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2012年2月

やっぱり〆はパターン … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(日ノ出町)

パターン


 「武蔵屋」を出て、いつもであれば「ホッピー仙人」へと流れるところですが、今日は残念ながら仙人(=店主)が出張中につき、お店はお休み。ときどき『出張のため閉店』ということがあるあたりが、いかにもサラリーマンバーらしくておもしろいですよねぇ。(仙人の勤務先は外資系で、副業制限もないため、お店の運営も公明正大にいけるようです。)

 そんなわけで今日の2軒目は、中華風豚もつ料理が名物の「第一亭」です。

 同行の小西さんビリーさん、Mさんと私の4人で奥の座敷の座卓を囲み、まずは紹興酒をボトルに、氷とレモンスライスを一緒にもらいます。紹興酒のロックに、レモンスライスを搾るように入れると、いくらでも呑める味わいの簡単カクテルのできあがり。「第一亭」の豚もつ料理にもよく合うのです。

 私以外の3人は、今回が初めての「第一亭」とのことですので、料理のほうはこの店定番のおすすめ料理を作ってもらいます。

 まず1品目は、しじみ正油漬(メニュー表記のまま、600円)。これは台湾の料理で、ざっくりと言うと半生のしじみをニンニク醤油につけたもの。ただし、ここ「第一亭」では、しじみ正油漬の作り方は、90歳(1921年生まれ)のお父さん(店主)しか知らない秘伝の味です。すぐに出てくるのもいいところで、最初に出してもらう前菜としてぴったりです。

 2品目は、大人気メニューでもあるチート生姜炒め(600円)です。チートというのは豚の胃袋のこと。豚の胃袋を意味する「猪肚」の中国語読みが「チュウト」なので、それがなまってチートになったんじゃないかと言われています。(もつ焼き屋では豚の胃袋はガツと呼ばれます。)

 豚の胃袋自体が、豚もつの中でもクセがない上に、独特の弾力感ともあいまって、もつ初心者にもスッと受け入れられることが多い部位。この店のチート生姜炒めは、それをさらに生姜の風味で食べやすくしているので、ほとんどの人が喜んでくれる料理になっているのでした。

 3品目は、私の大好物、ホルモン炒め(600円)の登場です。これは、生の豚腸を、強い火力で一気に炒めて味付けをした品。もつ焼き屋などで出される豚腸(シロ)は、下ゆでした状態で入荷されることが多く、生の腸を食べる機会はあまりありません。生腸ならではの独特の弾力感が、この料理の決め手です。

 そして最後(4品目)は、なんといってもパターン(600円)ですね。ゆで冷ました中華麺に、ニンニク醤油をからめてできるシンプルな料理ながら、そのニンニクの量が半端じゃない。この大量のニンニクを、中華包丁でパターン、パターンとつぶして作るまかない料理だから“パターン”という名前になったというくらい、ニンニクとは切っても切れない冷麺なのです。

 これくらいニンニクが効いていると、最後の〆としてはもちろんのこと、お酒のつまみとしてもいけます。

 パターンを注文すると、一緒に出してくれるスープは、鶏と豚と野菜だけをじっくりと煮込んで作った、創業当時から変わらぬ「第一亭」自慢の一品です。たっぷりの野菜から出てきた、自然な甘みがうれしいですね。

 1時間ほどの滞在。お勘定は4,800円(ひとりあたり1,200円)でした。どうもごちそうさま。

 「第一亭」をあとに、JR桜木町の駅に向かいつつ、最後にもう1軒と、4人で入ったのは「日の出理容院」。ここは、「日の出理容院」という名前の古い散髪屋を、そのまま隠れ家風のバーに改装した、野毛でも人気のバーなのです。

 今日も大勢のお客さんたちでにぎわっていますが、入口左手に1卓だけあるテーブル席が空いていて、4人でそこを囲み、角ハイボール(600円)をもらって野毛の夜を締めくくったのでした。

 野毛を出て、日付けが変わるころに鷺ノ宮の居酒屋「満月」に到着。それに合わせて博多ラーメン「ばりこて」(都立家政)から、地元の酒友である、ふぢもとさんや直ちゃん、SaltyDogさんが移動してきてくれて、さらにはお店を終えたたっつんさんも来てくれて、ワイワイと過ごすうちに、自宅に帰りついたのは午前3時でした。はぁ~、よく飲んだ。

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「第一亭」しじみ正油漬 / チート生姜炒め / ホルモン炒め

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パターンのスープ / 「日の出理容院」 / 「満月」

・「第一亭」の店情報前回

《平成24(2012)年1月27日(金)の記録》

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三杯屋の奇跡、舞台に … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)

おばちゃん、五大路子さんと


横浜・野毛。
昭和の名残も、港の気配も残り少なくなったこの街に、
昭和21年から姿を変えず続いている、わずか七坪の居酒屋・武蔵屋。
看板もなく、肴は定番、出される酒も櫻正宗をコップに三杯まで。
それでも、その店は、いつも満員の客のにぎわいに満ちている。
なぜなら、そこには、
厳しくて優しい人と不思議なネコが待っているから……。

 横浜夢座公演情報に、そう書かれています。野毛の「武蔵屋」が、このたび舞台劇『野毛武蔵屋 三杯屋の奇跡』として公演されることになったのです。

 おばちゃんこと、2代目店主・木村喜久代さんを演じるのは、横浜夢座を主宰する女優・五大路子さん。

 公演は今週末、3月2日(金)から7日(水)までの6日間で、2日(金)、3日(土)、5日(月)は1日2公演ずつ行われるので、合計9公演が予定されています。千秋楽(7日(水))には、おばちゃんも舞台に招いて、90歳の誕生日をお祝いする予定というのも嬉しいではありませんか。

 場所はみなとみらいのランドマークプラザ5階にある「ランドマークホール」。チケットは前売りならば一般5千円、学生は3千円。当日券はそれぞれ500円アップです。詳しくは公演情報をご確認ください。

 横浜での仕事を終えて、久しぶりにやってきた「武蔵屋」は、金曜日の午後6時過ぎということもあるのか、店の外に5人ほどの行列ができている状態。私もその後ろに並んで、席が空くのを待っていると、行列の先頭2人はすぐに店内へ。

 私のすぐ後ろにも人が並んだと思ったら、なんと「東京自由人日記」の小西さん、「疲れない日記」のビリーさん、そしてその酒友のMさん(女性)の3人。3人は5時ごろ「武蔵屋」に来たんだけど、すでに満員で入れず、先に「福田フライ」に寄ってから再挑戦されたんだそうです。

 ちょっと待っていると席が空き、座敷の4人卓に一緒に座ることができました。

 入口近くのテーブル席には、あでやかな和服姿の美人がひとり。この方がおばちゃん役の五大路子さんでした。

 1杯目の桜正宗の燗酒とともに出されるのは、いつもと変わらぬ玉ネギの酢漬けに、おから。お客が入ってから作られるタラ豆腐は、少し遅れて出されます。基本的に作り置きで出される「武蔵屋」の定番メニュー5品の中で、唯一、その場で調理して出してくれるのが、このタラ豆腐。今のような冬場は、このタラ豆腐の温かさが染み渡ります。

 今宵もやっぱり小さいおばさん(妹の富久子さん)の姿は見えません。おばちゃんに聞いてみると、お元気はお元気なんだけど、ひざの調子が悪くて立ち仕事はできないんだそうです。おばちゃんがもうすぐ90歳といういことは、二つ違いの妹さんも米寿を迎えるんですね。

 2杯目の桜正宗には納豆。なんでもない納豆なんだけど、「武蔵屋」の納豆は美味しく感じるんですよねぇ。そもそも桜正宗だって、ここ「武蔵屋」で飲むと美味しくて仕方がない。店の雰囲気のなせる技なのでしょうか。まさに『三杯屋の奇跡』かもね。

 午後7時ごろに、最初からいたお客さんたちが帰りはじめ、店内にも空席が出てきました。座敷席に空席ができると、「武蔵屋」に住みついている猫のクロが入ってきて、座布団の上でクルリと丸くなります。なぜわかるのかが不思議なのですが、いつもそう。そして、新たなお客が座敷に通されると、とても残念そうに起き上がって一時退避するのです。

Sc20201_title29 この猫と初めて会った頃は、本当にちっちゃくてかわいい子猫だったのに、あれから7年。今やもう、まるで家主の風格。なにしろ『野毛武蔵屋 三杯屋の奇跡』のポスターにも描かれているほどですもんね。

 3杯目と一緒に出される肴(さかな)はお新香。キュウリ、カブ、青菜の糠漬けやタクアンをそれぞれ2切れずつほど、小さなお皿に盛り合わせてくれます。

 昔は3杯の酒で、ちょうどよく5品の肴を食べきるのが難しくて、いつも料理が余り気味でした。年とともに、お酒をゆっくりと飲むことができるようになったのか、それとも自分の中に「武蔵屋」のペースができあがってきたのか、ちょうど3杯で5品を食べ終えることができるようになりました。

 そろそろ五大さんたちが引き上げるというので、「すみません」とお願いして、一緒に写真を撮らせていただいたのが冒頭の写真です。おばちゃんも一緒に入ってくれて、記念に残る1枚となりました。

 3杯を飲み終えて、最後におばちゃんから1杯と、ちょっと大ぶりのお猪口に桜正宗を注いでくれました。それをキューッと飲み干して、お勘定はひとり2,200円ずつ。

 やっぱり「武蔵屋」はいいなぁ。『野毛武蔵屋 三杯屋の奇跡』も見に行きたいなぁ。

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おからと玉ねぎ酢漬け / たら豆腐 / おばちゃんから衣かつぎ

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2杯目には納豆 / 3杯目はお新香 / おばちゃんからもう1杯

店情報前回

《平成24(2012)年1月27日(金)の記録》

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蒸して焼くのが骨付焼 … 活魚・やき鳥「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)

骨付焼を焼く店主


前編からの続き)

 骨付焼(ほねつきやき)も、呉の“とり屋”の名物料理のひとつ。親鶏(おやどり)のもも肉を、骨付きのまま焼いたもので、たれ焼きと塩焼きが選べて、それぞれ1本600円。メニューには「たれ焼は柔らかく、旨みをぎゅっとひきだし、塩焼は親鶏ならではの味わいと歯ごたえを楽しめます」と書かれています。

 「たれ焼きと塩焼きは、違うものなんですか?」と確認してみると、たれ焼きが蒸して柔らかくしたもも肉にタレをつけて焼き上げるのに対して、塩焼きは生のもも肉をそのまま焼いていくんだそうです。なるほど。

 たれ焼きは、歯が立ちにくいほど硬い親鶏のもも肉を、なんとか食べやすくするための工夫が入ってるんですね。この焼き方もまた「本家鳥好」で独自に考案したものなんだそうです。今日はそのたれ焼きのほうをいただいてみることにしました。

 たれ焼きの骨付焼は、すでに蒸し終わっていて火が通った状態なので、焼き台での調理はあっという間。ほとんど待つこともなく骨付焼が出てきました。

 おぉ。確かにこれは食べやすい。とても柔らかくて、骨からの身ばなれもいい。それでいて親鶏ならではのうまみも、肉の中にきっちりと閉じ込められています。タレがからまった表面の皮の部分もいいですねぇ!

 次回は、しっかりと硬い、塩焼きのほうもぜひ試してみたいと思います。

 ささみ天ぷら(400円)も、呉の“とり屋”では当たり前のメニューだけど、他の土地では見かけない料理のひとつ。中通4丁目の「利根」が元祖と言われています。その「利根」では、ささみを丸ごと天ぷらにして、三杯酢をかけて出されますが、ここ「本家鳥好」では一口大に切ったささみを天ぷらにし、天つゆでいただきます。

 そして最後の締めに注文したのは“やきめし”(500円)。

 “やきめし”もまた、なぜか呉ではよく見かける料理です。呉のどこの“とり屋”に行ってもメニューに載ってるし、普通の食堂や喫茶店にもあるし、昔住んでた独身寮のスナックのメニューにもありました。炒飯(チャーハン)じゃなくて、あくまでも“やきめし”であるところがポイントなんですよね。もしかすると隠れた呉の名物なんじゃないかとも思えるほど。でも、呉だけじゃなく、広島や大阪など、もっと広くの鉄板文化圏(?)に共通する料理なのかもしれませんね。

 鶏の油でジャージャーと炒めてできあがる、「本家鳥好」の“やきめし”は、具も玉ネギとネギだけと、ものすごくシンプル。ギトッとするほど油が多いように見えるんだけど、実際に食べてみると、そうでもないというのもおもしろい。これが鶏油の特徴なのでしょうか。玉ネギの自然な甘みもいいなぁ。

 この“やきめし”にウスターソースをたっぷりとかけて食べるのも、昔からの呉っ子の流儀なんだそうですよ!

 「本家鳥好」の〆のメニューは、この“やきめし”の他に、オムライス(800円)、おじや(500円)、そして白飯の小(150円)と大(200円)と少数精鋭。オムライスやおじやも人気が高いそうです。

 同じ“とり屋”でも、たとえば「三とり本通店」には、親子丼(630円)、かつ丼(800円)、天丼(800円)や、おむすび(2個300円)、お茶づけ(420円)まであるし、「鳥八茶屋」ではなんと、にぎり鮨(1,240円)も出してくれます。

 閉店時刻(午後10時)まで、じっくりと3時間半も腰を据えて、大瓶ビール(600円)1本と燗酒(450円)4本でのお勘定は4,800円でした。

 うぅ~、よく食べた、よく飲んだ。どうもごちそうさま!

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骨付焼(たれ焼き) / ささみ天ぷら / やきめし

店情報前回

《平成24(2012)年1月26日(木)の記録》

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釣りメバルを活造りで … 活魚・やき鳥「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)

活メバルの造り


 「本家鳥好」の二大看板メニューは活魚と焼き鳥。今日はその活魚をいただきます。

 店内の生け簀(いけす)で泳いでいる魚は、すべて店主・上瀬弘和(かみせ・ひろかず)さん(74才)がご自身で船を出して釣ってきたもの。今日の生け簀はメバルとアジが多いのかな。私はメバルを造ってもらうことにします。

 店内のメニューでは、焼き鳥類はすべて値段明記なのですが、活魚はそうはいきません。アジ(春~夏~秋)は1匹1,500円からで造り、たたき、塩焼き、天ぷら、フライなどで。メバル(秋~冬~春)は1匹800円からで造り、煮物、唐揚げなどで、という表記。すべて倉橋・鹿島沖で獲れた天然ものなので、大きさもまちまちなのです。

 メバルは注文を受けてから生け簀からすくいとり、その場でお造り(刺身)にしてくれます。

 魚の刺身については「とれたその場で活け締め(いけじめ)して、しばらく寝かして旨味を出してから食べたほうがうまい」というようなことがよく言われますが、エサが違うのか、瀬戸内海の地魚は味が濃厚。寝かさなくても大丈夫というか、寝かさないほうが美味しいかもしれません。

「とれてすぐよりも、生け簀で2~3日泳がして、余分な脂が抜けたくらいのときが一番うまいんじゃ」と店主。

 ここの店主は、とにかくアイデアマンで工夫(くふう)好き。前回も書いたとおり、上下から一気に焼き上げる独自の焼き台も、今から50年ほど前に「なんとか早く、確実に焼ける方法はないか」と工夫して作り上げたものなのです。

 この工夫好きは釣りの面でも十分に発揮されていて、自分の船で沿岸のあちこちを移動しながら、島の周りがどういう潮の流れになっているのか。どういう潮の状態のときに、どこに、どんな魚が集まるのか、といったようなことをご自身で一所懸命調べて、やっと今のようなメバルやアジが釣れるようになったんだそうです。

 野菜についても同様で、畑の状態から始まって、種のまき方、育て方、収穫の時期などを、いろいろと試行錯誤で工夫して、自分でもおいしいと思えるような野菜が収穫できるようになり、今では近隣の農家の人から逆に相談されるほど。

 メバルの刺身の下に敷かれている大根のツマも、ご自身が育てた大根とのこと。刺身もツマもおいしくて、すっかりすべてを完食です。

 さて、今でこそ活魚と焼き鳥が二大看板の呉の“とり屋”ですが、元はと言えば普通の焼き鳥屋。最初から活魚があったわけではありません。

 もともと呉では、魚は自宅でさばいて食べるもの。高級な料亭などはいざ知らず、大衆的な飲食店で調理して出してもらうようなものではありませんでした。

 うちの田舎(松山市の端っこのほう)もそんな感じだったので、呉に限らず、瀬戸内海沿岸の町では、魚は自宅で食べるもの、というのは当たり前だったのかもしれませんね。

 その概念をコロッと覆(くつがえ)したのが、昭和50年代に呉にも進出してきた「養老乃瀧(ようろうのたき)」をはじめとする大衆居酒屋チェーンでした。そこが地魚がたくさん獲れる呉であることなんかおかまいなしに、東京や大阪などと同じような魚のメニューを展開します。

 これに喜んだのが呉の呑兵衛たち。もともと魚は好きなので、居酒屋チェーンの魚メニューも大人気になりました。

「えぇ~~っ? 外食(料理屋)でも、魚料理は売れるんだ!」

 目からウロコが落ちるとはまさにこのこと。それに気がついた呉の焼き鳥屋のほとんどの店主は、瀬戸内海の地魚の宝庫・鹿島の出身。島に戻れば魚なんて、文字どおり売るほどあります。

 そこで鹿島出身の店主のひとりが、生け簀のついたトラックで、鹿島から生きたままの魚を運び、店内の生け簀で活魚としてお客に出し始めました。そのやり方が大ヒットし、他の焼き鳥屋にも次々に伝搬。最終的に今の“とり屋”のように「呉の焼き鳥屋には生け簀があって活魚も食べられる」という状態になったんだそうです。

「生け簀を入れたんは、うちが最後じゃなかったかのぉ。その代わり、全部、自分で釣ってきた魚を入れるようにしたんじゃ。魚みたいに生で出すもんは、なるべく人手を介さんほうがええけえのぉ。」

 焼き鳥や、味噌炊き、スープ豆腐など、呉の“とり屋”のほとんどの品は、ここ「鳥好本店」が元祖ですが、生け簀についてはそうではなかったんですね。

後編に続く)

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「本家鳥好」 / 店内の生け簀 / 水龍の燗酒

店情報前回

《平成24(2012)年1月26日(木)の記録》

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〔コラム〕 四国にわたって、うどん三昧

「亀城庵」かけうどん


 週明けに香川県での仕事があるので、そのついでに土曜日のうちに松山の実家へと向かいます。

 呉と松山は、瀬戸内海を挟んでちょうど対岸という位置関係。音戸の瀬戸を経由して、フェリーなら2時間、スーパージェットという、ウォータージェット推進で時速30ノット(56km)以上のスピードで走る双胴高速船なら1時間という近さです。航路長だと50km弱、直線距離だと40kmほどといったところ。私はいつも、フェリーでの~んびりとくつろぎながら渡ります。

 この航路、広島に本社を置く瀬戸内海汽船と、松山に本社を置く石崎汽船の2社で共同運航しています。そのうち、瀬戸内海汽船が運航しているのフェリーでは、船内でうどんやおでん、おむすびなどの軽食もを販売していて、そのうどんを食べるのが私のフェリー乗船時の恒例行事(?)なのです。

 以前、同じ愛媛県出身の定食評論家・今柊二さんと対談させていただいたとき(そのときの記事)に、

『四国に住む我われは、橋が架かる前は、どこに行くにもフェリーに乗らないといけなかった。そのフェリーの中でうどんを食べながら、四国から出て行くんだなぁとか、四国に帰るんだなぁという実感がわいていた。だから四国人にとってフェリーのうどんは、お腹がすいてるから食べる、なんてもんじゃなくて、通過儀礼として絶対に食べないといけないものだったのだ』

 なんて話をして、大いに盛り上がったことがありました。私にとってフェリーのうどんは、それくらい『食べなきゃならないもの』なのです。

120121y 船内でいただく“かけうどんセット”は、かけうどん(400円、ペットボトルのお水付き)と、おむすび2個(250円)がセットになって、割安(15%引き)の550円。すぐに作れる冷凍うどんのようなんだけど、フェリーの中で食べると、とても美味しく感じるんだな。

120122y 実家に帰って、たくさん飲んだ翌朝、日曜日の朝食は鍋焼きうどんです。飲んだ翌朝に食べる熱々のうどんは、まさに胃袋に染み渡る感じがしていいんですよねぇ。私がうどんなどの麺類が好きなので、実家の冷凍庫にも何個かの冷凍うどんが常にストックされているのです。裏庭の畑にできてる野菜を、すぐに具材として使うことができるのが、田舎ならではの良さですね。

120123y 開けて月曜日は、JR四国の電車で香川県の坂出駅まで移動。坂出駅構内のうどん屋「亀城庵」で、かけうどん(350円)と、ちくわの天ぷら(200円)を注文。

 駅の構内にある、こんなに値段が安いうどん屋なのに、立ち食いではなくて、ゆったりと広めのテーブルに座っていただきます。しかもうどんはすべて、注文を受けてから茹で上げるというのが、さすが、うどん県・香川県ですね。麺のうまさもさることながら、よく出汁(だし)の出た汁(つゆ)のうまさにびっくりです。

 ちくわの天ぷら(200円)は、売り切れ御免の、本日のスペシャルメニュー。地元の有名な練りもの屋さんのちくわを天ぷらにしてるんだそうで、通し揚げの、揚げたて熱々で出してくれました。ちなみに通常メニューのちくわ天もあって、そちらは100円です。

 二日間の香川県での仕事を終えて、火曜日の夕方、JR瀬戸大橋線で岡山駅に出て、新幹線で広島を経由して呉へと戻ります。

 宇高国道フェリーで1時間かかる瀬戸内海を、快速マリンライナーは15分ほどで渡り切ります。岡山から広島までは、のぞみでたった36分で着いてしまうのに、広島から呉までが41分かかってしまうのがつらいなぁ。

120124y 今回の、うどん旅を締めくくるべく、呉に到着した後、市内のそば処「平原(ひらはら)」で、“親子丼とうどんのセット”(550円)。

 普通に“かけうどん”(250円)をもらって締めてもよかったんだけど、この店に来ると、ついつい充実のセットメニューに引かれてしまうんですよね。

 ちなみに単品の親子丼は450円でみそ汁が付きます。セットメニューになると、100円高くなって、みそ汁の代わりに、かけうどんが付きます。この単品とセットの値段の関係は、カツ丼(500円)や天丼(500円)などの場合も同じです。

 親子丼とうどんで思いっきり満腹になって、三泊四日のうどん旅を終えたのでした。

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呉のとり屋の定番料理 … 活魚・やき鳥「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)

おまかせ串盛


 呉の“とり屋”は、店内に生け簀(いけす)があって、瀬戸内海の地魚が食べられることでも知られていますが、元の起こりは純然たる焼き鳥屋。今日は、呉の“とり屋”で創業のころから脈々と受け継がれてきている、伝統の定番料理を味わおうということで、またまた“とり屋”の元祖、昭和26(1951)年創業の「本家鳥好」にやってきました。

 そして今日もやっぱり、席に着くよりも前に、コートを脱ぎながら「瓶ビールと味噌!」と注文。“味噌”というのは、鶏の皮をみそ味のスープで煮込んだ“味噌炊き”(300円)のこと。これがまず第1番目の定番料理です。

 店頭の手書き看板にも、『みそだき発祥の店だから、手間ひまかけて仕込む、変わらぬ味が楽しめる』と書かれています。鶏の皮を、水で煮てから串に刺し、それからさらにみそ味のスープで煮込んでいく。これが元々の、呉の“とり屋”の味噌炊きのスタイルです。

「店に入ってきて、まず飲み物と一緒に味噌炊きをたのむ。すぐに出せるし、串に刺してあるんで、箸がなくてもパッと食べられる。それが味噌炊きのええとこなんよの」

 ここ「本家鳥好」では、これまた創業当時からの決まりごととして、お通しは出しません。『客が注文してないもんは勝手に出さん』というのも、創業のときから貫かれているこの店のポリシーです。そのお通しにかわるものとして、注文すればサッと出てくる味噌炊きが人気を集めたのです。

 ちなみに私は瓶ビールが好きなので、瓶ビールと共に味噌炊きを注文しますが、呉の呑兵衛さんたちは生ビールを好むようで、店に入ってくるなり「生と味噌!」という、たった5音の注文の声をよく耳にします。

 当然のことながら“焼き鳥”もまた、創業のときから変わらぬ定番商品。この店の看板にも、店名の横に『やき鳥の元祖』と書き添えられています。

 その焼き鳥、串類は1人前2本で300円。串焼(ねぎま)、きも(鶏レバ)、もつ(玉ひも)、すなずり(砂肝)、つくね、せせり(首肉)、かわ(鶏皮)、ささみの8種類があります。この中で、串焼、せせり、かわ、ささみの4種類は、たれ焼きか、塩焼きかということも選べます。

 呉ならではの焼き鳥(じゃないかと私が思っているもの)として、串カツや串天があります。これは串焼き用の“ねぎま”に衣をつけて、それぞれカツにしたものと、天ぷらにしたもののことで、メニューの中では“焼き鳥”の並びに入っていて、値段も焼き鳥と同じく1人前2本で300円なのです。

 中でも串カツは、呉の呑兵衛のみならず、よその土地から来た人たちにも好まれる、人気の品。できたて熱々のところへ、ウスターソースをたっぷりとかけていただきます。

 ひとりでなるべく多くの種類の焼き鳥を食べたいときには、“おまかせ串盛”がおすすめ。1人前6本が800円と、値段的にもちょっとお得(1本あたり133円)で、串焼、きも、もつ、すなずり、つくねに、最後の1本はもしかすると“はつ”(鶏の心臓)じゃない?! これはうれしい。鶏ハツは私の大好物。この店の焼き鳥メニューを見ながら「ハツがないなぁ」と思ってたところだったのです。

 もうひとつ、おもしろいのは“つくね”です。6本のうち、このつくねだけが、焼いたのではなくて、フライヤーで揚げたもの。なぜつくねだけ揚げ物にしたのか。その理由は、この店の焼き台にあります。

 この焼き台も、実は店主・上瀬弘和さんが若かりし頃(昭和35年頃)に独自に考案したもの。ガス式の焼き台なのですが、下からの火のみならず、上にも火があって、両面から一気に短時間で焼き上げることができるのです。

 普通の肉はこの焼き台を使うことで美味しく焼けるのですが、つくねの場合はこの高火力が災いして、表面がいい感じで焼けても、中がレアみたいなことになってしまうんだそうです。逆に中まで火を通そうとすると、表面は焦げ焦げになってしまう。そこで、つくねだけはフライヤーを使って揚げることで、焦がさずに、中までじっくりと火を通すことができるようになったのでした。表面のカリッとした食感もいいですね。

 3品めとして注文したのは、これまた創業当時からずっと変わらず続いている人気メニュー、スープ豆腐(400円)です。

 ひとり用のアルミ鍋に鶏がらスープを沸かして、そこに大きめに切った豆腐を入れ、醤油で軽く味をつけて、長めに切ったネギを数本浮かせたらできあがり。言ってみれば、鶏がらスープで作った湯豆腐といった感じの簡単な料理なのですが、これがまたいい酒の肴になるんだなぁ。

 すでにご紹介したとおり、呉の“とり屋”では昔から、焼き鳥と並んで、串カツや串天などの揚げ物もメニューに並んでいました。この揚げ物に使っていた油が“鶏油”。この鶏油を取った後の鶏がらスープを、なんとか有効利用できないかと考えだされたのが、スープ豆腐だったのです。

 味噌炊きも、スープ豆腐も、店主・上瀬弘和さんや、その先人たちの努力が生んだ名物料理だったんですね。

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味噌炊き / 店主考案の焼き台 / スープ豆腐

店情報前回

《平成24(2012)年1月20日(金)の記録》

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デベラを肴に飲んだ後 … バー「アンカー(ANCHOR)」(呉)

デベラ


 新年のごあいさつに、独身寮時代の寮長のご自宅へうかがったところ、いろいろな料理の後、日本酒のつまみにデベラとカエリを出してくれました。

 デベラは瀬戸内の、特に広島の名産物で、出平鰈(でべらかれい)を略した呼び方。カリンカリンに干したものを、金槌(かなづち)や木槌(きづち)、ない場合は包丁の柄などでガンガン叩いて、ちょっと炙り、好みで醤油をつけたりしながらいただきます。

 カエリは前にも書いたとおり、小さなイリコのこと。カタクチイワシはその成長に従って、チリメン→カエリ→イリコと呼ばれるようになっていきます。

 チリメンのときは、どっちかというと薬味というか、そういう食べ方をすることが多いですよね。冷奴にかけたり、おにぎりにしたり、チャーハンの具にしたり。味わいが強いので、おいしいんですよね。

 イリコまでの大きさになると、これはダシとして使われることが多くなる。

 カエリというのは、ちょうどそのまま食べておいしい、いい酒の肴になる大きさなんですよね。これもちょっと炒って食べるとよりおいしい。

 イリコよりも大きくなると、脂がのりすぎていて、昔は捨てるしかなかったらしいのです。それではもったいないので、なんとかこれをおいしく食べようと工夫した結果、生まれたのが、小イワシの刺身、小イワシの天ぷらといった、小イワシ料理なんだそうです。小イワシのおいしさを知っちゃった今となっては、昔、捨ててたってことのほうが「えっ!?」て感じですよね。

 最後はお茶漬けをいただいたのですが、それと一緒に出してくれた漬物がすばらしくうまい。聞けば、自分で育てた野菜を、自分で漬けたんだそうです。う~ん。〆のお茶漬けなのですが、この漬物でお酒が飲みたいっ!

 ちらりと新年のごあいさつをさせていただくつもりが、すっかり長居してしまい、帰途についたのは午後10時過ぎ。このまままっすぐ帰ればいいものを、やっぱり途中で引っかかっちゃいますねぇ。単身赴任社宅近くの「BAR ANCHOR(アンカー)」です。

 ずっと日本酒をいただいていたので、ここではガッツリとTHE MACALLAN(ザ・マッカラン)18年をストレートでもらい、さらにはGORDONジンで作るマティーニをクイッといただいて、今日1日を締めくくったのでした。

 やぁ、今日もよく飲んだ1日でした。

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炙ってほぐしたデベラ / カエリ / 自家製漬物でお茶漬け

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「アンカー」ザ・マッカラン18年 / 本日のチャーム(お通し) / マティーニ

店情報前回

《平成24(2012)年1月7日(土)の記録》

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とり屋創業の真相は?! … 活魚・やき鳥「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)

店主・上瀬弘和さん(右)と息子の正智さん


「わしゃ、商売人じゃのうて職人じゃけえのぉ。上手は言えんけど、きっちりとええもんを出していくしかないと思おとるんじゃ」

 無口な店主、上瀬弘和(かみせ・ひろかず)さんが、焼き鳥を焼きながらボソボソと話してくれます。この店に何度も通ってくるうちに、やっと少しずつお話を聞かせていただけるようになってきたのです。

 年明け初の金曜日、呉での今年初の外飲みとなる今日は、呉の焼き鳥屋の元祖、昭和26(1951)年創業の「本家鳥好」にやってきました。

 コートを脱ぎつつ、席につくよりも先に「瓶ビールと、みそ!」と注文すると、席につくころにはその両者がスタンバイされています。「みそ」というのは味噌炊き。鶏の皮のみそ煮のことです。

 店が創業した頃は、まだ戦後の復興期の真っ最中。鶏だって、今のようにブロイラーがあったりするわけではなく、卵を産まなくなった親鶏などが主役だったんだそうです。その親鶏の硬い皮を、なんとか捨てずに食べられる方法はないかと試行錯誤して生まれたのが、この味噌炊き。

 鶏の皮を水炊きにして残っている毛をきれいに取って串に刺し、それを味噌で味付けたスープでグツグツと煮込みます。この味噌炊きも、ここ「本家鳥好」が元祖。のれん分けして他の焼き鳥屋にも広がっていく過程で、串に刺さずにばらのまま煮込む店や、コンニャクを具材に加えたり、さらに根菜類も加える店が出てきたりと、首都圏のもつ煮込みと同じような進化を遂げてきたのです。

 呉の焼き鳥屋の始まりについては諸説あって、月刊「くれえばん」2002年10月号の特集『実を言うと呉市はやき鳥シティだったのだ』によると倉橋・室尾(むろお)の長尾一良(ながお・かずよし)さんが、過去の中国新聞の記事では倉橋・鹿島の上瀬稔(かみせ・みのる)さんが、それぞれその始まりとされていて、なにやら食い違いがあるのです。そのあたりを「本家鳥好」店主の弘和さんに確認してみました。

「この店を始めたのは長尾さんよ。稔さんはその一番弟子じゃったんじゃ。わしが二番弟子よの」と弘和さん。

 大阪で働いていた長尾さんが、戦後、地元に戻ってきて開いたのが、ここ「本家鳥好」(開店当時は単純に「鳥好」という店名)だったのだそうです。そこに一番弟子として入ったのが鹿島出身の稔さんだったのでした。

 現在の店主、弘和さんも鹿島の人で、「鳥好」が創業したころにはまだ学生でした。学校を卒業して、呉の造船所(現在私が働いている会社)の入社試験を受けに出てきたところ、入社試験の日程が変更になっていて、受験することができなくなったんだそうです。困った弘和さんが、親戚のつてで入ったのが「鳥好」だったのでした。

「もしかしたら、あんたの先輩になっとったかもしれんのぉ」と笑う弘和さん。

「でも、そうなってたら、呉の焼き鳥屋の歴史が変わってたかもしれませんね。」

「ほうじゃのぉ。おもしろいもんじゃのぉ。」

 そんなわけで、弘和さんがここに入った時には、すでに「鳥好」は開業していたので、正確な開業日はよくわからないんだそうです。

「公式な書類(商工会議所の登録票)で、いちばん古い記録が残っとるんが昭和26年10月なんで、そこを創業の日としとるですよ。間違いなく、その時には開いてたということでね。もしかすると、それより1~2年前にできとるかもしれんのです」と聞かせてくれるのは弘和さんの息子さんの上瀬正智(かみせ・まさとし)さん。なるほど、それで開店の時期が、「呉うまいもん」(毎日新聞呉支局編、昭和49年発行)では昭和25年、先ほどの中国新聞の記事では昭和27年となってたりするんですね。

 その「鳥好」の焼き鳥が大好評で、朝から晩まで大忙し。店の前には行列ができ、1日に千本近い焼き鳥が売れたんだそうです。

 そこで一番弟子だった稔さんが近くに「第二鳥好」を開店。

 お子さんのいなかった長尾さんの「鳥好」は、その後、二番弟子だった弘和さんが、二代目店主として引き継ぐことになったのでした。そのとき弘和さんは若干23歳の青年。それ以来今日まで51年間にわたって、店主としてこの店を引っ張ってきたのです。

 その後、弘和さんのおねえさんのご主人(姉婿)も鹿島から出てきて、「鳥好」で修業して独立。それが「第三鳥好」で、のちに「三とり」と改名します。この「第三鳥好」には評判の美人三姉妹がいて、お父さん(弘和さんの姉婿)は長女夫婦に店を譲って、その店を「第一三とり」とし、自らは新たに「第二三とり」を開店して、そちらに移りました。この「第二三とり」を結果的に三女が継ぐようになり、会社勤めをしていた次女の上瀬きよかさんも、後にご自身で「三とり本通店」を開店してと、「三とり」の歴史ができていくことになるのでした。

 だから、「三とり本通店」の女将・きよかさんは、「本家鳥好」の店主・弘和さんのことを今も“叔父(おじ)さん”と呼んでいます。ちなみに眼鏡橋交差点近くの「三とり支店」は、「三とり」で修業した人が独立して開いたお店だそうです。

 「第二鳥好」の稔さんは、その後、「第二鳥好」を弟さんに譲って、ご自身は広島に進出します。こうして、呉以外の土地への、呉の“とり屋”の進出もはじまっていったのです。(「第二鳥好」は、残念ながら稔さんの弟さんの代で閉店し、現在は「竜之介」として営業しています。)

 こうやってどんどん大きく広がっていく“とり屋”は、鹿島の若者にとってもあこがれの的で、かっこうの就職先になり、『“とり屋”と言えば、鹿島の上瀬さん』という図式が確立されていったのでした。

 そんな呉の“とり屋”ですが、初期のころはどの店も普通の焼き鳥屋だったのです。その店に生け簀(いけす)や地魚の活魚が入ってきたきっかけについては、また次の機会にご紹介させていただきたいと思います。

 大瓶ビール(キリン600円)と味噌炊き(300円)のあとは、吉浦の地酒「水龍」の本醸造(500円)に切り替えて、つまみは牡蠣鍋(800円)。この牡蠣鍋、鶏スープで牡蠣を煮込んで、味噌で味付けされるので、鍋の中で鶏のうまみと牡蠣のうまみと味噌のうまみが合体し、なんとも言えぬいい味わいを作り出してくれるのです。

 午後7時過ぎから、閉店時刻の午後10時前まで、3時間近くいろんなお話を聞かせてもらいながら楽しんで、今日のお勘定は2,200円でした。どうもごちそうさま。

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まずは味噌炊きとビール / 牡蠣鍋 / 水龍・本醸造

店情報前回

《平成24(2012)年1月6日(金)の記録》

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〔コラム〕 年末年始8日連続で1日1麺

111229y 12月29日、1週間の年末年始休暇は、広島駅在来線1番ホームの「駅うどん」で食べる天ぷらうどん(340円)から始まった。

 その昔、寝台特急「あさかぜ」で東京から呉へと移動していたときは、朝7時に広島駅に到着するなり、ここの天ぷらうどんを食べるのが楽しみだったなぁ。うどんの汁は、首都圏と西日本エリアではまったく違う。四国出身の私にとって、ここのうどんは、むかし懐かしの味に近いのである。

111230y 2日目、12月30日は「竹よし」の納会の後に、博多ラーメン「ばりこて」で半ラーメン。同じ博多系のラーメンでも、「御天」の長浜ラーメンは、本物のとんこつラーメン好き以外は寄せ付けないほどの強烈なとんこつ臭があるが、それに比べるとここ「ばりこて」は、万人に愛されるとんこつスープだろう。

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 3日目、12月31日は自宅でゆっくりとくつろぎつつ遅めの午後に年越しそば。さらに夜、テレビを見ながら年越しうどん(鍋焼きうどん)も作ってもらった。そばとうどんのダブル年越し麺で、長く長く達者に暮らせることを祈りつつ、平成23年を終えたのであった。

120101y 新年あけて元日が、1週間の年末年始休暇のなか日となる4日目。すでに書いたとおり、阿佐ヶ谷「川名」での新年会から、中野の「おかやん」、「豊海」、そして高円寺の「旁」と回って、最後に中州屋台長浜ラーメン「健太」でさらに飲んだ後、長浜ラーメン(600円)で〆。ここのラーメンもまた、あまりクセのない、食べやすい系のとんこつラーメンである。

120102y 5日目の1月2日は、野方は「さぬき亭」で、手打ちの讃岐麺を使った、具だくさんの焼きうどん(650円)。これはつまみとしていただいた。酒の肴としても、〆の一品としてもいけるメニューなのだ。

120103y 6日目(1月3日)は、下井草の「御天」でラーメン(650円)。麺のゆで具合は一番硬いほうから2番目の“ハリガネ”。「御天」のラーメンは、前述のとおり強烈なとんこつ臭。いつもは生ニンニクも投入して、さらに強烈さを加えていただくのだが、同行のにっきーさん、ふぢもとさんのお二人が明日からお仕事ということもあって、生ニンニクはなし。それでもやっぱり強烈なのである。

120104y 年末年始休暇の最終日(7日目)、1月4日は鯉とうなぎの「まるます家」(赤羽)で昼酒を飲んだ後、東京駅新幹線ホームの立ち食いそば屋「グル麺」で、たぬき玉そば(430円)。この甘辛いツユと、ちょっと溶いた生卵がよく合うんだな。そして新幹線で広島へ。

120105y 仕事始めの1月5日(通算8日目)。1週間の休暇明けで、まだ食材も買えていないので、今日の朝食はチキンラーメン。これもまた時どき食べたい味なのである。

 それにしても麺類は食べ飽きることがないなぁ。

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鯉と鰻で休みを終える … 鯉とうなぎの「まるます家」(赤羽)

うなぎ蒲焼き


 1週間の年末年始休暇も今日(1月4日)で終了。単身赴任先の呉(広島県)に戻るべく、昼過ぎに都内の自宅を出発します。夜までに着けばいいのに、こんなに早く自宅を出たのにはわけがある。今日から年明けの営業を開始した赤羽(あかばね)の「まるます家」で、一献傾けてから呉に向かおうと思っているのです。

 創業、昭和25(1950)年。朝の9時から開いている「まるます家」に到着したのは午後2時前。店内は満席で、入口を入ったところで4~5人が待っており、入口の外にも2~3人が並んでいる状態。さすが大人気店ですねぇ。みんな、年明けの営業開始を待ちわびてやってきたんだろうなぁ。私自身もそうなので、ここに集まっているみなさんの気持ちがよくわかります。

 もつ焼き「宇ち多゛」(京成立石)ほどの回転率ではないものの、ここ「まるます家」も比較的回転がいいお店なので、行列の後ろについてもそれほど長時間待つことはありません。今日も10分ほど待ったところで「次のおひとりのお客さ~ん、こちらへどうぞ」と声がかかって、ダブル「コ」の字カウンターのいちばん端っこの席に案内されます。(実は私の前にカップルが待っていたのですが、ひとつだけ席が空いたので、ひとり客が先に通されたのです。)

 飲み物は“かわいこちゃん”という符丁で呼ばれる「富久娘」(350円)を燗でお願いし、つまみには鯉のあらい(400円)と岩のり(300円)をもらいます。

 表の看板に「鯉とうなぎのまるます家」と大書されているとおり、この店では鯉と鰻が二大名物。鯉は群馬県内の特定の業者さんから仕入れているそうですが、この業者さんがものすごく研究熱心で、鯉のエサが残って水が濁ったりしないような工夫をしながら育ててくれているとのこと。「まるます家」の鯉のおいしさは、「きれいな水で育てた」というところにあるんですね。だから“あらい”じゃなくて、鯉の生刺(なまさし)(600円)でいただいても臭いが気にならないのです。他にも鯉こく(350円)や鯉のうま煮(750円)がメニューに並びます。

 小鉢にぽってりと出してくれる岩のりは、日本酒にぴったりの定番のつまみ。ここ「まるます家」はいつもお客さんが多い上に、料理のほとんどは注文を受けてからきっちりと作ってくれるので、待ち時間ができることがあります。そんなときに、岩のりなどのちょっとしたものを出してもらっておくと、それをチビチビとつつきつつ、飲みながら待つことができるのでした。

 岩のりと同じように、サッと出てきて、それを1品たのんでおくとチビチビ飲み続けられるつまみとして、とり皮ポンズ(350円)や明太子(400円)、かにみそ(350円)、ほや塩辛(500円)、自家製いか塩辛(350円)、もずく酢(400円)、韓国のり(250円)、おしんこ(350円)、カルシュウム(鰻の中骨、350円)などが用意されています。

 “かわいこちゃん”をおかわりして、次なるつまみは二大名物のもう一方、鰻を1,000円の蒲焼きでもらいます。鰻の蒲焼き・白焼きは800円、1,000円、1,200円、1,500円と4種類あって、それぞれ大きさが異なるのです。

 待つことしばし。大きな鰻の胴の部分が2切れ出てきました。つややかな照りが見るからに美味しそうではありませんか! そのとろけるように柔らかい身を、ひと箸つまみ、ポロリと取り落とすことのないように、口から迎えにいくようにしていただきます。ん~~~~。とろとろ。これはうまいっ! そして燗酒にもよく合うっ!

 拙著「さかなマニア」でもご紹介させていただいたとおり、この店のモットーは『良いものを安く』。特に鰻は、ほとんどサービス品と言ってもいいほど、仕入れにこだわった、いい品物を使っているんだそうです。

 蒲焼きを食べ終えても、岩のりもまだあるし、どじょうとじ(650円)も食べてみたいしするんだけれども、残念ながらここでタイムアップ。そろそろ東京駅に向かわなくてはなりません。

 残った岩のりをつまみに、2本目の燗酒を呑み干して1時間ほどの滞在は2,400円。「今年もよろしくお願いします」と渡してくれたお年賀のタオルを手に、店を後にしたのでした。

 鯉もうなぎも、美味しかったなぁ。さぁ、明日から仕事だ!

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「まるます家」 / 鯉のあらい / 岩のり

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《平成24(2012)年1月4日(水)の記録》

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飲んで飲んでラーメン … 長浜ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)

せん菜炒め


 正月三日は、朝から年賀状の整理をして、午後は湯島天神で受験生の息子の合格祈願。明日(4日)は呉(広島県)に向かわないといけないので、今日中にいろんなことを済ませなくては。

 そこへ、ピピッとメールは、地元の酒友・ふぢもとさんです。

にっきーさんがハオに来ましたよ~」

 ハオというのは、ふぢもとさんが毎日のように通い詰める、井荻(いおぎ)駅前の中華料理屋「好吃(はおちい)」のこと。一品料理の他に、麺類や丼物などもそろっていて、中華食堂風に食事のために利用する人も多い、大衆的なお店です。

 現在、時刻は午後2時過ぎ。ふぢもとさんの2011年通算233本めの紹興酒ボトルが空き、これから2012年第1本めのボトルに突入するんだというから驚きです。

 「ごめん。今、湯島天神にいるので後ほど」と返信。それにしても、元日、二日と一緒に呑んだのに、今日もまたお二人は一緒に呑んでるんですね。しかもこんな時間から! すっごぉ~いっ!

 ちょうど帰宅した頃合いで、「御天に移りました」というメールが入ります。なんと! 長浜ラーメンの「御天」も今日から新年の営業を開始するんですね。「すぐに向かいます」と返信して、西武新宿線・下井草駅の近くにある「御天」へと急ぎます。

 店に入ると、ドォ~ンとむせ返るような豚骨スープの強烈な香り。う~~ん、この香りが「御天」だ。豚骨好きにはたまらなくいい香りだし、豚骨嫌いにもこれまたたまらない悪臭でしょう。

(ちなみに「御天」で飲んで帰った日は、妻と大学生の娘は「クサッ!」と露骨に嫌な顔をし、高校生の息子は「おいしそう!」と目を輝かせます。)

 にっきーさん、ふぢもとさんのお二人は、店の奥右手のテーブル席で、シークワサーサワー(400円)を飲みながら待っていてくれました。厨房の社長に、年始のごあいさつをして席につき、私もシークワサーサワーをもらって乾杯です。お二人はともに、明日(4日)から仕事なので、今日はあまり遅くなれないとのこと。それでも待っていていただいて感謝感謝です。

 お二人とも、「好吃」でけっこう食べてきているものの、もうだいぶ前なので大丈夫とのことで、まずいただいた“せん菜(さい)炒め”(550円)は、“せん菜”という細いモヤシを、細く切ったチャーシューと一緒に炒めて、刻みネギをトッピングしたもの。ごく簡単なこの料理なのに、シャキシャキとした食感と、チャーシューから出てくる旨味がクセになる一品です。ここに来たら必ずと言っていいくらい、このせん菜炒めを注文しているのでした。

 ざく切りキャベツ(200円)は、学生時代を過ごした博多では、焼き鳥屋に行くとお通しのように出されていた品。柑橘系のタレで、焼き鳥の合いの手にもちょうどいいし、無料でおかわり自由という店が多かったのです。学生時代は、よくこのキャベツを食べたよなぁ。

 博多鉄鍋餃子は2人前が960円で、3人前なら1,400円。今日は2人前をいただきます。

 そして最後はやっぱり、ハリガネのラーメン(650円)で〆。ハリガネというのは麺のゆで加減のことで、この店では硬いほうから順に、粉おとし、ハリガネ、バリカタ、ノーマル、ヤワメン、バリヤワという6段階のゆで加減が選べます。ノーマルが、普通の店の「硬め」と同じくらいです。

 ここ「御天」では、通常はラーメンは700円なのですが、デフレを反映したのかメニューでは「ラーメン類は50円引き」とのことでした。「御天」の店情報には、50円引き後の価格を表記しています。

 明日からの仕事などにそなえて、午後9時前にはお開き。

 この年末年始休暇、にっきーさんとふぢもとさんをには毎日のようにお世話になり、本当にありがとうございました。今年もチョコチョコ帰京しますので、ぜひまたよろしくお願いいたします。

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ざく切りキャベツ / 博多鉄鍋餃子2人前 / ラーメン

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《平成24(2012)年1月3日(火)の記録》

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具だくさん焼きうどん … 手打ちうどん酒房「さぬき亭」(野方)ほか

具だくさん焼きうどん


 新年あけて二日は午後4時に、それぞれ近所の酒友であるにっきーさん、ふぢもとさんと高円寺駅改札前で待ち合わせ。昨日、一緒に飲んでいるときに「明日は高円寺の地ビール屋で飲もう!」と意気投合していたのです。

 待ち合わせ場所に向かっている途中、携帯電話にピピピとメール。「魚菜や」の女将さんからの新年のごあいさつです。「高円寺に飲みに向かっています」と返信したら、「せっかく家族のもとに帰っているのに、こっち(呉)にいるのと変わりませんね」って。

 3人で合流して向かった先は「高円寺麦酒工房」。地ビールを造る工房の傍らに飲食スペースを設置していて、そこでできたばかりの地ビールを飲むことができるんだそうです。店は住宅街の中にポツンとあり、またその「高円寺麦酒工房」自体も店らしくはなくて、ほとんどまわりの住宅と同化した建物なので、よく知らないと迷いそう。

 店に入った右手にカウンターがあり、そこでビールを注文して席で待つ仕組み。カウンターの中の壁には、ビールを注ぐためのコックがずらりと並び、その上に、今日飲めるビールの短冊メニューが8種類ほど並んでいます。

 そのうち地ビールのクリームエール、レッドエール、ブロンドエールの3種と、キリン製のラガー、ピルスナー、シュバルツの3種の合わせて6種はそれぞれジョッキで390円。地ビールのホワイトエールが540円で、ストロングエールが690円です。

 飲み物をおかわりすると、ジョッキを洗ってそれに注いでくれるのですが、各自のジョッキの下部には、色つきの輪ゴムがついていて、それで誰のジョッキかを判別します。

 各自2杯ずつのビールを味わって、住宅街をトコトコと野方(のがた)方面へと向かいます。

 JR中央線と西武新宿線とは、並行するように東西に走っていて、それを南北に結ぶように幹線道路が走っています。中央線の駅名-幹線道路-西武新宿線の駅名という並びで言うと、それぞれ、

  東中野  - 山手通り - 中井
  中野   - 中野通り - 新井薬師前
  高円寺  - 環七通り - 野方
  阿佐ヶ谷 - 中杉通り - 鷺ノ宮
  荻窪   - 環八通り - 井荻(いおぎ)

という位置関係にあるのです。

 どこかが正月二日から開いているということを知って野方に向かったわけではなくて、「酒場が多いから、1軒くらいは開いてるだろう。しかもここから近いし」ということで向かったのですが、予想どおり、何軒かのお店はすでに営業中。このところ都内では、盆だろうが正月だろうが、酒場難民になるなんてことはほとんどないですね。

 手打ちうどん酒房「さぬき亭」の厨房にも灯りがともり、開店準備をしている様子。本当は午後6時に開店するところを、10分ほどフライングして店内に入れてもらうことができました。

 日替りのお通し(300円)はサーモンや酢ものなどの盛り合せ。他に、ニラ玉(450円)や栃尾あげ(600円)、そして「さぬき亭」ならではの、讃岐うどんを使った具だくさんな焼きうどん(650円)をもらって、緑茶割り(400円)やら地ウイスキーのハイボール(500円)やら。

 午後9時前まで、3時間ほど楽しんだところへ、「石松が開いている」という情報が入り、野方駅前から路線バスに乗って中野へ。10時15分には「石松」に到着しました。

 キープしているボトルを出してもらって、ここでもまた新年の乾杯をすると、お通しにはなんと銀杏(ぎんなん)を炒めたり、クリームチーズにカツオ節や刻みネギをトッピングして醤油をかけたり、油揚げを炒めて生姜醤油で食べるものが出たりと、なんだか違う店のよう。これもまた正月ならではの楽しみかもね。

 市場がまだ開いていないので、さすがにもつ焼きはないものの、ツクネ(150円)とネギマ(120円)を焼いてもらったり、となりのカップルからはシャンパンのおすそ分けをいただいたりしながら、新年二日も楽しく終えたのでした。

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「高円寺麦酒工房」地ビール各種 / 「さぬき亭」 / お通し

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ニラ玉 / 地ウイスキー各種 / 栃尾あげ

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「石松」銀杏 / クリームチーズ / 油揚げ

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つくね / ねぎま / シャンパン

・「さぬき亭」の店情報前回

《平成24(2012)年1月2日(月)の記録》

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川名座敷で元日新年会 … 焼鳥割烹「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)ほか

川名座敷で元日新年会


 元日は、いつからか恒例になった「川名」での酒場初め。午後3時ごろお店に電話し、新年のごあいさつとともに、奥の座敷に2卓分の席(8~10人分)を確保しておいてもらいます。

 「川名」は年末年始だろうと、お盆だろうと、ゴールデンウイークだろうと、年中変わらず月火が定休。この正月だと明日(1月2日(月))と明後日(3日(火))が定休日です。(その代わり、年に2~3回、店主がハワイでのマラソンに出場するときに、1~2週間ほどの長期休店があります。)

 午後4時になるのを待って「川名」へ。これぞ「よじかわ」ですね。

 その「川名」には、これまた恒例メンバーが続々と集まってきて、予定の2卓はすぐに満席。その後も一緒に正月を祝う面々が増えて、結局、奥の座敷全体を我われ15人で占拠した状態になってしまいました。

 店主から赤ワインの差し入れもいただいて、午後7時前まで、たっぷりと3時間近くの新年会。お勘定はみんなで25,326円(ひとり2千円ほど)でした。

 2軒目は、JR中央線で中野に出て、元日営業の「おかやん」へ。ここもまた大勢のお客さんでにぎわっていて、入れるのはあと数人という状況。「川名」の前に、ゼロ次会としてここ「おかやん」に来たというにっきーさんたちが、去年の元日にも行ったこの近くの居酒屋「豊海(とみ)」で待っていてくれることになり、私は、くまさんたちとともに「おかやん」でちょっと飲んでから、「豊海」へと向かいます。

 「豊海」を出て、同じ方面に帰る面々で「帰りにもう1軒!」と高円寺で途中下車。

 JR中央線で西に向かうと、新宿、新大久保、東中野、中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺と、各駅ごとに駅の近くに酒場街が開けているという、呑ん兵衛垂涎(すいぜん)の酒場路線なのです。

 高円寺駅ガード下のすぐ脇にある小料理屋「旁」で、御節(おせち)をつまみに一献傾けたあと、最後は自宅が近い荒木マタエモンさん、にっきーさんと3人で高円寺駅北口側、庚申(こうしん)通り商店街にある、ホルモンMIXがおいしいラーメン・餃子の「タンタン」に向かったものの、残念ながら営業しておらず。というか、なにしろ元日なので、営業していないお店の方が多いんですけどね。

 そのまま庚申通りを突き抜けて、早稲田通りを左へ。特にあてもなく、3人の自宅に近い方向に歩いていると、左手に営業中のラーメン屋「中州屋台長浜ラーメン 初代 健太」を発見。博多のおでん(各150円)や、つまみチャーシュー(500円)、牛すじポンズ(300円)でビールを飲んで、元日呑みの〆は、ここ「健太」の長浜ラーメン(600円)となったのでした。

 元日早々から遅くまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。>みなさん

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「川名」おつまみあれこれ / ツナコーンサラダ / 焼鳥丼

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「おかやん」おせち七点盛り / おでんの焼おにぎり / 紅白かまぼこ

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「おかやん」おでんの大根 / 「豊海」エビフライ / 「旁」お通しのおせち

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「健太」博多おでん / つまみチャーシュー / 牛すじポンズ

・「川名」の店情報前回

《平成24(2012)年1月1日(日)の記録》

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人気のバラジンジャー … やきとん「弐ノ十(にのじゅう)」(都立家政)

人気のバラジンジャー


 12月30日(金)は、「竹よし」の納会。その納会の前に、地元の酒友・ふぢもとさんが「弐ノ十」でゼロ次会をやっているとのことで、私も早めに家を出て「弐ノ十」へと向かいます。

 ここまで年末になってくると、すでに年内の営業を終えているもつ焼き屋が多いので、「東京に帰ってきながら、この休み中はもつ焼きは食べられないかな」と諦めていただけに、ものすごくうれしい。

 黒ホッピー(380円)を三冷(氷なしで、焼酎、ホッピー、ジョッキを冷やしたもの)でもらって、ふぢもとさんと乾杯。

 まずはそのふぢもとさんおすすめのバラジンジャー(120円)を焼いてもらいます。

 バラジンジャーは、串に刺した豚バラの生姜焼き。お皿には千切りキャベツとマヨネーズも添えられて、ちっちゃな豚バラ生姜焼きワールドをかもし出しています。

「このバラジンジャー、私が発案者なんですよ!」と主張するふぢもとさんに、

「でも添え物も付けて、料理としてきちんと完成させたのは私ですからね!」

 と笑って応える店主のアキさん。「秋元屋」系のもつ焼き屋(やきとん屋)の中で、女性店主はアキさんだけです。

 それにしても、このバラジンジャーのおいしいこと。これは絶対、人気が出るよねぇ。えっ? もうすでに人気が出てるんですか。これは失礼いたしました。

 2品目、3品目は、満を持してもつ焼きです。とはいうものの、すでに食肉市場は営業を終えているので、もつ焼きの種類も残りわずか。そんな中からハツポン酢とカシラポン酢をいただきます。それぞれ素焼きしたハツ、カシラに白ゴマと刻みネギをのせ、ポン酢醤油をかけた一品。あっさりといただける一品です。

 ここであんまり食べると、せっかくの「竹よし」の納会で何も食べられなくなるので、この辺で切り上げて「竹よし」へ。

 ブリ大根や、どぶ汁シーフードカレー、サバ棒寿司、自家製イカ塩辛、そしてもちろん刺身盛り合せと、「竹よし」自慢の品々を肴に、おいしい日本酒をたっぷりといただきつつ、店主や常連さん、「竹よし」を手伝っている女性陣たちと、毎年恒例の納会を楽しみます。

 「竹よし」でたっぷりと食べたのに、二次会ですぐ近くの博多ラーメン「ばりこて」に流れるのも、これまたこのところお決まりのコース。ラーメン通のみなさんが、ストイックにラーメンをすすっている横で、我われ一団は何品かのつまみをもらってお茶割りで乾杯。最後に直ちゃんが麺半分で、いろんなものを抜いたラーメンを注文したので、「私も同じもの」と便乗注文して、「ばりこて」の半ラーメンで〆!

 これで〆ったかと思いきや、そのままぞろぞろと鷺ノ宮の「満月」に流れ、昨夜に引き続いて、二夜連続の「満月」での〆となったのでした。

 やぁ、今夜もよく飲んだ。

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「弐ノ十」黒ホッピー / はつポン酢 / かしらポン酢

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「竹よし」ぶり大根 / どぶ汁シーフードカレー / さば棒寿司

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「竹よし」自家製塩辛 / 刺身盛り合せ / あん肝と蒸野菜

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「ばりこて」がめ煮 / めんたいだし巻 / 半ラーメン

・「弐ノ十」の店情報前回

《平成23(2011)年12月30日(金)の記録》

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人気の2軒をハシゴ酒 … 「おかやん」~「パニパニ」(中野)

「パニパニ」ファイト一発サワー


 年内の仕事を終えたのは12月28日(水)。同じ職場の面々たちと「五鉄」(1次会)→「レジェンド」(2次会)と飲み倒して仕事納め。これが呉の職場の毎年恒例の行事です。

 翌29日(木)から1週間の年末年始休暇に入りました。午前中に単身赴任社宅の大掃除や洗濯などをバタバタと済ませて、午後1時の呉駅始発の電車で広島へ。広島駅1番線ホームの「駅うどん」で昼食として天ぷらうどん(340円)を食べて、新幹線で東京へと向かいます。

 新幹線の中で、地元の酒友・「アル中ハイマー日記」のにっきーさんにメールして、中野の立ち飲み屋「おかやん」で落ち合って、お久しぶりの乾杯。立ち飲みながら、きっちりと手間ひまかけた料理のおいしさは、東の「徳多和良(とくだわら)」、西の「おかやん」と並び称されるほど。いくつかのおでん鍋に分けて作られているおでんを盛り合せ(3~4品、500円)でもらって、他にもまぐろの煮こごり(300円)やイカのぬたなどで一献。元秋元屋冷蔵庫前のゆりちゃんも合流です。

 2軒目にチラリと「北国」をのぞくものの、すでに店じまいの支度中(年内営業はこの日まで)だったので、残念ながら入れず。でも女将さんのお元気そうな様子も拝見できて、ひと安心です。

 それじゃ、と向かったのはもつ焼きの「石松」。普通は木曜日は休みなんだけど、年末だからやってるかもね、と淡い期待で向かったものの、やっぱりお休みでした。でも大丈夫。すぐ向かい側で、これまた大人気の立ち飲み屋、「パニパニ」が営業中です。先ほどの「おかやん」同様、「パニパニ」もまた、手間ひまかけたおいしい料理を安い値段で食べることができる名店です。しかもその料理の幅が広いのも大きな人気の理由です。

 ずらりと並ぶメニューから選んだのは、えびとアボカドの和風あえ(290円)に、おつまみ茄子カレー(250円)、舞茸の肉巻きアンチョビソース(320円)、タマゴと木くらげ炒め(380円)。飲み物はアールグレイハイ(360円)から始まって、ファイト一発サワー(390円)、そして神宮サワー(390円)へ。こういう面白い食べ物、飲み物があるのも「パニパニ」の大きな特長ですね。

 「パニパニ」を出て、JRで帰るゆりちゃんと別れ、我われは新井薬師前(あらいやくしまえ)駅から西武新宿線で帰路につき、最後は地元の酒場「満月」へ。らっきょをつまみにトマト割りを飲んで、年末年始休暇の初日を終えたのでした。

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「おかやん」おでん盛り合せ / まぐろ煮こごり / ぬた

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「パニパニ」アールグレイハイとお通し / えびとアボカドの和風あえ / おつまみ茄子カレー

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舞茸の肉巻きアンチョビソース / 神宮サワー / タマゴと木くらげ炒め

・「おかやん」の店情報前回) / 「パニパニ」の店情報前回

《平成23(2011)年12月29日(木)の記録》

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天然めばるのから揚げ … 活魚・やき鳥「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)

じゃこから揚げと味噌汁



 おかげさまで大好評!!

  * めばるの味噌汁
  * じゃこのから揚げ(塩・甘酢)
            各500円

 店主自ら釣り上げた天然の瀬戸内のめばるを使用。
 水槽からあげてそのまま調理する当店おすすめの2品です。

 談笑しながら から揚げ を。
 最後の〆には 味噌汁 を。
 ぜひ、この満足感を実感してください!

 そんなメニューの文句に引かれて、今日も今日とてカキ刺身(1人前8個800円)、カキ天ぷら(1人前8個800円)、カキ串焼き(1人前2本400円)、カキ鍋(1人前800円)をいただいたあと、その「めばるの味噌汁」と「じゃこのから揚げ」を注文したのでした。

 ここでの「じゃこ」は、チリメンジャコ(イワシ類の稚魚)のことではなくて、瀬戸内海で釣れる雑魚(じゃこ)のこと。ほとんどの場合は、体長10センチ程度の小さなメバルです。

 この雑魚を、メニューの文言にあるとおり、注文を受けてから店内の生け簀(いけす)からすくい取って、調理してくれるのです。

 から揚げは、雑魚3尾ほどをそのまま揚げたもの。活魚なので、揚げると胸びれがパッと開いて、できあがったから揚げは、その胸びれを使って立てることができます。活魚じゃなければ、こうはならないそうです。

 味噌汁も、同じく生け簀からすくった雑魚3尾ほどを、そのままたっぷりの水で煮て、雑魚から出汁(だし)をとり、味が出たところで豆腐などの具材を加えて、味噌を溶いたらできあがり。平たい大きなお椀で、雑魚3尾ごと出してくれる、ボリュームたっぷりの味噌汁です。

 小さいメバルだからこそよく味が出て、から揚げも骨まで全部食べることができるのです。

 ちなみに、この店の生け簀で泳いでいる魚は、すべて店主・上瀬弘和(かみせ・ひろかず)さんが、自分で船を出して、自分で釣ってきたもの。

「お客さんに生で出すものは、なるべく人の手を介さないで仕入れる」

 という信念のもと、魚は自分で釣り、カキは田原(音戸)のカキ打ち場まで出かけていって、直接仕入れてきます。この店主のこだわりがあるから、いつもおいしい魚介類を食べることができるんですね。

 やぁ、おいしかった。どうもごちそうさま。ん? そう言えば、今日は鶏料理をひとつも食べなかったなぁ。焼き鳥屋なのに……。

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「本家鳥好」 / 座敷席と生け簀 / まずはビール

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カキ刺身 / カキ天ぷら / カキ串焼き

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焼きガキで『カキ酒』 / カキ鍋 / 調理中の味噌汁

店情報前回

《平成23(2011)年12月26日(月)の記録》

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