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2008年2月

ブドウ・葡萄・ぶどう … バー「ピュアー(PURE)」(野方)

細雪


 新橋の「三州屋」のあと、それぞれ牛久方面(東京から見て北東)、船橋方面(南東)、横浜方面(南西)に帰るという、見事なまでにバラバラの地域に住んでいる3人と別れ、ひとりでやって来たのは野方(東京から見て北西)のバー「ピュアー」です。

 そろそろ日付けが変わろうかという店内は、この近くにお住まいの大常連ご夫妻と、男性ひとり客の3人が歓談中。私もカウンターの手前側に座り、出されたおしぼりで手を拭いながら、飲み物メニューを眺めます。

 すでにお腹はいっぱいなので、デザート的な甘い飲み物をいただいたあと、ビシッと強いスピリッツ(蒸留酒)で金曜日を締めくくりますか。

 ここ「ピュアー」には、いつも何種類もの果物が置いてあって、その果物を使ったフレッシュ・フルーツ・カクテルをいただくことができるのです。今日はブランデーとブドウを使った細雪(840円)や、ジンとイチゴのストロベリーフィズ(730円)、テキーラとパインのメキシカン(730円)、ウォッカとグレープフルーツのブルドッグ(730円)などが、ホワイトボードの手書きメニューにリストアップされています。

 そんな中から「食後に」と注記されている細雪(ささめゆき)を注文すると、カウンター内の果物搾り器で、たっぷりのブドウをギューッと搾って、円錐状に広がった、細長いオシャレなグラスでカクテルを出してくれます。

 うわっ。甘ぁーーっ。

 完熟したブドウのジュースって、こんなにも甘いんですね。まさにデザートにピッタリです。ブランデーが入っていることを忘れてしまうほど、お酒っぽさを感じません。

 お通し(310円)として鴨の燻製を出してくれますが、この甘いカクテルには、つまみは要らないですね。あとで注文する予定のスピリッツ用にとっておきましょう。

 このところ寒い日が続いているので、ホワイトボードメニューにもホットカクテルが名を連ねています。定番のホット・バタード・ラム(680円)に、ポートワインやレモンで作るホット・アメリカン・レモネード(580円)、そしれバーボンを温かい牛乳で割ったホット・カウボーイ(680円)です。ホット・カウボーイも美味しそうですねぇ。

 さぁ、それじゃいよいよスピリッツをいきますか。今日、ホワイトボードに書き出されているスピリッツは3種類。グラッパ(730円)、キャプテンモルガン(ラム、580円)、ズブロッカ(ウォッカ、480円)です。もちろん、ホワイトボード以外にも、ウイスキーやバーボン、ブランデー、ジン、ラム、テキーラ、ウォッカなどが各種そろっているのですが、今日は最初にブドウのカクテルをいただいたので、ブドウで通しますか。

「グラッパをお願いします」

 ブランデーグラスに注いでくれるグラッパは、ブドウの搾りかすを醗酵させたアルコールを蒸留して作った、言ってみればブドウ焼酎のようなもの。ブランデーがブドウそのものを醗酵させて作ったアルコール(=ワイン)を蒸留して、さらに樽で熟成させたりするのと比べると、ずいぶん粗っぽい飲み物なのですが、食事の最後の最後に、ガツンとアルコールを感じたいときにピッタリのお酒でもあるのです。

 私がグラッパというお酒を知ったのは、今から10年程前に、仕事でイタリアに行ったときのこと。

 往きのアリタリア航空機内で、まわりをイタリア人たちに囲まれながら、けっこう立派な機内食をいただいたのですが、そのときにあれやこれやとワインを飲んだあと、客室乗務員の男性が「イタリアでは食後にこのお酒を飲むんだ。あなたも飲んでみなさい」と注いでくれたのがグラッパだったのです。

 いやぁ、それにしても今日のグラッパは、香りの分かりやすいブランデーグラスに注がれていることもあって、一段と強烈に感じますねぇ。

 グラッパの香りは、どっちかというとガツンと鼻の奥を刺激するアルコール臭。ブランデーやワインなどのような、ブドウの濃厚な香りはしないのです。作為的に、ブドウっぽい香りを付けているグラッパもあるらしいのですが、個人的にはこういういかにも「ブドウ焼酎!」みたいなグラッパが好きですねぇ。

 ゆっくりと1時間ほどくつろいで、今日のお勘定は1,880円。ブランデー+ブドウのカクテルに始まり、グラッパで締めるという、ブドウづくしのバー・タイムでした。

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住宅街にある「ピュアー」 / 鴨の燻製 / グラッパ

店情報前回

《平成20(2008)年2月8日(金)の記録》

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先輩や同僚たちと新橋 … 大衆割烹「三州屋(さんしゅうや)」(新橋)

座卓を囲んで


 会社の先輩や同僚たちと4人で新橋です。

「居酒屋のブログを書いたり、本まで出したりしてるくらいだから、いいところを知ってるんだろう。よろしくな!」

 なぁーんて言われて、かなりプレッシャー。私が好きな酒場は、家族経営が基本の、小さくて、安くて、それでいてどっか他所(よそ)と違った特長を持っているようなお店。会社の仲間たちとワイワイとしゃべりながら飲むには、あまり向いていない感じのお店が多いのです。

 社内で、我われの年代(40代後半)以上で飲みに行くときは、「ちょっと高くてもいいから、静かに自分たちだけで話ができる個室」みたいなのが好まれる傾向にあるようで、それに適しているのは、私が好む大衆酒場路線とはかなり違う方向にあるお店なのです。

 どっかないかなぁ。しかも、金曜日の午後9時過ぎというこの時間、たいていの新橋の店はいっぱいだよなぁ。ちょっと大箱で、みんなの期待にもちょっと応えられるようなお店……。むずかしいなぁ。

 そうだっ。「三州屋」をのぞいてみよう。あそこなら入れるかもしれないし、ある意味、昔からある居酒屋らしい居酒屋だし。ちょうどいいかもしれない。

「こんばんは。4人です」

 新橋の「三州屋」があるのは、新橋駅前SL広場のすぐ近く。新橋駅前で思い立ったらすぐに到着するのです。

「はい、4人さん。お二階に上がってください」

 おぉ良かった。空いてましたか。

 ここは地下1階から、地上2階まで3フロアで営業中。地下1階だけは入口が別なのですが、1階と2階は同じ入口から入って、店内の階段で2階に上がるようになっています。

 地下1階と1階はテーブル席ですが、2階は全体がドーンと広い座敷席。その手前右手に、ちょっとインディペンデントな雰囲気の座卓2卓分ほどの空間があって、そこだけが空いている状態。そんなわけで、ラッキーにも、そのやや個室風の一角に陣取ることができたのでした。

 さっそく瓶ビール(サッポロラガー大瓶)をもらって乾杯し、料理のほうも、明太こまい(650円)、ぶり照焼き、もつ煮込み、厚焼玉子(525円)、あじ生姜煮、ロース串かつ(735円)などをもらって、みんなでつつきます。

 ビールは最初の2杯くらいにしておいて、日本酒(燗酒)に切り替えると、他のメンバーも日本酒にのってきます。

「懐かしいなぁ。昔は酒場に来ると、こうやって御銚子(徳利)で出してもらって、差しつ差されつで飲むのが当たり前だったのに、最近はないよなぁ」

「お酒、あと2本ね!」

 と、次々と徳利が空になっていきます。

 ご存知のとおり、「三州屋」という店は都内各所にあるのですが、チェーン店ではなくて、のれん分けによって広がっていったもののようです。この近くでは、銀座、八重洲、神田、飯田橋などに「三州屋」があって、なかでも知名度が高い(メディアへの登場回数が多い)のは、銀座一丁目にある「三州屋」だろうと思います。

 個人的に、最も酒場らしいと感じるのは、神田界隈に3軒ある「三州屋」のうち、神田駅の近くにある、店構えが大きい「三州屋」かなぁ。

 どこの「三州屋」も昼から開いていて、食事だけの利用もできるようになっています。もちろん、我われ呑ん兵衛にとっては「昼から飲めるお店」ということになりますね!

 どの「三州屋」にもある、「三州屋」グループの名物料理みたいな位置付けなのが鳥豆腐(とりどうふ)。簡単に言ってしまえば「丼によそって出してくれる鶏の水炊き」みたいなもので、店によって透明なスープだったり、やや濁ったスープだったり。春菊が付いていたり、違う野菜が付いていたりと、ちょっとずつ違う点はあるものの、鳥豆腐という品書きは必ず存在しているのです。

 ここ新橋の鳥豆腐は630円と、神田の420円、銀座の450円と比べても、かなり高い価格設定。新橋はスーツ姿のサラリーマンが多いので、多少高い値付けでも大丈夫なのでしょうか。そういう目で、店内のメニューをもう一度ながめてみると、メニューの中心的な価格帯は6~700円台と、確かにそれほど安くはありません。(「高いっ」と思うほど高くもありませんが……。)

 昼から開いてるだけに、終わる時刻もやや早くしているのか、あっという間に閉店時刻の午後10時半。4人で8,625円(ひとりあたり2,150円ほど)というお勘定に、「さすがに安いねぇ」と喜んでもらいつつ店を後にしたのでした。

 私としては、飲み食いした量の割りにはちょっと高いかな、と心配していたのですが、それはあくまでも大衆酒場での値段と比較した場合のこと。みんなには喜んでもらえたようで、良かった良かった。

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明太こまい / あじ生姜煮 / ロース串かつ

店情報前回

《平成20(2008)年2月8日(金)の記録》

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店情報: 大衆割烹「三州屋(さんしゅうや)」(新橋)

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  • 店名: 大衆割烹「新橋 三州屋」
  • 電話: 03-3580-5341
  • 住所: 105-0004 東京都港区新橋2-9-8
  • 営業: 11:30-22:30、第1・3土と日祝休
  • 場所: JR新橋駅日比谷口を出て、SL広場の先を横断し左に向かうと、すぐ右手。駅から徒歩約1分。
  • メモ: 地下1階から地上2階までが店舗でメニューはすべて同じ。1階と地下1階はテーブル席、2階は座敷席になっており、地下1階は20名まで、2階は45名までの宴会が可能。
    〔刺身物〕げそわさ685、ひらめ刺身1,890、生たらこ840、まぐろぶつ切1,890、いわしたたき900、あじたたき900、かつおたたき1,155、たこぶつ切840、いわし刺身900、まぐろぶつ小鉢盛1,050、刺身盛合1,050、かつお刺身1,050、いか刺身840、いか糸づくり840、たこわさ735、活魚関西作り1,365、まぐろ刺身1,575、鯛刺身1,365、まぐろ中トロ小鉢盛1,260、活魚白身三点盛1,260、いか沖漬630、かんぱち刺身1,160、まぐろ中トロ刺身2,100、すずき刺身1,365。
    〔酢の物〕〆さば900、イカ酢味噌700、たこ酢735、かに酢945、小アジ南蛮漬790、沖縄天然もずく酢630、根こんぶポン酢和え580。
    〔揚物〕とんかつ735、まぐろ立田揚950、小アジ唐揚げ790、若鶏唐揚げ685、若鶏竜田揚げ685、イカリング唐揚げ685、イカゲソ唐揚げ685、エビフライ840、ロース串かつ735、帆立フライ685、ゴーヤかき揚げ650。
    〔焼き物〕焼なす580、なすしぎ焼630、なすバター焼630、厚焼玉子525、明太こまい650、あつあげ630、とんとろ塩焼600、まぐろバター焼980、つくね塩・てり焼685、鳥もも塩・てり焼790、豚生姜焼肉790、ししゃも790、たらこ焼840、まぐろ血合ニンニク焼550、イカ塩・てり焼790、えび塩・マヨ焼735、さわら塩・てり焼790、さわら西京焼840、鯛かぶと塩焼1,000、ゴーヤチャンプル735、もちぶたロース網焼720、帆立バター焼685、明太ソーセージ650、あさりバター焼735、鯛かぶとてり焼1,000、あじ塩焼820、むし若鳥ももてり焼650。
    〔煮物〕鳥豆腐630、つくね豆腐685、ニシンうま煮685、さば味噌煮790、豚味噌だれ角煮840、豚味噌角煮「小」525、ひらめかぶと酒むし840、すずきかぶと酒むし840、あさり酒むし735、はまちあら煮735、鯛あら煮735、鴨ワインむし焼き750、丸煮どじょう735、丸煮柳川1,050、柳川1,155、鯛かぶと煮1,000、鯛かぶと酒むし1,000。
    〔一品物〕新香525、焼のり525、チーズ525、板わさ525、きゅうりもみ525、うめきゅうり580、トマト塩580、トマトマヨネーズ580、なめこおろし合630、わけぎぬた630、まぐろぬた790、からすみ580、山かけ790、グリーンアスパラバター685、グリーンアスパラマヨネーズ685、辛子明太子840、いか塩辛630、生野菜735、かにサラダ1,050、サラミ525、奴豆腐525、島「沖縄」らっきょう680、無臭ニンニク味噌315、紀州梅干260、もろみきゅうり525。
    〔御飯物〕御飯(香の物付き)260、のり茶漬け580、鮭茶漬け630、うめ茶漬け680、まぐろ茶漬け800、鯛茶漬け740、もづくめん680。〔おつゆ物〕なめこ汁420、赤だし420、鯛うしお420、あさり味噌汁480。〔その他〕かにみそ580、まぐろ納豆790、いか納豆790、らっきょう納豆790。
    〔本日のお勧め品、季節の品〕別途、店内に短冊メニューとして多数掲示。(2008年2月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (03.09.05)(03.03.15)

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空瓶や兵どもが夢の跡 … バー「ペルル」(鷺ノ宮)

夢の跡…


「お忘れ物のなきように」

 店を出るお客さんに、そう声を掛ける「ペルル」のマスター。この店は、いつも午後11時半にはピシャリと営業を終えるのです。

 その時刻がやってくると、お客さんたち自身も、さっと店をあとにするのがこの店のルール。「えぇーっ。もう1杯飲ませてよー」なんて駄々をこねる客はひとりもいません。

 ついさっきまで満席で、店中がワイワイとにぎやかだったのがウソのように、パッと静寂の世界が訪れるのです。

ジリリリリーーン

 そこへかかってきた1本の電話。この店の電話は、昔懐かしいダイヤル式の黒電話なので、ベルの音もまた旧式なのです。上の写真は、お客さんたちが帰って静まった店内で、その電話を取って話しをしているマスターです。

 今宵の私は、東京オペラシティの54階にある中華料理屋、「東天紅」で夕食会。新宿界隈では3番目に高いと言われるビルからの眺望はさすがで、他のお客さんたちが帰られるのを待って、それぞれ違う方向が見える他の店(54階にある店は、ほぼ東天紅グループの様子)からの眺めも見せてもらって大満足です。

 ここ(西新宿)まで来てたら、横浜の単身赴任先に帰るよりも、自宅(中野区)に帰るほうがはるかに近い。そんなわけで、トコトコと自宅に向かいつつ、最後にもう1軒と立ち寄ったのが「ペルル」だったのです。

 店に着いたのは、午後10時50分。閉店まであと30分ほどあるので、水割りの2杯も飲めるかな、と店に入ってみると、なんと店内は「超」が付くくらい満席。カウンターのみならず、カウンター背後に2席ほどある補助席にまで使っている状況です。そうか、今日は木曜姫の日であったか!

 店内には、木曜日にはほぼ必ずやって来るという酒友・にっきーさんの姿も見え、カウンター中央部では、大常連のSさんが、いつものようにギターを奏でています。

 さすがに今日は入れないかなぁ、と一諦めかけましたが、なんとふだんは荷物置場に使っている椅子の荷物をよけてくれて、臨時補助イスがひとつ出現。なんとかみんなの賑わいの輪の中に入れてもらうことができたのでした。

 まさにあっという間に30分は過ぎ去って、すぐに迎える閉店時刻。今日のお勘定は、水・氷代の500円でした。お休みなさーい!

店情報前回

《平成20(2008)年2月7日(木)の記録》

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今日は普通の切り方で … 「豚の味珍(ぶたのまいちん)」(横浜)

カシラ


「カシラを、今日は普通のスライスでください」

 横浜駅西口・狸小路(たぬきこうじ)にある「豚の味珍(まいちん)」は、醤油ベースの独自の和風ダレでじっくりと煮込み冷ました豚の頭、耳、舌、胃、足、尾の6種(各700円)をつまみに、お酒を飲むことができる人気店。

 狸小路を挟んで、それぞれ2階建ての本店と新店(支店)が向かいあうように建っていて、今日は本店の2階に来ています。

 料理の仕込などは一括でやっているようで、メニューも同じなのですが、本店と新店、そして1階と2階は、それぞれ独立経営で、それぞれに厨房スペースが付いていて、その場でお勘定をする仕組みです。

 店の大きさを具体的な数値で調べてみたことはありませんが、感覚的には新店1階が一番小さくて、本店1階、本店2階、新店2階という順に大きくなっている感じです。本店も新店も、1階はカウンター席のみで、2階になるとテーブル席が加わるのです。

 カウンター10席ほど+テーブル1卓(4席)ほどの本店2階は、今日も満席模様。ひとりで切り盛りするベテラン店長(常連さんたちは『キョウさん』と呼ぶ)が、かろうじて空いていたカウンター角の席を指し示してくれます。

 この席は、大きなネタケースの裏側にあたるため、最後まで空いていることが多いのです。個人的には、丸のままのネタがじっくりと観察できる上に、静かに飲むことができるので、好きな席です。

 その席に腰を落ちつけながら、まずは瓶ビール(今日はアサヒスーパードライ中瓶、500円)と辣白菜(ラーパーツァイ、300円)に、冒頭のカシラ(豚の頭肉)を注文したのでした。

 この店で最初にカシラを注文したのは、濱の酒場通・iiさんに連れて来てもらった2年程前のこと。「この食べ方が美味しいんですよ」と、カシラのブツ切りを腐乳(フニュウ、150円)で食べるという方法を教えてもらい、それ以来、カシラといえばブツ切りでいただいていたのでした。

 ところが、昨年末頃にやって来たときに、となりのカップルが注文した普通のカシラ(チャーシュー状にスライスしたもの)を見ると、これもまた美味しそう。考えてみると、一度もこの普通の食べ方で食べたことがないことに気がついて、今日は、原点に立ち返って、普通のカシラを注文してみたような次第なのです。

 ネタケースの中のカシラは、まるでボーンレスハムのような形をしています。豚の頭あたりのいろんな肉を煮込んで、寄せ集めた状態で、ハムの形に整形されたもののようです。それぞれの肉のすき間は、煮込み汁がゼラチン状に固まったもので埋めつくされていて、薄くスライスすると、その断面にいろんな肉の切り口が現れて、とても美しい。

 これを、練りガラシを酢で溶いて、ちょっとラー油を加えたタレにつけていただくと、口の中いっぱいに肉の旨味が広がります。なにしろ煮込み汁のゼラチンが、言ってみれば煮こごりのようなものですからねぇ。しかるのちに、ぐっと噛みしめると、カシラ肉ならではの弾力感が味わえるのです。

 うーっ。こりゃ、ヤカンですね。ウーロン茶と一緒にください。

 ヤカンというのは焼酎(350円)のこと。銘柄的には、普通の宝焼酎25度なのですが、これがなにやらアラビアンな形をした金属製の水差しで注がれるので、だれ言うともなくヤカンと呼ばれるようになったもののようです。

 ウーロン茶は、缶入りのものがそのまま出されて、130円。冷たいのと、温かいのを選ぶことができます。この他に、グラスや氷を別にもらって、焼酎を割って飲んでいる人も多いのです。

 私は、焼酎にはカウンター上に置かれている梅シロップを入れて、梅割りとして飲んで、ウーロン茶はチェイサーとしていただきます。

 タン(豚の舌)も、いつもはブツ切りでいただいているのですが、これまた標準的なスライスでいただいてみましょうか。

 タンは、丸ごとタンの形のままネタケースにスタンバイされていて、注文に応じて、それを2~3個くらい取り出してスライスし、美しく皿に盛り付けてくれます。

 こちらもまた、スライスにはスライスなりの美味しさがありますねぇ。

 ヤカンをもう1杯いただいて、1時間半ほどの滞在は3,030円でした。どうもごちそうさま。

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狸小路 / ビールと辣白菜 / ヤカンとタン

店情報前回

《平成20(2008)年2月5日(火)の記録》

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家族の外食は決まって … 焼肉「スタミナ苑(すたみなえん)」(阿佐ヶ谷)

テッチャン


 なんとか家族にも内臓のおいしさを伝えたいと、家族で焼肉屋に行くたびに、ちょっとずつテッチャン(腸)やミノ(第1胃袋)などを注文していたら、最近では家族のほうが、すっかりその旨みにはまってしまったようで、「外食に行く?」とたずねると、必ずここ「スタミナ苑」の名が出る状態。

 なにしろおすすめなのが、この店のテッチャン(600円)なのですが、主役はまず置いておいて、まず最初は上タン塩(1,180円)からスタートです。

 一等最初にいただくタンは、ちょっと奮発しても「上」にするのがおすすめ。舌の中央あたりの、スライスするとほぼまん丸になる部分が出されます。これをほんのちょっと炙るくらいの焼き加減で仕上げて、レモンをちょっとつけていただくと、「さぁ、これから焼肉だ」という気分も高まってきます。

 焼肉屋のいいところは、飲む人も飲まない人も、同じようなペースで食べ進められるところ。普通の食事だと、飲まない人はあっという間に食べ終わって、呑ん兵衛だけが後に残されちゃうのですが、焼肉屋はじわりじわりと肉を焼きながら食べるので、飲まない人もペースがゆっくりめになるのです。

 同じような思いの人も多いのか、我われがやってくるときはいつも、店はほぼ満席状態。今日もあらかじめ電話で予約を入れてやって来たのでした。今日も予想どおり、店は家族連れでいっぱいで、みなさんそれぞれに飲む人もいて、飲まない人もいて、と楽しんでいる様子です。

 さぁ、そしていよいよテッチャンです。この腸のプリッとした食感と、裏側に付いた脂肪の軟らかさと甘さがいいのです。ッカァーッ。ホッピーが進むなぁ。

 英語圏では内臓(くず肉なども含む)のことをバラエティミートと呼ぶそうです。直訳すれば「いろいろな肉」。安い上に、ビタミンやミネラルが豊富で、カロリーは少なく、味わいも豊かで人気があるのです。

 ちなみに日本では内臓のことを、正式には「畜産副生物」と呼びます。「精肉を生産する段階で副次的に産出されるもの」という位置づけで、出荷を自由にコントロールすることはできないのだそうです。だから、学校給食の出ない夏休み期間などは、精肉の生産量が減って、それにつれて畜産副生物(内臓)の生産量も減ってしまうんだといいます。

 「日本畜産副産物協会」のサイトによると、一般的に関西以南は牛、東京以北は豚の消費地なんだそうで、内臓の消費も同じような分布になるんだそうです。東京方面では、焼肉屋で食べるほかに、なんといっても、もつ焼きや煮込みとして食べることが多いですよね。

 話題は戻ってこの店のホッピー。ここのホッピーはグラスに氷と焼酎を入れたものと、それとは別に瓶入りホッピー(外)が出されて380円。これに中(焼酎のおかわり、200円)を2回おかわりするくらいがちょうどいい(いわゆる外1中3)ので、1杯あたりに換算すると260円ってことになって、これまたとっても安いのです。

 私以外の家族は、ごはん(大、300円)をもらって、豆もやし(350円)、大根キムチ(350円)などもつついています。この店はコーン茶が無料サービスなので、飲まない人はかなり安くつくのです。

 豚足(400円)やトントロ(680円)、ハツ(600円)、トッポギ(700円)なども間にはさみながら食べ進み、最後はテッチャン(600円)を塩で2人前もらって終了。

 最終的には、家族4人でテッチャンを5人前いただいて、今日のお勘定は8,640円(ひとり平均2,160円)でした。うー、満腹。

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店の看板 / 上タン塩 / トッポギ

店情報前回

《平成20(2008)年2月2日(土)の記録》

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呑ん兵衛仲間の新年会 … 大衆割烹「藤八(とうはち)」(中目黒)

いかのかき揚げ自家製はんぺん
肉じゃがコロッケ自家製・腸詰


 呑ん兵衛仲間で集まっての新年会は、中目黒の大衆割烹「藤八」です。「中目黒に藤八あり」と言われるほど名の知れた酒場で、以前から気になっていたのでした。

 中目黒駅から、目黒川を越えてすぐのところにある「藤八」は、思ったよりも大きな店が、角地にドカーンとそびえていて、その角の白壁に「大衆割烹 藤八 へようこそ」とデカデカと書き出されています。

 そこを右に曲がったところが入口なのですが、その入口横の外壁には短冊板に書き出されたメニューがずらりと並び、今日のおすすめなどをアピールしています。

 のれんをくぐり、入口引き戸を開けると、店内は左手がカウンター席、右手がテーブル席、そして奥が小上がりの座敷席になっているのですが、建物全体から見ると、非常に狭い印象。あとでわかったことですが、カウンターの奥、小上がりの手前を左に入っていくと、さらにこれと同じ位のスペースがあるんだそうです。それでもいつも満席状態になるというんだから、人気の程がわかります。

 今宵のメンバーは10人。金宮焼酎のボトル(1,500円)を入れて、氷(350円)と瓶入りホッピー(外、210円)をもらって、最初から全員ホッピーで乾杯です。

 ここ「藤八」には名物と言われる(自称している?)品が4品あります。いかのかき揚げ(420円)に、自家製はんぺん(420円)、肉じゃがコロッケ(210円)、自家製・腸詰(420円)がそれです。

 今日のようにグループで飲む場合のいい点は、みんなでワイワイ楽しく盛り上がれることと、料理の種類が数多く食べられること。ひとり呑みの場合には、「名物4品」と言われても、なかなか全部を注文するわけにはいきませんが、10人もいればどんどん注文できちゃいますもんね。

「名物4品を2人前ずつお願いします」

「コロッケは1人前1個なので、2人前では足りないかもしれません」

「じゃ、コロッケは4人前!」

 いかのかき揚げは、丸皿いっぱいにデンと盛られていて厚みも3~5センチほどもあろうかというボリューム。イカは身の部分も足(ゲソ)の部分もたっぷりと入っていて、玉ねぎやグリーンピースと一緒にかき揚げにされて、レモンスライスが一片。熱々で、さっくりとした食感がいいですね。

 自家製はんぺんは、以前、「寄り道Blog」で『まるでチーズケーキのよう』と表現されていましたが、まさにそのとおりで、ふんわりとボリュームのあるまっ白いはんぺんに、うっすらと黄色い焦げ目がついていてお菓子のようです。

 今日の紅一点は、吉田類(よしだ・るい)さんの大ファンだとおっしゃるサッチさん。類さんのテレビ番組や著書などを見て、そこで紹介された酒場に、おひとりで出かけているのだそうです。

「でも、やっぱり敷居が高くて入りにくいお店も多いんです」

 とサッチさん。酒場に出かけるときは、黒っぽい、なるべく目立ちにくい服を身にまとい、香りのある化粧品は避けるという細心の注意を払って出かけるのだそうです。

「そうやって出かけても、女ひとりとわかると、入れてくれない酒場もあります」

 なるほどなぁ。たしかに「鍵屋」や「ニューカヤバ」のように「女性だけの入店はお断り」ということを明確に謳っている店もありますもんね。酔っ払って女性に話しかけたり、絡んだり、それが発展して男性客同士の喧嘩になったりすることがあるからでしょうか。

 ここ「藤八」はというと、若者にも人気の中目黒らしく、客層はまさに老若男女いろいろと混ざっている上に、外国人ひとり客までカウンターで飲んでいたりするような状態です。

 シメのうどんも、この店の名物なんだそうで、明太子うどん(520円)や素うどん(420円)などいくつかを、みんなで分け合っていただいて終了です。

 午後11時まで、たっぷりと3時間半の滞在は、金宮ボトルを7本空にして、10人で40,410円のところを、410円はサービスしてくれて、ひとり4千円ずつとなったのでした。楽しい時間をありがとうございました。>参加されたみなさん

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建物外観 / 入口あたり / 金宮ボトルをもらってホッピー

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店内の様子 / ずらりと壁のメニュー / お通し(350円)は里芋煮物

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自家製シメサバ(480円) / とり貝刺(450円) / 牛すじ煮込み(480円)

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菜花おひたし(380円) / アリラン漬(370円) / うど酢みそ(400円)

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玉子焼(400円) / エイと大根煮物(480円) / まぐろカマ焼(600円)

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まいか一夜干(580円) / うす塩ラッキョ(320円) / 明太子うどん(520円)

店情報 (同じときの「Y-TABEのレミング2」)

《平成20(2008)年2月1日(金)の記録》

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店情報: 大衆割烹「藤八(とうはち)」(中目黒)

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  • 店名: 「藤八」
  • 電話: 03-3710-8729
  • 住所: 153-0051 東京都目黒区上目黒1-3-16
  • 営業: 17:00-23:00、日祝休
  • 場所: 中目黒駅の改札を出てガード下の横断歩道を渡り、ガード右側の道をガード沿いに進む。100mほど先の目黒川を渡ったちょい先の、右前方角の大きな建物が「藤八」。壁に「大衆割烹 藤八 へようこそ」と書かれているのでわかりやすい。入口はその角を右に折れた左手。
  • メモ: 「藤八名物」と謳われているのは、いかのかき揚げ420、自家製はんぺん420、肉じゃがコロッケ210、自家製・腸詰420の4品。他に、活〆・カンパチ刺680、サザエ刺550、まぐろブツ350、いか納豆470、いかそうめん420、まぐろ赤身630、サーモン刺580、自家製・〆サバ480、ヤリイカ刺450、とろとろ(中トロ+めかぶ)530、ねぎトロ530、くじらベーコン840、くじら刺890、タコぶつ480、いいだこ(ワサビ醤油で)420、まぐろ中とろ840、あん肝(ポン酢で)580、海草とろろ420、ままかり(ポン酢で)420、わかめ酢320、沖縄産もずく酢370、白子(生です)600、厚あげ450、サバ文化干し500、うるめいわし420、まいかの一夜干し580、にしん塩焼700、げそ焼380、手羽先塩焼420、タイのカブト焼450、にんにく丸焼420、つぼ鯛650、牛のタタキ580、カラスミ700、ヘルシーサラダ480、ネバネバ寄せ(山芋、めかぶ、オクラ、納豆)420、とまと・チーズのさっぱりサラダ(オカカたっぷり)480、マカロニサラダ370、冷しとまと370、ブロッコリー(マヨネーズで)380、もろきゅう320、エシャーレット(お味噌で)370、冷奴400、しらすおろし370、オクラ納豆420、うす塩ラッキョ(お味噌で)320、玉子焼400、岩のり(生です)420、キャベツのアリラン漬370、キムチ370、なすの一本漬370、山かけ530、山芋千切り420、まぐろカマ焼600、あたりめ480、へいひれ420、タコ梅じそ仕立て480、自家製さつま揚げ(ふんわり)480、いかの沖漬け400、ホウボウの塩焼580、とり貝刺450、紅鮭ハラスの網焼300、むき身ホヤ300、うどの酢みそ400、菜花のおひたし380、とりちまき380、ししとう串焼1本110、ギンナン串焼1本130、イカとんび1本110、カミナリつくね1本160、とりのど肉串焼1本130、砂肝串焼1本110、とんバラ串焼1本110、イカのわた袋300、チャンジャ320、カニみそ530、珍味ゆぶし420、ネギ味噌どうふ420、奴のめかぶかけ420、素うどん420、のりうどん520、キムチうどん520、明太子うどん520、海草うどん520、とろろうどん520、かき揚げうどん600など。「本日のサービス品」として、真ダイ刺430、えいと大根煮物480、ザーサイの浅漬け400、茎わかめ(おろしとポン酢で)300、サヨリ塩焼300もあり。お通しは350円。
    飲み物は瓶ビール大630、生ビール小600、中700、大800、サワー(生レモン付き)420、生グレープサワー420、生ライムサワー420、玉露割り420、うこんハイ420、ホッピー/黒ホッピー420、ウーロンハイ320、青りんごサワー320、生酒(日本盛)680、日本酒小210、大680、にごり酒420、たる酒420、獺祭・純米吟醸730、天狗舞・本醸造730、花の舞・純米730、マッコリ(1リットル)1,580、金宮1,500、黒霧島1,890、たんたかたん1,890、それから2,100、スペイン赤ワイン(720ml)2,500、イタリアワイン(250ml)680、ジュース、コカコーラ、ウーロン茶など各300、氷(アイスペール)350など。(2008年2月調べ)

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ヘアサロン風のバー? … バー「ジー・イン(g-in)」(横浜・洋光台)

マッカラン12年


 『ヘアサロンとレストランバーのコラボレーション』という、これまであまり聞いたことのないコンセプトの下に、一昨年(2006年)開業したオシャレなレストランバーが、JR根岸線・洋光台駅から徒歩10分ほどのところにある「g-in」です。

 横浜の古い酒場に行くと「プリンスホテルから先は海だったのよ」という話をよく耳にします。

 その今はなきプリンスホテルがあった磯子(いそご)よりも2駅先、洋光台まで国鉄線が延伸してきたのは昭和45(1970)年のこと。それまで小さな農村だった駅周辺は、大々的に開発が行われ、東京や横浜への通勤者が多数生活する住宅密集地になったのだそうです。

 こういう新興住宅街の常として、古くから続く大衆酒場は当然ありません。人が集まってきて、町ができ、そこに暮らす人たちがくつろげるような酒場空間などが町に定着してくるには、ある程度の年月が必要なようです。町ができて40年足らずでは、まだまだ、って感じなのでしょうか。少なくとも3世代くらいは経ないとダメなのかな!?

 さて「g-in」。私自身、美容院とかヘアサロンと呼ばれるような場所に行ったことはあまりないのですが、その数少ない経験から言うと、そういう店に行くと、そこの店員さんにニコニコといろんなことを話し掛けられるというイメージがあります。

 最初に「いつものようにお願いします」とさえ言っておけば、後はほとんどボォーッとした状態で過ごせる散髪屋(理容院)とは大違いですよね。

 ここ「g-in」は、そんな美容室の状況を、そのままバー空間に持ってきたような、ある意味おもしろいお店。

 バーテンダーも兼ねる店長と、それを手伝うスタッフ、そしてバックバー裏手にある厨房で料理を担当する料理長という、若いイケメン男性3人で切り盛りしているのですが、その3人が美容室の店員さんと同じような感じで、ニコニコと笑顔でいろんな話題を提供してくれるのです。

 今日は仕事関係の食事会で、曙町にある明治28(1895)年創業という「荒井屋」で、文明開化の味、牛鍋を堪能しての帰り道。お腹はいっぱいなんだけど、アルコール分がちょっと足りないなと、ふらりと一人、この店に入ったのでした。

 ここに書いたのは今日が初めてですが、実はこれまでに3回ほど来たことがあります。ここから私が住んでる単身赴任寮までは、徒歩10分ほどなので、最後にふらりと寄るのにちょうどいいのです。

「なにを飲まれますか?」

 ニコニコとたずねてくれるおにいさんに、まずはマッカラン12年(800円)をストレートでお願いすると、すぐに出されるお通し(たぶん300円)は生ハムのサラダ。

 この店は専用の料理長をおくほど料理にも力を入れているようで、その料理を食べにやってくる女性客も多い様子です。その料理長も、手が空くと、他のふたりと同じようにカウンター側に出てきて、みなさんの話し相手になってくれます。なにしろ、バックバーのまん中に、厨房とのやり取りをするための大きな穴が開いているので、厨房にいても、ホール側の様子はよく把握できてるんでしょうね。

 キラキラと華やいだマッカランをいただいたあとに、個性も強烈なアイラモルト(アイラ島で造られたモルトウイスキー)をいただいてしめるというのが、私の大好きなパターン。バックバーに並ぶアイラモルトの中に、「ボウモア」のカスク56度(900円)があるので、それをもらうことにします。

 カスクというのは樽のことで、このウイスキーは樽の中の原酒を、そのまま瓶に詰めたものなのです。ッカァーーッ。この強烈さがたまりませんなぁ。

 ゆっくりと1時間ちょっとの滞在は、ちょうど2千円でした。

 新しい町だけに、ここ「g-in」のような新しいタイプの酒場も出てくるのがおもしろいですね。

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「g-in」 / 生ハムのサラダ / ボウモア・カスク

店情報

《平成20(2008)年1月30日(水)の記録》

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店情報: バー「ジー・イン(g-in)」(横浜・洋光台)

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  • 店名: Bar g-in (バー・ジーイン)
  • 電話: 045-835-0525
  • 住所: 235-0045 神奈川県横浜市磯子区洋光台3-22-21
  • 営業: 18:00~夜中まで(お客さんがいる間)、第2・4日休
  • 場所: JR洋光台駅改札を出て、右側にUターンするように駅舎の横を新杉田・横浜方面に進み、すぐ目の前の車道を左へ、ゆるやかな坂道を道成りに400m(8分)ほど進んだ突き当り、右手角。
  • メモ: 2006年9月1日開業。もともと美容室を経営していたオーナーが、ヘアサロンとレストランバーのコラボレーションを目指して作ったお洒落なバー。カクテル800円より、ビール600円より、料理600円より。公式サイトあり。(2008年1月調べ)

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冬だけの名物・しし鍋 … おでん「赤丹本店(あかたんほんてん)」(松山)

しし鍋


 松山の老舗「赤丹」の名物は、定番のおでんと瀬戸内の魚に、冬の時期は、ふぐと猪鍋が加わるんだそうです。今日のホワイトボードメニューには残念ながら「ふぐ」の文字はありませんが、ボードの真ん中あたりのよく見えるところに「しし鍋」と載っています。

「しし鍋は、ひとりでも注文できるんですか?」と確認してみたところ、

「一人用の小さい鉄鍋で作るけん、大丈夫よ」という返事。

 さっそくそのしし鍋を注文し、できあがりを待つ間に、おでんの湯葉(ゆば)をもらいます。湯葉は5~6本のインゲンを湯葉でクルクルと巻いたもの。もっちりとした湯葉の食感と、さっくりとしたインゲンの食感のバランスがいいですね。

 午後5時を回るころにはお客さんもどんどん増えてきて、カウンターはほぼ満席状態。客層は中年以上のお客さんが多く、夫婦連れらしきカップルも2組ほどいらっしゃいます。

 私のとなりにやって来たご夫婦は「とりあえず、おでんを全種類、出してや。全部で20種類くらいじゃろ?」と、なんとも豪勢です。「お皿に載るように、1回に5~6種類ずつ入れよわいね。そのほうが冷めんでよかろ」と、ひとまず最初の5品ほどを皿に盛る女将さん。

「毎日、寒うて、かなわんねぇ」

「椿(つばき)さんまでは、いっつも寒いのよ」

 おぉ、懐かしいなぁ。「椿さん」というのは、市内にある椿神社(正式名称は伊豫豆比古命神社(いよずひこのみことじんじゃ))のことや、その神社で旧暦正月7~9日(今年は2月13~15日)の三日間行われる椿祭(つばきまつり)のことです。つまり神社そのものも「椿さん」だし、その神社で年に1度行われるお祭りも「椿さん」。前後の文脈によって、どちらか判断するわけですね。今回の場合は、後者の椿祭のことを指しています。椿祭が終わると、徐々にあたたかい季節に入ってくるのです。

「熱いから気ぃつけてねぇ」と、煮え立つしし鍋が出されます。

 ぎっとり、こってりの鍋を想像していたのですが、表面をたっぷりの刻みネギがおおったしし鍋は、すっきりと透明に近い汁(つゆ)。へぇー、と思いながら、さっそく小鉢に取り分けて食べてみると、これがものすごくさっぱりとした味です。たっぷりの刻みネギの他にも、ゴボウ、モヤシ、シラタキ、豆腐と、猪肉以外の具材も多くて、健康的。

「うちでは北条(ほうじょう)の奥で獲れた猪しか使わんのよ」と女将さん。

 北条というのは、松山市内東北部にある地域の名前で、まさに私の生まれ故郷。海と山とに囲まれた、自然豊かなエリアなのです。これは燗酒もおかわりですね。このお酒「雪雀」も、実は北条のお酒。生まれ故郷の酒と肴だと思うと、美味しさもまたひとしおです。

「今日はホータレの刺身はないの?」

 入口近くにいるお客さんから質問が飛びます。

「昨日はあったんじゃけど、今日は一夜干しかないのよ」

「ほぉかな。そらしょうがないねぇ。ほしたら一夜干しを炙ってや」

 ホータレというのはカタクチイワシのこと。広島では小イワシ、横須賀あたりではシコイワシと呼ばれているものと同じで、こちら松山方面では、頬が垂れるほど美味しいので、ホータレとかホウタレと呼ばれているのです。刺身で食べたり、天ぷらにして食べると美味しいのですが、一夜干しは食べたことがないなぁ。

「私もホータレの一夜干し、お願いします」

 せっかくなので便乗注文すると、

「そんなに食べれる? 残ったら包んであげるからね」

 と女将さん。そう。大きな大根と里芋をいただいた上に、釣りサバの刺身、おでんの湯葉、そして一人用鍋にたっぷりのしし鍋をいただいて、もうお腹は満腹なのです。でも、ここでホータレの一夜干しを食べておかないと、次はいつ食べられるかわからない。ちょっと無理しても頑張るぞ!

 ホータレが出されたところで、3杯目となる燗酒をもらい、ホータレを齧りながら、ちびりちびり。

 1人前のホータレ5尾を食べ終わり、お酒も飲み干してお勘定をお願いすると、

「あら。ちゃんと全部食べられたんじゃねぇ」とニコニコと笑いながら計算してくれます。

 ゆっくりと2時間弱の滞在は、これまでこの店に来たなかで最高価格となる5,550円。昨夜の「あわもり」に引き続き、まわりのお客さんたちからは「おぉーっ、よく飲み食いしたなぁ」という目で見られながら、「ごちそうさま」と店を後にします。

 たっぷりと故郷の味に包まれた一夜でした。

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湯葉 / 小鉢のしし鍋 / ホータレ一夜干し

店情報前回

《平成20(2008)年1月26日(土)の記録》

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故郷の魚で故郷の酒を … おでん「赤丹本店(あかたんほんてん)」(松山)

おでん鍋と女将さん


 出張で呉まで帰ってきたので、そのまま瀬戸内海を渡り故郷・松山に帰省。これまた久しぶりにやってきたのは、松山市駅前にある、おでん屋「赤丹」です。

 土曜日午後5時前なのに、12人ほど座れるカウンター席だけの店内(その他に2階に座敷席もある模様)には、すでに先客が3人。そのうちお一人は、明らかに前回来たときにもいらっしゃった方です。ほとんど毎日のようにいらっしゃってる常連さんなんでしょうねぇ。

 カバンを置いたり、コートを脱いだりしているうちに、その近くのカウンター席にお絞り(袋入りの温かいの)や、赤いお皿に、黄色い練り芥子が用意されていて、スタンバイOKの状態です。

「この里芋は大きいよ。大根も、よう煮えとらい」

 目の前のおでん鍋を、大きな箸でつつきながら、ニコニコ笑顔の女将さんがさりげなく今のおすすめを示してくれます。

「じゃ瓶ビールと、おでんは、その二つをください」

 実はこの店に冬場にやってきたのは、これがはじめて。夏場にしか来たことがなくて、いつも暑い最中(さなか)におでんをつついていたのです。夏のおでんも悪くはありませんが、こうやって寒い時期にいただくおでんは、また格別ですよね。

 瓶ビールはキリン・ザ・ゴールドの大瓶が650円。へぇ。これは珍しい銘柄ですねぇ。この店にはホワイトボードに書き出された、その日のおすすめメニューはあるんだけど、値段は書かれていません。この瓶ビールの値段だけが、壁に張り出されたビールのポスターに書き出されているのです。

 お皿に取り分けてくれた里芋はたしかに、でかいっ。ゴロリとしたのが3つ、串に刺さっています。しかし、それにも増して大きいのが大根です。直径も大きいうえに、高さも大きいのが、どかんとお皿の上に鎮座している状態。

「ちょっと大き過ぎたかねぇ。これだけでお腹がいっぱいになりそうじゃ」と、出してくれた女将さんも笑うほどです。

 そんなビッグサイズにもかかわらず、大根は全体が黒光りするほどよく出汁(ダシ)が染み込んでいて、力を入れなくてもすっと割れるほど。でも、こちらの煮ものは薄口醤油の透明っぽいのが多いのに、こういう黒い出汁も珍しいですよね。

「昔から濃い口のお醤油を使(つこ)とるけんね。そのほうが甘いのよ」

 と女将さん。薄口じゃと塩辛い感じになるんだそうです。このおでんにつける、酢味噌で溶いた松山風(?)の練り芥子が、またいいのです。

 なにしろ昭和6(1931)年ごろの創業で、そろそろ創業80年を迎えようかという老舗ですからねぇ。長年のうちに今の味に決まっていったに違いありません。

 そんな老舗である上に、メニューには値段もないとあって、最初に来たときはドキドキものだったのですが、前述のとおり、ほぼ毎日いらっしゃってるような年配の常連さんたちが多いようだったので「ま、大丈夫か」と高を括って飲みはじめたのでした。「年配の常連さんが多い店」は、コストパフォーマンスもいい上に、美味しいものが食べられて、信頼できるお店である可能性が高いのです。結果的には予想どおり、めっぽう安くもありませんが、そう高くもない。これはいいやと、帰省するたびに機会を見つけてやってきているのでした。

「今日は釣りサバもあるよ」

 という女将さんの言葉に、さっそくその釣りサバを注文。この店は、おでんもさることながら、瀬戸内海で釣り上げられた旬の魚も食べることができるお店なのです。今日、ホワイトボードに並んでいる刺身は、釣りサバのほかに、ハギ、カンパチ、赤ニシ貝、サヨリ、赤ナマコ。刺身以外にも、カマ塩焼、太刀魚塩焼、つぼ焼、皮ちくわ、タコ酢、キス天婦羅、メバル煮付などがあって、ほとんどのお客さんが、なにかしら魚介類を注文してるようです。

 店は女将さんのほかに、この魚介類などを調理してくれる板さん(板前さん)と、女将さんを補佐する女性の3人で切り盛り中。その板さんがスィ~ッ、スィ~ッとていねいに引いてくれた釣りサバの刺身は、見るからに強い弾力感があって、ものすごいツヤです。瀬戸内海には灘(なだ)と呼ばれる流れの速い部分がたくさんあって、運動量の多い、しっかりとした魚がとれるのです。

 地元の刺身が出てきたところで、飲み物も地元のお酒「雪雀(ゆきすずめ)」の燗酒に切り替えると、おでん鍋の横に開けられた燗づけ用の穴で、チロリを使って燗をつけてくれます。

 地元の魚をつまみに、地元の酒。たまりませんなぁ!

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入口の縄のれん / 大根と里芋 / 釣りサバ刺身

店情報前回) (つづく

《平成20(2008)年1月26日(土)の記録》

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皮の脂を泡盛でキュッ … おでん「あわもり」(呉・広)

かわ(豚皮)


 呉にある、おでんの名店「あわもり」に来ています。もとは、泡盛の取次ぎ店だったというこの店が、おでん屋に転向したのは昭和28(1953)年のこと。以来、55年間、地元の人たちに愛される酒場として営業を続けているのです。

 壁に張り出されているおでんの品書は、すじにく、かわ、あつあげ、こんにゃく、ひらてん、ぼうてん、かまぼこ、きも、たまご、あいがも、たまねぎ、ロールキャベツ、ねぎま、ウインナー、いわしだんご、の15品ですが、おでん鍋の中には、先ほどいただいた、じゃが芋など、品書にない品も入っているようです。このおでんが、どれでも1本90円というのがうれしいではありませんか。

 イワシ団子と玉ねぎをもらって、3杯目となる御酒(西条鶴(燗)、200円)を飲み干した後は、いよいよ満を持して泡盛(160円)をもらいます。

 日本酒用のグラスの半分くらいのサイズのグラスに、まずは泡盛がほぼいっぱいまで注がれ、そこに梅酒がちょっと足されて表面張力です。

 「あわもり」という店名からもわかるとおり、この店ではなにしろ泡盛が飲物の主力で、ほとんどの人が泡盛を注文しています。今、いただいたように、ストレートでちょいと梅酒を足して飲むのが基本ですが、人によってはビールグラスに氷を入れてもらって、そこに泡盛を入れて、ロックとして飲んでいたり、ラムネをもらってそれで割って飲んでる人もいます。

 その昔、この店に通っているころは、まだ20代の飲み盛り。「何度もおかわりするのがメンドクサイから、大きなコップでちょうだい!」と、泡盛をビールグラスに入れてもらって飲んでいたものでした。たしか、小さなグラスの3杯分が、ビールグラス1杯分だったんじゃないかな。

 泡盛をもらうと、おでんのほうは、もちろんカワ(豚皮)です。最初にももらったのですが、なんといっても泡盛にこれくらい合うおでん種はありませんもんね。

 火を落とすと、たちまち厚い油膜が浮かぶと言われるほどギトギトしたダシでじっくりと煮込まれた、これまた脂分とコラーゲンたっぷりの豚皮。パクリと食べると、唇にテカテカとなるほど脂分があるのです。これを泡盛でクイッと流し込む。ックゥ~~ッ! うまいもんじゃのぉっ!

 前に来たときに、この豚の皮の下ごしらえについて、店主から伺った話を思い出します。このトロリとした食感を出すには、毛根を残したらいけないのだそうで、毎日早くから、最初に毛抜きで大きな毛を抜いて、残ったうぶ毛をカミソリで剃って処理するんだそうです。

「カワも、スジも、キモも、仕入れは安いけんの。手間をかけんと売りもんにゃぁならんわい」

 毎日、毎日続けられる、この不断の努力こそが、長年、みんなから愛される店になる理由なんですね。

 最後に、これまたメニューにはないアブラをもらいます。アブラは、もつ焼きのアブラと同様に豚のアブラのところを、おでん鍋で煮込んだもの。これまた泡盛にはピッタリのおでん種のひとつです。

 そう言えば、水状になるほどにゆるーく溶いた練り辛子も、この店の特徴。どんなおでん種にもよく絡みます。

 やぁー、よく飲んだ、よく食った。お勘定をお願いすると、皿に残った串の数と、お酒をおかわりするたびに置かれる、小さなタイルを数えて「2,190円です」と計算してくれます。

 ほとんどの人は千円前後の会計となるこの店で、2千円を超える会計というのは異例の高額。まわりのお客さんたちも「おぉーっ、にいさん、よく飲んだなぁ」ってな目でこちらを見るほどの額なのです。

 次はいつ来れるかわかりませんもんね。昔とちっとも変わっていない「あわもり」に大安心しつつ、じっくりと、たっぷりと堪能させていただきました。どうもごちそうさま!

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いわしだんご、たまねぎ / 泡盛 / あぶら

店情報前回

《平成20(2008)年1月25日(金)の記録》

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鳥屋、日本酒、うどん … おでん「あわもり」(呉・広)

カウンター内のおでん鍋


 就職してすぐ、独身時代の6年間を過ごした呉(くれ)の町。その呉にあるおでん屋、「あわもり」に来ています。

 松山(愛媛県)の高校を卒業し、博多で6年間を過ごしたあとの、呉の町。博多の印象が焼き鳥、焼酎、ラーメンだったのに対して、こちら呉の印象は鳥屋、日本酒、うどんです。

 鳥屋(とりや)は、言ってみれば焼き鳥屋なんですが、店内には生簀(いけす)があって、新鮮な魚介類を食べることができるのです。ここで地元の人たちがハゲと呼ぶ、カワハギの活作りを造ってもらったり、メバルを煮付けてもらったり、オコゼを唐揚げにしてもらったりしながら、おいしい日本酒に舌鼓を打ったものです。(鳥屋についてはこちらの記事もどうぞ。)

 博多にいるころは、主たる飲物は焼酎(芋焼酎「白波」)のお湯割りだったのですが、こちら広島にやってくると、ほとんどの人たちは日本酒を飲んでいました。なにしろ酒都(しゅと)と呼ばれる西条もすぐ近くにあるし、呉市内にも「千福」がありますからねぇ。今日、ここ「あわもり」でいただいている日本酒も、西条で造られた「西条鶴(さいじょうづる)」です。

 うどんについては、先日も書いたとおり、実は博多のうどんも特徴的で、噛まないでも飲み込めるほどトロトロに煮込んだ太い麺。ごぼう天や丸天を載せて食べるのがおいしいうどんです。

天玉うどん(呉) 一方、こちら呉は、おいしい出汁によく絡む細い麺。博多の太い麺とは対照的です。これに、カリッと上がったかき揚げ天をのせて、生卵を落としていただくのが定番で、こちらにいるときには、昼の弁当を食べた後、毎日のように社員食堂の天玉うどんを食べていたことを思い出します。今日の昼食も天玉うどんをいただきました。

 博多、呉を経て、東京に転勤したのですが、その東京の印象は、もつ焼き、チューハイ、そば、かなぁ。

 さて「あわもり」。ここのおでんは、十数品あるネタのすべてが1品90円。それぞれ串に刺されていて、お勘定の時には串の数で計算します。

 メニューにはロールキャベツもあるんだけど、ロールキャベツも90円って、本当かなぁ。さっそく注文してみると、串には小さなロールキャベツがふたつ。でも、中の具もしっかりとしていて、ちゃんとしたロールキャベツです。

 御酒(燗酒、200円)をおかわりして、じゃが芋をもらうと、小ぶりのじゃが芋ながら、丸ごとのが串に4個。壁に張り出されたメニューには、じゃが芋は載っていないのですが、となりの人が食べていておいしそうなので注文したのでした。

 カウンターの中には、入口側と奥側に、それぞれ1個ずつ、おでん鍋があるのですが、今は入口側のものしか使っておらず、奥の鍋は休止中のようです。

 客層は圧倒的に仕事帰りらしきお父さんたちが多いのですが、スーツ姿の人はほとんどいない。私も、今日は出張で来てるのでスーツ姿ですが、ここに住んでたころは、普段着(ジーンズにジャンパーなど)で会社に行ってましたからねぇ。

 ひとり客が多いんだけど、それぞれ常連さんのようで、店の中に入ってくると「ヨッ」なんて挨拶を交わしながら席に座っています。席を立って帰る人のお勘定は、みなさん千円前後。なにしろ、おでん90円に、泡盛は160円なので、けっこう飲み食いしても、なかなか千円に届かないのです。

 そして、席が空いたと思うと、すぐに次の人が入ってきて、満席状態が途切れることがありません。

 続いて、これまた「なんだろうなぁ??」と思いながら注文してみたのは、あいがも。

 出てきたのは、両側に肉だんごがあって、間に櫛切りの玉ねぎを挟んだおでんです。なるほど、合鴨のつくねなんですね。

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ロールキャベツ / じゃがいも / あいがも

店情報前回) (つづく

《平成20(2008)年1月25日(金)の記録》

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かわ、きも、すじにく … おでん「あわもり」(呉・広)

かわ、きも、すじにく


「小瓶のビールに、皮と肝、それとスジ肉をお願いします」

 今日は呉の「あわもり」にやって来ました。この町で暮らしていたのは今から20年ほど前のこと。独身寮から程近いこの酒場に、友人たちとしょっちゅう飲みに来ていたのです。

 店主夫妻ふたりで切り盛りする、この店の料理はおでん(1品90円均一)のみ。飲み物も、店名にもなっている泡盛(160円)のほかは、日本酒(200円)と瓶ビール(大500円、小350円)に、ソフトドリンク(150円)のみというシンプルさ。それにもかかわらず、カウンターのみ20席ほどの店内は夜な夜な満席状態が途切れないのです。

 今日も、店に着いた午後6時には店内は満席。ちょっと考えた店主が、カウンターのお客さんたちに、ちょっとずつずれるように指示してくれて、かろうじて1席分の空間が出現したのでした。その空間に、カウンターの背後に何個か置かれている椅子のひとつを持ってきて、両側に「すみません。ありがとうございます」と挨拶しながら間に入れてもらって、冒頭の注文をしたのでした。

 おかみさんがコップを用意してくれて、店主が小瓶のビールを抜いてくれて、右どなりのお客さんが醤油と爪楊枝をこちらに押しやってくれて、左どなりのお客さんが、ゆるめに溶いた練り芥子をこちらにまわしてくれてと、みんなに動いてもらって大恐縮です。

 注文したおでん3品は、それぞれこの店の名物。丸くて、ある程度深みのある大鍋にたっぷりと煮込まれているおでんの中から、注文した品を丸皿に取り分けてくれます。

 皮は、豚の皮。朝からじっくりと時間を掛けて下ごしらえをするという豚の皮は、弾力感と、コラーゲンのねっとり感の絶妙なバランス。生まれてこの方、この店でしか味わったことのない一品なのです。

 肝も、豚の肝で、2~3センチ角くらいにカットしたレバーを串に刺し、おでん鍋で煮込んだものです。レバ刺しや、レバのもつ焼きはよく食べるのですが、レバのおでんというのは、これまたこの店でしか食べたことがありません。

 スジ肉は、文字通りスジ肉なんですが、噛み締めるとコリッ、コリッと音がするほど、しっかりとした噛み心地。もつ焼きの軟骨と比べても遜色ないほどです。(軟らかいのが好きな人は「スジの軟らかいの」とお願いすれば、軟らかい部分を取り出してくれるようです。)

 こうやって3品を食べている間にも、新たなお客さんが次々にやってきますが、店主が「ごめん。満席」と断っています。普段でもいっぱいなのに、金曜日ですからねぇ。

 私も飲み物をお酒(西条鶴、200円)に切り換えて、次なるおでんは厚揚げと玉子です。

 「お酒」と頼んだだけで燗酒が出されるところがありがたいですねぇ。燗酒は鍋で湯煎されたものがポットに入れられていて、それをコップすりきりに注いでくれます。

 おでん2品(厚揚げ、玉子)は、特に名物というわけではなくて、とても懐かしい名物3品を食べて、ひと安心したところで、ちょいと腹ごしらえしようという注文です。

 まわりの人たちはと見ると、だいたい、おでんを3~4品をちびちびとやりながら、飲み物を2~3杯飲もうかというペースのようです。

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のれん / かわ、きも、すじにく / あつあげ、たまご、日本酒(燗)

店情報前回)(つづく

《平成20(2008)年1月25日(金)の記録》

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店情報: おでん「あわもり」(呉・広)

【2011年3月31日閉店】

    あわもり
  • 店名: あわもり(「泡盛」と漢字表記されている看板もある)
  • 電話: 0823-73-2597
  • 住所: 737-0125 広島県呉市広本町1-1-4
  • 営業: 16:00-21:00、日祝休
  • 場所: JR呉線広駅または新広駅から徒歩約10分。ちょうど両駅の中間あたりにある、広(ひろ)交差点の長浜(ながはま)側道路沿い。
  • メモ: 昭和28(1953)年創業。つまみはおでんのみで、すじにく、かわ、あつあげ、こんにゃく、ひらてん、ぼうてん、かまぼこ、きも、たまご、あいがも、たまねぎ、ロールキャベツ、ねぎま、ウインナー、いわしだんご、などが、すべて1串90円。特に、かわ、きもは他ではあまりお目にかからない逸品。飲み物は店名のとおり泡盛(160円)が名物。梅酒をちょっと加えて飲む。他にキリンラガー小瓶350円、大瓶500円、御酒(日本酒)200円。(2008年1月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (02.09.13)(95.10.29)

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シメは博多ラーメンで … らーめん「一華亭(いっかてい)」(博多)

らーめん


 博多でのシメは、やっぱりラーメンでしょう!

 本当は長浜や中洲の屋台などに出かけていくと、より本場っぽいのでしょうが、すでに午後11時も回っているし、明日の朝も早いので、今日はこの近く(博多駅近辺)にしましょう。

 あらかじめ、ネットで検索してあたりをつけておいたラーメン屋は、戦国焼鳥「家康」からも程近いところにある、博多らーめん「一華亭」です。

 正方形に近い形の店内は、厨房を囲むようにL字カウンターのみ15席ほど。月曜、深夜にもかかわらず、店内はほぼ満席状態。2組の2人連れの間に、谷間のようにかろうじて空いていた1席にすべり込みます。

 店は比較的若い(おじさんではない)おにいさんが、ひとりで切り盛りしている様子。

 厨房のどまんなかに、デーンと焼き鳥用の焼き台があって、メニューにも「やきとり100円」と出ています。やきとりは、バラ、せせり、ずり、皮、つくね、げそ、手羽、ウインナーの8種類。

 酒の肴になりそうなメニューは、このやきとりと、あとは餃子(400円)くらい。

 飲み物は瓶と生のビール(各500円)のほか、日本酒、焼酎(各300円)もそろっています。パッと見わたしてみると、お客の半分くらいは、まるで普通の居酒屋のように飲みながら話をしているようです。

 うーむ。もうちょっと軽めのつまみを置いておいてもらえると、最後にもうひと飲みしやすいんだけどなぁ。ねぎチャーシューとか、酢豚(=チャーシューに酢をかけたもの)とか、メンマとか。ラーメンへのトッピング用に置かれている、サービスの紅ショウガや辛子高菜をつまみにするというのも、ちょっとねぇ。

 仕方ない。今日はラーメンだけいただいて、シメにしますか。

 ラーメンのほうはというと、基本のラーメン(600円)に加えて、大盛ラーメン、ねぎ山ラーメンがそれぞれ700円で、その他にはチャンポン(700円)があるだけというシンプルさ。逆に、これだけシンプルな中にチャンポンが加わっているところが面白いとも言えますね。

 かなりチャンポンに引かれつつも、ここは素直にラーメンを選択します。

 博多のラーメンらしく、あまり待つこともなく出されたラーメンは、豚骨スープに細麺、トッピングはネギにキクラゲ、チャーシューです。まずはズズッとそのまま麺をすすってみると、思いのほかヤワ麺。豚骨スープも比較的アッサリ目に感じます。日ごろ、「御天」のラーメンを食べなれてるからかなぁ。

 カウンター上には、粒ゴマと、すりゴマ、紅ショウガに辛子高菜があるのですが、なぜかニンニクがない。豚骨ラーメンに、ニンニクを入れて食べるのが好きなのに、ちょっと残念です。代わりに辛子高菜をちょいと入れて、ピリッと辛味を加えた状態でいただきます。

 夜も遅いので替玉(100円)はせずに終了。お勘定は600円でした。

 なお、メニューにはありませんが、この店では焼きラーメンもできるようでした。

 到着時の、ごぼう天うどんにはじまり、福岡流の焼き鳥を楽しんで、ラーメンでしめたプチ博多ツアーでした。懐かしさもあって、ときどき来たい街ですよねぇ。

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年季の入ったのれん / 壁のメニュー / カウンター内の焼き台

店情報

《平成20(2008)年1月21日(月)の記録》

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店情報: らーめん「一華亭(いっかてい)」(博多)

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  • 店名: 博多らーめん「一華亭」
  • 電話: 092-481-0228
  • 住所: 812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1-11-15
  • 営業: 11:00-14:00 & 19:30-01:00(日祝は夜のみ)、無休
  • 場所: JR博多駅博多口を出て、右前方に伸びる大博通りを進むこと約6分(300mほど)。「博多区役所入口」信号交差点を右折して2分(100m)ほど進んだ右手前角。左手には公園がある。
  • メモ: らーめん600、替玉100、大盛らーめん700、ねぎ山らーめん700、ちゃんぽん700、餃子400、やきとり(バラ、せせり、ずり、皮、つくね、げそ、手羽、ウインナー)各100、ウーロン茶100、日本酒300、焼酎300、グラスビール400、生ビール500、瓶ビール500。(2008年1月調べ)

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懐かしき黒じょか焼酎 … 焼き鳥「家康(いえやす)」(博多)

トン足と黒じょか焼酎


 久しぶりの博多への出張で、学生時代によく行っていた戦国焼鳥「家康」にやってきています。

 瓶ビールとともに注文した焼き鳥は、「福岡流」の、串に刺した肉の間に生玉ねぎがはさまれたスタイル。毎朝7時から、福岡市城南区にある、戦国焼鳥「家康」のセントラルキッチンで、全店舗分を手作りで串刺ししているんだとか。間に玉ねぎが入っているのは、冷凍ものでない証拠でもあるんだそうです。

 さぁそして、「家康」と言えばもうひとつ忘れてはならないのが、黒じょか(焼酎を直燗(じかかん)するための酒器)で出される焼酎の湯割り。昔は銘柄なんて書いてなかった(デフォルトで「白波」だった)ように思うのですが、今は芋焼酎が「霧島」と「黒霧島」、麦焼酎が「麦飯石」、米焼酎が「花懐石」、さらに蕎麦焼酎が「そば作」と、5種類の中から選べるようになっていて、それぞれ368円。お湯割りのみならず、ロックやストレートでもらうこともできるようです。

 今回は「黒霧島」をお湯割りでもらうことにします。

 注文と同時に、焼き台の端っこに置かれる黒じょか。しかしそれも1分程度。すぐにその黒じょかに、壁際の燗づけ器から、焼酎の湯割りが注がれ、「お待たせしました」と出されます。

 なるほどなぁ。燗は別につけておいて、それを冷めないように温めた黒じょかに入れて出してくれる、という仕組みなんですね。

 昔はもっと大きな黒じょかが常に焼き台の端っこにのっかっていて、お湯割りを注文すると、その黒じょかからコップに注いでくれたような記憶があるのですが、もしかすると、昔からこのスタイルだったのかもなぁ。

 でも、この黒じょか1つ(368円)に、コップ2杯分ほどの焼酎が入ってるのはうれしいですね。

 さらにもうひとつ、これまた「福岡流」かもしれないのがトン足(210円)です。注文すると、丸1個分の豚足がドンと焼き台の上に置かれて、ゆっくりと塩焼きで焼きあげられていきます。焼きあがったところで、バラバラにさばいて、お皿に盛り、新しいお手拭きとともに出してくれるのです。

 新しいお手拭きが出されるのは「どうぞ手づかみで食べてください」ということ。ワシッと手づかみにして、他の塩焼きの焼き鳥同様に、キャベツの酸っぱいタレをつけながらいただきます。

 やぁ、この味、この味。豚足はこうでなくっちゃ。

 温めたことで皮のあたりの脂分もジュワッと唇にまとわりつきます。それをクイッと焼酎の湯割りで流すのです。

 長年、こういう豚足に慣れ親しんできたので、就職してからよその土地で、茹でさました冷たい豚足に酢味噌をつけて食べたときは驚いたものでした。(今では、そのスタイルも好きですが…。)

 3階建てのこの店は、各フロアがそれぞれ独立した別の店舗になっているようです。ここ1階が第14号店でカウンターとテーブル席、2階が第15号店でカウンターと座敷席、そして3階が予約専用の第16号店で座敷のみ。ただし、入口は同じなので、まずはみなさんこの店に入ってくる。すると、ねじり鉢巻の店長が「いらっしゃいませー」と挨拶をしながら、人数と希望に応じて1階に招き入れたり、2階に案内したりするのです。

 この店長が鼻髭に、低い位置で捩り鉢巻きと、見た目はかなり怖いのですが、次々とやってくるお客さんへの気配りも素晴らしく、実に居心地がいいのです。その店長をサポートしているのは、中国人らしき若い男女ふたり。店長の一所懸命さが彼らにも伝播しているようで、お客さんと接する態度も気持ちいい。

 そんな心地よさにどっぷりとひたりながら、黒じょかもおかわりして午後11時過ぎまで。ゆっくりと1時間半ほどの滞在は、ビール大瓶+黒じょか2つに、焼き鳥6本+トン足で1,840円と、お勘定もまた昔のとおり安いのです。

「ありがとうございましたーっ!」 ドーン、ドーン

 打ち鳴らされる太鼓の音に見送られながら、店を後にします。思い出として美化されていたわけではなくて、本当にいいお店だったんですねぇ。なんだかとっても嬉しいなぁ。

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焼き台の黒じょか / トン足は焼き台で炙って / さばいてくれる

店情報前編はこちら

《平成20(2008)年1月21日(月)の記録》

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我が呑兵衛道の出発点 … 焼き鳥「家康(いえやす)」(博多)

福岡流の焼き鳥


 博多で過ごした学生時代。大学に入学するなり「新歓コンパ」で薩摩焼酎「白波」のお湯割りをしこたま飲まされて、それまでほとんどお酒を飲んだことがなかった私は、あえなく撃沈。その後も、飲んでは撃沈、飲んでは撃沈を繰り返しながら、ふと気がつくと、いつの間にやら立派な(?)呑ん兵衛へと成長していたのでした。

 そんな学生時代にしょっちゅう行っていたのが、大学のすぐ近くにあった戦国焼鳥「家康」です。

 みなさん意外に思うかもしれませんが、実は福岡県は、日本一の焼き鳥県なのです。

 市のレベルで、単位人口あたりの焼き鳥屋の数を比較すると、第1位:東松山市(全国平均の4.2倍)、第2位:室蘭市(4.0倍)、第3位:久留米市(3.6倍)、第4位:今治市(2.2倍)、第5位:福島市(0.9倍)と、みなさんもよくご存知の焼き鳥タウンが名を連ねてきます。しかしながら、第5位ですでに全国平均(1.9軒/万人)を下回ってるというのも、おもしろい結果ですね。5位以下はドングリの背比べ状態で、上位4市で平均を引き上げているという構図が見てとれます。

 これをもうちょっと広範囲にして、県のレベルで見てみると、第1位:福岡県(2.3倍)、第2位:佐賀県(2.0倍)、第3位:宮崎県(1.7倍)、第4位:長崎県(1.6倍)、第5位:東京都(1.5倍)と、上位5県中4県に九州勢が名を連ねています。ちなみに熊本県が第6位(1.3倍)、大分県が第8位(1.3倍)、鹿児島県が第11位(1.2倍)なので、なんと、全国11位までに九州7県がすべて入るという検討ぶり。九州って、焼き鳥アイランドなんですね。(統計は「都道府県別統計とランキングで見る県民性」より)

 さて「家康」。

 店に入ると同時に「いらっしゃいませぇーっ!」という大きな声とともに「ドーンドーン」と打ち鳴らされる太鼓。座るとすぐに出される、お酢のかかった食べ放題のキャベツ。肉の間に玉ねぎ片がはさまれた焼き鳥。「福岡流」とも言われているこの焼き鳥屋のスタイルは、この「家康」をはじめとして、「信秀」「信長」という、それぞれ戦国武将の名を冠した3軒が昭和30年代半ばに出現したことによって確立されていったのだそうです。(出典:「九州の経済誌フォーNET」)

 博多では、ほぼどの焼き鳥屋もこういうスタイル(さすがに太鼓はないですが…)で、私自身、焼き鳥屋とはそういうもんなんだと思い込んでいました。大学を卒業して他の土地に行ってはじめて、それが福岡独自のスタイルであったことに気がついたような次第です。

 久しぶりに博多にやって来た今日は、これまた久しぶりにその戦国焼鳥「家康」で飲んでみようと思っているのです。博多の街には卒業後にも何度かやってきていますが、「家康」は卒業以来初めてだなぁ。ということは25年ぶりということか。

 戦国焼鳥「家康」は昭和37(1962)年の創業。現在は直営で12店舗を経営するチェーン店です。本当は学生時代に行っていた第20号店(福岡市東区箱崎)が望ましいのですが、すでに午後9時半も回っていますので、今日は博多駅近くのホテルからも程近い「家康」第14号店にします。「家康」の各店舗は、こうやって番号で呼ばれているのです。抜けた番号がけっこうあるところを見ると、最盛期には今よりもたくさん店舗があったんですね。

「おひとりさん。はいっ、いらっしゃいっ。どちらでもどうぞ!」

 店に入るなり、ねじり鉢巻の店主から元気よく声がかかります。

 店内は向かいあわせ2列に長い焼き台を、コの字型のカウンターが取り囲み、そのまわりにテーブル席が並びます。月曜日、午後9時半過ぎの店内は、ゆったりと3割り程度の入り。

 そのカウンターの一角に腰をおろすと、すぐに出されるお絞りと、ざく切りキャベツの大皿。お酢がかかっているという記憶があったんですが、柑橘系のノンオイル・ドレッシングなんですね。

 まずは瓶ビール(キリンラガービール大瓶、523円)をもらってひと息ついて、いよいよ焼き鳥の注文です。

 ここ「家康」は昔から焼き鳥の値段が安くて、学生時代(25~30年ほど前)には、キモ(レバー)やハツが、たしか1本30円だったと思います。そのレバーとハツを1本ずつもらって、焼酎を1杯飲むとちょうど200円ほど。これで食べ放題のキャベツをたくさん食べながら飲んだものでした。

 さて今は、と見てみると、キモやハツは1本53円。値上がりしてるとはいえ、相変わらず安いですねぇ! そのキモ、ハツに加えて、鶏かわ(63円)、砂ずり(63円)、豚バラ(63円)、牛さがり(84円)と、学生時代には考えられないような、一挙に6本注文の大贅沢。この6本だけで合計379円と、すでに学生時代の飲み代総額(200円)をはるかに越えちゃってますもの!(笑)

 味付けは特に指定せずに注文すると「キモ、カワはどちら?」と店のおにいさん。他は自動的に塩焼きってことですね。「福岡流」の焼き鳥は、基本は塩焼きなのです。キモ、カワも塩焼きでもいいのですが、ちょっとタレ焼きも食べてみたいので「タレでお願いします」と答えます。

 それにしても、この焼き鳥の呼び方自体も「福岡流」で懐かしいなぁ。砂ずりは砂肝のこと、牛さがりはハラミです。さらにここ「家康」では、焼き鳥にまで武将などの名前が付けられているのです。キモは家康、ハツは秀吉、鶏かわは本能寺、白モツは秀吉、そして砂ずりは千姫などなど。これも昔から変わってないなぁ。

 すぐ横の壁には「伝統のお召し上がり方」と書かれたポスターがあり、「塩焼きの焼鳥はタレをつけて食すべし。その味、至福の旨さなり」と書かれていて、キャベツと一緒に出されるタレ(柑橘系のノンオイル・ドレッシング)につけて食べている写真が添えられています。横浜で塩焼きの焼き鳥にニンニク味噌をつけて食べるのが当たり前なのと同じように、ここ博多では酸っぱいタレをつけて食べるのが当たり前なんですね。こうやって食べるとさっぱりとして、いくらでも食べられそうです。

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焼き台の様子 / 焼き鳥 / 壁のメニュー

店情報後編につづく

《平成20(2008)年1月21日(月)の記録》

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店情報: 焼き鳥「家康(いえやす)」(博多)

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  • 店名: 戦国焼鳥「家康」14号店
  • 電話: 092-851-0061(本部)、092-851-0032(予約)
  • 住所: 812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2-5-1
  • 営業: 17:00-01:00、無休(元日のみ休み)
  • 場所: JR博多駅博多口を出て、やや左前方の「博多駅(博多口)」信号交差点を向こうに渡り、直進。次の信号交差点「博多駅前2丁目」を右折した左側。駅から徒歩5~6分ほど。
  • メモ: 昭和37(1962)年創業。2008年現在、直営で12店舗を経営するチェーン店。公式サイトあり。
    おすすめコース:店長おすすめコース(13本)1,155~1,260、店長おまかせコース(5本)420~525。
    焼とり:キモ(家康)53、ハツ(秀吉)53、鶏かわ(本能寺)63、白モツ(秀吉)63、砂ずり(千姫)63、鶏四つ身(那須与一)63、豚バラ(加藤清正)63、たん串((串)信長)84、牛さがり84、牛バラ(弁慶)84、手羽先(鶏)105、腸詰(シャウエッセン)105、つくね(肉だんご)126、うずら卵((玉)モンロー)126、たん・軟骨158、トン足(服部半蔵)210、軟骨(つくねなんこつ)210、舌てき(切り目入り)210、牛丸腸263、骨付肉(カルビー)368。
    海鮮串:いか身(水軍)63、いか足(ゲソ)63、赤エビ(極上小エビ)105、ししゃも(柳葉魚)137、あげ巻(おいらん)210、貝柱189、車エビ(静御前)315。
    野菜串他:ピーマン(青坊主)53、玉ねぎ(半月切り焼)63、ネブカ(白ネギ)63、なすび(ナス)63、厚あげ(トーフ)105、ジャガイモ(いも侍)105、生しいたけ(陣笠)105、生にんにく焼き105、銀杏の果実(ギンナン)126、焼おにぎり(妬ける、ネー)126、コーン(スイート)158、トマトスライス158。
    巻物串:しそ巻210、エノキ巻210、アスパラ巻210、にんにく芽巻210、白ネギ巻210、ししとう・つくね巻210、ししとう・軟骨巻210、つくね巻210、ピーマン子ぶくろ巻210。
    ビール・酒:キリンラガービール大瓶(泡)523、生ビール中(夏之陣)578、ビールテイスト飲料294、地酒・一番槍(燗・冷や・ロック)420、冷酒(地酒・若の寿)630、にごり酒(地酒・富の寿)473。
    酎ハイ類(宝焼酎マイルド25度使用):レモンサワー(レモンジュース割り)368、カルピスサワー(初恋の味)368、ライムサワー(ライムジュース割り)368、ルビーサワー(ざくろジュース割り)368、酎ハイ(炭酸ソーダ割り)368、ウーロンハイ(烏龍茶割り)368、オールW(焼酎の量がWで各種オール)473。
    ソフトドリンク:キリンウーロン茶210、キリンオレンジ210、キリンレモン210、コーラ(黒潮)210、カルピスジュース210、ウーロン茶2L1本売り630、天然水2L1本売り630。
    焼酎:霧島(いも焼酎)368、黒霧島(黒麹仕込いも焼酎)368、麦飯石(むぎ焼酎)368、花懐石(こめ焼酎)368、そば作(そば焼酎)368、お湯割り・ロック・ストレート各種368、天然水割り各種473、五合瓶(霧島、黒霧島、ほ(むぎ焼酎))各2,625。
    その他:梅酒(ロック・サワー)473、ワイン(白・ロゼ)473、マルチワイン420、ブルーベリーワイン420、ツードッグス(レモン・グレープフルーツ)473。
    お茶漬け:のり茶漬け368、うめ茶漬け420、しゃけ茶漬け525、明太茶漬け525。
    団体予約(お酒と焼き鳥でひとり当たり2,625~3,150。予約センター:092-851-0032)(2008年1月調べ)

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博多名物の共通点とは … うどん「因幡うどん(いなばうどん)」(博多)

ごぼう天うどん、いなり寿司


 久しぶりに博多への出張です。同行者たちとの待ち合わせは正午に博多駅。その30分ほど前に博多駅に到着し、腹ごしらえに向かったのは駅ビル内にある「因幡うどん」です。

 博多と言えばラーメンが有名ですが、実はうどんのほうが古くからの名物。博多駅近くの承天寺というお寺には「饂飩・蕎麦の発祥の碑」も建っていて、日本におけるうどん・そばの発祥の地と言われているのです。

 それだけに、うどん屋さんもたくさんあって、たとえば「かろのうろん」や「みやけうどん」などは全国区と言ってもいいほどの有名店だし、今回やってきた「因幡うどん」や、同じ博多駅構内にある「大福うどん」などは、博多駅に到着するなり食べることのできる博多うどんとして知られています。さらには「ウェスト」や「牧のうどん」などのように大々的にチェーン展開している店もあるほどなのです。博多で過ごした学生時代、下宿のすぐ近くに年中無休・24時間営業の「ウェスト」があって、飲んだ帰りなどにしょっちゅう食べていたことを思い出します。

 博多うどんの特徴は、あっさりとした出汁と、トロトロと軟らかく煮込まれた太めの麺。一方の雄、長浜ラーメンが、こってりとした出汁、しゃっきりとした硬麺が特徴なのと比べると、まるで正反対のような性格を持った博多名物なのです。

「いらっしゃいませ。奥のテーブルでご相席お願いします。コートはお預かりいたします」

 入口でスタンバイしているおねえさんが、テーブル席だけが並ぶ店内の1卓に案内しれくれます。各テーブル上には、丼に盛られた刻みネギと、小鉢に盛られた一味唐辛子が並んでおり、どちらも自分の好きなだけ入れていいのです。これは「因幡うどん」に限らず、博多のうどん屋はどの店もそうなのではないでしょうか。

 いろいろなうどんが並ぶ中、博多に来たらぜひ食べたいのが、ごぼう天うどん(420円)か、丸天うどん(400円)。今日は、ごぼう天うどんに、いなり寿司(3個1皿で210円)を注文します。

 注文を受けたおねえさんは、奥の厨房に向かって「いっちょーっ!」と一声。あっと言う間に用意されたうどんに、ごぼう天をのせ、いなり寿司とともに席に持ってきてくれます。いやぁ、相変わらずすごい速さですねぇ!

 まるで正反対のような長浜ラーメンと博多うどんながら、共通するのはこの速さ。せっかちな博多っ子のために、細いストレート麺を採用することで麺の茹で時間を短くする手法を採ったのが長浜ラーメンならば、あらかじめ釜の中に茹で置きされている麺をサッと出すことで茹で時間を事実上なくしたのが博多うどん。その副産物(?)として、かたやカタ麺、こなたヤワ麺となったもののようです。

 この店のごぼう天うどんは、斜めにスライスしたごぼうを、かき揚げ天ぷらにしたもの。テーブル上の刻みネギをたっぷりと入れて、唐辛子もちょいちょいと。そして、ごぼう天を箸でグッと押し沈めてやると、ふわりと溶け出すかき揚げの衣。こうやって汁に溶けた揚げ玉がまた美味しいのです。

 ごぼう天は、店によっては、笹がきに切ったものをかき揚げにしていたり、短冊状に切ったもの1つ1つに衣を付けて天ぷらにしていたりと、いろんなスタイルがありますが、ごぼう天うどんがメニューにない博多のうどん屋はないのではないでしょうか。

 丸天うどんというのは、うどんの上に丸い薩摩揚げをのせたもの。丸のままのっかっているのが標準ですが、店によっては食べやすいようにスライスしてくれたりしています。

 噛まないでも飲み込めるほどに軟らかいうどんだからこそ、ごぼうのシャキッとした食感や、丸天のしっかりとした弾力感が活きてくるのかもしれませんね。

 サイドメニューとして、今いただいている、いなり寿司(3個1皿で210円)の他に、かしわにぎり(2個1皿で200円)と、ばらずし(1皿280円)があるのですが、まわりを見渡してみたところ、人気があるのは、ばらずし(=ちらし寿司)のようです。錦糸玉子などものっていて、見た目にきれいなところも人気の理由なのでしょうか。

 店に入ってから、ものの10分ほどで食べ終えて、お勘定は650円。うまさに加えて、このスピード感も博多うどんや長浜ラーメンのいいところですよねぇ。どうもごちそうさま!

 あれっ!? 「居酒屋礼賛」なのに、お酒の話がないまま終わっちゃいました。ここ「因幡うどん」には酒類のメニューはありません。それどころか、たいていの博多のうどん屋には、酒類は置いてなかったような気がするなぁ…。ごめんなさい……。

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ごぼう天うどん / いなり / 店外のショーケース

店情報

《平成20(2008)年1月21日(月)の記録》

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店情報: うどん「因幡うどん(いなばうどん)」(博多)

  • 店名: 因幡うどん 博多デイトス店
  • 電話: 092-441-7851
  • 住所: 812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1
    (博多駅筑紫口・博多デイトスB1F(博多のごはん処))
  • 営業: 07:00-22:00、無休
  • 場所: JR博多駅筑紫口の駅ビル・デイトスB1Fの「博多のごはん処」の中の1軒。博多口B1Fの、博多一番街にも「因幡うどん 博多一番街店」があり、メニューはほぼ同じ。
  • メモ: 昭和26(1951)年に天神交差点近くの因幡町商店街で創業。店名は、その地名から。現在は市内に4店舗を構えている。
    〔温かい博多の太うどん又はそば〕ごぼう天(かき揚げ)480、えび天(かき揚げ)480、芋天480、肉うどん590、具うどん(おかめ)590、梅あおさ590、山掛け590、丸天(すり身揚げ)450、きつね450、わかめ450、たぬき(揚げ玉とかまぼこ)450、昆布(おぼろ昆布)450、玉子450、半熟玉子480、鍋焼きうどん750、鍋焼きうどん定食50、すき焼きうどん定食850。(麺大盛は+150)
    〔2個めからの追加トッピング〕丸天50、きつね50、わかめ50、玉子50、昆布50、ごぼう天80、えび天80、芋天80、半熟玉子80。
    〔つめたいうどん・そば(辛口そばだしも選べる。太うどんは20円引き)〕別製ざる蕎麦580、ざる細うどん580、納豆そば・細うどん680、冷やしたぬきそば・細うどん680、冷やし温玉たぬきそば・細うどん760、山かけざるそば・細うどん790、おろしそば・細うどん680、(夏季限定)冷やし麦560。(麺大盛は+150)
    〔ご飯〕かしわ飯おにぎり(2個)220・(1個)110、いなり寿司(3個)220・(2個)150、ばら寿司(1皿)300・(平皿少量)160。
    〔つまみ〕熱々天ぷら盛合わせ(海老2尾と野菜盛り)500、ぷりぷり小海老の天ぷら(むき小海老の天ぷら、塩でどうぞ)450、肉豆腐(ぐつぐつ豆腐に玉子を付けて)450、熱々揚げ出し豆腐(少々お時間かかります)280、自家製ベーコンエッグ(自慢のベーコンと玉子1個)280、だし巻き(蕎麦屋のだしのだし巻)380、板わさ(なんと!丸々1本)280、熱々ポテトフライ(美味しい皮付き大き目カット)180、茶豆(ご存じ美味しい枝豆です)180、冷やしとまと(野菜不足に)180、冷奴(定番)160、博多名物・丸天のあぶり(熱々を醤油と生姜でどうぞ)200。
    〔飲み物〕◇ビール(キリン一番搾り):生ビールジョッキ450、生ビールグラス380、瓶ビール(小瓶)380、キリンフリー(ノンアルコール)380。
    ◇日本酒(「黒松白鹿」正一合):冷酒(吟醸生)400、燗(上撰本醸造)400。
    ◇焼酎:麦「白水」280、芋「さつま木挽」280。
    ◇ソフトドリンク:キリンレモン250、ウーロン茶250。(2016年2月調べ)

    うどんは、わかめ400、いも天400、玉子400、たぬき400、きつね400、丸天400、ごぼう天420、えび天420、昆布400、山かけ580、肉うどん530、具うどん530、鍋焼650など。かしわにぎり2個200、いなり3個210、ばらずし280など。そば(ざる500、おろし600など)もあり。(2008年1月調べ)

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海鼠・帆立・蟹・雲丹 … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

海鼠腸(中央)


 酒の肴として昔から愛されてきた塩辛。その塩辛を食べるのは、ひとしきりお腹も膨らんだあと、チビチビだらだらと飲み続けるときだろうと、私自身は思っていたのです。

 ところが、先日、なにかの本を読んでいたところ「塩辛を一番最初に食べるのがいい」と書いてありました。昔から発酵食品(タンパク質が分解されてできるペプチドやアミノ酸)の旨みに慣れ親しんできた日本人は、最初にアミノ酸系の旨みが入ってくると、舌の表面にある味蕾(みらい)が活性化して、その後に入ってくる食べ物の味を感じやすくなるんだといいます。食事の最初に味噌汁で舌を洗うのも、これと同じ効果なんだとか。

『へぇ、そんなこともあるのか。今度、最初に塩辛を食べる、ってのもやってみるか』

 なぁーんて思っていたところへ、今日、「川名」にやってきてみると、日替りのホワイトボードメニューに海鼠腸(このわた、420円)なんてのが並んでいる。海鼠腸と言えば、その字のとおり海鼠(なまこ)の腸(わた)を塩辛にした高級食材。そこらの居酒屋に行くと、お猪口の底のほうに、ちょっとだけ入ったものが800円も900円もするほどのものです。ちょうどいい機会なので、これをもらいましょう。

 しかし、いかに「川名」と言えども、海鼠腸だけでお腹が膨れるほどの量は絶対に出てこないだろうから、もう1品、何かいただいておきましょう。海鼠腸とも釣り合いがとれそうな浜焼きホタテ(252円)にしますか。

 出てきた海鼠腸は、予想どおり器の底のほうにちょびっと。でもその器が、お猪口ではなくて、小鉢というところが、さすが「川名」ですねぇ。

 どろりとした塊に見える海鼠腸を、箸でツンツンとつついて探ると、ツゥーッと長い1本の腸がひっかかります。これを舌の上にのせて、上あごとにギューッと押しつけながら、舌の上、各部になすりつけるようにすると、ドーンと広がる磯の風味と深い旨味。ックゥ~~ッ。素晴らしい!

 が、しかーし。今飲んでいるチューハイ(336円)には、残念ながらまったく合わない。なにしろ、店に入るなり、ホワイトボードメニューを見る前に、このチューハイをたのんじゃいましたからねぇ。店に入ってくるときには、今日はチューハイ+煮込みでいく予定だったのです。海鼠腸がメニューにあるのを見て、急きょ予定を変更しちゃったからなぁ。

 仕方ない。チューハイはチェイサーにしておいて、地酒(黒牛、462円)ももらいましょう。本当はこの「黒牛」の燗酒があるとベストなんですけどねぇ。「黒牛」は冷酒としてしかいただけないのでした。

 さすがに日本酒と塩辛の相性は抜群。酒が肴を、そして肴が酒をと、とても幸せな好循環スパイラルに突入して、フワリと酔いもまわってきます。

 浜焼きホタテは、ホタテの身(貝柱+貝ヒモ)を丸ごと醤油味で煮冷ましたものが10粒ほど。これで252円って、ホント!? これまた日本酒にぴったりです。

「はい。これも食べて」

 と、この時間、店内にいるお客さんたちに振る舞われたのはケジャン(コチュジャンで浸けた塩辛)風のワタリガニ。手に持ってバリバリといただくと、殻の部分も軟らかくなっていて、爪先の部分しか残らないほど。これはチューハイもいけますねぇ。

 さらにもう1品出してくれたのが、なんと粒うに! こりゃ「黒牛」(462円)もおかわりをもらわなきゃ。

 一番最初に塩辛をいただいたら、舌が活性化するかどうかを確かめようとした今回でしたが、たたみ込むように登場する海の幸の先導役を立派につとめてくれたようです。それにしても、お通しのイチゴにはじまって、海鼠腸に、帆立に、蟹に、雲丹。なんと贅沢な「よじかわ」でしょう。

 午後6時まで、ゆっくりと2時間の滞在は1,932円でした。

080120a 080120b 080120c
イチゴとチューハイ / 海鼠腸(このわた) / 浜焼きホタテ

080120d 080120e 080120f
ワタリガニ / 和歌山の地酒「黒牛」 / 粒うに

店情報前回

《平成20(2008)年1月20日(日)の記録》

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豚ぷらつまみに一級酒 … 大衆酒場「佐原屋(さわらや)」(御徒町)

店内の様子


 御徒町(おかちまち)にやってきました。この駅のまわりには、私が行ったことがあるお店だけでも「槇島商店」や「味の笛本店」などの立ち飲み屋がずらりと並んでいる他、北にはアメ横が、西には上野広小路から湯島にかけての酒場もあって、呑ん兵衛のアクセス開始駅としてもいいのです。

 そんな御徒町駅のガード下にあるのが、昭和22(1947)年創業の老舗大衆酒場「佐原屋本店」です。入口は狭いものの、中は意外と奥行きがあって広い。

 店内は、ちょっと変形のコの字型カウンターだけですが、普通のコの字型カウンターと違うのは、コの字の内側にお客さんが座るというところ。うなぎの寝床のように奥に伸びた店内の左右と奥に、それぞれ壁に向かって座るカウンターがあるのです。

 入口から見て、左手奥は厨房スペースになっていて、その部分だけはコの字カウンターが途切れているため、実際の形状は、左右が逆の「リ」(上が入口側)のような形ですね。短いカウンターの部分は、お客が少ない間は荷物置き場として使われているようです。

 カウンターの中(つまりカウンターと壁のすき間)には、人が行き来できる空間があり、そこに女将母娘が入り、ふたりでカウンター内を取り仕切っています。コの字の内側、ホール部分には女性がひとりいて、厨房でできあがる料理を運んでくれます。そして厨房の中には男性と女性がひとりずつ。全体としては5人で切り盛りしているようです。

もっと面白いのは天井。屋形船の天井のように真ん中が高くなっていて、その高くなった真ん中に、店の入口から奥まで、ずらりと蛍光灯が並んでいるのです。こんな造りの店は、ほかに見たことがないなぁ。

 カウンターの前にずらりと並んだ椅子は、昔懐かしき木製の丸椅子。お客さんたちが足を乗せる、カウンター下のレンガは、擦り切れて小さくなっていて、店の歴史を感じます。

 そのカウンターの奥のほうに陣取り、まずは小瓶のビール(サッポロ黒ラベル小、300円)をもらって、名物のひとつ、湯豆腐(200円)を注文します。

 注文を受けてからレンジでチンして作る湯豆腐は、揚玉と鰹節をトッピングした「佐原屋」独自のスタイル。冷奴をレンジでチンすると湯豆腐になるんですね! 今度、単身赴任寮でもやってみよっと。

 小瓶のビールは、小ぶりのグラスに3杯分程度。飲み始めの喉潤しにちょうどいいくらいの分量です。そのビールを飲み干して、メニューに「一級酒(300円)」とある日本酒を「あったかいの」で注文すると、こちらは湯せんで燗をつけてくれて、最初の1杯は「はいどうぞ」と女将さんがお酌してくれます。

 湯豆腐がまだ半分以上残っているものの、燗酒の注文に合わせて豚ぷら(600円)も注文すると「豚ぷらは、塩? 天つゆ?」と確認が入ります。うーん。どっちも良さそうだなぁ。ちょっと迷って、初回は、まず天つゆで食べてみるかと、天つゆをセレクトします。

 豚ぷらは、豚肉の天ぷらのこと。ポークソテーとか、豚カツにするような豚肉の1枚肉に衣をつけて、じっくりと天ぷらにしたものが出されます。この豚ぷらが、ことのほか美味しくて、熱いうちにハフハフと食べ進みます。

 お客のほとんどはスーツ姿のサラリーマン。たまたまかもしれませんが、現在は女性客はひとりも居ません。ひとり客も何人かいるようですが、ほどんとは2~3人連れ。なにしろカウンター席しかないので4人以上のグループは話がしにくいですからね。カウンターの中にいる女将さんや娘さんが、ちょいと話しに加わったりしてくれるのも人気の理由なんでしょうね。

 燗酒(300円)をおかわりして、つまみには、この店に来るといつも注文しているピーナッツみそ(100円)をもらいます。このピーナッツみその100円というのは、納豆(100円)と並ぶ、この店の最安値のつまみです。

 ピーナッツみそは、千葉ではあたり前にあるらしい食品で、ピーナッツを味噌と水飴で練ったものなんだそうです。ご推察のとおり、非常に甘いのですが、不思議とつまみにもなるのです。粘り気が強いので、一粒づつ引き剥がすようにしながらいただかないといけないので、つまみが長持ちするのもいいですね。

 「佐原屋」という店名も、千葉の佐原出身だから、という話も聞いたことがあるので、ピーナッツみそも創業当時からのこの店の名物なのかもしれませんね。

 1時間ほどの滞在は、3品と3杯で1,800円でした。どうもごちそうさま。

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「佐原屋」入口 / 湯豆腐とビール / 豚ぷら

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丸椅子と足のせレンガ / ピーナッツみそ

店情報前回

《平成20(2008)年1月18日(金)の記録》

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寒ブリづくしの夕食会 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

ブリしゃぶ


 毎月、第二土曜日は、近所の魚料理屋「竹よし」の夕食会の日。予約制・会費制(飲物込みで5千円)で、月々のテーマ食材が楽しめるのです。

 今年第1回目、通算第72回目となる今回のテーマは「日本海の寒ブリ」。京都・舞鶴港近くで獲れた7.2キロの寒ブリが手に入ったのだそうです。ちなみに寒ブリというのは、冬場(11~1月ごろ)に日本海沿岸で獲れた天然物のブリのことを言います。通常は沖合いにいるブリが、この時期は時化(しけ)を避けるために沿岸に近づいて来るんだそうです。

 ブリは、もともと脂の多い魚なのですが、北海道・東北方面でたくさんの餌を食べてきた寒ブリとなると、ぷっくりと太って、脂も、のりのり状態。刺身を醤油皿に浸けると、醤油の表面を、サッとアブラの膜が走るほどの脂ののりです。

 今日は、ブリの刺身ももちろんですが、これをブリしゃぶでもいただきます。その脂の多さから、鮮度のいいものでないと、シャブシャブにすると身が崩れてしまうんだそうです。クラクラと煮立ったお湯に、ブリの切り身をちょいと浸すと、美しいピンクだった身の表面が、パッと白く変わります。これを紅葉おろしの入ったポン酢醤油でいただくと、刺身よりもさっぱりとした食感が味わえる上に、ちょっと温められたことで、よりブリの旨味を感じやすくなって、もう箸が止まりません。

 お酒はもちろん日本酒。「酔鯨・純米吟醸」や「吉田蔵・大吟醸」などを、燗をつけてもらっていただきます。

 生(刺身)や、サッと火を通した(シャブシャブ)ブリもさることながら、きっちりと調理したブリ大根や、ブリ照り焼きも、さすがは定番の美味しさ。特に今日のブリは、照り焼きが爆発的にうまいのです!

 他にもブリなますや、赤ナマコ(酢の物)などで、燗酒をいただきながら、参加者のみさなんの自己紹介などで盛り上がっているうちに、気がつくともう午後9時過ぎ。今回もまた、たっぷりと4時間を越える夕食会でした。

 次回夕食会は2月9日(土)17:00からの予定です。

080112a 080112b 080112c
第72回夕食会 / ブリ大根の大鍋 / 生野菜(玉ねぎ、ミョウガ、鰹節)

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ブリ刺身 / ブリなます / 赤ナマコ(酢の物)

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ブリ大根 / ブリ照り焼き / ブリしゃぶ

店情報前回

《平成20(2008)年1月12日(土)の記録》

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ほろ苦、くわい唐揚げ … 大衆割烹「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

くわい唐揚げ


 四ツ木の「ゑびす」を出て、自宅最寄り駅である鷺ノ宮(さぎのみや)に到着したのは午後11時半。ここまで帰ってくれば、もう安心。文字通り、はってでも自宅にたどりつくことができます。

 そんなわけで、最後にもう1軒、と立ち寄ったのは、鷺ノ宮駅南口の路地にある「ほ里乃家」です。

 J字カウンターのみ、十数人分の店内は、店主夫妻が切り盛りしており、金曜も深夜となるこの時間、先客は3人。私もその3人の奥、ちょうどカウンターが折れ曲がったあたりに陣取り、このところの定番飲み物である抹茶割り(340円)を注文すると、今日のお通し(200円)はウドのきんぴらです。

 壁にずらりと並んだ品書きは30品ほどと、そんなに多いほうではありませんが、おでんに焼き鳥、刺身など、呑ん兵衛が好む肴(さかな)は、ほぼ網羅しています。季節の品が味わえるのも、この店のいいところ。しかも、すべての料理はカウンターの中で、みんなから見える状態で作られるので、それを見ているだけでも楽しいのです。

 今日も季節ものの、くわい唐揚げ(350円)を注文すると、その場で揚げた、できたての熱々を出してくれます。

 ちょと芽が出たくわいのほろ苦さに、抹茶割りも進んで、すぐにおかわりです。

 私のすぐ近くに座っているお客さんは、なんと店主の小学校からの同級生。近所に住んでいた幼馴染でもあるんだそうです。

「そこの川(妙正寺川)でも、鮒(ふな)がとれたり、泥鰌(どじょう)がとれたりして、このあたりももっと田舎だったんだけどねぇ」

 ふたりで懐かしそうに話しながら、このあたりの昔の様子を教えてくれます。

 そんなふたりの話を聞きながら、2品目の料理としてニラ玉(400円)を注文します。季節に無関係にいつでも食べることのできる玉子料理も、呑ん兵衛に人気のある酒場料理のひとつ。この店にやってくると、できたてホワホワの状態で出される玉子焼き(400円)を注文することが多いのですが、今日はちょっと気分を変えてニラ玉にしてみたのでした。ニラ玉も、玉子焼き同様に注文を受けてから調理をはじめ、熱々のできたてが出されます。

 ニラ玉が出てきたところで、3杯目となる抹茶割りをおかわりします。

 入口近くに座っているのは、この店に来るたびに、必ずお会いする大常連のKさん。きっと毎晩やって来ているに違いありません。そのKさんは、その近くに座っている、これまたこの店でよく見かける女性ひとり客と楽しそうに話しながら、いつものように豪快に「ガハハハハ!」と笑って燗酒をおかわりしています。なにしろ毎日、この店だけでも、ひと晩に10本近く(つまり1升分!)の燗酒を飲んじゃうそうですからねぇ! さらにその後、他の店にもハシゴされたりするというのだから驚きです。私が知っている呑ん兵衛の中でも、一番の酒量だと思います。

 さあて。そろそろ私も腰をあげますか。日付けをまたぐ1時間ほどの滞在は1,970円でした。どうもごちそうさま。

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抹茶割りとお通し / ニラ玉

店情報前回

《平成20(2008)年1月11日(金)の記録》

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佐渡産・赤海鼠で樽酒 … 大衆酒場「ゑびす(えびす)」(四ツ木)

「ゑびす」


 今年のテーマに定めた「じっくりと」。行きたいなぁと思っていた店や地域に、腰を据えて、じっくりと出かけてみようということから、このテーマを選んだものです。行きたいなぁと思うところには、初めてのところもあり、1~数回行って「また行きたいなぁ」と思いつつ、行くことができていないところもあり、と様々です。

 その「じっくりと」というテーマにそって、今年の1軒目として出かけたのは、「酔わせて下町」のFさんも、「京成押上線屈指の大衆酒場」と絶賛されている、四ツ木の「ゑびす」です。

 私自身、ここ「ゑびす」には1度だけ何人かでやって来て座敷席で飲んだことがあるのみ。ぜひ、ひとりでやってきて、カウンターで飲んでみたかったのでした。

 横浜方面から四ツ木までは、直通の京浜急行線に乗れば乗り換えなしで到着します。早めに会社を出て、まさに「じっくりと」と目論んでいたのですが、会社を出るのがちょっと遅くなり、店に着いたのは午後9時前になってしまいました。

 店はY字路の付け根の辺りにあるため、その敷地の形に合わせて長い三角形(正確には細長い台形)のような形になっています。三角形の尖った先っぽの辺りが座敷席になっていて、残った台形部分が横に長~いコの字カウンターと厨房です。

 この横に長~いカウンター背後の左右に入口引き戸があり、その両側の引き戸を含めた店幅いっぱいに「大衆割烹」と大書された、幅7メートルにもおよぶと言う暖簾(のれん)がかけられているのです。

 カウンター背後の壁には、ずらりとすりガラスが並んでいるため、店の外からも、どのくらい人が入っているのかがわかります。左側に少し空きがありそうなので、左から入りましょうか。

 入ってすぐのカウンター角に腰をおろし、まずは焼酎ハイボール(270円)と肉豆腐(370円)を注文します。

 なにしろこの時間まで何も食べていないので、お腹がすいて、すいて、仕方がない。すきっ腹にドーンとアルコール飲料が入ってくると、あっという間に胃袋を通り過ぎて小腸まで進み、急速に体内に吸収されてしまうため酔っ払いやすいのです。それを防ぐためには、先に固形物を胃の中に入れることが必要なのですが、これが消化しやすくて、良質タンパク質を含むものであれば、肝臓のためにもなお良いことになります。呑ん兵衛が豆腐を好むのには、それなりの科学的な裏付けもあんですね。みんな、そんなことは意識しないで注文してるんでしょうけど…。

 そんなわけで、私もスピードの冷やっこ(210円)にするか、季節の湯豆腐(400円)にするか、それとも肉も入った肉豆腐(370円)にするか、ちょっと迷って、あったかい肉豆腐に決定したのでした。

 すぐにサワーグラスで出された焼酎ハイボールは、氷とレモンスライスが1枚入って、うっすらと琥珀色。下町酒場の多くがそうであるように、ここでも常連さんたちは焼酎ハイボールのことを「ボール」と略して呼んでいます。

 となりのお父さんは、ボールと一緒に缶入りのトマトジュースを出してもらって、ボールを少し飲むと、そのすき間にトマトジュースを足してトマト割りにしながら飲んでいます。向こうに座っている、常連さんらしきお兄さんも同じ飲み方。もしかすると、こうやってトマトジュースで割るのが、常連さんたちの間での流行りなのかもしれませんね。

 そして肉豆腐。下町らしく甘い醤油味で煮込まれた肉豆腐は、豆腐が見えないほどたっぷりと玉ねぎと豚肉がのっています。これに七色(七味唐辛子)をたっぷりとかけて、ハフハフといただくと、空腹もスゥーッと癒されますねぇ。

 カウンター正面の、厨房との仕切りとなる壁には、その壁全面にずらりと短冊メニューが並んでいます。その数なんと260種類ほどと言いますから驚くべき品数です。

 値段もまた素晴らしい。えんどう豆や納豆の170円に始まって、チーズ、冷やっこ、セロリなどが210円、もつ焼き(皿盛り)各種が250円、自家製サラダ、お新香、おひたし類などが270円と続き、日替りの刺身メニューだって370円のものが多いんだからビックリです。

 一番奥の席に座っている常連さんが注文したカワハギ刺身も、小ぶりとはいえ、1尾丸ごと、肝付きで370円ですからねぇ!

 そんな膨大なメニューの中に「佐渡産・赤なまこ 270円」というのを発見。いや、いいですねぇ、ぜひいただきましょう。飲み物は目の前にデンと置かれた「高清水」の樽酒(450円)にしますか。なにしろナマコ酢には日本酒がぴったりですから。本当はその樽酒を燗してくれるとありがたいのですが、まだ2回目のお店なので、今日は普通の樽酒(冷や)でいきましょう。樽酒は受け皿(受け小鉢!?)に置かれた升に、あふれるまで注いでくれます。

 佐渡産・赤なまこのナマコ酢を噛みしめながらいただく樽酒の、なんとうまいことよ! ナマコに日本酒という組み合せは、まさに冬場の大きな楽しみのひとつですねぇ。

 じっくりと1時間半の滞在は、1,360円でした。どうもごちそうさま。

080111a 080111b 080111c
焼酎ハイボール / 店内の様子 / 肉豆腐

080111d 080111e
樽酒(高清水) / 佐渡産・赤なまこ

店情報前回

《平成20(2008)年1月11日(金)の記録》

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