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きざみ穴子でもう1杯 … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪)

きざみ穴子


 明日の都内での仕事に備えて、横浜での仕事を終えて荻窪駅に帰ってきたのは午後8時半。ちょっと1杯、「やき屋」で飲んで帰りましょう。

 この時間でも、「やき屋」の右手メイン立ち飲みカウンターはお客さんでいっぱい。左手の壁に作り付けのサブカウンターは、ゆったりと男性二人が使っている状態なので、そちらに入れてもらおうかと、その二人の奥側にじわりと立ちますが、ずれてくれる気配は全くなし。逆にカウンター上に置いているホッピーのグラスをグイッと数センチ、こちらにずらして、口には出さないものの「ここはオレの場所だぞ」ということを態度で示してきます。

 こんな状態で、無理やりこの場所で飲んだとしても、いいことは無さそうなので、すぐに方針を変換して振り返り、ずらりと並んだメインカウンターの人たちの間に「すみません」と、ちょっと斜めの体勢(右肩側だけカウンターに面した状態)で入れてもらいます。

 立ち飲みの本場、大阪では、混んでくると“ダーク”といって、ダークダックスがコーラスをするときのように、斜めの体勢で場所を譲り合う、なんてことが立ち飲みの本に書かれたりしていますが、東京の立ち飲み屋では、あまりこのような場面は見たことがありません。自分の知り合いが来たとき以外は、しっかりと正面に向かって両肩を入れて立ち、自分の陣地(?)を確保している人が多いように思います。

 ここのサブカウンターも、つめて入ると4人くらい立てるのですが、それを2人でゆったりと幅を取って使っているのが今の状態。会話の内容から判断すると、かなりの常連さんのようなんだけどなあ。なんだかとっても感じ悪くて残念です。「人の振り見て我が振り直せ」。自分も気をつけなくっちゃね。

 メインカウンター側に立つと、ちょうど目の前に、店長のゲンさんです。

「ホッピー(320円)とゲソ揚げ(170円)。あと、イカしょうが棒(200円)をお願いします」

 と注文します。つまみの中でも、ゲソ揚げや、珍味わた和え(170円)などは、カウンター上の大皿から取り分けてくれるので、すぐに出てくるのです。

 イカしょうが棒も、同じくカウンター上の大皿に並んでいますが、こちらは注文を受けてからその大皿から1本が焼き台に移され、じっくりと炙ってから出してくれます。ウナギの肝串(170円)もそうです。

 メインカウンターのお客さんたちは、ちょっとずつ、ちょっとずつ、横へ横へとずれてくれて、ホッピーとゲソ揚げがスタンバイされる頃までには、私も正面に向いてきっちりと立てる状態になりました。

 ナカ(ホッピーの焼酎のおかわり、160円)をもらって、次なるつまみとして、きざみ穴子(170円)を注文すると、すでに刻んだ状態で冷蔵庫に保存されている穴子が小鉢に盛られ、その横に、注文を受けてから刻んだキュウリが添えられます。最後にトロリとしたタレを回しかけたらできあがり。

 この店のいいところは、ほぼ170円均一(イカしょうが棒とシメサバの2品だけ、ちょっと高い)のつまみながら、注文を受けてからキュウリを刻んだり、注文を受けてからイカ刺しの刺身を引いたりと、その場で調理をしてくれるところにあると思います。

 すでに準備された状態で、ずらりとケースに並んでいるものを「はい」と出してくれるのとは違って、イカの刺身に鮮度を感じ、刻んだキュウリにシャキシャキ感を感じるのです。

 ホッピー2杯と、つまみ3品で40分ほどの立ち飲みは1,020円でした。どうもごちそうさま。

 「やき屋」を左に出て、突き当たりのJR中央線脇の道路沿いで、新しい「鳥もと」の営業がはじまっています。

090716a 090716b 090716c
ゲソ揚げとホッピー / イカしょうが棒 / 新しい「鳥もと」

店情報前回

《平成21(2009)年7月16日(木)の記録》

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コメント

何故か東京では半身になって飲みませんね。
「ちょっとダークにする」でははやらないか?
残念ながら新しい鳥もと、写真とっただけで挨拶にいけてません。次回は9/21に小石さんのキッチンスタジオで油麩丼を中心にしたB級グルメパーティがあるのでそれが終わってから、居酒屋行脚再開予定。

投稿: ebisu | 2009.09.13 10:14

私自身は、自分の生活圏から離れた場所(=他人の生活圏)にある飲み屋にわざわざ電車に乗って興味本位で訪ねて、ローカルなお店の雰囲気を乱すようなことをしないように日々心がけているものです。

酒場で料理や店内の写真を撮ることも嫌いで、絶対にやりません。
したがって、実はあまりこちらの記事を快く思っていない人間の一人なのですが、飲み方のマナーについてはまことに共感できました。

不景気も手伝ってか、都内にも立ち飲み屋や、安い居酒屋が増えていますね。
老舗の居酒屋にも、そういった店の客層が流入してきているようで、不快な思いをすることが増えているように思います。

この記事を見て、せめて場の空気を読むことの大事さを知った上で古い酒場に来てもらいたいものだなと感じました。

 つい先日のことですが、大井町の「肉のまえかわ」に、デジタルムービーカメラを構えた若者数名が、ズカズカ入ってきて、無断で動画を撮影し、更に別のデジカメに持ち替えて、店内の写真をとり始めたときには、腹が立ちました。
もちろん、すべてこちらの記事のせいだというわけではないことは承知しておりますが、そういった風潮の一端を負われている自覚を、こちらを含めた同種のサイト、BLOGの主催者の方々に持っていただきたいなあ、と考えるものです。

投稿: ユロ | 2009.09.14 18:31

今日は。川口です。ホッピーの会以来ですね。先日、新橋駅前ビルの地下の立ち飲み屋に行きました。ちょっと姿勢を変えたら隙を突かれて隣の人がカウンターに平行になりました。しょうがないので私は90度で飲みました。どうやら立ち飲み初めてらしい人のようでした。
また、この立ち飲み屋は飲み干したらすぐに「お代わりは」と言われるのでせわしないです。でも通路挟んだ所に「吟」という日本酒が安く、品揃えの良い立ち飲み屋が在ります。今度、是非、お誘いします。

投稿: 川口 哲司 | 2009.10.04 10:48

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» 今年も冬がやってきた … 立ち飲み「やき屋(やきや)」(荻窪) [居酒屋礼賛]
 昨年(2009年)末から、公私の特に“私”の面でなにかとバタバタしていて、ブログの更新も遅れ気味。今日、これからご紹介する「やき屋」の様子は、今から4ヶ月前の去年の11月。晩秋となり、これから本格的な冬へと向かうころのお話です。  その日、店に到着したのは午後10時。いつも満員の「やき屋」ながら、この時間帯であれば比較的ゆっくりと入れます。  今日はメインカウンターの中央あたりに陣取って、ウイス... [続きを読む]

受信: 2010.03.08 23:35

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