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檜一枚板のカウンター … 居酒屋「東菊(あずまぎく)」(荻窪)

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 荻窪駅北口にわずかに残る、旧・闇市の名残を残す飲み屋街。今夜は、そんな闇市の歴史を知る大女将がいる居酒屋、「東菊」にやってきました。

 「東菊」は、昭和28(1953)年に、この地で創業して以来、地元の呑ん兵衛たちから愛され続けてきた酒場です。平成13(2001)年の改築で、残念ながら、昔の風情ある建物は取り壊され、店もカウンター10席のみの小規模なものに変身して、建てなおしたビルの2階に移転したのでした。

 昔の名残を留めるものは、前の店から引き継いだ、檜(ひのき)一枚板のカウンターと、必ず、そのカウンターの一番手前の席に和服姿で座っている大女将だけなのです。

 金曜日、午後7時半の店内には、先客がふたり。それぞれ年配の男性ひとり客で、カウンターの一番奥と、一番手前(大女将の次の席)に座っています。私は、そのふたりの中間に腰をおろし、まずはビール(サッポロラガー中瓶、550円)を注文します。

 「東菊」の1階入口は、まるでマンションの一室の入口のような外観で、扉の上に「東菊」と書かれた木製の看板がなければ、ここが酒場であることはわかりません。その扉を開けて、2階へと続く螺旋階段を上り、「土足のままお上がりください」と書かれた玄関を入って、やっとお店にたどりつくのです。

 そんな店なので、一見さんや、通りすがりのお客さんは、まず入ってこない。やって来るのは、昔の「東菊」に通っていた常連さんたちで、とにかく「東菊」で1杯やらなければ1日が終わらない、といった感じの人たちばかりなのです。

 大女将とともに店を切り盛りしているのは、カウンターの中にいる女性ひとり。もしかすると、大女将の娘さんなのかな。大女将は、定位置に座って、昔からの常連さんたちと会話を交わすのが主たる仕事のようで、酒や肴の段取りは、ほぼすべて、カウンターの中の女性ひとりで担当です。

 「はいどうぞ」と、立派なお盆にのせられたお通しセット(500円)は、ミニ煮込みハンバーグの小鉢と、ミニ冷やっこの小鉢の2品です。

 ビールで、のどを潤した後は、飲み物を燗酒(菊正宗、400円)に切り換えて、ブリ大根(600円)を注文します。ボードに書き出されたメニューは、このブリ大根も含めて10品ほどの少数精鋭で、600円か700円の2価格です。

 ブリの旨みをたっぷりと吸収して、よーく煮込まれた大根をいただきながら、大女将に、闇市だった頃のことを聞かせてもらいます。

「そうねぇ。酒場は、うちも入れて2軒しかなかったわねぇ」

 最初の頃は、ここ「東菊」も、小さな闇市店舗から始まったのだそうです。そして段々と大きくなって、前の店になった。私の記憶の中では、木造っぽいイメージがあったのですが、

「前の店からビルだったのよ」

 と大女将。内装の和風感が強かったから、木造のイメージだったのかなぁ。

「駅の反対側(南側)には闇市はなかったんですか?」と聞いてみると、

「向こうは道が狭かったからねぇ」とのこと。闇市ができるには、ある程度の道の広さ(交通の便)が必要だったんですね。

 燗酒(菊正宗、400円)を、もう1本おかわりして、1時間半ほどの滞在は、2,450円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成19(2007)年10月18日(木)の記録》

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