うな丼の予定が昼間酒 … 大衆酒場「まるます家(まるますや)」(赤羽)
「今日はお出かけなので、どっかでお昼ごはんを食べておいてねー」
そう言って、家を出て行くカミサン。土曜日は、私立高校・中学に通っている娘、息子も学校に行ってるので、ひとりで昼ごはんです。となると、赤羽かな! 「まるます家」で、熱いのを1本もらって、うな丼(きも吸い付き、750円)でもいただきますか。
トコトコと環七まで出ると、そこから赤羽まではバスで1本(210円)。バスに揺られてウトウトしているうちに、終点・赤羽駅東口に到着です。
昼前に着けば大丈夫だろうと、少し早めに家を出たので、「まるます家」に到着したのは午前11時過ぎ。入口引き戸をガラリと開けて店内へと進むと、この時間なのに店はもう満席で、年配のご夫婦二人が待ち席で待っています。なんとまぁ、この時間から、もうみなさん飲んでるんですねぇ。
しかし、ほとんど待つこともなくご夫婦はコの字が二つ並んだカウンターの奥へと案内されて、
「おにいさん。おひとりなら、まん中の席でいい?」
と、二つのコの字カウンターのまん中に1席だけある席に案内されます。この席に座るのは、これで2度目。「まるます家」のオペレーションをじっくりと観察することができる、とてもおもしろい席なのです。(オペレーションの様子は前回記事をご覧ください。)
まずは予定どおり「富久娘」(350円)を燗酒(ホット)でもらって、料理は、この店の名物のひとつ、鯉のあらい(400円)です。前回は、最初に瓶ビールをもらって鯉のあらいを食べたのですが、やっぱり鯉のあらいには、燗酒のほうが合いますね!
まわりを見わたしてみると、地元の人と思われる年配のお客さんに、若いカップルなども混ざっていて、まさに老若男女、さまざまな客層になっています。
名店の条件として、万古不易(ばんこふえき)な営業形態と、老若男女満遍ない客層ということが挙げられるとすると、昭和25年創業のこの店は、まさにその両者を兼ねそなえた名店と言えるでしょう。
昼どきだけあって、うな丼が飛ぶように出ています。まぁ、この値段(きも吸い付き、750円)だったら、そうですよねぇ。
呑ん兵衛たちに人気があるのは、すっぽん鍋(700円)に、つみれ鍋(700円)。私が座っているこの場所は、厨房から、両側のカウンターへの料理の通り道でもあるので、どんな料理がよく出ているのかが、ボォーッと飲んでても、すぐに分かるのです。ひとり用の鍋にたっぷりと作られた鍋物が700円ですからねぇ。まさにこれだけで酒の2本、3本はすぐに飲めそうです。
こうやって、昼間っから、みんながザワザワと飲んでる中に入っちゃうと、「熱いのを1本やって、次は、うな丼」って気分にもなりにくいなぁ。やっぱり、もうちょっと飲んじゃいますか。
「すみません。富久娘(350円)のホットをおかわり。それと、サメのにこごり(300円)をください」
「はいっ、こちら、カワイコちゃんホットに、サメのにこごりぃーっ!」
と謳うように注文が通されます。カワイコちゃんというのは、この店での「富久娘」の呼び方です。
鍋もそうですが、サメのにこごりも、冬らしい品物のひとつですよねぇ。出された煮こごりは、お皿に4切れ。透きとおった茶色ごしに、サメの皮がうねうねと並ぶ様子も美しいですねぇ。
1時間ちょっとの昼間酒。お酒2本の、ちょうどいいほろ酔い加減で、お勘定は1,400円でした。あぁ、実にいい休日だ!
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