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仕事が終わって横浜へ … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)

ふたり用座卓にて


 二日間の横須賀での仕事を終えて、今夜は野毛の「武蔵屋」です。酒場としての創業は、戦後すぐの昭和21(1946)年。創業店主の木村銀蔵さんが、二人の娘さん(喜久代さん、富久子さん)と切り盛りする酒場でしたが、平成5(1993)年にお父さんが亡くなった後は、ご姉妹+アルバイトの人たちで運営されるようになりました。(現在は、妹の富久子さんはお休み中です。)

 店内は予想どおりほぼ満席状態。「こちらにお座りになる?」と女将が指し示してくれたのは、小上がりの座敷席入口にある、ふたり用座卓の片側。同じ卓の壁際に座っている年配の男性客は、この店の常連さんらしく、「どうぞどうぞ」と笑顔で招いてくれます。

 ふたり用座卓とは言うものの、碁盤や将棋盤ほどの大きさと高さしかありません。そこに相席させてもらい、「どうしますか?」と聞きに来てくれるおねえさんに、「小瓶のビールからお願いします」と注文します。

 注文の方法なども含めて、この店の流儀(ローカルルール)をご紹介しておきます。

 この店には、他の店で飲んできた人は、この店には入れません。また、お客が入って来ても「いらっしゃいませ」という声掛けはありません。自分で店内を見て、空いている席があれば、「ここ、いいですか」と周囲の人たちに確認して、そこに腰を下ろします。

 空席がない場合は、店の前に並んで待ちます。この場合も、「席が空いたのでどうぞ」なんて声はかかりませんので、店を出てくる客の数を見て、先頭の人から順に店内へと入っていくという流れになります。

 席に着くと、湯呑みに入った塗り箸(輪島塗りです!)が出され、「お酒でいいですか?」と聞かれます。(お絞りは出ません。)

 この店では、お酒と料理の組み合わせが決まっていて、お酒の1杯目に玉ねぎの酢漬け、おから、たら豆腐が、2杯目に納豆が、3杯目にお新香が出されて終了となります。

 3杯以上の酒は飲めないので『三杯屋(さんばいや)』とも呼ばれているほどです。

 料金はお酒を1杯でやめた場合、1,100円、2杯で1,700円、3杯で2,200円。ほとんどの人は2,200円(3杯)コースですね。

 先ほどの「お酒でいいですか?」という問いかけに、「はい」と答えると、自動的にこのコースに入り、お箸を使い始めた時点で、お箸が入っていた湯呑みは下げられます。

 3杯のお酒を飲み終えるまでの間であれば、ビールも注文することができます。ビールは大瓶が700円、小瓶ならば500円。つまみとして、小皿の豆菓子が出されます。

 「お酒でいいですか?」のときに、「まずは小瓶で」とか、「最初にビールをください。大瓶で」などと答えると、先にビールが出され、それを飲み終えるまでは日本酒を注ぐのを待ってくれます。

 日本酒は通常は燗酒を、専用の土瓶で注いでくれますが、燗にする前の冷や酒(室温)も選択することができます。

 料理は、定番の5品以外に、コハダの酢の物や、ニシンの煮付け、煮貝、キヌカツギなどが用意されていて、1品400円で追加注文することができます。

 料理のメニューは特になく、日によって、ないものもあるので、「今日はコハダはありまうか?」とか、「ほかの料理は何がありますか?」と確認してみるといいでしょう。

 大入り満員のときなどは、サービスでキヌカツギを出してくれることもあります。

 きっちりと3杯の燗酒を飲み干して、さぁ、席を立とう、と身支度していると、「おばちゃん(=女将)からです」と、お猪口1杯の燗酒をサービスしてくれました。

 本当に久しぶりの「武蔵屋」。お元気そうなおばちゃんの姿と、以前とちっとも変らぬお酒と料理、そしてお店の雰囲気に大満足しながら店を後にしたのでした。

 どうもごちそうさま。必ずまた来ますね!

120925a 120925b 120925c
玉ねぎ酢漬け、おから / きぬかつぎ(サービス) / たら豆腐

120925d 120925e 120925f
2杯目には納豆 / 3杯目にはお新香(ぬか漬け) / 最後にお猪口1杯(サービス)

店情報前回

《平成24(2012)年9月25日(火)の記録》

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 3年ぶり2度目の横浜勤務が決まって、うれしく思ったことのひとつが、『これでまた武蔵屋に通えるようになるな』ということ。  昭和21(1946)年創業。今年で創業67年となる老舗酒場に、私が最初にやってきたのは平成12(2000)年10月のこと。(→そのときの記録)  当時は「武蔵屋」に関する情報はほとんどなくて、その酒場の存在を太田和彦さんの著書、「居酒屋の流儀 (黄金の濡れ落葉講座)」(のちに... [続きを読む]

受信: 2013.01.27 21:44

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