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〔コラム〕 匿名希望(?)の人気店

ハモと松茸のしゃぶしゃぶ


「ハモの身1切れに、松茸(まつたけ)を1切れのせて、一緒に食べてください。それがこの店でのハモのしゃぶしゃぶの食べ方なんです」

 言われたとおりに、骨切りしたハモの切り身と、薄くスライスした松茸を、さっと湯にとおして、両方を一緒にポン酢醤油につけて口に含みます。フワッと広がる松茸の香りと、シャキシャキとした歯応えに、淡泊なのに脂ののったハモの身の軟らかさと、皮の部分のモチモチっとした弾力感。これらすべての絶妙なバランスに、思わず「これは美味しいねぇ!」と笑顔がこぼれます。

 ここは松山にある居酒屋M(←イニシャル)。いつも2カ月先まで予約でいっぱいで、店頭の札もいつも「準備中」で、決して「営業中」になることがありません。さらに、お馴染みさんと一緒じゃないと入ることができない、まるで「会員制」のようなお店であるということも大きな特徴です。

 店内は3つに仕切られた小上がりの座敷部屋(4人用2室に6人用1室)と、カウンター5席の、合計19席という小さな造り。この店内を店主夫婦がふたりで切り盛りします。店にはメニューはなくて、電話で予約するときに、その季節に応じた料理の内容を、店主と一緒に練りあげていくのだそうです。

 今日はこの店の常連さんであるHさんにご案内していただいて、旧友・Tと3人で、4人用の座敷席です。今日はハモのしゃぶしゃぶが出てくる予定なのだそうで、座卓の上にはすでにハモの唐揚げが置かれています。

 さっそくハモの唐揚げをひとつ口に入れると、骨切りして、しっかりと揚げたハモは、バリバリと噛み締める音が響くほどクリスピーなのに、皮の部分もっちり感は残っている。とても新鮮な食感です。ッカァーッ。生ビールが進みますねぇ!

 次に出されたのはウニが1箱。松山沖の興居島(ごごしま)で、今朝採れたウニなんだそうです。なにも処理せず生のまま箱に盛らたウニを、つるりと食べると、その軟らかいこと、甘いこと。

 ここから、飲み物も地酒に切り換えます。店主自身も日本酒好きで、自ら各地の蔵元をまわったりしてるんだそうで、特に「黒龍」は、「石田屋」なども含めて、全種類を置いているんだそうです。

 続いては北条沖で釣れたというシロアジの刺身です。プリップリの弾力感はシマアジ以上かも。

 そしていよいよ本日のメインディッシュ。冒頭でご紹介したハモと松茸のしゃぶしゃぶの登場です。大きな丸皿を、それぞれ半分ずつ、半月状に使って並べられたハモと松茸。これをしゃぶしゃぶと泳がしては食べ、泳がしては食べ。箸が止まることがありません。

 土瓶蒸しでハモと松茸の組み合わせをいただくことがありますが、あちらはもうちょっと具材も多くて複雑な味と香り。それに比べると、このハモと松茸のしゃぶしゃぶは、主役2品だけのシンプルな味わいなので、それぞれの個性と、組み合わせたことによる鮮烈さが際立ちます。

 最後にはハモと松茸のダシがよく出た鍋に讃岐うどんを入れてくれて仕上げです。

「本来はこれで終了ですが、ここに来たらぜひこれも食べてみてください」とHさんが店主に追加注文してくれて、出されたのはカツ丼。4人前くらい入りそうな大きな丼にずっしりと半分ほど盛られています。店主が「少なめにしといたで」と言ってくれるものの、それでも量が多いなぁ。

 このカツ丼は、ヒレカツを使ったもので、特徴的なのは玉子でとじていないこと。カツとネギを醤油味のダシで煮て、そのまま丼ご飯の上にのせているのです。Hさんが絶賛されるだけあって、たしかにこのカツ丼はうまいっ。

 季節ごとの料理を出すこのお店ですが、夏場はハモが、冬場はフグが名物で、それを目指してやってくるお客さんも多いのだそうです。

 たっぷりと午後11時まで楽しんで、気になるお勘定は、3人でなんと20,500円(ひとりあたり7千円弱)。

「今度はぜひ冬場にも、よろしくお願いします」とHさんにもお願いしながら店を後にしたのでした。

080730a 080730b 080730c
居酒屋M / ハモ唐揚 / 興居島産のウニ(食べかけ)

080730d 080730e 080730f
北条沖の釣りシロアジ / 「常盤松」 / 大皿に並ぶ松茸とハモ

080730g 080730h 080730i
野菜も投入 / 「越の雄町」 / 「黒瀬安光」(焼酎)

080730j 080730k 080730l
鍋で讃岐うどん / カツ丼(取り分けたもの) / デザートの葡萄

《平成20(2008)年7月30日(水)の記録》

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コメント

鱧と松茸、高級な取り合わせですね。
興居島のウニ、北条のシロアジ、とりたて
で旨そうですね。興居島、北条の鹿島
には学生の頃に海水浴で訪れていました。

投稿: シギー | 2008.08.09 12:56

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