ハフハフと手羽唐揚げ … 居酒屋「天国(てんくに)」(横須賀中央)
横須賀での2軒目は、すでに行ったことがあるお店でゆっくりとくつろごうと、「坂戸屋」からも、ほど近いところにある「鳥好」に向かいますが、午後7時前の店内は、店の外から見ただけでそれとわかるほど、お客さんでいっぱい。念のため入口引き戸を開けて見たものの、カウンター内の店主が「ごめん。今、いっぱい」と申しわけなさそうに顔をゆがめます。「また来ます」と軽く手をあげて店を出て、来た道を戻りながら、次の候補の検討です。
うーん。「鳥好」でホッピーを飲みながら、まず鳥皮みそ煮(1串60円、3串から)をつついて、続いてはササミの天ぷら(350円)、お腹に余裕があれば鳥ももの唐揚げ(450円)か、すなぎもの唐揚げ(400円)でもいってみようか、というプランが心の中でできあがっていたので、なかなか切り換えがむずかしいなぁ。
そうだ。同じ唐揚げつながりということで「天国」に行ってみよう。「鳥好」の唐揚げは、食べたことはないんだけど、見た目は自由が丘の「とよ田」や、大船の「小山」と同様に、衣をつけずにそのまま揚げる、素揚げっぽい感じでした。こちら「天国」は、衣をつけてあげる普通の唐揚げなのですが、その鶏肉が、素揚げのものと同じくらい大きいのです。
縦に、うんと長いJ字というか、コの字カウンターの一辺だけが奥に向かってぐんと突き出した感じの店内は、こちらもこの時間帯、お客さんがいっぱい。しかし、J字一番手前の、テレビのすぐ前あたりが空いています。広い店内で、この辺りの席だけが、振り返らないとテレビが見えないので、人気がないようなのです。しかも、この席に座ると、テレビを見ているお客さんたちは、みなさん自分のほうを見ている感じになりますからねぇ。居心地があまりよくないのです。でも、ここしか空いてないんじゃ仕方がない。今日は、この席で飲みましょう。
「なんにしますかー?」
いかにもアルバイトといった感じの、若い女性が、とっても事務的に注文を取ってくれます。
「手羽唐揚げ。それと、あったかいお酒と、キュウリのお新香ください」
「はい。熱燗(あつかん)ですねー」
燗酒は、横に置いている燗酒器(一升瓶を逆さに差し込んでいる機械)から、ジャーッと注ぐタイプで、お酒の銘柄は「百万石」。徳利1本が300円です。
鶏の唐揚げには、手羽唐揚げと、もも肉唐揚げの2種類があって、どちらも570円。個人的には軟骨なども多くて、いろんな食感が楽しめる手羽のほうが好きなんですよねぇ。
その唐揚げは、肉が大きいこともあって、できあがるのに時間がかかります。それをお新香と燗酒で待とうという考えです。お新香は180円で、キュウリかナス、カブが選べます。キュウリ、ナスなら丸1本、カブも丸1個を切ってくれるのが嬉しいですね。
そのキュウリのお新香をポリポリ、燗酒をチビチビとやりながらメニューを確認していると、地酒のところにある「八海山」がなんと400円。おそらく6~7勺くらいの量なんでしょうが、それでもこの普通の燗酒1合が300円であるのと比べると安いかもなぁ。
できあがった手羽唐揚げを持って来てくれたおねえさんに、さっそく確認してみます。
「すみません。この八海山も燗酒にできるんですか?」
「ちょっと待ってください。聞いてきます」
と店の奥に向かったおねえさん、しばらくして帰ってくると、
「できるけど、(横の燗付け器を指差しながら)この機械は使えないので、昔みたいにお湯で温めないといけなくて、少し時間がかかるそうです」
なんと! もちろん、そうやって湯煎で燗をつけてもらったほうが、いいに決まってる。
「時間がかかってもいいですから、八海山を燗でお願いします」
できたて熱々の手羽唐揚げをハフハフとほお張っているところへ、八海山の燗酒も出てきました。先ほどと同じく1合の徳利。レシートには「酒」(300円)のところと、「八海山」(400円)のところの両方にチェックが付けられます。なるほど、この燗酒1合で700円ってことなんですね。
どうしても齧りきれない大きな骨だけをのぞいて、骨までバリバリといただいて、最後の仕上げに燗酒をグビリ。あぁ、こういう日本酒ばかりだといいのになぁ。
目の前にあるレシートには「サ」という項目があって、あらかじめ100円となっています。お通しは出ないお店なので、この100円はサービス料、もしくは席料といったところなんでしょうね。
1時間ちょっとの滞在は、1,850円でした。
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