ゆるやかな空気の中で … バー「みのる」(新宿)

新宿歌舞伎町の焼き鳥「番番」を出て、今日の2軒目は新宿駅の北側ガード横の、やきとり横丁にある昭和36(1961)年創業の老舗バー「みのる」です。
青っぽい外観のビルの上部(1~2階の中間あたり)には「みのる」と書かれた緑色の電灯看板がともり、1階の入口上部にも「みのる」と書かれたファサードテントがあるものの、そこには地下へと続く階段があるのみ。よーく見ると、入口の左側にメニューが張ってあって、その内容でバーであることに気が付くのですが、それ以外には、ここがバーであることがわかるものはありません。
階段を下りると左側にフロアが広がり、そのフロアを大きなU字のカウンターが取り囲みます。全体では20人以上座れるでしょうか。U字の真ん中にボトルを置くための大きな棚があって、U字の両側の視界を遮(さえぎ)ります。入口右手の壁際にはテーブル席が2卓並んでいます。
店内はいかにもバーテンダーらしい、きちんとした身なりの年配男性3人が切り盛り中。
金曜日、午後7時前の店内は、まだ大勢のお客さんでにぎわう前の状況らしく、先客は合わせて5人ほど。むしろガランとしてるといってもいい状態です。
そんなカウンター席の一角に腰をおろし、ハイボール(角、430円)を注文します。
すぐに出されたお通しは、なんと小鉢に盛られた山芋の千切りです。さっと醤油をかけて、刻み海苔をトッピングし、横にはワサビも添えられています。先日も「食事中に楽しむウイスキー」というコラムに書いたとおり、サントリーのウイスキー(特に「角瓶」)は、こういう和風の肴(さかな)に合わせて飲んでもあまり違和感がない、という大きな特徴を持ったウイスキーのように思います。
以前、濱の酒場通・iiさんに、横浜は山手(やまて)のバー「コモ(Como)」という、ほとんどのお客さんが角のハイボールを飲んでいるバーに連れて行ってもらったときも、つまみには筑前煮や酢ダコが出されましたもんねぇ。
ところで、この角瓶というウイスキー。ボトルのどこにも角とか角瓶とは書かれていないのです。ラベルには「Suntory Whisky since 1937」と書かれているだけ。「角瓶」というのは、実は愛称で、戦後、その愛称が定着してきたので、それが製品名になったのだそうです。
その角のハイボール(430円)をおかわりし、つまみにはピーナッツ(500円)をもらいます。
店内のお客さんも年配の常連さんが多いようで、キープしたボトルで飲み物を作ってもらっているようです。ボトルキープの場合は、角瓶やアーリータイムズ(バーボン)が、それぞれ4,800円。1本のボトルからはシングル(30ml)が24杯作れますので、キープした場合には1杯あたりの単価が200円相当になるんですね。
二人連れで来ているお客さんも話をしているし、すぐ近くに座っている男性も、店の人と談笑しているのですが、うるさいなんてことは全くなくて、店全体としては静かに、ゆるーく時間が流れている雰囲気です。この空気が、50年近く続く老舗バーのなせる技なんでしょうねぇ。
ゆっくりと1時間ちょっとくつろいで、お勘定は2,050円でした。どうもごちそうさま。
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