たっぷりとペトリュス … レストラン・バー「赤坂グレース」(赤坂見附)

「このワインは〔ペトリュス〕の1980年物。〔ロマネコンティ〕がキングなら、このワインはクイーンかな」
と説明してくれるのは、故郷(いなか)から上京してきた、ワイン好きの旧友T。なるほど。たしかに、あまりワインのことを知らない私が飲んでも、『これはうまいっ!』と感じるワインですねぇ。
ちなみに〔ペトリュス〕はフランス・ボルドー地方の、〔ロマネコンティ〕はフランス・ブルゴーニュ地方のワインだそうです。
今日は、目白の最古のバー「なすび」を出たところで、旧友Tからピピピと電話が掛かってきて、「急に上京してきて、今、グレースで飲んでるんだけど、来ない?」というお誘い。
「それはそれは。平日ながら、まだ9時半だから、これから向かうね!」
というわけで、赤坂見附にあるレストラン・バー、「赤坂グレース」にやってきて、白ワインなどをしばらく飲んだあと、私が到着するよりもだいぶ前に抜栓して、デキャンタージュしてくれていた〔ペトリュス〕の登場とあいなったのでした。
旧友Tとは小学校5年頃からの付き合いなので、もう40年ほど一緒に遊んでいることになります。しかしながら、一緒の学校になったのは中学校のときだけで、それ以外は学校さえ違うのだからおもしろいもんですよねぇ。
Tは仕事がら、長い休みを取ることはできず、通常は日曜・祝日だけがお休み。その休みの日でも、携帯電話で呼び出されることが多いんだそうで、おちおち休んでもいられない。またそうやって休みが取りにくいことから、海外に出かけることもできない状態なのです。
そんなTの唯一の楽しみが、ちょっとした隙(ひま)を見つけては、プイと上京してきて、美味いものを飲んで食べること。今日も仕事が終わってから、夕方の飛行機で飛んできたんだそうで、「明日、朝一番の飛行機で帰らないといけないから」と、今夜だけの、とてもあわただしい上京です。
とにかく美食家のTなので、貴重な上京の時間を失敗したくないらしく、行く店もほぼ固定されています。
基軸は、ここ「赤坂グレース」と、四ツ谷にあるフレンチの「北島亭」で、この2軒は、20代初期の頃から、もう30年近い付き合いです。ここまで通いつめると、お店の人たちともまるで親戚付き合いのような感じ。
そして、ここ「赤坂グレース」の店主・久保村さんが「ホテルオークラ東京」のご出身であることから、彼の東京での定宿も「ホテルオークラ東京」となり、同じホテル内にある、バーの「ハイランダー」や、寿司の「久兵衛」、中華の「桃花林」なども、彼の行きつけになりました。
その他によく行ってる店で、私も知ってる(行ったことがある)のは、鰻の「尾花」(南千住)に、天ぷらの「いわ井」(銀座)あたりでしょうか。
他の店には浮気はせず、これら行きつけの店に通い続けます。
いずれも超一級の店ばかりですが、Tは一級店だから行くわけではなくて、そこが美味しいから行く。それが彼の唯一の趣味なので、ある意味、値段は関係ないわけです。
で、まずかったときには「今日のは不味い」と、お店の人にもはっきりと言うのが、これまたおもしろいんですねぇ。(残念ながら、私にはその違いがあまりわかりませんが…。)
そんなわけで、今日は美味しいワインを飲みに、ここ「赤坂グレース」にやってきたんですね。
「赤坂グレース」もお勘定的には決して安くはなくて、スイスイッと飲み食いすると、すぐにひとり何万円にもなるようなお店です。しかしながら、Tのようなワインファンも含めて、洋酒の徹底的なファンの方から言わせると、「他の店には置いてないようなレア物の洋酒が、この店では販売価格に近いか、あるいはそれより安い値段で飲むことができる」のがいいんだそうです。
安く出せる理由は、販売された直後のワインや洋酒を仕入れてきて、それを自分で保存しているから。そのために店の近くに何箇所かの、洋酒の保存専用の部屋を借りているほどなのです。
チーズやハムをつまみながら、たっぷりと〔ペトリュス〕をいただいたあとは、いつものように、ブランデーにミントが効いたカクテル〔スティンガー〕や、アイラ・モルトの〔アードベッグ〕(初期の白いラベルのもの)でビシッと締めて終了です。
やぁ、おいしかった。どうもごちそうさま。明日の飛行機、乗り遅れないようにね。
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