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2010年4月

〔コラム〕 大型連休で帰京 … 野毛~中野・鷺ノ宮

都橋商店街(野毛)


 大型連休に突入です。4月28日(水)の今日は横浜に出張。仕事を終えて、まずまっ先に向かったのは、野毛の「武蔵屋」です。この酒場だけは、首都圏のみならず、他の地域を含めてもなかなか見当たらない酒場なんですよねぇ。

 酒場としては昭和21年創業。飲み物は日本酒(櫻正宗)と瓶ビール(キリン)のみ。つまみも何十年来、毎日変わらぬ玉ネギ酢漬け、おから、タラ豆腐、納豆、お新香の5品のみ、しかもカウンター上にもテーブル上にも調味料等は一切なしという、非常にストイックな酒場なのです。

 どうですか。このつまみ。タラ豆腐のタラ以外は、動物性のものはありません。こういう肴(さかな)をつまみに飲む日本酒が一番うまいんだと言わんばかりの料理だし、実際、ここで飲んでると、これ以外の肴は必要ないと思ってしまうほどなんですよねぇ。

 日本酒を3杯と5品の肴をいただいて、お勘定は2,200円。

 「武蔵屋」のおばちゃんに、「なるべく真っすぐにね」と見送ってもらったのに、野毛本通りを“真っすぐに”進んで、たどり着いたのは大岡川沿いに弧を描く都橋商店街。向かうは2階の「ホッピー仙人」です。

 「こんばんはぁ~」と店に入ると、「おかえりなさぁ~い」と迎えてくれる仙人や常連のみなさん。ほぼ1ヶ月のご無沙汰です。先月、呉に赴任する直前にここにやって来て、みなさんに寄せ書きをしていただいたのでした。

 今日はサーバー(生ホッピー)も瓶も、それぞれ白・黒がすべてそろっている(それぞれ1杯が500円)とのこと。さっそく黒生ホッピーからスタートし、つまみには黒ホッピーにぴったりの燻製玉子(100円)をもらいます。

 2杯目は白生ホッピー。「この店には初めてやってきた」という、お隣の二人連れとお話しをしていると、そのうちのお一人が「mesizo」ブログのmesinosukeさんであることが判明。なんとなんと。寄り道さんや、ここっとさんと飲んでいるとよく話題に上っていたこともあって、私自身もブログはよく拝見していたのですが、実際にお会いするのは初めてです。やぁ、こんな偶然があるんですね。これからもよろしくお願いします。

 「ホッピー仙人」のお勘定は燻製玉子分も合わせて1,100円。

 みんなに「行ってらっしゃ~い」と見送られながら「ホッピー仙人」を出て、JR桜木町駅へと向かいますが、「福田フライ」の前を通りかかると、ちょうど入口付近が空いている。これはちょっと寄って帰らねばなりますまい。

 おばちゃんの前(=フライヤーの前)に立って酎ハイ(400円)をもらい、フライはアジ(150円)、アサリ(140円)、そしてポテト(90円)を揚げてもらいます。

 味付けは普通のソース(ウスターソース)。この店では、ニンニクと唐辛子がよく効いた「辛いソース」が名物であり、人気のあるソースです。私もこの「辛いソース」は大好きなのですが、ニンニクが効き過ぎるくらい効いているので、ニンニク臭がしばらく残ってしまうのが玉に瑕(きず)。翌日も仕事がある場合は、辛いソースを泣く泣くやめて、普通のソースにしていたところ、普通のソース+練りガラシでいただくフライもこれまた美味しいことを発見したのでした。

 30分ほど立ち飲んで、「福田フライ」のお勘定は780円。

 桜木町駅から電車に乗って、湘南新宿ライン、中央線と乗り継いで着いたのは中野駅。向かうのはもつ焼きの「石松」です。もつ焼きも1ヶ月ぶりですねえ。

「すべてに乗る(便乗注文する)ので、これから焼くものは私にも1本ずつお願いします」

 というお任せ注文をして、お通しの豚耳をつつきながら待つことしばし。ナンコツ塩(100円)、レバー若焼き塩(100円)、カシラ塩(100円)、ガツ醤油(100円)、ミノ醤油(150円)という順に1本また1本と出してくれます。っかぁ~っ。どれもうまいなあ。さすが「石松」のもつ焼きだ。

 店内ではF本さんや、「秋元屋」の冷蔵庫前担当のYちゃんとも合流して歓談しながら、日付が変わるころまで滞在。お勘定はちょうど1,000円。

 トコトコと西武新宿線・沼袋(ぬまぶくろ)駅まで出て鷺ノ宮(さぎのみや)へ。今宵最後の1軒は、日付が変わったこの時間帯でも、いやこの時間帯だからこそ地元の常連さんたちで満席模様の「満月」です。左側カウンターの一番端っこに補助椅子を出してもらって、かろうじて着席。飲み物は焼酎のトマト割り(300円)をもらい、大皿料理からはオカラ(300円)をもらいます。

 右側の空間に陣取っているのは「ペルル」から流れてきたみなさんたち。「ペルル」は午後11時半にピシャリと閉店になるので、その後は、ここ「満月」に流れてきて飲むことが多いのです。私も今日は「ペルル」の営業時間に間に合いませんでしたが、ここ「満月」で「ペルル」から来たみなさんにもお会いすることができて、一度に2軒の店に行ったような気分です。

 しかしながら、今日はすっごく早起きをして呉から移動してきたので、もう眠くて眠くて。トマト割り1杯だけで切り上げて(お勘定は600円)、長い長い1日が終わったのでした。

 横浜で3軒、東京で2軒、都合5軒の酒場をハシゴして、今日のお勘定のトータルは5,680円(1軒あたり1,136円)でした。どうもごちそうさま。

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「武蔵屋」 / 「ホッピー仙人」 / 「福田フライ」

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「石松」の豚耳 / ナンコツ / レバー若焼

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カシラ / ガツ醤油 / ミノ醤油

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「満月」 / おからとトマト割り / 大皿料理

・「武蔵屋」(前回)/「ホッピー仙人」(前回)/「福田フライ」(前回)/「石松」(09.07.04)/「「満月」(前回

《平成22(2010)年4月28日(水)の記録》

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朝から昼から飲める店 … 大衆食堂「くわだ食堂(くわだしょくどう)」(呉)

さば塩焼き、ポテトサラダにコップ酒


 呉に来て3週間。まだ「あわもり」に匹敵する大衆酒場を見つけられずにいます。みんなでワイワイと飲むのに適した『とりや』と総称される居酒屋はあるのですが、仕事帰りにひとりでふらりと立ち寄れるような大衆酒場を見つけることができないんですよねえ。この町の呑ん兵衛さんたちは、みんな、どこで飲んでるんだろう?

 会社の同僚にもその質問を投げかけてみたところ、

森田食堂や、くわた食堂、バス食堂などの食堂で晩酌しながら夕食をとってる人も多いみたいだよ」

 という返事。そう言えば、先日「森田食堂」に行ったときも、私も含めてみんなお酒も飲んでましたねえ。そんなわけで、今日は2軒目の「くわだ食堂」に来てみました。

 おぉ。「森田食堂」がカウンター+テーブル2卓と、比較的小ぢんまりとした造りだったのに対して、こちら「くわだ食堂」は、教室のように広い店内に大小テーブル席が並んでいて広い。

 さっそく壁際の4人がけテーブルのひとつに荷物(デイパック)を置いて、「いらっしゃいませ」と声をかけてくれるおにいさんに燗酒(300円)を注文しておいて、私自身はおかずがずらりと並んだ陳列棚へと向かいます。

 「森田食堂」と同様に、この店も、陳列棚に並んだおかずから好きなものを取ってきて、それに加えて、飲み物やごはんなどをもらって、飲んだり、食事をしたりする、昔ながらの典型的な大衆食堂なのです。

 30種類以上そろっているおかずは、それぞれ80円から400円くらいで、最多価格帯は200円、250円くらいのところかな。サバやサンマの焼き魚などが250円。きんぴらごぼうや、きゅうりの酢の物、出し巻き玉子などが200円です。

 そんな中から、サバの塩焼き(250円)とポテトサラダ(150円)の皿を取ると、すぐ後ろに来てくれていたおにいさんが、「サバは温めましょうか」とサバ塩焼きをお皿ごと受け取ってくれて、電子レンジで温めてくれます。

 ここの燗酒は、受け皿なしのコップで出されるタイプ。残念ながら銘柄はわかりませんでしたが、呉は酒造会社も何軒かある土地柄だけあって、まずい日本酒を出す店はあまりないのです。ここのお酒も、普通にうまい。

 こうやって晩酌モードで飲むときは「普通にうまい」ということが非常に重要だと思います。吟醸酒のように香りも高く、華やかなお酒は、料理に合わせにくいことも多いのです。

 1合のお酒を飲み終えたところで、ごはんの中(ちゅう、160円)と、アサリの貝汁(180円)をもらいます。

 ごはんの中(ちゅう)は、大きな丼にたっぷりと1膳。きっと大(だい、200円)だと、この丼に山盛りなんだろうなあ。私自身は、ごはんをモリモリと食べるタイプではないので、小(しょう、140円)サイズでもよかったかも。ただ、ここのごはんは、きっちりとごはんだけで、小皿のお新香などは付きません。

 普通の味噌汁なら100円のところ、奮発してアサリの貝汁にしてみたのですが、これがうまいっ。粒(貝の身)はそれほど大きくないものの、旨みがギュッと詰まっている感じです。

 小一時間の晩酌付き夕食タイム。お勘定は1,040円でした。

 この店の営業時間は、朝の6時半から夜8時までで、中休みはありません。つまり、朝酒、昼酒もいけるってことですね!

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「くわだ食堂」 / 店内の様子 / めし中と貝汁

店情報

《平成22(2010)年4月24日(土)の記録》

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店情報: 大衆食堂「くわだ食堂(くわだしょくどう)」(呉)

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  • 店名: お食事の店「くわだ」(桑田食堂)
  • 電話: 0823-21-3362
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央2-1-27
  • 営業: 06:00-20:00、日祝休
  • 場所: JR呉駅を正面に出て、バスロータリーの向こう側、呉駅公園前の大きな信号交差点を渡って、大きな通り(今西通り)を、次の信号交差点(呉郵便局前)まで約50mほど直進し、そこを右折した先、数軒先、左手。呉郵便局前バス停のところ。呉ステーションホテルの向かい側。
  • メモ: 陳列棚から好きなおかずを取って食べる、昔ながらの大衆食堂。ずらりと並ぶおかずは約35種類で、各80~400円。オムレツ250、煮しめ250、ポテトサラダ150、納豆150、きんぴらごぼう200、サンマの塩焼き250、さばの塩焼き250、野菜の天ぷら200、きゅうりの酢物200、高野豆腐と切干大根の煮物150、カレー200、ひじきの煮物150、肉じゃが200、さばの煮つけ250、トンカツ300、冷やっこ150、揚げ出し豆腐150、だしまき玉子200、各種お刺身350から、青菜の白あえ200、温泉卵入りすきやき250、あさりの貝汁(夏)180、酒粕入りの豚汁(冬)290、みそ汁100、めし大200・中160・小140、味付のり100、梅干・らっきょう・生卵各80、親子丼550、他人丼550、牛丼550、玉子丼500、焼めし500、チキンライス500、焼うどん400、うどん300、きつねうどん400、玉子うどん400、肉うどん500、鍋焼うどん600、冷やしそうめん490、冷やしうどん380、びんビール大550・小360、生ビール中500・小360、酒300、麦焼酎300、酎ハイ(レモン・ライム)300、ジュース・コーラ・牛乳・コーヒー牛乳各100など。(2012年12月調べ)

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店主渾身のハイボール … バー「露口(つゆぐち)」(松山)

店主渾身のハイボール


 呉からだと、わが故郷、北条(現在は愛媛県松山市)も瀬戸内海をはさんだちょうど真向かい。フェリーで2時間ほど、高速艇だとその半分の1時間ほどと、とても近いのです。

 ただし! 一般的に港は(空港も含めて)とても不便なところにあるケースが多い。松山港も、松山の中心地からは電車、バスで30分ほど離れたところにポツンと存在しています。

 港と町が近いところは、昔から『天然の良港』と言われている場所ばかりです。呉や、横浜、神戸、長崎などがそうです。『天然の良港』は、海がいきなりズドンと深くないとダメなのです。そうなるためには、背後の山が海辺までせまっていなければなりません。だから『天然の良港』と言われる町は坂が多いんですね。

 呉での仕事を終えて、金曜日の今日は故郷(いなか)に里帰り。呉の港まではすぐに出て、フェリーとの接続もよく、午後8時前には松山港に到着です。しかしながら、ここからが接続がよくない。JR松山駅まで出ても、この時間帯、予讃(よさん)線が1時間に1本程度しか走っておらず、どうしても小一時間待たないといけないのです。

 どうせ待つなら、駅でぼんやりと待つのではなくて、ちょいと1軒寄って帰りましょう。

 そんな思いで、松山駅前で連絡バス(終着のバス停は道後温泉)を降りるのは止め、そのまま大街道(おおかいどう)まで乗っていきます。このバス停を降りると、すぐ近くに昭和33(1958)年創業の老舗バー「露口」があるのです。

 金曜日の夜だけど、どうかな? ちょっと心配しつつ、入り口の扉を開けます。

「こんばんは」

 あぁ、よかった。直線のカウンター席のみ13席の店内の、手前側半分ほどにお客さんがいるだけで、奥半分は空いています。「露口」がこんなに空いているのは珍しい。きっとこれは、たまたまだろうから、グループが入ってきてもいいように、一番奥の席に座ることにしました。(実際、この後すぐに続々とお客さんが入ってきて、あっという間に新しいお客さんをお断りしないといけない状態になってしまいました。)

「あらあ? 浜田さんよねえ? そんな格好をしとるけん、わからんかったわ」

 と言いながらお絞りを出してくれる朝子ママ。この店は店主・露口貴雄さんと、その奥様の朝子ママの二人で切り盛りしているのです。

 ちなみに今日の私の格好は、仕事先から直接こちらにやって来たのでスーツ姿。いつも、帰省のついでに普段着で来てるので、仕事の格好でやってきたのは今日が初めてなのです。

「店に入ってこられたときに、浜田さんに似とるが違う人じゃろうか、と話してたんですよ」

 と笑顔を見せてくれるマスターに、この店の自慢の一品、ハイボールを注文します。

 この店には冷蔵庫はありません。だからあらかじめ冷やしておかなければならない、ビールなどの飲み物もない。氷屋さんから届いた氷だけで、ハイボールを始めとする昔ながらのカクテルを、昔ながらの作り方で出してくれるのです。

 ハイボールは、ウイスキーを炭酸で割っただけの、一見、簡単に思えるカクテルですが、実は簡単そうに見えるものほど奥が深い。ここ「露口」のハイボールや、銀座「ロックフィッシュ」のハイボールの味をコンスタントに出すことはできません。

 満席状態のなか、2杯目のハイボールをもらい、お通しで出される定番のポップコーンをつまみながらチビリチビリ。呉に来たら、ここ「露口」も近くなりましたねえ。

 となりの男女二人連れが席を立ったところに入ってきたのはサラリーマン3人組。私も立てば、ちょうど3人と入れ替われるので、今日はここまでといたしますか。

 ハイボール2杯をいただいて、今宵のお勘定は1,500円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成22(2010)年4月16日(金)の記録》

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平貝の網焼きで高清水 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

たいら貝あみ焼き


 祐天寺(ゆうてんじ)の「ばん」を出て地元へ。今日の2軒目は西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅のすぐ近くにある、魚料理と天ぷらの「竹よし」です。

 ここ「竹よし」は何といっても日本酒と魚。そのどちらもが安価に楽しめるので魚好きにはたまりません。

 ホワイトボードに書き出されるメニューは、その日の仕入れ次第。今日の刺身は生黒マグロの脳の身(1,000円)に、日本海の活サバ(700円)、生イカ(500円)、イワシ(500円)、イナダ(500円)、そしてタラ白子(650円)とタイラ貝(700円)が加わっています。人気の刺身盛り合せ(1,000円)は5点盛りで、ボリュームもたっぷりです。

 タイラ貝が美味しそうですねえ。今日は刺身じゃなくて網焼き(あみやき、700円)でいただいてみましょう。

 飲み物は「高清水」の冷酒(300mlボトル、600円)をもらいます。刺身だと燗酒がいいのですが、熱々の焼き貝にはビシッと冷えた冷酒ですね!

 待つことしばし。出てきたタイラ貝は、大きな貝柱の部分を高さ方向に4等分くらいにスライスし、厚さ5ミリほどのステーキ状に焼かれたもの。脇にはヒモの部分を焼いたものも添えられています。

 ど~れどれ。うん。このしゃっきりとした弾力感がタイラ貝ならではですねえ。パッと見、ホタテの貝柱とも似ているのですが、ホタテのほうが甘みがあってやわらかく、タイラ貝のほうが濃厚な味わいで身がさっくりとしています。

 そのタイラ貝の柱を、チビッとかじっては冷酒をクイッ。世の中にこんな相性があろうかと思うくらい、よく合いますねえ! 冷酒のおかわりをお願いします。

梨田わさび タイラ貝を食べ終わり、次のつまみとしてもらったのは梨田わさび(400円)。チーズにたっぷりの卸しワサビと、削り節が添えられます。このチーズをちょっと箸(はし)で取り、ワサビと削り節をのせ、醤油をつけていただくと、これまたお酒が進んでしょうがない一品になるのです。

 梨田わさびという名前は、北海道日本ハムファイターズの梨田監督から来ています。北海道ではイカ刺しなどの薬味に山わさび(ホースラディッシュ)をよく使うんだそうで、梨田監督も、北海道に行ってから、この山わさびのファンになったんだそうです。その梨田監督がテレビか何かで紹介していたという食べ方を、ここ「竹よし」では本わさびで再現しているのでした。

 午後11時過ぎまで、3時間ほど楽しんで、今日のお勘定は3,050円でした。あぁ、よく飲んだ。

店情報前回

《平成21(2009)年11月21日(土)の記録》

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レバカツも人気の一品 … もつ焼き「ばん」(祐天寺)

レバカツ


 先日、会社帰りにチラリと立ち寄った祐天寺の「ばん」。ぜひゆっくりと味わってみようと、土曜日の今日、再訪です。

 店に着いたのは午後4時半。この店は午後4時オープンなので、まだ開店30分後。この時間なら大丈夫かなと思いきや、店はすでにほぼ満席です。

 二つある入口の、(駅から歩いていって)奥側の入口から入り、かろうじて空いていた左手壁際に作り付けのサブカウンターに座り、今日もレモンサワーからスタートです。

 前にも書いたとおり、この店のレモン(100円)と、サワー(300円)に付いてくる炭酸水は2杯分あるので、これにナカ(焼酎のおかわり、250円)を足した合計650円が、サワー2杯分の値段(税別)と思っていいようです。つまり1杯分が325円(税込みで341円)という計算です。

 お通し代わり(無料)のお新香(大根、キュウリ、ニンジン)盛り合せも出されます。

 料理の1品目は今日もトンビ(豚尾)豆腐1本(350円)。そして売り切れてしまわないうちに、3種類のカシラ(赤身、フランス、アブラ)を1本ずつ(各100円)を塩焼きで注文します。

 はじめて食べるフランスは、赤身と白身が半々になってフランス国旗(青・白・赤)の右側のようなものを想像していたのですが、実はマグロの中トロと同じように、ちょっと脂っぽい赤身といった感じです。

 続いては、「ばん」のもうひとつの名物、レバカツ(1串130円)です。レバカツは薄く延ばした四角い豚レバーの1辺の近くに、その辺と平行に串をうち、衣を付けてカツにしたもの。熱々のレバーに、仕上げにとっぷりと浸けられるウスターソースの味と香りがよく合って、人気があるのも納得です。

 ここ「ばん」は、看板にも「もつやき」と書かれているとおり、もつ焼きが主体のお店ながら、ずらりと並んだメニューには魚介類あり、野菜類ありと、とても多彩です。

 たとえば今日の魚介類メニューは、まぐろブツ(380円)、しめさば(380円)、たこぶつ(380円)、新さんま(280円)、ししゃも(280円)、さんま開き(280円)、鯵ひらき(300円)、メザシ(250円)、カキフライ(350円)などなど。そして野菜ものは納豆(150円)、オニオンスライス(150円)、おしたし(200円)、エシャレット(250円)、枝豆(250円)、冷トマト(250円)などなどと、これまた安くて幅広いのです。

 そんな中から、里芋煮ころがし(280円)を注文すると、小皿に盛られて出てきたのは、コロコロと丸い里芋が3~4個に、これまたまん丸いコンニャクがコロコロと6~7個。やぁ、これはいい肴(さかな)になりますねえ。

 1回目のセットと中(なか)を飲み干して、レモンサワーも2巡目(杯数で言うと3杯目)に突入です。

 つまみには納豆(150円)をもらうと、刻みネギと削り節が、下の納豆が見えないくらいたっぷりとトッピングされています。レモンサワーの中もおかわりし、これで4杯目。もつ焼きや、名物のトンビ豆腐、レバカツだけでなく、どの料理も安くておいしいですねえ。

 ゆっくりと2時間強の滞在は2,740円(2,610円+税)でした。満足、満足。

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お新香とレモンサワー / トンビ豆腐 / アブラ、フランス、赤身

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里芋煮ころがし / 納豆 / グリグリと混ぜて

店情報前回

《平成21(2009)年11月21日(土)の記録》

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ゆったりとゆっくりと … 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(呉)

居酒屋「どん底」


 呉駅前にある老舗大衆食堂、「森田食堂」のことをご紹介いただいたrum mentholさんから、併せてご紹介をしていただいていたのが、呉市本通2丁目にあるスタンドバー「どん底」です。

『呉に「どん底」ありという歴史ある名店ですね。亡くなったマスターの粋が感じられるお店です。今はママさん一人でやってますが体調がすぐれず、お店の存亡が心配されています。ママさんは戦中戦後の動乱の呉を知る生き字引です(「仁義なき戦い」の舞台でもあったようです)。お店を閉める前に是非お立ち寄りください。』

 このコメントをいただいたのが、昨年(2009年)9月のこと。それから半年たった今日、はじめてその「どん底」にやってきました。

 生垣(いけがき)に囲まれた店は、店頭に「居酒屋 どん底」と書かれた灯籠(とうろう)看板があり、その奥にいかにも重厚な木製の扉。店舗になっている1階部分には窓はなく、大きな店なんだけどいかにも隠れ家風で、見るからに敷居が高い雰囲気をかもし出しています。

 その扉をヨイショと引くと、目の前には半畳分ほどの閉空間があって、左側と正面は壁で仕切られていて店内は見えない仕組み。開いている右側に店内へと下りる数段の階段があり、その階段に踏み込んだところでカウンターの中にいる女将さんから、「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」という声がかかり、広いカウンター席の中央部を指し示してくれます。

 土曜日、午後8時半の店内には先客は男性ひとり客が一人いるのみ。

 店内は大きな大きなL字カウンターと、入口から見て右側の空間にテーブル席があり、大きな店内なのに全体で30席ほどのキャパシティ。天井もグンと高く、全体として、30席規模のバーをそのまま縦・横・高さ方向のすべてに1.5倍程度にスケールアップしたようなイメージで、ものすごく空間的なゆとりを感じます。

 そのカウンターは巨木の1枚板なのですが、板とはいえないほどの厚みがあり、奥行きも軽く1メートル以上。

「これはすごい」

 出されたおしぼりを受け取りながら思わずそうつぶやいてしまうと、女将が、

「樹齢400年の楓(かえで)の木なんですよ。主人(故人)がこだわってね。今じゃ、探してもないかもしれないですね」

 と笑顔で教えてくれます。この穏やかな表情の女将は、昭和4(1929)年生まれの81歳。ご主人が60代で亡くなった後、ひとりでこの店を切り盛りしてこられたんだそうです。

「なんになさいますか?」

 店の壁にはおでん類など、料理の品書きはありますが、値段は書かれておらず、飲み物については品書きはありません。バックバーの大きな棚には、各種のお酒がずらりと並び、『お好きなものを何でもどうぞ』という構えです。

「竹鶴(ニッカウイスキー)12年を、ソーダ割りでお願いします」

「はいはい」

 と言いながら、バックバーから竹鶴12年を取り出してくれると、なんと新品・未開封のボトルです。

「申し訳ありませんが、これ、開けてくださる? ちょっと難しくて…」

 とそのボトルを大きなカウンターの向こうから渡してくれる女将さん。「いいですよ」と受け取って、透明なビニールの封印をはずし、キャップを開けます。この透明なビニール封印の境目がわかりにくいんですね。「はい、開きましたよ」と女将に返すと、静かに竹鶴ハイボールを作ってくれます。

 どれどれ。あぁ、やわらかいできあがりで美味しい。

 この女将さんにシェイカーで作ってもらうカクテルもおいしいかもね。シャカシャカと元気よく作ってくれるカクテルもさることながら、女性バーテンダーがやさしく作ってくれるカクテルもまた味わい深くていいのです。横浜・野毛の「日の出理容院」がそうだし、今はなき「バラ荘」もそうでした。

 お通しとして出してくれたのは、小鉢にたっぷりと盛られたホウレン草のおひたしです。ふりかけられた炒りゴマが芳ばしくていいですねえ。

 この店は昭和28(1953)年の創業。今年中に創業57年を迎えます。現在の建物は昭和45(1970)年に建てたものなのだそうで、2階がご自宅になっています。

「これだけゆったりと空間を取ると、1階といっても、普通の2階分の高さがあるから、2階との間を行き来すると、3階まで上り下りするのと同じ感じになるんですよ。この年になると、それがこたえて、こたえて」

 rum mentholさんが書かれていたとおり、女将さんは腰の具合がちょっとお悪いんだそうで、階段の上り下りや長い立ち仕事はつらいんだそうです。

「それにしても、このゆったり感はすばらしいですね。向こうの本棚には立派な本がずらりと並んでいるし」

「いい本があると、すぐに主人が買ってきてたんですよ。何万円もするような本もあるんですよ。けっして金銭的にゆとりがあるわけじゃないのに、そういうところにはお金を惜しまない人でした」

 ご主人と女将さんの新婚旅行の行き先は東京だったんだそうです。「一流のものを食べないといけない」というご主人のこだわりで、帝国ホテルに泊まって、都内で一流と言われている店々で立派なディナーを食べ歩くような新婚旅行でした。ところが、帰り道は予算が不足してきて、帰りの食堂車では二人でオムライスを1個を分けあって食べるような状況になってしまうほどだったんだそうです。

「若いころだから、そんな量じゃぜんぜん足りなくてねえ。ひもじい思いをしながら呉まで戻ってきたんですよ。呉駅からここまで帰ってくるのも、車にも乗れず、歩いて帰ってきたんですよ。それでも一流のものを食べたかったのねえ。主人は何かにつけてそんな人でした」と笑って語ってくれます。

 そのご主人は、呉のスタンドバー協会の立ち上げにも関わったんだそうです。このあたりにはスタンドバーという、一般的に言うバーとスナックとの中間のような営業形態の店が多く、これが呉や広島の特徴的な酒場の姿になっているのです。

 ご主人は決して女嫌いではなく、ご自身もよくもてていたらしいのですが、女性とイチャイチャしながらお酒を飲んだりすることは「行儀が悪い」といって嫌い、スタンドバー協会を立ち上げたときにも、『スタンドバーでは女性はお酌をする程度まで』ということを明記したんだそうです。その流れが現在の呉のスタンドバーにもつながっていて、店の女性はカウンターの中でサービスし、お客はカウンターの外で飲んだり話したり歌ったりするのです。

「主人はお行儀が悪いことはとても嫌がってました。そういう営業をずっと続けているうちに、お行儀のいいお客さんたちがたくさんいらしてくれるようになったんですよ」

 とうれしそうに話してくれる女将さん。『武士は食わねど高楊枝』の心意気で、一流の店を目指してきて、それに同調するお客さんたちが集まってきてくれるようになったんですね。赤坂見附のバー「赤坂グレース」とも共通するような、凛とした空気を感じます。

 女将さんの話題の幅はとても広く、「へぇ~っ」と思わず聞き入ってしまうような話ばかり。ゆったりとした空間の中で、竹鶴ハイボールをもう1杯おかわりし、2時間弱の滞在のお勘定は3,500円。安くはないけど、けっして高くもないですよね。

「ありがとうございました。またいらしてくださいね」

 と最後までやわらかい笑顔で見送ってくれる女将さん。

「ごちそうさまでした。また寄らせていただきます」

 心も軽やかに店を後にしたのでした。すばらしい酒場ですねえ!

店情報

《平成22(2010)年4月10日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(呉)

    どん底
  • 店名: どん底
  • 電話: 0823-21-7147
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通2-2-2
  • 営業: 18:00-24:00、日祝休
  • 場所: 呉駅から徒歩15分ほど。「四ツ道路」バス停近く、呉信金本店裏。
  • メモ: 昭和28(1953)年創業。昭和4(1929)年生まれの女将がひとりで切り盛りする老舗バー。樹齢400年という欅(けやき)のカウンターは重厚そのもので、幅も広い。天井も高く、ゆっくりとくつろげる。随所に今は亡き店主(女将のご主人)の思い入れを感じる、凛とした雰囲気の、一流の酒場である。
    〔お召し上がりもの〕ところ天、おじや、とろろ汁、生野菜、山芋料理、ニラ料理、焼なすび、野菜いため、納豆、味噌汁、冷奴、お漬物、湯豆腐、お茶漬、冷そうめん、煮〆、ニューメン、玉子料理、するめ、ピーナツ、コンビーフ、数の子、山菜、でびら、あられ、くだもの、すき焼、サラミ、めざし、かまぼこ、ハム、サラダ、鉄板焼き、しゃぶしゃぶ、畳鰯、柳葉魚、えい、出汁巻き、炒飯、おむすび、お抹茶。
    〔おでんいろいろ〕大根、玉子、あつあげ、糸こんにゃく、板こんにゃく、棒天、おじゃが、葱、春菊、竹の子、シューマイ、こいも、袋、ふき、すじ、豆腐。(2011年5月調べ)

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常連さんの流儀に倣う … おでん「あわもり」(呉市・広)

カワとキモ


 部屋の片付けや買い物を終えて、市営バスで隣町の広(ひろ)へと向かいます。広は、前に呉にいたときに住んでいた町なのです。

おでん「あわもり」 広交差点(ひろこうさてん)というバス停で降りて、向かう先は、若いころによく通った、おでんの「あわもり」です。本当は開店時刻の午後4時に来たかったんだけど、ちょっと出遅れて午後5時半。大丈夫かな?

「こんちわぁ~」

 と引き戸を開けて店内へ。長~いL字カウンターだけの店内には、先客はたったの3人。ちょっと拍子抜けです。

「あら、いらっしゃい」

 笑顔で迎えてくれるのはおかみさん一人です。さっそく大瓶のビール(キリンラガー、500円)をお願いすると、そのビールを出してくれながら、

「うちの人は、今日は同窓会に出かけていていないのよ。土曜日はお客さんが少ないから、私だけで開けたんよ」

「そうなんですか。実は私、今月1日に呉転勤になったんですよ。またよろしくお願いします」

「そうなの? 今日は無理して店を開けてよかったわ」

 いやあ、そう言っていただけると、本当にうれしいですね。グイッと1杯目のビールを飲み干して、まずはいつものようにカワとキモをもらいます。

 ここ「あわもり」で出される料理は、昭和28(1953)年の創業以来、1品90円のおでんのみ。それ以外にはお新香さえないという潔さです。飲み物もビールの大瓶(500円)と小瓶(350円)に日本酒(200円)、そして店名にもなっている泡盛(160円)があるだけと、こちらもビシッと筋(すじ)が通っています。「本物の呑ん兵衛以外は来るな!」と、暗に言われているような感じのラインナップですね。

 おでんはL字カウンターの、L字に折れた部分の内側にあり、黒々とした煮汁の中にずらりとおでん種が並んでいます。先ほど注文したカワとキモは、この店ならではのおでん種。カワは豚の皮を、キモはフワ(肺)を、それぞれ一口大に切って、何切れかを串に刺し、そのまま煮込んだものです。カワは、ねっとりと感じるほどのコラーゲンの弾力感がたまらぬ一品で、フワは煮汁をよく吸い込んで、とてもいい味わい。この2品を食べると、「あわもり」に来たなあ、という感が強くなります。

 2巡目は玉子とイワシ団子。イワシ団子は、イワシのすり身を団子状に丸めたものが1串に3個刺さっています。カウンター上には、そこここにゆるく溶いたカラシが置かれていて、添えられたスプーンでおでんの上にチョビチョビと落として食べるのが、この店の流儀。カワやキモと同じ鍋で煮込まれているのに、このイワシ団子のうまいこと。

 ビールがあと2杯分くらい残っている状態(大瓶1本はグラス5~6杯分)で、泡盛(160円)をもらいます。小さなショットグラスに注がれる泡盛は、度数が35度。最後にちょっと梅酒をたらして甘みを加え、飲みやすくしてくれますが、それでも強いことには変わりはありません。残しておいたビールはチェイサー代わりなのです。

 この頃までには店内のお客さんも6人くらいに増えていて、新しく入ってきた、いかにも常連さんらしきお客さんはスジを注文。スジ肉は関西、西日本側のおでんには必須のアイテムですもんね。

「硬いのでええ? やわいのにしとく?」

 と確認するおかみさん。

「今日はやわいのにしとくわ」

 へぇ、スジも硬いのとやわい(軟らかい)のがあるんだ。

「すみません。私も、硬いのとやわいのとを、1本ずつください」

 さっそく試してみることにしました。

 門前仲町「大坂屋」の煮込みにも、硬いのと軟らかいのがあるのですが、これは煮込み具合が浅いものと、よく煮込んだものの違い。弾力感はもちろん異なりますが、煮込み汁の染み込み具合が違うことで、別の食材を食べているような感じになるのです。ここ「あわもり」のはどうかな。

「はい、スジのやわいのと、こっちが硬いのね」

 この店では、一番最初に大鍋から取ってくれるお皿が、そのあとお勘定をするまでの間、自分のお皿になり、それ以降、追加注文するおでんは、大鍋から取り分け専用の小皿に取って、自分の席まで持ってきてくれて、そこで自分のお皿の上に置いてくれるのです。

 おぉ。このスジ肉は明らかに違う。やわいのはスジ肉の中でも肉の部分が主体で、見た目も茶色っぽい。硬いのは、まさにスジの部分が主体で、ちょっと透き通る感じの白さです。なるほどなあ。この店で、メニューに載っているおでん種は15種類なのですが、こういうオプションの違いも含めると、もっとたくさん種類があるのかもしれませんね。

 これまでは出張のついでに「あわもり」に来るというパターンだったので、店に来るのも開店時刻の午後4時から1時間程度。本格的な常連さんがやってくる前に、店を後にすることがほとんどだったのです。その店の魅力をじっくりと味わうためには、やっぱり常連さんの中に混ざって、常連さんがどういう楽しみ方をしているのかを見るのが一番ですもんね。今回のスジ肉ひとつを例にとっても、それが言えると思います。これからはそういう常連さんが多い時間帯をねらって来なきゃね。

「泡盛おかわり。甘めにしてや」と常連さん。注がれる泡盛は、泡盛がちょっと少なめで、梅酒が多め。なるほどねえ。「宇ち多゛」(立石)の梅割りとおんなじだ。

「私も泡盛おかわり。辛めにしてください」

 この注文で、ほとんどが泡盛で、ちょっとだけ梅酒が入った、ドライな泡盛になりました。う~ん。濃いけど、うまいっ!

 おでんのほうはネギマと玉ネギをもらいます。ネギマは筏(いかだ)状に並んだネギの間に、チビッと肉片が入ったもので、注文を受けてからおでん鍋に投入されます。玉ネギは櫛(くし)切りにした玉ネギを串に刺したもの。これも注文を受けてから鍋に入れられます。どちらもこの店で大人気の食材。ずっとタンパク質系が続いたので、ここでちょっと野菜を食べて口直しです。

「泡盛、もう1杯。さっきと同じで、辛めにしてください。あと厚揚げをお願いします」

 午後6時を過ぎたころから、ひとり、またひとりとお客さんが増えていたのですが、午後6時半を回ると、おかみさんはてんてこ舞いの忙しさ。やっぱり土曜日でも人気なんですねえ。

 厚揚げは一品のボリュームがかなりあるので、これを注文しておけば、しばらくおかみさんの手をわずらわせることがないのです。この厚揚げが、これまたここの煮汁とよく合ってるんですよねえ。

 ほとんどの常連さんは、おでんを3品くらいつまみながら、泡盛を3杯ほど飲んで、お勘定は千円未満。だからこと毎日のように来れるんですね。久しぶりにやって来た私は、次々に注文するもんでお皿の上には、串がずらりと9本並んでいます。最終的に、この串の本数でお勘定してくれるのです。飲み物はビール大瓶1本に泡盛が3杯。この店では大ぜいたくな部類に入ります。

 午後7時を回ったところでお勘定をお願いすると、そんな大ぜいたくをしたにも関わらず1,790円でした。どうもごちそうさま。また来ますね。

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玉子とイワシ団子 / 泡盛 / スジのやわいのと硬いの

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ネギマ / 玉ネギ / 厚揚げ

店情報前回

《平成22(2010)年4月10日(土)の記録》

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〔くれ便り〕 店頭売りの巻寿司だけの人気店

「ささき寿司店」の巻寿司


 土曜日の昼ごはんは、すぐ近所の「ささき寿司店」から巻寿司(1本600円)を買って帰っていただきます。

 ここ「ささき寿司店」(0823-24-2305、呉市中通2-4-17)は、昭和48(1973)年創業の、持ち帰り用の巻寿司だけの店。メニューは普通の巻寿司(1本600円)と、(味付けのりではなくて)焼のりの巻寿司(1本600円)のほか、きゅうり巻(1本160円)と、しんこ巻(1本160円)という合計4種類の巻寿司のみです。

 目玉商品は何といっても普通の巻寿司で、行列ができるほどの人気なんだそうです。朝10時半に開店して、売り切れ仕舞いです。

 巻寿司の具は、玉子焼きに干瓢(かんぴょう)、そして穴子(あなご)の3種のみと、これまた非常にシンプルながら、玉子焼きの大きさは特徴的です。

 呉でいろんな店を回るときに、毎日新聞呉支局から昭和49年に出版された「呉うまいもん」という本を参考にすることが多いのです。その本のなかで、ここ「ささき寿司店」は、

『昭和48年5月に開店したてのホヤホヤの店。“おふくろの味”を思い出すような、手づくりのうまい巻ずしで評判だ。“店頭売り”一本だが、主婦やOLなどが行列をつくり、午後3時をすぎると、もう売り切れることが多い。』

 と紹介されています。開店直後から、すでに人気店だったんですね。

 その「呉うまいもん」の出版から35年たった昨年の1月末。地元の情報誌「くれえばん」の2009年2月号から、「新・呉うまいもん」の連載が始まりました。この時点で「呉うまいもん」に掲載された60軒の店の中で、約半数の31軒が営業を続けており、今回の「ささき寿司店」もまっ先に紹介されました。こんな時代に、“半分も残っている”ということが、むしろすごいことかもしれませんね。

 巻寿司1本、あっという間に完食いたしました。どうもごちそうさま。

《平成22(2010)年4月10日(土)の記録》

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創業97年になる超老舗 … 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)

鯛刺身と清酒一級


 会社の帰りにやってきたのは呉駅のすぐ横にある「森田食堂」です。のれんの表示が右から左になっている(つまり「堂食田森」と書かれている)ことにも、この店の歴史を感じますねえ。

 この食堂、なんと大正2(1913)年の創業で、今年で創業97年という、ものすごい老舗なのです。

 昨年の9月に、rum mentholさんから、

『ここは戦前から工廠に働きに行く人に弁当を詰めてあげていたほど、歴史のある一膳飯屋です。よく冷えた華鳩(音戸の地酒)の冷酒で湯豆腐をつつくのが最高です。』

 というコメントをいただいていて、ぜひ行ってみなければと思っていたのでした。今日やっと、それがかないました。

 店内は、入ってすぐ左手の壁際に、お惣菜が並んだガラスケースがL字型に置かれていて、その上にはテレビものっています。それほど広くない店内には、ゆったりと6人が掛けられる横長テーブルが2卓、店の奥に向かって並んでいて、右手には7人ほど座れるカウンター席があり、全席数は19席ほどです。

 先客は中年男性の、それぞれひとり客が二人。奥側のテーブルの向こう側、両脇に座っています。入口側にテレビがあるので、テレビが見えるポジションに座ろうとすると、テーブルの向こう側に行かないといけないんですね。

「いらっしゃいませ」

 と迎えてくれる女将さんは、カウンター席の一番奥側に座っていて、お客が来たり、注文が入ったりすると「はいはい」と注文をこなします。

 今日のお惣菜は、ほぼすべて入口横のガラスケースの中に並んでいるようなので、席に着く前に、まずガラスケースを探訪します。お惣菜は、それぞれ一品が150~300円ほど。たとえばダシ巻き玉子が150円で、冷奴やサバの煮付け、ヒジキなどが200円、煮しめやポテトサラダなどが250円などなど。刺身類だけが500円です。

 このお惣菜から好きなものを選んで、それにごはん(大220円、中180円、小170円)や味噌汁(100円)を組み合わせて定食にしたり、ビールやお酒をもらって飲んだりするわけですね。

 小イワシの刺身があったら、それをもらおうと思っていたのですが、今日の刺身(各500円)はタイとカツオ、そしてキビナゴの3種。タイの刺身をもらうことにしました。

 ガラスケースからタイ刺身を取り出して、空いているテーブルに座ると、女将さんが醤油皿に醤油を入れてくれます。

「お酒の一級のほうを、あったかいのでください」

 飲み物メニューの中に、日本酒は一級(340円)、二級(300円)とあったので、その一級のほうを注文したのでした。おすすめいただいていた音戸の地酒「華鳩(はなはと)」もチラリと探したのですが、それらしい商品名は見当たらず、初訪問の今日は、無難にメニューにあるお酒にしてみたのです。

 ちなみにメニューに一級、二級という表記がある場合、一級が本醸造酒、二級が普通酒となっている場合が多いように思います。本醸造酒と普通酒では、おいしさがグンと違うように感じるので、こういう表記がある場合は、なるべく一級のほうを選ぶようにしています。日本酒の銘柄は、広島の酒都・西条の「白牡丹(はくぼたん)」です。白牡丹酒造は1675年(延宝3年)の創業。今年で創業335年という、広島酒の中でも最も古い歴史をもつお酒なのだそうです。

 その日本酒は、チロリ(金属製の燗づけ器)で燗がつけられ、目の前でコップに注いでくれます。

 味わいの深いタイの刺身をいただいては、燗酒をちびり。っかぁ~っ。これはうまいっ。地元の魚に、地元の酒ですもんねえ。こんなに相性のいい組み合わせはありません。

 タイを数切れ残しておいて、次はこの店の名物、湯豆腐(300円)をもらいます。

 湯豆腐は、イリコとカツオの出汁(だし)に、醤油で薄味をつけた汁(つゆ)でゆっくりと煮込んだ、いい味が染み込んだもの。とろろ昆布と削り節、そして刻みネギがトッピングされ、ふっと柚子(ゆず)の香りが漂います。豆腐は半丁分ほどがドンと1個、入っています。

 う~ん。この湯豆腐は、豆腐もさることながら汁が絶品ですねえ。汁だけでお酒が飲めてしまいます。

 もう1杯、お酒をいただきたいところですが、今日は夕食も兼ねてきているので、ごはんの中(180円)を注文すると、小皿の漬物とともに、ごはんが出されます。

 熱々のごはんの上に、残しておいたタイの刺身をちょいとのせて、ごはんごとワシッといただきます。冷たいタイの刺身に、熱々のごはん。わさび醤油もよく効いて、実にうまいもんじゃのぉ~。これをやりたくて刺身を数切れ残しておいたのでした。

 湯豆腐の汁が、極上のお吸い物代わり。あっという間に全品完食です。

 40分ほどの晩酌付き夕食のお勘定は1,320円でした。どうもごちそうさま。

 私以外のお客さんも、みなさんビールや焼酎をいただいていたようなので、ひとしきり飲んでから、最後にごはんやうどんで締めるというのが、この店のスタイルのようです。朝から開いてるのもうれしいですね。

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鯛刺身 / 名物・湯豆腐 / お惣菜ケース

店情報

《平成22(2010)年4月8日(木)の記録》

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店情報: 「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)

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  • 店名: 森田食堂
  • 電話: 0823-23-6340
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央1-9-3
  • 営業: 08:00-21:00、日休
  • 場所: JR呉駅の正面階段を降りて右へ徒歩1分ほど、右手。
  • メモ: 大正2(1913)年創業。テーブル6席×2とカウンター7席の19席。めし大220・中180・小170、みそ汁100、玉子入りみそ汁180。お惣菜は日替りで、キムチ100、さばの煮つけ200、だし巻たまご焼150、ひじき200、干し大根200、高野豆腐200、煮しめ250、ポテトサラダ250、なす煮つけ250、小いわしの煮つけ300、いかの煮つけ300、焼さけ300、焼さば300、湯豆腐300、奴豆腐200など。〔麺類〕うどん300、玉子うどん400、きつねうどん400、カレーうどん500、天婦羅うどん500、肉うどん500、田舎そば300、中華そば400、ざるそば・うどん(夏)350、冷しそうめん(夏)450など。〔丼物〕たまご丼500、親子丼500、他人丼550、牛肉丼550、天婦羅丼550、カレーライス500など。〔スープ〕牛肉スープ350、豚肉スープ350、鶏肉スープ350、野菜スープ350。〔のみ物〕清酒一級340・二級300、生ビール500、瓶ビール大510・小360、焼酎(麦・芋)(水割・湯割)400、チューハイ400、おり酒(にごり酒)300など。(2010年9月調べ、2014年11月時点で変更なし)

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古代チーズでカクテル … バー「アンカー(ANCHOR)」(呉市・呉)

古代チーズでカクテル


 ジンギスカン焼きの「關白(かんぱく)」で夕食を食べた帰り道、トコトコと家に向かっていると、ビルの2階に錨(いかり)の看板が見えます。ふーん。バー「アンカー」ですか。錨に引かれて、ちょっと入ってみましょうね。

 階段を上っていくと、入口横にTODAY'S SPECIALと書かれた黒板メニューが出ていて、季節のフルーツカクテル(苺、金柑、キウイ、etc.)、「お酢」のカクテル(ハニー黒酢 or ベリー紅酢)、ホットカクテル各種(コーヒー、紅茶、etc.)という3種のカクテルが書き出されています。フムフム。これは本格的なバーに違いない。

 よいしょ、っと扉を開けると、入口右手にカウンター席、左手にボックス席がひとつ。カウンターの中には男性がひとり。この人が店主のようです。先客は、カウンター席に男性ばかり4人(二人連れひと組と、それぞれひとり客が二人)、それぞれ間をあけて座っています。

「いらっしゃいませ。こちらにどうぞ」

 とその真ん中あたりの席を指し示してくれます。

 その席に座り、さっそく表の黒板に出ていた「お酢」のカクテルを、店主が「目にいいらしいですよ」と進めてくれたベリー紅酢のほうでいただきます。「お酢」のカクテルは、キンキンに冷えたゴードン(ジン)をベースに、紅酢を入れて、最後にトニック・ウォーターを注いでできあがり。お酢の入ったジン・トニックって感じなのですが、お酢がやわらかい味わいで、とてもおいしい。

 カウンターの一番奥に座っている男性は、私と逆に、明日、月曜日から東京に転勤するんだそうで、今日が呉で最後の夜なんだそうです。

「マスター。『春の別れ』というテーマで、なにかウイスキーを飲ませてよ」

 とリクエストするそのお客さん。ちょっと考えた店主は、グレンモレンジをスッと出しました。

「グレンモレンジはバーボン樽で熟成させるんですが、そのバーボン樽そのものもグレンモレンジで作ってアメリカに送るんです。それでバーボンを造ってもらい、造り終わったらまた戻してもらって、それで自社のスコッチを熟成させるんですね」と店主。

「それは、俺にも戻って来いってこと」とうれしそうに微笑むお客さん。うーん。いい話だ。

 日曜日だから、もう1杯で終わりにしましょう。「お酢」のカクテルがジンベースだったから、最後もジンかな。

「マティーニをお願いします」

「はい」と返事したマスター。そのままゴードンで作るかと思いきや、ゴードンは冷凍庫に戻して、同じ冷凍庫から改めてタンカレー(ジン)を取り出します。

「定番ですが、やはりマティーニはこれで…」

 と言いながら、慣れた手つきでクルクルとステアしてマティーニを仕上げてくれます。

 あぁ~。うまいっ。このマティーニもおいしいなあ。

「珍しいものがあるので、少しずつですけど食べてみてください」

 そういいながら店主が出してくれたのは、チーズのような、落雁(らくがん)のような。少しだけ齧ってみると、ちょっと甘みのある、濃厚なミルクの風味。

「これは『飛鳥の蘇(そ)』という、古代チーズなんです。何十リットルもの牛乳を使って、ほんのちょっとの蘇ができるんだそうです」

 と説明してくれる店主。なるほど。そう言われてみれば、生キャラメルの甘みを取って、もっと煮詰めていったような味わいだ。これは赤ワインにも合うかもね。

 濃厚な蘇をつまみに、マティーニを飲み干して、お勘定をお願いすると、海外のレストランでよく出てくるような、二つ折りになったレシートケースでお勘定が出されます。二つ折りを開いてみると、カクテルが900円×2杯、テーブルチャージが500円、合計2,300円と極めて明朗にお勘定が書き出されています。

「どうもごちそうさま。今度はゆっくりと飲めるときにきますね」

 笑顔の店主に見送られながら店を後にしたのでした。

店情報

《平成22(2010)年4月4日(日)の記録》

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店情報: バー「アンカー(ANCHOR)」(呉市・呉)

    100404z
  • 店名: バー「アンカー(ANCHOR)」(呉市・呉)
  • 電話: 0823-69-3960
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通2-8-11 KKビル2F
  • 営業: 19:00-03:00、月休
  • 場所: 呉駅から徒歩15分ほど。四ツ道路バス停近く。
  • メモ: 2008年創業のオーセンティックバー。カウンター席とテーブル2卓。飲んで食べた料金+テーブルチャージ(500円)の明朗会計。カクテル900円ほど。シングルモルト900円~。テーブルチャージ(チャーム付き)500円。鴨トロのスライス700円、オイルサーディン850円、ミックスピザ1000円など。(2010年4月調べ)

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〔くれ便り〕 帝國海軍呉鎮守府発・海軍さんの珈琲

平成22(2010)年4月4日(日)

 喫茶「バンビ」での昼食を終えて、近くの100円ショップで台所用品などの買出しです。

S1090387 買い物を終えると、これまたすぐ近くの「昴珈琲(スバル・コーヒー)」で一休み。ファサード・テントには「帝國海軍呉鎮守府発・海軍さんの珈琲」の文字がおどり、その店頭で入れたてのコーヒーを売っています。このおいしいコーヒーが紙コップ1杯が100円と、自動販売機並みなのです。

 その辺で買い物をしてるおばちゃんたちも、ふらりと立ち寄ってコーヒーを飲んでるのがおもしろい。

 そういえば、呉のお風呂は、追い炊きができないタイプが多いのです。つまり、ホテルのお風呂と同じような感じで、お湯を張ることはできるんだけど、それを後から沸かすことはできないのです。

 私の単身赴任社宅も、2007年築のマンションの一室を借り上げたものなのですが、これだけ新しいマンションでも追い炊きができないんだから、これはもうこの地方のお風呂文化なのかもしれませんね。なんだかちょっと不思議な感じ。経緯をご存知の方は、ぜひ教えてください。

S1090439 呉市中央図書館でちょっと調べ物をして、今日の夕食は「關白(かんぱく)」です。ビール(エビス大瓶、700円)をもらって、ジンギスカン焼きは、牛バラと豚足のミックス(1,200円)を注文します。

 ジンギスカン焼きとテール鍋が看板メニューのこのお店ながら、羊肉のジンギスカンはなくて、牛ロースや、牛バラ、牛シロミ、豚ロース、豚足、豚耳などを、それぞれ『ジンギスカン鍋で焼いてくれる』というのが、ここのジンギスカン焼きなのです。

 とは言うものの、前に詳細に書いたとおり、実際には焼くというよりも、ほとんど茹でることによって調理され、最後の瞬間にジンギスカン鍋で豪快に炎を上げながら仕上げてくれる料理です。キャベツ、玉ネギ、ピーマンと、野菜がたっぷりなのもうれしいですね。

 ビールを飲み終えたところで、ごはんの小(漬物付きで200円)をもらって、しっかりとした夕食のお勘定は2,200円(2,100円+税)でした。ごちそうさま。

 「關白」を出て、トコトコと家に向かっていると、ビルの2階に錨(いかり)の看板が見えます。ふーん。バー「アンカー」ですか。錨に引かれて、ちょっと入ってみましょうね。

 そのバー「アンカー」の様子については、〔くれ便り〕ではなくて、〔居酒屋礼賛〕本編にてご紹介いたします。

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〔くれ便り〕 古典喫茶店「バンビ」でカツカレー

平成22(2010)年4月4日(日)

 横浜では単身赴任寮に食事が付いているほか、会社の社員食堂も朝・昼・晩と利用できたので、あまり食事に困ることはありませんでした。ところが、こちら呉では食事のない単身赴任用社宅の上に、社員食堂もない。まわりの単身赴任者に聞いてみると、ほとんどの人は自炊をしているそうなのです。

 ところが、私自身は、ほとんど料理は作ったことがない。う~む。これは困った。

 おいおいと自分でも作れるようになるとして、ひとまずは近隣で手軽に食事ができるところを探しましょう。

 そんなわけで、日曜日の今日は、朝起きるなり、朝早くから朝食が食べられそうな店を探索です。参考書は地元の情報誌「くれえばん」の2月号。この号では、朝ごはんの人気店が取り上げられているのです。

 目星をつけたのは、朝5時からモーニングサービスが始まるファミリーレストラン「ジョイフル」の呉駅前店。会社の始業時間が早いので、7時を過ぎてから開店するような店だと、会社に間に合わないのです。しかもこの「ジョイフル」、モーニングメニューが300円からと安いのもいいではありませんか。

P1090407 さっそくその300円の豚汁定食を注文。この定食には豚汁、ごはん、漬物のほかに、生たまご・半熟玉子・納豆という3品の中から1品を選ぶことができます。納豆をもらいましょうかね。

 この豚汁が、メニューでのうたい文句どおり、けっこう具だくさんでいいではありませんか。これはいいなあ。よし。朝食候補店を1軒は確保ですね。

 そうそう。朝定食というと、「吉野家」、「松屋」、「すき家」、「なか卯」などのファストフード店を思い浮かべるでしょう? ところが、これらのファストフード店が、ここ呉市の中心街にはないのです。「マクドナルド」や「モスバーガー」はあるんだけどなあ。

 朝食のあとは、DVDレコーダーを買いに、近くの家電量販店へ。今度の社宅は2007年築と新しいので、TVアンテナも地デジしかなくて、私が持ってきたアナログテレビだと、テレビも見ることができないのです。少し前の型だけど、320GBのHDDが付いたDVDレコーダーを3万7,800円で購入。すぐに持ち帰ってセットし、なんとかテレビも映ったところで昼食です。

P1090421 昼食は、中通(なかどおり)にある喫茶店「バンビ」です。

 かなり古びた外観(ほめ言葉です!)に似合わぬ「バンビ」というネーミング。まさに古典酒場ならぬ、古典喫茶店の雰囲気でいいではありませんか。

 店内に入ると、その内装からもより古典喫茶店の風情は強くなり、しかも客層も年配のひとり客ばかり。これは渋いなあ。

P1090426 さっそく名物メニューらしいカツカレー(680円)を注文すると、注文を受けてから薄い衣をつけて揚げたトンカツに、ビシッと辛いカレーがよく合います。これはうまいっ。しかも野菜サラダも付いて安いっ。

 まわりのおじいちゃんたちも、それぞれがカツカレーを食べてるのがいいですねえ。ここ呉は、明治時代から海軍さんの町だったので、さりげなく洋風文化が根付いてるんですね。

「ここはいつ頃からやってるんですか?」

 と聞いてみると、

「昭和38(1963)年からだから、そろそろ50年になるかねえ。もう長(た)けてしもうて。」

 と女将さんが笑えば、カウンターの中で調理を担当するご主人もニコニコと笑顔を向けてくれます。

 「長けてしまった」というのは、「年を取ってしまった」ということなんでしょうね。昔から変わらずやってくる常連さんたちに、きっちりとささえられた名喫茶店のようです。

 営業時間が午前7時から午後5時(!)と早いので、休日の土日くらいしか来れそうにありませんが、ときどき来てみたいお店です。

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〔くれ便り〕 22年ぶりに桜満開の呉に転勤

平成22(2010)年4月3日(土)

 入社と同時に配属になった先が広島県呉市。その後、昭和から平成へと変わる昭和63(1988)年に東京に転勤し、工場の移転とともに横浜へと移ったのが平成13(2001)年のこと。そして、この4月1日付けで、22年ぶりに呉へと戻ってきました。

 年明けから、「東京飲み歩き手帳」(ぴあ、1,000円+税)の作成でバタバタし、それがやっと落ち着いたと思ったら異動の内示があったり、米国に出張に出かけたりと、ブログもほとんど更新できないような1~3月を過ごしました。

 横浜の単身赴任寮を出たのが3月31日(水)の朝。横浜の工場にちょっと顔を出して、その後、新幹線で移動すべく新横浜へ。だいたいの時刻しか伝えていなかったのに、駅にはにっきーさんと、私の家族が見送りに来てくれていてびっくり。寒いなかを、長く待っててもらったんだろうなあ。申し訳ありません。ありがとうございました。

 早い夕方には呉に到着して、新しい職場に荷物を置かせてもらってホテルへ。横浜の単身赴任寮からの荷物が到着する土曜日までの三日間、出張のときと同じようにホテル住まいなのです。

 そして土曜日。ホテルで朝食を食べてからチェックアウトし、徒歩5分ほどの、新しい単身赴任社宅へ。呉には単身赴任寮はないそうで、ほとんどの単身赴任者が借り上げ式の単身赴任社宅なのです。

 この社宅の住所は、呉市中通(なかどおり)1丁目。呉をご存知の方は「ははん」と思われるかもしれません。ここ中通1丁目は、まさに呉の酒場街への入口的ポジションなのです。前に呉にいたときは、広(ひろ)という、隣町にある独身寮に住んでいたので、こんな呉の中心地で暮らすのは初めてです。

 荷物を受け取って、その荷物をすべて出し終わると、もう昼過ぎ。トコトコと歩いて、今日の昼食はうどんの「一心(いっしん)」です。

P1090379 呉のうどんは麺が細いのが特徴。普通のうどんと冷麦(ひやむぎ)の中間くらいの太さしかありません。熱の通りがよくすぐにできあがり、ダシとのなじみもいいというのが細麺の良さで、その細麺をはじめて出し始めたのが、ここ「一心」だと言われています。

 玉天うどん(640円)を注文すると、ほとんど待つこともなく出てきました。とろろ昆布が入っているのも、呉のうどんの特徴なのかな。

 ちなみに普通のうどんは440円、天ぷらうどんは590円です。

 近くの家電店で、LANケーブルなど、ちょっと不足している物を買いそろえて帰宅し、夕方までに片づけを終了。夕食は大正10(1921)年創業の田舎洋食の店、「いせ屋」です。

 まずはビール大瓶(キリンラガー、700円)をもらうと、すぐに出されるお新香の小皿。これにはキュウリと大根のぬか漬けが、それぞれ2切れずつ盛られています。このぬか漬けは自家製。洋食屋なのに自家製の漬物があるところもまた「いせ屋」の特徴的なところで、メニューも和洋折衷的なものが多いのです。

P1090400 料理は名物の特製カツ丼(1,100円)をもらいます。これは、皿に盛ったごはんの上に、薄くまん丸に伸ばして揚げたビーフカツがのり、その上にたっぷりとデミグラスソースがかけられたもの。これをフォークでいただきます。

 ビーフカツは揚げあがってから3センチ角くらいにカットされているので、フォーク1本でもとても食べやすいのです。

 この特製カツ丼。食事としてももちろんですが、これそのものが、そのまま酒の肴にもなる一品でもあります。熱々のビーフカツでいただく冷たいビールの美味いこと!

 さあ、あとは新しい社宅でお風呂に入って寝ますかね。

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