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我が呑兵衛道の出発点 … 焼き鳥「家康(いえやす)」(博多)

福岡流の焼き鳥


 博多で過ごした学生時代。大学に入学するなり「新歓コンパ」で薩摩焼酎「白波」のお湯割りをしこたま飲まされて、それまでほとんどお酒を飲んだことがなかった私は、あえなく撃沈。その後も、飲んでは撃沈、飲んでは撃沈を繰り返しながら、ふと気がつくと、いつの間にやら立派な(?)呑ん兵衛へと成長していたのでした。

 そんな学生時代にしょっちゅう行っていたのが、大学のすぐ近くにあった戦国焼鳥「家康」です。

 みなさん意外に思うかもしれませんが、実は福岡県は、日本一の焼き鳥県なのです。

 市のレベルで、単位人口あたりの焼き鳥屋の数を比較すると、第1位:東松山市(全国平均の4.2倍)、第2位:室蘭市(4.0倍)、第3位:久留米市(3.6倍)、第4位:今治市(2.2倍)、第5位:福島市(0.9倍)と、みなさんもよくご存知の焼き鳥タウンが名を連ねてきます。しかしながら、第5位ですでに全国平均(1.9軒/万人)を下回ってるというのも、おもしろい結果ですね。5位以下はドングリの背比べ状態で、上位4市で平均を引き上げているという構図が見てとれます。

 これをもうちょっと広範囲にして、県のレベルで見てみると、第1位:福岡県(2.3倍)、第2位:佐賀県(2.0倍)、第3位:宮崎県(1.7倍)、第4位:長崎県(1.6倍)、第5位:東京都(1.5倍)と、上位5県中4県に九州勢が名を連ねています。ちなみに熊本県が第6位(1.3倍)、大分県が第8位(1.3倍)、鹿児島県が第11位(1.2倍)なので、なんと、全国11位までに九州7県がすべて入るという検討ぶり。九州って、焼き鳥アイランドなんですね。(統計は「都道府県別統計とランキングで見る県民性」より)

 さて「家康」。

 店に入ると同時に「いらっしゃいませぇーっ!」という大きな声とともに「ドーンドーン」と打ち鳴らされる太鼓。座るとすぐに出される、お酢のかかった食べ放題のキャベツ。肉の間に玉ねぎ片がはさまれた焼き鳥。「福岡流」とも言われているこの焼き鳥屋のスタイルは、この「家康」をはじめとして、「信秀」「信長」という、それぞれ戦国武将の名を冠した3軒が昭和30年代半ばに出現したことによって確立されていったのだそうです。(出典:「九州の経済誌フォーNET」)

 博多では、ほぼどの焼き鳥屋もこういうスタイル(さすがに太鼓はないですが…)で、私自身、焼き鳥屋とはそういうもんなんだと思い込んでいました。大学を卒業して他の土地に行ってはじめて、それが福岡独自のスタイルであったことに気がついたような次第です。

 久しぶりに博多にやって来た今日は、これまた久しぶりにその戦国焼鳥「家康」で飲んでみようと思っているのです。博多の街には卒業後にも何度かやってきていますが、「家康」は卒業以来初めてだなぁ。ということは25年ぶりということか。

 戦国焼鳥「家康」は昭和37(1962)年の創業。現在は直営で12店舗を経営するチェーン店です。本当は学生時代に行っていた第20号店(福岡市東区箱崎)が望ましいのですが、すでに午後9時半も回っていますので、今日は博多駅近くのホテルからも程近い「家康」第14号店にします。「家康」の各店舗は、こうやって番号で呼ばれているのです。抜けた番号がけっこうあるところを見ると、最盛期には今よりもたくさん店舗があったんですね。

「おひとりさん。はいっ、いらっしゃいっ。どちらでもどうぞ!」

 店に入るなり、ねじり鉢巻の店主から元気よく声がかかります。

 店内は向かいあわせ2列に長い焼き台を、コの字型のカウンターが取り囲み、そのまわりにテーブル席が並びます。月曜日、午後9時半過ぎの店内は、ゆったりと3割り程度の入り。

 そのカウンターの一角に腰をおろすと、すぐに出されるお絞りと、ざく切りキャベツの大皿。お酢がかかっているという記憶があったんですが、柑橘系のノンオイル・ドレッシングなんですね。

 まずは瓶ビール(キリンラガービール大瓶、523円)をもらってひと息ついて、いよいよ焼き鳥の注文です。

 ここ「家康」は昔から焼き鳥の値段が安くて、学生時代(25~30年ほど前)には、キモ(レバー)やハツが、たしか1本30円だったと思います。そのレバーとハツを1本ずつもらって、焼酎を1杯飲むとちょうど200円ほど。これで食べ放題のキャベツをたくさん食べながら飲んだものでした。

 さて今は、と見てみると、キモやハツは1本53円。値上がりしてるとはいえ、相変わらず安いですねぇ! そのキモ、ハツに加えて、鶏かわ(63円)、砂ずり(63円)、豚バラ(63円)、牛さがり(84円)と、学生時代には考えられないような、一挙に6本注文の大贅沢。この6本だけで合計379円と、すでに学生時代の飲み代総額(200円)をはるかに越えちゃってますもの!(笑)

 味付けは特に指定せずに注文すると「キモ、カワはどちら?」と店のおにいさん。他は自動的に塩焼きってことですね。「福岡流」の焼き鳥は、基本は塩焼きなのです。キモ、カワも塩焼きでもいいのですが、ちょっとタレ焼きも食べてみたいので「タレでお願いします」と答えます。

 それにしても、この焼き鳥の呼び方自体も「福岡流」で懐かしいなぁ。砂ずりは砂肝のこと、牛さがりはハラミです。さらにここ「家康」では、焼き鳥にまで武将などの名前が付けられているのです。キモは家康、ハツは秀吉、鶏かわは本能寺、白モツは秀吉、そして砂ずりは千姫などなど。これも昔から変わってないなぁ。

 すぐ横の壁には「伝統のお召し上がり方」と書かれたポスターがあり、「塩焼きの焼鳥はタレをつけて食すべし。その味、至福の旨さなり」と書かれていて、キャベツと一緒に出されるタレ(柑橘系のノンオイル・ドレッシング)につけて食べている写真が添えられています。横浜で塩焼きの焼き鳥にニンニク味噌をつけて食べるのが当たり前なのと同じように、ここ博多では酸っぱいタレをつけて食べるのが当たり前なんですね。こうやって食べるとさっぱりとして、いくらでも食べられそうです。

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焼き台の様子 / 焼き鳥 / 壁のメニュー

店情報後編につづく

《平成20(2008)年1月21日(月)の記録》

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