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店主渾身のハイボール … バー「露口(つゆぐち)」(松山)

店主渾身のハイボール


 呉からだと、わが故郷、北条(現在は愛媛県松山市)も瀬戸内海をはさんだちょうど真向かい。フェリーで2時間ほど、高速艇だとその半分の1時間ほどと、とても近いのです。

 ただし! 一般的に港は(空港も含めて)とても不便なところにあるケースが多い。松山港も、松山の中心地からは電車、バスで30分ほど離れたところにポツンと存在しています。

 港と町が近いところは、昔から『天然の良港』と言われている場所ばかりです。呉や、横浜、神戸、長崎などがそうです。『天然の良港』は、海がいきなりズドンと深くないとダメなのです。そうなるためには、背後の山が海辺までせまっていなければなりません。だから『天然の良港』と言われる町は坂が多いんですね。

 呉での仕事を終えて、金曜日の今日は故郷(いなか)に里帰り。呉の港まではすぐに出て、フェリーとの接続もよく、午後8時前には松山港に到着です。しかしながら、ここからが接続がよくない。JR松山駅まで出ても、この時間帯、予讃(よさん)線が1時間に1本程度しか走っておらず、どうしても小一時間待たないといけないのです。

 どうせ待つなら、駅でぼんやりと待つのではなくて、ちょいと1軒寄って帰りましょう。

 そんな思いで、松山駅前で連絡バス(終着のバス停は道後温泉)を降りるのは止め、そのまま大街道(おおかいどう)まで乗っていきます。このバス停を降りると、すぐ近くに昭和33(1958)年創業の老舗バー「露口」があるのです。

 金曜日の夜だけど、どうかな? ちょっと心配しつつ、入り口の扉を開けます。

「こんばんは」

 あぁ、よかった。直線のカウンター席のみ13席の店内の、手前側半分ほどにお客さんがいるだけで、奥半分は空いています。「露口」がこんなに空いているのは珍しい。きっとこれは、たまたまだろうから、グループが入ってきてもいいように、一番奥の席に座ることにしました。(実際、この後すぐに続々とお客さんが入ってきて、あっという間に新しいお客さんをお断りしないといけない状態になってしまいました。)

「あらあ? 浜田さんよねえ? そんな格好をしとるけん、わからんかったわ」

 と言いながらお絞りを出してくれる朝子ママ。この店は店主・露口貴雄さんと、その奥様の朝子ママの二人で切り盛りしているのです。

 ちなみに今日の私の格好は、仕事先から直接こちらにやって来たのでスーツ姿。いつも、帰省のついでに普段着で来てるので、仕事の格好でやってきたのは今日が初めてなのです。

「店に入ってこられたときに、浜田さんに似とるが違う人じゃろうか、と話してたんですよ」

 と笑顔を見せてくれるマスターに、この店の自慢の一品、ハイボールを注文します。

 この店には冷蔵庫はありません。だからあらかじめ冷やしておかなければならない、ビールなどの飲み物もない。氷屋さんから届いた氷だけで、ハイボールを始めとする昔ながらのカクテルを、昔ながらの作り方で出してくれるのです。

 ハイボールは、ウイスキーを炭酸で割っただけの、一見、簡単に思えるカクテルですが、実は簡単そうに見えるものほど奥が深い。ここ「露口」のハイボールや、銀座「ロックフィッシュ」のハイボールの味をコンスタントに出すことはできません。

 満席状態のなか、2杯目のハイボールをもらい、お通しで出される定番のポップコーンをつまみながらチビリチビリ。呉に来たら、ここ「露口」も近くなりましたねえ。

 となりの男女二人連れが席を立ったところに入ってきたのはサラリーマン3人組。私も立てば、ちょうど3人と入れ替われるので、今日はここまでといたしますか。

 ハイボール2杯をいただいて、今宵のお勘定は1,500円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成22(2010)年4月16日(金)の記録》

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コメント

ご無沙汰しております。
久しぶりに寄らせて頂きました。
私の憧れのバーのひとつ「露口」さんを発見し
カキコミです。

友人が、一昨年に三津浜にUターンして
お好み焼き屋を開店させました。
まだ行けていないのですが、松山に行く時には
ぜひ寄ってみたいと思っていたお店です。

松山に行く楽しみが増えて嬉しいです♪

投稿: yuka-.-yuka | 2010.05.11 15:35

「露口」は、「ペルル」とはまた違った雰囲気を持った名店ですよ~。>yuka-.-yukaさん
ぜひ店主渾身のハイボールを飲んでみてください。

投稿: 浜田信郎 | 2010.05.29 22:11

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受信: 2010.06.27 23:12

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