店情報: ビアホール「正直ビヤホール(しょうじきびやほーる)」(浅草)
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「酔わせて下町」のFさんに連れられてやってきたのは、浅草六区ブロードウェイの先、ひさご通りを、言問通りに抜けた左側にある「正直ビヤホール」です。
カウンター8席だけの小さなビアホールは、昭和25(1950)年の創業。きれいなママさんが一人で切り盛りされています。独特の薄いグラスに、何度か泡を切りながら注いでくれる生ビールは、すいすいと喉に入ってきて、いくらでも飲めそうです。
この店のメニューは生ビールしかなくて、1杯が600円。料理のメニューはありませんが、ちょっとした渇きものや6Pチーズなどを出してくれます。
この「正直ビヤホール」。カーテンを閉めたままの三連のスイング扉(扉の枚数で言うと6枚)の中から漏れてくる明かりが営業中の目印。そのスイング扉の上部に、「正直」と書かれた電灯看板もあるようなのですが、そこには灯りはついておらず、近づくまでわかりません。
そのスイング扉を開けると、すぐ目の前がカウンター。扉とカウンターの間にあるわずかなすき間に、ずらりと客が並ぶのです。
時間を少し巻き戻すと、本所(ほんじょ)の「牧野」を出た我われは、すぐ近くにある、Fさんおすすめのもんじゃ焼きの店「おかとく」(03-3623-4511、墨田区本所2-13-4、12:00-21:00、火休)を目指したものの、土曜日、午後8時過ぎの店内はビッシリと満席です。なにしろ、もんじゃが300円、桜海老もんじゃが400円などのほか、あんこ巻も400円と、とにかく安いのです。
すぐには空きそうにないので、タクシーに乗って浅草の言問通り方面へ。このあたりは浅草寺(せんそうじ)の裏手(観音裏)にあたることから裏浅草(うらあさくさ)とも呼ばれているエリアです。
ひさご通りの北側の入口(言問通り沿い)でタクシーを降りて、すぐに「正直ビヤホール」に向かったものの、こちらも店内は満席。なにしろカウンター8席しかありませんからねぇ。
「それじゃ、すぐそこのおでん屋さんでちょっと飲んでから、もう1回のぞいてみることにしますか」
そう言いながらFさんが向かったのは、「正直ビヤホール」からほんの1~2分のところにある「ヤマニ」(03-3844-0970、台東区浅草2-19-7、17:30-22:00、火水休)です。さすが「酔わせて下町」。1、2軒満席で入れなくても、いくらでもポケットがありますねぇ!
この「ヤマニ」。外観も内装も、本格的な下町大衆酒場ながら、切り盛りしているのは若い美男・美女のふたり(夫婦かな?)。そのギャップに驚きます。
看板にも「大衆酒場・おでん」とあるとおり、おでんがこの店の名物の様子。そのおでんは、たまご、こんぶ、こんにゃく、しらたき、ちくわぶの5品がそれぞれ100円。大根、じゃがいも、ごぼう巻、いか巻、はんぺん、揚ボール、焼ちくわ、さつま揚、フランクフルトの9品が150円。つみれ、すじ、しゅうまい巻、生あげ、焼どうふの5品が200円。そして最高値のがんもどきが250円と、まさに大衆酒場の安さです。
ここで酎ハイを1杯に、ちくわぶ、焼どうふ、玉子をいただきます。
そして、午後9時過ぎに再び「正直ビヤホール」へ。今度は入ることができ、さらには近くで飲んでいた酒友・呑んだフルさんとも合流することができたのでした。
この「正直ビヤホール」。正式には「正直ビヤホール分店」なんだそうで、もう1軒、千束のほうにも「正直ビヤホール」があるんだそうです。
さぁ、そろそろ腰を上げますか。お勘定はそれぞれ600円×飲んだ数という分かりやすいもの。どうもごちそうさま。
・「正直ビヤホール」の店情報
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中野駅北口に広がる呑ん兵衛タウン、中野五丁目。その中野五丁目の一番北の端、早稲田通りに抜ける直前にあるのが、もつ焼きの「石松」です。よく見ると、店の上部に小さく「もつ焼き 石松」と書いてあるものの、店の表には特に照明もなく、電灯看板もない。知った人でなければ、たどり着くのさえ難しいお店なのです。
わざとそうしたかのように目立たなくしているのに、カウンター7席だけの店内は、ほぼいつも満席。今日もかろうじて滑り込んで、キープしているキンミヤ焼酎(1,500円)を出してもらって、お茶割りです。
瓶ビールや生ビール、1杯売りのホッピーなどもあるのですが、この店のほとんどのお客さんは、キンミヤをボトルキープして飲んでいるのです。ボトルキープの場合も、もちろんホッピー(外)をもらうこともできますが、多くの人はカウンター上にどんと置かれているお茶のペットボトルでお茶割りにするのでした。
この店での注文の仕方は、便乗注文とか相乗り注文といって、今、店主が作ろうとしているものを、「それ私も!」とたのむのが基本。ときどき手伝いの人が入るものの、たいていは店主ひとりで切り盛りしていて、しかも、注文を受けてから下ごしらえをして串に刺し、焼き上げるという工程をたどるため、すぐに食べようとすると、今作っているものを注文するのが一番早いのです。
しかも、何を食べてもはずれはないので、店に入ってから出るまで、ズゥ~ッと便乗注文を繰り返していても、美味しいモツ料理が堪能できるのでした。
今日は、入ったときに下ごしらえをしていたのがレバー。もちろん便乗注文でレバ刺しをもらいます。
「石松」の開店時刻は午後7時から8時の間くらい。以降、満席状態がずっと続いて、店が閉まるのは午前3時から4時ごろ。店主はそれから店を片付けて、自宅に戻って仮眠程度に睡眠をとり、昼を過ぎるころに起き出します。それから品川の食肉市場に買い出しです。
もつ焼きは鮮度が命。週に四日(月・火・水・金)は品川に出かけるんだそうです。
しかも、ここの店主は品川まで電車で通います。行きは軽いものの、帰りは大きなクーラーボックス二つにたっぷりのモツ。これを肩から提(さ)げて帰ってくると、もう夕方の開店時刻です。
「本当は仕込みをして開店時間を迎えたいんだけど、仕込みの時間が取れないんですよ」と店主。
そこへ、ふらりとやって来たのは「アル中ハイマー日記」のにっきーさんです。職場が横浜のにっきーさんは、今日のように、夜11時を過ぎてからこの店に来ることが多いんだそうです。
「遅くまで開いてるのが本当に嬉しいですよね。何でも美味しいし、居心地がいい。そしてなにより安いです」
と、この店に通いつめる理由を話してくれます。このくらいの時間にやってきて、黒ホッピー(外)を出してもらって、キープボトルの焼酎を飲み、もつ焼きを3~4本。1時間程度で帰るのがにっきーさんの定番コース。もつ焼きは、レバ、カシラ、つくね、牛ミノや、ハラミ辛子醤油を食べることが多いのだそうです。
ボトルをキープしていれば、だいたい千円前後で済むので、本当に安くて美味しいお店なのでした。
なにしろ小さな店なので、行く場合には、ひとりか二人で行きましょうね。
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アツアツの餃子で、冷た~いビールをグビグビと飲みたくて、亀戸(かめいど)にある餃子専門店、「亀戸餃子」にやってきました。亀戸にあるから「亀戸餃子」。なんて分かりやすいネーミングでしょう。
店に到着したのは午後2時半。この店の営業時間は午前11時から、午後6時半までの7時間半。しかも売り切れ仕舞いということですので、昼食も終わり、夕食までにはまだ間のある、中途半端な時間帯に来てみたような次第です。
ところがっ!
駅からも程近い「亀戸餃子」に到着してみると、なんと、店の前には行列ができているではありませんか。行列と言っても、4人程度の小さな行列ですが、それでもこの中途半端な時間でも行列ができてるということ自体がすごいですよねぇ。土曜日だからでしょうか。
並んで待つのもなんなので、ちょっと足を伸ばして、ちょうど梅まつりでにぎわう亀戸天神にお参りをしてから出直します。
再び「亀戸餃子」に戻ってきたのは、午後3時過ぎ。店内はまだ満席状態ながら、店の前の行列はありません。
入口引き戸をガラリと開けて、「ひとりです」と店内に入ると、すぐ目の前にいたお店のおばちゃんが、「いらっしゃいませ。左の一番奥にどうぞ」と案内してくれます。
「亀戸餃子」の店内は、入口を入ってすぐのところに餃子の焼き台があり、その焼き台の左右をはさむように、店の奥に向かって2本の直線カウンターがのびています。入口右手は小上がりの座敷席になっています。
ぱっと見た目は満席だったのに、言われたとおり左のカウンターを進んでみると、一番奥側の1席がかろうじて空いてました。
「飲み物は?」と聞いてくれるおばちゃんに、予定どおり瓶ビール(アサヒスーパードライ大瓶、550円)を注文すると、すぐに出されるビールと1人前の餃子(1皿5個で250円)。この店は、食べ物メニューは餃子しかないので、食べ物は注文する必要がないのです。しかも、ひとり2皿しばりというルールがあるので、みんな、少なくとも2人前500円分は食べなければならないのです。
2人前10個と聞くと多いような感じがしますが、この店の餃子は非常にライトな感じなので、2人前くらいはスッと入ってしまうのです。となりのカップルなんて、男女それぞれ8皿ずつ積み上げてますもんねぇ。向かい側のカウンターのおとうさんは10皿以上です!
1皿目がなくなりそうになると、すぐに次のお皿を持ってきてくれて、1枚目のお皿の上に積み上げてくれます。1皿目に残っている1、2個は、すばやい手つきでコロリと2皿目に移してくれるのでした。
焼き台のところには、丸い鉄鍋が3つスタンバイされていて、次から次から餃子が焼き上げられていきます。ここの餃子は一度蒸したものを焼き上げるんだそうで、焼き時間が短くてすむようです。
2皿目が残り少なくなると、おばちゃんが「次、出しますか?」と聞いてくれます。2皿目までは自動的に出てきますが、3皿目以降は、おかわりするかどうか確認してくれるのです。
「はい、お願いします」と3皿目をもらって、飲み物もビールに続いては、五加皮酒(うかっぴーちゅう、200円)という中国酒をもらいます。この五加皮酒はアルコール度数が29度と高くて、“漢方薬味酒”という説明書きがついています。「養命酒(ようめいしゅ)みたいなもんね」とおばちゃん。焼き台は男性が担当していますが、接客は何人かの女性が担当しているのです。
今日は結局、4皿の餃子をいただいて、お勘定は1,750円。45分ほどの滞在で「ごちそうさま」と店を出ると、店の前にはまた4~5人の行列ができていました。大人気なんですねぇ。
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このところ、出版社の方々と一緒に取材をさせていただく機会が何度かあったのですが、こういう出版物の取材と、ブログのための取材(なのか?)はまるで違うのです。
ブログは、取材というよりも観察記録です。お店に「ブログに載せます」なんてことは、ほとんどの場合はお話しすることもなく、他のお客さんたちに混ざって、普通に飲み食いしながら、そのときの様子を日記風に記録しているものです。
他のお客さんたちと違うのは、デジカメで料理や飲み物などの写真を撮ったりすることでしょうか。
他のお客さんたちと違う行動はできるだけしないというのが、酒場の基本的なルール。他のお客さんたちがしないような注文の仕方をしたらダメだし、みんなが静かに飲んでいる中で大声で話をしたりするのもダメ。他のお客さんにやたらと話しかけたり、離れて座っている知り合いと、間のお客さん越しに話すのもNGです。
店によっては読書も禁止だったり、携帯電話による通話はもちろん、メールも禁止している店もあります。
これと同じような感じで、最近、禁止にしている店が多いのが写真撮影です。
ほとんどの携帯電話にデジカメの機能が付き、ブロガー人口も多くなってきて、酒場も含めて、飲食店で写真撮影をする人が多くなってきたからかもしれません。
私自身、写真を撮る場合には、なるべく目立たないように気をつけながら、できる限り短い間に撮り終えるように心がけているところですが、それでも嫌な思いをされている方もいらっしゃるようで、もっと気をつけないとなぁと反省しているような次第です。
これとは逆に取材の場合は、あらかじめ「何月何日の何時に、何人でうかがいます。店主のお話を聞かせていただくほか、店内外の写真、料理の写真なども撮らせていただきます」ということをお店にきちんとお話をして、取材の許可を得ます。
そして取材当日を迎えると、お約束した時間に店に伺って、まずは店主に名刺をお渡ししてご挨拶。こちらが店主にお話をうかがい始めると、カメラマンの方は、それとは別に立派な一眼レフカメラ(デジカメ)を取り出して、パシャパシャと写真を撮ります。ブログのときの「こっそりと」とはうって変わって、こちらは「堂々と」、場合によってはストロボも使いながら、美しい画像をおさえていってくれます。
普段よく行っている店でも、店主にじっくりとお話をうかがう、なんて機会はあまりないので、取材の時には「へぇ、そうだったんだ」なんて話を聞かせていただけることもあるのがおもしろい。
たとえば「秋元屋」店主の秋元さん。
「他のもつ焼き屋で修業はしたものの、平成16年の1月に開業したときは、酒場経営に関してはまったくの素人。とにかく不安で不安で、お客さんが喜んでくれそうなものは何でも取り入れたんですよ」
と、開店当時から大人気だった品ぞろえの理由を聞かせてくれました。
こういうお話を、きっちりとメモを取ったり、またICレコーダーに録音したりできるのも取材時ならでは。
しかしながら、こうやって取りためたたくさんの情報を、後ほど短い記事にまとめていくのが本当に大変な作業なのです。「へぇ~っ」と感心したことだけをリストアップしただけで、もう要求されている原稿の文字数を超えてしまったりする。プロのライターさんってすごいなぁ、と改めて感心しているのでした。
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「亀戸餃子」を後に、JR亀戸(かめいど)駅を南口側に出て、都07系統・門前仲町行きの都バスに乗り込みます。酔いざましも兼ねて、バスの揺れに身を任せること約25分。木場(きば)駅前の次のバス停、木場二丁目で下車します。このバス停のすぐ先のコンビニを左に折れた先が、昭和7(1932)年創業の老舗大衆酒場「河本」です。
現在の時刻は午後4時15分。本当は午後4時の口開けの時間に来たかったのですが、ちょっと遅れちゃいましたねぇ。まだ空席はあるかな?
おそるおそる入口引き戸を開けてみると、「ソ」(左右は逆)の字カウンターのみの店内は8割程度の入り。私もカウンターの左側一番奥に座ります。
この店では右側の短いカウンターが常連さん席です。この短いカウンターは、席と壁とのすき間が狭いので、ゆずり合いながらすり抜けていく必要があるのです。そこで、お互いによく知り合った常連さんたちが、その場所に座っているんでしょうね。
「何にする?」と目顔で聞いてくれる真寿美さん(=女将)に、いつものようにホッピー(400円)と煮込み(300円)を注文します。
すばやい手つきで計量用のカップから、ホッピー・ジョッキへと注がれる焼酎。それとは別にポンッと栓を抜いたホッピー(外)が出されます。これを自分でジョッキに入れるわけですが、基本的には全部を入れてしまうことをおすすめします。ピタリとジョッキの縁まで入ります。
煮込みは牛の小腸(ヒモ)を煮込んだもの。ちょっとコンニャクも入っていますが、ほとんどは脂がたっぷりと付いたヒモです。このプリップリの脂の旨みが、冷たいホッピーと実によく合うんですよねぇ。ホッピーと「河本」の煮込みは、ベストマッチの組み合わせだろうと思います。
2杯目は、今度は黒ホッピー(400円)を注文し、つまみには、これまた人気の品である湯豆腐の小(100円)をもらいます。
湯豆腐は奥の厨房で作られていて、注文をするとすぐにアンちゃん(=女将の弟)がお皿に取り分けてくれて、これを小皿で添えられたポン酢醤油でいただくのです。湯豆腐は小で半丁分。大(200円)だと一丁分がどかんと出されます。
季節によって、また日によって少しずつメニューは違ったりするのですが、今日のつまみメニューは、煮込みと湯豆腐以外には、柿の種(200円)、山菜漬(300円)、おでん(400円)、かけじょうゆ(400円)、しおから(200円)、バターピーナツ(200円)といったところ。
飲み物はホッピー(400円)のほかは、ビールが大瓶(500円)、小瓶(350円)と、焼酎(300円)、酎ハイ(300円)。あれ? 日本酒は止めたんだ。
「そうなのよ。ほとんど注文する人がいないからね」
と真寿美さん。たしかに、ほとんどのお客さんはホッピーを注文してますもんねぇ。
ここのホッピーは、とても飲みやすいので、ついついジョッキを重ねてしまいますが、あとでガッツリと効きます。この店で飲む場合は、通常2杯くらい。この後はもう、どこにも行かないという場合だけ3杯めをもらってもいいかな、というのが私の基準です。
今日もホッピー2杯をいただいて、1時間ちょっとの滞在で席を立ちます。今日のお勘定は1,200円でした。どうもごちそうさま。
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「河本」を出て、永代通りをトコトコと門前仲町(もんぜんなかちょう)の「大坂屋」に向かいます。「大坂屋」の濃厚な牛煮込みはクセになる味で、しばらく間があくと無性に食べたくなるのです。あれっ? のれんが出ていない。
「お客様へ。3月7日(土)、休ませて戴きます。大坂や」
ガビーン。臨時休業でしたか。残念。
それじゃ、方針変更。地元へと帰って飲みましょう。門前仲町駅から地下鉄に乗り、高田馬場経由で野方(のがた)へ。創業以来丸5年を過ぎ、6年目へと入った「秋元屋」です。
午後6時半の店内は満席模様ですが、カウンターの一番奥に、かろうじてひとり分の空席がありました。ひとりだとなんとかなる場合も多いんですよね。
「三冷白(さんれいしろ)ホッピーをお願いします」
ホッピー(380円)は普通にたのむと氷入りで出されますが、三冷(さんれい)と注文すると、冷凍庫でキンキンに冷されたジョッキが出され、それによく冷えた焼酎を注いで、これまたよく冷えたホッピー(外)と一緒に出してくれるのです。
「レバ刺しタレというのも始めたんですよ」と教えてくれるタッツンさん(=店員さん)のおすすめに従って、さっそくそのレバ刺しタレ(350円)を注文すると、タレに漬け込まれた感じのレバ刺しが登場します。どーれどれ。うん。タレの甘さが、生のレバとよく合います。これはいいですねぇ。
あっという間にレバ刺しタレを食べ終えて、大好きなポテトサラダ(300円)を注文し、飲み物のおかわりは、三冷黒(さんれいくろ)ホッピー(380円)をもらいます。
焼き物は、カシラアブラ(100円)とタンシタ(100円)を塩で1本ずつ。どちらも脂がたっぷりで、とてもジューシー。うまいよなぁ。
1時間ほどの滞在は席料が100円付いて1,710円でした。どうもごちそうさま。
「秋元屋」から、テクテク15分ほど歩くとわが家に着くのですが、足はついつい鷺ノ宮(さぎのみや)駅方面へ。最後にもう1軒、「ペルル」に立ち寄ります。カウンター10席程度の店内は、今日もお客さんでいっぱい。
ここはボトルキープ(ウイスキーやジン、焼酎など)があれば、毎回、氷・水代の500円でくつろぐことができるのです。
私も連名でキープしているウイスキーボトルを出してもらって、水割りでいただきます。
今日は「亀戸餃子」から飲み始めて、「河本」、「秋元屋」とまわり、ここ「ペルル」で4軒目。ホッピーや、ウイスキーなどの蒸留酒を主体に飲んできたので、けっこう効いています。今日は水割り2杯くらいで早めに帰りましょう。どうもごちそうさま。
「ペルル」のお勘定は500円でした。

ポテトサラダ / カシラアブラ、タンシタ(塩) / 「ペルル」で水割り
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所用で横浜に出た帰り道に、JR桜木町(さくらぎちょう)駅で途中下車して野毛(のげ)の町にやってきました。
駅と野毛の町とを結ぶ“野毛ちかみち”を抜けて、いつものように野毛小路へ。
“野毛の関所”、立ち飲みの「福田フライ」の前まで来てみると、今日は定休日。
そうか、今日は月曜日だった。土日も「WINS(ウィンズ)」(=場外勝馬投票券発売所)に来るお客さんたちでにぎわう野毛の町は、月曜定休のお店が多いのです。
それならば、と野毛小路をまっすぐ道成りに、京急・日ノ出町駅方面に向かうと、道を抜け出す直前にあるのが台湾料理の「第一亭」です。看板には、ホルモン料理、豚足、豚耳、豚尾、豚舌、豚頭肉の文字。これだけで、もつ好きはそそられますよねぇ。(注: 現在のメニューには豚尾はありません。)
月曜日なので軽くだけと思いつつ注文したのは、瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)に、野菜入りもつみそ煮(400円)です。野菜入りもつみそ煮と聞くと、そうでないもつみそ煮もありそうですが、そうではなくて、メニューにはもつ煮込みは、この1品しかありません。他の料理と同じように、野菜入りもつみそ煮も、中華鍋の強力な火力でガァーッと仕上げて出されます。野菜入りと言うとおり、大根やニンジンも入った煮込みです。
「第一亭」の創業は昭和34(1959)年。今年で創業50年です。
店は、今年88歳という創業者の店主を筆頭に、娘さん姉妹と、その弟さん、そして手伝っている女性店員さんで切り盛り。そして店の隅っこには、丸々と太った猫のミーちゃん。彼女もまたお店の一員なのです。
元々は同じ場所に木造の一戸建てで始めたという「第一亭」ですが、30年前(昭和54年)に今のビルに建て替えたのだそうです。
まかない料理のパタン(冷たい麺のニンニク醤油和え、600円)が有名ですが、普通の麺類メニューも、ラーメン(500円)、ワンタン(500円)、タンメン(550円)、ヤキソバ(550円)、サンマーメン(600円)、チャンポン(600円)、ワンタンメン(600円)、チャーシウメン(700円)、五目そば(700円)、五目ヤキソバ(700円)などが並んでいます。餃子(500円)も麺類の部類に入っているのが、本場っぽいですねぇ。
そんな中から今日は、硬いのと、やわらかいのが選べる五目ヤキソバ(700円)の、硬いほうを注文します。五目ヤキソバの硬麺は、厨房へは単に「カタメン」と通されます。それだけ注文する人が多い料理だということなんでしょうね。
出された五目ヤキソバ硬麺は、油で揚げた中華麺に、八宝菜風に具だくさんのアンをかけたもの。パッと見たところは長崎皿うどん風でもありますが、麺が太くて、アンも甘くないので、食感はまるで違います。
1時間ちょっとの滞在は、1,650円でした。どうもごちそうさま。

「第一亭」 / 野菜入りもつみそ煮とビール / 五目やきそば
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昨日に続いて、今日も野毛(のげ)にやってきました。まずは野毛の関所とも言われている「福田フライ」に立ち寄ります。
火曜日、午後6時半の「福田フライ」はお客さんでいっぱい。ずらりと並ぶ立ち飲み客の間をすり抜けるように、一番奥まで進み、今日はテレビ前に置かれた、招き猫の乗ったテーブルで飲むことにします。
今日は最初から酎ハイ(400円)をもらって、つまみにはクジラ(190円)と、前に来たときに、大常連のハルさんに教えてもらったカボチャ(140円)を1本ずつ、ソースでもらいます。
この店の看板メニューであるフライ(串揚げ)は、全部で25~6種類で、1本が90円、140円、150円、190円という4つの価格帯に分かれています。
90円ものはポテト、ナス、玉ネギ、長ネギ、シシトウ、ピーマンといった野菜もの。中でもポテトは、これだけを何本も注文する人もいるくらい人気の品です。
140円ものが最も多くて、串カツ、ワカサギ、エビ、カキ、アサリ、そして先ほど注文したカボチャなど、全16品と、半分以上のネタが140円です。鳥皮、ハツ(鶏)、砂ぎも、レバーなども140円。モツ類は衣をつけずに素揚げされます。
150円はイワシ、アジ、ニンニクの3種のみ。そして190円はクジラのみです。
関西風の串カツ屋さんだと、揚げられた串カツが油切りの付いたバットに置かれ、それをカウンター上に置かれた「2度づけ禁止」のソースにくぐらせていただくという流れなのでしょうが、ここ「福田フライ」では、焼き鳥などと同じように、味付けは最初から指定する仕組み。「ソース」「辛いの」「塩」の3種が選べます。
「ソース」はウスターソース。フライヤーの横に置かれたソース壷にトプンとつけてから出してくれます。関西風のソースのつけ方と同じような感じですね。これにメロンシャーベットの容器に入れられた練り辛子をつけていただくのが美味しいのです。
「辛いの」は、この店独特の唐辛子とニンニクがたっぷりと効いたタレです。粘度はウスターソースと同じ位のサラサラ感。ただし色は赤みがかっていて、見た目にも辛そうです。実際に食べると、そのカァーッとくる味わいと、ニンニクらしいパンチの効いた刺激がたまらない。まさに1度食べるとクセになる味なのです。ただ、おそろしくニンニクが効いていますので、明日、人と話したりする予定がある人は、控えておいたほうが賢明です。
「塩」は、素揚げしたフライに、文字通り塩をかけてくれます。ハツや砂肝は、塩がぴったりのように思います。人によっては素揚げで出してもらって、自分で塩をかけたり、醤油をかけたりしていて、バリエーションは様々です。
ホクホクのカボチャと、やわらかいクジラを食べ終えて、手に付いたソースは、カウンターの下にぶら下げられている手ぬぐいで拭きます。
続いてシメサバ(500円)をいただくと、細長く切った大根のツマの上に、ツヤツヤと並べられたシメサバは10切れほどと、ボリュームもたっぷりです。刺身もまた、「福田フライ」の看板メニューになりましたよねぇ。
ゆっくりとシメサバと食べ終えて、30分ほどの立ち飲みは1,330円でした。どうもごちそうさま。
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野毛のバー「R」の創業は昭和21年ごろと言いますから、創業60年を超える老舗です。もともとは喫茶店として始まったんだそうです。
平行する2本の路地に挟まれるように建つ「R」の造りも、建物こそ新しくなっているものの、昔のままの構造。どちらの路地にも入口扉があり、その両側の入口を結ぶように、店を貫く直線カウンターが伸びます。カウンターの背後にはデンとピアノが置いてあって、その奥は割りと大き目のテーブル席。
きわめてオーセンティック(本物、正統的)なバーですが、オーセンティックであっても、まるで大衆酒場風にゆっくりとくつろいで楽しめるのが、日本のバー文化発祥の地・横浜ならでは。この店もまったくそのとおりで、カウンターでは中年のご夫婦や、毎晩のように立ち寄っているらしい常連さんたちが静かにグラスを傾けています。
現在の店主・塚田浩司さんは、みなとみらいの横浜ロイヤルパークホテルのメインバー、「ロイヤルアスコット」に勤めた後、独立して後継者のなかったこの店を継いだのだそうです。
「ホテルのバーに居るころから、いつかは独立したいと思っていましたが、こんな老舗を継ぐとは思っていませんでした」
と語ってくれる店主は、まだ35歳という若さ。
「先代がやっていたころの[R]には来たことがないので、自分なりにやってるんですが、昔のお客さんたちにもかわいがっていただいて、よく“変わらないね”とおっしゃっていただくんですよ」
この店を継いで3年目。老舗のバーを受け継いだからには、自分の代でつぶさないようにしなければ、というプレッシャーも感じているそうです。
・店情報
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バー「R」と同様に、都橋商店街の向かいにあるバー、「喫茶みなと」も老舗の後を受け継いだお店。現店主の渋谷さんが、酒場を始めようと物件を探しているときに、「喫茶みなと」の先代店主とばったりと出会って、何十年も続くこの喫茶店を受け継いで、外観などはそのままに、平成19(2007)年1月、営業形態をバーへと変えて営業を開始したのだそうです。
現店主・渋谷さんは現役の映画人。Vシネマのプロデューサーをされていて、ときどき店内で次回作の台本の打ち合わせをしていたりする姿も見かけます。
そんな店を3月から手伝っているのが順子さん。
「若いお客さんが多いので、野毛の今の風を感じることができるんですよ」
と言いながら、キンキンに冷凍されているサントリー角瓶でハイボールを作ってくれます。この角ハイ(角瓶のハイボール)が、ほんのりと甘みがあって美味しいんですよねぇ。
「若い人たちは[角ハイ]と言わずに、[ノゲシャン]と呼ぶんですよ。野毛のシャンパンなんですって」と教えてくれる順子さん。
カウンターの背後の壁には、喫茶店時代のメニューが、そのままオブジェとして飾られています。
「あのメニューにある品物は、今はないんでしょう?」と聞いてみると、
「今もコーヒーは先代の味を守って出してますよ」
と言いながら、ネルドリップで入れたコーヒーを出してくれました。
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今回のコラムは、先日(2009年4月3日)発売になった「東京ひとりめし」のご紹介です。
サブタイトルも「街なかのひとりごはんを解決!」と、完全に食事のためのムックのように見えるのですが、中を見てびっくり。
「ザ大衆食」でおなじみの、エンテツさんこと遠藤哲夫(えんどう・てつお)さんの「[信濃路]偏愛話」や、「酒とつまみ」の大竹聡(おおたけ・さとし)さんの「イケナイ昼酒」、「観音うらメモ(旧・ライト日記)」の木村衣有子(きむら・ゆうこ)さんの「よりぬきベルク通信」のほか、「街中大衆めし酒場」、「サク飲みカウンター」、「ひとりバー入門」と、我われ呑ん兵衛にとっても嬉しい記事も多いのです。
「[信濃路]偏愛話」では、鶯谷にある24時間営業/年中無休のお食事・呑み処「信濃路」を語るエンテツ節と写真の4ページ構成。しかも料理の写真がほとんどないところがおもしろいのです。
「イケナイ昼酒」で取り上げられているのは、新宿思い出横丁の「鳥園」(12:00開店)に、銀座のバー「ロックフィッシュ」(15:00開店)、渋谷の立ち飲み「富士屋本店」(17:00開店)、浅草の「鈴芳」(12:00開店)、上野の「立飲みたきおか」(07:00開店)の5軒。『あ、どーもです。へへへ、昼から飲んでます』と始まります。
「街中大衆めし酒場」では、「三州屋 銀座一丁目店」(←メディアによく登場する「三州屋 銀座店」の近くにある別のお店)や、新宿思い出横丁の「つるかめ食堂」、御徒町の「御徒町食堂」の3軒が。
「サク飲みカウンター」では、池袋の「ふくろ」、八丁堀の立ち飲み「MARU」、新橋のビアホール「ビアライゼ98」、そして神田のベルギービール専門店「ブラッセルズ神田店」の4軒が。
「ひとりバー入門」では、ホテルオークラのバー「ハイランダー」、銀座のバー「グレープフルーツムーン」、築地の「ねこ屋」の3軒が、それぞれ紹介されています。
基本的に取材拒否店である、池袋の「ふくろ」が載っていたり、創業1年という新しいお店ながら、和服に割烹着の美人女将が大人気の「ねこ屋」が載っていたりと、呑ん兵衛にもおすすめの1冊に仕上がっていると思います。(私自身や、私が書いた記事が載っているわけではありません。念のため。)
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今や野毛のみならず、首都圏を代表する酒場と言っても過言ではない「武蔵屋」。今日はムック本の取材で、午後8時半の「武蔵屋」にやって来ました。他のお客さんのいらっしゃる時間帯はご迷惑になるので、開店前か閉店後でないと取材できないのです。
少し前にもコラムに書いたとおり、普段よく行っている店でも、店主にじっくりとお話をうかがう機会はあまりありません。取材ならではの話を聞かせていただけるのが取材のよさです。
いつもはお酒を1杯飲むごとに出される定番の料理も、今日は撮影のために最初から一気に全品出してくれます。上の写真のように、5品の肴が勢ぞろいした状態は、普段ではあり得ない光景です。
ここ「武蔵屋」は大正8(1919)年に酒屋として創業。今年で創業90年となる大老舗です。
酒場になったのは終戦直後の昭和21(1946)年ごろのこと。当時の野毛は、な~んにもないような土地で、現在の“みなとみらい”地区にあった造船所や、船会社の人たちが主なお客さんだったのだそうです。
別名「三杯屋(さんばいや)」とも呼ばれているとおり、3杯しか飲めない燗酒(桜正宗)と、年中いつでも変わらぬ5品の肴が、ここ「武蔵屋」のトレードマーク的な存在です。
「開店したころからお酒は3杯だったわねぇ。お父さんがそれくらいがちょうどいいと言って」
受け皿を置かないグラスに、土瓶から、なみなみと表面張力まで注いでくれるお酒。この「受け皿を置かない」というのも、現在の店主姉妹のお父さんの方針だったんだそうです。手で持つグラスを伝った酒が入る受け皿は嫌、というのがその理由。3杯ルールといい、受け皿を置かないことといい、お父さんはけっこう頑固者だったのかもしれませんね。
料理のほうは、一番最初のころだけ、子安(こやす)でとれたシャコツメなんかも出していたんだそうですが、すぐに現在の5品に落ち着いたんだそうです。
こうやって、何ヶ月ぶりに来ても、何年ぶりに来ても、いつも何も変わらないというのが「武蔵屋」の大きな特長。だからこそ、この店に来ると、ゆっくりとくつろげるのです。
しかし、こうやって「変わらない」状態を保ち続ける努力も大変なことのようです。
たとえばこの店で出される塗り箸(ぬりばし)。いつもビシッと美しい塗り箸が出されるでしょう? この塗り箸は輪島塗りで、ちょっとでも剥(は)げたりしたら、すぐに新品に交換するんだそうです。
店に掲げられている色紙の1枚に、「塗り箸の 剥げて小芋の 煮ころがし」という歌があるんですが、実は塗り箸が剥げた状態というのはあり得ないんですね。この歌を書かれたご本人も、「この店の箸が剥げてないのは知ってるんですが…」と言いながら、この色紙をくださったんだそうです。
味付けもそうです。この店では、カウンターの上にも、テーブルの上にも、醤油や塩などの調味料は一切置かれていません。老若男女、だれもが、あらかじめ味付けされて出されたままの肴をいただきます。これとて、何も変わらないように思えますが、時代に合わせて、じわりと塩分が少なくなってきたりしているんだそうです。
最近、店内の椅子(いす)も新品になったのですが、これも以前とイメージが変わらないようなものになっています。
こうやって、私たちから見ると「変わっていないように見える」ための不断の努力をしてくださっているんですね。
店主姉妹のみならず、お店を手伝っているアミちゃんや、若い学生アルバイトのお二人にも遅くまで残っていただいて、午後10時半頃に取材も無事に終了です。
「取材をさせていただいていても、本当に気持ちがいいお店ですね」
という出版社の人たちの言葉が、まさに「武蔵屋」の居心地の良さを言いあらわしているのではないかと思いました。
このムック本は、京阪神エルマガジン社の「横浜本」。4月23日(木)発売の予定です。
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毎月恒例となってきた、夕食会翌日の「竹よし」詣で。昨日、第85回となる夕食会のメイン食材は、関サバ、関アジだったんだそうです。関サバは刺身と塩焼きで、関アジのほうはナメロウとサンガ焼きで出されたとのこと。関サバ、関アジを、刺身以外の調理法で食べるというのが、なんだか大ぜいたくですよねぇ。
私もさっそくその関サバ刺身(900円)を半人前もらって、シメサバ(550円)も注文。飲み物は「菊正宗」(350円)を燗でいただきます。
お通し(200円)の野菜たっぷりツミレ汁をつまみながら待つことしばし。関サバの刺身が登場します。皮の下についている脂(あぶら)の厚みがものすごい。関サバならではの身の締まりと、たっぷりの脂の部分とがいっぺんに口の中に入ってきて、とても心地いい食感です。
そしてシメサバ。今日は開店と同時(午後5時)に店に入ったのですが、ちょうどそのときに、カウンター上で漬け込まれていたのがこのシメサバだったのです。立派なサバだったので、これも関サバかと思っていたのですが、こちらは日本海のサバなのだそうです。
そんなわけで、意図したわけではないのですが、佐賀関のサバ刺身(関サバ)と、日本海のシメサバの食べ比べとなりました。
日本海のサバも、関サバに負けず劣らず立派な脂ののり具合だし、身も立派。これだけ食べると、必ず「絶品!」と思えてしまう一品です。しかし、横に並んでいるのが関サバなのが、ちょっとつらいところ。こうして見ると、皮下の脂肪分や、身の締まり具合の違いがよく分かります。
関サバのアラの部分を塩焼きにしたものを、サービスで出してくれます。アラの部分とは言え、関サバのカマのところと、尻尾のところ。一番おいしいところではありませんか! ありがとうございます。両手で分解しながら、骨際(ほねぎわ)の身をしゃぶり尽くします。
昨日は、関サバ、関アジのほかに、アユの姿寿司や、山菜天ぷら(ふきのとう、たらのめ、うるい、こごみ)も出されたんだそうで、ちらりと見せてもらった食材バットの上には、ツヤツヤと深緑色に輝くアユも並んでいます。こういうのを見ちゃうと食べたくなりますよねぇ。さっそくそのアユを塩焼き(600円)でお願いします。
そうこうしている内に、常連のE夏さんや荒木又右衛門さんたちもやってきて、店内もにぎやかになってきます。私もそうですが、みなさんこの店から徒歩10分くらいの圏内にお住まいなので、日曜日の夜でもフラリといらっしゃるんですよねぇ。
E夏さんが、大好物というアジのナメロウ(700円)を注文したのを、横からちょいとつつかせてもらったりしながら、気がつくともう午後7時過ぎ。あんまり飲み過ぎると、週の頭から大変なことになるので、この辺で切り上げましょうね。
燗酒(350円)を合計3本いただいて、今日のお勘定は2,850円でした。どうもごちそうさま!
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今日は「Gaily Amaha の 未熟な舌 過敏な腸」(至高のはらわた)主宰のG.AさんことGaily Amahaさんに、上大岡(かみおおおか)にある昭和47(1972)年創業のもつ焼き屋、「鳥佳」に連れて来てもらいました。
こうやって常連さんに連れて来てもらって、そのお店の楽しみ方を教えてもらいながら食べると、その店のいいところばっかりを徹底的に味わうことができて、それはそれは楽しい時間になるのです。
そのことを最初に教えてくれたのが、実はG.Aさんその人で、お店もここ「鳥佳」だったのでした。そのとき、G.Aさんが「鳥佳のいい楽しみ方というのがあって、ぜひその楽しみ方を試してみてもらいたいんですよ」と、おすすめの楽しみ方を教えてくれたのでした。今から4年ほど前の話です。
そして今日。カウンターの焼き台前に座って、まずはキリンクラシックラガービール大瓶(550円)で乾杯すると、G.Aさんが最初に注文してくれたのが昔ながらの牛もつ煮込み(500円)です。
ここの煮込みは、牛もつ(シロ)を中心に、コンニャクも少し入っていて、醤油ベースの汁(つゆ)で煮込んだもの。小鉢に盛って、仕上げに刻みネギと、自家製の南蛮(唐辛子)をトッピングしてできあがり。熱々のうちに、シロと刻みネギ、南蛮を一緒に食べるのが、G.Aさんおすすめの食べ方です。
瓶ビールは喉を潤す程度(2人で1本)で切り上げて、すぐにG.Aさんがキープされている麦焼酎に移ります。飲み方はお湯割りです。この麦焼酎、「鳥佳」のオリジナル焼酎で、
ラベルにも鳥佳と書かれていますが、ラベルの端っこを見ると、福岡の「夢乙女」であることが分かります。この720mlボトルが2,300円。4ヶ月間キープできます。
九州方面への出張も多く、焼酎好きのG.Aさんは、ここではこのキープの焼酎を飲むことが多いんだそうです。
焼き物の1品目はレバたれ(150円)です。何も指定せずとも、G.Aさんの好みどおりに若焼きに仕上げられたレバ。ゆっくりと噛み締めていくと、だんだん、だんだんその弾力感が増してきて、最後にプツンと弾けるように噛み切れると、新鮮なレバーならではの旨みが口の中に広がります。このタレがまたコクがあるんですよねぇ。
「ここのタレにはこれです」
そう言いながら、G.Aさんがカウンターの上から取ってくれたのは黒七味です。きめ細かい黒七味が、タレといい相性です。
続いてはカシラ塩(1本150円)。「ここのカシラは赤身の部分で、脂が少ないのが特徴なんですよ」とG.Aさん。たしかに。言われてみれば、まさに赤身ですねぇ。
ここで合いの手。「本日の美味」という手書きメニューに並んでいる、かんぱち刺し(600円)、金目刺し(650円)、本鮪赤身刺し(700円)、ヤリイカと大根の煮つけ(650円)、筍の子焼き(350円)、レバ刺し(700円)、馬刺し(900円)などの料理の中から、季節の筍の子焼き(350円)を注文すると、皮を残したままの状態で、小さな竹の子を炭火で焼き上げてくれます。この皮をパラリと剥いでかぶりつくと、鼻の奥から抜ける竹の子ならではのエグ味を伴った香りがたまりません。春ですねぇ。
続いてはタン塩(1本150円)。「一味をふってもおいしいですよ」とG.Aさん。
「鳥佳」の店主は、「僕はこれしかできないですからねぇ」と笑いながら、ずっと焼き台に向かいっぱなし。「常にチャレンジ」というのが店主のモットー。「チャレンジして、チャレンジしていかないと、そのままだと下がっていってしまうんですよ」と静かに語ってくれます。
さぁそして、焼き物の最後を飾るのは、皮たれ(1本150円)とシロたれ(1本150円)です。皮はクルクルっと丸めるようにしたものを刺したもの。シロは、いわゆるシロコロで、丸いままの腸をひと口大にぶつ切りにして串に刺したものです。
「この店主の焼くもつ焼きは、とにかく焼き加減がすばらしいので、出てきたらすぐに食べるということが大切です。しゃべってる場合じゃないんです」
焼きあがってサッと出してくれたものを、間髪入れずにスッと食べる。もつ焼きの場合にも、このことが基本中の基本なんですね。
最後に、この店に通い続ける理由を改めてG.Aさんに伺ったところ、「こっちのペースを見ながら、絶妙のタイミングで、絶妙の焼き具合でもつ焼きを出してくれるところですかねぇ。それよりも何よりも、ここに座って、穏やかな人柄のマスターと会話をすることそのものが、自分にとって癒(いや)しの時間なんですよ」と話してくれました。
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「キャベツはこうして、大きくグワッと割って、このくらいのかたまりで、ゴマ油・塩にたっぷりとつけて、こうやって食べてみてください。ガブッと。そうです。どうですか? うまいでしょう? こうやって食べてくださいよ、キャベツは」
有機キャベツ特製味噌付き(320円)を前に、そうやって食べ方をレクチャーしてくれるのは、「Gaily Amaha の 未熟な舌 過敏な腸」(至高のはらわた)主宰のG.AさんことGaily Amahaさん。
注文時に「キャベツをひとつ。ゴマ油・塩も付けてください」と注文して出てきたのがこの品。このキャベツを、ざっくりと大きなかたまりに割って、その断面にゴマ油・塩をすり込むようにしていただくのがG.Aさん流。ご自宅でも、キャベツはこの食べ方で食べられているんだそうです。
でも、このゴマ油・塩。だれでももらえるんですか?
「もちろんもらえますよ。だって、この食べ方は鳥佳のマスターから教えてもらったんですもん。キャベツはこうして食べればうまいって」
せっかく添えてくれてるニンニク味噌はどうするんでしょう?
「これはそのまま、つまみにできるんです。これだけでビールが3ガロンは飲めます(笑)」
「鳥佳」に続く2軒目として、G.Aさんが連れてきてくれたのは、上大岡駅のすぐそばにある「一火」です。「一火」は、「鳥佳」の2号店として、昨年(2008年)4月末にオープンした新しいもつ焼き屋。まもなく創業1周年を迎えます。
さすがに2号店だけあって、「一火」のメニューは、ほぼ「鳥佳」と一緒。こちらでは、「鳥佳」で食べなかったものをいただきましょうと、G.Aさんが注文してくれたのは、ツクネたれ(1本150円)、レバ生(1本150円)、ナンコツたれ(1本150円)、そして鳥佳巻きタレ(1本250円)といった焼き物類。
ツクネは串2本を芯にして、細長いラグビーボール状に仕上げた一品。レバ生は、刻みネギをたっぷりとトッピングして、ゴマ油・塩で味付けられています。ナンコツたれは、「一火」の店長・しんたろうさんの自慢の一品。黒七味をふっていただくと抜群の味わいです。
鳥佳巻きは、細く切った長ネギとエリンギを、特製味噌で和えたものを豚肉で巻いて焼いたもの。「鳥佳」のオリジナルメニューなので、こちら「一火」でも“鳥佳巻き”というメニュー名のままで出してるんですね。
「この店を任されたときは、焼き過ぎたらいけないという気持ちが強かったのか、お公家さんが焼いたようなもつ焼きになってたんですよ。どっかで吹っ切れたんでしょうねぇ。今はもう、マスター(鳥佳の店主)の焼きを完璧に引き継いでいます」とG.Aさん。
シメジ(1本250円)や、レバ塩若焼き(1本150円)、うずら~の卵(1本250円)、手羽先(1本200円)と焼いてもらい、最後は、牛さがり(1本400円)、皮たれ(1本150円)、シロたれ(1本150円)の三連発で〆て終了です。
やっぱり常連さんにナビゲートしていただくと、その店の楽しさも倍増しますねぇ。平日に、しかも名古屋からの出張帰りの日に、本当にどうもありがとうございました!>G.Aさん
あ、そうそう。「鳥佳」「一火」ともに、働いている女性が若くてかわいいのも、大きな特長のひとつですよ!
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ここで言うオヤジ酒場とは、客単価1,500円から高くても2,000円くらいで、普通のサラリーマンが週に何度かは通えそうな酒場のことを指します。大衆酒場や、もつ焼き屋などではそのくらいの客単価が当たり前ですが、魚介類を扱う店でその客単価となると、ちょっとむずかしい。今回は、そんな酒場を集めてみました。
なんといっても筆頭に上げられるのは北千住の「徳多和良」です。“割烹くずし”を看板に掲げ、刺身やちょっと手を入れた魚介料理などが、315円、420円、525円といった価格帯で楽しめる立ち飲みの名店です。
昨年4月に中野にオープンした立ち飲みの「おかやん」もまた新鮮な魚介類などの料理が300~500円で楽しめ、また地酒や焼酎も安く飲めるお店。創業1年にして、地元ファンたちの心をがっちりとつかんでいます。
荻窪「やき屋」は、八戸直送のイカ料理の数々が170円均一。ホッピーもセットで320円、中(なか)が160円と安いのです。
立ち飲みで魚介系が楽しめるお店は意外と多くて、赤羽「いこい」、蒲田「五坪」、門前仲町「和一」、新橋「こひなた」、水道橋「うけもち」、中野「魚屋よ蔵」、そして最近近くに移転したという話を聞く渋谷の「第三福ちゃん」などが思い浮かびます。
もちろん魚介系のオヤジ酒場は立ち飲みだけではありません。じっくりと座って飲んでもリーズナブルに楽しめる筆頭が、刺身も含む魚介料理各種が250~450円ほどでホワイトボードに並ぶ阿佐ヶ谷の「川名」。わが家から近いこともあって、本当によくお世話になっています。
オヤジ酒場の集結地帯北区には、各種刺身が500円前後で並ぶ田端の「初恋屋」や、“鯉とうなぎ”を看板に、他の魚介類も350~700円(400円前後のものが多い)の赤羽根「まるます家」、ほとんどの料理が240円で、ちょっと高めの魚でも370円の王子「山田屋」などの名店が勢ぞろい。
豊洲の「山本」や、渋谷の「細雪」、東小金井の「スタミナの城」、北千住の「酒屋の酒場」なども地元の人たちに愛される魚介系のお店。大衆酒場ながら、四ツ木「ゑびす」や、新橋「大露路」、南千住「大坪屋」などは、魚介料理も安くて充実しています。
大きなビルごと居酒屋で、各階で安くてうまい魚介料理が楽しめるのが池袋の「ふくろ」に、蒲田の「鳥万本店」。門前仲町の「魚三酒場」もビルですね。
今年はもう、鍋物のシーズンも通り過ぎた感がありますが、魚介系の鍋物で有名なのが世田谷の「酒の高橋」に、浅草橋の「やまと」、そして千住大橋の「ときわ」などのお店です。
客単価2,000円くらいまでと考えてもこれくらいの店を思いつきます。これを3,000円くらいまで許すことにすれば、銀座など各地にある「三州屋」や、都立家政の「鳥八」や「竹よし」などなど、まだまだたくさんの魚介類の名店が挙げられそうです。こうしてみると、都内にもリーズナブルに魚介類を楽しめるお店は多いですね。
これら以外に、みなさんのおすすめの魚介系オヤジ酒場がありましたら、ぜひ教えていただけるとありがたいです。
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「おそらく日本一シークワサーハイが出るお店だと思いますよ。ほとんどの人がシークを飲んでます」
シークという愛称で呼ばれるほどのシークワサーハイ(300円)は、4~5年前に沖縄出身のお客さんの声で始めた品。それが今や、この店を代表する人気ドリンクになっているのです。
このシークの特徴は、下町酎ハイと同じく、氷が入ってなくて、焼酎が濃いところ。もちろんこの店にも酎ハイ(290円)はあって、その作り方と同じように、かなり濃い目の、甘くないシークワサーハイが作られます。
考えてみれば、どんなカクテルを作るときにも、酸味と甘味は基本ですよね。ここのシークも、アルコール度数が高いのに、シークワサーの酸味とほのかな甘味でいくらでも飲めそうな飲み物に仕上がっています。しかも氷なしだから、最後まで味も濃さも変わりません。
今日は、「ワイタベのレミング2」のワイタベさんに、金町(かなまち)にある昭和33(1958)年創業のもつ焼き屋、「ブウちゃん」に連れてきていただきました。
現在の店主・坂井志朗(さかい・しろう)さんは、お父さんのあとを継いだ二代目。「ブウちゃんアミーゴス」というフラメンコバンドを主宰するフラメンコギターの名手として、年に1度、コンサートを開いているそうです。
その店主を、ワイタベさんたち常連さんはパパと呼びます。一緒にお店をやっている奥様はママ。ママはフラメンコを踊ります。
お二人がフラメンコ(スペインの芸能)好きだからか、アホ焼き(80円)というメニューもあります。アホ(ajo)というのはスペイン語でニンニクのこと。店内では「(店主)このアホだれだ?」「(客)あぁ、アホは俺だ」なんてやり取りが交わされるんだと笑いながら話してくれます。
ワイタベさんは、高砂や柴又で飲んでから、午後9時半以降にこの店にくることが多いんだそうです。この店の閉店時刻は午後10時なのですが、その時間までに入っていれば大丈夫とのこと。
「どの時間帯に来ても、だいたい込んでるんですが、入れないことはないですね」とワイタベさん。
その理由はカウンターの椅子がベンチシートであることにもよるようです。込んできても、ひとり5センチずつ寄ってもらうと、もうひとりくらいはすぐに入れるようになるんだそうです。
ワイタベさんは、この店に来るとカシラとアブラは必ずたのんで、あとは気分によってシロやレバ、タンなどをもらうんだそうです(もつ焼きは1本80円)。塩・タレもその日の気分次第。冬場はもつ煮込み(360円)から入ることが多いとのことで、今日もそのもつ煮込みから入ります。
もつ煮込みは冬場(11~3月)だけの、しかも1日20人前だけの限定品。あっさりと醤油味で、シロやアブラのほか、大根やコンニャクが一緒に煮込まれています。アブラの甘みがいいですねぇ。このあっさりスープは、ラーメンにしても美味しそうです。
焼き物は、ワイタベさんおすすめのアブラと、店主おすすめのシロ(店主のおすすめはタレ)、そして1日12~15本くらいしかないという大ガリ(店主のおすすめは塩)を焼いてもらいます。
大ガリというのは、豚の喉仏(のどぼとけ)の部分なんだそうで、豚1頭から串4本分しかとれないとのこと。1日12~15本でも、3~4頭分なんですね。すぐに売り切れる品だそうです。
野菜系のメニューが多いのもこの店の特長のひとつ。冷しトマト、おしんこ、かくや(古漬)、ワサビのくき漬、もやしキムチ、ねぎぬた、パリパリキャベツの元気漬、ガツキュウ和え、とろろめかぶ、ほうれんそう、いんげん、ブロッコリーマヨネーズ、なめ茸おろし、しらすおろしなどのそれぞれが300円です。
そんな中から、ワイタベさんおすすめのお新香を注文すると、カウンターの中のぬか床から、大根、ニンジン、カブ、キュウリ、昆布、大根の葉などのぬか漬を掘り出して、盛り合せてくれます。これで300円は安いなぁ。
曜日変りのメニューもあるんだそうで、たとえばポテトサラダ(300円)は火曜日と木曜日だけの限定品。今日、土曜日は厚揚げのふっくら焼きの日。2本4切れで300円です。
「この店に通い続けるのは、パパとママの人柄かな。人に対する当たりがやわらかくて、居心地がいいんですよ。値段も安い。シーク2杯ともつ焼き5本でちょうど千円になるんですが、私はそんなに食べないほうなので、ここで千円払うことはめったにないんです」と語ってくれるワイタベさんでした。
・店情報
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「実は金町(かなまち)に来たのは、これが初めてなんですよ」とワイタベにお話したところ、
「それじゃ、まだちょっと時間がありますから、何軒かご紹介しましょう」
と、このあとにもご予定が入っているそうなのに、それまでの時間を利用して金町の酒場を案内してくれることになりました。
駅の西側にある「ブウちゃん」を出て、金町駅前を通り過ぎ駅の東側へ。「ここに入りましょうか」とワイタベさんが立ち止まったところは、紺地に白で「大力酒蔵」と大書された2連の大きなのれんに、これまた大きな赤ちょうちん。昭和41(1966)年創業の老舗大衆酒場「大力」です。
店内に入ると、正面に15人ほど座れるコの字カウンターがあり、右手壁際に4人掛けテーブル席が2卓。カウンターにもテーブル席にも、昔風の焼肉コンロがずらりと置かれていて、まるで焼肉屋さんといった風情です。
カウンター席は先客のみなさんでほとんど埋まっているので、我われはテーブル席のひとつに座ります。
テーブルに注文を取りに来てくれたのはスキンヘッドの親父さん。8年ほど前の「散歩の達人」でも拝見したお顔です。カウンター席は、カウンターの中にいる若い女性(娘さん?)が担当しています。
今日は時間もないので軽くということで瓶ビール(サッポロ黒ラベル大瓶、580円)をもらって、料理はガツ酢味噌(450円)にセンマイ刺身(500円)、牛スジ煮込み(380円)の3品をもらいます。
改めて壁にずらりと並んだ短冊(たんざく)メニューを確認してみると、焼き物はハツ、アバラ、タン、カシラ、コブクロ、ナンコツ、シロ、ミノ、レバーなどが、それぞれ1人前500円。イカ(500円)やネギ(450円)なども並んでいます。
刺身はレバー(500円)、コブクロ(500円)、アバラ(500円)、ガツ醤油(450円)、ガツ酢味噌(450円)、センマイ(450円)、豚足(340円)などと、こちらも安い。
肉以外には、野菜類が300円くらいで並んでいるほか、1人前880円の大力チゲ、魚チゲ、タラチリといった鍋物もあるようです。
店内を見渡してみると、焼肉コンロを使って焼肉を焼いている人はいない様子。ほとんどのみなさんは、肉の刺身や一品料理をつまみながら、酎ハイ(340円)を飲んでいるようです。
カウンターの一番端のおじさんは鍋物を食べているのですが、この鍋が焼肉コンロの上にのっているところがおもしろい。
ビールをもう1本もらって、1時間弱の滞在は2,440円でした。
店を出て、今度は京成金町駅の南側の路地の中へ。いやぁ。ここも酒場が多いですねぇ。もつ焼き「松っちゃん」、大衆酒場「大松」、もつ焼き「大渕」などなど、見るからに渋い酒場がずらりとそろっているのがすばらしい。さすが葛飾区です。ぜひまた来なければ。
といったところでワイタベさんも次へと向かう時間です。今日は本当にありがとうございました。
・店情報
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「ホルモンだけで50年なんですよ。ホルモン炒めや豚足は、父と母がこの店を始めたときからあった味。それをずっと守っています」
そう教えてくれる「第一亭」のお姉さん。
昭和34(1959)年創業の「第一亭」は、今年でちょうど創業50年。88歳になるお父さん(創業者)と、その娘姉妹とその弟さんに、手伝いの女性がひとり加わって切り盛りしています。
基本的には台湾料理の店なのですが、名物は豚の腸や舌、頭肉、胃などのいわゆるホルモン(もつ)料理。創業の味、ホルモン炒め(600円)は、生の豚腸をぶつ切りにしたもの(いわゆるシロコロ)を、この店独自のニンニク味噌だれで炒めた一品。シロはゆでて下ごしらえするのが普通。これを生のまま炒めて出せるというのは、ものすごい鮮度と、洗いがしっかりしている証拠です。
「弟が必死になって洗うのよ。見て、この筋肉。特に運動をしているわけでもないのに、お父さんも弟も、筋肉がすごいの。いつもホルモンを食べてるからかしらねぇ」
と笑うお姉さん。確かに! お父さんも、弟さんも筋骨隆々です。
この店では、生のシロを炒めたホルモン炒め(600円)のほかに、ゆでたシロを炒めたモツ炒め(600円)もメニューにあって、両者を食べ比べることもできます。またホルモン炒めは定食もあって、こちらは700円。大人気の一品です。
「他には何がおすすめ?」と聞いてみると、
「私はレバニラ炒め(600円)やニラ玉(玉子入りニラ炒め、600円)も好きですよ」とお姉さん。しかし、残念ながら、今日はこのホルモン炒めですでに満腹状態。次の課題にさせていただきましょう。
今日は酒友とふたり、カウンター席の奥のほう、「火が上がります」という注意書きがあるあたりに陣取り、まずは瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)を1本もらって、料理は牛レバ刺(600円)に、いつものガツ生姜(しょうが)炒め(600円)、そして青菜炒め(500円)を一気に注文。カウンターの中、ちょうど目の前で、中華鍋を振るときにゴォゴォと立ち上る炎もつまみに飲み始めたのでした。
はじめて注文してみた牛レバ刺は、牛レバらしい真っ赤なレバーに、ゴマ油がたっぷりとかけられて出てきます。それとは別に、小皿に入れられた刻みニンニク。どうやって食べるのが正式なのかは知りませんが、我われはこの刻みニンニクの小皿に醤油を入れて、レバーを一切れずつ取っては、そのニンニク醤油をつけながらいただきました。日ごろ食べなれている豚のレバーと比べると、牛レバーはかなり濃厚な感じですね。
瓶ビールはすぐになくなって、続いては紹興酒をボトル(2,000円)のまま燗をつけてもらいます。
料理は先日もいただいた野菜入りもつみそ煮(400円)を注文すると、なんとこのもつみそ煮も、中華鍋のゴォゴォとした火で仕上げられるのでした。
「だって熱々のほうが美味しいでしょう」
とお姉さん。この会話をきっかけに、冒頭のような話になって、おすすめいただいたホルモン炒め(600円)も注文したのでした。この生シロのプリプリ感。そして味付け用のニンニク味噌の風味がたまりませんなぁ。
1時間半ほどの滞在は二人で4,850円(ひとり2,425円)でした。どうもごちそうさま。
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野毛という字を“のもう”と読む人もいるくらい、横浜きっての呑ん兵衛タウンである野毛(のげ)。今日は北千住からやってきたH氏とともに野毛巡りです。
野毛に繰り出すときの待ち合わせに最適なのは、JR桜木町駅の改札前。この駅には改札口が1箇所しかなくて、しかも改札前が広いので、たとえこの町にはじめてやってきた人であっても、迷うことなく落ち合えるのです。
JR桜木町駅と野毛の町を結ぶ地下道が“野毛ちかみち”。この野毛ちかみちを左前方に抜けて、その先のブリーズベイホテルの手前を右に入ると、その先が野毛小路。その入口に2軒ずつ向かい合って、都合4軒並んでいるのが、立ち飲みの「福田フライ」に、ラーメンの「三陽」、餃子の「萬里」、そして焼き鳥の「若竹」。どの店もそれぞれ大人気で、「福田フライ」や「三陽」は店の表にまでお客があふれ、「若竹」からは今日も焼き鳥を焼く煙がもうもうと上がります。ここがまさに野毛の関所的な存在で、なかなか素通りすることはできません。
そんなわけで、今日の1軒目はFF(エフエフ)という愛称でも呼ばれる「福田フライ」です。瓶ビール(大600円)をいただきつつ、カボチャ(190円)にクジラ(150円)、レバー(150円)、ワカサギ(150円)などを揚げてもらい、刺身盛り合せ(750円)もつついて、ふたりで3,170円。
ここでエンジンがかかったら、2軒目は大岡川沿いに三日月形に建つ都橋(みやこばし)商店街2階中央部にある「ホッピー仙人」で、うまさ抜群のホッピー(500円)です。H氏は白、私は黒で1杯ずつ。お勘定はふたりで1,000円。
このまま大岡川沿いを歩くと、京急・日ノ出町駅に抜ける手前にあるのが中華(台湾)料理の「第一亭」です。さっそく先日話を聞いたばかりのホルモン炒め(600円)に、先日は満腹で食べられなかったレバニラ炒め(600円)をもらって、飲み物は老酒(らおちゅう)のW(650円)を燗でもらいます。
カウンターの奥では店を手伝っているおねえさんがニンニクの下ごしらえ中。大量のニンニクの皮を手作業で剥いていきます。「手じゃないときれいに剥けないんですよ」とのこと。ニンニクは「第一亭」の味の決め手ですもんねぇ。
老酒Wをもう1本もらって、今日のお勘定は二人で2,500円でした。
「第一亭」の先の橋を伊勢佐木町方面に渡った右手が、魚料理の大衆酒場「栄屋」。店に入るなり、「今日は、穴子がないんですけどいいですか?」と、おかみさんから確認されるほど最近は穴子天ぷら(630円)が名物になっている「栄屋」ですが、他の料理にもはずれはないので、何を注文しても大丈夫です。今日はホタルイカ(450円)と野菜天(450円)で、燗酒(340円)を2~3本。お勘定は二人で1,970円。
JR桜木町駅方面に戻りながら、再び都橋商店街の前へ。最後は“床屋”こと、バー「日の出理容院」で、ハイボール(600円)をひとり2杯ずつ。キャッシュ・オン・デリバリーの総計は二人で2,400円。
いやいや今夜もよく飲みました。JR桜木町駅構内で上り電車に乗るH氏と別れます。
「福田フライ」からはじまって、「日の出理容院」まで5軒の合計は、ふたりで11,040円。ひとり当たり5,520円。1軒の平均は1,104円/人という野毛めぐりでした。
・「福田フライ」(前回)/「ホッピー仙人」(前回)/「第一亭」(前回)/「栄屋」(前回)/「日の出理容院」(前回)
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先日の「武蔵屋」の記事の中でちょっと触れた京阪神エルマガジン社のムック本(Meets Regional別冊)、「横浜本」(税込み780円)が、4月23日(木)、発売されました。
サブタイトルは「ロマンを駆り立てるリアルなヨコハマ」。何がリアルか。
それは、普段よく取り上げられがちな、観光地としての横浜ではなくて、横浜に住んでいる人、あるいは横浜が好きで出かけてくる人たちが、実際によく行くような、日常的な横浜がどんどん紹介されている点にあります。
たとえば桜木町駅周辺にしても、一般的なガイドブックで取り上げられる“みなとみらい”地区ではなくて、この本で取り上げているのは、あえて“野毛(のげ)”地区です。全120ページの本書の、冒頭30ページほどが野毛界隈の特集という、驚くべき集中度です。
中華にしても、もちろん中華街の店も載ってはいるものの、わずかに3軒。しかもその3軒が「天龍菜館」に「栄楽園」、「上海飯店」という、まさに知る人ぞ知る名店ぞろい。
中華街以外では、横浜橋の「酔来軒」や、日ノ出町の「第一亭」、野毛の「萬里」などなどの、呑ん兵衛好みする店々がずらりと並んでいます。
「濃い町探訪」と題して、横浜駅西口・狸小路や、よこはまばし商店街、本牧、横須賀などが載っているのも嬉しいですねぇ。横浜駅西口にずらりと並ぶ屋台のおでん屋さんも、きっちりと取り上げられているのがすばらしい。
そして、3月14日(土)に開催された「古典酒場ほろ酔いと~く」にいらっしゃった方には面白がっていただけそうな裏話。この本の「福田フライ」のページで、福田のおばちゃんと楽しそうに話をしている女性が、実は「古典酒場」の倉嶋編集長です。よく見ていただけると、編集長の頭の後ろあたりに小さなビデオカメラが見えるでしょう? このビデオカメラで「ほろ酔いと~く」用のビデオ撮影をしているのです。
「福田フライ」は、本来は取材お断りのお店。なんとか無理をお願いして、お店の人に対する取材はしないんだけど、こっそりと(?)ビデオや写真を撮ることだけは許していただいて、「ほろ酔いと~く」と「横浜本」のダブル撮影となったのでした。倉嶋編集長ご自身も、「他社の雑誌に、こんなに大々的に写真が載ったのは初めて。社内でも大受けしました」と笑っておられました。
この本では、私自身も何軒分かの原稿を書かせていただいたばかりか、「武蔵屋」の記事には、なんと「浜田信郎の野毛礼賛」と、名前入りのタイトルまで付けていただき、ちょっと照れております。ぜひ手にとってお読みいただけるとありがたいです。
お知らせ(宣伝?)がもうひとつ。今日(4月25日(土))の読売新聞夕刊の「ぶらり食記」というコーナーに、「懸命な店員 千客万来」というコラム記事を書かせていただきました。商店街の中の活気あふれるお店として、赤羽の「まるます家」と、阿佐ヶ谷の「川名」のことを書いています。
こうやって新聞に載ったりするときには、肩書きみたいなのがいるようなのです。
読:「どういう肩書きになさいますか?」
私:「う~ん。“会社員”とか……」
読:「会社員というのはちょっと…。どこかで“居酒屋研究家”という肩書きでご紹介されているのを拝見しましたが、それでいかがでしょうか」
私:「実際には研究しているわけではなくて、ただ飲んでるだけなんです。あ、そうだ。“呑ん兵衛”という肩書きはどうでしょう」
読:「………。」
そんなわけで、“居酒屋研究家”という立派な肩書きで紹介されることになりました。ま、特に資格などが必要な肩書きではないので、笑ってお許しください。
この「ぶらり食記」。今後、1ヶ月に1回程度、酒場の記事を書かせていただく予定です。
全国版ではありませんので、首都圏と札幌、九州地区にお住まいのみなさんにしかお読みいただくことができませんが、ご笑覧いただけるとありがたいです。
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年度の変わり目は、送別会や歓迎会などを中心とした、会社関係の飲み会が目白押し。今日も会社関係の飲み会を終えて、JR中央線・阿佐ヶ谷駅に帰り着いたのは午後10時過ぎ。まだ「川名」のラストオーダーの時間(午後10時50分)に間に合いそうです。最後に軽くひとりで飲んで、クールダウンしてから帰りますか。
「川名」には、日曜日の開店直後(午後4時過ぎ)に来ることが多くて、こうやって仕事帰りの遅い時間に来るのは久しぶりです。
店頭で焼き鳥を焼いているおかみさんに「こんばんは」と挨拶しながら店内へ。すぐ目の前のカウンター席(“1番”と呼ばれている席)が空いていたので、そこに腰をおろし、「いらっしゃいませ」と、笑顔で注文を取りにきてくれるハルカさん(店を手伝っている女性)に、氷なしの黒ホッピー(336円)とホタルイカ(399円)を注文します。
すぐに出される今日のお通し(サービス)はイチゴ2個と、さっぱりとした味付けモヤシ。追いかけるように出てきたホタルイカは、たっぷりと12ハイ。プクンとふくらんだ身が、見るからに美味しそうです。こんなに小さいのに、味わいが濃厚なんですよねぇ。その濃厚さと、黒ホッピーのちょっと香ばしい味わいがよく合うこと。
それにしても「川名」は、この時間帯もお客さんでいっぱいなんですねぇ。日曜日の開店直後とは違う常連さんたちが多いのも面白い。曜日ごと、時間帯ごとに違う常連さんがいるんでしょうね。
もしかすると、曜日によって、時間帯によって、ローカルルール(=その店独自の約束事。関連記事)が違ってたりすることもあるのかも! ローカルルールは、常連さんたちの間の共通常識(不文律)的なところがあるので、常連さんのグループが違うと、また違うローカルルールが存在していても不思議じゃないですもんね。
ホタルイカに続いては、うなぎ串(168円)と、初めて目にするメニューであるカリフォルニアにんにく焼き(189円)を注文します。
すぐに出てきたのはうなぎ串。これは串に刺したミニ蒲焼(短冊焼き)といったもので、あらかじめ焼きあがっているうなぎ串を温め直してくれるだけなのでできあがりが早いのです。
そしてカリフォルニアにんにく焼きも焼きあがってきました。なるほど。ちょっと小ぶりのニンニクなんですね。外の皮が付いたまま、丸ごと真っ黒になるまで焼かれたニンニク1個に、味噌が添えられています。その真っ黒の皮を剥(む)くと、中からはホクホクのニンニクが出てきます。さすが炭火焼き。いい火の通り具合ですねぇ。
「ラストオーダーです」というハルカさんの声に、最後にもう1杯、氷なし黒ホッピー(336円)のおかわりをお願いします。ちなみに、「氷なし」と指定してホッピーを注文すると、三冷ホッピーが出されます。
飲み物(酒類)はひとり4杯以内。ラストオーダー時の飲み物はひとり1杯だけ、というのがこの店のルールで、これはメニューの近くにきっちりと書き出されています。
今日の仕事も一段落してきた店主ともお話をさせていただきながら、午後11時20分頃まで、ちょうど1時間ほどの滞在は1,428円でした。どうもごちそうさま。
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「うわっ。この牛スジ煮込みはうまいですねぇ。味もすごいけど、よく煮込まれた牛スジの、やわらかさと弾力感のバランスが絶妙だ!」
「あはは。ありがとうございます。うちはおでん屋なんで、煮るのはプロですから。」
そう話してくれるのは「平澤かまぼこ王子駅前店」の店長・平澤慶彦(ひらさわ・よしひこ)さん。昼間は神谷(かみや)にある本店で蒲鉾(かまぼこ)などの製造を担当されたあと、夕方以降、ここ王子駅前店にやってきて、朝からこの店を切り盛りされている、お母さんで名物女将(社長)の京子さんとバトンタッチします。
「関西出身のお客さんたちに、牛スジはないの? と言われて、いろいろとやってみたんですが、牛スジを入れると、東京独自のおでん種であるチクワブやハンペンなどが脂(あぶら)だらけになってしまうんですよ。チクワブやハンペンの白さを保ちながら、どうやって牛スジをお出しするかを考えて、今のように別鍋で作って、牛スジ煮込み(250円)として、おでんとは別メニューでお出しする方向に行き着きました。」
材料となる牛スジは「山蓄(やまちく)」(コメント欄に詳細)から仕入れた国産牛のもの。これをおでんの汁(つゆ)で煮込むのがおでん屋さんならではです。
「2時間煮込んだら、火を止めて2時間置きます。それからまた2時間煮込んでアクを取って、味噌で味を調えます。おでん汁の他に入れるのは味噌だけなんです。」
なんでもないことのようにそう話してくれる慶彦さん。うーむ。この煮込みだけで6時間ですか。その手間ひまが凝縮されて、この味わいを生んでるんですね。これが1人前250円というのは信じられない低価格だなぁ。
「魚のスジも作りたてのものを持ってきましたから、食べ比べてみてください。」
そういって、おでん鍋に入れる前の、おでん種としての魚スジを出してくれます。この魚スジはホオジロザメやカジキマグロのスジを団子状にまとめて煮たもの。こちらは牛スジと違って、最初に2時間煮たら出来上がりなんだそうです。このまま食べても美味しいものなんですねぇ。
「これをおでんに入れると、フンワリとなってまた美味しくなるんですよ」
と教えてくれるのは、「日々雑感【美味しいもの大好き♪】」のたーぼーさん。
つい先日、たーぼーさんに「行きつけの、もつ焼きやもつ煮込みの美味しい店を教えてください」とお願いしたところ、「じゃ、平澤かまぼこ店かな」というお返事。おでん屋なのになぜ??? と、クエスチョンマークたっぷりの状態でこの店に連れられて来たところ、絶品の牛スジ煮込みを食べさせてもらうことができたのでした。
たーぼーさんも、店長の慶彦さんも、地元・王子のご出身。慶彦さんはたーぼーさんの1年後輩なんだそうで、今もお店の人とお客さんというよりは友達同士のような感じで、楽しそうに会話を交わしています。
店に入るなりいただいた飲み物は、酎ハイの大ジョッキ(450円)。氷入りの大ジョッキの真ん中くらいまで焼酎が入り、残り部分に瓶のハイサワー(200ml)を注ぐとちょうどジョッキいっぱいになるという、ものすごい焼酎の濃さ。調子にのってクイクイやっていると、すぐに出来上がってしまいそうです。
そして出てきたのは幻のチャーシューこと、「じっくり煮込んだ焼豚」(250円)です。その名称のとおり、ギュッと巻いた豚バラを、それだけで(ダシも取らずに)じっくりと5時間ほど煮て、火を止めて冷まして、そして店にもってきてからもう一度煮込んで仕上げるという、これまた手間ひまかかる一品。いったん煮汁の中に出た肉の旨みが、冷ます過程でまた肉の中に戻ってきて、肉の味がしっかりとする、まるでシチューのような焼豚に仕上がっているのです。
それだけ手間ひまがかかるためか、この焼豚は昔は水曜日にしか出していなかったんだそうで、今もいつもあるとは限らない品。それゆえに幻のチャーシューと呼ばれているんだそうです。
それにしてもおそるべし、「平澤かまぼこ」。自家製のおでん種を使ったおでんの美味しい立ち飲み屋さんかと思いきや、おでんのみならず、サイドメニューにも絶品が勢ぞろいしていたんですねぇ! さりげなく出されるぬか漬(150円)も、そのぬか床は60年以上使っているものなんだそうです。それで安いんだから、人気があるのも改めて納得です。

できたての魚スジ / 幻のチャーシュー(4人前ほど) / ぬかづけ
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「うまいものが食べたいときにはここに来るんですよ」
そう言いながら「日々雑感【美味しいもの大好き♪】」のたーぼーさんが連れてきてくれたのは北千住にある炭火串焼ともつ串煮込みの店、「ささや」です。一昨年(2007年)の10月にオープンして、まだ1年半という新しいお店ながら、すでにもつ焼き・もつ煮込みファンの間では、よく知られたお店になっています。
店内は1階・2階ともにカウンター席のみで、各フロアに10人強ずつ入れるキャパシティ。椅子はすべてベンチシートなので、ギュッと詰めれば12人ほどは入るんだそうです。
「普通のもつ焼き屋と比べると、ちょっと高めの値段設定なので、本当に美味しいものが好きなお客さんしか来ないんですよ。変なお客さんがいないのがいいところですね。そのかわり、女性でも入りやすいきれいなお店なので、私以外、すべてカップルなんて日もありましたけどね(笑)」とたーぼーさん。
最初はホッピー(500円)をもらって乾杯し、料理は煮込み(1皿3本で600円)からスタートです。
店主・草野英雄(くさの・ひでお)さんは「銀座ささもと」や「新宿ささもと」で修業をした後、独立してこのお店を出したのだそうで、この串に刺した煮込みも含めてほとんどのメニューは「ささもと」仕込みです。
「『ささもと』にないのは、このホッピーとガーリックトースト、レバーペーストですかねぇ。パンは私が『西口やきとん』のフランスパンの話をしたら、大将(=店主)が取り入れてくれたんです」
と教えてくれながら、そのガーリックトースト(280円)と自家製レバーペースト(500円)に、キャベツ煮込み(1本200円)と煮玉子(1個100円)を追加注文するたーぼーさん。キャベツは注文を受けてから串に刺したキャベツを煮込み鍋に投入します。煮玉子は、たーぼーさんは煮詰まって煮詰まって、7割くらいまで小さくなったのが好みなんだそうで、店主が鍋の中からよく煮込まれた玉子を探し出してくれました。
飲み物としては、キンミヤ焼酎をワインで割った葡萄割り(600円)や、コーヒー豆をキンミヤ焼酎に浸けこんだ自家製キンミヤ珈琲(500円)もおすすめなんだそうで、さっそくそれらももらってみます。「葡萄割りは不思議と酔うんですよ」とたーぼーさん。葡萄割りなどのキンミヤ系の強いお酒は、合わせて3杯までしか飲めません。
さぁ、そしていよいよ焼き物です。
「テッポーのタレ+ガーリックバター、ハツの胡椒、レバのしゃぶしゃぶなんかが好きなんですけど、大将におまかせでたのむことが多いですね」
とたーぼーさん。“本日の店主おすすめ串5本盛”(1,000円)は、5本で1,100円相当(200円串が4本と300円串が1本)のものが1,000円で食べられるというお得なメニュー。珍しいものがあったら、それも入れてくれるところがいいんだそうです。
今日もその5本盛をお願いしたところ、焼き台の上に平行に並ぶ鉄棒が牛ハラミの脂身で拭かれ、1本目として牛ハラミ塩焼き(1本300円)が焼き台にのります。
(後編に続く)

串煮込み / ホッピー / キャベツ煮込みは注文を受けてから鍋に投入

自家製レバーペースト / ガーリックトースト / 煮玉子とキャベツ煮込み
・店情報
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(前編からの続き)
「日々雑感【美味しいもの大好き♪】」のたーぼーさんがおすすめの“本日の店主おすすめ串5本盛”(1,000円)を注文したところ、その1本目として出されたのは、牛ハラミ(1本300円)の塩焼きです。
小さなステーキのような牛ハラミ塩焼きに舌鼓を打ったところに出された2本目はレバー(1本200円)。味付けはネギ+醤油味です。中がきれいなレアに仕上がっているのがすばらしいですねぇ。3本目はモチ(1本200円)という、豚の喉の下あたりの肉をタレ+胡椒で。4本目はチレのアブラの部分(1本200円)。これはいったん煮込み鍋でさっと煮てから焼き上げられます。
「こうすることで余分な脂分が取れて、煮込み汁の旨みが加わります」と店主。
そして5本目は満を持して、たーぼーさんの大好物、テッポー(1本200円)のタレ+ガーリックバターです。なるほど、とろりとやわらかいテッポーのタレ焼きに、ガーリックバターのコクが加わって、これはうまいですねぇ!
このガーリックバターを使うというのも、「ささもと」にはない「ささや」のオリジナルで、店主が「埼玉屋」に食べに行って研究してきたそうです。
たーぼーさんおすすめのレバのしゃぶしゃぶ(1本300円)を追加注文すると、串刺しのレバ刺しを1本手に持って、そのまま煮込み鍋をさっとくぐらせたものを出してくれます。中はほとんどレバ刺しなんだけど、表面の冷たさがなくなって、レバの濃厚な味わいが楽しめます。
念のためレバ刺し(1本300円)もいただくと、こちらは刻みネギをたっぷりとのせて醤油味で。いやいや、冷たいのもおいしいや。刺身は、まるで寿司屋のネタのように、金属ケースに入れられて冷蔵庫の中で保存されています。
「とにかくはずれはないので、『店主からすすめられたものは腹が裂けても喰え!』というのがこの店の鉄則です。」
というたーぼーさんの言葉に従って、さらにおまかせで何本かを焼いてもらいます。
ミョウガ巻(1本200円)は、ミョウガを豚肉で巻いたものが1串に3個。最初に煮込み鍋で煮てから、味噌を塗って焼き上げます。女性に大人気というこの一品は、最初に煮ることによって、シャキシャキ感を保ちつつも適度なやわらかさになったミョウガと、香ばしく炙られた表面の味噌といい相性です。
コブクロのかたいところ(1本200円)は豚の膣の部分。串の先のほうに行くほど大きくなるように6切れほどが並び、醤油味でこれまた香ばしく仕上げられています。カリッとした焼き上がりは“センベイ”とも言われているんだそうです。
メニューにはないシロのしゃぶしゃぶ(1本300円)は、下ごしらえしていないシロのかたまりから、細くてやわらかそうな部分を探し出して切り分け、それを串に刺してしゃぶしゃぶにしてくれます。お皿にのせて、最後に塩をパラリと振りかけると、すばらしいシロの弾力感を堪能できる一品に仕上がります。
なるほど確かにはずれはありませんねぇ。店主・草野さんの仕事はとても丁寧(ていねい)で、仕事をしている様子そのものが酒の肴(さかな)になるほどです。
「銀座ささもと」や「新宿ささもと」は、ちょっと高いので、やや敬遠していたのですが、それでも人気があるというのは、やっぱり美味しいからだったんですね。ここ「ささや」のもつ煮込みやもつ焼きをいただいてみて、そんなことを思ったような次第です。

牛ハラミ(塩) / レバ(ネギ+醤油) / モチ(タレ+胡椒)

ミョウガ巻(味噌) / コブクロのかたいところ(醤油) / シロしゃぶしゃぶ
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