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木戸編集長の口コミで … よりみち処「笑月(しょうげつ)」(呉・新広)

広交差点の「笑月」


「広(ひろ)に行くんなら『笑月(しょうげつ)』にも行ってみんさいや。『花月(かげつ)』で修業した若い人が開いた店で、1品1品が笑(わろ)てしまうほど安いんじゃけえ(笑)」

 呉の情報誌「くれえばん」の木戸編集長からそんな話をうかがったのは8月のこと。「魚菜や(ぎょさいや)」で飲んでいるときでした。

 「花月」は呉でも屈指の高級(?)日本料理店で、夜のおまかせ料理は6,300円からと、なかなかふらりと立ち寄ることはできないお店です。その料理が居酒屋価格で食べられるのならば、ぜひ行ってみなければ。そう思いながらもあっという間に月日はたって、11月も終わりに近づいた今日、やっとその「笑月」に初入店となったのでした。

 店内は右手にL字カウンター8席分(短辺2席+長辺6席)、左手は小上がりになっていて、4人用座卓が3つ並んでいます。一番手前の卓のところだけ、上がりかまちが広く取られているので、お誕生日席にももう1人座れて、5人で卓を囲めるようになっています。そんなわけで、全体で21席の比較的小さなお店を、店主とアルバイトの女性の2人で切り盛りします。

 午後6時開店の「笑月」は、たった今、開店したばかり。初入店なのに、本日第1号の客になってしまいました。

 カウンターの一番奥の席に座り、アサヒとキリンが選べる瓶ビール(中瓶500円)からキリンを注文すると、「最初の一杯だけ」と笑いながらアルバイトの女性がお酌してくれます。この女性は近所に住む学生さんの様子。背中に「笑月」と大書されたトレーナーが、この店のユニフォームなんですね。

 お通し(200円)として出されたのは、野菜たっぷり、具だくさんのポテトサラダの小鉢です。

 カウンターの中の壁、小上がりの突き当たりの壁には『本日のおすすめ』と書かれた黒板があり、刺身や季節物などが30品ほど手書きされています。そういえば店頭にも同じ黒板が出ていました。日替わりメニューが30品もあると、3つの黒板を書きそろえるのもたいへんな作業だろうと思います。

 それとは別に紙に印刷された定番メニューが40品以上あり、そのほかに飲み物メニューがあります。定番メニューはカウンター上部に木製の短冊メニューとしても並べられています。

 そんなたくさんの料理の中から、今日の1品目は『本日のおすすめ』に挙げられている太刀魚(たちうお)の南蛮漬け(420円)を注文します。太刀魚の南蛮漬けのように、あらかじめ準備ができるメニューは、カウンター上段に大皿で並んでいて、注文すると、そこから一人前を取り分けてくれます。

 瀬戸内海では太刀魚がよく取れますが、こうして南蛮漬けでいただいたのははじめてですねぇ。これもおいしいや。

「『花月』で修業をされて、この店を出されたんですって?」と聞いてみると、

「いや、修業といっても短期間だったので、『花月』のような料理はできないんですよ」と謙遜される店主。「でも、その太刀魚の南蛮漬けは『花月』でも出されている料理です」とのこと。

 おぉ、なるほど。「花月」だったら、とても420円では食べられないだろうなぁ。感謝、感謝。

 作り置きのメニューが2品(ポテトサラダと南蛮漬け)続いたので、今度はあったかい料理をと、砂ずりから揚げ(480円)を注文します。砂ずりというのは鶏の砂肝のこと。この店の砂ずりから揚げは、その砂肝を比較的大きなかたまりのまま唐揚げにしたもの。櫛(くし)切りにしたレモンが1切れ添えられています。こんなに大きなかたまりなのに、固い筋のような部分がなくて軟らかい(砂肝の心地よい弾力感はもちろんある)のは、下ごしらえがいいからなのでしょうね。

 呉の肴(さかな)と、横須賀の肴は似ているな、と思うことがときどきあります。たとえばこの砂ずりから揚げ。横須賀の「銀次」には、もつ揚げ(300円)という砂肝を中華鍋で素揚げにしてくれる名物料理があって大人気。さらにこちらの小イワシは、横須賀でよく食べられるシコイワシと同じものです。磯で取れる小さな巻貝、ツブ(シッタカ)もそうですね。古くからの軍港同士なので、軍艦が行き来しているうちに料理も互いに伝播しあったのかもしれませんね。

 ビールを飲み終えて、今度は「千福」の燗酒を二合徳利(700円)でもらいます。日本酒はこの呉の「千福」のほか、西条(東広島市)の「白牡丹」と灘(神戸市)の「剣菱」が選べて、それぞれ一合なら360円で、二号なら700円。それぞれナショナルブランドのお酒ながら、安心して飲むことができる銘柄だと思います。

 ふと気がつくと、小上がりの座卓は2卓が埋まり、残る1卓は予約客の到着待ち。カウンターも私のほかに、二人連れ、三人連れがそれぞれ一組ずつ入っていて、あとは一人客が一人か二人、かろうじて入れる程度です。この値段で、この料理ですもんねぇ。人気があるのもわかります。

 追加のつまみで、『本日のおすすめ』ボードから、ゆでエビ(350円)を注文すると、大皿に盛られたエビをひとつかみ、小鉢に入れて出してくれます。「これで350円?」と驚いていると、「阿賀(あが、呉と広の間にある町)の漁師さんから、形がふぞろいなものを安く分けてもらえるんですよ」と店主。う~む。あんまりふぞろいでもないように感じるけどなぁ。

 瀬戸内海のエビの濃厚な味わいに、あっさりとした「千福」の味わいがよく合いますねぇ。この肴があって、このお酒ということがよくわかります。

 1時間40分ほどの滞在。お勘定は2,650円でした。どうもごちそうさま。

 いやぁ、呑ん兵衛同士の口コミほど信頼できる情報はありませんねぇ。改めてそう感じたお店でした。

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お通しのポテトサラダ / 太刀魚の南蛮漬け / 砂ずりから揚げ

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「千福」燗酒 / 店内の様子 / ゆでエビ

店情報

《平成22(2010)年11月27日(土)の記録》

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» 味わい濃厚な茹でエビ … よりみち処「笑月(しょうげつ)」(呉・新広) [居酒屋礼賛]
 広(ひろ)の「笑月」にやってきました。今回が2度目の訪問。ここは呉の和食屋「花月」で修業した若い店主が開いた店で、安価に美味しい料理が食べられるのが特長です。  今日の手書きメニュー(本日のおすすめ)は、刺身が、かんぱち580、サーモン530、たこ480、シャコ480、牛レバ刺860、砂肝生刺830で、その他に、あじ塩焼き680、はまぐりバター焼き480、カキフライ580、太刀魚南蛮漬け420、... [続きを読む]

受信: 2011.03.07 08:58

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