甘さが特徴、牛煮込み … 大衆酒場「大山酒場(おおやまさかば)」(大井町)

「大山酒場の煮込みも、裏側に脂肪分が多くて美味しいんですよ」
そんな噂を耳にして、東京ビッグサイトに出かけた帰り道に「大山酒場」にやってきました。東京ビッグサイトから、りんかい線経由で横浜方面に帰ろうとすると、ちょうど大井町が乗り換え駅。非常に都合がいいのです。
午後5時半の店内は、お客さんは5~6人しか入っておらず、どこにでも座れる状態。入口から見て左側カウンターの、コンロの前あたりに陣取ります。この場所だと、玉子料理などを作っていく様子がよく見えるのです。
席に座るとすぐに「台拭きです」と、小さなタオルが出されます。なるほど、これは台拭きでしたか。みなさんこの台拭きをコースター代わりにしてグラスやジョッキを載せたり、指先をちょっと拭いたり、本来の用途どおり台を拭いたりするのでした。
まずは瓶ビール(大瓶、580円)を注文すると、「アサヒ? キリン?」と確認してくれるおかあさん。今日はアサヒをお願いします。
つまみはもちろん、お目当ての煮込み(480円)から。ここの煮込み鍋は、普通の家庭用の鍋で、そこから小鉢に軽く一杯の煮込みをついでくれます。この量で480円というのは、かなり高級品ですね。噂どおり、脂がたっぷりとついた牛の腸がメインで、一緒によく煮込まれた大根が数切れ入り、刻んだ白ネギがトッピングされています。
どれどれと、さっそく一切れいただくと、かなり甘い味付け。なるほど、この甘さが、この店の煮込みの特徴なんですね。以前、コラムにも書いたとおり、コクの中心になるのは甘さと脂と旨さの3要素。ここの煮込みには、これらの3要素が強烈に効いています。
煮込みはけっこう人気があるようで、次々と出ていきます。そろそろなくなるんじゃないかなぁ、といらぬ心配をしていると、奥の冷蔵庫からタッパー(プラスチック製密閉容器)に入った煮込みが出てきて、煮込み鍋に追加投入されました。なるほど。あらかじめたっぷりと作って冷蔵保存されてるんですね。
その煮込みに劣らぬ人気なのがハムエッグス。目の前のコンロでどんどん作られていきます。私も、ここのハムエッグスは大好きで、ほぼ毎回注文する一品。しかし、今日はちょっと趣向を変えて、ニラ玉(380円)を注文してみます。
その注文を受けて、まずは冷蔵庫から「ニラ玉」と書かれたポリ容器が出されます。これが味のついたダシ(そうめんつゆのような感じ)で、まずこれをフライパンに入れてパチンと着火。そのダシが沸くまでの間に、小鉢に玉子を割って、かき混ぜます。ダシが沸いたら、長めに刻んだニラをたっぷりと入れて、しばらく煮てから玉子を回し入れて、ニラをとじたらできあがり。お汁たっぷりのニラの玉子とじって感じかな。
飲み物はお酒(連山、300円)に切り替えます。
「ぬるめの燗っていうのはできないんですか?」と聞いてみたところ、
「冷たいのか、常温か、あったかいのかという3つしかないんですよ。この時期(夏場)は、あったかいのもそれほど熱くしてないですよ」
という返事で、そのあったかいのをもらうと、たしかにちょうどいいぬる燗具合です。
ここのお酒は受け皿まで表面張力するほど注いでくれるので、いつも口から迎えに行っているのですが、それを見ていたおかあさんが「コップを持ち上げると(受け皿のお酒が減って)動かしやすいのよ」とアドバイスしてくれました。
2品と2杯で1時間ほどの滞在は1,740円でした。どうもごちそうさま。
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