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おでんのガリは牛食道 … お食事処「ひろ」(呉)

厚揚げとガリ


 東京の、特に下町のほうでは、「うちは酒場なんだから、ごはん物なんて置いてないよっ」と明言する大衆酒場も多いのですが、呉をはじめとする地方の酒場では、まだそこまで明確な分離はされていないように思います。

 呉の中で、ごはん物や麺類(つまり〆の炭水化物)を置いていない酒場は、私が知っている限りでは、ビヤハウス「オオムラ亜」、通常営業のときの「魚菜や」、そしておでんの「かわすじ」(旧・「あわもり」)くらいでしょうか。

 逆に「森田食堂」や「くわだ食堂」、お食事処「寿」などは、食堂と言いながらも完全に酒場を兼ねていて、『食事もできる大衆酒場』といった状態。朝から飲めるのもうれしいところです。

 東京で言うと、町屋の「ときわ食堂」や、日暮里の「いづみや」、最近はすっかり酒場として認知されていますが赤羽の「まるます家」なんかと似たような感じですね。食堂 兼 酒場なんだけど、酒場の要素がちょっと大きい。

 さて、土曜日の今日は、呉市二河野球場(くれし・にこうやきゅうじょう)の川の対岸にある、お食事処「ひろ」にやってきました。

 この春、この上流にある公園でお花見をしたときに、なんとなく気になる店だったので、ネットで調べてみたところ、ホルモン(牛もつ)の天ぷらや、ホルモン(牛もつ)のおでんもあるらしい。ただ、非常に残念なことに、営業時間が朝10時から夕方5時半(土曜日は5時)までと短い上に、日曜・祝日は定休日。これは土曜日に行くしかないなぁ、ということで今日の訪問となったのでした。

 店に着いたのは、ちょうど正午。店内のフロアは横に広く、手前の壁際に4人掛けのテーブルが3卓、奥の壁際に2卓が並んでいて、その壁の奥が厨房のようです。まさに昼どきとあって、どのテーブルにも先客が座っている状態。「ありゃ、どうしよう」と思った瞬間、右手テーブル席にいる4人家族と思しき先客のお父さんが「ここ空くよ。これからお勘定するけえ」と声をかけてくれます。

 「ありがとうございます」とお礼を言って、そのテーブルに座り、まずはビールを注文すると大瓶ビール(550円)は、アサヒとキリンが選べるとのこと。今日はキリンをいただきます。

 厨房との仕切り壁のところに、メニューのプラスチック札がずらりと並んでいて、そこにトンカツ定食(750円)、生姜焼定食(750円)、野菜イタメ定食(700円)などの定食類や、特製中華(600円)、中華そば(500円)、天ぷらうどん・にゅうめん(各450円)などの麺類が書き出されてます。

 つまみらしいメニューと言えばホルモン天ぷらくらいでしょうか。シロミ(上ミノ)、センマイ、チギモ、イブクロの4種類があって、それぞれ1個100円。それとは別に、店の左奥におでん鍋があって1本90円。お皿やお玉、トングなども横に置かれているので、お客さんが勝手に取っていっていいようです。

 1杯目のビールをグッと飲み干して、まずはそのおでんを取りに行くことにします。

 おでん鍋は、「かわすじ」のそれと同じように、けっこう黒っぽいつゆで、中まで見通すのがちょっとむずかしいのですが、厚揚げ、スジ肉(アキレス)、コンニャク、ガリ(牛の食道)、玉子があるようです。

 すきっ腹なので、定番の厚揚げはもらっておいて、あとは珍しいガリ(牛の食道)にしてみましょうか。

 初めて食べたガリは、ツブツブした部分もあって、見た目はちょっとグロテスク。でも食べてみると、さすがナンコツ的な部位だけあって、フニュッとした柔らかい部分と、コリッとした硬めの部分との対比も楽しく、おいしい。これはいいなぁ。

 ガラリと入口引き戸が開いて、入ってきたのは男性ひとり客。「特中(とくちゅう)ね!」と奥の厨房に声をかけて、奥のおでん鍋からおでんを2個ほど皿に盛ってから、「ここ、いいですか?」と、私の向かい側に相席です。

 “特中(とくちゅう)”というのは、特製中華(600円)の略称のようで、その後も入ってくるお客さんの半数以上くらいは、この“特中”を注文するほど人気の一品のようです。キムチやスジ肉が入っているのが“特製”たるゆえんなのかな。

 それよりもすごいのは、そのおにいさんが取ってきたおでん。これはフワ(肺)じゃないかな。「かわすじ」では、キモと呼んでいるのと同じものですが、その大きさがすごい。「宇ち多゛」や「秋元屋」のレバくらいの大きさがあります。これで90円というのはうれしいなぁ。

 私もさっそくそのフワを取りに行きます。東京ではフワと呼ばれる肺ですが、広島ではヤオギモ(柔らかい肝)と呼ばれることが多いようです。肝臓(レバー)は、チギモ(血肝)と呼ばれています。

 他のお客さんの様子を見ると、ほとんどのお客さんは入ってくるなり、奥の厨房に向かって、麺類や定食の注文をし、その足でおでん鍋のところからおでんを取り、その横の冷水器で水をくんでから席に着き、自分の料理が出てくるまでの時間を、おでんを食べながら待ちます。食べ終えると、厨房との境目のところにあるレジのところで「おでん3本ね」などと自己申告しながらお勘定をする仕組み。

 せっかくこういうおでんがありながら、どっちかというと、ここはガッツリと食事をするお店らしく、アルコール飲料を飲んでいるのは私だけ。他の人たちはみんな、車やバイクでやってきて、チャチャッと食事を済ませたら帰っていきます。ちょうど昼どきだからかなぁ。2時とか3時ごろに来たら、また客層が違うのかもしれません。

 最後に磯むすび(120円)と、そうめん汁(120円)をもらって〆にします。磯むすびはチリメンやユカリなどを混ぜ込んだおむすびに海苔を巻いたもの。そうめん汁は、うどんやそうめんなどに使うのであろうダシ汁に、少量のそうめんを入れ、刻みネギをちらして、お吸い物風に仕上げてくれています。ダシに甘みがあって、ものすごくうまいですねぇ。

 1時間弱の滞在。お勘定は1,060円でした。どうもごちそうさま。

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川の向こうに「ひろ」 / ヤオギモ / 磯むすび、そうめん汁

店情報

《平成24(2012)年5月12日(土)の記録》

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