部が藤棚町)は立ち飲みのできる酒屋さんが多い地域なのだそうで、今日は仙人から渡された地域の地図をもとに決められた時間内にたくさんの酒屋の立ち飲みをまわり、得点を競おうというもの。日本酒なら5点、酎ハイは4点(←店で作った場合。缶酎ハイは3点、半分の酎ハイは2点)、ビールは3点、発泡酒2点、陶々酒などは1点と、飲み物ごとにそれぞれ得点が決められているのがおもしろいですね。
参加者は20人以上いるので、じゃんけんで3~5人ずつくらいにチーム分け。私は伊東さんとガンさんとの3人のチームになりました。
「それじゃ、はじめましょう。別のチームとバッティングした場合には先に入ってるチームはなるべく早く切り上げて場所をゆずりましょうね!」という仙人の掛け声で競技(?)開始です。
とはいえ、渡されているのは普通にネット上で見ることができる地図をプリントアウトしているだけのもの。けっして酒屋さんの位置がピンポイントで示されているわけではなく、鼻をきかせての酒屋探しも競技の一環なのです。ひとまずみんなで藤棚町中心部にある商店街へと向かい、途中から1チーム、また1チームと界隈の路地に消えていきます。
用のないときはよく見かける酒屋さんながら、こうやって探しているときはなかなか見つからない。伊東さんから「裏の路地にも展開して幅広く探しましょう」という提案があり、「じゃ1ブロック進んだところの交差点で再合流ね!」と本通りと左右の裏通りに分かれて酒屋を探しながら1ブロック進みます。交差点で合流した3人。「裏の通りにも酒屋はないですねぇ」。うーむ。これは困ったねぇ、と言いつつもさらに先に進むと、そろそろ藤棚交差点(商店街の終わり)になるという右手に大きな酒屋を発見(時刻16:40)。やぁ。ついに酒屋を見つけましたねぇ。
しかしその外観はどう見ても普通に見かける町の酒屋さん。とても立ち飲みできるようには見えないなぁ。「ここは立ち飲みできますか?」と確認してみると、店主がすっと店の外を指し示しながら「そちらの入り口から入ってください」とのこと。いったん店の外に出て、言われたほうに行ってみるとなんとそこには大井町の「武蔵屋酒店」などと同じように別に入口があるではありませんか。しかもここ「福田屋」の立ち飲みコーナー入口にはちゃんと暖簾(のれん)までかかっています。

福田屋 / 立ち飲みコーナー入口 / 生ビール / つまみ
「やったー。1軒目発見だ」と喜びながら店内に入ると、奥の扉が開いて、先ほど酒屋のほうにいて我われに「そちらの入り口から…」と教えてくれた店主がこちらのコーナーにやってきました。ひとりで両方を切り盛りしてるんですね。
本日1杯目であることと、この先がまだ長いことを考慮して、1杯目は高得点をねらわず、手堅く生ビール(中、400円)(ガンさんはいきなり酎ハイ!)で乾杯です。ちなみに同じ生ビールの大は550円、小は300円。酎ハイは200円です。つまみは駄菓子屋風の入れ物に入っていて、バタピー60円、塩マメ60円、レーズン70円など。ずらりと立てて並べられた魚肉ソーセージは100円。この安さが酒屋の立ち飲みですね。
この立ち飲みコーナーの先客はおじさんがひとり。酎ハイをちびちびとやっています。我われが来るまでは、店主も店側にいたため、まさにおひとりでちびちびと酔いを楽しんでたんでしょうね。
生ビールを飲み終えた我われは「ごちそうさん」と出口に向かいます。そこへちょうど別のチームがこの店に到着。「すでに1軒行って、ここが2軒目だよ」とのこと。しまったぁーっ。すでに1軒分遅れをとったか。急げ急げ。
藤棚町の不思議な五差路(六差路?)をわたり、相鉄線・西横浜駅方面へ。行けども行けども酒屋はなく、とうとう国道1号線にぶつかってしまいました。ここを渡るともう西横浜駅ですが、そこを左折して久保町方面へ。どういうわけだか道路が藤色(ラベンダー色)に舗装された一帯にやってきたところで、三分の二ほどシャッターが閉まっている(3枚あるシャッターのうち、まん中の1枚だけが開いている)古びた酒屋を発見(時刻17:05)。中をのぞいてみると、店番のおばちゃんと、そのおばちゃんと差し向かうようにしておじさんがひとり(なんと座って)飲んでいます。よし。この店も立ち飲みOKそうです。
ここ「藤屋酒店」では伊東さんとガンさんは高得点(5点)の日本酒に突入です。このところ飲み続けの私は、2軒目でも手堅くビール(3点)。悪酔いを避けるためゆで玉子(50円)もひとついただきます。

藤屋酒店 / ビール&酒 / ゆで玉子 / 五箇条
この店も店内の棚には缶詰や駄菓子、そして魚肉ソーセージなどがずらりと並んでいるほか、「手造り ところ天」なんてメニューもあります。棚の上部には「酒類店頭量り売りについて」という五箇条が額に入れられて掲示されています。
酒類店頭量り売りについて
- 酒類の「コップ量り売り」は現金引換に願うこと。
- 飲酒せられる場合は店頭に限り五分以内に御利用願うこと。
- 飲用のため、椅子、客席等の設備は設けないこと。又附近に空箱、空樽を置かないこと。
- 酒の燗、肴、つまみものの提供は勿論、これらの持込みを厳重にお断りすること。
- コップの洗浄、置場には、十分衛生に留意すること。
以上物品販売業者の自覚のもとに飲食店類似行為は厳に慎むことを申合せる。昭和40年9月 横浜小売酒販組合
うーむ。2番目の飲酒が「五分以内」というのもすごいなぁ。後文に「飲食店類似行為は厳に慎む」ということが書かれてるということは、この申し合わせの前までは、小売りの酒屋がどんどん酒場(居酒屋)に近い状態になってたんでしょうね。しかし、こういう申し合わせができるほど、横浜では昔から酒屋での立ち飲みが盛んであったことは間違いないようです。
店を出て再び藤色の道を藤棚町交差点方向へと向かうと、左手路地の先に酒屋が見えます。(時刻17:25)
3軒目は「小野酒店」。2軒目から3軒目までは近かったですねぇ。店内をのぞくとワイワイと盛り上がるおじさんたちに混ざって、我われのコンペ大会のメンバーも1チーム飲んでいる。「やぁやぁ」とあいさつを交わすと、先に入っているチームから「5分以内に出るから、ちょっと待っててね」と声がかかります。ググゥ~ッと飲み終えたメンバーと、店頭で界隈の酒屋情報を交換したあと、入れかわりに店内に入ります。
ここでいよいよ私も高得点の日本酒(黄桜カップ)をいただきます。ガンさんは菊水の“ふなくち”。伊東さんはエビスビールです。
店内のおじさんたちからは「おぉ。仲間同士じゃないのか。一緒に飲まなくていいのか?」なんて声がかかります。「いやいや。この地域に酒屋の立ち飲みが多いということで、20人ほどでいろいろとまわってるところなんですよ。みんなが一斉に入ると他のお客さんたちにご迷惑をかけるので、同じ店でかち合った場合には先に入ってるチームがなるべく早く出ることになってるんです」と説明すると、おじさんたちの店のおねえさんもおもしろがって、「昔はいろんなところで立ち飲みができたのに、今残ってるのはこのあたりと、あと杉田あたりらしいわよ」と店のおねえさんが教えてくれます。
そうでしたか。杉田あたりは私の職場の近くなので、そのあたりもまわってみないといけないですねぇ。まさに灯台下暗しです。

小野酒店 / 酒と肴 / 立ち飲みコーナーの様子 / 店内の様子
すぐ近くで飲んでいるおじさんからは、「ほら。にいちゃんたち、これを食っていけ」とひとりにひとつずつ味付け海苔とチーズを手渡してくれます。「さっきのみんなにもやったからな。不公平にならないようにしなきゃな」と笑うおじさん。「ありがとうございます。でも次々と他のチームも来るから、みんなにあげてると大変ですよぉ!」「そうか。じゃ、これで終わりにするか」という言葉に店中で大笑いです。
まさにそこへ次のチームが到着。「すぐに飲み終わるから待っててね」と、今度は我われがググゥ~ッとお酒を飲み干して、次のチームとチェンジです。
「小野酒店」を出て、さらに藤棚町交差点方向に進むと「とくしまや」と書かれた大きな酒屋を発見。うーむ。これは大きな店すぎて、立ち飲みコーナーはないかもな、と思いながら店内にいる店主らしき男性に確認すると「立ち飲み? 店の後ろに回って」とのこと。すばらしい。こんな大きな店にも立ち飲みコーナーがあるんですねぇ。(時刻17:45)
裏に回ると半開きの入口扉から人がはみ出すほどお客さんが入っている。のぞき込むと小さな直線カウンターだけの店内に年配の男性客がずらり。ここは座って飲めるんですね。そのカウンターのまん中あたりに空きがあり、立ち飲みならば入ることができそう。さっそく店内に入り酎ハイ(缶)をもらいます。
この立ち飲みコーナーはおばあちゃんがひとりで切り盛りしていて、先客のおじさんたちもそのおばあちゃんと話をしながら飲むのが楽しそう。

徳島屋酒店 / 店内の様子 / 調理中 / ロールハム
ここも店内にはゆで玉子(30円)や各種缶詰(110円から)などのほか、納豆(60円)、厚揚げ(100円)、がんもどき(130円)など、ちょっと調理をしないといけない料理もならんでいます。そんな中からロールハム(110円)を注文すると、カウンター内の厨房スペースでおばあちゃんがスッスッとロールハムを切ってくれて、マヨネーズたっぷりで盛りつけてくれます。こうやってちょっと手をかけてくれるところが人気なのかな。
まだまだにぎわう「とくしまや」を後にさらに藤棚町交差点方面に向かうと、左手にポテトコロッケ(55円)が評判らしい「キング惣菜店」(045-231-2572、横浜市西区藤棚町1-103
)。その「キング」のちょうど真向かいの歩道上でおじさんたちが3人立ち飲んでいる。ムムッと見るとそこが「杉山酒店」です。(時刻18:15)
店内はウナギの寝床のように細長く、その両側に立ち飲みカウンターが作りつけられています。奥の販売窓口でチューハイを注文すると店主らしきおじさんがサワーグラスに焼酎を入れてくれて、それとは別に瓶入りのソーダ水(カナダドライ)が手渡されます。

杉山酒店 / 店内の様子 / 窓口で注文
その窓口の右奥にずらりと積み上げられている缶詰の中から「うなぎかぶと焼」をいただきます。
「杉山酒店」で飲み終わったところでタイムアップ。しかしすごい町だなぁ、藤棚町。

チューハイ / うなぎかぶと焼 / 優勝商品のホッピー
後ほど「ホッピー仙人」で行われた結果発表で、我われのチームはなんと採点用紙を紛失するという大失態を演じながらも、「ま。遠くから来たから」と大温情で優勝!(というか、みなさんほとんど点差がないくらいの状態だったんですね。)
優勝商品は不思議なホッピーでした。
「ホッピー仙人」では、次回は各自が決められた金額の範囲内で立ち飲むという大会を企画しているそうです。これまた楽しみですね。
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9連休最終日の日曜日は「よじかわ」(=開店時刻の午後4時に「川名」)に6人ほどで集まって打ち上げた後、その中の3人で中野の「陸蒸気」に向かいます。
「陸蒸気」は“原始炭火焼き”といって、店内中央部でガンガンと焚かれる炭火のまわりに串刺しの魚を刺して焼いてくれる店。炭火の上じゃなくて、炭火の周りで焼くというのが特徴的です。
1階は満席で、通された2階は8人くらい座れそうな大きなテーブル。この大きなテーブルを3人で独占し、生ビール(590円)をもらって乾杯です。

店の看板 / 1階カウンター / 生ビールとお通し
料理のほうはサケ、ムツ、ギンダラを盛り合せた「三味焼盛合せ」(1,680円)と「生野菜」(630円)を注文。お通しに続いて、すぐに出てきた「生野菜」はレタス、キュウリ、トマト、ワカメ、ゆでエビ、クラゲなどを盛ってドレッシングをかけたサラダです。
2階の中央部には1階からの大きな煙突がズドンと通り、それ自体がオブジェのような感じになっています。

生野菜 / 2階を貫く煙突 / 三味焼盛合せ
「三味焼盛合せ」にトッピングされたイクラがおいしいと、そのイクラだけを別皿で再注文し、さらにムツカマ(700円)を焼いてもらいます。プリプリに焼けたムツカマを食べると、大きな魚型の骨が出てきます。鯛の場合は「タイのタイ」と呼ばれるこの骨は、ムツだから「ムツのムツ」なのかなぁ??

イクラ / ムツカマ / ムツのムツ?
約2時間の滞在は3人で8,700円ほど(ひとりあたり2,900円ほど)でした。
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青物横丁界隈での仕事がちょうど午後5時に終了し駅前まで戻ってきました。この近くにうなぎの串焼きで知られる「丸富」という店があるらしいので、ちょっと寄って帰りましょうか。
京急・青物横丁駅からバス通りに沿って海方向(東側)へ徒歩約3分、旧・東海道を横切る信号交差点を渡ると、そのすぐ先の右手に目指すお店はありました。角をはさむように細長く作られたビルの1階にあるうなぎ屋は、手前側がお土産を買って帰る人のためのスペースに、そして奥側が店内で食べるためのスペースにと、大きく2分されているようです。
その奥側のスペース。「うなぎ丸富」と白書された茶色ののれんをくぐり、開けっ放しの入口から店内へと入ると、店内はコの字カウンター10席程度のみ。コの字で言うと上側が入口になっていて、入口から見て奥側、この字で言うと下の辺に先客が3人いてウナギの串をつまみにビールを飲んでいます。私もコの字で言うと右の辺の下側に座り、焼き台のところにいるおにいさんにまずはビールを注文します。
すぐに出されたビールはアサヒスーパードライの大瓶で540円。飲み物は瓶ビールのほかにはコップ酒(260円)があるだけとシンプルです。お通しはあっさりと大根の漬物。
焼き台の上部のかけられた短冊メニューを見ると、うなぎの串焼きは一口串焼(180円)、きも焼(200円)、ひれ焼(200円)の3種のみとこちらもシンプル。他には蒲焼(950円)とうなぎ丼(1,200円から4種)とみそ汁(200円)、お新香(200円)、冷奴(250円)があるだけ。これで4時半から7時半までの3時間(このほかランチタイムも営業)の営業時間のうちに、うなぎが売り切れてしまうほどのお客さんが訪れるというんだからすごいではありませんか。
おにいさんに「串焼きをひととおりお願いします」と注文すると、すぐに焼き台で3本を炙ってくれます。うなぎの串焼き屋はあらかじめ焼いてあるものを、注文を受けてから再度炙って、味をつけて仕上げるというお店が多いですね。きっと1から焼いてると時間がかかるからでしょうね。

ビールとお通し / 串焼きひととおり / ひれ焼きをもう1本
一口串焼は、ほかの店で短冊焼き(たんざくやき)などと呼ばれている串と同じようなもので、小さい正方形の短冊状にカットしたうなぎの身を3切れ串に刺して焼いたもの。言わばミニ蒲焼ですね。きも焼はうなぎの内臓一式を串に刺して焼いたもの。ほろ苦さがお酒によく合います。ひれ焼はうなぎの背ビレや腹ビレをクルクルと巻いて焼いたもの。ヒレというと骨々した感触を思い浮かべる人もいらっしゃるかもしれませんが、うなぎのヒレはどこでいただいてもそんなことはありません。説明するのはむずかしいのですが、ぜひ一度食べてみてください。串焼きはすべてタレ焼きで、カウンター上に置かれた山椒粉をパラパラッと振り掛けていただくのが美味。
5時半をまわったころに常連さんと思しきお客さんたちがひとり、またひとりと入ってきます。みなさん大体ひととおりの串焼きを注文しているほか、みそ汁(200円)も注文している。今日はみそ汁がないのだそうで、お客さんから注文が入るたびに店のおにいさんは「すみません。今日はみそ汁がないんです」と謝っています。それを聞いたお客さんたちは一様に「それは残念だなぁ」とがっかりした様子。これはかなり人気の品のようですねぇ。
3本の串焼きを食べ終わった私は、ひれ焼(200円)をもう1本焼いてもらいます。
店は焼き台のところのおにいさんと女性二人の合計3人で切り盛り中。常連のお客さんたちから入院したおかあさんの様子と、それに付き添っているらしきおとうさんの様子をたずねる声が多いところをみると、本当はこのおにいさんのご両親もいて、家族で経営しているお店のようですね。
2本目のひれ焼も食べ終えて、お勘定をお願いします。約1時間の滞在はビール1本と串焼きが4本で1,320円でした。どうもごちそうさま。
・店情報
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土曜日午後3時半の新宿です。午後5時には自宅近くに到着したいので、残された時間はあと1時間ほど。思い出横丁(通称・小便横丁)あたりでちょいと一杯飲んで帰りますか。
思い出横丁というと、個人的にはソイ丼が有名な大衆食堂「つるかめ」やうなぎ串焼きの「カブト」あたりでしか飲んだことがない。しかし、同じ横丁の「岐阜屋」という中華料理屋も、リーズナブルかつ昼から飲めるいい店なんだそうで、今日はその「岐阜屋」に入ってみることにしました。
この店は思い出横丁と、それと平行して山手線のガード側にある焼き鳥横丁との両側に出入口を持つ大きな店。その大きな店がいつもたくさんのお客さんでにぎわっているのです。
今日も両横丁を結ぶ店内全体をカバーするロの字カウンターはお客さんでいっぱい。その横(新宿駅寄り)にちょっと張り出した部屋にあるL字のサブカウンターに座り、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、500円)をもらいます。ビールの大瓶が500円というのは新宿にあって良心的な価格設定ですよね。なにしろ界隈では安い「つるかめ」でも、ビール大瓶は600円ですから。
つまみのほうはと見ると、一番安いのが「バター」の100円。しかしバターだけをつまみで取る人はあんまり見たことがないなぁ。ここはラーメン類もそろってるので、そのトッピングに使ったりするのかな。ちなみにそのラーメンも、もっともスタンダードな「ラーメン並」が350円と、これまたひと時代前の価格設定です。
「お新香」が170円、「冷やっこ」「ザーサイ」が220円、そして「トマト」「キムチ」「ピータン」「枝豆」などの300円もの、「煮込み」の330円、「餃子」「蒸し鳥」の350円もの、370円もの、400円ものと続き、高いほうでは「麻婆豆腐」「にら玉」などが500円、「にらレバー炒め」などが550円ときて、最高値は「かに玉」の650円です。
麺類側で見ると「チャーシューメン」でも580円であることを考えると、「かに玉」は超高級品ですね。ちなみに「チャーシューワンタンメン」や「坦坦メン」が「かに玉」と同じく650円の品です。
そんな風に安くて170円、高くても650円くらいの品々の中から、この店にもよく来るという同行者のおすすめで注文したのは「木耳玉子炒め」(500円)です。「木耳」と書いて「キクラゲ」と読むようです。
待つことしばし。丸皿にたっぷりと盛られて出てきた「木耳玉子炒め」は、まさに皿を覆いつくさんばかりにたっぷりのキクラゲがのったボリュームフルなもの。できたての熱々で、もうもうと湯気があがっています。
どーれどれ。とろみ餡で仕上げられた「木耳玉子炒め」は、口に入れた瞬間はトロッとした食感ながら、たっぷりのキクラゲで噛むとコリコリ感もあって実におもしろい。ニンジンやニンニクの茎、玉ネギなどの野菜も入っていて、味もいい。熱いうちにと思って、私にしてはけっこうモリモリと食べてるんですけど、なにしろ盛りが多いのでなかなか減らないのです。
うーむ。いつもにぎわっている理由がわかりますねぇ。約1時間の滞在は1,000円でした。
・店情報
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第55回となる「竹よし」の夕食会。食材はノドクロにオコゼ、オニカサゴ、小アワビと大ぜいたく! サブテーマとして、なんと「酒場百選」の出版記念も掲げていただき感激しまくり。本当にありがとうございます。

夕食会の張り紙 / ノドクロ / 並んだお酒
カウンターの上には「麒麟山・生酒(新潟)」「想天坊・特別純米(新潟)」のほか、スコッチの「ジョニーウォーカー青ラベル」もスタンバイされています。
席につくなり1杯目の生ビールとともに出されたのは「鯨ベーコン」です。薄くスライスされた鯨ベーコンの上に、刻みネギと刻んだ大葉を散らしてポン酢醤油でいただきます。
そして紅白の刺身盛り合わせ。紅はマグロですが、白はなんとノドクロ(アカムツ)の刺身なんだそうです。焼き魚としていただくことが多いノドクロ。刺身でいただいたのはこれがはじめてです。ちょっとピンクがかった白身で、トロッと脂っぽい。こういう身だから、焼き魚にしてもトロンととろける感じの焼き上がりになるんですね。刺身の盛り合わせにはさらにノレソレも盛られています。

鯨ベーコン / 刺身盛り合せ / オニカサゴ唐揚げ
今日の出席者のひとり、jirochoさんからも「お祝いに」と、jirochoさんの故郷・静岡の地酒「正雪・辛口純米」の差し入れがあり、刺身に合わせて私もさっそく一杯いただきます。カウンターの上にはきれいな花束も飾られています。
オニカサゴの唐揚げ、オコゼの唐揚げも次々に揚がってきました。なおとんさんの差し入れは、長崎の「杵の川・樽酒」(杵の川酒造謹製蔵出し限定酒)。おいしい日本酒の連続に、ついつい杯が進んでしまいます。
そして満を持しての登場はノドクロの焼き魚です。焼き魚の王様と言われるほどのノドクロは、産地でも手に入りにくいほどの幻の魚かつ高級魚でもあるそうなのです。カリッと焼きあがった内側の、ふんわりトロリとした身がこの魚の持ち味。クゥ~ッ。これには新潟の「想天坊・特別純米」を合わせますか。

ノドクロ焼魚 / ノドクロのスープ / お椀によそって
出てきたスープは、なんとそのノドクロのスープなんだそうです。ひとりにひとつずつノドクロのカブト半分が入っていて、見た目も豪華。たっぷりと魚の出汁のきいたスープでいただく日本酒のこれまたうまいことよ。スープの中に豆腐やうどんが入ってるのがいいですねぇ。あったかスープと冷たい地酒のいいマッチングです。(でも飲みすぎてしまう危ないパターンでもあります。)
今日はママさんが体調が悪いのだそうで、いつもはママさんが作るごはんものも、今日はマスターが担当。できあがったのは竹の子ごはんでした。
ここで大好物の「ジョニ青」のボトルもオープン。ずーっと日本酒をいただいてきた喉に、ストレートのスコッチがしみわたります。んー。うまいなぁ。

竹の子ごはん / ジョニ青 / 生きてる小アワビ
スコッチウイスキーで口中をリフレッシュしたところでアワビです。実はマスターはトコブシを注文していたそうなのですが、仲買いさんが仕入れることができず、かわりにこの小アワビになったのだそうです。
十数個ある小アワビのうち半分は酒蒸しに、残る半分はステーキに仕上げていきます。アワビ・ステーキを焼くのはここっとさん。横からなおとんさんがサッと日本酒をふりかけてフランベして完成です。

酒蒸し / ステーキ / 両者をスライスして盛り合せ
できあがった小アワビは、酒蒸しのほうもステーキのほうも、食べやすくスライスして盛りつけられます。小アワビの身もさることながら、別に盛られた小アワビの肝がまた日本酒(新潟の「麒麟山・生酒」)に合うこと!
ひとしきり今日の食材を堪能したところで、ゆったりとお酒を楽しみながら全員の自己紹介タイム。マスターからも恒例の今日の魚に関する説明があります。今日はノドクロの巻。
先にもちょっと書いたとおりノドクロは新潟で幻の魚と言われていたものが、有名になってますます手に入てにくくなってきた。今でも新潟産のノドクロはキロあたり7~8千円の値がつくんだそうです。それにくらべると千葉産、長崎産のノドクロは少し安いんだそうで、今日のノドクロは長崎産でキロあたり4千5百円。うーむ。それでも高級魚であることには違いないですねぇ。
ちなみにノドクロは赤ムツとも呼ばれています。これとよく似た魚が黒ムツですが、値段は赤のほう(ノドクロ)が、黒の倍ほどするのだそうです。一般的には赤ムツ(ノドクロ)は焼き魚として、黒ムツは煮魚として食されることが多いのだそうです。
しかし今日はそのノドクロ(赤ムツ)を、一番うまいと言われている塩焼きだけではおもしろくないので、焼いてスープに入れてみたんだといいます。さっきの冷酒が進んで進んで仕方なかったスープですね。食事会のときは定番のメニューも楽しめますが、こうやって「ちょっと冒険してみました」といったメニューが出てくるのも楽しいんですよねぇ!
その後もワイワイと飲んでしゃべって、今日もまた4時間をこえる楽しい夕食会となったのでした。マスター、そしてご参加のみなさん、今回もどうもありがとうございました。
夕食会: 常連さんたちの集いの場としてハイキングに行ったり、ゴルフ大会をやったりする酒場があるが、ここ「竹よし」ではそれに相当するイベントとして、毎月第2土曜日に夕食会を開催中。会費はひとり4,500円で事前予約制。普段はないようなメニューも楽しめます。
・店情報 (前回、「帰り道は、匍匐ぜんしん!」「黒ぶたシャブシャブ」「しげるのチャンネル」)
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中野の「石松」が満席でしばらく入れそうになく、今日はうなぎ串焼きの「川二郎」です。満席になるとわかってる店でも、近所にいいお店がたくさんあると躊躇なく足を運ぶことができますね。その店、界隈にその1軒だけしかない人気店というのは困りものです。
ビール(キリンラガー大瓶、550円)をもらうと、すぐに出されるお通しのキャベツ。ひと通りの串焼きと、ぎんなん、しいたけのくきをそれぞれ1本ずつ注文します。
ビールをちびちび飲(や)りながら待つことしばし。ひと通りの串焼き6本のうち5本がまず出てきました。今日のひと通りはいつもと少しラインナップが違います。ひれ焼(150円)に短冊(250円)、ばら焼(150円)、きも焼(200円)、そしてれば焼(170円)です。やや遅れて6本目の八幡巻(250円)も出てきました。

ビールとお通し / ひと通り / 八幡巻
ひれ焼はうなぎの背びれと胸びれを巻いたもので、うなぎの蒲焼だけを出す店では捨ててしまう部分なのだそうですが、うなぎの串焼き屋では定番の品。この店のひれ焼はニラもいっしょに巻かれているのが特徴ですね。
短冊(たんざく)はその名のとおりうなぎの身を短冊形に切って串に刺し焼いたもの。いつもはひと通りには串巻(200円)といってうなぎの身を細切りにして串に巻きつけた、いわゆるクリカラが出されるのですが、今日は串巻が売り切れてたんでしょうね。
ばら焼はうなぎの腹骨の部分を串にぐるぐると巻いて焼いたもの。といってそれほど骨々しているわけではなくて、ひれ焼と並んで骨まわりのしっかりとした肉が味わえるひと串です。
きも焼とれば焼は、きも焼のほうが肝臓以外の内臓全部で、れば焼が肝臓だけを焼いたものです。つまりこの二串が両方そろうと、うなぎの内臓がすべてそろうことになります。
そして八幡巻(やはたまき)。これはスティック状に切ったごぼう数本の周りを細切りにしたうなぎの身で巻いて焼いたもの。うなぎの部分だけだと串巻と同じなのですが、ごぼうと一緒になることでまた新しい味わいと食感(歯応え)が生まれるのです。この八幡巻、以前(何年か前)は季節メニューだったように思うのですが、今じゃすっかり定番のメニューになっちゃいましたねぇ。
ぎんなんも焼きあがってきました。ずらりと5個並んだぎんなんはツヤツヤと光を反射して、やわらかい黄緑色が美しいのです。
このところL字カウンターの短辺に座ることが多かった「川二郎」。今日はその短辺の位置に女性ひとり客、角を回ってL字長辺の入口側あたりに男性ひとり客が座っていたので、L字長辺奥側に座っています。ここに座ると、正面の天井近くに出されているメニューがよく見えるんですねぇ。
知らぬ間に日本酒のラインナップも増えてるんだ。大山(本醸造)370円、新政(秋田)270円、高清水(秋田)270円ですか。前からあったのに私が気づいてなかっただけなのかなぁ……。ワイン(赤・白、800円)まであるし。

ぎんなん / 壁のメニュー / しいたけのくき
あれっ? そういえば“しいたけのくき”をたのんでませんでしたっけ?
「“しいたけのくき”は水に浸けこんでから焼くので、もうちょっと時間がかかるんですよ」と大将。この店は大将と、もうひとり女性のふたりで切り盛りしています。1階にはこの7~8人座れるL字カウンターのほかに、店の奥にテーブル席。見たことはありませんが2階にも席があるようです。
しばらくして“しいたけのくき”も出てきました。はじめていただきましたが、これもまた硬めの食感でいいですねぇ。グッグッと噛みしめるとジワッと味が出てくるといった感じです。
閉店時刻(午後10時)を回って、お勘定をはじめた入口近くの常連さんたちにならって、こっちもお勘定をしてもらいます。1時間弱の滞在は2,050円でした。
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そぼ降る雨の中、「武蔵屋」に到着したのは午後8時前。このくらいの時間帯なら空いてることが多いのですがどうかな、と思いながら入口の引き戸に手を伸ばすと、こちらの手が届くよりも先にガラリと引き戸が開いて、中から男性ふたり連れが「お。我われが出るからちょうど入れるよ」と、お酒の入った気持ち良さそうな顔で笑いかけてくれます。「はい、どうもどうも」とそのふたりを見送って店内へ。
なんと店内はそのふたりが座っていた跡地を残してほぼ満席。ひぇ~っ。平日の雨の日なのにすごいなぁ。エアコンのない(実際にはあるけど効かない)店でも過ごしやすい季節だからでしょうか、左手のテーブル席も、奥の小上がりの座敷席も、全卓にお客さんが座っている状態です。
右手カウンター席の先客の後片付けが終わるのを待って、横浜に遊びに来た呑んだフルさん(以下、フルさんと略します。)とともにカウンター席に座ります。
フルさんは、私の仕事が終わって到着するのを、近くの「福田フライ」で飲みながら待っていてくれたので、すでに若干の下地ができています。それに引き換え、私はここが1軒目なのでまずは小瓶のビール(キリン一番搾り、500円)からスタートです。
この店は別名「三杯屋(さんばいや)」とも呼ばれていて、その別名どおりお酒(「桜正宗」の燗酒)がコップに3杯だけ飲めるのです。つまみもその3杯を飲んでいる間に、お決まりの5品が順番に出てくる。これが基本中の基本で、ちょうど2千円です。
この他に若干のオプションが用意されています。オプション(その1)。ビールを注文することができます。大瓶が700円、小瓶は500円で、銘柄はどちらもキリン一番搾り。ビールを注文した場合はビール用のつまみが1品(一皿)付きます。たいていはピーナッツなどの豆菓子です。ビールはお酒を3杯飲み終えるまでの間であれば注文し続けることができるようです。といって、ビールを何本も飲み続ける人はあまり見たことがありませんが……。
オプション(その2)。お決まりの5品のほかに、追加で注文できるつまみも何品か用意されています。何があるかは日によって違うのですが、きぬかつぎ、こはだ酢、煮貝などなどで、それぞれ400円です。
オプション(その3)。お酒は2杯で終了とすることもできます。この場合、お決まりのつまみは4品(最後のお新香が出てこない)となり、1,500円です。
小瓶のビールはあっという間に飲み終えて、1杯目のお酒をいただきます。目の前にはお決まりのつまみのうちの最初の2品、「玉ねぎ酢漬け」と「おから」が並びます。「玉ねぎ酢漬け」は柑橘酢が使われているらしく、口当たりも甘くてやわらかい。「おから」には小さく刻んだ椎茸や人参などの具も入っていて、チマチマとつっつきながら飲むのにちょうどいいつまみです。
そこへ現れたのは、同じ職場の後輩K氏。さっきまで一緒に仕事をしていたのに、ここでも一緒になろうとは! K氏も我われのとなりに空いた空席に座り、ハナから燗酒でスタートです。彼は若いながらも恵比寿の「さいき」や、ここ「武蔵屋」に常連さんとして通うほど本格的な酒場好き。「武蔵屋」の女将(店主である老姉妹のお姉さん)からも名前で呼ばれているほどなのです。

ビールとお通し / お酒と玉ねぎ、おから / 鱈豆腐
お決まり3品目のつまみは「鱈豆腐(たらどうふ)」です。これはおそらくお客さんが来てから豆腐を温めはじめるために、他の2品と比べて出てくるのが遅くなるのだろうと思います。この店のつまみの中で唯一のあったかいつまみで、「これ、これ。これが食べたかったんだよ」と、久しぶりにこの店にやってきたお客に言わせるほどの人気の品なのです。たっぷりとのせられたシラスやカツオ節、刻みネギ。最後にさっとふりかけられた七味唐辛子の風味もよくて、私自身も大好きなつまみです。
ここらで午後8時半をまわり、店の入口には内側から鍵がかけられます。これ以降は新しいお客さんは入ることができず、店内にいるお客さんが飲み終わって店を出るときに、その都度開けてもらうのです。
1杯目のお酒を飲み終わり、空(から)になったグラスをちょいと持ち上げて合図すると、おねえさんが土瓶であっためられた燗酒を注ぎにきてくれます。トトトと静かに入れはじめ、ツツゥーッと勢いを増しながら土瓶を上のほうにあげ、最後に土瓶を下ろしてきながら注ぐ勢いもスゥーっと弱めて表面張力でピタリと止まります。うまいもんですねぇ。

お酒の土瓶 / 2杯目 / 納豆
2杯目のお酒が出されると、「こちらに納豆をお願いします」と厨房に向かって声がかかり、お決まりのつまみの4品目である「納豆」が出されます。「納豆」が出されてるということが、このお客さんは2杯目のお酒を飲んでるという印になるんですね。
この「納豆」は、味付けも終わり、刻みネギとともにしっかりと練り上げられたもの。出てくるとすぐに食べることができるのがうれしいですね。
この店の大きな特徴のひとつとして、カウンターの上やテーブルの上に、醤油や七味などの調味料や、箸立てなどがいっさい置かれていないことがあげられます。自分が席に座ってから出されるお酒やつまみのお皿以外のものはまったくないのです。だからお客さんが帰ってその場所を片付けると、ツルンと何もなくなって実に美しいのです。
この状態にするためには、それぞれのつまみの味付けを万人受けするものにしておく必要があります。料理を担当しているのはカウンター内の厨房にいる老姉妹の妹さん。先ほどの「鱈豆腐」にも、この「納豆」にも決して濃くなくて、そして決して薄くないといった絶妙な味付けがされているのです。だから調味料を置かなくていいんですね。
そしていよいよ最後の3杯目もピタリと表面張力まで。3杯目のお酒とともにお決まり5品も最後の「お新香」が出されます。「お新香」は大根、きゅうり、紅しょうがなどの5点盛りの小皿です。

3杯目 / お新香 / 小上がり席
ちんまりと盛られたお新香をつつきながら最後の1杯をなめるようにいただいていると、他のお客さんにお酒を注ぎにいった女将が、カウンター内に帰るついでにちょいとお酒を注ぎ足してくれます。お酒はきびしく3杯までのこの店で、ちょっとだけサービスしてくれるのがうれしいですね。
9時を回ると、小上がりの座敷席や、テーブル席のお客さんたちもひと組、またひと組と帰りはじめます。3杯目のお酒を飲み終わったのは、入店からちょうど1時間半後。お酒3杯のフルさんとK氏はそれぞれ2千円。小瓶のビールもいただいた私は2千5百円でした。
3人で「さぁ、次はどこにしよう…」なんて話し合いかけて「うっ」と言葉を飲み込みます。恐る恐る女将さんに顔を向けると「あらあら。できるだけまっすぐ帰ってくださいね」とニッコリ。この「まっすぐ帰ってくださいね」も、この店のお決まりの最後のあいさつなのです。お酒を3杯だけいただいて、あとはまっすぐ家に帰って寝るくらいがちょうどいい量なのだと、先代から伝承されているのだそうです。我われもその「まっすぐね!」と思い出して、思わず言葉を飲み込んだのでした。「いやぁ、それはもう、まっすぐ帰りますとも」なんてわざとらしく答えながら、「どうもごちそうさま!」と心地よく店を後にしたのでした。
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「武蔵屋」を後に、バス通りを横切ってまっすぐにやってきたのは「パパジョン」です。なんとフルさんはこの店にキープボトルがあるという。昔このあたりで仕事をしていたときによく来てて、そのころボトルを入れていたのだそうです。その後、ボトルは途切れていたのですが、昨年、久しぶりに訪れたところ、マスター(みんなはパパと呼ぶ)が顔を覚えていて、いきなりドンとボトルを出されたのだそうです。それ以来、キープ再開。現在に至るというわけです。
今日も店に入るなり、カウンター内中央部の円筒型のボトルタワーからスッと出されるフルさんのボトル(サントリー角瓶)。同行したK氏と私もご相伴にあずかります。
水割りグラスに氷をカラカラと入れ、ウイスキーを計るでもなくトプトプと注ぎいれ、水を足す。家庭で作るのと同じような感じの、濃い目でアバウトな水割りです。この鷹揚さもまたこの店の特徴だろうと思います。パパのしゃべりや、バックに流れる音楽(ジャズ)を楽しむというのがこの店のスタイルなのです。なにしろ店の看板に「ジャズと演歌」と謳われてるくらいですからね。ちなみに「演歌」は地元・横浜出身の昭和の唄姫・美空ひばりのみ。なんでもパパは美空ひばり
と同い年で、大ファンなのだそうです。

店の看板 / 角の水割り / お通し
3人で乾杯して水割りを飲み始めると、すぐにお通しの乾き物の盛り合わせが出されます。内容はピーナッツ、薄切りの梅スルメ、乾昆布、豆、アラレ、おろし鉄火という6品盛り。
店内はL字カウンターのみ10席程度で、我われが入ったときには縦の辺、横の辺にそれぞれ2名ずつの先客がいて、我われはL字の角をはさむように着席。店はパパと、その息子の二人で切り盛りしていて、パパは白い鼻髭(はなひげ)、息子は黒い顎鬚(あごひげ)なのがおもしろい。
入口横の壁には、この店で飲んだ有名人のスナップショットを大きく引き伸ばしたものが壁全面にずらりと張り出されている。我われのすぐ近くには太田和彦さんとなぎら健壱さん
の写真が並んで張られています。

パパと息子さん / 壁の写真集 / 古いボトルに移しかえ
フルさんがおかわりをしたところでボトルが空になり、新しいボトルを入れてもらいます。パパは新品の角瓶の封を切り、それをまるでワインをデキャンタージュするかのようにトクトクと古いボトルに移し変えていきます。「自分のボトルに愛着のある人が多いからねぇ」とパパ。その様子をパシャっと写真に撮ると「あ。一番真剣な表情を撮られちゃったなぁ!」と言いつつも、その顔はあいかわらず真剣そのもの。デキャンターと比べると、角瓶の口ははるかに細いですもんね。そういえば鷺ノ宮のバー「ペルル」でも、新しいボトルを入れるときに希望するとそれまで使っていたボトルに移し変えてくれます。
私は2杯目は水割りからハイボール(炭酸割り)に変更です。
「今日で何日になったんですか?」と質問するフルさんに、「今日シャッターを下ろせば9,548日だ」とパパ。この店はまさに年中無休で、9,548日というのはその連続営業記録のことなのです。ひと口に9,548日と言うものの、26年以上休みなしですからねぇ。その間、パパの愛する美空ひばりが亡くなり、また最愛の奥様まで亡くなっていることを考えると、これはとんでもない大記録です。なにしろ奥様が亡くなった日にも営業をしてたってことですから!
このままいくと来年の正月(2007年元旦)には9,777日、そして来年(2007年)の8月12日(日)にちょうど1万日目を迎えることになります。もう連続営業1万日に向けてカウントダウン状態ですね。
午後11時前まで、約1時間半の滞在はニューボトルも入って3人で10,500円でした。
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横浜在住の酒場通・伊東さんと行く中華料理です。伊東さんからは「中華街じゃない中華でいきましょう」と非常に興味深いご提案をいただいています。
駅で待ち合わせをし、雨っぽい天気の中をタクシーで着いたのはいかにも古そうな広東料理の店「華香亭本店」です。このあたり住所で言うと横浜市中区本郷町という町なのですが、JRの山手駅と、「外人墓地」や「みなとの見える丘公園」のちょうど中間あたり。駅から歩くと15分ほどかかる場所です。少し先(となり町)は本牧(ほんもく)です。
「こんばんは」と親しげにお店に入っていく伊東さん。我われも後に続きます。店内は4人掛けの木製のテーブルがずらりと並んでいるほか、左手にひとつある8人掛けの円卓も木製。しかも壁には大きな振り子時計がかけてあり、天井にはクルクル回る天井扇(てんじょうせん。今風に言うとシーリングファン!?)まであって、まさに作り物ではないレトロさを感じさせます。さりげなくピンクの電話がおかれているのもいいですねぇ。

円卓 / 古時計 / テーブル席
中央あたりのテーブルに通された我われ3人。まずはビール(キリンラガー中瓶、500円)をもらって乾杯です。
「揚げワンタンとピータンをください」と、例によってメニューを見ることもなく注文する伊東さん。この店に行くとこれ、というデータベースが頭の中にきっちりと整理されていて、数多(あまた)ある行きつけのお店のどこに行ってもスラスラとおすすめの品が出てくるのです。……。なのに後でお店の名前を聞くと、伊東さんご自身も「あれ? 店名はなんでしたっけ?」なんてことがあるのがおもしろいところ。店の名前ではなくて「この店にきたらこれ」というふうに体感的に覚えられてるんですね。この店も伊東さんが何年も通っている店のひとつなのだそうで、女将さんとも本当に親しげにおしゃべりをしています。
すぐに出された「ピータン」(メニューにはピータン単品はありません。ピータン豆腐が450円なのでそのくらいの値段と思われます。)をつまみながら、女将さんに店の歴史をたずねてみると、この店はなんと明治41(1908)年創業で、今年で98年目になるという。関西弁をしゃべるこの女将さんが3代目なのだそうです。すごい老舗なんですねぇ。
熱々で出てくる「揚ワンタン」(1,200円)は、一緒に出される甘酸っぱいソースをちょいとつけていただきます。パリパリとよく揚がった皮の中からフワリと肉団子。この食感が揚げワンタンの醍醐味ですね。

ビール / ピータン / 揚ワンタン
そして「エビ巻き揚げ」(1,650円)の登場。この一品は、作るのに時間がかかるので、伊東さんが事前に電話で予約してくれていたんだそうです。主役のエビのほかにタケノコやひき肉なども加えたたっぷりの具を、豚の背脂で包んで揚げたもので、熱々のところに添えられたレモンをちょっと搾っていただきます。これまたサクサクとした外側の食感と、ホッコラ・シャクシャク・プリプリとできあがった中の具のバランスがいいですね。さすが伊東さんおすすめの一品です。
紹興酒(1,500円程度?)もボトルごと燗してもらいます。

エビ巻き揚げ / ←アップで / 紹興酒
店内は家族連れもいればひとり客もいますが、天気(雨)のせいもあってかそれほどは多くない。メニューも我われがいただいているような一品料理もたくさんありますが、、牛バラそば(950円)、牛バラ丼(950円)、炸醤麺(ジャージャーメン、900円)、炸醤湯麺(ジャージャータンメン、900円)、揚げ鶏丼(油淋鶏飯、850円)、春キャベツの上海風ヤキソバ(850円)、あさりそば(蛤蜊湯麺、850円)、サンラータンメン(酸辣湯麺、850円)などの食事メニューも並んでいるので、「ちょっと食事だけ」というときでも大丈夫ですね。
最後に追加でいただいたのが「トリ唐揚の梅肉ソース和え」(1,500円)。以前、やはり伊東さんにご案内いただいた中華街の「謝甜記」では梅肉ソース(梅みそ)が別盛りになっていて、それを鶏の唐揚げにかけていただくというスタイルだったのですが、ここ「華香亭本店」のものは、メニュー名のとおりすでに梅肉ソースで「和(あ)え」られています。香菜がよく効いています。
揚げ物を中心に約1時間半の滞在は3人で8千円弱(ひとりあたり2,600円ほど)でした。
・店情報 (「帰り道は、匍匐ぜんしん!」)
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「華香亭本店」を出た一行は、浜の酒場通・伊東さんの「次はアメリカに行くぞー!」という掛け声に頭の中が「?(クエスチョンマーク)」でいっぱいになりながらも「おーっ!」と通りかかったタクシーに元気よく乗り込みます。
「山手警察署のところを左折してもらって本牧ふ頭の入口までお願いします」と伊東さん。本牧ふ頭(ほんもくふとう)は横浜港の入口、横浜ベイブリッジの西側の入口にあたる埠頭で、距離的にもっとも近いJR山手駅でも直線距離で2キロ以上離れているという、ある意味「陸の孤島」的な場所なのです。(ちなみに横浜ベイブリッジの反対側、東側の入口にあるのがサザンオールスターズの「LOVE AFFAIR ~秘密のデート~」でもおなじみの大黒ふ頭(だいこくふとう)です。)
タクシーに乗ること約5分(距離にして約1.5キロ)。「さぁ、アメリカに着いたよ」という伊東さんの声で車を降りると「U.S.S. Seamen's Club」という鮮やかな赤いネオンが目に飛び込んできます。
エントランスを入るとバドワイザーの広告や、日米両国旗などが飾られた店内はまさにアメリカン。掲示板の張り紙もすべて英語だし、なにしろ店内にかいま見えるお客さんの多くが外人さん。

店頭のネオン / 日米両国旗 / カウンターの様子
ふと見ると入口のところに「本日貸切」という張り紙が張り出されていて、店内では立食パーティーをしているようです。ありゃぁ、ここまで来たのに残念ですねぇ。とりあえず店内に状況を見に入ってみると、パーティーもほぼ終わったところで一般のお客さんも入り始めている様子。じゃ我われも混ざりましょうと店内テーブル席のひとつに陣取ります。
店内はこれまたアメリカンで、広い大きな空間がどかん、どかんと並んだようなゆったりとした造りになっています。入口のすぐ右側が大きなホールで、ここが立食パーティーのメイン会場。パーティーの余波(なごり)を楽しんでいる外人客でいっぱいです。その奥、今我われがいるところが右手に大きなバーカウンターがあり、左手にずらりとテーブル席が並ぶダイニングバー的な空間。奥の壁にはピンボールの台や、ジュークボックス、マリリン・モンローのポスターなどが並んでいるのですが、これがまたごくごく自然に存在していて、作り物の雰囲気じゃないことを感じさせます。

ピンボール / ビリヤード / モンローのポスター
店内左手の大きな空間にはビリヤードの台が3台ほど並んでいて、そこでも外人さんたちがビールを飲みながら玉突きを楽しんでいます。その横には両替所(外貨の交換所)まであります。うーむ。店内全体が本当にアメリカですねぇ。だから「次はアメリカに行くぞー!」だったんだ。
伊東さんがバーカウンターのところへ行って生ビール(キリン、600円)を買ってきてくれて乾杯です。バーカウンターのところに飲み物を買いに行くというのも英国パブなんかと同じようなスタイルですね。

生ビール / パーティ用の料理 / 同じく
入口側のホール(といっても明確に仕切りがあるわけではなくてなんとなく空間が分かれている感じ)のパーティーを見学に行ったここっとさんは、両手の紙皿にたっぷりの料理をのせて帰ってきました。「見学してたら持っていけって言われたよ」とのこと。皿の上にはローストビーフやピラフ、サンドイッチ、いなり寿司、ピクルスなどなどがドサッと盛られています。うーむ。パーティー客以外の客も料理を持ってきたりしてしまうといった雑さ(いい加減さ)加減が、これまた良くも悪くもアメリカンですねぇ。(笑)
ちょうどこの店に着いた頃に、濱の戯人・tamさんからも「横浜に着いたので合流します!」というご連絡をいただいていたのですが、まだ到着しません。雨なので車(タクシー)がつかまりにくいのかなぁ。
伊東さんは2杯目はジントニック。カクテルもまた600円。飲み物はすべて600円なのかな? しかも「ジンが薄いなぁ」とバーカウンターに行くと、ジンだけすっと足してくれるアバウトさ。アメリカンですねぇ。生ビールをおかわりするときに「泡少なめ!」とお願いすると、本当に泡のない英国パブ風のビールを作ってくれました。ちなみにカウンターの中で働いているのは、英語もバリバリとしゃべってますが(おそらく)日本人のおにいさん、おねえさんです。

ジントニック / 「生ビール、泡なしで!」 / トイレも英語
店名の頭に付いている「U.S.S.」というのは「ユナイテッド・シーメンス・サービス」、つまり「外国船員福祉センター」のこと。本牧ふ頭に入港する貨物船の船員のためのレストラン兼社交場なんだそうです。カウンターのまわりにはアジア系も含む船員さんがたくさんいて、ニコニコと笑いながら「俺たち船員は、ここで飲むと安いんだよ」ってなことを気楽に話しかけてきます。お客さんの中には我われのように日本人もいますが、比率的には少ない。(土日などは日本人も多いそうです。)
そんなこんなで小さい国際親善(?)を繰り広げているところへ、ずぶぬれになったtamさんも到着です。やっぱりタクシーがつかまらなかったのだそうで、山手駅からここまで、約3キロの道のりをテクテクと歩いてきたのだそうです。「おつかれさまでした。まぁまぁ、生ビールでもどうぞ」と再度みんなで乾杯です。
たまたまパーティーの日に遭遇したおかげで、今日は飲み物代(600円×自分が飲んだ杯数分)しかかからなかったのですが、食べ物もアメリカンでおもしろいのだそうです。人気メニューは伝統の味のハンバーグステーキや、ボリューム満点のミニッツステーキなど。クラブハウスサンドウィッチも好評なんだそうです。次の機会にはぜひ食事も楽しんでみたいですね。
・店情報
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「シーメンスクラブ」を出たところへちょうど空車のタクシーが1台通りかかり、4人で再び山手警察署方面へ。その交差点のすぐ近くにあるのがかつて“最も近いアメリカ”と呼ばれていたというレストランバー「リキシャルーム」です。青いネオンに導かれるように店内へ。
店内は入ってすぐ左にテーブル席がずらりと並び、ピアノなども置いてあるホールがあり、壁を1枚隔てて奥側が直線のカウンター席になっています。午後11時の店内に先客はなく、我われはカウンター席にずらりと並んで座り、赤ワイン(米国産「レッドウッド・クリーク」カベルネ・ソーヴィニヨン2004)をボトルでいただきます。

青いネオン / ホール / ワインを注ぐマスター
この店は昭和36(1961)年に、今は亡き元船乗りのアメリカ人が始めたバーなのだそうで、現在の女将(日本人)がその奥さんです。
なにしろ本牧(ほんもく)は昭和57(1982)年まで米軍住宅地があった街。店に来るのも当初は米兵ばかりだったのだそうです。店内には、その米兵たちが本国から持ち込んだ最新ヒット曲が流れ、その音楽に引き寄せられるように若者たちや音楽関係者が通ってくるようになり、先に書いたように“最も近いアメリカ”という呼ばれかたをするようになったのだそうです。店には美空ひばり一家や、力道山、勝新太郎、石原裕次郎なども集まり、“ハマの遊び人”で訪れなかった人はいないとまで言われたいたのだとか。
そんなふうに店の歴史を語ってくれる東京新聞の記事のタイトルは『ハマの青春消える夏』。この店は今年の8月末をもってその45年の歴史に幕をおろすのだそうです。

新聞記事 / カウンターで / 名物・四角いピザ
我われも、店の名物という四角いピザをいただきながら、まもなくなくなる浜の酒場を惜しみます。昔と違って洋楽も、ボリュームたっぷりの料理もすぐに手に入る状態になったのと、やや交通の便が悪い土地柄が影響したのでしょうか。
なお現在の店舗は2003年に新装されたのだそうで、外装も内装もピカピカの新品。見た目上は老舗という感じはありません。マスターも「うちはこの夏で営業をやめますが、どなたか別の人がここでバーを営業されるかもしれませんね」とのこと。たしかにこの新品の店をなくしてしまうのはもったいないですよね。
伝説の老舗バー。お勘定は4人で約6千円(ひとりあたり1,500円)でした。
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