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帰省前の腹ごしらえ … 中華料理「岐阜屋(ぎふや)」(新宿)

今日から1週間の夏休みに入りました。昨年同様、新宿から高速夜行バスでの帰省です。まわりのみんなからは「なぜ高速夜行バス? 安いのはわかるけど大変じゃない?」とよく聞かれます。しかし個人的には飛行機があまり好きではないのと、夜間、寝てる間に移動するというのが好きなのとで高速夜行バスはけっこう好んで乗っているのでした。

就職してからの6年間を広島で過ごしていたときに、今のように新幹線も速くなく、飛行機も高くて便数が少なかったので、本社(東京)への出張はもっぱら夜行寝台特急「あさかぜ」を利用していました。最初のころはご多分にもれず、私もちっとも眠ることができなくて、本社への出張は嫌で嫌で仕方がなかったのです。

ところが就職して何年かがたち、ひとりでも酒が飲めるようになってくると様相が変わってきました。広島から東京に向かうときは、当時広島駅ビル内にもあった「源蔵」で小イワシの天ぷらや刺身をつつきながら「あさかぜ」の出発時刻(午後8時)までを過ごし、ウイスキーのポケット便と簡単な乾きもののつまみを買って電車に乗り込む。電車に乗っても、すぐに自分の寝台に行くようなことはせず、ラウンジカーの一角に陣取って、移りゆく車窓の風景もつまみにしながら夜中近くまでチビリチビリとウイスキーを楽しみ、もう停車する駅もなくなって、「それではこれにて車内放送も終わらせていただきます。明朝まで、みなさまお休みなさい」なんて放送が流れ、車内のメインライトも消灯されてから、おもむろに寝台まで戻り倒れ込むように爆睡。気がつけばもう東京という、飲みながら旅情が楽しめ、かつ長時間の移動でも飽きることがない(←なにしろ眠りこけてるので)という世界が実現できてきたのでした。

逆も同様で、広島駅の「源蔵」で飲むかわりに、東京駅近くの八重洲や日本橋あたりで1杯飲んでから寝台特急に乗り込んで、ラウンジカーでゆるりゆるり。本当は食堂車が付いていると一番うれしいのですが、私が寝台特急をよく利用していた時代には、すでに食堂車は廃止されていたのでした。東京から広島への移動にはもうひとつおまけがありまして、寝台特急「あさかぜ」が広島駅1番ホームに到着すると、ちょうどそのホームで広島名物のおいしい立ち食いうどん(特に天玉うどんがおすすめ!)がいただけるのでした。

そうやってせっかく大好きになった寝台特急での出張だったのに、最近は新幹線も速くなり、飛行機も新幹線と十分競争できるほど値段が下がってきて、今や日本国内、たいていのところは日帰りで出張ができてしまう状態。当然のように夜行寝台特急もどんどん廃止されて、たいへんお世話になった「あさかぜ」も、今はもう走っていません。出張のときはダメでも、せめてプライベートでの移動のときには当時の感覚に少しでも近づきたいというのが、高速夜行バスを利用する大きな要因かもしれませんね。

さぁ。前置きが長くなりましたが、当時の感覚に近づくためには、まず出発前の1杯が重要です。自宅を出て新宿駅に着いたのが午後5時半。これから出発時刻の午後7時10分までの間をまず楽しまなければね。

まず向かったのは“思い出横丁(通称:しょんべん横丁)”の歌舞伎町側の入り口近くにある中華料理の「岐阜屋」です。前回、はじめてきたときにフワフワ・トロトロ・コリコリの「木耳(きくらげ)玉子いため」(500円)がおいしくてボリュームフルだったので、今日はそれで腹ごしらえをしようというねらいです。

しかしさすがに午後5時半の人気店「岐阜屋」はものすごい人。思い出横丁側に張り出さんばかりにお客があふれています。ぐるっとまわり直して、“思い出横丁”と平行して線路側にある“やきとり横丁”側に行ってみます。「岐阜屋」は、この両方の道にはさまれるように店舗を構えているので、両側に入り口があるのです。

案の定、「岐阜屋」の“やきとり横丁”側の店内は7~8割程度の客の入りで、まだ余裕をもって入ることができます。入ってすぐのたくさん空いているあたり(やきとり横丁側のコの字カウンターの短辺(コの字の右側の辺)のところ)に腰をおろそうとすると、カウンター内の店のおにいさんが「こちらへどうぞ」と入口から見ると、カウンターの右手中央部となる場所を指し示してくれます。そこは、まさに1~2席分の空きしかない、まさに込みあっている場所のどまん中。

「な~んでこんなところに」なんていぶかりながらもその席に座ってみると、なんだか涼しい。

両方の横丁側ともに開けっ放しになっている店内は、よくも悪くも風通しがよくて、店内は外気温とほぼ同じ温度。そういう中に工事用の冷房機と同じような筒型のダクトが、こちら側のフロアの天井付近に4本だけ走っており、カウンター上の4カ所に吹き出し口があるのです。先ほど「こちらへどうぞ」と指し示されたのは、まさにその吹き出し口の直下。こんな暑い日は、吹き出し口の直下は大人気のようで、まるでエサに群がる魚のように、吹き出し口直下付近にお客さんが集まっているのでした。いやぁ、たまたまとはいえ、特等席に座れちゃいましたねぇ。どうもありがとうございます。

その涼しい席に座り、注文の機会をうかがっていると、カウンターの中のおにいさんから「はい。こちらは?」と声がかかります。「ビールと木耳玉子いためをお願いします。」「はいよ」。すぐに出されるビールはキリンラガー大瓶(500円)です。

その後も次々にお客さんが入ってきますが、こちらの入り口から入ってくるのは、たまたまかもしれませんが、だいたいがひとり客の男性。思い出横丁側の店内には若い女性も多いのに、おもしろいですね。思い出横丁側のほうが観光地化が進んでいるからかなぁ。閑話休題。入ってきたおじさんたちはそれぞれに飲み物(ビールかチューハイ(350円)の人が多い)を注文し、さらに料理を1品。焼きそば(470円)や餃子(350円)の人気が高いようですが、レバニラいためなどの炒めものの注文も多い。

こちら側のカウンター内は厨房はひとつ。料理人(とはいえお酒を出したりお勘定をしたりというすべての業務をこなす)がひとりかふたりということもあって、料理は同じ注文が入らない限りひとつずつ順番に作られます。ただし、餃子やラーメン類などは、思い出横丁側の厨房で一括して作られるようです。

2杯目のビールを飲み干して、3杯目のビールをトトトッと注いだころに、私が注文した木耳玉子いためも調理の順番が回ってきたようです。中華鍋に油が入れられ、よく溶いた玉子2個分が流し込まれます。ジャジャーッと軽く炒めてすぐにお皿に取り出ししばらく待機。中華鍋には豚肉、野菜類(キクラゲの他、ニラ、ニンジン、タケノコ等)が入れられ、これまたジャジャーッと軽く炒めたあと、奥の寸胴からお玉に1杯分のスープが加えられます。味付けしてとろみをつけつつ、待機していた玉子を鍋にもどして絡めたらできあがり。たっぷりとお皿に盛られ、ホワワーンと湯気がいっぱい上がりながら出てきます。どうです。このボリューム。これだけで十分お腹いっぱいになっちゃいますねぇ。ライスでもあればもう完璧な食事です。

060729aそれにしてもこのキクラゲの量はどうですか。丸のままの大きさのキクラゲが十数切れ。お皿を覆い尽くさんばかりです。熱々のできたてを口に含むとコリコリと食感もよくて、ひとついただくとまたひとつと、止まらない状態。トロトロの玉子との口当たりの差がまたおもしろいんですねぇ。

気がつくとたっぷりの木耳玉子いためももう完食。この店はレンゲ(スプーン)が出されないので、汁まではいただくことができないのが残念ですね。

約40分の滞在はちょうど1,000円でした。どうもごちそうさま。

現在時刻は午後6時10分。もう1軒いけるかな。次に行ってみましょう!

店情報前回

《平成18(2006)年7月29日(土)の記録》

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コメント

いやぁ、美味しかった。
時間も遅かったので、二軒目には行き着かずに帰途に着きました。
又行きたいお店です。
ラーメンの味はいかがなんでしょう気になるところです。

投稿: ももパパ | 2006.08.23 00:34

事後報告でスミマセンが、「焼き鳥通り側へまわる」くだりを引用させていただきました。m(_"_)m
もし不都合があればご連絡下さい。

投稿: ももパパ | 2006.08.23 09:45

コメントありがとうございます。引用も了解でーす。>ももパパさん
ここの「木耳玉子いため」は本当においしいですよねぇ。
おっしゃるとおり350円という驚き価格のラーメンの味も非常に気になるところです。
一度じっくりと腰を据えて飲んでみないといけないですねぇ、「岐阜屋」。

投稿: 浜田信郎 | 2006.08.26 15:39

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