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開いてる間はいつも満席 … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

「焼き鳥って書いてあるけど、本当は鳥の肉じゃないんだって。豚の内臓なんかを焼いているらしいよ!」なんて言われていたのも今は昔。今やその「豚の内臓」はすっかり市民権を得たばかりか、おじさんのみならず女性や子供も含めて老若男女で楽しむ専門料理という領域にまで昇華してきています。

ここ中野駅北口エリアにあって開店時間中はいつもほぼ満席というもつ焼き専門店が「石松」です。昼間に仕入れた内臓を、すぐその夜に出す。名店と言われるもつ焼き専門店では当たり前のようなこの鮮度ですが、ここ「石松」ではさらにもうひとつ大きな特長があります。それはもつ焼きの仕込みをその場で行うということ。つまりあらかじめ串に刺して後は焼くだけという状態でスタンバイするのではなくて、大きなかたまりのままスタンバイしておいて、注文を受けてから串に刺す大きさにカットして串に刺して、そのまま炭火で焼きあげるのです。

当然のことですが、このやり方でもつ焼きを作ると、量を多くすることはできません。カウンターのみ8席ほどしかない店内でも、お客はいつももつ焼きが出てくるのを待っている。でも逆にそうやって長時間焼きあがってくるのを待っていても余りあるおいしさがあるから、みんな待つのを覚悟でこの店にやってくるのでした。

週末の金曜日、午後10時の「石松」は予想どおり満席。「奥で立って飲む?」と店主が声をかけてくれて、カウンターの一番奥側、トイレの前のところに立ち、今日もまたキープしているキンミヤボトル(近所の酒友・にっきーさんと連名のもの)を出してもらって、ホッピーでスタートです。

今日のお通しはセンマイ刺し。ネギのほかに刻んだキュウリものっておいしそうです。センマイは豚の内臓ではなくて牛の第3胃袋。コリコリとしっかりとした食感が胃袋の持ち味。センマイはそのコリコリ感を保ちながらも、ビラビラとした部分が多いこともあって口当たりが柔らかいのが特徴です。

カウンターの中では店主が大きなレバーのかたまりを切りはじめたところ。私もさっそくレバ刺し(380円)を1人前お願いします。先ほども書いたとおり、この店は注文を受けてから大きなかたまりから切りはじめる。ときどき手伝いの人もいるものの、もつの下ごしらえなどはほぼ店主ひとりで切り盛りしていますので、すぐに何かを食べようと思ったら、今まさに店主が準備をしているものに便乗するのが一番いい方法なのです。

レバ刺しもこの店の名物のひとつ。魚の刺身では当たり前の「注文を受けてから刺身に引く」ということが、もつの世界で実現されているされている店は数少ないですからねぇ。引いてすぐに出される刺身がまずかろうはずがない。この店に来るとまっさきに食べたい料理のひとつを作り始めたタイミングに運良く当たることができてラッキーでした。

店内に空席ができ、カウンター内の補助椅子に座っていた人が普通の席に移ったので、代わって私が補助椅子に。実は座ってみたかったんです、この席。だって、カウンターの中から外のお客さんの様子を見られることって、そうはないですもんね。うーん。みなさん美味しそうで、楽しそうで、いい顔をしてますねぇ。

「カシラとタンをお願いします」とカウンターのお客さんから注文が入ります。なにも注文が入っていないタイミングをうまく見計らうことができると、自分の好みの品が注文できるわけです。すぐにまわりのお客さんたちからも我も我もと便乗注文が入ります。もちろん私もカシラとタンを塩で1本ずつ(各100円)お願いしました。ちなみに自分の食べたいものを注文したときに、先に他の注文が入っている場合には、店主から「ちょっと待っててね」とウェイトがかかります。

「今日は絶対これを食べるぞ!」という強い意志がないときは、ずっと便乗注文を繰り返していてもいろんなものが食べられますし、どれを食べてもまずはずれはありません。もつ焼きの種類がよくわからない初心者の人でも、この店であれば誰かの注文を追っかけて「私も1本!」と繰り返していればいろんなものを食べられると思いますよ。

飲み物のほうは、最初の瓶入りホッピー(ソト200円)が終わったところで生茶割りに切り替えます。生茶は大きなペットボトルがカウンター上のそこここに置かれていて、確認してみたわけではありませんが、自由に使っていいようなのです。

まな板の上に取り出された大きなかたまりは豚の胃袋をボイルしたもの。ガツの準備に入るんですね。それじゃ私も1本(100円)。ガツは醤油でお願いします。最近はガツ醤油がお気に入りなのです。

何人かのお客さんは入れ替わったものの、午後11時半のこの時点でも店内はトイレ前の立ち飲み場所まで満席。新たに入ってきたお客さんからのレバ刺しの注文に応じて、まな板の上には再び大きなレバーの登場です。それじゃ私はレバの串を、半生の塩焼きで1本(100円)お願いします。レバ刺しもさることながら、ここのレバ串もいいんですよねぇ。

この席(カウンター内の補助席)からは、店主の仕込みの様子がとてもよく見えます。おぉっ。そのグニグニっとした大きいのはなに? へぇーっ。これがテッポウ(直腸)のもとの姿ですか。腸といえども下処理は完了しているので、筒状ではなくて、広げると30センチ角くらいの四角形に近い形。これを串に刺せるサイズに切り分けていっています。私もそれを1本(100円)醤油でお願いします。はじめて食べた醤油味のテッポウですが、これもみごとに合いますねぇ!

こうなると牛ミノ(150円)ですね。これこそこの店の元祖・醤油焼きと言ってもいい品。最初に食べたときは熱した醤油の芳ばしさと、ミノのコリコリとした食感のバランスに驚いたものです。今でもその思いは変わりませんが、ガツやテッポウにまで応用がきくとは思いませんでした。ちなみに牛ミノは牛の第1胃袋です。この店では扱っていませんが、第2がハチノス、第4がギャラ(アカセンマイ)ですね。

この時点ですでに日付が変わって午前0時20分。そろそろ帰ろかなー、と思い始めたところで店主が準備を始めたのは、これまたこの店の名物のひとつ、ツクネ(150円)です。これは食べて帰らないとダメでしょう。タレと塩で1本ずつお願いします。

店主は、こねてボールで冷してある挽肉(ツクネのもと)を、スプーンで1個分ずつすくい取ってはよく沸いたお湯の中に投入していきます。そうしてできあがったツクネ団子を串に刺して、その場で焼き上げていくのです。

ツクネの準備が始まるとまさにあっちからも、こっちからも続々と注文が入ってあっという間に売り切れになってしまうことも多い人気品。最後にぜいたくにもタレと塩、合わせて2本をいただくことができてラッキーでした。

午前1時前まで、たっぷりと3時間近いもつ焼きタイムは1,750円でした。うーん、満足じゃ!

061013g 061013h 061013i
キンミヤ+ホッピー / センマイ刺し / レバ刺し

061013j 061013k 061013l
カシラ(塩) / タン(塩) / カウンターの中から見た店内

061013m 061013n 061013o
ガツ(醤油) / レバー半生(塩) / 準備中のテッポウ

061013p 061013q 061013r
テッポウ(醤油) / 牛ミノ(醤油) / ツクネを準備中

061013s 061013t 061013u
ツクネ(タレ)(塩) / ツクネ(塩) / ツクネ(タレ)

店情報前回

《平成18(2006)年10月13日(金)の記録》

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受信: 2006.11.23 07:45

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