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2008年10月

閉店間際にゆっくりと … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

「宇ち多゛」


 「大露路」を出て、新橋駅近くの書店「文教堂」で、仕事を終えた宇ち中(うちちゅう)さんと合流します。この書店で行われている「古典酒場~銀座昭和浪漫編」の販売イベントを見学したあと、ふたりで向かったのは京成立石。宇ち中さんの行きつけのお店、「宇ち多゛」です。

 店に着いたのは午後7時過ぎ。もうほとんど終わりに近い時間なのに、やっぱりまだ行列しているのがすごいなぁ。

 並んでいるうちに順番がやってきて、まず宇ち中さんが店内に入ります。少し待って、私も店内に案内され、それと同時に宇ち中さんもその席に案内されて、これまた常連のえいめんさんと3人で並んで座ります。

 何人連れかでやって来た場合でも、席が空けばその分、ひとりずつ店内に案内してくれて、みんなが座れる席が空いたところで、なるべく一緒に座れるように、お店の人が采配してくれるのです。いつも満席の人気店なのに、こういう気配りをサラリとやってくれるところが、これまた呑ん兵衛たちに好かれるんでしょうねぇ。

 この時間帯、すでに残っているものは数少ない状態ですが、そんな中、宇ち中さんがコブクロ生お酢(180円)をもらっています。「もう、ないだろう」というあきらめから、みんなが注文しないでいると、たまにこういう品(いつもは早い時間になくなってしまうもの)が遅くまで残っていることがあるんだそうです。

 私も梅割焼酎(180円)をもらって、お新香はすでに売り切れのため大根お酢(180円)と、レバとアブラを1本ずつお酢でもらいます。

 宇ち中さんはハツ生をお酢(180円)で追加し、えいめんさんは最後の煮込み(180円)をゲット。いろいろと出てきたところで、串から抜いて分け合いながらいただきます。

 この「宇ち多゛」。食べ物メニューには、もつ焼き(2本180円)、もつ煮込み(180円)、お新香(180円)の3種類しか書かれていないにもかかわらず、常連のみなさんたちの注文を聞いていると、いったい何種類の料理があるのかと感じてしまうくらい、いろんなオプションがあるのです。

 たとえばお新香にしても、普通に「お新香」と注文すると、大根とキュウリに紅生姜をトッピングして、醤油をさっとかけて出してくれるのですが、「大根」と注文すると大根と紅生姜だけで出してくれるのです。

 さらにその注文に加えて「お酢」と付け加えると、醤油をかけたあとに、お酢もかけてくれて、酢醤油状態でさっぱりといただくことができるようになります。

 私は注文したことがないのですが、「かけないで」というオプションもあるようで、こう注文すると醤油もお酢もかけない状態で出してくれるんだそうです。

 「もつ焼き」としか書かれていないもつ焼きは、実は、シロ、レバ、ガツ、ナンコツ、アブラ、ハツ、カシラなどがあって、これに味付け(塩、タレなど)を指定して焼いてもらいます。好みで焼き具合(わか焼き、よく焼き)なども指定できます。もつ焼きにもお酢をかけてもらうことができて、先ほどのお新香同様、注文の最後に「お酢」と付け加えます。

 「宇ち多゛」のもつ焼きで特徴的なのは、生(なま)という焼き方の存在でしょう。もつ焼きは、レバー以外の素材はすべて下茹でしたあと串に刺してスタンバイされているのですが、「生」と注文した場合は、その状態のまま、焼かずに醤油をかけて出してくれるのです。レバーは生のまま串に刺してますので、その状態でそのまま出されます。

 また通常のもつ焼きは1種類2本で1皿ですが、生で注文する場合だけ2種類を1本ずつ組み合わせて1皿にすることができます。焼く場合は、違う種類が混ざると焼き上がり時間がずれるのでダメですが、生の場合はそのまま出せるのでOKなんでしょうね。

 このあたりのことは「宇ち入り倶楽部」というサイトに詳しく載っているのですが、それを知らなくても、普通のもつ焼き屋さんに行ったときと同じように「レバーをタレでお願いします」と注文するだけで、十分に美味しいもつ焼きが堪能できますのでご心配なく。

 その後もシロタレ(180円)などを追加して、3杯目の梅割焼酎は半分でいただきます。「半分」というのは、もうこれで終了というときにだけ注文できる焼酎の注ぎ方で、半分というものの高さで言うと、コップの7~8分目くらいまで注いでくれます。上が広がった円錐台(えんすいだい)状のコップなので、このくらいで半分なのかもしれませんね。値段は100円です。

 店を片付け終わる午後8時まで、お客さんたちが次々に帰っていく店内で、1時間ほどゆっくりとさせてもらって、今日の私の分のお勘定は「3皿2.5杯(さんさらにーはん)」で、ちょうど千円でした。どうもごちそうさま。やぁ、おいしかった。

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コブクロ生お酢 / もつ煮込み / 梅割焼酎

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ハツ生お酢 / 大根お酢 / レバ、アブラ1本ずつお酢

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シロ塩など / シロタレ / 閉店直前の「宇ち多゛」

店情報前回

《平成20(2008)年10月3日(金)の記録》

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300円均一の人気店 … 大衆酒場「大露路(おおろじ)」(新橋)

サンマ塩焼と燗酒


 都内での仕事を終えて、新橋の「大露路」にやってきました。ここはビール以外は食べ物も、飲み物もすべて300円均一であることが人気の大衆酒場。新橋で、この安さで飲める店は、立ち飲み以外には知りません。

 午後5時を回ったばかりの時刻なのに、店内に4つあるテーブルのすべてにお客さんが座っていて、すでにワイワイと楽しげな酒場の雰囲気ができあがっています。

「おひとり? こちらにどうぞ」

 女将さんらしき女性が、そのうちの1卓への相席を促してくれます。

 店は、入口を入ると左手に8人掛けの長テーブルが二つ。右手に6人掛けの長テーブルが二つの全28席。ただし、この8人掛け、6人掛けは、椅子をびっちりとくっつけて並べた状態での席数なので、実際にこの人数が座ると、一人当たりのスペースは大変な狭さになります。

 今案内されたこの席も、6人掛けながら、奥にサラリーマン二人連れが座って、こちらに私が座ると、もうその間に座るのは難しいくらいの狭さしか残っていません。しかし、いつもお客さんでいっぱいのこのお店。ひとりでも多くのお客さんが入れるように、ということなんでしょうね。

 さてと。飲み物はまず瓶ビール(キリンラガー大瓶、550円)をもらいますか。料理はマグロ納豆(300円)をお願いします。

 ここの300円均一の何がすごいって、マグロ納豆もそうですが、マグロ刺身やシメサバだって300円だし、焼きうどんや焼きそばだって300円なんですからねぇ。

 お通しのモヤシ味付けをつつきながらビールを飲んでいるところへ出されたマグロ納豆は、納豆にぶつ切りのマグロを4切れのせて、たっぷりの刻みネギに、練り辛子が添えられています。醤油をかけて、グルグルとかき回していただきます。

 お。サンマの塩焼きもありますねぇ。秋だし、サンマをもらって燗酒にしますか。きっと焼くのに時間がかかるに違いないので、今からたのんでおきましょう。サンマ塩焼きももちろん300円です。

 店は女将さんらしき女性のほかに、男女それぞれ1名ずつ、計3名で、厨房も含めて切り盛りしています。

 サンマが焼きあがったところで燗酒(千福、300円)をもらうと、受け皿のないコップに、ヤカンからなみなみと燗酒を注いでくれます。なんだか野毛の「武蔵屋」を思わせます。

 あぁ。サンマもうまいっ。お腹の苦いところが、また燗酒にぴったりと合うんですよねぇ。

 1時間ほど愉しんで、今日のお勘定は1,500円でした。どうもごちそうさま。

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「大露路」 / 瓶ビールとお通し / マグロ納豆

店情報前回

《平成20(2008)年10月3日(金)の記録》

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6年目の飲み仲間たち … 宮古島郷土料理「ラッキー」(亀戸)

やしがに


「9月27日(土)、ラッキー@亀戸にてオフ会を行いたいと思います。おまかせ4千円で、おばぁ(=ラッキーの大女将、トミちゃんのこと)の宮古島料理満載のコースです」

 居酒屋界の姉御・ゆこねぇさんのお誘いに、わいわいと集まったのは16人の呑ん兵衛たち。オリオンビールで乾杯すると、さっそく出される海ぶどうやゴーヤちゃんぷる~に舌鼓を打ちます。

 今日のメンバーのうち、多くの方に出会ったのは、今から6年前、平成14(2002)年8月のこと。場所は神田の「みますや」でした。この日、旅チャンネル「全国居酒屋紀行」という番組の関係で、初めての「太田和彦さんを囲む飲み会」が企画されたのです。太田さんにお会いしたのも、このときが初めてでした。

 それ以来、同年11月の銀座「樽平」での第2弾。翌、平成15(2003)年3月には、『そろそろまたオフ会やりませんか。日時、店だけ決めて現地集合。一体誰が来るかわからない、それぞれ割り勘、というかつての居酒屋研究会方式はどうですか。宴会ではなく、たまたまその店に仲間がぞろぞろやって来て飲んでいるのは、スリルがあって面白いですよ。予約もいらないし。やや大きめの店がいいか』という太田さんの呼びかけから始まった、勝どき「やまに」でのミステリアス・オフ会も開かれました。このときの2次会で、太田さんご自身に「山利喜」に連れて行っていただいたのも大きな思い出です。

 このあとも、太田さんを囲むオフ会も何度か開かれ、また太田さんがいらっしゃらないときも、このオフ会で知り合った呑み仲間たちが集まって飲んだりしていたのでした。

 今年も太田さんを囲むオフ会が8月9日(土)に開催されたのですが、今年の会場は、なんと名古屋の「大甚本店」。さすがに今回は出席できませんでした。

 しかしながら、今日集まったメンバーの何人かは名古屋でのオフ会にも参加されていて、当日の写真を見せてくれながら、オフ会の様子を聞かせてくれます。

 一升瓶で出してくれる泡盛が、もう何本空いたでしょう。

 こうやって振り返ってみると、今日集まった多くのメンバーとの付き合いは、すでに6年にもなるんですねぇ。最初の集まりの頃にオギャーと生まれた赤ん坊が、そろそろ小学校に入学しようかという歳月が流れてるんだから驚くべきです。

 どーんと出されたのは、イセエビとカニを巨大化させて混ぜたような赤いかたまり。ヤシガニなんだそうです。うわぁ、はじめて見たなぁ。

 みんなが写真撮影した後、いったん厨房に戻り、調理されて再び出てきたのが冒頭の写真です。みんなの手が伸びる伸びる。

 最後はヤシガニ・ジューシー(雑炊)と中身汁でしめて、大盛りあがりの一次会も終了です。「ラッキー」のみなさん、ありがとうございました。

 もちろん、この呑ん兵衛の集団が一次会で終わるはずはなく、全員で亀戸駅ビル内のイタリアンなお店で二次会。よく飲み、よく食べ、よく話した一夜でした。

 幹事のゆこねぇさん、そして集まってくださったみなさん、今回もどうもありがとうございました。ぜひまたみんなで飲みましょうね!

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「ラッキー」 / ゴーヤちゃんぷる~ / やしがにジューシー

店情報前回

《平成20(2008)年9月27日(土)の記録》

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店情報: 宮古島郷土料理「ラッキー」(亀戸)

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  • 店名: 宮古島郷土料理「ラッキー」
  • 電話: 03-3682-9676
  • 住所: 136-0071 東京都江東区亀戸6-23-10
  • 営業: 17:00-24:00(土日祝は15:00- )、無休
  • 場所: JR亀戸駅を南側に出て、明治通りを西大島方面(南)へ。すぐに京葉道路と交差するので、大きな歩道橋を渡って、その先ひとつ目の信号交差点を左折した少し先、左手。
  • メモ: オリオンビール(生・瓶)600、シークワーサーサワー400、宮古島泡盛400~。島らっきょう400、海ぶどう500、ゴーヤちゃんぷる~ 600、パパイヤちゃんぷる~ 900、ポーク玉子500、ラフティー500、宮古そば700、ソーキそば700(2008年9月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (03.05.31)

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数量限定の新作焼き鳥 … 焼き鳥「鳥やす本店(とりやすほんてん)」(高田馬場)

燗酒と小おろし、もつ煮込み


 日暮里から、山手線でグルリとまわって、今日の2軒目は高田馬場の「鳥やす本店」です。

 金曜日、午後8時半の「鳥やす」は今日も満席。「今、お会計をされているお客さんがいらっしゃいますから、少しだけお待ちください」と店のおにいさんが声をかけてくれて、店の外で待つこと20秒ほど。すぐに店内に案内されると、すでにカウンター席の一角にお絞りと、お通しの小おろし(60円←税抜き表記。以下同じ)が置かれて、私の到着を待っている状態です。

 その席に座りつつ、おにいさんに燗酒(「富翁」本醸造、320円)と、もつ煮込み(300円)を注文します。

 この店には煮込みと、もつ煮込みという二つの煮込みメニュー(ともに300円)があり、煮込みは根菜類と手羽先の煮込み、もつ煮込みは豚の内臓(ガツ、シロなど)とコンニャクの煮込みなのです。前回、煮込みをいただいたので、今回はもつ煮込みのほうにしてみたのですが、個人的には前回の煮込みのほうが好みかな。

 煮込みを食べながら、焼きあがるのに時間のかかる焼き鳥を注文します。ここの焼き鳥は、鶏の焼き鳥で、単品での注文は2本以上ずつとなります。数種類を一度に注文するときも、やっぱり1種2本以上ずつなんだそうです。うーむ。このルールがあると、ひとりではいろんな焼き鳥は食べられないですねぇ。

 どれにするかちょっと悩んで、正肉(1本70円)と皮(1本70円)、そしてぼんにく(1本90円)を、それぞれ2本ずつもらうことにします。

 ぼんにくというのは、数量限定の新作焼き鳥で、「ぼんちりとにんにくのはさみ焼き」を省略したもの。新作と言いながら、実は、20数年前の一時期、この店で出されていたメニューの復刻版なんだそうです。

 焼き鳥が焼きあがってくるのにあわせて、飲み物はチューハイ(350円)を注文します。そのチューハイのメニューに「梅干入りできます」という注記が入っているので、その梅干入りを注文してみると、普通のチューハイとは別に、小皿に2個の梅干を出してくれます。あらら。この梅干をつまみにチューハイが飲めちゃうかも。この梅干、あとでお勘定から逆算してみたところ200円のようです。

 注文の際に、あえて味付け(タレ、塩の別)を指定せずに注文してみたところ、正肉と皮はタレで、ぼんにくは塩で出されます。ただし、丸いお皿に一緒盛り。塩味のぼんにくは、他の4本のタレ焼きとは直角になるように置いて、味が混ざり合わないような配慮はしてくれているものの、食べているうちにやっぱり混ざってしまうのが残念です。

 1時間ほどの滞在は、1,780円でした。ごちそうさま。

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もつ煮込み / 焼き鳥 / チューハイ(梅干入り)

店情報前回

《平成20(2008)年9月26日(金)の記録》

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常連さんと話も弾んで … 大衆酒場「いづみや」(日暮里)

チーズとウイスキー水割りボトル


 日暮里駅前にある大衆酒場「いづみや」にやってきました。

 金曜日、午後6時半の店内は、すでに酔客で満席気味。店を切り盛りしているおばちゃんが「ここにする?」と、カウンターにかろうじて空いている1席を指し示してくれます。その席に座りながら「瓶ビールと肉豆腐をお願いします」と注文を告げます。

 瓶ビールはサッポロラガービール(赤星)の大瓶で470円。そのビールを飲みながら少し待ったところで、肉豆腐(300円)も出されます。

 昼前(11時半)から、中休みなしで夜9時まで営業しているこのお店にとっては、午後6時半という今の時間は、すでに後半戦。カウンターの奥のほうに座っている年配のお客さんは、早い時間から飲んでいたのか、すっかりできあがった状態で、ろれつの回らない口調で店のおばちゃんに話しかけています。

 店はホールを担当するおばちゃん二人と、厨房のおにいさんの合計3人で切り盛り中。おばちゃん二人は、注文を受けたり、できあがった料理を運んだりしながら、ニコニコと酔っ払いの相手もこなします。このあたりが、いかにも下町大衆酒場らしい風情ですよねぇ。

 さてと、ビールに続いては何を飲もうかなぁ。壁にずらりと貼られたメニューに目をやると、梅割焼酎(210円)やチューハイ(300円)と並んで、ホッピー(400円)もあるようです。日本酒はコップ酒なら210円、徳利で出してもらうと450円。あ。ブラックニッカの水割りボトル(300ml)を発見。しかも1本380円ではありませんか。千住大橋「ときわ」の390円が、これまでの最安値だと思っていたのに、記録更新ですね。

 さっそくそのウイスキー水割りボトルを注文すると、氷入りのジョッキと一緒に出してくれます。こんなに大きなジョッキに入れると、1本全部入ってしまうんじゃないかなぁ、と思いながらやってみると、なんとボトルの半分分くらいしか入りません。へぇ、氷の入ったジョッキの液体容量って、意外に少ないんですねぇ。

 つまみにはチーズ(240円)をもらって、ウイスキーと一緒にパチリと写真を撮っていると、2列平行カウンターの正面に座っているおじさんから、

「お。にいさん。写真を撮って、ブログか?」と声がかかります。

「えぇ。そうなんですよ」

「書かないほうがいいよ。書くと若いカップルとか来ちゃうんだよなぁ」

「そうそう。しかも1回だけな。1回来ると、店の客が我われのようなおじさんばっかりだから、もう来なくなるんだよなぁ」

 私のとなりに座っている別のおじさんも話に加わってきます。

「じゃ、書くなら最初から『1回だけ来てください』って書いておくのがいいのかもな(笑)。ところでにいちゃん、どっから来たんだい?」

「私ですか。自宅は中野区なんですけど…」

「ほぉ。中野区からわざわざここになぁ。そんなわざわざくるようないい店か? ここは?」

「いや、いい店ですよ。山手線の駅のすぐ近くで、これだけ昔の酒場の雰囲気を保ったお店はあまりないですから」

「ふーん。オレなんか、もう20年以上通ってるから、普通の酒場なんだけどなぁ」

「昔はネクタイ締めた客なんか、ほとんどいなかったよなぁ」

 と他のお客さんたちも話してくれます。こういう向かいあったカウンターというのは、お客同士の会話がはずみやすいのです。

「にいちゃん。マリちゃん(店のおばちゃんのひとり)が怖いって書いといてな」と言うお客さんに、

「何言ってんのよ。おにいさん、私、本当はやさしいんだからね」

 とマリちゃんも話の輪に入ってくれたところで、前回もいただいて美味しかったハムポテトサラダ(350円)を追加注文します。

 ワイワイと1時間半ほど楽しく過ごして、今日のお勘定は1,740円。やっぱり下町大衆酒場はいいなぁ。

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「いづみや」 / 肉豆腐とビール / ハムポテトサラダ

店情報前回

《平成20(2008)年9月26日(金)の記録》

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〔コラム〕 11月29日(土) オフ会(?)開催のお知らせ

第1回 古典酒場ほろ酔いと~く


 ネットワーク上(オンライン)で知り合ったメンバーが、実際に集まって会うことを、オフライン・ミーティング、略してオフ会(おふかい)と言います。特に酒場系サイトの場合には、「オフ会」=「みんなで集まって飲みまくる場」でもあります。喫茶店に集まって、コーヒーを飲みながら親睦をはかるなんてことは考えにくい世界です。

 過去を振り返ってみると、自分のところで開いたオフ会は、3年前に吉田類(よしだ・るい)さんを招いて行った「吉田類さんを囲むオフ会」が最後です。

「そろそろオフ会もやりたいよねぇ」

 なんてことを、飲み仲間たちと話していたところ、「古典酒場」の倉嶋編集長から、

「11月29日にトークイベントを行う予定なんですけど、出演いただけませんか」と声をかけていただきました。

「なぬっ。私ごときでよろしいんでしょうか…」

 すっかりへっぴり腰ながら、美人のたのみは断れない性質(たち)なので、わが身を省みずお引き受けしたような次第です。

 そんなわけで、まったく他力本願ながら、そのトークイベントの場をお借りしまして、オフ会も兼ねてしまおうということで、ここにみなさんにお知らせして、ご協力をお願いするような次第です。

 とは言うものの、このイベントにあわせて、このサイトとして何か特別なことをするというわけではなくて、あくまでも「このイベントにご参加いただいて、一緒に飲みまくりましょう!」というものですので、お間違えなきように(笑)。

    【会の概要】(詳細はこちら。)
  • 名称: 第2回 古典酒場ほろ酔いと~く
    Banner_mini

  • 日時: 平成20(2008)年11月29日(土)
      1回目: (午後2時半開場)午後3時~午後5時 (満員御礼!)
      2回目: (午後5時半開場)午後6時~午後8時 (満員御礼!)

  • 場所: ハーミテイジきくや(市ケ谷)

  • 会費: 5千円(料理+ホッピー飲み放題+ホッピービバレッジのお土産セット)

  • 定員: 各回先着40名様(応募を締め切りました。)

 このイベントは、古典酒場責任編集の居酒屋ガイドブック、「東京銘酒肴酒場2009年版」(11月17日(月)発売予定)の発売を記念しての大感謝祭として、出版元の三栄書房さんはじめ、ホッピービバレッジさん、そして「ハーミテイジきくや」さんのご尽力により開催されるものです。

 トークセッションの出演者は、作家で雑誌編集者(ご趣味はランニングと大衆酒場巡り)の渋谷和宏(しぶや・かずひろ)さん、ホッピービバレッジ株式会社取締役副社長のホッピーミ~ナこと石渡美奈(いしわたり・みな)さん、古典酒場編集長の倉嶋紀和子(くらしま・きわこ)さんと、不肖、私でございます。

 冒頭の写真が、去る10月4日(土)に、「古典酒場~銀座昭和浪漫編」の出版を記念して行われた第1回目のトークイベントのときの模様です。トークセッションをやっているみなさんも、会場にいらっしゃってるみなさんも、みんながガンガンとホッピーを飲みながら、また会場からの質問なども受けながらの、たいへん楽しい時間でした。

 今回はさらに、出演者行きつけの酒場を事前取材して、ビジュアルプレゼンテーションを行うことも予定されているそうですので、これもまた楽しみです。

 一番不安なのは、各回40名ずつの1日2回転、都合4時間もの、ホッピーを飲みながらのトークイベントになるということです。最後までろれつが回る状態でいられるかどうか、正常な意識を保った状態でいられるかどうか…。

 師走(しわす)に突入する直前のあわただしい時期ではありますが、大勢のみなさんにご参加いただけるとありがたいです。ぜひよろしくお願いします。

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腐乳で一献、燗の老酒 … 豚料理「味珍(まいちん)」(横浜市・横浜)

ヤカンと梅割りの素


 しばらく間が空くと無性に食べたくなるのが、横浜駅西口・狸小路にある「豚の味珍」の豚料理です。

 メニューを見ると中華料理っぽいのですが、実は醤油ベースの秘伝の和風タレでじっくりと煮込んであるという「味珍」の豚料理は、頭、舌、足、耳、尾、胃の6種が各700円。これを、練り辛子+酢+醤油+好みでラー油を混ぜたタレにつけていただくのです。

 本店と新店のそれぞれに1階店舗と2階店舗があって、都合4軒の「味珍」が向かい合って営業する中、今日もいつもの本店2階のカウンターに入り込み、まずはキリンビール(中瓶、550円)をもらって、豚の尾(700円)と頭(700円)、くらげサラダ(400円)でスタートです。

 この店は、それぞれのボリュームが多いので、ひとりで来ると豚料理をどれか一品と、辣白菜(らつぱーさい、300円)という、これまた独特の白菜の漬物くらいしか食べることができないのです。今日は飲み仲間と二人なので、安心して2品+サラダに走ったのでした。

 瓶ビール1本で喉を潤したところで、飲み物はみんなから「ヤカン」と呼ばれている焼酎(380円)に切り換えます。焼酎の銘柄は「特撰宝焼酎マイルド25度」。缶のウーロン茶(150円)と氷をもらって、自分でウーロン割りにします。ここの焼酎も、あとでガッツリと効くタイプなのです。(しかしながら、ウーロン割りにしたからといって焼酎の量が減るわけではないので、あとで効くのは一緒かも…。)

 連れはビールの後は老酒(らおちゅう、400円)を選びます。この店には他にも、五加皮(400円)や杏露酒(400円)、レモン酒(400円)にリンゴ酒(400円)などといったお酒もラインナップされているのです。

 この老酒。単に老酒と注文するとグラス1杯の室温の老酒が出されます。しかし、メニューには老カン(600円)というのも載っていて、こちらを注文すると燗をつけた老酒を徳利で出してくれるのです。徳利で出される分、量も多いので、値段もそれに見合った形で高くなってるんですね。

 焼酎ももう1杯いただいたあと、最後にその老カンをもらって、つまみには腐乳(醗酵豆腐、150円)を注文します。

 腐乳は、豆腐の塩辛といった感じで、爪楊枝の先にちょいとつけて舐めるくらいの量で、たっぷりとお酒をいただくことができるのです。この腐乳を、つけダレの中に混ぜ込むと、濃厚なコクが得られるようになるので、そうやって食べている常連さんもいらっしゃいます。

 今日は1時間半ほど楽しんで、ふたりで4,410円(一人当たり2,205円)でした。どうもごちそうさま!

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猪頭肉、猪尾、くらげサラダ / メニュー / 焼酎とウーロン茶

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老酒 / 腐乳と老カン / 爪楊枝で食べる腐乳

店情報前回

《平成20(2008)年9月22日(月)の記録》

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新ジャンルの大衆酒場 … 大衆鉄板「こいくちや」(下井草)

大衆鉄板「こいくちや」


「もう行った? こいくちや」

 西武新宿線沿線の呑ん兵衛たちが、このところまるで挨拶のように交し合うこの言葉。「こいくちや」は、今年の4月に、西武新宿線・下井草(しもいぐさ)駅のすぐ近くにオープンした、「大衆鉄板」というジャンルのお店です。

 私もまだ行ったことがなかったので、「近いうちに行ってみなきゃなぁ」と思っていたところへ、うちの近くにお住まいの、料理研究家でソムリエールの伊野さんから、「こいくちやさんに行ってみませんか?」というメール。「ぜひ行きましょう!」と二つ返事でやって来たのでした。

 店に到着したのは午後6時。店内は、店に入ってすぐ右手に、大きな鉄板を囲むようにL字型のカウンターがあり、左手から店の奥にかけてテーブル席が並びます。

「ひとりですけど、後で2人になります」と店頭で接客している店主に告げると、

「それじゃ、カウンターにどうぞ」とカウンターの中央部、ちょうど鉄板料理をガンガン作っている前に案内してくれました。これはいいポジションですねぇ。

 まずはアサヒとサッポロが選べる瓶ビール(中瓶、500円)から、サッポロ(黒ラベル)をもらって、つまみにはポテトサラダ(280円)と、ネット上などでもすでに高い評判のトマトチーズ焼き(280円)を注文します。

 すぐに出されるポテトサラダをつつきながら、目の前の鉄板上で作られるトマトチーズ焼きを観察です。櫛(くし)に切ったトマトが鉄板の上に置かれ、その上に、細く切られたチーズをたっぷりと載せたら、鉄板焼き用の取っ手のついた蓋(カバー)で覆(おお)います。そのままの状態で待つことしばし。タイミングをみてカバーを取ると、チーズ全体がとろりと溶け出して、トマトを包み込むような感じで、たとえて言えば「台のないピザ」のような状態で仕上がります。

 そのまま皿に載せて、「はい、どうぞ」と出されたトマトチーズ焼き。上面はトロっとしているものの、下面は鉄板の上でカリっと焼かれていて、その食感もすばらしい。

 トマトチーズ焼きができあがった頃に、伊野さんも到着されるのではないかと、先に注文していたのですが、まだ到着されないので、このトマトチーズ焼きは熱々のうちにいただくことにします。

 「大衆鉄板」という謳(うた)い文句どおり、この店の料理は、35品目ほどがほぼ280円均一。ハラミ焼きと焼きそば(こいくちやきそば)の2品だけが560円。美味しいうちにいただいて、欲しければもう1度たのめばいいかな、と思える嬉しい価格設定なのです。

 そのトマトチーズ焼きを食べている途中で、伊野さん到着。なんと駅の近くで交通事故の目撃者になってしまい、警察からの事情聴取などを受けていたんだそうです。実は私も、その交通事故の横を素通りして、ここにやってきたのでした。あの現場に、中心的人物のひとりとして伊野さんもいらっしゃったんですね。まったく気がつかず、ごめんなさい。

 伊野さんがホッピー(380円)を注文されるのに合わせて、私も飲み物をホッピーに切り替えて乾杯です。ホッピーやサワー類は、ほぼ380円均一。ナカ(焼酎のおかわり)は250円です。ホッピーは、よく冷えたジョッキに氷とともに焼酎が入れられ、それとは別に瓶入りのホッピーが出されるスタイルです。

 料理のほうは、毎日限定10食の豚タン煮(280円)。これは牛スジ煮の煮込み鍋の中に、豚タンを丸ごと入れて煮込んだもの。丸ごとの豚タンを縦に半分に割ったものが1人前で、食べやすくスライスした後、刻みネギをトッピングして出してくれます。

 さらにナカをおかわりしながら、イカゲソ焼き(280円)や、カレー風味のレンコン肉詰め(280円)もいただきます。なるほど。この店も同じ沿線の「秋元屋」と同様、なにを食べてもはずれがなさそうですねぇ。

 さぁ、次はなにをいただきましょうか……、なんて話しているところへ、ピピピッと携帯電話が鳴ります。おろっ。「古典酒場」の倉嶋編集長です。

「もしもし。今、成田一徹(なりた・いってつ)さんと「燗酒屋」さんにいて、このあと「繁寿司」をご紹介いただけないかというお話が出ているんですが、いかがでしょう?」

 おぉ。成田一徹さんと言えば切り絵の大家。特にバーの切り絵が有名で、「古典酒場」にもその作品が掲載されているのです。それはさっそく合流させていただかなけりゃ。

 伊野さんにも了解をいただいて、ここはいったんお勘定。2時間ちょっとの滞在は、席料がひとり100円ずつ付いて、ふたりで3,630円(一人当たり1,815円)でした。どうもごちそうさま。近いうちに必ずまた来ますね!

 この後は、伊野さんにもご同行いただいて、下井草駅前からタクシーでビューンと「燗酒屋」へ。初めてお目にかかる成田さんは、見た目もものすごく若々しくて、ご自身のHPに書かれている生まれ年が信じられないほどです。和服に割烹着の女将が、美味しく漬かったお新香を出してくれて、ひとしきり日本酒をいただいたあと、みんなで荻窪の「繁寿司」に向かいます。

 午後10時過ぎの店内には、他のお客さんもおらず、5人でずらりとカウンターに並ぶと、今日も店主のシゲさんがニコニコといろんな話を聞かせてくれます。

 その後、成田さん、伊野さんはご帰宅され、残った3人で鷺ノ宮の「満月」にも足を伸ばします。ワイワイと飲むうちに気がつけばもう午前1時。徹底的に飲んだくれた、楽しい土曜日となったのでした。

 ご一緒いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

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ポテトサラダとビール / トマトチーズ焼き / ホッピーセット

080920d 080920e 080920f
豚タン煮 / イカゲソ焼き / れんこん肉詰め

080920g 080920h 080920i
「燗酒屋」のお新香 / 「繁寿司」のタコ吸盤 / 「満月」のオクラ納豆

店情報 (同じ日の伊野さんの記事倉嶋編集長の記事

《平成20(2008)年9月20日(土)の記録》

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店情報: 大衆鉄板「こいくちや」(下井草)

    こいくちや
  • 店名: 大衆鉄板「こいくちや」
  • 電話: 03-6382-8978
  • 住所: 167-0022 東京都杉並区下井草3-39-15
  • 営業: 17:00-24:00、火・第3月(祝日の場合は別の週)休
  • 場所: 西武新宿線・下井草(しもいぐさ)駅の改札を出て左(出入口2)に降り、駅前の道を右(田無・井荻方面)へ。道成りに進むこと約100m、左手。
  • メモ: 平成20(2008)年4月8日創業。 ホッピーセット、各種サワー、ハイボール、トマト割り、以上各380。ワイン赤・白ボトル2000、地酒ワンカップ500~、瓶ビール(アサヒスーパードライ中、サッポロ黒ラベル中)500、生ビール(キリンラガー)550、日本酒一合400、焼酎各種400~、キンミヤ280、宝焼酎250。 ゆで卵肉巻き、とりもも焼き、ホタテ焼きタルタルソース、あらびきウィンナー、豚バラ焼き、ペッパーサラミ、小海老マヨ焼き、まぐろホホ肉焼き、チーズオムレツ、トマトチーズ焼き、しそめんたいチーズ焼き、コーンチーズ焼き、ナスとトマトのベーコン巻き、アスパラ肉巻き、とんてっちゃん、にんにく焼き、れんこん肉詰め、特製ぎょうざ、イカゲソ焼き、栃尾あぶらげ、もろきゅう特製みそ付、ポテトサラダ、生キャベツ特製みそ付、オニオンスライス、冷しトマト、まぐろカルパッチョ、冷やっこ、チャンジャ、味玉とオイルサーデン、牛すじ煮、まぐろ納豆、もずく酢、割りぼしキムチ、以上各280。 ハラミ焼き、こいくちやきそば、以上各560。席料100。メニューは黒板に書き出されるのでいつも同じとは限らない。店主のブログあり。(2008年9月調べ)

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焼き鳥1本60円から … 焼き鳥「鳥やす本店(とりやすほんてん)」(高田馬場)

焼き鳥盛り合わせと燗酒


 昭和42(1967)年の創業以来、高田馬場で40年以上営業を続けている人気焼き鳥店、「鳥やす本店」にやってきました。

 あいにくの雨の中、飲み屋街(さかえ通り)の一番奥という立地条件にも関わらず、金曜午後8時の店内はほぼ満席。かろうじてひとり分が空いていたカウンター席に案内されます。

 店内は、入口を入るとすぐ左手に2階へと上がる階段があり、その奥、右手がカウンター席、左手はテーブル席がずらりと並んだ広いフロアになっていて、けっこうな収容人数です。

 これだけ大箱店なのに、いつもほぼ満席という人気の理由は、なんといってもその値段の安さにあります。たとえば看板メニューの焼き鳥も、もつ(鶏レバー)、砂肝などが1本60円。正肉、はつ(鶏ハツ)、ぼんちりなどが1本70円。手羽先、つくねなどが1本80円という、前時代的な価格設定なのです。

 席に案内されると、すぐにお絞りと定番のお通しである小おろし(大根おろし+うずら玉子、60円)が出されます。

 メニューには『通は「大おろし」で食う』という文字がおどり、『塩焼の手羽先・ぼんちり等は山盛りの大根おろしと一緒に食べると油が中和されてサッパリし、最高です』と注記されています。入店時に「大おろしでお願いします」と声をかければ、お通しの小おろしを大おろし(180円)に変えてもらうことができるのだそうです。

 実際、ふたつくらい横に座っているおにいさんは、最初から大おろしをもらって食べはじめ、途中でその大おろしをおかわりしてたほどでした。

「まずはお飲み物からうかがいます!」

 席に座るやいなやという感じで、店のおにいさんの元気な声が響きます。

「チューハイをお願いします」

 メニューを見る間もなくそう注文すると、すぐに出されたチューハイ(350円税別)は、サワーグラスに氷とともに入れられた、焼酎と炭酸だけの非常にシンプルなスタイルです。チューハイを出してくれたおにいさんは、背後でレシートを片手に注文取りのスタンバイです。

「焼き鳥の盛り合わせと、煮込みをお願いします」

 焼き鳥は単品2本ずつからの注文ながら、盛り合わせ(490円税別)にすると7種類の焼き鳥(もつ(レバー)、すなぎも、はさみ(ネギ間)、はつ、ぼんちり、てばさき、つくね)を1本ずつ盛り合わせてくれるのです。

 焼き鳥は、カウンター内の焼き台にずらりと並んで焼かれているのですが、なにしろ1階も2階も満席状態の客の入り。こんな勢いで焼いているのにけっこう待たされてしまうのです。

 その待ち時間の間に食べようと注文した煮込み(300円税別)が、予想どおり、あっという間に登場します。

 この店には「煮込み」と、「もつ煮込み」(300円税別)という、二つの煮込みメニューの2種類がります。今回選んだ「煮込み」は、メニューにも『手羽先と野菜の煮込み。鳥やすといえばコレです』と注記されている名物品。鶏ガラを長時間コトコトと煮たスープで、手羽先と根菜類(主として大根で、ニンジンも少し)を煮込んだ、具だくさんの絶品スープなのです。冷たいチューハイに熱い煮込み、淡白なチューハイに濃厚な煮込みと、温度もコクも相反するバランスで、双方がぐいぐいと進みます。

 カウンターの上にずらりと並んでいる「富翁」の一升瓶を見てみたところ、これが上撰(本醸造)の「富翁」で、値段は320円(税別)。本醸造酒にしては比較的リーズナブルなので、焼き鳥盛り合わせが出てきたタイミングで、この「富翁」を燗酒でいただくと、底に蛇の目模様のついた大ぶりのぐい飲みに、金属製のチロリで温められた酒が注がれます。

 焼き鳥7本で、1合の燗酒を飲み終えて、1時間弱の滞在は1,600円(1,520円+消費税)でした。どうもごちそうさま。

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「鳥やす本店」の入口 / お通しとチューハイ / 手羽先と野菜の煮込み

店情報前回

《平成20(2008)年9月19日(金)の記録》

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ふんわりとやわらかい … ピザ「シシリヤ(Sisiliya)」(横浜市・関内)

マルゲリータ


 横浜・関内(かんない)にあって、いつも予約でいっぱいの人気ピザ屋が、「シシリヤ」です。店の公式サイトで、PIZZA・BARと表記されているとおり、ビール(ハートランド、500円)や、カクテル、リキュール類(500円のものが多い)のほか、シェリー(600円)にグラッパ(800円)、そしてワインもハウスワイン(プリマベーラ赤・白、グラス300円、500mlカラフェ900円)のほか、スパークリングなども含んで何種類か(ボトルで1,900~4,500円ほど)用意されていて、店内はピザをつまみにお酒を楽しんでいる人も多いのです。

 今日も、野毛の立ち飲み串揚げの店、「福田フライ」で飲み始めて、「三陽」、「ホッピー仙人」と飲み進んだあと、タクシーで「シシリヤ」に到着したのは午後9時半過ぎ。この時間なら入れるかなと思いきや、店内はまだ満席状態が続いていて、空いたら携帯に電話をしてもらうようにお願いして、すぐ目の前のバー、「バーバーバー(Bar Bar Bar)」で飲みながら待つことにします。

 「バーバーバー」はジャズの生演奏を聴くことができるバー。今日はクラリネットの北村英治(きたむら・えいじ)さんのライブが行われているようで、その音色が2階から聞こえてきます。ライブは2階で行われていて、ミュージックチャージが必要な席です。

 1階はカウンター席とテーブル席のバー・コーナーになっていて、こちらはミュージックチャージなしで、普通のバーとしてお酒を飲むことができるのです。もちろん2階の音は、かなりしっかりと聞こえてきますので、1階でもライブの様子はよくわかります。

 30分ほどして「席が空いた」という連絡が入り、「シシリヤ」に移ります。

 ハウスワイン(プリマベーラ赤)をカラフェ(500ml、900円)でもらって、ピザはマルゲリータ(1,000円)と、4種類のチーズを使ったクアットロ・フォルマッジ(1,200円)を注文します。

 店のメニューには45種類ほどの(基本はマルゲリータ、マリナーラ、ビアンカ、クアットロ・フォルマッジの4種類で、トッピングなどの違いにより全体で45種類ほどになっている)ピザ(1,000~2,300円)と、3種のフォカッチャ(600~700円)があるほかは、30品弱の前菜(300~900円)と5種類ほどのデザート(300~600円)ですべて。ピザの焼き上がりを待つ間、それらの前菜の中からオリーブのつけもの(300円)をもらいます。

 そのオリーブをつつきながら、待つことしばし。まずはマルゲリータが焼きあがってきました。薪窯(まきがま)を使って焼き上げる、ふんわりとやわらかいピザが、この店最大の特徴。うまいよなぁ、やっぱり!

 そしてクアットロ・フォルマッジ。4種類のチーズをたっぷりと使ったこのピザは、まさに赤ワインにぴたりと合う一品で、食べるほどにワインがぐいぐいと進みます。

 すっかり満腹になって、今日のお勘定は3人で5千円ほど(ひとり当たり1,700円弱)でした。いやぁ、満足満足。

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「福田フライ」 / 「三陽」の餃子 / 「ホッピー仙人」

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「Bar Bar Bar」 / 「シシリヤ」の薪窯 / 積み上げた薪

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オリーブのつけもの / クアットロ・フォルマッジ / ワインなど

店情報前回

《平成20(2008)年9月18日(木)の記録》

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自宅近くでブラブラと … 「秋元屋」「竹よし」他

冷し中華


 秋の運動会・文化祭シーズンがやってきました。昨日は息子(中3)の運動会で、今日は娘(高2)の運動会。小学校のときとは違って、子供たちと一緒にお弁当を囲んだりはしないので、昨日は学校近くのファミレスで、今日は中華料理屋(中村橋の「祥龍房」)で、カミサンとふたりで昼食です。冷し中華を注文すると、これがけっこう大盛りで満腹になってしまいました。きっとこれが今シーズン最後の冷し中華だろうなぁ。

 運動会の見学が終わったあとは口開け(午後4時)の「秋元屋」です。普段の日曜日でもお客さんが多いのですが、三連休の中日(なかび)とあって、口開けとほぼ同時に満席状態です。サッポロラガービール大瓶(赤星、550円)とセンマイ刺(300円)でスタートし、やきとんはレバ、カシラアブラ、テッポウを味噌ダレでいただきます。

じゃこおろし 飲み物を三冷ホッピー(380円)に切り替えて、つまみにじゃこおろし(250円)を注文すると、そのじゃこおろしを持ってきてくれたヨッちゃん(=店を手伝っている女性)が「健康的でいいわよね。夏大根だからピリッと辛くて美味しいわよ」と声をかけてくれます。こうやってちょっと一声かけてくれるのが、呑ん兵衛にとっては嬉しいんですよね。

 1時間ちょっと楽しんで、「秋元屋」のお会計は1,880円でした。

 明日も休み(祝日)なのでもう1軒、と「秋元屋」から歩いてやってきたのは、都立家政の魚料理と天ぷらの店、「竹よし」です。この2軒の間は、歩いても10分程度なのです。

 「竹よし」は、昨日の第2土曜日が79回目となる食事会の日。今回は車えびと、たらばがにが食材で、車えびは姿焼と天ぷらに、たらばがには、かにすき(最後に雑炊)と、かにスープとして供されたのだそうです。

イナダ刺身 夕食会の食材が残っていれば、翌日の日曜日にもそれをいただくことができるのですが、残念ながら車えびも、たらばがにも残っていないようです。昨日の夕食会に副食材として出されたイナダはメニューに載っているので、そのイナダ刺身(500円)をいただいて、飲み物は最初から燗酒(菊正宗、350円)です。

 イナダは、ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ と出世(?)する、小さいほうから2番目で、体長30~40センチ(2歳)ぐらいのものを指すのだそうです。プリッと脂ののった刺身が、燗酒にとてもよく合います。

 ゆっくりと2時間以上くつろいで、「竹よし」のお勘定は2,250円でした。

 最後にふらりと立ち寄ったのは、中杉通りにあるサッポロラーメンの店、「大龍」です。久しぶりにサッポロみそラーメン(600円)をいただきます。

サッポロみそラーメン この店はサッポロラーメンが、みそ、バター、醤油、塩(各600円で塩のみ580円)とそろっているほか、四川フカヒレタンメン(870円)や四川サンラータンメン(770円)、ジャジャメン(680円)、タンメン(650円)などのラーメン類。シュウマイ(390円)、餃子(370円)、枝豆(230円)、野菜炒め(380円)、豆腐(冷・焼・湯、各300円)、冷しトマト(300円)、メンマ(200円)、キムチ(200円)などのつまみ類。そして定食類も、鳥の唐揚げ(730円)、生姜焼肉(680円)、トンカツ(680円)など10品ほどが並んでいるのです。

 これらをつめみにビール(中瓶、480円)やお酒(350円)、酎ハイ(320円)などを飲んでいる人も多いのです。

 ピリリとしっかりした味のサッポロみそラーメンを食べ終えて、家路についたのでした。

・「秋元屋」の店情報前回) / 「竹よし」の店情報前回

《平成20(2008)年9月14日(日)の記録》

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〔コラム〕 もつ煮込みの名店を探る

もつ煮込み 宇ち多゛

 東京、特に下町の酒場では、「枝豆にビール」という組み合わせ以上に黄金の組み合わせなのが「煮込みにチューハイ」です。

 太田和彦(おおた・かずひこ)さんが、その著書「居酒屋大全」(1990年、講談社、文庫本あり)の中で提唱した、北千住の「大はし」、森下の「山利喜」、月島の「岸田屋」の東京三大煮込み。これに立石の「宇ち多゛」と、門前仲町の「大坂屋」を加えた東京五大煮込みという言葉は、今や呑ん兵衛の間ではすっかり定着した感もあります。

 同じ煮込みという名称ながら、「大はし」は牛の頭肉、「山利喜」「岸田屋」「大坂屋」は牛のモツ、「宇ち多゛」は豚のモツと、それぞれ材料も異なり、味付けも異なるのに、それぞれがその店のスーパースター的な肴(さかな)なのがすばらしいですね。

肉とうふ 煮込み玉子入り 牛にこみ
大はし / 山利喜 / 岸田屋

 この五大煮込みの中でも、最近、特にはまり気味なのが、門前仲町の「大坂屋」です。大正時代の終わりに創業した「大坂屋」は、串に刺した牛モツを、濃厚な味噌ダレで煮込みます。これを半熟の玉子にからめて食べると、うまいこと、うまいこと。必ずクセになってしまう煮込みなのです。

 北千住の「藤や」や三ノ輪の「弁慶」なども、「大坂屋」と同じく串に刺したスタイルの煮込みを食べらることができる酒場です。

牛にこみ 牛煮込み 煮込み玉子入り(ニコタマ)
大坂屋 / 藤や / 河本

 私が個人的に一番好きなのは、木場の「河本」の煮込みです。「河本」の煮込みは、裏に脂肪分がたっぷりと付いた牛の腸が材料。まさに「こってりと」という言葉を、そのまま具現化したような煮込みなのです。これに合わせるのが「河本」のもう一つの名物、ホッピーです。この店ではホッピーの販売が始まった昭和23年からホッピーを出しているのです。すっきりとしたホッピーと、もっとも相性のいい煮込みなのではないかと私は思っています。

 ここまでに登場した店は、すべて東京の東側、いわゆる下町エリアのお店ですが、西側エリアにも、下町と比べると歴史は浅いながらも、特徴的な煮込みがいろいろと存在しています。

 非常に個性があって大好きなのが、阿佐ヶ谷の「川名」の煮込みです。これは豚軟骨を、たっぷりの野菜類と一緒に煮たもので、軟骨のコリコリとした食感と、野菜の自然な甘みが味わえる、絶妙なスープとも言える一品なのです。

 高田馬場の「鳥やす本店」の煮込みも、鳥ガラと根菜類のスープに、具として手羽が入ったもので、モツ煮込みとは言えない一品ですが、「川名」と同じく、とても美味しいスープに仕上がっています。

豚煮込み 煮込み 煮込み(うずら玉子入り)
川名 / 鳥やす / 石松

 中野の「石松」の煮込みは、めったにメニューに登場することがないので「幻の煮込み」と呼ばれています。とろりと柔らかいのが特徴です。

 池袋の「千登利」は、昭和24(1949)年創業のやきとんの老舗。ほとんどの人が注文する名物の牛肉豆腐は、大きな鍋でグツグツと煮込まれている牛スジ肉と豆腐で、闇市の昔を彷彿とさせる甘さの強い醤油味が特徴です。

 これら以外にも特徴的な煮込みは数多くあって、たとえば浅草の「正ちゃん」は、大きな鍋で煮込まれる牛筋の煮込み。そのまま煮込みとしても食べられますが、ご飯にかけて牛丼にしたり、うどんにトッピングして肉うどんとして食べたりできるのが、昔からの浅草流なのかもしれません。

牛肉豆腐 煮込み 馬もつ煮込み
千登利 / 正ちゃん / 大統領

 上野の「大統領」の煮込みは、他ではあまりお目にかからない、馬の腸を煮込んだもの。神田の「みますや」は牛肉の煮込みです。赤羽「米山」の透明スープのあっさり煮込みや、新橋「ぼんそわ」のカレー煮込みもいいですよねぇ。

牛煮込み あっさり煮込み もつカレー煮込み
みますや / 米山 / ぼんそわ

 パッと思いつくだけでも、これだけの店が挙げられるのが煮込みのすごいところ。他にもまだまだ私が行ったことがない煮込みの名店が多そうなので、今後がますます楽しみです。

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刺身と握りで軽く一献 … 寿司「魚がし寿司(うおがしずし)」(都立家政)

活〆ハマチ


 虎ノ門から自宅近くまで帰ってきて、今日の2軒目は寿司屋で一献といってみますか。

 拙著「ひとり呑み 大衆酒場の楽しみ」の中で酒場を分類したときに、寿司屋や蕎麦屋、おでん屋などは「専門料理」と分類しました。その店で出される食べ物を楽しみにお酒を飲むという、どちらかというと食が主、酒が従になるタイプの酒場です。中華料理やフレンチ・レストラン(ビストロ)なども、同様の位置付けかもしれませんね。

 ここ「魚がし寿司」も、ビール、日本酒、そしてワインともに、それぞれ1銘柄しか置いていませんが、握り寿司のほかに何品かの酒の肴(さかな)専用のメニューも書き出されていて、楽しそうにお酒を飲んでいるお客さんも多いお店なのです。

 金曜日、午後8時過ぎの店内は、ちょうどそこのお客さんが帰ったばかりなのか、L字カウンター手前側の一角だけが3人分ほど空いています。一番奥側に陣取り、徳利と湯呑みが選べる燗酒(550円)を、今日は湯呑みでお願いします。

 L字カウンターのみ十数席を切り盛りするのは店主夫婦。ご主人がカウンターの中で寿司を担当し、奥さんがお酒を運んだり、奥の厨房で炙りを担当したりしているのです。

 まずはつまみから行きますか。握り寿司になるものは、すべてつまみでいただくこともできるのですが、壁に張り出されている今日の刺身は、カツオ(700円)にサンマ(500円)、そして活〆のハマチ(600円)など。ハマチ、いいですねぇ。これをいただきましょう。

 目の前でスゥーイ、スゥーイと引いてくれたハマチは、お腹のあたりの厚みもある身が、大きく6切れ。すばらしい脂ののりです。

 今日のお客さんは、近所の人らしき家族連れ(といっても大人ばかり)が多いようで、女性のみなさんは次々と握りを注文し、男性陣はそれを横目で見つつ、刺身などをつまみながらお酒を飲んでいるという状況。こうやって気楽に楽しめる寿司屋がありがたいですよねぇ。

 さぁて。私も握ってもらいますか。まずは大好きなコハダ(100円×2個)から。

 この店のにぎりは1個50円の玉子、ゲソからはじまって、コハダやマグロが100円。穴子などが150円、中トロなどが200円、そしてアワビやカマトロあぶりなどが300円。一番高い大トロあぶりでも350円と安いのです。さらにセットの握りになると、並600円、上800円、特上でも1,300円と、すばらしいコストパフォーマンス。人気があるのもわかりますよね。

 さらに本日のサービス品、サンマ(100円×2個)を握ってもらうと、これまたいい脂ののりです。

 シメにはいつもの穴子(150円×2個)をいただいて、1時間ほどの滞在は1,850円でした。どうもごちそうさま。

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コハダ / サンマ / 穴子

店情報前回

《平成20(2008)年9月12日(金)の記録》

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うるめいわしで虎ノ門 … 居酒屋「升本(ますもと)」(虎ノ門)

うるめいわしと燗酒


 都内での仕事を終えて、虎ノ門の老舗大衆酒場「升本」にやってきたのは午後6時前。金曜日とあって、すでにテーブル席だけの1階店内にはお客さんがたくさん入っています。

「いらっしゃいませ。おひとりさん? こちらにどうぞ」

 そう言いながら、入口から二つ目のテーブルの一角に案内してくれるのは年配の男性店員さん。雰囲気からして、もしかするとこの人が、この店の主(あるじ)なのかもしれません。

 席に座るのと同時に、女店員さんがお手ふきと割り箸、そして取り皿を出してくれて、レシートを持ってスタンバイです。

「小瓶のビールをお願いします。あと、たこのぶつ切り」

「はーい」と2枚1シートのレシートに注文を書いて、上側の用紙をピッと切り取って、厨房との間にある注文票置き場において、すぐにビール(サッポロ黒ラベル小瓶、400円)を出してくれます。

 今日は燗酒をいただこうと思っているのですが、仕事終わりにはやっぱりビールもかかせません。小瓶のビールは350mlで、グラスに軽く3杯程度。最初に喉を潤すのにちょうどいい量なのです。

たこのぶつ切りとビール たこのぶつ切り(550円)が出たところで、最後の1杯のビールを飲み干して、オリジナルブランドの日本酒「虎ノ門」(300円)を燗でもらいます。

 ここ「升本」は、たこおでんが名物で年中食べることができます。普通(足1本分程度)のたこおでんが650円で、壷に入った2~3人前のジャンボたこおでんなら1,600円。そんな店なので、きっとたこのぶつ切りも美味いに違いないと思って注文したような次第で、予想どおりのいい味です。

 私の向かい側に案内されてきたスーツ姿の男性ひとり客は、とても慣れた風情で「カスミの冷やに、まぐろ納豆(450円)、辛子れんこん(400円)」と、席に腰を下ろすまでの間に注文を済ませてしまいます。

 カスミの冷やってなんだろうなぁ、と思いながら見ていると、「霞ヶ関の冷やです」とグラスと一升瓶を持ったおねえさんがやってきました。なるほど。この店のもうひとつのオリジナルブランドの日本酒「霞ヶ関」(350円)のことを「カスミ」と呼ぶんですね。ツウっぽいなぁ。

 その「霞ヶ関」。オリジナルブランドかと思いきや、一升瓶はしっかりと「名誉冠」(本醸造)そのものです。「名誉冠」が、この店の「霞ヶ関」でしたか。それとも週替りなどで銘柄を変えて、本醸造酒を出しているのかもしれませんね。

 このおじさんの常連さんぶりに感心していたら、6時を回ると、もっとすごい常連さんたちが現れ始めました。ふらりと、まるで我が家に帰ってきたかのような雰囲気で店に入ってきて、そのまま入口に一番近いテーブル席にストンと座るのです。

 すると、何も注文していないのに、大瓶のビールがすっと出されて、おじさんは新聞を広げながら、そのビールをゴクゴクと飲み始めるのです。

 この店のテーブル席は、通常は8人分の席が用意されているのですが、一番入口側のテーブル席だけが、同じ大きさのテーブルながら6人分の椅子しかセットされていなくて、ゆったりと座ることができるようになっています。そして、テーブルの上には「予約席」の札が載っています。

 また、ふらりとおじさんが入ってきて、そのテーブルにストン。お店の人も「いらっしゃいませ」とも言わないまま、フッと冷や酒を出して、ひと言ふた言、言葉を交わしています。そこへ、さらにまたひとり。みんな、自分の席が決まっているのか、入口からまっすぐにその席に向かい、迷うことなくストンと座るのがおもしろい。ほとんど毎日来ているのに違いありません。

 私も「虎ノ門」の燗酒(300円)をおかわりし、つまみには、うるめいわし(300円)をもらうと、炙ったうるめいわしが4尾です。ハラワタ辺りのほろ苦いところが好きなんですよねぇ。口の中がまだちょっとほろ苦いところに、ふわっと甘い燗酒をキュッ。たまりませんなぁ。

 1時間半ほどの滞在は1,850円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成20(2008)年9月12日(金)の記録》

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元祖羽根付き焼き餃子 … 中華料理「ニーハオ西口店」(蒲田)

元祖羽根付き焼き餃子


 蒲田での2軒目は、羽根付き焼き餃子で有名な「イ尓好(ニーハオ)」です。本店は京急蒲田駅の近くにあるらしいのですが、今日はJR蒲田駅西口からすぐのところにある西口店に入ります。

 入口を入ると、「上にどうぞ」と階上に案内されます。階段の途中に中2階的に厨房があり、その上がテーブル席がずらりと並ぶ2階席。ひとり客もグループ客も、それぞれ1卓に案内されるようで、我われ(2人)も、かろうじて空いていた1卓に案内されます。

 まずは名物の焼き餃子(5個300円)を2人前注文し、飲み物には紹興酒(5年もの)をボトル(2,200円)でもらいます。注文を取りにきてくれたおにいさんが、日本語ができないようで、紹興酒を温めてもらうようにお願いしたのに、出てきたのはロックで飲むセットでした。ま、いいか。

 そして元祖羽根付き焼き餃子です。パリッとした羽根の部分を割るように一切れとって口に含むと、餃子の中は汁がたっぷり! 一口で食べきらないとピューッと外に飛び出してしまうほどで、まるで小龍包並みです。いやぁ、これは美味いなぁ!

 蒲田は餃子の有名店が多い土地でもあって、この「ニーハオ」のグループ(蒲田に4店舗のほか、町屋と芝公園にも支店あり)のほか、「歓迎」(ホアンヨン)や「金春」(コンパル)などが知られています。先ほど「歓迎」も覗いてみたのですが、こちらは店の外に行列ができるほどいっぱいで、入れなかったのです。

 なぜ蒲田に餃子屋さんが多いのか。

 実は「ニーハオ」も「歓迎」も「金春」も、すべて親戚同士で、そのルーツは中国・大連で料理店を開いていた八木龍平さん・芳子さんご夫妻にあるのだそうです。日中国交正常化(1972年)後に親族一同とともに来日した八木さんは、平成元年(1989年)に「歓迎」を開き、その親族が「ニーハオ」や「金春」、さらには大森の「大連」(タイレン)を開いたのだそうです。

 焼き餃子に続いては松笠イカとセロリ炒め(850円)と酢豚(1,000円)をもらって紹興酒を飲み進め、最後は海鮮トマトスープ麺(900円)でしめくくります。

 メニューには、牛筋ピリ辛和え(850円)や、はちのすピリ辛和え(700円)、豚レバーとキュウリのニンニクソース和え(550円)などの、もつ好きにも嬉しい料理も並んでいます。

 また「今日の定食」と書かれた、日替わりの定食メニューもあって、これを注文している人も多いようです。今日の「今日の定食」は、Aがエビのチリソースと焼き餃子、Bがレバーねぎ炒めと焼き餃子で、それぞれ1,000円。どちらにも名物の焼き餃子が付いているので、この定食をつまみにお酒を飲むのも安くていいかもしれませんね。

 1時間半ほどの滞在は二人で5,550円(ひとりあたり2,775円)でした。

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松笠イカとセロリ炒め / 酢豚 / 海鮮トマトスープ麺

店情報

《平成20(2008)年9月9日(火)の記録》

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店情報: 中華料理「ニーハオ西口店」(蒲田)

    080909z2
  • 店名: 中国家庭料理「イ尓好」(ニイハオ)西口店
  • 電話: 03-3739-2180
  • 住所: 144-0051 東京都大田区西蒲田7-66-3
  • 営業: 11:00-15:00、17:00-23:00(日祝は中休みなし。日は -21:00)、第1・3火休
  • 場所: JR蒲田駅の西口商店街(サンライズ蒲田)に入った先、左手。
  • メモ: 元祖羽根付き焼き餃子(5個)300、ニンニクソース付き水餃子(6個)500、揚げ餃子(8個)500、ゆで餃子(8個)500、蒸し餃子(3個)250、老虎菜(香菜と長ネギ醤油和え)650、牛筋ピリ辛和え850、はちのすピリ辛和え700、豚レバーとキュウリのニンニクソース和え550、酢豚1000、松笠イカとセロリ炒め850、海鮮トマトスープ麺900。キリンクラシックラガー中瓶520、青島ビール小瓶500、キリン一番搾り生ビール520、紹興酒5年(ボトル)2200、(グラス)350、日本酒(一合)300、レモンサワー400、ウーロンハイ400、果実生搾りグレープフルーツサワー500。17:00~18:30の時間限定でNo.1セット(羽根付き餃子+生ビール)が600円。日替わりの定食は、エビのチリソース+焼餃子、レバー炒め+焼餃子などがあり、各1000円。公式サイトあり。(2008年9月調べ)

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蒲田で人気の魚介の店 … さしみや「五坪(ごつぼ)」(蒲田)

さしみや五坪


 都内南部エリア最大の酒場タウン、蒲田にやってきました。駅を東側(海側)に出て、呼び込みのお兄さんがたくさん並んでいる通りを抜けたところにあるのが、魚介類を安く楽しむことができることで名の知れた、さしみや「五坪」です。

 1階が立ち飲み、2階は座り飲みになっているそうなのですが、その1階はお客さんがいっぱい。無理すれば入れないこともなさそうなのですが、せっかくなので2階の店内ものぞいてみようと階段を上がると、2階の店内は、入ってすぐのカウンター席と、小上がりにテーブル席が4卓ほど。その店内に、一組(男性二人連れ)しかお客さんが入っていない状態で、我われ(2人)も、座敷の1卓に案内されます。

 まずは瓶ビール(エビス中瓶、525円)をもらって乾杯すると、すぐにホワイトボードに書き出された「本日のおすすめ」メニューを持ってきてくれます。

 ずらりと書き出された品数はおよそ60品。これとは別に、テーブル上に置かれたメニューがありますので、全体では90品に近い品数です。刺身類は420円から630円といったところで、メジマグロやタイ、石カレイ、皮ハギなどの525円というのが刺身の最多価格のようです。他に天ぷらや、焼き物、揚げ物、ご飯物などが並びます。一番高いのはトビウオのくさやで1,575円。これとムロアジのくさや(1,260円)の2品だけが千円以上の品です。

 そんな中から、ハモ南蛮(315円)と、くじらユッケ(525円)、あん肝ポン酢(420円)の3品を選びます。

 ありゃっ!? 今、これを書きながら気がついたのですが、せっかく「さしみや」にやって来ながら、魚の刺身を注文しなかったんですねぇ。ま、くじらユッケがそれに近いといえば近いか。

 ご飯物には海鮮丼(630円)や、ウニ・イクラ丼(840円)も並んでいて美味しそう。ランチタイムも営業しているのだそうです。

 ビールをもう1本もらって、1時間ほどの滞在は二人で2,310円(ひとりあたり1,155円)でした。

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ハモ南蛮 / くじらユッケ / あん肝ポン酢

店情報

《平成20(2008)年9月9日(火)の記録》

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店情報: さしみや「五坪(ごつぼ)」(蒲田)

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  • 店名: さしみや「五坪」
  • 電話: (非公開)
  • 住所: 144-0052 東京都大田区蒲田5-23-5
  • 営業: 17:00-22:00、日祝休、(ランチ 11:30-13:30)
  • 場所: JR蒲田駅東口を出て、信号付き横断歩道でロータリーを渡り、正面のローソン(左)とアコム(右)の間の路地へ進む。3分ほど歩いた左手角。
  • メモ: 店名のとおり5坪の敷地の酒場。1階が立ち飲み、2階はカウンターと座敷の座り飲み。本業が築地の魚屋で、魚介類が充実していて安い。昼はランチ営業もあり。
    メジトロ630、メジマグロ525、タイ525、黒タイ525、黒ソイ525、石カレイ525、皮ハギ525、カツオ525、サンマ525、サンマあぶり525、殻付カキ525、クジラユッケ525、マグロユッケ525、サーモンルイベ525、鹿の子ルイベ525、アオリイカ472、水タコ472、白イカ525、ツブ貝525、ミル貝525、平貝525、ホッキ貝525、生サバ420、〆サバ420、トビ魚420、トビ魚なめろう420、生ウニ420、北海青つぶ貝315、岩ガキ630から、アワビ840から、サザエ525から、伊勢エビ天ぷら525、巻エビ唐揚525、穴子天ぷら420、ハマグリ酒むし525、すっぽんにこごり367、三点天ぷら(しいたけ、みょうが、ピーマン)472、カニ酢367、玉子とうふ315、イワシフライ420、生ワカメ315、焼き地ハマグリ525、サーモンコロッケ472、サバ塩焼420、納豆磯辺揚げ367、タコ唐揚472、ハタハタ塩焼630、いか納豆367、マグロ納豆420、あん肝ポンズ420、金目頭煮付472、金目カマ煮付472、くらげ315、大田川天然アユ840、もろきゅう315、キュウリたたき315、ハモ南蛮315、タコのやわらか煮367。
    〔焼物〕くさや(ムロアジ)1260、くさや(とび魚)1575、平目塩焼420、サバ塩焼420、こまい420、くりから367、いわし丸干し315、ハラス塩焼262、サザエつぼ焼525~、〔サラダ〕オニオンサラダ367、ポテトサラダ367、〔揚物〕白身フライ472、ハモの天ぷら472、アジフライ420、ゲソの唐揚げ420、ホタテフライ399、カレイ唐揚げ472、桜えびのかき揚げ420、タコ唐揚げ472、〔一品〕クジラベーコン525、いか塩辛(自家製)315、ホヤの塩辛315、塩らっきょ315、もずく210、もろきゅう210、〔御飯〕海鮮丼630、ウニ・イクラ丼840、おにぎり(ウメ・昆布)1個250、みそ汁210、お新香210、〔自家製〕梅酒シャーベット157、特大梅甘露煮105、トマトジュース157。
    〔ビール〕エビス中瓶525、スーパードライ中瓶472、生ビール(スーパードライ中)367、〔日本酒〕菊正宗(燗、冷)315、一の蔵(冷)525、ヒレ酒840、〔サワー〕ウーロンハイ315、緑茶割315、レモンサワー315、梅サワー315、シークサワー420、〔1ショット(芋焼酎)※1ショットはロック、水割り、お湯割りともに同一料金です〕島美人420、黒霧島420、白霧島420、黒伊佐錦420、さつま司420、秀水525、幸蔵577、薩摩577、こうもり630、龍宝630、天酔楽1050、十六代1050、魔王2100、〔1ショット(麦焼酎)〕かふか420、香吟525、〔1ショット(黒糖焼酎)〕三年寝太蔵525、れんと525、里の曙525、天下一525、花恋慕630、八千代630、朝日630、〔1ショット(泡盛)43度〕古酒840、瑞穂840、久米仙840、〔ワイン〕赤・白420、〔ボトル〕芋焼酎・島美人(900ml)2100、黒霧島(900ml)2100、黒糖焼酎・れんと(720ml)2625、れんと(900ml)3150、麦焼酎・かふか25度2100、香吟28度3150、〔ソフトドリンク〕オレンジジュース241、シークワサージュース525、〔ピッチャー(600ml)〕緑茶525、ウーロン茶525、〔その他〕氷(ロックセット)210。(2008年9月調べ)

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〔コラム〕 私の二日酔い予防法

「川名」の生グレープフルーツサワー


「今日こそ飲み過ぎないように気をつけよう!」

 いつもそう思いながら飲み始めるのですが、なかなか実行できたためしがない。気がつくと、たいてい飲み過ぎになってしまっているのでした。

 それじゃ、飲み過ぎてしまってからの対応策として何をすればいいのか。

 答えはものすごく簡単で、体内からアルコール分を追い出してしまえばいいのです。

 飲んでいる仲間が急性アルコール中毒になった場合、救急車を呼ぶと、搬送先の病院では点滴(輸液)を行って、利尿によりアルコール(エタノール)分を体外に出そうとしてくれます。

 しかし、日常的に点滴ができる環境が近くにある人は、そうはいませんよねぇ。

 自分でできる対応策。それは、水分を大量に補給することと糖分を補うことです。

 点滴と違って、水を大量に飲んだからといって、急速にアルコール濃度が薄まったりするわけではありませんが、アルコールの利尿作用によって水不足になっている身体に水分が補給されることで、尿や汗とともにアルコールを体外に出すことが促進されます。

 体内に入ったアルコールは、肝臓の働きによって、アセトアルデヒドという状態を経て、酢酸(さくさん)に分解され、最終的に水と二酸化炭素になって体外に排出されるのですが、この分解のために必要なのが糖分で、なかでも果糖がいいんだそうす。

 この両方(水分と果糖)を一気に補給できるのが、たとえば果汁100%のグレープフルーツジュース。たくさん飲んで帰ってきたあと、寝る前に大量のグレープフルーツジュースを飲んでおくと、翌日の二日酔いを(ある程度)予防することができるはずです。

 ジュースがない場合は、水をたくさん飲んでおくだけでも、ある程度の効果は得られると思います。

 迎え酒は、新たに入ったアルコールの酔いによって、二日酔いの不快感を麻痺させる方法です。新たな酔いが醒めるときに、また同じ状態になりますので、言ってみれば「問題を先送りした」だけなですね。常に酔いが醒めない状態(連続飲酒!?)にしてしまえば、この方法も有効かもしれませんが、そうすると二日酔いはなくなっても、アルコールによって身体を壊してしまうなど、別の面での影響がとても大きそうです。

 二日酔いのときに、吐いたり、下したりというのも、身体の中の毒素(アルコールなど)を早く追い出そうと、身体が自らがんばってる状態なので、下痢止め薬などで止めてしまうのは逆に良くないそうです。しばらくガマンしておくしかありません。

 そんなわけで、個人的には「二日酔い対策として有効なのは、寝る前のグレープフルーツジュース(ないときは水)に限る」という結論を得たような次第ですが、この対応策、大量の水分摂取と、アルコールによる利尿作用とで、夜中に必ずトイレに立たないといけないという副作用があるのがちょっと(かなり?)欠点です。二日酔いのつらさと、眠いのにトイレに行かないといけないつらさのどっちを選ぶか。酔って帰ってきている身には、とても厳しい選択です。

 その時点では「今日は飲み過ぎてないから大丈夫。ゆっくりと眠るほうを選びましょう」と思って対策を怠り、翌朝になってからすごく後悔することも多いのです。

「そうか。じゃ、生グレープフルーツサワーをもらって、アルコール摂取と同時に、グレープフルーツジュースの摂取も行っちゃえば一石二鳥だな」

 そんな虫のいいことを考えて、生グレープフルーツサワーがメニューにある「川名」などでは、生グレープフルーツサワーを注文することも多いのですが、これぞまさにマッチポンプ。ちゃんと効いてくれているんでしょうか(笑)。

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おしんこはムルキムチ … 焼き鳥「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)

おしんこ(水キムチ)


 日曜日は、夕食前の“よじかわ”(←寄り道さんの造語で、開店時刻の午後4時に「川名」に行くこと)です。

 「川名」など、近くの酒場にはしょっちゅう行っているので、逆にこのブログにはあまり登場しない(何回かに1度くらいしか書いていない)のですが、今日、「川名」に行ったのには、ひとつ目的があったのです。

 それは「川名」のおしんこを食べること。

 「川名」に“おしんこ”というメニューがあること自体は知っていたのですが、そのメニューは、大きく短冊で張り出されるわけでもなく、また日々おすすめのホワイトボードに書き出されるわけでもない。壁にかけっぱなしの定番用のホワイトボードの片隅に小さく「おしんこ(白菜)126円」と載っている程度だったのです。

 これを見て、これまで私の頭の中に想像されていたのは、牛丼屋さんなどで出てくる、あの白菜漬けのイメージでした。その白菜漬けだって嫌いなわけではないのですが、多彩な「川名」の品揃えの中にあって、なかなか注文する機会が訪れなかった一品だったのです。

 ところが、先日「Y-TABEのレミング2」に載った「川名」の記事によると、このおしんこが本場の「ムルキムチ(水キムチ)」であると書かれているではありませんか。これはさっそく試してみなきゃと、やってきたのでした。

 いきなりおしんこというのも何なので、まずはマグロぶつ(294円)と生グレープフルーツサワー(336円)でスタートすると、今日のお通し(サービス)はスイカ。そしてサワーをおかわりしたところで、いよいよ満を持しておしんこ(126円)の注文です。

 すぐに小皿で出されたおしんこは、見た目は非常にシンプルな白菜の漬物で、ちょっと水分が多いかなといった感じ。よく見ると、ところどころに小口に切った唐辛子片が混ざっています。

 ひとつまみ口に入れると、シャクシャクと軽快な白菜の歯ごたえの中から、ピリリとパンチの効いた辛味がじわーんと出てきます。この辛味が、辛過ぎることもなく、効かないこともなくの、ちょうどいい具合。いやぁ、これはいいなぁ。

 さっそく私の後ろを通過中だったハルちゃん(=ハルカさん。店を手伝っているカワイイ女性)を呼び止めて、おしんこのおかわりをお願いします。

 このおしんこ。店にやって来るなり、必ず注文する人も多いんだそうで、知る人ぞ知る名物品のひとつだったんですね。

 ここ「川名」のメニューには、書かれている料理名だけで判断してはならない逸品が数多く隠れています。たとえばマーボ豆腐(504円)。イメージの中にある赤い辛いマーボ豆腐とはまるで違って、ここのマーボ豆腐は、ひとり用の土鍋にたっぷりと作られた、とろとろ熱々の豆腐スープといったもので、お腹にもやさしい一品なのです。(初食時の記事はこちら

 同じマーボ・ファミリー(?)のマーボ春雨(504円)も、同じくひとり用土鍋にたっぷりと作られる、とろみ付きラーメンの麺が春雨、といった品。(同じくこちら

 湯ギョウザ(504円)は、ひとり用土鍋たっぷりの野菜スープの具に餃子が入ったもの。(同じくこちら

 おもしろいのはツナコーンサラダ(336円)で、これもまたひとり用土鍋で出される一品。まず鍋にレタスを敷き詰めて、その上にトマト、ツナ、コーンが、鍋の三方にデーンと盛られているのです。(同じくこちら

 こうしてみると、ひとり用土鍋で出される料理に、おもしろい料理が多いんですねぇ。

 おしんこを2人前いただいた後は、うなぎきも串(189円)と、このところはまり気味の皮にんにく串(168円)をもらって、午後6時前まで、2時間弱の滞在は1,764円でした。どうもごちそうさま。

 次回から、おしんこもまた私のお気に入りメニューになりそうな予感です。

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まぐろぶつ / うなぎきも串 / 皮にんにく串

店情報前回

《平成20(2008)年9月7日(日)の記録》

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ミズ納豆に鮎子うるか … 酒亭「善知鳥(うとう)」(阿佐ヶ谷)

燗酒と珍味


 日本酒を美味しく飲むことをとことん追求したお店、「善知鳥」にやってきました。

 土曜日、午後6時半過ぎに店に入ると、カウンター7席と、小上がりテーブル席2卓の店内には先客はなし。軽く「へ」の字に折れたカウンターの角のあたりに陣取って、まずは「和田来(わたらい)」(純米吟醸)を冷酒でいただきます。

 今日のお通しはミズ納豆。ミズというのは、東北地方ではよく食べられる山菜なんだそうで、今日のミズは津軽産。初夏の頃にしか採れないという、季節限定のこの山菜を、店主自ら3ヶ月ほど漬けたものを、塩納豆と和えたのがミズ納豆です。

 お店が休みの日には、数ヶ月後に出すための珍味類をコツコツと準備することが多いという店主。カウンター内の棚のところにずらりと張り出された短冊メニューにも、生カラスミ、タラバ内子、牡蠣塩辛、ホヤ塩辛、白魚塩辛、白作り、沖漬け、黒作り、莫久来(ばくらい)、クチコ、子の腸(わた)、塩ウニ、焼カゼ(青森の焼ウニ)、粒ウニ(甘塩漬け、アルコール未使用)、鮑酒盗、蛸の精(タコの卵の塩辛)などなどと、まさに呑ん兵衛好みのする珍味類がずらりと並びます。それもこれも、すべて日本酒をおいしくいただくためのもの。ここまで徹底しているのです。

 ガラリと引戸が開いて入ってきた男性3人連れは、何度かこの店に来ているようで、カウンターの奥側に並んで座って、「今日は何をもらう?」と3人で楽しそうに日本酒のメニューをめくっています。

 私のほうも、2本目のお酒として「喜久酔(きくよい)」を燗でもらって、肴には鮎子うるか(鮎の卵の塩辛)を注文すると、この鮎子うるかが、なんと1年間漬け込んだもの。ねっとりとしているのに、粒々感もあって、クセになる食感、クセになる味わいです。お酒も進むなぁ。

 続いて入ってきた若い男性ふたり連れは、青森の出身で、「善知鳥」(←青森の県鳥)という店名に引かれて、はじめてやって来たんだそうです。

 ここの店主も青森の出身で、先ほどご紹介した珍味類以外にも、お通しでも出されたミズ納豆や、南部駒の霜降桜刺、煎餅汁などの郷土料理も並んでいるのです。

「なにかおすすめを」と若いふたり連れからたのまれた店主は、

「それじゃ、クリーム帆立はいかがでしょう」と、私も大好物の一品をすすめます。

 このところ、やって来るたびにクリーム帆立があったので、いつもある肴(さかな)かと思っていたのですが、本当はときどきしかないんだそうです。

 このクリーム帆立は、この店のオリジナルで、甘みと旨みが強いという陸奥湾で採れた帆立を、玉子の黄身と和えて、3ヶ月ほど漬け込んだもの。青森の郷土料理である貝焼ミソと帆立玉子とじ、そして店主の好物でもある帆立グラタンをヒントに、工夫を重ねて作りあげたんだそうです。

 ゆっくりと2時間ちょっと愉しんで、お勘定は3,000円でした。どうもごちそうさま。

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「善知鳥」 / ミズ納豆 / 鮎子うるか

店情報前回

《平成20(2008)年9月6日(土)の記録》

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松茸とハモの土瓶蒸風 … 小料理「燗酒屋(かんざけや)」(阿佐ヶ谷)

松茸と鱧の土瓶蒸風


 和服に割烹着の美人女将の店、「燗酒屋」にやってきました。この店は真夏(7月と8月)は土日が休みだったので、平日は横浜に短距離単身赴任している私は、なかなか来ることができなかったのです。

 開店時刻の午後5時に合わせて店に出かけると、口開け直後にもかかわらず、すでにL字カウンターの手前短辺のところと、店の奥へと向かう長辺の奥側には、それぞれ男性ひとり客が座り、飲み始めています。

 私も長辺手前の位置に座り、「まず冷酒をいただきたいんですけど」とお願いすると、奥の冷蔵庫から3~4本の一升瓶を持ってきてカウンターの上に並べ、それぞれ銘柄と種類(本醸造とか、吟醸とか)を説明してくれます。ここの女将は、お客が来るたびに、手間ひま惜しまず、こうやってすべての日本酒を見せて説明してくれるのです。

 そんな中から根知男山(ねちおとこやま、620円)をもらうと、今日のお通し(500円)は岩もずくと新子の酢の物です。いやぁ、この夏は新子を食べそびれたかと思っていたのですが、ここで出会えてよかったです。

 前回前々回も、女将はメガネ姿だったのに、今日はメガネじゃありません。

「アレルギーの季節はコンタクトができないからメガネなんですよ」と女将。

 なるほど、そういう理由でしたか。

 ひとり、またひとりとお客さんも増えてきて、ひとりで切り盛りする女将はもう大忙し状態。燗酒をあっためるときや、過熱が必要な料理を作るときは、コンロの横にぶら下がっているタイマーをピピッとセットして、そのタイマーが鳴るまで間に、刺身を引いたり、酢の物を出したり、冷酒を出したりと、いろんなことが同時進行です。

 そんな状態にも関わらず、お客さんとの会話も絶やさないところがものすごい。しかも、新しいお客さんが入ってくると、相変わらず一升瓶をずらりと並べて説明してくれるのです。

 和服に割烹着の美人という姿形だけではなくて、こういうところも人気の理由なんでしょうねぇ。

 冷酒でいただいた根知男山(ねちおとこやま、620円)は、燗で飲んでも美味しいということで、2杯目は燗をつけてもらうことにし、料理のほうは、黒板にずらりと並んだメニューの中から、松茸と鱧の土瓶蒸風(880円)を選択します。

 松茸と鱧の土瓶蒸風は、土瓶ではなくて、一人用の土鍋で作られます。なるほど、だから土瓶蒸“風”と、「風」の字が付いているんですね。

「はい、お待たせしました。熱いから気をつけてくださいね」

 と言いながら、カウンターの目の前に松茸と鱧の土瓶蒸風が出てきました。松茸(まつたけ)と鱧(はも)もさることながら、海老、しめじ、豆腐に三つ葉と、具沢山。ダシがまた美味しくて、これだけすすっても燗酒のつまみになります。

 骨切りされた鱧の身に、スライスされた松茸をのせて、両方を一緒にパクリ。ふわんとした鱧に、しゃっきりとした松茸。しつこさを感じさせない鱧の脂に、鼻の奥から漂ってくる松茸の香り。松茸と鱧のしゃぶしゃぶのシンプルさもいいですが、いろんな具材とともに煮た土瓶蒸風もまたいいですねぇ。

 今宵は1時間半ほど楽しんで、お勘定は2,620円でした。どうもごちそうさま!

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「燗酒屋」 / 岩もずくと新子の酢の物 / ハモと松茸

店情報前回

《平成20(2008)年9月6日(土)の記録》

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創業124年の馬肉店 … 馬肉料理「柿島屋(かきじまや)」(町田)

肉なべと盛り合わせ


 伊丹由宇(いたみ・ゆう)さんの書かれた「超こだわりの店百番勝負」(文春文庫PLUS)という本で、町田の馬肉料理「柿島屋」のことを読んで、今日はその町田にやってきました。

『八王子と横浜港をつなぐ鎌倉街道は、馬車で生糸を運んだので「絹の道」と呼ばれ、町田は調度中間の休憩所にあたった。そこで使えなくなった馬を食べてみたら旨かったので、馬肉の店ができたという。この店も屋台の肉そば(馬肉の日本蕎麦)からはじまった。』

 伊丹さんの著書ではそう紹介されているほど歴史を感じる「柿島屋」の創業は、なんと明治17(1884)年。今年で創業124年という老舗中の老舗です。

 店は、JRの町田駅からも、小田急の町田駅からも、それぞれ歩いて7~8分のビルの1階にあり、すぐ近くや2階にも「柿島屋」のグループ店があって、一瞬、「あれ!? どこがそうなのかな?」と迷ってしまいました。ちょっと路地を入ったところにある、シンプルに「柿島屋」とだけ表記されたお店が、目指す「柿島屋」です。

 店に入ると、店員さんが「いらっしゃいませ、こちらにどうぞ」と、長テーブルがずらりと並ぶ店内の一角に案内してくれます。この長テーブルは、椅子も長椅子(ベンチ風)で、ひとり客もグループ客も、入れ込みで通されていきます。

 まずはやっぱり肉なべ(1,100円)をいただいてみなきゃね。飲み物には瓶ビール(キリンラガー大瓶、660円)を注文し、肉なべができあがるまでのつなぎとして、盛り合せ(370円)をもらいます。

 盛り合せは、ひとつの皿に、きゅうり(もろきゅう)と枝豆、エシャロットを盛り合わせたもので、予想どおりあっという間に出されましたが、肉なべも、これまたあっという間に出てきて、目の前のコンロに置かれます。早いなぁ。

 コンロは4人に1個ずつ程度しかないので、近くに座るひとり客同士が鍋を注文するとバッティングしちゃうことがあるかもしれません。このテーブルは私の右前と左前にそれぞれひとり客が座っていて、正面と左右両側は空いている状態。つまりひとり客がジグザグに座っている状況で、鍋をたのんだのは私だけ。

 他のふたりは焼酎ダブル(580円)をもらって、馬刺し(800円)をつついています。ガラスの徳利で出される焼酎ダブルは、飲むためのグラスとは別のグラス(ワンカップのグラス)で、梅割り用の梅エキスが出され、自分で梅割りにして飲むようになっています。ぶどうエキスがいい人は、ぶどうも選べるようです。ちなみに左前のおじさんは、その焼酎ダブルと馬刺しに、冷奴(270円)を追加して、しめて1,650円なり。30分ほどでサクッと帰っていきました。

 まわりを見わたしてみると、グループ客のほとんどは肉なべをつついていますが、ひとり客で肉なべをつついているのは3~4人にひとりくらい。このコンロの数もちょうどいいのかもしれませんね。少なくとも夏場は。

 肉なべは、すき焼き同様に割り下で煮込んで、溶いた生卵(別売、60円)をからめていただきます。さっぱりとした馬肉がいいですねぇ。

 瓶ビールもなくなって、私も焼酎を、シングル(290円)でもらうと、斜め前のおじさんたちと同じガラスの徳利に、半分の量だけ焼酎が出されます。ついてくる梅エキスの量も半分ほど。常連さんのほとんどは、最初からダブルの量をもらうんですね。ただし、メニューには「焼酎290円」という表記しかありません。

 伊丹さんの本でも紹介されていた、創業の味、肉そば(450円)のほか、メンチ(550円)や、たてがみ(刺身、450円)なども人気がある様子。また奥の小上がりや、入口左手の道路に面したテーブル席では、上肉なべ(1,500円)や、上馬刺し(1,200円)も食べられる(逆に普通の肉なべと馬刺しは食べられない)ようです。

 肉なべに残った汁には自家製そば玉(230円)も入れることができますが、ひとり分の鍋を食べたら、もう満腹。今日はここでお勘定とします。ちょうど1時間の滞在は2,480円でした。どうもごちそうさま!

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「柿島屋」 / 肉なべ / 焼酎(梅割)

店情報

《平成20(2008)年9月5日(金)の記録》

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店情報: 馬肉料理「柿島屋(かきじまや)」(町田)

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  • 店名: 馬肉料理専門店「柿島屋」
  • 電話: 042-722-3532
  • 住所: 194-0013 東京都町田市原町田6-19-9
  • 営業: 16:00-22:00(21:30LO)(土日祝は12:00-21:00(20:30LO))、水休
  • 場所: JR町田駅北口を出ると、大きな歩道橋デッキに出るので、正面にまっすぐ伸びている道に左側の階段から下りて、直進すること約5分(250mほど)。上運寺前信号交差点を左に折れた先、左手。
    小田急町田駅からは東口を出て左(踏み切りと反対の方向)に直進。大通り(これがJR町田駅北口正面の道)に突き当たったら左へ。その先ひとつ目の信号交差点(上運寺前信号交差点)を左に折れた先、左手。
  • メモ: 肉なべ1100、上肉なべ1500、馬刺し800、上馬刺し1200、たてがみ(刺身)450、肉皿(煮込)475、チョリソ(ソーセージ)475、ハム420、メンチ550、メンチカレー650、大和煮420、肉キムチ420、生たまご60、自家製そば玉230、肉ぬた420、サラミ350、盛り合わせ(きゅうり、枝豆、エシャロット)370、野菜サラダ315、トマト265、冷や奴270、酢の物(きくらげ)160、おしんこ210、肉そば450、カレーそば550、カレーライス550、ご飯(大270、中220、小110)、みそ汁160、キリンラガー生ビール(大)860、生ビール(中)540、大びん660、小びん380、焼酎(明石 白梅)290、梅割290、ぶどう割290、サワー割(梅、ぶどう、レモン)450、サワー(レモン風味炭酸水)160、ホッピー割(白、黒)510、ホッピー(白、黒)220、ウーロン割450、緑茶割450、どくだみ焼酎S(自家製)320、コーヒー焼酎(自家製)330、ブルーベリー酒(カクテル)330、ワイン(赤、白)300mlビン490、芋焼酎(宮崎 逢初)420、麦焼酎(明石 麦大吉)320、麦焼酎(ピュアブルー)350mlビン990、泡盛(琉球泡盛)S165、W330、吟醸冷酒(菊正宗)300mlビン800、清酒(特別本醸造・岡山 桜冠)一合370、二合740、清酒(醸造・岡山 桜冠)一合315、二合630、ウイスキー(角)180mlビン840、ソフトドリンク(オレンジジュース、キリンレモン、コーラ、ウーロン茶、緑茶)グラス160、ジョッキ320。(2014年1月調べ)

    肉なべ1100、上肉なべ1500、馬刺し800、上馬刺し1200、たてがみ(刺身)450、肉皿(煮込)475、チョリソ(ソーセージ)475、ハム420、メンチ550、メンチカレー650、大和煮420、肉キムチ420、生たまご60、自家製そば玉230、肉ぬた420、サラミ350、盛り合わせ(きゅうり、枝豆、エシャロット)370、野菜サラダ315、トマト265、冷や奴270、酢の物(きくらげ)160、おしんこ210、肉そば450、カレーそば550、カレーライス550、ご飯(大270、中220、小110)、みそ汁160、キリンラガー生ビール(大)860、生ビール(中)540、大びん660、小びん380、焼酎(明石 白梅)290、梅割290、ぶどう割290、サワー割(梅、ぶどう、レモン)450、サワー(レモン風味炭酸水)160、ホッピー割(白、黒)510、ホッピー(白、黒)220、ウーロン割450、緑茶割450、どくだみ焼酎S(自家製)320、コーヒー焼酎(自家製)330、ブルーベリー酒(カクテル)330、ワイン(赤、白)300mlビン490、芋焼酎(宮崎 逢初)420、麦焼酎(明石 麦大吉)320、麦焼酎(ピュアブルー)350mlビン990、泡盛(琉球泡盛)S165、W330、吟醸冷酒(菊正宗)300mlビン800、清酒(特別本醸造・岡山 桜冠)一合370、二合740、清酒(醸造・岡山 桜冠)一合315、二合630、ウイスキー(角)180mlビン840、ソフトドリンク(オレンジジュース、キリンレモン、コーラ、ウーロン茶、緑茶)グラス160、ジョッキ320。(2008年9月調べ)

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〔コラム〕 単身赴任のひとり呑み … 「武蔵屋」(横浜・野毛)

「武蔵屋」の酒肴


 平成13(2001)年10月1日に始まった、横浜での単身赴任生活も、丸7年を終えて、この10月から8年目に突入しました。

 都内に勤務しているときは、仕事帰りに、自宅に着くまでの間のワン・クッションとして、ひとりで酒場に寄ることが多かったのです。会社で大勢の人と共に過ごし、家庭で家族と共に過ごす。それはそれで非常に楽しい時間なんだけど、その途中にポツンと1時間ほど、ひとりで過ごす時間が欲しかったというのがその理由です。

 ところが! 単身赴任生活になると、会社を出れば、その瞬間からもうひとり。こうなると、「少しだけひとりで過ごす時間を持つ」ということが目的で酒場に向かうのではなくて、「単身赴任の夕食を兼ねて」ということが主目的になってきました。

 それでは、単身赴任の夕食を兼ねた理想的な酒の飲み方とは、どんな飲み方なのか。

 実は7年も過ごしてきながら、そんなことを考えながら飲んだことは、ほとんどありませんでした。自宅にいるときも、単身赴任しているときも、自分の好きなものを好きなように食べながら飲むだけ。そんな飲み方だったのです。

 単身赴任を始めた当初は、単身赴任寮に食堂が付いていたのですが、利用者が減ってきて途中からケータリングのお弁当に変わり、そうなるとますます利用者も減少し、ついにはそのお弁当もなくなってしまいました。そんなわけで、現在の私の食生活は、飲みに出るのも含めて外食中心の毎日になっています。

 外食の問題点は単純に考えると野菜不足に脂肪過多。そしてついつい塩分を採りすぎてしまうこと。

 そういえば、焼き鳥も、もつ焼きも、刺身も、それぞれ好物なのでワシワシ食べるけど特に野菜はとっていません。酒に合うつまみは、たいてい塩っ気もよく効いてますもんね。

 そして飲み物。アルコール飲料は、エンプティ・カロリーと呼ばれていて、身体には蓄積しないなんて言われてますが、それも適量(日本酒換算で3合程度)までのこと。それより多い量を飲むと、アルコールを分解する過程で出る脂肪の元となる成分で作られた中性脂肪が消費しきれなくなって、脂肪肝や内臓脂肪の増加、肥満、高脂血症、高尿酸血症、高血圧などを引き起こすようになるんだそうです。我われ呑ん兵衛には、実に怖い話ですねぇ!

 塩分控えめで、低カロリー・高タンパク。野菜もとれて、お酒は3杯以内。そんなキーワードで、パチッとひらめいたのが、野毛の老舗酒場、「武蔵屋」です。

 ここは年中いつきても肴(さかな)は、玉ねぎの酢漬け、おから、たら豆腐、納豆、お新香の5品。そしてお酒はピッチリと3杯までと決まっているのです。動物性タンパク質は、たら豆腐に入っているタラの切り身、1切れだけ。玉ねぎとお新香以外は、すべて大豆製品(納豆、豆腐、おから)という徹底ぶりです。

 ここで5品と3杯を飲んで、「なるべくまっすぐ帰ってください」というおばちゃんの言葉どおり、まっすぐに帰れば理想的な「お酒も含んでの単身赴任の夕食」となりそうな気配です。

 さっそくやってみました。

 とはいえ、仕事終わりに店に入ると、まずはやっぱりビールを飲みたいので、最初は小瓶のビールを1本もらうと、つまみには小皿の豆菓子が出されます。喉も潤ったところで、いつもの5品と3杯。しばらくぶりにやってきた「武蔵屋」は、いつもとちっとも変わっておらず、身も心もゆったりとくつろぎます。

 小上がり座敷の一番手前にある、小さな二人用卓で1時間ちょっと過ごして、お勘定は2,600円。ちょっと値上がりしたのかな。

 いつもはここから「ホッピー仙人」や「日の出理容院」などに向かうのですが、ぐっとガマンしてまっすぐ寮へと帰ります。

 満腹ではありませんが、お腹がすいてるという状態でもない。酔い心地もちょうどいい具合です。翌朝、目がさめると胃もたれ感もなく、酔いもまったく残っていません。なるほど。これくらいの飲み方が健康的なんですね。でも、ストイック過ぎて、おもしろ味には欠けるよなぁ。この課題、もうちょっと考えてみたいと思います。

・「武蔵屋」の店情報前回

《平成20(2008)年9月30日(火)の記録》

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店主が一所懸命魚好き … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

スタミナ六品


 ときどき食べたくなるのが「竹よし」のスタミナ六品(600円)。マグロに、山芋、ネギ、オクラ、納豆、生玉子(黄身だけ)の5品を加えた一鉢で、これをグリグリとかき混ぜて、ズズズゥ~ッとすすり込むと、日本酒が進むこと進むこと。

 「竹よし」など、近所のお店はしょっちゅう来てるので、このブログにはすべては記録していないのですが、前回、スタミナ六品をいただいたときの写真が、黄身が崩れた写真になっているのです。黄身以外のすべての品を用意してから、最後にその真ん中にジワリと黄身を置くので、ときどき細く切った山芋の角で、黄身が崩れてしまうらしいのです。前回のものは、ちょうどその崩れた黄身の画像なんですね。いつかきれいな画像を載せようと思いながら、ほぼ1年後になってしまいました。

 ここ「竹よし」は、なにしろ店主が一所懸命魚好きで、魚が安くて美味いのと、日本酒が普通においしいのとで、何度も何度も足が向いてしまうお店なのです。

 店主は横浜の魚屋の次男坊として生まれ、平成5(1993)年に、ここ「竹よし」をオープンしました。魚が売りのこの店は、毎日4~5品がそろう刺身が、それぞれ500~800円くらいで、名物でもある5品の盛り合わせが1,000円。煮物や焼き魚なども、ぼぼ500~800円くらい。そして、もうひとつの看板メニューである天ぷらも、天ぷら盛り合せ(1,000円)もさることながら、その日の仕入れによって、中に入る具材(海鮮もの!)が変わる、かき揚げ(700円)がこれまた絶品なのです。

 日本酒も、普通に「酒!」と注文すると「菊正宗」の上撰(本醸造)(1合、350円)が出されるほか、各種地酒も500~650円ほどでそろっていて、まさに普通に美味しいお酒(すべてのお酒が本醸造以上)を、ごくごく普通に飲むことができるのが嬉しいところ。この日本酒で、おいしい魚をいただくのが、まさに至福の時間なのです。

 そんなこともあって、昨日、8月30日(土)には、jirochoさん主催による「松茸と鱧のシャブシャブを楽しむ会」が店を貸しきって行われるなど、居酒屋ファンにも大人気。この会には私も参加させていただいたのですが、松茸と鱧はもちろんのこと、サイドメニューで出された鯨カツが、これまた絶品。刺身でも食べられるやわらかいミンク鯨の身は、カツにしてもふんわりとやわらかくて、すばらしい仕上がりでした。

 そんな「竹よし」ですが、週末には手伝いの女性が入ることがあっても、基本的に料理は店主一人で切り盛りするため、注文が殺到するとなかなか手がまわり切らない状態になります。お客さんが多いときには、じっくりと待つ気持ちでお酒を楽しむのがいいと思います。自家製塩辛(350円)や、酒盗とクリームチーズ(500円)など、手伝いの人でも作れる品々をつっつきながら料理を待つというのが私のおすすめです。

080830a 080830b 080824c
松茸と鱧のシャブシャブ / 鯨カツ / う巻き

店情報前回

《平成20(2008)年8月31日(日)の記録》

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ナスピーマン味噌炒め … 大衆割烹「ほ里乃家(ほりのや)」(鷺ノ宮)

ナスピーマン味噌炒め


 カウンターの上に、でんと置かれた立派な茄子(なす)。これはどうやって食べるんだろうと壁のメニューを確認してみると、ナスピーマン味噌炒め(420円)という一品を発見。さっそく注文すると、大きなナス丸々1本と、これまた大きなピーマンも1個が刻まれ、フライパンに入れられます。ジャーッと炒めて、味噌ダレで味をつけたらできあがり。作っているときには「こんな大きなナス、丸々1本なんて食べられるかよ」なんて思っていたのですが、いざ出てきてみると、これがまた美味いのなんの。ペロリと平らげてしまいます。

 ここは鷺ノ宮駅南口にある大衆割烹「ほ里乃家」。わが家からも近くて電車の心配がないのと、穏やかな店主夫妻の性格、その店主夫妻に引かれて集まる客層の良さ、そして何よりJ字のカウンター内で作られる料理のおいしさで、自宅に到着する前に、ついついもう1軒と寄ってしまうのです。

 今日も「ほ里乃家」に到着したのは午後11時過ぎ。瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、600円)とツブ貝の刺身(450円)を注文すると、すぐに出されたお通し(200円)は、トマト、キュウリ、玉ネギのマリネです。

 カウンターの中の厨房では、店主がツブ貝を貝殻から出して、スィーッ、スィーッと刺身に引いていきます。こうやって、ひとつひとつの料理を「調理している様子を見ることができる」というのも、この店の大きな特徴なんですよねぇ。大衆割烹という位置づけながら、実際には“大衆カウンター割烹”としたほうが、この店の実態を表しているのではないかと思っています。

 金曜日の夜も、午後11時を回ると、店内に残っているのは常連さんばかり。ゆったりとした時間が流れます。

 瓶ビールに引き続いて、このところここに来ると注文することの多い抹茶ハイ(340円)をいただいて、そのつまみに注文したのが冒頭のナスピーマン味噌炒め(420円)だったのです。

 閉店時刻の午前0時を回ったところで腰を上げると、今日のお勘定は2,010円。自宅近くにこういう酒場があることに感謝しつつ、家路についたのでした。

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瓶ビールとお通し / つぶ貝刺身 / 抹茶ハイ

店情報前回

《平成20(2008)年8月29日(金)の記録》

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食品添加物は使用せず … 居酒屋「まつ惣(まつそう)」(有楽町)

「まつ惣」


 JR有楽町駅から、JR線のガードに沿って新橋方面に徒歩5分ほど。晴海通りを渡った先、数寄屋橋近くのガード下に、外国人にも良く知られたガード下焼き鳥屋街があります。

 今日やって来た「まつ惣」は創業10年と、このあたりでは比較的新しい店ながら、お客さんがいっぱいの人気店の様子。元気な呼び込みのお父さんに導かれて店内へと入ると、「いらっしゃいませぇーっ」とさらに元気なお姉さんに、店の奥右手のカウンター席へと案内されます。

 店内はこのカウンター席と、左手壁際に並んだテーブル席の、合わせて20席ほど。しかしながら、このあたりの店につきものの外の張り出したテラス席がこの店にもあって、ビール瓶のケースを積んだ簡易テーブルがずらりと並んでいます。表で飲むほうが、むしろ有楽町ガード下らしい風情かもしれませんね。

 チューハイ(350円)と、メニュー上に「自慢の肉豆腐」と書かれた肉豆腐(500円)を注文すると、支払いはキャッシュ・オン・デリバリーで品物と交換払いです。目の前にある笊(ざる)がお金を置いておくところのようで、お札が飛ばないように小さな石ころも付いているのがおもしろい。千円札を2枚出してそこに入れると、そのうち1枚をとり、おつりの150円を笊に戻してくれて支払い終了です。

 立ち飲み屋では時々見かけるスタイルですが、普通の居酒屋でキャッシュ・オン・デリバリーは珍しいですよね。でもこのスタイルだと「今日は2千円くらいにしとこう」と思ったときには、最初から2千円だけ笊に入れておいて、それがなくなれば帰ればいい。そこで止まれば飲みすぎることもありません。(と言いつつ、あと千円、あと千円なんて追加していくと結局、際限なくなってしまいますが……。)

 自慢の肉豆腐は、牛スジをコンニャクや玉ネギと共に煮込んだもので、同じ鍋で煮た豆腐と一緒に出されます。いかにも東京らしい甘い醤油味がチューハイを進めます。

 この店のことが紹介されている「TOKIO古典酒場~昭和下町和み酒編」によると、元々、勤め人だった店主が、この店を開くのにあたって、自分が好きだった店の肉豆腐の味を再現したのが、この自慢の一品なんだそうです。

 メニューには『当店では食品添加物等一切使用しておりません。鰹節と昆布だしを基本に調理しております』と書かれていて、この店を開くにあたっての店主の意気込みを感じます。

 そのメニューは2本で350~450円ほどの串焼(焼き鳥)から、揚げ物、焼魚、煮物、刺身などがずらりと60品目ほどならんでいて、その値段は250円から750円ほど。ちなみに一番高い750円の品はマグロの刺身です。干物は、伊東市は山国商店の天日干しのものだそうで、ムロアジなどがそれぞれ300~600円ほど。焼き物は串焼(焼き鳥)も含めて、すべてカウンター内のグリルで焼き上げられます。

 チューハイ(350円)をおかわりして、今度は「まぐろ入り」と注記された自家製ヘルシーコロッケ(400円)をもらうと、揚げたて熱々の、大きなコロッケがふたつ。ウスターソースと一緒に出してくれます。いやぁ、これもうまいなぁ。

 1時間ほど楽しんで、キャッシュ・オン・デリバリーの総支払額は1,600円でした。どうもごちそうさま。

080823a 080823b 080823c
肉豆腐とチューハイ / お金はザルに入れる / 自家製ヘルシーコロッケ(まぐろ入)

店情報

《平成20(2008)年8月23日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「まつ惣(まつそう)」(有楽町)

    080823x
  • 店名: 居酒屋「まつ惣」
  • 電話: 03-3592-6551
  • 住所: 100-0006 東京都千代田区有楽町2-1-20
  • 営業: 17:00-23:30(土日は16:00-23:00)、無休
  • 場所: 地下鉄銀座駅C1出口、または地下鉄日比谷駅A1出口を出て、JR山手線のガード横。
  • メモ: 飲み物:〔ビール〕アサヒ熟撰プレミアムビール(中ジョッキ)600、キリンビール(大瓶)700、〔お酒〕冷・燗(灘・富久娘)400、樽酒(灘・富久娘)600、にごり酒600、デンキブラン350、〔銘酒〕真澄(純米吟醸金別撰寿、長野)800、久保田(各種、新潟)800~1500、〔特別地酒〕辛丹波(本醸造、兵庫)600、澤乃井(本醸造、東京)600、七笑(本醸造、長野)600、太平山(生もと純米、秋田)650、酔鯨(特別純米、高知)700、〔ワイン〕グラスワイン(赤)400、〔ソフトドリンク〕ウーロン茶300、オレンジジュース・コーラ他各350、〔焼酎・サワー〕穂波(長期貯蔵・麦、福岡)600、二階堂(麦、大分)500、まろ甕(芋、鹿児島)550、さつま司(芋、鹿児島)550、焼酎(25度)350、チューハイ350、ウーロンハイ(ウーロン割り)350、緑茶ハイ(緑茶割り)400、ホッピーセット(ホッピー・生焼酎・氷、2杯位飲めます)700、レモンサワー(レモン生搾り入り)400、グレープフルーツサワー(生搾り入り)400、すだちサワー400、梅サワー(梅シロップ入り)400、梅干サワー450、梅酒サワー400、焼酎お湯割り350、焼酎お湯割り(梅干入り)450、梅酒・ウイスキーロック(サントリー角瓶)、Dハイ各500(W100円増し)。
    料理:当店では食品添加物等一切使用しておりません。鰹節と昆布だしを基本に調理しております。 〔串焼〕砂肝串焼2本350、レバー(鳥)串焼2本450、ハツ(鳥)串焼2本350、鳥モモ正肉(ネギ間)2本450、鳥手羽塩焼2個400、鳥ナンコツ串焼2本450、鳥皮串焼2本400、カシラ串焼(豚)2本400、タン串焼(豚)2本400、豚上白モツ(ホルモン)中串2本450、豚バラ肉串焼1本250、特選和牛串焼・大串1本550、自家製つくね串焼1本250、串皿盛(大)10本2100、串皿盛(小)3本550、〔野菜串焼〕アスパラ串焼1本250、しいたけ1本300、ねぎ1本150、ししとう1本150、里芋1本200、ぎんなん1本250。 〔揚げ物〕自慢の串カツ2本500、鳥唐揚げ500、タコの唐揚げ500、自家製ヘルシーコロッケ(まぐろ入)400、自家製ポテトフライ400、にんにく丸揚げ(青森)550、あじフライ500、あじ南蛮漬450、〔焼魚〕サバ文化干550、ほっけ(しまほっけ)半身600、ハタハタ(甘塩)2尾450、イカの丸焼550、干物(ムロアジ他、伊東市山国商店の天日干し)300~600、〔煮物〕豚の角煮500、肉じゃが450、その他(黒板のお料理)300~750、〔刺身〕まぐろ刺身750、まぐろ漬刺600、まぐろ納豆500、たこぶつ550。 〔その他の手作り料理〕自慢の肉豆腐(牛スジ入り煮込み)500、まつ惣・海鮮サラダ(2~3人前)800、ツナサラダ400、ポテトサラダ400、手作り冷やっこ(築地・安達屋)300、冷しトマト400、しらすおろし350、ナチュラルチーズ盛り合せ600、モロキュウ(田舎味噌)350、もずく酢350、じゃがバター350、枝豆(国産新物)500、チャンジャ400、タコわさび(生イイダコのコマ切れとわさび)300、いかの塩辛300、キムチ450、自家製お新香400、おにぎり2個(しょうゆとおかか)400。(2008年8月調べ)

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