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〔この一品〕 野毛「武蔵屋」のきぬかつぎ

野毛「武蔵屋」のきぬかつぎ


 野毛の「武蔵屋」というと、年中変わらぬ5品の肴(玉ねぎ酢漬け、おから、たら豆腐、納豆、お新香)が有名ですが、実はそれ以外にも何品かの肴が用意されていて、1品400円で追加注文することができます。

 なかでも、きぬかつぎは、ほぼいつもカウンター上段中央部の大きな器にこんもりと積み上げられていて、お客の少ない雨の日などは、

「天候の悪い中を、よくいらしてくださいました」

 と、ちょっとずつサービスで出してくれたりもしますので、「武蔵屋」に通うお客さんにとっては、定番の5品の次になじみが深い肴ではないかと思います。

 きぬかつぎは、小さな里芋を皮のまま蒸すか、ゆでるかしただけの一品。小芋の下側をつまんで、皮をギュッと絞るようにすると、厚い皮がくるりと剥(む)けて白い地肌が顔を見せます。

 衣被(きぬかつぎ)というのは、平安時代に、女性が顔を隠すために被(かぶ)った小袖(こそで)のことなんだそうです。皮の中から、白いお芋が顔を出す様子が似ているので、この里芋料理もきぬかつぎと呼ばれるようになったんでしょうね。

 くるりと皮が剥けたきぬかつぎは、ちょっと塩をつけて食べるだけというシンプルなもの。「武蔵屋」では、この塩に、呉・蒲刈(かまがり)島の「海人の藻塩(あまびとのもしお)」という、昔ながらの製法で作った塩を使っています。

 ねっとりとした食感と、ほんわりと甘い山芋の味わいに、櫻正宗の燗酒がよく合います。

店情報前回

《平成21(2009)年11月25日(水)の記録》

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 あぁ、よかった。また来れたなぁ。 「細くでもいいから、長くやろうと思ってますのよ」  おばちゃん(=女将)ご自身がそう語るとおり、あまり無理をせず、休み休みしながら営業中の老舗酒場「武蔵屋」。もともと火・水・金の週三日間しか営業していないということもあって、横浜に住まなくなった今は、ちょうど営業しているときに行くのがむずかしいのでした。  長年使い込まれたカウンターの一角でいただく「櫻正宗」の燗... [続きを読む]

受信: 2010.11.11 12:11

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