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2012年3月

納豆のつまみは珍しい … 屋台「八起(やおき)」(呉)

納豆と燗酒


 仕事関係の飲み会のあと、ひとりでふらりとやってきたのは屋台の「八起」です。

 先日いただいた生ワカメ(400円)がとても美味しかったのですが、残念ながら燗酒と合わせることができなかった。今日こそは燗酒でワカメをと思ってやってきたのでした。

 午後9時半過ぎの「八起」の先客は、若い男性ふたり連れ。左端の席で、瓶ビールを飲みながら、ラーメンを食べています。

 1席空けてその右側に座り、なにはともあれ燗酒(400円)を注文してから、メニューを確認。おろっ。なんと今日はワカメ(400円)がない。

「ワカメ、ないの?」と聞いてみると、

「ごめんなさい。今日は置いてないんです。私が採りに行けた時しか置いてないんですよ」と店主。

 そうかぁ、それは残念。そんなに日持ちするものではないので、よほどタイミングが良くないと、採れ採れの生ワカメには遭遇できないんですね。

(他に燗酒に合いそうなつまみはないかなあ)

 と思いながら、メニューを再確認してみると、なんと納豆(400円)が載っています。首都圏だと、当たり前のようにあるメニューですが、呉の酒場で、酒の肴として納豆があるのを見たのは初めてかも! さっそくその納豆を注文します。

 それにしても、首都圏だと100円から200円くらいのことが多い納豆。

(400円の納豆って、どんなものが出てくるんだろう?)

 と興味津々で見ていると、大きな納豆パック(ちらりと見えた外観からはエイショクの「広島納豆」と思われる)1個まるごとが1人前で、小鉢に入れて、さらに玉子の黄身も入れてよ~くかき混ぜたあと、小鉢の縁に練り辛子をつけ、納豆の上には刻みネギ、刻み海苔をトッピングして出してくれました。

 こりゃまた、ものすごくボリュームフルな一品ですねぇ。

 自分の手元で、さらにもう一度ぐりぐりと混ぜて、練り辛子や刻みネギ、刻み海苔なども一体化させておいてから、ズズッとまず一口分をいただくと、これがまあ、燗酒によく合うこと!

 ごはんに合うものは、燗酒にもよく合う。野毛の「武蔵屋」でも、定番のつまみの一品として納豆が出されます。少量だけど。

 今日は仕事関係の飲み会でけっこう飲んだので、ここ「八起」では、なんとか燗酒1杯で押さえておきたい所。だけど、本来であればこの納豆だけで、燗酒の2~3杯は軽くいけそうです。

 納豆、納豆、お酒をちびり、納豆、納豆、お酒をちびり、…… といったペース配分で、なんとか燗酒1杯で、納豆を完食すると、もうほぼ満腹です。

ワンタン しかしながら、ここに来るとワンタンへの思いも断ちがたく、新しく入ってきた5人組がラーメンを注文したタイミングに合わせて、私もワンタン(500円)を注文。注文を受けてから、具を皮に包んで作ってくれるワンタンを、普通のラーメンから麺だけ抜いたスープ(具は入っている)に入れたらできあがり。

 やっぱりここのワンタンが好きだなぁ。熱々のワンタンを、ちゅるん、ちゅるんと呑みこんで、今日のお勘定は1,300円でした。どうもごちそうさま。

 なお、この納豆。堺川の反対側にある店舗のほうの「八起」(0823-22-0808、呉市中通4-2-4)の印刷されたメニューにも載っているので、どうやら「八起」では定番のメニューのようです。

店情報前回

《平成24(2012)年3月15日(木)の記録》

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鳥足骨付(親)タレ焼 … 宣伝酒場「春駒(はるこま)」(新広)

鳥足骨付(親)タレ焼


 広(ひろ)での2軒目も、これまた久しぶりにやってきた宣伝酒場「春駒」です。

 燗酒2合(500円)をもらって、つまみはもちろん鳥足骨付(500円)の親。今日はタレ焼きで注文します。

 この店の鳥足骨付は、宮崎産の鶏もも肉を、骨付きのまま蓋付きのフライパンで焼いたもの。グイグイと噛みしめるほどに出てくる旨みに、ビールはもちろん、日本酒だろうが、焼酎だろうが、どんどん進むのです。

 味付けは、タレ、塩、味噌の3種類があって、塩焼きがもっともシンプルに鶏肉そのものの味が楽しめます。甘みも入ったタレ焼きは、私が見る限りでは一番人気。味噌焼きは、みそ味をベースにした甘辛いタレで味付けされます。

 気を付けないといけないのは、肉も皮も、かなり硬いので、口にくわえたまま、骨を押して引きちぎろうとすると、肉がちぎれる瞬間に、タレがビシャッとワイシャツに飛び散ること。できるだけ歯だけで噛みちぎるようにしないといけません。

 それが苦手な人は、「切って出してください」とお願いすると、焼きあがった鳥足骨付を、包丁で上手にひと口大にカットして出してくれます。やわらかい肉がいい人は、親ではなくて、“ひな”という選択肢もあって、値段も、味付けが3種から選べることも一緒です。

 去年の8月以来、ほぼ8か月ぶりの「春駒」ながら、女将さんもお元気で、鳥足骨付のおいしさもちっとも変っていなくて安心しました。

 そういえば、ここ「春駒」の常連さんに、“昔の「あわもり」”(去年引退された店主のお母さんの時代)の常連さんでもあった人がいて、その人がよく、

「今の『あわもり』は、店主が変わって(=お子さんが引き継いで)から、ワシがよう行きよったころの『あわもり』とは味も雰囲気も変わってしもうた。じゃけえ、ワシャ行かんようになったんじゃ」と話していたものでした。

「私は、今の『あわもり』も美味しいと思いますよ。大好きなんだけどなぁ」といくら力説しても、

「いいやぁ、前の『あわもり』とは違うんじゃ」と頑なにその持論を譲らなかったことを思い出します。

 私にとって「あわもり」から「かわすじ」への変化が、それと同じような感じなのでしょうか。『いい、悪い』という問題ではなくて、どっか『違う』んですよねぇ。この違いに馴染むには、もうちょっと時間が必要なのかもなぁ。

 大衆酒場をうまく引き継いでいくというのは、とてもむずかしいことなんですね。

 きっちりと鳥足骨付を食べ終えて、1時間ほどの滞在。「春駒」のお勘定は、ちょうど1,000円でした。ごちそうさまでした。

店情報前回

《平成24(2012)年3月14日(水)の記録》

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「あわもり」の後継店 … おでん「かわすじ」(新広)

れんこん、鶏つくね


 去年(2011年)の3月、独身寮時代からよく通っていた「あわもり」が閉店しました。

 運よく、店を居抜きのまま、メニューもそのまま継承しましょうという後継者が現れて、閉店直後の4月から「かわすじ」という店名で再スタートを切ることができたのです。

 私自身も再開後に、何度か「かわすじ」にも行ったのですが、「あわもり」をよく知っているからか、両者の違いの部分が気になって気になって仕方がなくて、その後、行くのを止(や)めていたのでした。

 今日は、久しぶりに、その「かわすじ」にやってきました。

 まずは大瓶ビール(キリンラガー、500円)をもらって、おでん(各90円)しかないつまみは、店名にもなっている〔かわ〕と〔すじ〕を注文します。

 〔かわ〕(豚の皮)は「あわもり」のころとほぼ同じ感じですが、〔すじ〕(牛スジ肉)はボリュームが減ったかな。

 次にもらったのは〔あつあげ〕。これも「あわもり」時代からの好物です。おでんの味付けは変えていないそうなのですが、ちょっとあっさりとした味付けになったように感じます。

 〔あつあげ〕をつつきながら、改めてメニューを確認してみると、泡盛(160円)や大瓶ビール(500円)は「あわもり」のときのまま。そのかわり、1杯200円だった日本酒は250円になり、小瓶のビール(350円)はなくなりました。「あわもり」のときにはなかった生ビール(300円)がメニューに登場しています。

 おでんのほうは、〔ロールキャベツ〕がなくなって、〔れんこん〕〔鶏つくね〕〔レタス〕の3品が増えています。また「あわもり」時代はメニューに明記されていなくて、“知る人ぞ知る”という存在だった〔あぶら〕と〔アキレス〕(すじの硬いとこ)が明記されています。

 新たに増えたメニューから〔れんこん〕を注文すると、すでに煮込み終えて保存している〔れんこん〕を冷蔵ケースから取り出して、おでん鍋に投入し、温め直してくれます。

 「あわもり」時代は、注文を受けてからおでん鍋に投入される品は、〔ねぎま〕と〔たまねぎ〕の2品くらいだったのですが、「かわすじ」になってから、注文を受けてから煮込まれる品が増えたようです。たとえば〔きも〕も注文を受けてから煮込まれます。

 〔れんこん〕ができあがったのに合わせて、すでにおでん鍋に入っている〔鶏つくね〕も一緒に出してもらいます。やあ、この〔鶏つくね〕は好みだな。

 1年たっても、まだまだ違う部分のほうが気になるものの、カウンターを始めとする店内の造りや、おでん鍋、そしておでんの値段、営業時間など、大きなところが同じなのは嬉しいことですよね。

 1時間弱の滞在は、大瓶ビール1本と、おでんが5本で、950円でした。どうもごちそうさま。

店情報

《平成24(2012)年3月14日(水)の記録》

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店情報: おでん「かわすじ」(新広)

    かわすじ
  • 店名: かわすじ
  • 電話: 0823-73-2597
  • 住所: 737-0125 広島県呉市広本町1-1-36
  • 営業: 16:30-21:00、日祝休(祝日営業の場合あり)
  • 場所: JR呉線広駅または新広駅から徒歩約10分。ちょうど両駅の中間あたりにある、広(ひろ)交差点の海側、1本呉よりの路地(たつみ横丁)の中にある。白地に黒で「かわすじ」と大書されたのれんが目印。
  • メモ: 昭和28(1953)年創業の老舗おでん屋「あわもり」の跡を継いで、平成23(2011)年4月に開店。平成26(2014)年6月に、たつみ横丁の中に移転した。つまみはおでんのみで、かわ、すじにく、アキレス、あぶら、きも、みみ、ウィンナー、鶏つくね、たまご、うずらたまご、あつあげ、こんにゃく、ひらてん、ぼうてん、たまねぎ、ねぎ、大根、レタス、じゃがいもが、すべて1串110円。特に、かわ(豚の皮)は、他ではあまりお目にかからない逸品。飲み物は泡盛220、生ビール330、瓶ビール(キリンラガー中瓶)440、酒330、ウーロン茶330、ラムネ160、炭酸水160。(2014年12月調べ)

  • 住所: 737-0125 広島県呉市広本町1-1-4
  • 営業: 16:00-21:00、日祝休
  • 場所: JR呉線広駅または新広駅から徒歩約10分。ちょうど両駅の中間あたりにある、広(ひろ)交差点の長浜(ながはま)側道路沿い。
  • メモ: 平成23(2011)年4月に、昭和28(1953)年創業の老舗おでん屋「あわもり」の跡を継いで開店。つまみはおでんのみで、すじ、かわ、あつあげ、こんにゃく、ひらてん、ぼうてん、きも、たまご、たまねぎ、ねぎま、ウインナー、いわしだんご、れんこん、鶏つくね、レタス、などが、すべて1串90円。特に、かわ(豚の皮)は、他ではあまりお目にかからない逸品。飲み物は泡盛160円、生ビール300円、キリンラガー大瓶500円、日本酒250円。(2012年3月調べ)

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普通にうまいのが魅力 … 大衆食堂「くわだ食堂(くわだしょくどう)」(呉)

なまこ酢でビール


 会社帰りに、ひとりでフラリとやってきたのは、呉駅の近くにある大衆食堂「くわだ食堂」です。

 ここは、近くにある「森田食堂」同様に、陳列ケースにずらりと並んでいるおかずの中から、自分の好きなものを取ってきて、それとは別にお酒をもらったり、ごはんをもらったりして、飲んだり、食事をしたりするタイプの大衆食堂。広島も含む西日本エリアには、このタイプの大衆食堂が多いようですね。

 今日は店の入口近くにある冷蔵庫から、キリンの大瓶ビール(550円)を取り出して栓を抜き、すぐ上に置かれたグラスをもって、テレビの正面、一番奥にある席に陣取ります。

 そのビールを、グラスに1杯、ゴクンゴクンと喉を鳴らしながら飲み干した後、もう一度立ち上がって、おかずを選びに陳列棚へ。ずらりと並んだおかずは35種類ほど。一皿が80円から、高いもので400円くらい。う~ん。あれもこれも美味しそうで迷うなぁ。

 おっ! なまこ発見! 今日の1品目はこれにしましょう。

 なまこの小鉢を手に持って、自分の席に戻ると、店のお兄さんがポン酢醤油を持ってきてくれて、なまこの小鉢にサッとかけ回してくれます。これで「なまこ酢」の完成ですね。グルグルッと全体をかき回して、1~2切れずつチマチマといただくと、コリコリとしたなまこ独特の食感がおいしいこと。

 現在の時刻は午後7時前。店内の客は私も含めて10人ほどで、そのうちの7~8人は、おかずをつまみに、ビール、酒、酎ハイなどを飲んでいます。残る2~3人は、2~3品のおかずに、ごはんとみそ汁を合わせてガッツリと食事中。飲んでる人の多くも、だいたいは2~3品のおかずを取ってきて飲んでいます。

 私自身は、居酒屋で飲むときもそうだけど、だいたい1品ずつ、順に食べていくことが多いのです。食べるよりも、飲むほうが主となることが多いからでしょうか。かといって、つまみなしでは飲めないので、少量ずつつまみながら、ゆっくりと飲む、といった感じの飲み方です。

 なまこを3分の1ほど食べたところで、残りは、後ほど注文予定の燗酒用に取っておいて、ビールのつまみには改めてポテトサラダ(150円)を取ってきます。ポテトサラダも、大衆酒場、大衆食堂では定番の一品ですね。

 大衆食堂といえば、エンテツさんこと、大衆食堂の詩人・遠藤哲夫さんの新刊「大衆食堂パラダイス!」(ちくま文庫、840円+税)が昨年(2011年)9月に発売されました。その中に、

『大衆食堂の魅力は、スタンダードつまり普通が持つ魅力だ。日々繰り返される、働き生きるための食事。なにより、毎日通っても、飽きのこないめしがある。大衆の暮らしを支えるめしであるから「大衆めし」とも呼ぼう』

 という文章があります。さらには、

『大衆食堂ってのはね、普通にうまければいいのだよ、特別にうまい必要はないのさ』

 と。これは大衆酒場も同じじゃないかと思います。びっくりするほどじゃないんだけど、普通にうまい酒があって、普通にうまい肴(さかな)がある。“普通”だからこそ、毎日でも通えるんでしょうね。

 ポテトサラダでビールを飲み干して、いよいよ燗酒(300円)に突入です。ん~~~。やっぱり「なまこ酢」はこっちが合うなぁ。

 温かいおかずも食べようと、陳列棚から「肉じゃが」(200円)の小鉢を手に取ると、すぐにお兄さんが「温めましょう」とやってきてくれます。お客の動きを実によく見てるんですね。ふむふむ。これもまた普通にうまい。

 燗酒を飲み干したところで、小ごはん(140円)と、みそ汁(100円)を注文。たっぷりと作るからか、ごはんもみそ汁もうまいなぁ。

 1時間ちょっとの滞在。お勘定は1,790円でした。どうもごちそうさま。

ポテトサラダ 肉じゃが めし小、みそ汁
ポテトサラダ / 肉じゃが、燗酒 / めし小、みそ汁

店情報前回

《平成24(2012)年3月13日(火)の記録》

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名残の天然ガキを食す … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)ほか

岩ガキ酢


「今年は寒いからか、まだ岩ガキがあるんよ」と女将・小栗さん。

「やった! 先週くらいで終わるって聞いてたから、今シーズン最後の岩ガキを食べそこなったかと思ってました。」

 ということで生ビールと、その岩ガキを酢の物で、そしてもう一品、刺身と天ぷらが選べる地ダコを天ぷらで注文すると、すぐに出される生ビールとともに、まずはお通しの「おからサラダ」です。

 この地方で岩ガキというのは、磯の岩場で採れる天然のカキのこと。日本海沿岸で採れる大粒の夏ガキとはまったく別ものです。

 この岩ガキ、エサが少ないからか養殖物と比べると、かなり小粒なのですが、肉も味わいも引き締まっていて、それはそれは美味しいのです。通常は12月ごろに出まわって、1月になるともうあまり採れなくなって、2月にはもう終了といった感じなのですが、今年は3月に入ってもまだ残ってたんですねぇ。

 その岩ガキは、注文を受けてから大根おろしで洗って、酢の物にしてくれます。おぉ、これはまた、3月なのに粒も大きいですねぇ。いかにも“海のミルク”といった感じの、軽くえぐみのある味わいは、天然ものならでは。この岩ガキに合わせて出してもらった「華鳩(はなはと)生もと」の燗酒にもよく合います。

 そして地ダコ天。この店の天ぷらは、カウンターの中、客の目の前で揚げて出してくれるので、できたての熱々を食べることができるのです。一緒に出された藻塩(もしお)をちょっとつけていただくと、地ダコの自然な甘みがすばらしい。これまた燗酒によく合うなあ。

 店内にいる客は、常連の老夫婦と、60代くらいの男性ひとり客、そして私の4人。ここ「魚菜や」では、素材を厳選した和風のお惣菜をリーズナブルに楽しむことができるので、長年にわたって通い続けるお客さんが多いのです。

 毎日、手書きされるお品書き。今日は刺身やお惣菜として、地ダコ刺、地ダコ天、カキ天、カキフライ、白子、おからサラダ、煮さば、うるめいわし、わけぎぬた、たかなの煮物、沖縄のもずく、ぎんなん、が。そして「おでん」として、アキレス、ロールキャベツ、はんぺん、ごぼう天、じゃが芋、玉子、大根、こんにゃく、こんぶ、厚あげ、がんもどき、がんす、ウインナー、しらたき、がそれぞれ書き出されています。

 おでんは、関東風の黒い甘辛いだしと、関西風の白いだしの両方があって、好みのだしで煮込まれたおでんを選ぶことができます。東京暮らしの経験もある女将なので、「アキレス(牛スジ)」や「がんす」などのこっちの材料に加えて、「はんぺん」なんかも入っているところが面白いですね。さすがに「ちくわぶ」や「(魚の)すじ」はありません。

 「華鳩」に続いては、「千福(せんぷく)特撰黒松」を燗でもらって、つまみには季節の「分葱(わけぎ)ぬた」を大皿から取り分けてもらいます。春近し、といった感じですね。

 2時間ほどくつろいで、今日のお勘定は3,800円でした。どうもごちそうさま。

おからサラダ 地ダコ天 わけぎぬた
おからサラダ(お通し) / 地ダコ天 / わけぎぬた


 「魚菜や」を出て、たいていの場合はここから二次会に向かうのですが、今日は週のはじめの月曜日。しかも年度末で飲み会の頻度もぐんと高くなっているので、今日のところはサクッと〆て帰りますか。

 そんなわけで向かったのは、そば処「平原(ひらはら)」です。

 “そば処”といいつつも、西日本エリアではやっぱり“うどん”が大人気。ここ「平原」でも、ほぼすべてのメニューで、“うどん”も“そば”も選べるようになっていて、しかも“うどん”も“そば”も自家製手打ち麺。さらに値段も安いときているので、午前11時から午後9時まで(正月三が日以外、無休)の営業時間中、いつも大勢のお客でにぎわっているのです。

肉うどん 今宵の〆に選んだ一品は「肉うどん」(400円)。うどんに別鍋で煮た牛肉、ネギ、そして玉ネギの具がトッピングされます。どぎつくない自然な甘みが美味いですねぇ! この自然な甘みは、玉ねぎから出ているんですね。この甘味なら、生卵を加えて食べてもおいしいかもしれません。

 そこへ、ふらりと入ってきたのは、単身赴任中の会社の同僚。「天ざるそばと生ビールのセット」(980円)を注文して、生ビールを飲み始めます。「晩酌付きの夕食が、千円以内で楽しめるので、ここにはよく来るんですよ」とのこと。

 この店には、彼が注文した「天ざるそばorうどんと、生ビールor千福のセット」(980円)の他に、「鍋焼きうどんと、生ビールor千福のセット」(900円)もあって、ちょいと一杯飲みながら、食事を済ませて帰るにもちょうどよくて、我われ単身赴任族のみならず、呉への出張族もよく利用しているお店なのでした。

・「魚菜や」の店情報前回)/「平原」の店情報前回

《平成24(2012)年3月12日(月)の記録》

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サザエ香りバター焼き … 料理屋「灘(なだ)」(呉)

サザエ香りバター焼き


 仕事関係の飲み会の二次会を終えたのは午後11時過ぎ。タクシーで帰途につくみなさんと別れ、ここから徒歩5分ほどの単身赴任社宅に向かいつつ、最後にもう1軒と立ち寄ったのは、料理屋「灘」です。

 「灘」はなんと、午前2時までの営業(午前1時半ラストオーダー)なので、この時間でもまったく大丈夫。もっと昔から「灘」を知っていたら、呉での食生活もずいぶん豊かになっただろうなぁ。

 東京から出張で来ていたころは、夜10時を過ぎて呉に到着すると、普通に食事ができるみせが開いていなくて、コンビニで弁当を買ったりするしかなくて、困ったことを思い出します。“とり屋”などの1次会用のお店のほとんどは10時には閉店しちゃいますもんねぇ。

 「こんばんは」と入った店内には、先客は男性ふたり客のみ。カウンター席の一番手前側に座っています。私はカウンターの一番奥の席に座り、「剣菱」の燗酒と、サザエ香りバター焼きを注文すると、お通しには小イワシの南蛮漬けが出されます。

 小イワシを南蛮漬けで食べるのは初めてだけど、これがまたおいしいこと! 小イワシって、こういう調理法も合うんですね。

 ちょうど小イワシの南蛮漬けを食べ終える頃合いで、サザエ香りバター焼きも出てきました。サザエ香りバター焼きは、フランス料理のエスカルゴなのですが、材料の貝がカタツムリではなくて、サザエなのです。

 弾力感のあるサザエの身と、エスカルゴバターソースの組み合わせがどんなものかと興味津々だったのですが、まずひと切れ食べてみると、これがとてもよく合っています。カタツムリのフニャッとたよりない食感よりも、こっちのほうがはるかにいいんじゃないか?! 肝のほろ苦い部分まで、エスカルゴソースで美味しくいただくことができます。こりゃいいなあ。

 うれしいことに、このサザエ香りバター焼きには、ガーリックトーストが2切れ添えられていて、サザエの殻の中に残っているエスカルゴバターソースも完食することができるようになっているのです。

 「灘」の店主・灘佳憲(なだ・よしのり)さんは、昭和44(1969)年5月に、呉の氷屋の息子さんとして誕生。高校まで呉で過ごし、「手に職をつけるのがいい」という親のすすめに従って、大阪の辻調理師専門学校に進学しました。卒業と同時に、先生の紹介で大阪の割烹料理店で修業。この割烹料理店の大将、つまり灘さんにとっては師匠にあたる方が、まだ年齢も若くて、和風割烹ながらも洋風の料理もどんどん取り入れていただんだそうです。

 このサザエ香りバター焼きも、大阪の師匠ゆずりの創作料理。しかしながら、ガーリックソースを添えたのは、灘さんの発想です。

「最初はパンは付けてなかったんですけど、お客さんの多くが貝殻を口につけてソースを飲もうとされるので、それならばとガーリックトーストもお付けするようにしたんですよ」

 この大阪の師匠の店が、営業時間が午前2時までだったんだそうで、その師匠に「何時まで開けてるんだ」と聞かれて、「2時までです」としか答えようがなくて、現在の営業時間になったんだそうです。

「大阪は大都会なので、深夜でもお客さんが多そうですが、呉で2時までだと大変じゃないんですか?」と聞いてみたところ、

「遅い時間帯になると、手術なんかで遅くなったお医者さんが食事をとりに来てくださったり、自分の店の営業を終えた料理人の方が来てくださったりするんです」とのこと。

 ここ「灘」も、「魚菜や」や「一つ家」などと同様に、メニューに金額表記がないんだけど、それほど高くないお店。今回も、1時間ほどの間に、燗酒1本とお通しにサザエ香りバター焼きをいただいて、お勘定は1,620円でした。どうもごちそうさま。

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料理屋「灘」 / お通し(小イワシ南蛮漬け)と燗酒 / サザエ香りバター焼き

店情報前回

《平成24(2012)年3月9日(金)の記録》

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飲みほコースが4千円 … 伊酒屋「ヴェッキオ(Vecchio)」(呉)

厚切りタンと若鶏もも肉


 仕事関係の飲み会で、15人ほどで伊酒屋「伊酒屋「ヴェッキオ」にやってきました。

 ここ「ヴェッキオ」は、平日限定でコース料理+飲み放題で、ひとり4千円のコースがあるのです。このコースはものすごくリーズナブル。「ヴェッキオ」のおすすめ料理を、ひとしきり食べることができます。

 このメンバーでやってくると、すぐに「あれも欲しい」「これも欲しい」と追加注文してしまったりするので、どこまでがこのコースに含まれているものなのか、よく把握できていませんが、今日いただいた料理の写真を、ずらりと並べてご紹介しておきたいと思います。

 平日はあまりお客さんが入らないから、ということで始めたこのコースらしいのですが、最近は平日もお客でいっぱいのことが多いので、そろそろなくなるんじゃないかと、ちょっと心配しているところです。

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ブロッコリーとジャガイモの前菜 / ベーコンのサラダ / グラタン

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春野菜のピッツァ / サーモンのカルパッチョ / アスパラとアンチョビのピッツァ

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肉のパスタ / 手長エビと魚介のパスタ / ドルチェいろいろ

店情報前回

《平成24(2012)年3月7日(水)の記録》

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お疲れさんにクエン酸 … やきとん「たつや」(沼袋)ほか

もろみ酢とクエン酸サワー


 3ヶ月ぶりの沼袋「たつや」で、まず注文したのはクエン酸サワー(380円)とレバテキ(350円)です。

 前回の記事で、『東京では、このところよく“クエン酸サワー”を見かけるなぁ』と書いたところ、「たつや」店主のたっつんさんから、「たつや」のクエン酸サワーは、コダマ飲料の「お疲れさんにクエン酸」を使っていることや、もっと疲れている人には、追加で“もろみ酢”(100円)も出していることなどを教えてもらったのでした。

「次に伺ったときには必ず注文しますね!」

 と言いながら、やっと今日、その注文ができました。クエン酸サワーは、氷入りのジョッキに入った焼酎と、それとは別に200mlガラス瓶入りのコダマサワー業務用「お疲れさんにクエン酸」が出され、それで割っていただきます。

 クエン酸は、レモンや梅干の酸っぱさのもとで、弱アルカリ体質になるのを促進し、疲労回復効果があるんだそうです。しかしながら、それほど強烈に酸っぱいことはなくて、スッキリと飲みやすい。

 レバテキは、豚のレバーの表面をサッと炙って、刺身のようにスライスしたもの。カツオのたたきと同じような感じですね。薬味は、ニンニク、生姜(しょうが)、柚子胡椒(ゆずこしょう)の3種の中から選べるので、今日は生姜にしました。

 生の豚レバー、久しぶりです。今日のレバーはまな板の上で切っていても、ドリップひとつ出なかったんだそうです。プリッと歯ごたえもいいですねぇ!

 生のモツや、生の肉は、信頼のおける店でしか食べようとは思いませんが、今後、公的な規制ができたりして、そういう店であっても生(なま)ものが出せなくなることは、とても残念なことだと思います。「生ものは自己責任で」というあたりを落としどころにしてくれると、とてもありがたいですね。

 もつ焼きは、ハラミ(100円)とテッポウ(100円)の味噌焼きから始めます。

 味噌焼きというのは秋元屋系(元祖は喜よし)のもつ焼き店の共通の名物です。この味噌焼きが「喜よし」から「秋元屋」へ。そして「秋元屋」から「たつや」や、「ひなた」、「弐ノ十」などの孫弟子店へと伝わっていった経緯については、現在発売中の「古典酒場 Vol.11 ~絆KIZUNA酒場~」(三栄書房、1,300円+消費税)に詳しく載っていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

 今日のテッポウは、口の中でチュルンととろけるような、いわゆるチュルトロ系。店主のねらいは、チュルトロ系ではなくて、テッポウらしいしっかりとした食感なんだそうですが、今日はたまたまやわらかくなってしまったんだそうです。これはこれで、私は好きだけどなぁ。

 クエン酸サワー(380円)をおかわりし、ここで店主おすすめの“追加のもろみ酢”(100円)ももらいます。このもろみ酢。1日あたり、お猪口(ちょこ)1杯ずつ飲むと身体にいいんだそうで、毎日ここで、クエン酸サワー+もろみ酢を飲んでいる常連さんもいるとのこと。焼酎と氷が入ったジョッキに、お猪口1杯分のもろみ酢を全部入れると、ジョッキの上部には1~2センチ分のすき間しか残りません。このわずかなすき間に、瓶の「お疲れさんにクエン酸」を注ぎ足し注ぎ足ししながら飲み進めます。

 もしかするとお酢が強すぎるんじゃないかと思いながら飲み始めたのですが、実際に飲んでみるとそんなことはまったくなくて、これはこれで意外にも飲みやすい。アルコール飲料なのに、身体に良さそうな気がするのがいいですよねぇ。ウコンハイなんかと同じような感じです。

 つまみには、「たつや」名物のひとつ、“もつカレー”(パン付き、350円)をもらいます。ここの“もつカレー”はレベルがすごく高くて、質的にもいつも安定していてハズレがありません。これはここの店主のオリジナルですね。

 続くもつ焼きはカシラ(100円)とナンコツ(100円)を塩焼きで。さらには三冷白ホッピー(380円)をもらって、ガツ醤油(100円)にシロたれ(100円)も追加注文します。

 そこへ入ってきたのは「竹よし」シスターズの四女・直ちゃんです。こうやって女性がフッとひとりで、もつ焼き屋や大衆酒場に入って来ても違和感がないところが首都圏の酒場のすばらしいところだと思います。

 私のほうは、このへんで燗酒に切り替えて、つまみには「なばな」のおひたし(200円)をもらいます。燗酒は、店主おすすめの「玉風味」なんだけど、今日はその生酒に燗をつけてくれました。いつもはないかもしれないけれど、この生酒燗、本当におすすめです。

 今日は豚もつばかりをたっぷり食べたので、もうちょっと野菜も食べておこうと、お新香(200円)も追加注文。ここのお新香は自家製のぬか漬けで、しかもボリュームたっぷりなのがいいんですよね。

 午後10時ごろにお勘定。たっぷりと飲み食いした今日は3,040円でした。どうもごちそうさま。

 自宅への帰り道、もう1軒と立ち寄ったのは鷺ノ宮の「ペルル」。キープしているウイスキー(ブラックニッカ)を水割りでいただきます。

 今日の「ペルル」は、山田さんとリエさんの二人で切り盛り中。カウンター席だけの店内はいつもの常連さんたちでほぼ満席です。

 11時過ぎまで、1時間ちょっとの滞在。お勘定は500円でした。

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やきとん「たつや」 / クエン酸サワー / レバテキ

120306d 120306e 120306f
テッポウ(手前)とハラミ(味噌) / もつカレー / かしら(塩)

120306g 120306h 120306i
なんこつ(塩) / 三冷白ホッピー / がつ(醤油)

120306j 120306k 120306l
しろ(たれ) / 焼き台に向かう店主 / なばなのおひたし

120306m 120306n 120306o
玉風味(生酒)燗 / お新香 / 「ペルル」で水割り

・「たつや」の店情報前回)/「ペルル」の店情報前回

《平成24(2012)年3月6日(火)の記録》

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生ワカメの季節が到来 … 屋台「八起(やおき)」(呉)

屋台「八起」にて


 春を告げる生ワカメの季節。さっとゆで冷ました、緑も鮮やかな生ワカメを、刺身のように醤油をちょいとつけていただきます。ポン酢醤油でさっぱりといただくのも美味しいんですよね。

 今日は仕事関係の飲み会で1次会、2次会と飲んだ後、屋台の「八起」にやってきました。

 ここは、おでん(1個100円~150円、タコのみ300円から)とラーメン(500円)、ワンタンメン(700円)が主体の屋台ですが、実は屋台の奥の壁、店主が立っている後ろ側に、その他のメニューが並んでいるのです。今日の生ワカメ(400円)も、その中に並んでいる一品です。

 若いころに、独身寮の仲間たちと何台かの車を連ねて、美保関町(松江市)の民宿にカニを食べに行くことが多かったのですが、そのときに、ちょこんと添えられるように生ワカメの小鉢が付いていたのです。

 あまりに鮮やかな緑に、それがワカメだとは気付かず、宴会も後半の方になって、他に食べるものがなくて、その緑に手を伸ばしたところ、鮮烈な生ワカメの味わいにびっくりしたことを覚えています。それ以来、すっかり生ワカメのファンになりました。

 「八起」の生ワカメは、店主が自ら採ってきたんだそうです。

「毎年、友だちが『ワカメが採れだしたけえ、採りにおいで』と誘ってくれるんですよ。採ってきた分がなくなったら、売り切れ終了です」と笑う店主。これは貴重品ですね。

 今日は、ここが3軒目ということもあって、入ってくるなりつまみを決める前に、芋焼酎のお湯割り(400円)をもらったのですが、この生ワカメがあるんだったら燗酒(400円)のほうが良かったかかなぁ。

 最後はラーメンをもらって〆ます。同行者たちの多くは半ラーメンを注文。半ラーメンというのは、ラーメンの麺だけを半分にしてもらったもの。スープや具の量は同じなので、呑んだ後にぴったりという感じの、つゆだくの食べ物です。

 半ラーメンの価格を別途設定しているお店もありますが、ほとんどの場合は普通のラーメンと同じ。ここ「八起」の場合も、普通のラーメンを選んでも、半ラーメンを選んでも、どちらも1杯が500円です。

 私はワンタン(500円)をもらいます。ワンタンは、ラーメンやワンタンメンと同じスープと具材に、注文を受けてから皮に包んだワンタンだけをゆでて入れたもの。半ラーメンよりも、もっともっとスープっぽい1杯になります。

 レンゲにのせて、ちゅるんといただく、このワンタンが好きなんですよねぇ。

 3月に入って少しは暖かくなったからか、屋台の中に入れなかったメンバーは、すぐ外の歩道わきの縁石に腰を下ろしてのラーメンです。生ワカメを食べて、屋台の外でラーメンを食べて、春はだんだん近づいてくるんですね。

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生わかめ / ワンタン / 外でもラーメン

店情報前回

《平成24(2012)年3月2日(金)の記録》

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〔くれ便り〕 安浦かき祭りで、ゆくカキを惜しむ

殻付き焼きガキ


 海水温が1年中で最も低い2月は、美味しいカキが食べられるベストシーズン。呉市も含む広島県下では、この時期に合わせて多数のカキ祭りが開催されます。(注:年中海水温が低い北海道や東北地方では、2月がベストシーズンということはないようです。)

  • 2012.01.29(日): おおがきみなと市場@江田島町 柿浦港内駐車場
  • 2012.02.05(日): 江田島市カキ祭@江田島町 小用港
  • 2012.02.05(日): 音戸かきまつり@音戸市民センター
  • 2012.02.11(祝): 呉水産まつり@呉市中央公園
  • 2012.02.12(日): 田原かき祭り@音戸町 田原漁業協同組合前広場
  • 2012.02.19(日): 宝島くらはしフェスティバル@倉橋町 桂浜温泉館周辺
  • 2012.02.26(日): 坂町漁協水産まつりチャリティバザール@JR坂駅前
  • 2012.02.26(日): 早瀬かき祭り@音戸町 元早瀬小学校前広場
  • 2012.02.26(日): 安浦かき祭り@安浦町 実成新開グラウンド

 ずらりと並ぶカキ祭りのスケジュールの中で、今までに参加することができたのは2月11日(建国記念の日の土曜日)に開催された「呉水産まつり」のみ。

 このときは、会場(呉市中央公園)に着いてすぐ、スタンド「シロクマ」が出店している『呉の地酒コーナー』で、1杯100円の地酒をもらったところ、そのテントの中、すぐ後ろ側に陣取って、七輪でデンチョウの干物や、タチウオの一夜干しを炙っている月刊「くれえばん」の木戸編集長を発見。すぐに合流して飲み始め、2度とその場から離れることなく「呉水産まつり」を終えて、二次会の「有象無象」を経由して、三次会の屋台「富士さん」、そして〆のそば処「平原」まで。朝10時から、夜9時までの、11時間にも及ぶロングラン飲み会となったのでした。カキもよく食べました。

 そうこうしているうちに、いよいよ呉地区のカキ祭りも、今日26日(日)が最終日。これは絶対に行っておかなきゃと、職場の呑み仲間3人と、朝8時半に待ち合わせて、「安浦かき祭り」に向かったのでした。

 呉のカキ祭りは、開催される場所によって特徴を持たせているのがおもしろいところ。「安浦かき祭り」の特徴は、広場にずらりと設置された炭火の焼き台を使って、自分たちで殻付きカキを焼いて食べるところにあります。バケツ1杯(7~8個入り)500円で売っている殻付きカキを買って、その場で焼くのです。この日、用意された殻付きカキは1万4千個。これだけあれば十分だろうと思っていたら、なんと開始から2時間半で売り切れてしまいました。

 会場には、周囲にずらりと出店(でみせ)も並んでいて、カキフライや、カキのみそ汁、カキのベーコン巻き、カキのネギ焼きなどなど、それぞれの店で趣向を凝らしたカキ料理を、リーズナブルな値段で購入することができます。

 出店の中には、もちろん酒屋もあって、安浦の地酒「白鴻(はくこう)」などをいただきながら、呑めよ、食べよの酒池肉林。

「あら、浜田さん!」という声に目をやると、なんと屋台「一二三」の女将さんではありませんか! 「一二三」の店主ご夫妻のご自宅は、この近くなのです。年明けに入院されたと聞いて心配していたのですが、すっかりお元気そうなご様子。「3月の終わりか4月には、また屋台を出そと思とるけえの!」という笑顔に大安心です。

 その後も、「安浦かき祭り」の手伝いをされている、遊星ギアのカズさんとお話をさせてもらったり、少量の小麦粉をつなぎにしてカキだけをお好み焼き風に焼き上げた「かきのみ焼き」や、カキパウダーの入った「海のミルク」アイスもなか、カキがトッピングされた「カキカレー」を食べたりしながら、たっぷりと呑む呑む呑む。

 2月のカキ祭りが終わると、今年の呉のカキシーズンもそろそろ終了します。大量のお酒に酔いしれながら、ゆくカキを惜しんだのでした。

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会場に到着 / まずはカキのみそ汁で始めて / カキのネギ焼きとカキご飯

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タコ焼きならぬカキ焼き / カップ酒「安浦物語」 / カキポン酢にカキのベーコン巻き

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椎茸も焼く / かきのみ焼き / ホルモン炒め

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カキのアイスもなか / 「白鴻」 / 会場は人がいっぱい

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カキカレーと鶏唐揚げ / 殻付きカキ1万4千個、売り切れ / カキフライ

《平成24(2012)年2月26日(日)の記録》

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ラフロイグの炭酸割り … バー「岩崎(いわさき)」(呉)

ラフロイグ・カスク・ハイボール


 お腹はいっぱいなんだけど、アルコール分がちょっと足りない気がするので、「山口山」からの帰りに立ち寄ったのは、本通3丁目は晃輝ビルの4階にあるバー「岩崎」です。

 土曜日、午後9時半のこの時間帯、カウンター席だけの店内には先客はなし。入口を入ると横に長く伸びるカウンターの中央あたり(入口を入ってすぐ左側あたり)に陣取って、まずはタリスカー(Talisker)10年をストレートでいただきます。

 タリスカーは、スコットランド西海岸沖にずらりと並ぶインナー・ヘブリディーズ諸島群の中で、最北にある火山島、スカイ(Skye)島唯一の蒸留所で造られたシングルモルトウイスキー。アイラモルトとはまた違う独特の個性を持ったスモーキーかつスパイシーな味わいは、『火山の力を借りて液体になった雷(かみなり)』と言われているほどです。

 今日のチャーム(お通し)は、ハムとチーズを交互に重ねて、ひと口大にカットしたものが2切れ。それぞれクラッカーの上にのせられ、黒胡椒をかけ、パセリが添えられています。

 店主・岩崎英記さんは、呉の老舗バー「ナポレオン」で修業したあと、ひとりで切り盛りする「パールバー(Pearl Bar)」の店長を任され、その後、独立されて、ご自身の店「岩崎」を開きました。

 その岩崎さんと、いろいろとウイスキー談議をしながら1杯目のタリスカーを楽しんだ後、2杯目は岩崎さんおすすめのラフロイグ(Laphroaig)10年カスクストレングスを、ハイボールでいただきます。

 ラフロイグは、同じインナー・ヘブリディーズ諸島群の中で、逆に最南端に位置する、アイラ島で造られたシングルモルトウイスキー。『正露丸(せいろがん)のよう』とも『ヨードチンキのよう』とも例えられるような、強烈なピート(泥炭)の香りが特徴です。

 カスクストレングスというのは、『樽から出したウイスキーをそのまま瓶詰めをした樽出原酒』のこと。アルコール度数は57.8%もあります。

 もともとのアルコール度数が高いので、炭酸で割ってハイボールにしても、アルコールの効き目は強烈。しかも、炭酸のシュワシュワとした泡にのって、ラフロイグの強烈な香りや味わいを、より強く感じることができます。これはおもしろい呑み方ですねぇ!

 ここ「岩崎」には、マッカラン(The Macallan)のカスクストレングスも置いています。じゃじゃ馬のような西海岸のモルトと比べると、いかにも深窓の令嬢といった雰囲気のマッカラン。そのカスクがどんな味わいになるのかということにも強く惹(ひ)かれるのですが、今日はもう十分。次回の楽しみにとっておくことにしました。

 1時間半ほどくつろいで、今日のお勘定は2,700円でした。どうもごちそうさま。

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ビル入口の看板 / タリスカー10年 / ハムとチーズ

店情報前回

《平成24(2012)年2月25日(土)の記録》

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長崎皿うどんで麦焼酎 … 長崎ちゃんぽん「山口山(やまぐちやま)」(呉)

長崎皿うどんで麦焼酎


 長崎皿うどんをつまみに酒を飲もうと、やってきたのは長崎ちゃんぽんと皿うどんが看板メニューの「山口山」です。ここは店主の奥様が長崎出身ということで、本場、長崎の味が楽しめるのです。

 皿うどん(750円)に一番合うのはビールだと思うのですが、今日は2軒目とあって、お腹もけっこう膨らんでいるので、麦焼酎(いいちこ)を水割り(500円)でもらいます。

 焼酎の値段(500円)が高いように感じるかもしれませんが、この店、なんと焼酎の水割りは生ビールの中ジョッキにたっぷりと作ってくれるのです。

 その焼酎水割りをチビチビとやりながら待っていると、すぐに皿うどんもできてきました。

 長崎の皿うどんというのは『中華風を長崎独自にアレンジした、あんかけ揚げそば』のこと。長崎から直送された極細の揚げ麺に、魚介類や豚肉、赤ハンペン、キャベツ、モヤシなどの具が入った『あん』をかけて出来上がります。

 このあんの上に、卓上に置かれた「金蝶ソース」というウスターソースをかけて食べるのが長崎流。長崎では、出前で皿うどんを注文しても、小瓶に入れた金蝶ソースを一緒に持ってきてくれるほど定番の組み合わせなんだそうです。

 博多で過ごした学生時代、長崎出身の先輩の家に行くと、大きな丸皿にいっぱいの皿うどんを出してくれたことを思い出します。これもまた長崎では当たり前のスタイルで、お客さんが来ると、大皿の皿うどんを出して、それをみんなで取り分けて食べるのです。

 この大きな皿うどんが、食堂などで食べる一人分の皿うどんとはまた違う味わいで美味しかったなぁ。みんなでワイワイ言いながらつつくから、そう感じたのでしょうか。

 そんなことを思い出しながら、皿うどんをちびりちびり、麦焼酎もちびりちびり。

 あんの下になっている部分はだんだんとふやけて柔らかくなり、あんと一体化してきます。これもこれで、パリパリの部分とはまた違った食感が楽しめるのです。

 カウンターの中の厨房では、店主が調理済みの大きな豚肉を、中華鍋から取り出しているところ。「あれは焼豚?」と聞くと、「そう。焼豚もうちで作ってるんですよ」と教えてくれつつ、その一角をちょっと切り取って、小皿で出してくれました。ラーメンに入るときの薄切りの焼豚もいいけれど、こうやってぶつ切りにした焼豚もまたいいですねぇ。いちばん外側のカリッと芳ばしい部分がたまんない。

 1時間弱の滞在。皿うどんで満腹になってのお勘定は1,250円でした。どうもごちそうさま。

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皿うどん / 金蝶ソース / 焼豚をぶつ切りで

店情報前回

《平成24(2012)年2月25日(土)の記録》

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真鯛の造り、4種4様 … 料理屋「灘(なだ)」(呉)

真鯛の造り、4種4様


 美味しい魚が食べたくなって、最近よく行っている「灘」に向かいます。土曜日、午後7時前の店内は、手前カウンター席(全6席)の奥側に3人(カップルと男性一人客)、奥のテーブル席にも客が入っている様子。土曜日なら静かなのかな、と思っていたのですが、そうでもなくてびっくりです。

 カウンター席は、カップルが一番奥に、1個空けて男性一人客が座り、手前2席が空いている状態。これまでと同じく、カウンターの一番手前の席に座り、「剣菱を燗で」と注文すると、奥の席にいた女性から「あっ! 浜田さん!」という声。「えっ?」と思って見れば、なんとうちの職場でよく行くラウンジのEちゃん。連れの男性は、私にこの店を紹介してくれたUさんではありませんか。

「あれ以来、何度か来てるんですよ」と報告すると、

「ほうじゃろ。今、ここが一番うまいんじゃ」と笑顔を見せてくれるUさん。

 間にお客さんを挟んで会話をするのは、酒場ではご法度。Eちゃん、Uさんとの話は、ごあいさつ程度に留めておいて、メニューを確認。おぉ、今日はお造り(刺身)メニューの中に、鯛も並んでますねぇ。さっそくそれを注文します。

 燗酒と一緒に出された今日のお通しは、ホタルイカ。ゆで冷ましてプックリと膨らんだものを、酢味噌でいただくと、ホタルイカならではのコクのある味わいに燗酒がすすみます。お通しの段階からやってくれますねぇ。

 この店には、毎日のようにやってくる常連さんも多いので、お通しも日替りで、毎日2~3品ずつ用意しているんだそうです。

 さぁ、来ましたよ。鯛のお造りです。この店に初めて来たときと同様に、お皿の4箇所に、鯛のそれぞれ異なる部位4種類の刺身が、それぞれ2切れずつ、美しく盛り付けられています。白身にピンクが混ざったこの色合いも、鯛ならではの美しさですよねぇ。

 まずは「砂ずり」と呼ばれる、お腹の一番下の部分の身をひと切れ。ギュッと締まった身の食感、そんなに身が締まっているのに、たっぷりとのっている脂のうまみ。冷たい海水から内臓を守る部分の身ならでは。マグロで言うと大トロの部分ですね。

 それ以外の部位も、マグロに大トロ、中トロ、赤身があるように、鯛にもそれぞれの部位ならでは味わいと食感があります。こうして鯛のいろんな部位を食べ比べることができるのも、鯛を食べる機会が多い、瀬戸内沿岸ならではかもしれませんね。

「Uさんからです」

 と言いながら出してくれた一品は、創作料理メニューの中に並んでいる“海老サンド揚げ”。お礼を言いつつ聞けば、この海老サンド揚げ、Eちゃんの大好物で、ここに来ると必ず注文するほどの品なんだそうです。

 前回いただいたカキフライが、よくあるようなパン粉の衣ではなくて、薄いパンで挟んで揚げたものだったので驚いたのですが、この海老サンド揚げも、海老を薄いパンでサンドイッチ状態にして揚げたもの。パンの、薄いながらもモチッと感じる食感と、ほのかな甘みがいいんでしょうね。

 3本目となる「剣菱」の燗酒をもらって、料理のほうは、“焼きもの”というジャンルの中から、太刀魚(たちうお)塩焼きを注文します。

 しばらくすると、カウンターの中から芳ばしい香りが漂ってきます。見れば長い2本の金串に、大ぶりの太刀魚の身が3切れ。スッ、スッと金串を抜きとって、お皿の上に美しく盛り付けたら、太刀魚塩焼きの完成です。あぁ、いい香り。

 太刀魚というと、中骨もそうですが、背びれや腹びれから延びてくる骨も多くて、なんだかホネホネしたイメージが強い魚です。ところが、この店の太刀魚には骨がない! というか、大きな太刀魚の、身の部分だけを切り分けて焼いているので、骨がないように感じるんですね。

 骨を気にせずにかぶりつくことができる太刀魚の、ふっくらとやわらかい身のおいしいこと! こんな太刀魚を子供のころに食べていたら、もっと若い頃から太刀魚ファンになっていたかもなぁ。そう思うと実に惜しい。

 1時間半ほどの滞在。燗酒3本と料理2品(+お通し)で、今日のお勘定は3,780円でした。どうもごちそうさま。

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お通し(ホタルイカ)と燗酒 / 海老サンド揚げ / 太刀魚塩焼き

店情報前回

《平成24(2012)年2月25日(土)の記録》

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〔お知らせ〕 「古典酒場 Vol.11 ~絆KIZUNA酒場~」出版

古典酒場 Vol.11


 不定期ながら、2007年の創刊以来、年に数冊ずつ発行されている「古典酒場」の最新刊、「古典酒場 Vol.11 ~絆KIZUNA酒場~」(三栄書房、1,300円+消費税)が、さる3月12日に発売になりました。

2011年3月11日。
東日本大震災が起こった。
未曽有の出来事に
現実を直視できない人もいただろう。

テレビから流れ来る被災地の映像を目の当たりにし、
涙が止まらない人もいただろう。

そして
自粛ムードが漂う中、
古典酒場には、
大将や女将、そして常連さんの安否を気遣う人たちが集まっていた。

珍しい地酒、今流行りの酒肴。
もちろんそれも酒場の醍醐味だが、
根本に立ち戻ると、
やはり、そこには人がいた。

酒場とは、
人と人とがめぐり逢い、
そして
縁を紡ぐ場所でもあるのだ。

 今号をつらぬく一大テーマは『絆KIZUNA酒場』。その冒頭に書かれている言葉が、上で引用した文章です。

 「酒場で出逢った17の物語」ということで、『家族の絆』『師匠と弟子の絆』『男の友情絆』『店主の絆』『ママとお客の絆』『ママとちいママの絆』『大将とお客の絆』という7つの分類で、17個の、きっちりとした取材に基づく酒場ドキュメンタリーが展開されているのです。

 なかでも『師匠と弟子の絆』では、埼玉・蕨「喜よし」から始まった味噌焼きが、野方「秋元屋」を経て、上板橋「ひなた」や沼袋「たつや」、都立家政「弐ノ十」といった孫弟子の店へと広がっていく元になった、「喜よし」の店主・石塚さんと、「秋元屋」の店主・秋元さんの絆が、じっくりと描かれています。

 「秋元屋」の店主・秋元さんや、「たつや」の店主・藤井さんが、このブログ(居酒屋礼賛)のことにも、ちょっと触れてくださっているのを見て、驚くやら、嬉しいやら。本当にありがとうございます。

 連載させていただいている「呉酒場さんぽ」も今回で3回目。今回は、“とり屋”と呼ばれている、呉の焼き鳥屋のことをご紹介させていただいています。

 また、個人的にも毎回楽しみにしている居酒屋ブロガー座談会にも参加させていただいています。今回は久しぶりにメンバー6人(「橋本健二の居酒屋考現学」、「酔わせて下町」、「Y-TABEのレミング2」、「やなちゃんの大阪一人酒の日々」、「宇ち中~宇ち多゛中毒のページ」、「居酒屋礼賛」)が全員出席。酒縁の素晴らしさが体感できる酒場について話をしています。

 全国の書店に置かれていると思いますが、見当たらない場合にはアマゾン等でもご購入することができますので、ぜひご笑覧いただけるとありがたいです。

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呉おすすめ酒場めぐり … バー「アンカー(ANCHOR)」(呉)ほか

BAR ANCHOR


 東京からの来客と「本家鳥好」へ。あらかじめ「3人で」と予約しておいたところ、生け簀の後ろ側の落ち着く席をとっておいてくれました。

 まずは生ビール(600円)で乾杯し、料理は、みそだき(300円)3人前、かき造り(800円)1人前、かき天ぷら(800円)1人前、かき串焼き(400円)3人前を注文します。せっかくの呉なので、ぜひ呉のカキを堪能してもらおうと思っているのです。

 まず出てきたのは、みそだき。これはカキではなくて、鶏の皮の味噌煮です。「お客さんが注文していないものは出さない」というのが、この店の方針。だからお通しはありません。注文するとすぐに出てくるみそだきは、お通しの代わりに、最初の一品として注文する人が多いのです。この店の甘くないみそだきは、万人に好かれる味わいじゃないかと思います。実に呑兵衛好みのする味付けなのです。

 かき串焼きが出てきたタイミングで、熱燗(水龍、450円)ももらって、かき酒にします。

 残念ながら、今日の活魚は大きくなくてお造り(刺身)にはならないとのことで、お造りは断念。じゃこ唐揚げ(500円)や、かき鍋(800円)を追加注文し、焼き鳥も食べようと、呉ならではの串カツ(300円)や、ささみ天ぷら(400円)、もみじ焼き(600円)の塩焼きをもらいます。

 串カツがなぜ呉ならではかというと、この串カツ、豚肉のカツではなくて、焼き鳥にする鶏ネギマに衣をつけてカツにしたものなのです。呉で串カツというと、ほぼこのスタイル。串天は、同じく鶏ネギマを天ぷらにしたものです。

 もみじ焼きは、鶏の胸肉(手羽肉)を焼いたもの。骨付焼(600円)が鶏もも肉を焼いたもので、昔はそれぞれ手羽焼き、もも焼きと呼んでいたそうなのですが、焼き鳥のほうにも“手羽先”というメニューができて、ややこしくなってきた。そこで、それぞれを、もみじ焼き、骨付き焼きと呼ぶように変えたんだそうです。

 なぜ“もみじ”かというと、硬い親鶏の胸肉に、食べやすくするために包丁で切り目を入れて焼きあげた姿が、手の平のように見えるからです。

 東京から来たSさんは焼酎が好きということで、「魔王」で知られる白玉醸造の普通酒、「白玉の露」(500円)を湯割りで注文しました。この店では「魔王」だって800円で飲めるのです。

 呉の“とり屋”を十分に楽しんだ後、2軒目はスタンド「シロクマ」。入ったのが午後8時過ぎと早かったので、他にお客さんはいなくて、カウンターの中にいるのもユカリさんだけ。飲んでいるうちにマスターやママさんたち、そして他のお客さんたちもやってきて、にぎやかになりました。

 3軒目は屋台。年明けから、いきつけの屋台「一二三」が出ていなくて心配していたところへ、先週はそのとなりの「八起」まで閉まっていて、どうしたものかと思っていたのですが、今日はその「八起」が開いています。

 さっそくその「八起」に入り、焼酎(400円)を水割りや湯割りでもらって、おでんを食べながら、状況を確認してみると、なんと「八起」の店主はインフルエンザにかかって、先週いっぱいずっと休んでたんだそうです。

「後半はもう治ってたんですけど、みんなにうつしたらいけないと思って休んだんです」

 ついでに「一二三」のことも聞いてみたところ、女将さんが体調を崩して入院治療をしているので、ずっとお休みされているとのことでした。(筆者注: その後、女将さんは無事に回復され、もうちょっと暖かくなったら「一二三」も再開されるそうです。)

ワンタンメン 同行のSさんとOさんは半ラーメン(500円←普通ラーメンと同額)を、私はワンタンメン(700円)をもらって〆ます。私は、ここのワンタンが大好きなのです。このワンタン、注文を受けてから具を皮に包んで茹でてくれます。

 「最後にもう1軒」と向かった4軒目はバー「アンカー」。伊予柑のカクテルなど、好みの飲み物をいただきて、呉の長い一夜を終えたのでした。

・「本家鳥好」(前回)/「「シロクマ」(前回)/「八起」(前回)/「アンカー」(前回

《平成24(2012)年2月24日(金)の記録》

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おまかせ三品で小宴会 … 料理屋「灘(なだ)」(呉)

白子醤油やき


 今日は仕事関係の飲み会。その幹事役・Mさんに「どこかおすすめのお店はありませんか?」と聞かれたのは先週のこと。

「最近、中通(なかどおり)の『灘』という店に行き始めたのですが、魚料理が美味しくて、しかもそれほど高くないのでいいんじゃないかと思います。」

 と回答したところ、その「灘」を予約してくれました。

 はじめて入った奥の間は、すべてテーブル席で、正面にちょっと個室風の4人卓。右手に4人卓と、2人卓がふたつあり、通常は4人分×2にして使っている様子。今日は6人で予約なので、2人卓のひとつを4人卓側にずらして、6人用の卓として使えるようになっています。

 4人卓も、2人卓も、それぞれゆったりとした造りで、6人用の卓に、大の男6人で座っても、まったくストレスはありません。そういえば、カウンター席もゆったりですよね。

 まずは生ビールをもらって乾杯すると、今日のお通しはほうれん草のゴマ和えです。

 予約時にMさんが確認してくれたところ、品書きには明記されていないけれど、「おまかせ三品(みしな)」という、店主おすすめの3品を出してくれる、1人前2,500円くらいのセットもあるんだそうで、今日のはその「おまかせ三品」でいくことになりました。

 なお、ここ「灘」では、料理の鮮度を保つために1品あたりの仕入れ量は、それほど多くないので、今回のように何人もで同じ料理を食べたい場合には、予約するときに申し出ておく必要があるそうです。

 お通しに続いて、1品めの料理として出されたのは、「盛り合わせ造り」。丸いお皿に、鰆(さわら)のたたき3切れと、真鯛の造り3切れ、そして地ダコの造りが2切れという3点盛りです。

 こういうお造りが出てくると、やっぱり日本酒ですよね。1杯めの生ビールを飲み干した後は、すぐに「剣菱」の燗酒に切り替えます。

 真鯛の造りがのっている大葉の下には、拍子木に切った山芋が2切れ。刺身ももちろんおいしいけれど、この山芋も、大葉で巻いて、ちょいと醤油をつけていただくと、うまいですねえ!

 2品めは「白子醤油やき」。1人前に鱈(たら)の白子が3個。白子が茶色く見えるほど醤油がついてるんだけど、その割に味のバランスはちょうどいい。醤油の風味の中から、ねっとりと濃厚な白子が出てくる感じ。白子と醤油は相性がいいんだなぁ。いくらでも食べられそうです。

 そしてまたこれが、燗酒との相性も抜群。う~ん、とうなりながら、あっという間に完食してしまいました。横に添えられているカブの甘酢漬け3切れがこれまたいいですねえ!

 そして、「おまかせ三品」の3品めは、これまた季節の「かきふらい」。とは言うものの、さすがに「灘」のカキフライは、普通のカキフライとは違いますねぇ。パン粉の衣じゃなくて、薄く切った食パンで生牡蠣をサンドイッチにして、それを揚げているのです。パンのもっちりとした食感と、ちょっと甘い味わいのの中に包み込まれてカキが出てくるのがおもしろいなあ。これもまた初めての食感です。横には揚げたグリーンアスパラも添えられています。これでおまかせ3品が終了。

 燗酒は、最初の1本を小徳利でもらっただけで、あとはみんなで燗酒に切り替えて、大徳利がどんどん、どんどん空いていきます。今日のメンバーは、みんなよく飲むからなあ。

 最後に「じゃこごはん」(みそ汁、香のもの付き)を追加でもらって〆。

 お勘定は6人で31,700円(ひとりあたり5,300円弱)でした。やあ、おいしかった。どうもごちそうさま。

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ほうれん草胡麻和え / 盛り合わせ造り / じゃこごはん(みそ汁、香のもの付き)

店情報前回

《平成24(2012)年2月20日(月)の記録》

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つぶ貝をポン酢醤油で … 瀬戸内料理「源蔵(げんぞう)バスセンター店」(広島・紙屋町)

つぶと燗酒


 呉から高速バス(クレアライン)で広島に向かうと、終点は広島バスセンター。この7階の食堂街にあるのが「源蔵バスセンター店」です。しかも向かい合って2店舗!

 1軒は寿司などもある、いかにも料理屋風のテーブル席主体の、ちょっと高級感がただよう「源蔵」で、もう1軒は長テーブルがずらりと並ぶ、いかにも大衆酒場風の「源蔵」。もちろん大衆酒場風のほうに飛び込みます。

 正午過ぎの店内は、どのテーブルにもひとり以上の先客が座っている状態。入ってくる客は、このテーブルの空いているところ、空いているところへ、入れ込みで入っていくのです。

 さっそく左端のテレビのすぐ下、男性二人が向かい合って飲んでいる横に相席させてもらい、すぐに注文を取りに来てくれたおねえさんに、

「つぶと熱燗!」と注文すると、

「熱燗は1合、2合?」

「1合で。」

「はいっ」と返事したおねえさんは、すぐに福美人の熱燗(350円)と、つぶ(420円)、それとポン酢の小皿に“まち針”が添えられたものを出してくれます。

 先日来、何度か書いていますが、呉も含めて広島には、今でも最初から燗酒を呑む人が多いようで、その人たちはだいたい「熱燗!」と注文します。それでも本当に熱燗が出るわけではなくて、ほとんどの場合、普通の燗酒(=上燗)が出されます。

 こっちに来て最初のうちは、「燗酒をお願いします」とお上品に(?)注文したりしていたのですが、それだと「はっ?」と聞き返されたりする。郷に入っては郷に従え。私も最近は「熱燗!」と注文することのほうが多くなっているのでした。

 “つぶ”というのは、磯でとれる小さな巻貝のこと。塩ゆでしたものを、まち針や、店によっては安全ピンの先っぽで引っ張り出していただきます。

 そのつぶの最初の1個め。尻尾の先までツルリンと切れずに出てきましたた。こうやってツルンととれると気持ちがいいなあ。

 いつもはそのまま食べるんだけど、今日はポン酢醤油も出してくれているので、ちょっとつけて食べてみると、なんと、これがよく合う!

 立石の「宇ち多゛」で、もつ焼きにお酢をかけてもらうのと似てるかもしれません。特にしっぽのあたりの、肝の味わいが濃厚な部分を、お酢が緩和してくれるのと同時に味を引き立ててくれて、『もっと食べたい!』という気分になります。

 2個目もツルリンと全部出てきたので、今日はいいぞ、と思っていたら、3個目は途中でプッツリ。ちょうど身と肝の境目のところで切れちゃうんですよねぇ。

 それ以降、針でつついた身を、まずちょっとだけ押し込んでから引き出してみたり、振動を与えるようにしながら引き出してみたりと、いろいろと試行錯誤を繰り返してみたのですが、『これなら完璧!』という手法は見つからない。いい手法をお持ちの方は、ぜひ教えてください。

 今日の“つぶ”、最終的には五分五分くらいの成績となりました。でも一番最後の1個を、ツルリンと取り出すことができたので、いい気分で飲み終えることができました。

 そしてお勘定は770円。もしかすると本店よりも、こっちのほうが安いかも。

店情報

《平成24(2012)年2月18日(土)の記録》

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店情報: 瀬戸内料理「源蔵(げんぞう)バスセンター店」(広島・紙屋町)

    バスセンター源蔵
  • 店名: 源蔵/広島バスセンター店 (バスセンター源蔵)
  • 電話: 082-225-3253
  • 住所: 730-0011 広島県広島市中区基町6-27
  • 営業: 10:30-21:00(20:25FLO、20:55DLO)、不定休(年4日ほどアクアの休みによる。)
  • 場所: アクア広島センター街(3階がバスセンター)の7階。
  • メモ: 以下のメニューで、赤字は季節料理を示す。ここに列記した以外にも、季節ごとの短冊メニュー(若竹天ぷら450、れんこん天ぷら230、たらの芽天450など)が店内に張り出される。陳列の刺身・小鉢は午後8時以降、各200円となる。向かい合って2店舗あり、酒場風の店舗は全席喫煙可(禁煙席なし)、料理屋風の店舗の方は禁煙席あり。
    〔飲み物〕焼酎(麦・米)300、焼酎(芋)500、ピュアブルー(1本)2,200、まろやか芋(1本)2,700、清酒350、梅酒300、チューハイ300、ハイボール400、瓶ビール大600・中500・小390、生ビール大760・中550、生酒450、生酒(源蔵)760、生酒(大吟醸)1,180、ウィスキー(天然水割)450、にごり酒450ひれ酒650、キリンオレンジ160、キリンレモン160、コカコーラ160、ウーロン茶160、ノンアルコールビール350。
    〔お刺身〕上盛合せ2,000、盛合せ1,300、サービス盛合せ760、小いわし420、さば450、しめさば450、たこ450、かつおのたたき450、かじきまぐろ450、はまちの砂ずり450、いか500、さより500、貝柱530、鳥貝500、あじ500、あじのたたき550、はまち550、たい650、さざえ650、ひらめ650、しまあじ650、かんぱち650、活車えび530より、本まぐろ1,050、まぐろの山かけ860、あわび1,600、とろ1,500、ふぐさし1,900より、はげ生ちり2,100より、サービスはげ生ちり550、ひらめ活造り5,250より。
    〔小鉢物〕枝豆290、鶏もつ340、魚の皮340、もづく390、山芋のとろろ390、山芋のスライス390、つぶ420、魚の子だき450、いいだこ450、ふぐ皮500、ぬた390なまこ450かきす550大根生酢340きゅうり生酢340
    〔一品料理〕湯どうふ290、冷やっこ290、とうふ煮付290、オニオンスライス340、野菜サラダ450、海鮮サラダ650、あじの酢漬390、あさりの酒蒸490、さざえの壺焼650、あじの塩焼390より、げその塩焼450、あなごの付焼760、うなぎの蒲焼950、牛タンの塩焼650、貝柱の塩焼630、玉子焼340、焼鳥340、焼肉650、豚の生姜焼550、砂ずりニラ炒450、砂ずりバター炒450、白肉のニラ炒600、たいの骨蒸し760より、たいのあらだき760より、おばいけ450、はもの湯ざらし550、茶碗蒸し290、味噌貝汁390、野菜煮付340、あらだき390、小いわし煮付420、さざえ煮付600、めばる煮付860より、はげ煮付860より、かれい煮付860より、ざるそば500、牛すじ煮込390、かきバター焼970
    〔揚げ物〕天ぷら上盛合せ1,000、天ぷら盛合せ650、野菜天500、ごぼう天230、なんきん天230、なす天230、みょうが天230、えのき天230、げそ天450、小いわし天420、きすご天450、あなご天450、いか天500、たこ天500、白肉天600、さより天550、貝柱天630、えび天(3尾)550、手羽先の唐揚450、フライドポテト340、揚出し豆腐450、串かつ450、とんかつ550、豚ひれかつ550、鶏の唐揚550、鶏砂ずりの唐揚450、鶏軟骨の唐揚450、小えびの唐揚390、小いわしの唐揚420、たこの唐揚500、くじらの竜田揚650、かれいの唐揚860より、ふぐの唐揚760、かき天ぷら860かきフライ860、えびフライ760。
    〔雑炊・鍋物〕白身雑炊550、玉子雑炊550、ふぐ雑炊600かき雑炊650、ふぐちり650、はげちり600、かきちり700、のり茶漬け340、うめ茶漬け390。
    〔定食・丼物〕源蔵定食970、源蔵御膳1,280、刺身定食860、上刺身定食1,600、いわし定食760、くじら竜田揚定食860、豚生姜焼き定食760、豚ひれかつ定食860、とんかつ定食860、鶏唐揚げ定食860、天ぷら定食860、焼肉定食970、えびフライ定食1,280、かきフライ定食1,490かき天ぷら定食1,490、親子丼500、かつ丼550、天丼650、びっくり天丼880、あなご丼760、うなぎ丼950、うにめし860、ふぐセット2,800
    〔寿司〕てっか盛合せ840、かっぱ盛合せ740、しんこ盛合せ740、巻寿司530、新香巻530、きゅうり巻530、梅しそ胡瓜巻530、梅しそ山芋巻530、バッテラ530、あなきゅう巻840、鉄火巻840、とろ鉄火巻(1本)1,160、あなご寿司950、うなぎ寿司950、ちらし寿司740、上ちらし寿司1,160、ふぐにぎり2,100、にぎり840、上にぎり1,580、特上にぎり2,420。
    〔お好みにぎり(2個)〕小いわし210、たこ270、いか270、はまち270、あじ270、えび270、さより270、かんぱち320、たい420、ひらめ420、まぐろ420、鳥貝530、貝柱530、あなご530、うなぎ530、さざえ630、あわび630、うに630、いくら630、ふぐ630。〔お好みにぎり(1個)〕活車えび530より、とろ840。(2012年2月調べ)

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今宵は真鯛を骨蒸しで … 料理屋「灘(なだ)」(呉)

料理屋「灘」


 予定のない木曜日。先日、初めてうかがって真鯛のお造りと、あら煮を、とても美味しくいただいた「灘」に再訪してみることにします。今日も先客は、カウンター奥の一組のカップル。奥のテーブル席にもお客さんが一組入っているようです。

 剣菱(けんびし)の燗酒を注文してメニューを確認。今日は鯛の造りはなくて、白身魚は平目(ひらめ)のようです。その平目を薄造りでお願いして、合わせて真鯛の骨蒸しも注文しておきます。

 剣菱の燗酒と一緒に出されたお通しは、魚の切り身の煮物。魚の切り身と言っても、刺身よりも小さいくらいの切り身で、種類もいろいろ混ざっているようです。その煮物をチビッとかじっては、燗酒もちびり。これはいいつまみです。

 ややあって、出てきた平目の薄造りの美しいこと。十数切れの平目の薄造りが、まん丸の平皿の上に、くるりと花弁のように並べられていて、その花びらがちょうど1周し終わったところに、縁側(えんがわ)も3切れほど添えられている。その縁側の肉厚を見ても、1枚1枚の薄造りの大きさを見ても、かなり大きな平目だったことがわかります。

 薄く削がれた平目の身に、小ねぎをくるみ、もみじおろしとポン酢にからませていただきます。フグの場合は、ふぐ刺し2~3枚で小ねぎをくるむそうですが、この枚数(全部で十数切れ)だとあっという間になくなってしまうので、1枚ずつ順番に、大切にいただきます。

 白身魚の味わいが濃くて深いのが、瀬戸内の地魚の大きな特長。平目にしても、鯛にしても、白身魚ではないけれどタコにしても、しっかりと旨みを感じます。エサがいいからなのかなあ。

 ちょうど平目の薄造りを食べ終わるタイミングで、丸深の蒸し椀で調理された骨蒸し(こつむし)の登場です。あぁ、いい香りだ。

 骨蒸しの具材は、前回のあら煮と同じく真鯛のかぶと(半身)に、中骨、背びれ、胸びれ、尾びれと、その周辺の部分。一緒に蒸された豆腐が添えられています。

 熱のとおり具合がちょうどよくて、身がほっこら熱々で、官能的な弾力感。これを紅葉おろしを入れたポン酢醤油にちょいとつけていただきます。

 ん~~~っ。いいですねぇ!

 鯛の身の味わいが濃いので、骨蒸しのような単純な料理のほうが、よりそのうまさを感じることができます。

 前回同様、骨を手づかみにして、もくもくと骨際(ほねぎわ)の身までしゃぶり尽くします。

 店主は大阪の割烹で修業をした後、地元、呉に戻ってきて12年前(2000年)に、現在の店のすぐ近くに、ご自身の店「灘」を開店。4年前にこの場所に移ってきて、今に至っているんだそうです。店内が新しいのはそういう理由があったんですね。

 狭い厨房の中を、手伝っているおねえさんたちが、「通ります」と声をかけながら背後をすり抜けたり、「開けます」と声をかけつつ物置の引き戸を開けたりと、しっかりとオペレーションが確立しています。

 今宵は2時間ほどの滞在。お通しのほか、平目の薄造り、真鯛の骨蒸しと、剣菱の燗酒を3本いただいて、お勘定は3,570円でした。どうもごちそうさま。

 今日も大満足で家路についたのでした。

店情報前回

《平成24(2012)年2月16日(木)の記録》

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予約して、ほらふき鍋 … 焼肉・ホルモン「ほらふき」(呉)

ほらふき鍋(1人前)


 4人で飲みに行くことになり、「ほらふき」に電話予約を入れます。

「4人は男性ですか?」と電話の向こうの女将さん。

「そうです」と答えると、

(女将)「じゃ、2人前くらい用意しておきましょうか?」

(私)「いや、4人ともそれほど若くないので、1人前にしておいてください。」

(女将)「わかりました。足りなければその場で追加してくださいね。」

 ということで予約完了。ほとんどの人は、この店の名物“ほらふき鍋”(1人前1,800円)を食べるので、予約時には1人前か、2人前かということを伝えればいいのです。しかも1人前でも、大人ふたりが食べ切れないほどのボリュームがあるので、たのみ過ぎないように注意が必要です。

 予約の時刻に店に到着すると、左手小上がり一番手前側に、我われ4人分の席が確保されています。奥には先客の男性3人組。さらに一番奥の席に女の子がひとりいますが、この子はお客ではなく、女将の娘さんのようで、漫画本を読みながら時間を過ごしています。家庭の延長線上にあるような、この空気感もおもしろいですね。

 そして入口右手側に並ぶテーブル席には、一番手前のテーブルに男女ふたり連れ。ほとんどの客が“ほらふき鍋”を食べるこの店にしては珍しく、コンロに丸い鉄板を置いて、焼肉を焼いたり、センマイ刺身(600円)や砂肝炒め(450円)などの一品料理をつつきながら飲んでいます。

 この店は女将さんがひとりで切り盛りしているので、女将さんが厨房で何かをしているときには、みんな静かに待つのがルール。常連さんになると、自分で冷蔵庫からビールを取ってきたりする姿も見かけますが、今日はそういう人はいないようです。

 待つことしばし。先客の3人のところに“ほらふき鍋”が出て、我われのところにもお通し(ひとり100円)を出してくれます。お通しはキュウリのナムル2皿に、ブナシメジのナムル2皿で、「4人で適当に分けてね」とのこと。

 まずは生ビール(550円)をもらって乾杯すると、追いかけるように“ほらふき鍋”もコンロ上に置かれます。どーんと山盛りの鍋がすごいですねぇ!

 鍋の具材は、豆腐、もち、えのき、白菜、ネギ、玉ねぎ、天ぷら(平天)、もやし、ホルモン(牛腸)、ハチノス(牛胃)、そしてうどん。足りなくなったら、ひとつひとつの具材ごとに追加することができます。

 その“ほらふき鍋”がグツグツと煮え立ったところで火を少し弱めて放っておくと、だんだん山盛りが沈んできて、2杯目の生ビールを飲み終えるころちょうど水面すれすれになってできあがります。博多の“もつ鍋”と同じような感じですね。

 鍋はみそ味。辛さはなくて食べやすい、マイルドな味わいです。テーブル上には調味料が置かれていないのですが、一味唐辛子があるといいかもしれません。

 男ふたりでも食べきるのがやっとといったボリュームの“ほらふき鍋”ですが、4人で食べるとあっという間。白菜と天ぷら(平天)、ホルモン、ハチノスを追加して、飲み物は熱燗2合(大徳利700円)をもらいます。

 奥のテーブルに入ってきた若い男性5人組は、うどんを抜いたほらふき鍋を2人前注文。そのテーブルに大きな盥(たらい)のような鍋が出されてびっくり! 予約のときに2人前にしておかなくてよかったなぁ。あれじゃあ食べきれない。

 全員分の支度を終えて、女将さんもやっと手が空いてきたようで、客席側に出てきて先客の3人と話したりしています。

(女将)「この店も、もう20年になるからねぇ。その前はスタンドをやっとったんよ。」

(先客)「えっ? スタンドも20年?」

(女将)「そんなわけないやん。今、何歳やと思ってるん?(笑)」

 そんなことを言いながら、こっちの席にも「本にも載ったんよ」と見せてくれたのは、「広島グルメガイド別冊 Hiroshima A(エース) gourmet」という本。2012年出版なので、つい先日出たばかりのようです。呉の店もけっこう載ってるなあ。

 前回は、男ふたりで1人前の鍋を食べるのが精いっぱいで、とても〆の“おじや”まで行きつかなかったのですが、今日は大丈夫。女将さんが「中ごはん(150円)くらいでちょうどいいんじゃない」と、その分量のご飯を入れてくれます。雑炊ではないので、玉子やネギは入れません。

 汁(つゆ)とご飯だけの、とてもシンプルな“おじや”ながら、その汁にコクがあるので、おいしくいただくことができます。女将さんのおすすめ通り、中ごはん1杯で、4人で十分でした。

 飲みだしたら止まらない4人は、その後も飲んで飲んで、女将さんに「そろそろ閉めますよ」と言われるまで飲んで、お勘定は4人で18,000円(ひとりあたり4,500円)でした。いやぁ、満腹満腹。どうもごちそうさまでした。

120215a 120215b 120215c
お通し / 山が沈んでできあがり / ごはんを入れて“おじや”に

店情報前回

《平成24(2012)年2月15日(水)の記録》

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赤ナマコの酢物で燗酒 … お食事処「一つ家(ひとつや)」(呉)

赤ナマコの酢物で燗酒


 晩酌付きの夕食を食べようと向かったのは「一つ家」です。日曜、午後7時半の「一つ家」は、カウンターに5人(男性ひとり、男女カップル、2~3席空いて男性二人)、右手小上がり1卓に3人(男性2+女性1)と大にぎわい。

 女将さんが「どうぞ」と声をかけてくれて、カウンターの空き席に座ります。ちょうど小上がり用の牛ヒレステーキを仕上げているところだったので、出されたお絞りで手を拭きながらゆっくりと待ち、女将さんの手が空いたところで瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶)と、つまみには大皿に並んでいるホウレン草の胡麻和えと、サバの煮付けをもらいます。

 季節がらなのか、身体が求めていたのか、ゴマたっぷりのホウレン草がものすごく美味しくて、一気に食べ進みます。

 サバ煮付けは、大皿から取り分けるときに女将さんが「どれにする?」と聞いてくれて、胴のあたりをもらったのですが、これが脂がのっていてものすごくうまいっ。

 こっちに来て改めて再認識したのが、瀬戸内海のアジやサバのおいしさでした。地元の人たちの話題に上らないのは、きっとこの味が普通と感じてるからなんでしょうね。

 ビールが残り1杯になったところで、燗酒を大徳利(おおどっくり)で注文すると、「千福(上撰吟松)」をチロリにそそぎ、ヤカンの湯で湯煎した後、それを大徳利に移し、その大徳利をまたヤカンで湯煎して仕上げてくれます。このひと手間が美味しい燗酒になるんだな。

 つまみには、ホワイトボードに書かれている赤ナマコを注文。大根おろしもたっぷりと入った酢の物に、一味唐辛子を多めに入れて、ピリッといただく。このコリコリ感がナマコの真骨頂ですね。燗酒ともよく合うこと!

 ここ「一つ家」には、NHK大河ドラマ「平清盛」のロケのときに、主演の松山ケンイチも食事に来たらしいのですが、女将さんはちっとも気が付かなかったんだそうです。

「気が付かんということは、私好みの顔じゃなかったんじゃね」と笑う女将に、

「面食いなのにね」と、カウンター席に座っている常連のおねえさん。

 そこに入ってきたのは、常連さんらしきご夫婦。満席で遠慮して帰ろうとする二人に、「ええわいね。みんなが詰めてくれるけえ、入りんさい」と女将さん。その言葉どおり、カウンターのみんながキュキュッと詰め合って、二人分の席ができました。

 その常連さんご夫婦は、おかずを何品かとって、刺身も食べ、そしてこの店の名物の牛ヒレステーキを注文。カウンター内の鉄板上で、大きなニンニクの粒3個くらいを包丁で5ミリ幅くらいにスライスし、そのニンニクをちょっと炒めて、牛ヒレ肉の塊を置く。この牛肉の美しいこと。肉は丸っこい長方形を底辺とする、高さ10センチほどの四角錐台(しかくすいだい)。その上に、鉄板焼き用の蓋(ふた)をかぶせたら、そのまましばらく放置します。

 他のお客さんたちと、しばらく会話を楽しんだあと、おもむろに鉄板の蓋を取ると、高さが半分(5センチ)ほどになって、いい感じに焼けています。

 そのヒレ肉をひっくり返して、裏面を少し焼きながら、キャベツをザクザクっと切って投入。ヒレ肉を端から順に2センチ幅ずつくらいにスライスして、その断面もちょっとだけ焼いたら、コンロ上に皿となる鉄板を置いて着火。その上にヒレ肉、ニンニク、キャベツを少しずつ移していってタレをかけると、全体が牛ヒレ肉とキャベツの肉野菜炒めのような感じでできあがりました。これはうまそうだ。

 この神戸牛の牛ヒレステーキは4,200円だそうです。

 午後9時もまわったので、ごはんとみそ汁をもらって〆。出てきたごはんのつややかなこと! 一所懸命食べていたら、「おいしそうに食べるのぉ」と、右隣で芋焼酎湯割りを飲んでいるおっちゃんが感心してくれます。

 ごはんも食べ終えて、2時間弱の滞在。お勘定は3千円でした。どうもごちそうさま。

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ほうれん草胡麻和え、さば煮付け / ごはん、お新香 / みそ汁

店情報前回

《平成24(2012)年2月12日(日)の記録》

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南欧料理を食べたあと … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

「ニース食堂」の前菜


 東京からワインの好きなMさん、Yさんが呉にやってきて、仕事が終わってから「ニース食堂」で懇親会です。「ニース食堂」は、南欧(南フランス)の料理とワインが売りの店。私自身はこの店に来るのは初めてです。

 まずは生ビールをもらって乾杯すると、ワインと料理は、その辺の事情に詳しいMさんが注文してくれます。

 最初の肴は鯛のカルパッチョ。昨夜に続いての鯛でしたが、こうやってカルパッチョにしても、瀬戸内でとれた鯛はやっぱりうまいですねぇ。

 続いてはキノコの温野菜。Mさんが選んでくれたワイン(白1本、赤2本)を飲みながら、ステーキ、ピザ、そして最後にスパゲティ(ナポリタン)からデザートへと一気になだれ込みます。南欧料理のメニュー構成は、イタリアンに似てるんですね。

 Mさん、Yさんのお二人は、明日の早朝の飛行機に備えて、今日は広島泊まりなんだそうで、8時20分ごろに呉を出発する高速バス(クレアライン)で広島へと向かわれました。

 お二人を見送って、まだちょっと飲み足りないのでバーに行くか、小料理に行くか、屋台に行くか。迷いつつ屋台の前を通過し、結局、中通にもどって「魚菜や」へ。

 午後8時40分の「魚菜や」は先客なし。というか、この店は午後10時に閉店なので、あと1時間ちょっと。お客さんたちも、すでに引けた後なんですね。

 音戸の地酒「華鳩(はなはと)」を燗でお願いして、錫(すず)のチロリを燗づけ器に入れる前に、燗を待つ間のお酒として、冷たいままの華鳩をチロリからお猪口に1杯もらいます。

 すぐに出される今日のお通しはエノキの酢の物。このエノキをつまみに、1杯の冷酒を舐めるように飲みつつ、燗がつくのを待ちます。

 燗がついたところで、おでんのロールキャベツ(関西風ダシ)と、女将おすすめの牛スジ(関東風ダシ)をもらいます。

 女将さんから、この店の常連さんたちの近況を聞きながら、おでんと燗酒をちびりちびり。

 燗酒が空いたところで、次は仁方(にがた)の「宝剣(ほうけん)」を冷酒でもらって、つまみには、目の前の大皿に盛られているブロッコリーのサラダを取り分けてもらいます。

 宝剣を飲み終わったところで閉店時刻になり、お勘定は2千円でした。どうもごちそうさま。

120209a 120209b 120209c
「ニース食堂」ステーキ / チーズ盛り合わせ / エスカルゴ

120209d 120209e 120209f
ピザ / 牛肉の赤ワイン煮込み / スパゲティ

120209g 120209h 120209i
3種類のデザート

120209j 120209k 120209l
「魚菜や」エノキの酢の物 / 牛スジとロールキャベツ / ブロッコリーのサラダ

・「魚菜や」の店情報前回

《平成24(2012)年2月9日(木)の記録》

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美味しい鯛に舌づつみ … 料理屋「灘(なだ)」(呉)

料理屋 灘


 先日、“鯛そうめん”を食べたからか、今週は週明けからおいしい鯛が食べたくて食べたくて。瀬戸内の鯛はだいたい美味しいんだけど、その中でもより美味しいお店はどこだろうと考えていて、ふと1軒の店を思いつきました。

 社内のグルメ・Uさんに教えてもらった料理屋「灘」です。

「ぜひ行ってみんさいや。いま呉で一番うまいと思うで。」

 昨年末ごろにUさんにそう紹介されて、店の前までは何度か来たものの、電灯看板もなく、暖簾もないという超シンプルな店構えに、かえって敷居の高さを感じて、なかなか店内に足を踏み込めずにいたのでした。

 しかしながら、Uさんがあれだけ進めてくれるこのお店。もしかすると美味しい鯛が食べられるんじゃないかという期待が、敷居の高い「灘」の引き戸を、やっと開けさせてくれました。

 引き戸を開けて店に入ると、すぐそこがコート置き場と荷物置き場で、その奥が6席分の直線カウンター席。そのカウンター席の一番奥でカップルが飲んでいて、手前4つは空いているようです。

 「ひとりです」と指を立てて申告しながら店内に入り、コートを脱いでいたら、「いらっしゃいませ」と店のおねえさんが出てきて、そのコートを受け取ってくれます。

 「どこでもどうぞ」とカウンター席を示してくれるおねえさん。初めてでもあるので、一番手前の席に腰を下ろし、おしぼりを出してくれるおねえさんに、「熱燗をお願いします」と注文。

 熱燗(あつかん)というのは、本来は、ぬる燗、日向燗(ひなたかん)などと並んで、燗酒(かんざけ)の温度状態を示す用語なのですが、酒どころ呉の呑兵衛たちは、普通の燗(=上燗)のことを“熱燗”と呼んでいるようで、酒場のメニューにも『日本酒 熱燗 / ひや』と書かれていることが多いのです。だから、熱いのが好きな人は「熱燗を熱めで」と注文したりします。

「お酒は剣菱、賀茂泉、亀齢のどれにしましょうか」とおねえさん。賀茂泉(かもいずみ)をお願いしました。

 あらためてメニューを見てみると、普通のお酒のラインナップが先ほどの3種。それに加えて、全国各地の地酒や、広島の地酒が合わせて10種類ほど並んでいます。

 店は40代の男性店主と、それを補佐する女性(奥の常連さんたちの会話では奥様ではない様子)、そしてアルバイトらしいとても若い女性の3人で切り盛り中。店に入ったときにはわかりませんでしたが、奥にも部屋があるようで、そちらにもグループ客が何組か入っているようです。カウンターだけの小さなお店なのかと思いきや、奥は意外に広いのかも!

 燗はアルバイトのおねえさんが電子レンジでつけてくれます。このやり方だと失敗がなくていいですね。燗酒は、なんといってもちゃんとしたお燗番がいて、きっちりと湯煎(ゆせん)で燗をつけてくれるのが一番ですが、それができなくていい加減に湯煎で燗をつけるのであれば、むしろ電子レンジのほうが安定していていいんじゃないかと思います。

 燗酒と一緒に持ってきてくれたお通しの小鉢は、サイコロ状に切った山芋の上に、とんぶりをトッピングしたもの。「味はついていますので、そのままお召し上がりください」と出してくれます。

 日付入りで、毎日、筆で手書きされているらしき横長~いメニューは、「焼き物」「煮物」「酢の物」「創作料理」などに分かれていて、その数およそ70品。「造り」の一番最初に、欲しかった鯛が載っています。それも薄造りと、普通の造りの2種類。普通の造りのほうを注文しました。

 調理はもっぱら店主が担当し、カウンター内のおねえさんはできあがった料理の盛り付けなどを行います。そしてそれを運んだり、飲み物の用意をしたりするのがアルバイトのおねえさんの仕事の様子。カウンター内の狭い厨房スペースを「通ります」「開けます」と声を掛けあいながら、3人がクルクルと動きます。

 奥のグループ客の分も含めて、全員の料理をひとりでやっているにもかかわらず、ちょっとだけ待ったくらいで鯛の造りを出してくれました。

 丸いお皿の4か所に、頭に近い部分を2切れ、尾に近い部分を2切れ、砂ずりの部分(腹の下のほう、マグロなら大トロ)を2切れ、そして砂ずりのちょっと上部らしき部分(マグロなら中トロ)を2切れと、歯ごたえと味わいの違う部分の刺身を2切れずつ、見るからにおいしそうに盛り付けてくれています。うっすらとした紅白の縞模様が実にきれいですねぇ!

 まずまっ先に一番うまそうなところからいこうと、砂ずりの部分にワサビをのせて、ちょっと醤油をつけて口中へ。おぉ~っ。このしっかりとした弾力感はどうよ。そしてふわっと広がる上品な旨味。これぞ鯛という味わいです。

 そこへ入ってきたのは、いかにも常連さんらしき、40代くらいの男性ひとり客。私の右を1席空けて、その向こうに座り、生ビールをもらって飲みながら、メニューの各ジャンルから1品ずつ、都合6品くらいを一気に注文する。すごいっ。

 ちなみに、呉の小料理屋さんのメニューはだいたいそうなのですが、この店のメニューにも、値段はいっさい書かれていません。一品一品の料理は、いい素材を使っているうえに、きっちりと手間ひまもかけられているので、いかにも高そうな雰囲気です。Uさんは「高くないよ」と言ってたのですが、どのくらいのお勘定になるのか心配ですねぇ。

 店内にはテレビもラジオもなくて、音楽も流れていないのですが、常連になると、店主と話したり、店のおねえさんと話したりしながら楽しむようです。

 賀茂泉の燗酒をおかわりし、2品目を、あら煮にしりょうか、骨蒸しにしようかとちょっと迷って、あら煮を注文します。骨蒸しはおそらく鯛でしょうが、あら煮はおそらくいろんな魚のあらなんだろうな、と思ったのが迷ったポイントでした。鯛が食べたいという思いも強いんだけれど、あら煮の、燗酒によく合う醤油味にも強く引かれて、最終的にあら煮にしたのでした。

 あら煮は、注文を受けてから作って出してくれます。やった! あら煮も鯛だ!

 鯛のカブト(半身)を中心に、鯛の中骨、背びれ、胸びれ、尾びれのところを盛り合わせた一皿で、同じ煮汁で煮たらしき細切りの牛蒡(ごぼう)も添えられています。

 関西風に煮汁は澄んでいて、味も薄味。しかしながら、薄味だからこそ逆によくわかる鯛の味わい。これはいい鯛だ。とくに背びれの下の、平目で言うとエンガワにあたる部分の、粒々(つぶつぶ)とした身がすばらしくうまい。他のところも、特に骨際(ほねぎわ)の身がおいしくて、つい夢中で、手で持った骨をしゃぶり尽くすように食べてしまう。カニとおんなじだな、こりゃ。

 あら煮ながら、その身の量はひとりで食べるには十分すぎるほどで、途中で2本目の燗酒がなくなって、3本目は亀齢(きれい)をもらうことにします。先ほどの賀茂泉と同じく、亀齢もまた西条(東広島市)のお酒です。比べると、賀茂泉のほうが米らしいふくよかな感じが強くて、亀齢はすっきりとした淡麗な飲み口でしょうか。

 3本目のお酒を飲み干すとともに、あら煮もきっちりと食べ終えて、いよいよ問題のお勘定です。

 「ありがとうございました」と言いながら手渡してくれた勘定書きを、ドキドキしながら見てみると、なんとも拍子抜けの3,660円。料理2品(+お通し)と燗酒3合でこの値段なら、Uさんも言ってたとおり「高くない」というか、むしろ「出されるものの割りには安い」と言えると思います。

 いやぁ、鯛が本当に美味しかった。どうもごちそさまでした。近いうちにまた来なきゃね。

店情報

《平成24(2012)年2月8日(水)の記録》

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店情報: 料理屋「灘(なだ)」(呉)

    料理屋 灘
  • 店名: 料理屋 灘
  • 電話: 0823-24-9141
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通3-8-11 NDビル1F (2014年7月に住所変更)
  • 営業: 18:00-02:00(01:30LO)、日曜と祝日の月曜定休
  • 場所: 南側入口から呉れんが通りにから入り、2ブロック北上。左手クレアルの先を左折して、60mほど先、左手。
  • メモ: 平成12(2000)年創業の和風料理屋。カウンター6席、テーブル席12席。
    〔飲みもの〕生ビール(中/小)、瓶ビール(キリン/アサヒ)、ノンアルコールビール、ワイン(赤/白)フルボトル/ハーフボトル、ソフトドリンク(ウーロン茶/緑茶/ほうじ茶/コーラ/カルピス/オレンジ)、焼酎(麦/米/芋)水わり/お湯わり/ソーダわり/ロック、酎ハイ、梅酒、ブランデー、ウイスキー、日本酒(熱燗/ひや)亀齢/賀茂泉/剣菱、冷酒(八海山 純吟 新潟/久保田 紅寿 新潟/仙介 純吟 兵庫/立山 吟醸 富山/真澄 純吟 長野/船中八策 純米 高知)、広島地酒(富久長 純米 安芸津/賀茂金秀 純米 黒瀬/雨後の月 純吟 仁方/宝剣 純吟 仁方/白鴻 純米 安浦)。
    〔ごはんもの〕じゃこごはん(味噌汁、香のもの)、鮭茶漬け(香のもの)、かちん粥(香のもの)、茶粥(香のもの)、ぞうすい(鶏/魚/鮭/合鴨/なっとう/かに/かき/餅/白子)。
    〔品書き〕その日の料理は、毎日、筆字で手書きされる。以下は2012年2月某日の例。
    まぐろ葱とろ丼、海栗(ウニ)丼。〈汁もの〉鯛あら味噌汁、あさり吸もの/味噌汁、かきくず汁、焼き白子くず汁。
    〈お造り〉鯛(たい)うす造り/造り、さわら たたき/造り、海栗(ウニ)造り、小ふぐぶつ切り、さざえ造り、みる貝造り、いか造り、盛り合せ造り。
    〈煮もの〉あらだき、骨蒸し、あさり酒むし、はまぐり酒むし、かれい煮つけ、牛舌(たん)味噌煮、あすぱら釜揚げ、小鍋(白子/かき/寄せ)。
    〈創作〉白子醤油やき、かき葱バターやき、さざえ香りバターやき、ウニトロロ磯辺揚げ、海老サンド揚げ、和風コロッケ、海鮮おこげ。
    〈焼きもの〉かれい塩やき、鰻(うなぎ)かばやき/白やき、はたはた一夜干し、柚(ゆう)あんやき、さざえつぼやき、白子バターやきポンズ、やきはまぐり、やきふぐ、あさりバターやき、牛舌(たん)塩やき、牛肉ステーキ、地鶏くわやき/塩やき。
    〈揚げもの〉地鶏唐揚げ、一口カツ、いかなご唐揚げ、小ふぐ唐揚げ、かきふらい、海老ふらい/天ぷら、たけの子と春の山菜天ぷら、蛸天ぷら、さよりしそ揚げ、盛り合わせ天ぷら。
    〈酢のもの〉みる貝二杯酢、さざえ二杯酢、かるぱっちょ、蛸ぶつ切り、しらすとキャベツサラダ、赤なまこ、生ウニトロロ、白子ポン酢、かき酢、毛がに酢。
    〈珍味〉このわた、からすみ。

    〔品書き追記〕以下は2014年11月29日の例。
    〈汁もの〉海栗うに小舟、かきくず汁、あさり吸もの/味噌汁、はまぐり吸もの/味噌汁、しじみ味噌汁、鯛あら味噌汁。
    〈お造り〉ひらめ造り/うす造り、ぶり造り/たたき、かつお焼造り/たたき、さざえ造り、白ばい貝造り、海栗うに造り、鱒の介ますのすけ漬け、盛り合わせ造り。
    〈煮もの〉あらだき、骨蒸し、のど黒煮つけ、さわら味噌煮、あさり酒蒸し、はまぐり酒蒸し、くみあげ湯葉、和牛しゃぶしゃぶ小鍋、地鶏豆乳小鍋、たんしちゅー。
    〈創作〉なすかにあんかけ、海鮮おこげ、牛たん玉子とじ(すきやき風)、かき葱バターやき、さざえ香りバターやき、海老サンド揚げ、和風コロッケ、ウニトロロ磯部揚げ。 〈焼きもの〉ぶり照やき/塩やき、かま塩やき、のど黒塩やき、さわらバターやき/照やき、はたはた一夜干し、白ばい貝バターやき、あさりバターやき、はまぐりバターやき、さざえつぼやき、地鶏くわやき/塩やき、合鴨ステーキ、和牛ステーキ、牛たん塩やき。
    〈揚げもの〉地鶏唐揚げ、一口カツ、合鴨竜田揚げ、小ふぐ唐揚げ、かきふらい、かき天ぷら、海老天ぷら、たこ天ぷら、海栗うに天ぷら、いか天ぷら、鯛しそ揚げ、盛り合わせ天ぷら。
    〈小鉢もの〉さざえ二杯酢、小いわしなんばん漬け、かるぱっちょ、合鴨たたき、しらすときゃべつのサラダ、やまと芋トロロ、ひらめ昆布〆、かき酢、〆鯖しめさば
    〈珍味〉からすみ、このわた、うるか、かき塩辛。 (2012年2月調べ、2014年11月に追記)

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季節の伊予柑カクテル … バー「露口(つゆぐち)」(松山・大街道)

季節の伊予柑カクテル


 「きよちゃん家」を出て、(最初の懇親会から数えて)3軒目の店へと向かいますが、このままの人数(12人ほど)だと多すぎて入れる店がほとんどないので、それぞれの趣味に合わせて分散。夜のおねえさんが好きな人たちは女性がいる店へ、さらに日本酒を極める人たちは日本酒の店へ、などなど、数グループに分かれて夜の松山へと繰り出します。

 私は同じ職場のAさんと二人で、バー「露口」へ。Aさんとは、呉のバー「アンカー」にもよく一緒に出かけていて、今日も「松山にもおすすめのバーがあるんだけど、カウンター席だけだから大人数は入れない。もし少人数で分散できたら行こうね」と話していたのでした。

 午後11時前の「露口」は、ちょうどお客さんたちが引けたところのようで、先客は数名のみ。さっそくカウンター席の手前のほうに腰を下ろし、まずは「露口」ならではの8オンス・タンブラーで出される角ハイボールをいただきます。

 「露口」のハイボールは、昔からずっとこのスタイル。ビシッと濃いハイボールは、パチパチ弾ける炭酸の泡にのせて、ウイスキーの味と香りを強く感じることができるのです。

 そのハイボールを飲み干して、「2杯目はおすすめのフルーツカクテルを」とお願いすると、その場で伊予柑(いよかん)を絞って、ジンと伊予柑のカクテルを作ってくれました。

 ここ「露口」には、昭和33(1958)年の開店当初から、現在に至るまで冷蔵庫を置いていません。だからビールは置いていないし、冷たいお酒は氷で冷やして作ります。もともとバーは冷蔵庫のない時代からあったので、昔はみんな、こういうスタイルでやっていたんだそうです。

 だから、この伊予柑のカクテルも、最後にステアする段階で氷とうまく混ぜ合わせた、やわらかい冷え方。この温度がまたいいんでしょうね。

 3杯目にスティンガー(ブランデーとホワイトミントのショートカクテル)をもらって、ビシッと締めたところで、ちょうど午前0時の閉店時刻。

 「露口」を出て、トコトコと今日の宿まで帰り、1階のコンビニで入ったところ、分散して他の店に行っていたHさん、Kさんのお二人と再会。「〆のラーメンを食べに行こう」という話になり、「遅くまで開いてるラーメン屋は知らないけど、さっきまでいた『露口』のとなりのうどん屋さんが開いてたよ」ということで、再び「露口」へと戻り、そのとなりにある、うどんの「石松」へ。

 私自身は全然知らなかったのですが、ここ「石松」は創業33年(1979年創業)となる老舗のうどん屋さんなんだそうで、夕方7時から、平日は深夜3時まで。金土の夜は4時まで開いてる(日祝定休)と言うんだから驚くではありませんか。しかも、それほど小さくはない店を体格のいい店主がひとりで切り盛りしています。

 品書きは、うどんだけでも20種類以上あって、かけうどん(500円)が一番安くて、天ぷら・じゃこ天・肉・きつね・わかめ・半熟卵が入った石松うどん(1,000円)が一番高い。ほとんどの品は550~650円で、しかもほとんどのうどんにネギ、天かす、とろろ昆布が入るという、深夜遅くまで開いている店にしてはリーズナブル。

 うどん以外にも、おつまみとして出し巻き玉子(500円)や、おでん(おまかせ一皿が300円)、漬物盛り合わせ(200円)、じゃこ天(200円)なども用意されていて、さらにご飯(並150円)と、おにぎり(2個200円)もあって、飲みながら〆ることもできる様子。

 Aさんは石松うどん(1,000円)、Kさんはカレーうどん(700円)、Hさんと私は鍋焼きうどん(800円)を注文。Kさんが「おにぎり(2個200円)もほしいけど、2個は食べられない」ということで、私と二人で1個ずつシェアすることに決定。

 今日はけっこう食べたはずなのに、思いっきり酔ってて、この時間(午前0時半ごろ)になると、なんだかいくらでも食べちゃったりするんですよねぇ。

 超酔っぱらった上に、超満腹のお腹を抱えて、ホテルに帰ったのでした。反省反省。

 なお、この「うどんの石松」(089-945-7010、松山市二番町2-1-4)、店内の張り紙によりますと、店主がもう引退したいので、二代目を募集中とのこと。松山の飲み屋街で、うどん屋をやってみようという方は、ぜひどうぞ。

120203p 120203q 120203r
「露口」角ハイボールで乾杯 / 伊予柑チップ / 〆はスティンガー

120203s 120203t 120203u
「石松」石松うどん / カレーうどん / 鍋焼きうどん

・バー「露口」の店情報前回

《平成24(2012)年2月3日(金)の記録》

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松山でホウタレ天ぷら … 居酒屋「きよちゃん家(きよちゃんち)」(松山・大街道)

ホータレ天ぷら650円


 昨夜、とっても寒いと思ったら、夜中のうちに雪になったようで、朝、目が覚めてみると呉の町もうっすらと雪景色。しかし、天候はすでに回復していて、快晴です。

 今日はなんと、松山への出張。積もった雪をシャクシャクと踏みしめながら、港に向かう前に、呉駅近くの、朝6時半から開いてる大衆食堂「くわだ食堂」で朝食です。

 おかずがずらりと並んでいる棚から、ひじき(150円)と納豆(150円)を取って席につき、店のおねえさんに中ごはん(160円)と豚汁(ぶたじる、290円)を注文。出てきた豚汁は大根、ニンジン、ゴボウなどの根菜類もたくさん入った粕汁。あったまりますねぇ。それにしても、この時間(午前8時半ごろ)でも、すでにビールやチューハイを飲んでる人がいるのがすごいっ。

 呉駅から呉港(呉中央桟橋)までの、徒歩11分(600m)ほどの距離は、屋根付きの通路で結ばれているので、天候に左右されることなく行き来できるし、この通路には雪も積もっていないのです。

 いつもはフェリーでの~んびりと渡るこの航路ですが、今日は仕事なので、同行者たちと一緒にスーパージェットに乗船。スーパージェットというのは、ウォータージェット推進の双胴高速船で、航海速力32ノット(時速約60キロ)で海を渡ります。

 初めて乗ったスーパージェット。外見は小さく見えるのに、中に入ると意外に広くてびっくりしました。乗り心地は、大型バスで高速道路を走っているときのよう。小さな波も、高速道路の継ぎ目を超えるときと同じようにズズズンッと伝わってくるし、ちょっと舵を切るとグイッと横Gを感じます。

 呉港を出て1時間で、もう松山。仕事前の昼食は、みんな(同行12人ほど)で郷土料理「五志喜(ごしき)」で、“鯛そうめんランチ”(1,280円)をいただきます。麺は松山名物の“五色そうめん”。普通の白い麺に加えて、赤、黄、緑、濃紺の麺も混ざっています。鯛が美味しいなぁ。

 仕事を終えて、参加者全員(60人ほど)での懇親会を終えた後、我われ同行者12人ほどで二次会。幹事さんが事前にネットで調査して、予約してくれていたのは三番町にある「きよちゃん家」という居酒屋です。

 ビルの2階にある「きよちゃん家」は、入口を入るとカウンター6席ほどの小さな店。しかしながら、奥に座敷席もあって、4卓ほどの座卓が並んでいて、我われはそちらに通されます。

 店は店主ご夫妻が二人で切り盛りしているようで、カウンター席には生け簀もあって、瀬戸内の地魚が泳いでいます。松山と呉は、互いに瀬戸内海の向かい側という位置関係なので、泳いでいる魚もハギ(呉ではハゲ)、メバル、アジと、ほぼ同じですね。

 呉の“とり屋”でいただくと、1尾が2,000円ほどするハゲ(カワハギ)ですが、ここ「きよちゃん家」のハギは1尾が、大きさによって1,300~1,600円とリーズナブル。

 置いているお酒が、私の実家近くに酒蔵がある「雪雀(ゆきすずめ)」なのがうれしいではありませんか。地元の魚には、地元のお酒がやっぱりよく合う。お酒そのもののうまい、まずいとはまた違う世界です。

 ハギとハゲと同じように、カタクチイワシもまた呼び名が違います。呉をはじめ、広島県全域では小イワシですが、松山ではホウタレと呼びます。頬が垂れるほどおいしいということからホウタレと呼ばれるようになったとのことです。

 メニューはその日の仕入れによって手書きされ、活魚や鍋物以外は、高くても800円ほど。お酒(雪雀)も1合400円とリーズナブル。今度はじっくりとカウンター席で飲んでみたいお店です。

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「くわだ食堂」店内 / めし中、ひじき、納豆 / 豚汁

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スーパージェット(双胴高速船) / 意外と広い船内 / 32ノットでびゅんびゅん進む

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郷土料理「五志喜」 / 鯛そうめん / 鯛そうめんランチ

120203j 120203k 120203l
「きよちゃん家」お通しの生ワカメと雪雀 / 生ウニ600円 / タラ白子ポン酢600円

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活メバル煮付800~1,600円 / 出し巻き玉子400円 / 牛ロース焼き1,000円

店情報

《平成24(2012)年2月3日(金)の記録》

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店情報: 居酒屋「きよちゃん家(きよちゃんち)」(松山・大街道)

  • 店名: 居酒屋 きよちゃん家
  • 電話: 090-7145-0071
  • 住所: 790-0003 愛媛県松山市三番町2-8-1 古川ビル2F
  • 営業: 17:00-23:00、日・第1月休
  • 場所: 大街道(おおかいどう)電停(伊予鉄道路面電車)から、大街道商店街(アーケード)を、商店街の中にある2つ目の信号交差点まで5分(300m)ほど南下し、その交差点を左折。1ブロック(50mほど)先を左折した先、左手ビル(古川ビル)の2階。ホテルチェックイン松山の横(すぐ西側)。
  • メモ: 平成18(2006)年創業。カウンター6席、座敷24席の合計30席を店主夫妻が切り盛り。〔飲み物〕生ビール(中)500、中瓶ビール(キリン・アサヒ)500・(エビス)550、レモン酎ハイ400、梅酒400、熱燗(雪雀1合)400、冷酒(梅錦生酒300ml)700・(雪雀生酒300ml)800、麦焼酎「かのか」グラス500・キープ2,500、芋焼酎「白波黒」グラス500・キープ2,500、芋焼酎「黒霧島」グラス500・キープ3,000、ソフトドリンク(ウーロン茶、コーラー、ジュース)300。
    料理は日替わりで手書きされる。以下はその一例で、平成24(2012)年2月3日の全メニュー。 〔刺身〕活ハギ1,300~1,600、活石鯛1,200、活メバル1,000、活あじ800、活生子600、いか刺800、ホータレ刺700、たこぶつ800、生ウニ600、活わたりがに1匹3,400。 〔煮付〕活メバル800~1,600、鯛あら800、タラ白子鍋1,500、湯ドーフ700。 〔焼物〕活メバル800~1,600、活あじ800、穴子白焼800、ゲソ600、牛ロース1,000。 〔天ぷら〕れんこん650、さつま芋650、たらの芽650、ホータレ650、穴子650、小えびのかきあげ700、れんこんとごぼう700、れんこんと玉ねぎ700、タコ800、タラ白子800。 〔一品〕活メバル唐揚700、揚げ出しトーフ500、出し巻き玉子400、焼なす400、焼しいたけ500、冷奴350、タラ白子ポン酢600。(2012年2月調べ)

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おとなの?オムライス … 居酒屋「三とり本通店(さんとりほんどおりてん)」(呉)

おとなの?オムライス


 広島地方、本日(2月2日)の最低気温は氷点下1℃、最高気温は3℃!

 こう寒いと単身赴任社宅のエアコンのないキッチンで料理を作る気力はまったくなくなってしまい、会社帰りに夕食を食べに「三とり本通店」へと向かいます。

 店名からもおわかりのとおり、この店もまた、焼き鳥と活魚の両方を楽しめる呉の“とり屋”の1軒なのですが、親子丼630、かつ丼800、天丼800、焼き飯530などのご飯ものも充実しているほか、メニューには刺身定食1,050、天ぷら定食1,050、焼鳥定食850といった定食類まで並んでいて、食事の店としても十分にいけるのです。

 店についたのは午後8時過ぎ。店内に踏み込んだ瞬間に、サッとメガネが曇ります。それだけ、店の外と中との温度差が激しいってことですね。メガネを拭きながら入る店内に先客はなし。いるのは女将さんひとりだけです。

「あんまり寒うて、お客さんがぜんぜん来んけえ、バイトもさっき帰したところなんよ」と女将。今日はそれくらい寒いのです。

 まずはちょいと晩酌ということで、「ちょっと一杯セット」(1,500円)を熱燗でもらいます。

 ちょっと一杯セットというのは、晩酌用のサービスメニューで、焼き鳥4本に日替わりの小鉢が2品、そして飲み物がついています。特筆すべきはその飲み物の量。日本酒なら正3合、焼酎(湯割りか水割り)なら3杯、チューハイや生ビールなら2杯、中瓶ビールなら2本なので、ほとんどの場合は、飲み物はもうこれで十分、といった感じになるのです。

 ただし、飲み物はどれか1種類だけを選ばないといけません。何人かで来るお客さんは、ひとりがビールを選んで、もうひとりが日本酒を選んでと、それぞれ違う飲み物を選んで分けあって飲んだりしているそうです。これもいいアイデアですね。

 カウンターの上段には、3品の大皿料理が並んでいます。通常はこの中から2品を、ちょっと一杯セットの小鉢として出してくれるのですが、

「今日は寒いけえ、1つはおでんにしようね。もう1品、こっから選びんさい。」

 ということで、いかにも美味しそうな、具だくさんの“おから”を選びます。

 ここのおでんは、1品が150円から。普通は小鉢の1つとしては出していないものですが、『お客さんがこれほど来ない日にもかかわらず、よくぞ来てくれた』という女将さんの感謝の気持ちがたっぷりとこもったサービスの品。よく煮込まれた、熱々の大根をよそってくれました。

 焼き鳥は、皮、串焼き、串カツ、手羽先の4本。串焼きというのは、ねぎまの焼き鳥。串カツは、そのねぎまに衣をつけてカツにしたものです。呉の“とり屋”で串カツといって出てくるのは、ほぼ100%といっていいくらい、このタイプです。

 同じねぎまに、天ぷらの衣をつけて、天ぷらにして出してくれる店も多い。これを串天といいます。つまり、串焼き、串カツ、串天の3品は、それぞれ同じねぎまを使って、焼くか、カツにするか、天ぷらにするかという調理法だけが異なるんですね。

 さてさて、いよいよご飯ものにいきますか。なんにしようかなぁ。

「オムライス(650円)も人気があるんよ。うちのはあもない(甘くない)大人のオムライスじゃけえね。」

「へぇ。じゃ、それ! オムライスください。」

 待つことしばし。出されたオムライスは、見た目は普通のオムライスですが、スプーンですくって口に入れると、なるほどケチャップの甘さがない。これはちょっとスパイシーなバターライスのオムライスなんだそうです。飲んだ後には、こういうさっぱりとした感じのオムライスのほうが、くどくないですよね。これはいい。

 けっきょく他にはお客さんが来ないまま、1時間ちょっとの滞在は2,130円でした。どうもごちそうさま。

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おから / ゆでキャベツ(焼き鳥の添えもの) / 燗酒

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おでんの大根 / 焼き鳥4本 / オムライスの中はバターライス

店情報前回

《平成24(2012)年2月2日(木)の記録》

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薪の石窯だから美味い … 伊酒屋「ヴェッキオ(Vecchio)」(呉)

石窯


 伊酒屋「ヴェッキオ」の店内に入るとすぐ目の前、店の中央部に大きな石窯(いしがま)がでんと鎮座しています。

 店主・古家裕隆(ふるや・ひろたか)さんが、5年前(平成19年)にこの店を開くのに当たって重視したのがこの石窯。内装を仕上げてからでは店に入らないので、まずまっ先に石窯を据えてから、店の内装を仕上げていったんだそうです。

 見た目は、ちょっと平たい“かまくら(雪のドーム)”風のこの石釜。セラミック製の窯のまわりを、耐熱モルタルでおおったものなんだそうです。

 内部もまた、“かまくら”の内部のようにドーム状になっていて、入口の上部に煙突が伸びています。このドーム内の左端で薪(まき)を焼き、それ以外の中央から右側の部分にかけての平たい部分に食材を入れて、薪の火の輻射熱(ふくしゃねつ)で焼き上げるのです。

 石窯の煙突は店の外に出て、ビルの屋上まで続いています。

「最初は店の外に出してすぐのところくらいまでの高さしかなかったんですが、その高さだと煙がうまく出て行かなかったんですよ。屋上の上まで伸ばして、やっとうまく煙が引くようになりました」と店主。

 この石窯で、まず焼いてもらったのは、この店の名物料理でもある、季節の野菜のアルフォルノです。アルフォルノというのは窯(かま)で焼いた料理のこと。黒板に書きだされている10種類ほどの野菜の中から3種(700円)、もしくは5種(1,100円)を選んで焼いてもらいます。

 今日は、初物(はつもの)の鹿児島産・そら豆と、徳島産・生しいたけ、広島産・小かぶ、高知産・塩トマト、そして種子島産・安納芋(あんのういも)の5品です。これら5品以外も、野菜はすべて国内産。なにしろ石窯で焼いて、添えられた岩塩をちょっとつけていただくというシンプルな料理なので、素材の良さが重要なのです。

 この石窯で焼くと、ひときわ美味しいのがピザ。ピザを焼く前に、薪をどんどん投入して、野菜を焼くときよりも100度くらい高い状態にまでもっていってからピザを投入すると、あっという間に生地がふくらんで、チーズもとろけてできあがります。こうやって一瞬で焼き上げるのが、美味しいピザを作る秘訣なんだそうです。

 今日のピザはモッツァレラチーズにトマトとバジルのマルゲリータ(1,600円)です。4種のチーズで作るクワトロフォルマージ(1,500円)も好きなんですよねぇ。

 それにしても、店の中心に火があるというのは、なんだか心が落ちつきますね。この窯の火をながめているだけで、お酒の2~3杯は飲めそうです。

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火を眺めながら飲む / 旬野菜の石窯焼き / ピザ・マルゲリータ

店情報前回

《平成24(2012)年1月31日(火)の記録》

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