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とり屋の名物で誕生会 … 「鳥八茶屋(とりはちちゃや)」(呉)

活イカの造り


「私がお誕生日席に座りま…、あっ!」

 言いかけて言葉をのみ込むNさん。

 5人で4人掛けの座卓を囲むので、だれかがお誕生日席に行かないといけないので、一番若いNさんが気を利かせて、そう申し出てくださったのですが、実はNさん、本当に今日がお誕生日。東京から遠い呉の地で、呑ん兵衛仲間たちに囲まれて、今日のお誕生日を迎えたのでした。

 「Happy birthday to you ♪」を歌って乾杯し、Nさんのお誕生会、スタートです。おめでとう!

 生ビールの「オオムラ」を出て、やってきたのは「鳥八茶屋」。せっかく首都圏からいらっしゃってるので、ぜひ呉独特の酒場文化である“とり屋”を堪能して帰っていただこうというねらいです。

 日曜日ながら、午後7時の「鳥八茶屋」はけっこうなにぎわいで、カウンター席にも座敷席にも大勢のお客さんが入っています。「こちらにどうぞ」と案内されたのは、カウンター席の奥側から左手前へと回り込むように入ったところにある、個別に仕切られた座敷席。4人用座卓が1卓置かれた個室へと通されたのでした。へぇ、こんな空間もあったんですね。

 飲み物は例によって各自で好きなものを注文。私は音戸の「華鳩(はなはと)」(1合半が630円)を燗でもらいます。

 “とり屋”の歴史については、中国新聞の12年ほど前の記事に載っています。

 それによると、創業者・上瀬稔さんは倉橋島の南に連なる鹿島という小さな島の出身。1931(昭和6)年頃に漁師の三男として生まれ、戦後まもなく島を出て、大阪で4年間修業をしたあと、呉に戻って1952(昭和27)年に「鳥好(とりよし)」を開いたんだそうです。(その後の取材で得られた「鳥好」創業に関する新しい情報は→〈こちら〉 2012.02.19追記)

 当初は焼き鳥だけの営業だったようですが、おりしも呉の町は造船や製鉄などの工場が復活し、店は毎日、行列ができる忙しさ。創業して5~6年のうちに、店は7軒にまで増え、鹿島から兄弟や親戚、近所の人などを呼び寄せました。今も呉や広島にたくさんの“とり屋”がありますが、そのほとんどは鹿島出身の店主が経営しているようです。

 上瀬さんのお父さん(漁師)は、店にやってきては「魚ならなんぼうでも持って来てやるど」と言ってくれていたんだそうですが、当初は焼き鳥だけでも大忙しで、魚にまでは手が回らない状況でした。1960年代(昭和35年以降)に入って焼き鳥ブームが一段落したときに、やっとメニューに魚が加わるようになったんだそうです。

 焼き鳥と活魚の二本立ての店は人気を呼び、他の鹿島ゆかりの焼き鳥屋にもこのスタイルが伝播。呉独特の酒場スタイル、現在の“とり屋”の原型となりました。

 “とり屋”の定番商品、鶏皮の味噌煮(“味噌炊き”と呼ぶ店もある)も上瀬さんの考案。もともと硬くて捨てていた鶏皮を、大豆と一緒に蒸し、味噌で炊くと軟らかくなって、いい酒のつまみになりました。今日もまっ先に注文したのは、みそ煮(160円)です。

 魚介類は、まずはやっぱりカキを注文。今日は酢ガキとカキフライ(800円)をいただきます。刺身は生簀(いけす)で泳いでいるイカを姿造りで。

 天ぷらは、広島では定番の小イワシ(530円)と地物タコ(630円)。そして、これまた“とり屋”の名物料理であるササミの天ぷら(320円)ももらいます。

「これも食べてみて」と注文したのはゴボウカリカリ揚げ(320円)。ゴボウをカラリと揚げただけのシンプルなこの料理は、“とり屋”のみならず、呉の酒場ではよく見かける一品。うちの職場でも人気が高く、どの店で飲み会をしても、誰かが注文して、必ずと言っていいくらい出てくるのでした。

「華鳩は、にごり酒もすっきりとしていておいしいよ。今年のにごりは、特に出来がいいという評判だよ」

 ということで、「華鳩」のにごり酒(カップ酒、420円)も注文。スイッと飲みやすいこのお酒を、こんなにできあがってから注文すると危ない(飲み過ぎてしまう)こと必定なんだけど、たのまずにはいられない。

 最後に、これもまた“とり屋”の名物料理のひとつであるスープ豆腐(420円)を2人前ほどもらって締めようかということになりましたが、せっかくの機会なのでスープ豆腐を1人前と、メニューでそのとなりに並んでいる、かしわ鍋(530円)を1人前もらってみることにしました。

 アルミ製のひとり鍋で出されるスープ豆腐。醤油味のダシに、野菜もたっぷりと入って、豆腐が煮込まれ、仕上げに玉子も落としてくれています。かしわ鍋は、このスープ豆腐に、さらに鶏肉(かしわ)も加わったもの。ひとりだと、この鍋だけで満腹になってしまいそうなボリュームも、うれしいなあ。

 午後9時過ぎまで、2時間ちょっと愉しんで、ここはひとり3千円ほど。いつも大体このくらいですね。どうもごちそうさま。

 さぁ、Nさんのお誕生日だし、もうあと1~2軒、行きますか!

101031g 101031h 101031i
「鳥八茶屋」 / みそ煮 / ゴボウカリカリ揚

101031j 101031k 101031l
カキ酢 / カキフライ / 小いわし天婦羅

101031m 101031n 101031o
地物たこ天婦羅 / 「華鳩」にごり酒 / ささみ天婦羅

101031p 101031q 101031r
かしわ鍋とスープ豆腐登場 / かしわ鍋 / スープ豆腐

店情報前回

《平成22(2010)年10月31日(日)の記録》

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» かきの天ぷら独り占め … 「鳥八茶屋(とりはちちゃや)」(呉) [居酒屋礼賛]
 かきの天ぷらが食べたくなって、会社帰りに「鳥八茶屋」にやってきました。  店に入ると、その両側に店の奥に向かって伸びる直線カウンターは、1本の丸太を二つに割って、左右に分けたもの。今日は左側カウンターの中央、やや奥に座って、まずは瓶ビール(キリンラガー大瓶、630円)をもらって、かきの天ぷらを注文。そのかき天ぷらのでき上がりを待つ間に、定番の「みそ煮」(160円)をもらいます。  「みそ煮」は、... [続きを読む]

受信: 2011.01.23 19:33

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