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冬場はおでんも大人気 … 大衆酒場「河本(かわもと)」(木場)

おでん


「久しぶりに「河本」の煮込みが食べたいなぁ」

 そんな思いで、早めの夕方に家を出て、地下鉄東西線で木場へと向かいます。

 都内に勤務していたころは、帰りにちょいと足をのばせば、やってくることができた「河本」。今は、土曜日をねらって、出かけていかなければなりません。なにしろ営業時間が午後4時から8時までの4時間(土曜日は7時までの3時間)と短いので、平日の営業時間内には、到着すること自体が難しいのです。

 店に着いたのは、午後5時前。変形コの字カウンター15席分程度の店内はゆるやかーに満席模様ですが、そこはひとり客の身軽さ。かろうじて空いているすき間に入れてもらいます。

 冬場の「河本」には、人気のおでん(300円)がメニューに加わります。煮込みは、あとのお楽しみに取っておいて、まずはおでんからいきますか。

「いらっしゃい。今日はお休みなの」

 と声をかけてくれる真寿美さん(=女将)に、

「えぇ、そうなんです」と返事をして、

「ホッピーと、おでんをお願いします。おでんは豆腐を入れてください」と注文します。

 カウンターの中には、四角いおでん鍋と、丸い煮込み鍋が並び、「おでん」と注文すると、そのおでん鍋から適当に3~5個程度のネタを選んで、お皿についでくれるのです。「豆腐を入れて」とか、「玉子を入れて」とお願いしておくと、そのネタを入れて盛り合わせてくれます。今日は、豆腐に、がんも、コンニャク、焼きちくわ、ツミレという五点盛りです。

 まずはその豆腐をハフハフと。なにしろ、夏場の奴さん(小、100円)や、冬場の湯豆腐(小、100円)も名物のこのお店。おでんの豆腐もまた、とてもいいのです。

 となりに座っている大きな男性は、大きいのも道理で、元・力士さんなんだそうです。

「数ヶ月前に、この店を知ってさぁ。それ以来、ほぼ毎日、ここで飲んでるんですよ。ホッピーがおいしいねぇ。5杯くらいで止めとこうと思うのに、ついつい8杯ほど飲んじゃうんですよ」

 シェーッ。3杯飲めば完全にできあがり、5杯も飲めば、もしかすると立てないかもしれないと言われるほどの「河本」のホッピー。それを8杯とは、さすが元・お相撲さんですねぇ。ホッピーのジョッキが小さく見えますもん。

 そのお相撲さんがホッピーをおかわりするのと同時に、私もホッピーをおかわりし、いよいよ満を持しての煮込み(200円)です。

「煮込みは、玉子を入れてもらえますか」

「はいはい。ニコタマね」と真寿美さん。

 この店のメニューには「煮込み」としか書かれておらず、ニコタマは、もともと常連さんだけが知っている裏メニュー的な存在だったらしいのです。最近は、ネット上でもよく紹介されているからか、一見(いちげん)さんに近いお客さんから、いきなり「ニコタマ!」という注文が入ったりして、驚くこともあるのだそうです。

 ニコタマは、煮込みの量が減るかわりに、同じ煮込み鍋でじっくりと煮込まれた玉子をひとつ付けてくれて、同じ値段(200円)です。

 ここの煮込みは、私としては東京の煮込みの中で、もっともホッピーに合うと思っている一品。もつはシロ(腸)のみで、少量のコンニャクと一緒に煮込まれていて、特筆ものはシロの裏にたっぷりとついた脂肪! この脂肪の甘さと、脂っこさが、ホッピーとベストマッチなのです。ックゥ~ッ。今日も、うまいなぁ。

 毎月、第一土曜日にやってくる近所の句会のみなさんが「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」と席を立ちます。そうか。今日は12月1日なので、次の句会は、もう来年なんですね。

 句会のみなさんがいなくなって、ポンと空いた空間に入ってきたのは、間もなく新婚1周年を迎える、祝さんご夫妻です。これはこれは、お久しぶりです。

 今日は、ホッピー2杯くらいで、と思っていたのですが、祝さんご夫妻もいらっしゃったので、もう1杯いきますか。これですっかりできあがる3杯目ですね。つまみには、かけじょうゆ(400円)をもらいます。

 かけじょうゆというのは、小皿に盛られたマグロぶつ切りに醤油をかけたもの。奥の厨房でアンチャン(=真寿美さんの弟さん)が調理して出してくれます。土曜日には、ないことのほうが多いので、珍しいなぁと思っていたら「かけじょうゆは、これで売り切れ」とのこと。これが最後の一品でしたか!

 午後6時も回り、土曜日の営業時間もあと1時間を切ったところで、ガラリと引き戸が開いて入ってきたのは、酒場詩人・吉田類(よしだ・るい)さんです。類さんは、以前はこの近くに住んでいて、ここ「河本」にも毎日のようにいらしていたのだそうです。今日も、「河本」常連のみなさんから「類ちゃん、久しぶりだなぁ」「類ちゃん、元気だったのか」と、次々と声がかかっています。

 そこへ登場されたのは、なんと森下賢一(もりした・けんいち)さんです。このブログのタイトル「居酒屋礼賛」が、森下さんの著書「居酒屋礼讃」から借用したものであることは、すでに何度も書いているとおり。森下さんは、まさにこの近くにお住まいで、「河本」にもちょくちょく顔を出されているのだそうです。「居酒屋礼讃」は、すでに絶版になっていて新品は手に入らないのですが、祝さんは、ちょうどこの日、古本屋で「居酒屋礼讃」を入手されたばかり。さっそく森下さんにサインをいただいています。いいタイミングでしたねぇ!

 森下さん、類さんという両巨頭のそろい踏みに、店内も華やいで、あっという間に午後7時の閉店時間。

 ゆっくりと2時間の滞在は、ホッピー3杯に、料理が3品で、1,800円でした。どうもごちそうさまでした。

ニコタマ かけじょうゆ 森下さん(左)、類さん(右)と
ニコタマ / かけじょうゆ / 森下さん(左)、類さん(右)と

店情報前回

《平成19(2007)年12月1日(土)の記録》

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コメント

暖簾が飼い猫に破られ、老舗の暖簾を守るますみさんが参っています、ふるい暖簾を分割して記念品として額入りで販売する計画はないそうです、アンちゃんが正月休みに新しくするそうで期待が、、、、、

投稿: kibalin | 2008.01.01 16:35

暖簾新しくなりました、アンちゃん凄い腕前です。ますみさんも若返った暖簾効果。。。。

投稿: kibalin | 2008.01.09 09:20

kibalinさま
情報ありがとうございます。
新しい暖簾、見に行かなければ!

投稿: hamada | 2008.01.14 16:50

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 都内での仕事を終えて、木場の「河本」にやって来たのは午後6時前。平日(木曜日)だし、今日はシトシトと雨模様だったこともあってか、「河本」の店内はとても静かで、先客は4人ほどしか居ません。こんな「河本」も珍しいですよねぇ。  まずはいつものようにホッピー(300円)と、煮込みの玉子入り(300円)をもらって飲み始めます。おろっ。しばらく来ない間に、煮込みは300円に値上がりしたんですね。ちなみに煮... [続きを読む]

受信: 2008.05.18 09:28

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