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後継ぎも育って … 立ち飲み「縄のれん(なわのれん)」(恵比寿)

恵比寿の2軒目はこれまたしばらくぶりの「縄のれん」です。前回来たのが平成15(2003)年のことですから、実に3年ぶりです。金曜、午後10時前の店内はすでにお客さんも減りはじめており、左手の立ち飲みテーブルはグループ客でごった返しているものの、右手の立ち飲みカウンターは比較的空いた状態。特にL字カウンター長辺手前側の、ちょうど焼き台の前あたりはぽっかりと空いている。

そのぽっかりと空いた場所に立ち、まずは「縄のれん」名物のハイボールです。ハイボールが370円に値上げされているところも3年の年月を感じさせますが、もっと隔世の感があるのが目の前の焼き台に若い次男坊がどっかりと構えて焼きを担当していること。前回来たときは手伝い始めたばかりでオドオドとした感じだったのですが、いまやしっかりとした若主人ぶりです。

ハイボールを作ってくれるのはあいかわらずお元気そうなおかみさん。そのハイボールをひと口飲みながらオヤジさんはどこへいったと目で探してみると、カウンターの奥のほうで常連さんたちとニコニコ談笑しています。うーむ。当時はギロリとにらまれると本当に恐かったものですが、いまやトレードマークの白髭もこぎれいに剃ってまったくもって好々爺(こうこうや)といった風情です。しっかりとした後継ぎができたお店の安心感を感じさせますねぇ。

ちょうど目の前のおにいさんの手があいたようなので焼き物を注文します。「ハツ下、牛ハラミ、あとミノをお願いします」とたのむと、おにいさんは「1本ずつ?」と人差し指を立てながら本数を確認。「えぇ。1本ずつで!」。この店は塩・タレなどの味を指定しないのも特徴のひとつ。もしかすると味指定している方もいらっしゃるのかもしれませんが、私自身はしたことがありません。以前は1本130円からだったもつ焼きも、現在は1本150円からと、これまた少し値上げしているようです。

焼き台がU字チューブがずらりと並んだような電熱式のものであるのは以前のまま。その焼き台に先ほど注文した品々が並びます。炭火の焼き台、ガスの焼き台、電熱の焼き台のそれぞれに長所・短所はあるんでしょうが、電熱の焼き台の長所は余分な香りがつかないことと、火力が安定していることと、そしてネタの多少に応じてすぐに火力の範囲を調整できることでしょう。私が注文した3本だけが焼き台に並んでいるときは、一番端っこのエリアのU字チューブだけが真っ赤になっていたのですが、その後、立ち飲みテーブルのお客さんから10本近くの追加注文が入ったので半分以上のU字チューブにも電気が通されたようです。こういう調整が簡単にできるみたいですね。

まず焼きあがってきたのはハツ下です。ハツ下はハツモトとかハツシタと呼び、牛の大動脈(正式には下行大動脈)なのだそうです。簡単に言えば太い血管ですね。その血管を広げて短冊状に下ごしらえし、串に刺して焼いたもの。コリコリとした食感はこれにかなうものがありません。

コリコリ感といえばミノもそうなんですが、ハツ下が最初からコリコリとした食感なのに対して、ミノのほうは最初はクニュクニュっとした食感ながらグゥーッと噛みしめていくと徐々に歯ごたえが強くなり、最後に肉がちぎれる瞬間にコリっとした感じになるというすぐれもの。強い弾力+コリコリ感といったところでしょうか。ミノは四つある牛の胃袋のうち、一番入口に近い第1胃袋です。

牛ハラミは横隔膜だけに、内臓肉の中ではもっとも普通の肉に近い食感です。この店の名物のひとつステーキもこの牛ハラミを大きなかたまり(とはいえ横隔膜だけに厚みはせいぜい2センチほど)のまま焼いたもの。先ほど立ち飲みテーブルからステーキの注文が入り、カウンター奥のほうで談笑していたオヤジさんがこちらにやってきたところ。何枚かのステーキ用の牛ハラミを取り出して「どれにする? これか? それともこれ?」と、クルクルと巻いた牛ハラミを広げながらお客さんと肉選び。それを見ていたとなりの男性ひとり客も「オレもステーキもらおうかなぁ。どれがいい?」とオヤジさんに逆質問。オヤジさんは「ひとりならこれくらいか?」と小さ目の牛ハラミを取り出して客に見せます。なるほど。ひとりでも注文できるんですね。ステーキはグループ用かと思ってこれまで注文したことがありませんでした。

ハイボールをおかわりし、焼き物の追加はシロとカシラです。「シロはタレでいいですか?」とおにいさん。「はい。タレでお願いします」。見ればタレ用の壺が2種類あって、たっぷりと入ったタレはどうやら違うもののようです。焼き物によって使い分けてるんでしょうね。シロはそのうち向かって左側の壺のタレで仕上げられます。このタレが醤油ダレに近い感じで、甘味がほとんどなくピシッと辛口です。これがハイボールによく合うのにびっくり。

塩焼のカシラでしめてごちそうさま。ハイボール2杯ともつ焼き5本。1時間弱の滞在は1,860円でした。

店情報前回

《平成18(2006)年7月7日(金)の記録》

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コメント

タレ壷は向かって左はノーマルダレ、右側は甘ダレですよ。
甘ダレは客が指定しないと使わないみたい。
シロを甘ダレで食べると( ゚Д゚)ウマー

投稿: とほりすがりん | 2006.08.26 23:29

コメントありがとうございます。>とほりすがりんさん
そうでしたか。タレは2種類あるんですね。次の機会にはしっかりと確認のうえ、おすすめの「シロの甘ダレ」を試してみたいと思います。

投稿: 浜田信郎 | 2006.09.03 13:15

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