飲んで選んだ純米地酒 … 天ぷら「せき家(せきや)」(野方)

なんの予定もない土曜日。朝から自宅での~んびりと過ごし、午後も遅くなって、カミサンに「あら? おとうさん。今日はお家でごはんを食べるの?」と不思議そうに聞かれたところで、
「せっかくの土曜日だから、ちょっと出かけてくるよ」
と、なにが〔せっかく〕なんだかよく分からない返事をして家を出ます。
釣りやゴルフが趣味のおとうさんが、土曜日は朝早くからいないのが家族の習慣になっているのと同じような感じで、わが家では土曜日にはおとうさんが趣味の飲み歩きに出かけるのが家族の習慣になってしまったようです。ここまで定着してくると、いちいち言い訳をしながら出かけなくてすむのがありがたいところです。
とは言いつつも、特にどこへ行くというあてもありません。さてさてどっちに向かって歩きましょうねぇ。
わが家から北に向かうと西武新宿線・鷺ノ宮(さぎのみや)駅に、南に向かうとJR中央線・阿佐ヶ谷(あさがや)駅に、東に向かうと都立家政(とりつかせい)、野方(のがた)方面に、西に向かうと荻窪(おぎくぼ)方面に、それぞれ徒歩圏内で行くことができるのですが、少なくともどの方向に行くかは、玄関を出たこの段階で決める必要があるのです。
う~む。今日はのんびりと近場にしておきますか。野方あたりで、ここしばらく行けていないお店を再訪問してみることにしましょう。
向かったのは大衆天ぷらの店「せき家」。
午後7時前の店内には先客はおらず、厨房を取り囲むように設置された大きなL字カウンター(10人分ほど)の、ちょうど真ん中にあたる角付近に腰をおろし、瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶、500円)をもらって、最初の1杯をググゥ~ッと飲み干します。
あぁ~、うまいっ。
休みの日でも、最初にいただく1杯のビールは、やっぱりうまいですねぇ。シュワァ~ッと炭酸の喉ごしがいい。
ビールで喉を潤したところで、ねじり鉢巻で丸顔の店主に〔盛込天〕(もりこみてん、700円)を注文します。〔盛込天〕は、天ぷらの盛り合せのこと。エビ、イカ、キスの天ぷらと、季節の野菜天ぷら3種が出されます。
この店で、本当にお得なメニューなのは定食もの。例えば〔天ぷら定食〕は、今注文した〔盛込天〕と同じ6種の天ぷらに、ごはん、みそ汁、お新香が付いて800円と、その差はわずかに100円なのです。
さらにオススメなのは、この〔天ぷら定食〕に、小エビかき揚げ(単品だと350円)が付いた1,000円の〔上天ぷら定食〕。これをもらって〔盛込天〕と同じ部分でビールを飲み、最後に小エビかき揚げをごはんに載せて、かき揚げ天丼にして締めると、短時間のうちに飲んで、お腹を仕上げるところまで、すべて終了させることができるのです。
ゆっくりと飲みたいときには、単品の天ぷらが1品100~350円で25品ほど(100円が10品、150円が6品、200円が5品、250円が2品、350円が2品)そろっていて、それぞれ1個ずつから注文できるし、〔まぐろぶつぎり〕(500円)や、〔だし巻玉子〕(350円)、〔冷奴〕(300円)などの一品ものも用意されているのが呑ん兵衛にはうれしいところです。
この店は昭和34(1959)年2月4日に、今の店主のお父さんが「せきざわ食堂」という定食屋として開業。お父さんが80歳で引退したのをきっかけに、現在の店主夫妻が、業態を大衆天ぷらの店に、店名も「せき家」に変更し、平成12(2000)年5月23日からその営業をはじめたのだそうです。創業時から数えるとちょうど50周年。天ぷら屋になってからでも来年で10周年という、地元の人気店です。
ビールに続いて日本酒(400円)をもらうと、日本酒は「澤乃井 本地酒」という純米酒1銘柄のみと潔い。「自分で飲んでみて、これが美味しかったものですから」と笑いながら、受け皿つきのコップにあふれるまで注いでくれます。
この日本酒に合わせて〔お新香〕(300円)を注文すると、カブとキュウリ、菜漬がたっぷりと盛られます。天ぷら屋さんの漬物もうまいですよねぇ。
1時間ほど楽しんで、今日は1,900円でした。どうもごちそうさま。

「せき家」 / ビール / 盛込天(なす、いんげん、えび、いか)
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