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2013年7月

6年間お疲れ様でした … 阿佐ヶ谷「川名」~中野「ブリック」

古典酒場・倉嶋編集長


 今から6年前、平成19(2007)年4月に創刊された「古典酒場」。その後も1年に1~3冊のペースで出版されてきましたが、つい先日、平成25(2013)年5月に発行された「古典酒場 VOL.12 FINAL号」をもってSeason1が終了し、休刊となりました。

 居酒屋巡りの大先達・太田和彦さんから、「酒とつまみ」創刊編集長の大竹聡さん経由で、「倉嶋編集長の慰労会をやりましょう」というお声がけをいただき、今日は阿佐ヶ谷「川名」の奥座敷に4人で集合です。

 太田和彦さん、大竹聡さん、倉嶋紀和子さんのお三方は、これまでにも不定期に「倉嶋・大竹・太田の三馬鹿トリオの会」((C)太田和彦さん)を開催されていたので、今回は、そこに私も加えていただいた形ですね。

 生ビールをもらって乾杯すると、我われ3人からの記念品として、太田さんから倉嶋さんに、バカラのグラスが手渡されます。(この記念グラスのご発案も太田さんで、しかも自ら足を運んで、選んできてくださいました。)

太田:「12巻、570軒。これをすべて取材して回ったのが、まずすばらしい。取材を断られる酒場もあったでしょう?」

倉嶋:「断られても何度も通って、手紙も書いて、なんとかこっちの思いをわかってもらおうと必死でした」

太田:「そういう編集者がいま少ないんだよねえ。最近はすぐに昔の写真や文章を使いまわしたり、データ外注したりして、簡単に本を作ってしまおうとする。ぜひ見ならってもらいたいねえ」

 「古典酒場」を始める前から、倉嶋さんがあこがれていたという大竹さんは、創刊号の「Tokio古典酒場」で、「『酒とつまみ』編集長・大竹聡さんインタビュー」というコーナーに、インタビューゲストとして出演されているものの、第2号の「Tokio古典酒場 昭和下町和み酒編」ではすでに「大竹聡のハイボール酒場巡礼記」というページを受け持たれ、その後、号を重ねるごとに「古典酒場」作成者側の立場が強くなり、第12号(FINAL)では、太田和彦さんや吉田類さんたち7人に『酒場の魅力に開眼した原点となる酒場、酒場半生記をロングインタビューする』という大企画までご担当されました。

 大竹さんなしには、特に後期の「古典酒場」は成り立たなかったかもしれません。その意味では、大竹さんご自身も、実は慰労される側なのかも!

 阿佐ヶ谷「川名」を出て、二次会は中野の老舗バー「ブリック」です。角をボトルでもらって、ハイボールで乾杯! つまみもひとり1品ずつ注文します。

 「古典酒場」の創刊号から続いている記事の一つに『居酒屋談義』があります。毎号、ひとりずつを取り上げて、酒場でインタビューするというもので、これも大竹さんが担当されています。第1号がなぎら健壱さん、第2号が安西水丸さん、そして第3号で太田和彦さんと続き、以下、坪内祐三さん、吉田類さん、森下賢一さん、不肖・私(浜田信郎)、鈴木琢磨さん、坂崎重盛さん、牧野伊三夫さん、中原蒼二さん、佐山哲郎さんという、合計12名が登場されました。この部分だけを抜き出して1冊の本にしても、読み応えがありそうです。

「落ち着いたら、書き下ろしの本を出すことを考えてみたら?」と太田さん。

 そうですよねえ。倉嶋さん自らが自分の足で回った570軒。いや、「古典酒場」に載っていない酒場も含めれば、その倍以上の軒数かもしれません。そして「古典酒場」に登場してくれた、数多くの人たち。すばらしい本になりそうです。

「これまでの女性のライターさんたちは、みなさん(少なくとも文章の上では)きれいな飲み方をされている。倉嶋さんのように破滅的な飲み方をする人はいなかったから、その点でもおもしろいんじゃないかなあ」

 あはは。たしかに。この切り口でも楽しい本になりそうです。『女性版・大竹さん』って感じで、本のタイトルは「アタシだって酔ってません 酒呑み紀和子は今日も行く」なんてのがいいかもね(笑)。

 午後4時から飲み始めたのに、ふと気がつけばもう11時。7時間も飲んでいたとは思えないほど、あっという間に感じた楽しい時間でした。

 倉嶋編集長、6年間おつかれさまでした。太田さん、大竹さん、すばらしい場に参加させていただき、本当にありがとうございました。またご一緒させていただけることを楽しみにしております。

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阿佐ヶ谷「川名」にて

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中野「ブリック」にて

・「川名」の店情報前回) / 「ブリック」の店情報前回

《平成25(2013)年7月24日(水)の記録》

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三杯屋のあとに三杯屋 … おでん「あさひや」(日ノ出町)

おでんと梅割り焼酎


 壁に「当店では酒類等は三杯までとさせて頂きます」という短冊がかかっている。この店もまた『三杯屋』なのです。

 火曜日の今日は、野毛の「武蔵屋」で、小瓶のビール1本と日本酒を3杯飲んだあと、ふらりふらりと「あさひや」へ。

 「武蔵屋」のおばちゃん(=女将)には、いつも「なるべくまっすぐにね!」と見送ってもらうのですが、「は~い」と口ではいい返事をしながらも、足のほうはついここ「あさひや」か、都橋商店街の「ホッピー仙人」に向かってしまうんですねえ。

 L字カウンター10席ほど(ゆったり9席、つめて11席)の小さな小さなおでん専門店は、いつ行っても満席状態。『入れたらラッキー!』という感じです。

 なので、「武蔵屋」から「あさひや」に行って、入れないので「ホッピー仙人」に引き返すという行程をたどることもしばしば。

 その「ホッピー仙人」にしても、いつもいつも『超』が付くほどの満席状態なのですが、こちらはカウンターで飲むお客さんたちの背後で立ち飲むことができるので、ギュギュッと詰めれば20人以上は入れる。というか、それぐらい入っていることが多いのです。

 さあ、「あさひや」に到着しました。現在の時刻は午後8時半。この店も、「武蔵屋」同様、9時までの営業なので、あと30分ですね!

 うわっ。なんだか今夜も満席状態だなあ。

「こんばんは。ひとりです……」とのぞきこむと、

「こちらにどうぞ」と店の奥のほうを指し示してくれる女将さん。

 見ればL字カウンターの一番奥の端っこ(L字で言うと右下の部分)が、かろうじて1席分あいてました。

「すみませ~ん」と先客たちの背後を通過させてもらってその席に座り、ほとんどの客が注文する焼酎(390円)をもらいます。

 なにしろ酒類は3杯まで。瓶ビール(アサヒスーパードライ、キリンラガー、キリン一番搾り)だろうが、日本酒(冷や酒のみ)だろうが、焼酎(梅割り)だろうが3つです。それなら一番強い焼酎にしないとね! 焼酎の梅割りが飲める店は、横浜では少ない、というのも人気の理由でしょうか。

 おでんのほうは、キティちゃんの形をしたさつま揚げ(130円)と、ちくわぶ(130円)、つみれ(130円)をもらいます。

 ここのおでんは、基本的に130円。焼酎は390円なので、焼酎と基本のおでんを飲み食いしている限り、130円の倍数のお勘定になるということですね。「宇ち多゛」が180円の倍数になるのと似てますね。

 ここ「あさひや」は、今はひとりで切り盛りしている女将さんのご両親が創業したおでん屋。その店を、ご両親がやっていたときと同じスタイルで、女将さんが守っています。

 つみれの味がいいですねぇ~!

 おでんの出汁だしは、関西風の透き通ったタイプながら、塩っけはけっこう効いていて、いい酒の肴になります。

 梅割り焼酎(390円)をおかわりして、おでんも焼ちくわ(130円)と、しらたき(130円)を追加します。

 なにしろ店内にいる客は10人ほど。その10人がL字カウンターに肩寄せあって座っているので、話が弾まないわけがない。その話の中心には、ひとりで切り盛りする女将さんがいます。

 この女将さんが、とても上品で、とても美しいんですよねえ。ここ「あさひや」の第1の名物は、実は女将さんご自身ではないかと思っています。求心力のある方ですよねえ。

 1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定は1,430円でした。どうもごちそうさま。

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おでん「あさひや」 / つみれ、ちくわぶ、さつま揚げ / 焼きちくわ、しらたき

店情報前回

《平成25(2013)年7月16日(火)の記録》

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家族4人で北京ダック … 「中国茶房8(ちゅうごくさぼうえいと)」(恵比寿)

北京ダック


 所用のため、家族で恵比寿に出たついでに、「中華茶房8」で夕食です。

 「中華茶房8」は一羽まるごとの北京ダックを3,680円という低価格で楽しめることで有名。都内だと、ここ恵比寿店と、六本木店、赤坂店、新宿店の4店舗。その他に心斎橋店(大阪)もあるようです。

 この店最大の目玉商品が北京ダックであることは間違いないのですが、他にも一皿210円の前菜料理が40種類ほどあったり、一皿(3個)105円の水餃子が30種類ほどあったり、それらを含めたメニュー全品が300種類以上あったり、しかも24時間営業で年中無休だったりと、なかなかおもしろいお店なのです。

 しかしながら、中華料理店の多くがそうであるように、ここもやっぱり『グループ客向け』といった雰囲気が強いので、何人か集まったときじゃないと行きにくいですね。また、店内の座席間隔が狭くて、客がぎっしりと多いのに分煙されていないので、嫌煙家の人にとっては、けっこう大変といった側面もあるようです。

 北京ダックは調理に時間がかかるので、いちばん最初に注文しておくのが鉄則。1羽(3,680円)が3~4人前あるので、今日は1羽を、まず真っ先に注文しておきます。

 小皿料理は牛ハチノスの醤油煮(210円)、広東風チャーシュー(210円)、青島特製ピータン(210円)、白菜の甘酢漬け(210円)、油揚げピーナッツ(210円)の5品を注文。

 呑ん兵衛ばかりであれば、もうこれで十分で、あとはビール(スーパードライ中瓶、610円)でも飲みながら待ってればいいということになるのですが、今日は、私以外の3人はそんなに飲めない(かみさんはまったく飲めない)ので、つまみだけというわけにもいきません。

「何が食べたい?」

 と聞いてみると、娘は小籠包しょうろんぽうが、息子はチャーハンが食べたいというので、豚肉小籠包(5個780円)と豚肉チャーハン(785円)も注文。なにしろ300種類以上のメニューがあるので、普通の中華料理屋にありそうな料理は、ほぼすべて網羅されているのです。

 これらの前菜とは言えないような料理も含めた前菜類を、ほぼ食べ終わるぐらいのタイミングで北京ダックが出てきます。

 ここの北京ダックは、味付けしたアヒルをまるごと焼き上げて、それを注文した客にお披露目ひろめしたあと、客席で切り分けて出してくれるスタイル。皮だけではなくて、けっこう肉厚にカットしてくれますが、店のホームページによると、これが本場北京のスタンダードなんだそうです。

 この肉もたっぷりと付いたアヒルの皮を、添えられたネギやキュウリと一緒に、カオヤーピンという、餃子の皮を大きくしたような薄い皮にくるんでいただくんですねえ。

 タレは、テンメンジャン、辛口テンメンジャン、レモンダレの3種類が添えられています。自分の好きなタレで食べますが、個人的には辛口テンメンジャンがいいですね。

 いくら肉厚にカットしたとはいえ、まるごと1羽のアヒルには、まだまだ肉もたくさん残っているし、さらには骨も残っています。

 肉のほうは「鴨肉のピリ辛炒め」(ヤーツァイ)として、そして骨は「ガラスープ」として、それぞれ出してくれます。(これらも1羽3,680円の料金の中に含まれています。)

 このヤーツァイも、カオヤーピンにくるんで食べてもおいしい。カオヤーピンが足りない場合は1枚50円で追加注文できます。

 1時間半ほどの滞在で、家族4人がもう満腹。中瓶ビールを3本飲んで、お勘定は4人で8,570円(ひとりあたり2,150円ほど)でした。どうもごちそうさま。

 グループでワイワイと、コストパフォーマンスよく飲み食いするにはいいお店ですね!

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白菜甘酢漬、牛ハチノス、ピーナッツ / ピータン、チャーシュー / 豚肉チャーハン

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豚肉小籠包 / 北京ダックのガラスープ / 鴨肉のピリ辛炒め「ヤーツァイ」

店情報前回

《平成25(2013)年6月30日(日)の記録》

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横浜のバーは日常の場 … バー「スリーマティーニ(THREE MARTINI)」(元町中華街)

オイルサーディンとモヒート


 3年ほど勤務した呉の地から、今年の1月、再び横浜勤務になりました。それを機に、東京・横浜の酒場のいいところを再確認しようと、改めて『名店』と呼ばれる酒場を重点的に回っているところです。

 今日は横浜は山下町にあるオーセンティックバー、「スリーマティーニ」にやってきました。

 オーナー・バーテンダーのの山下和男さんは、東京のホテルのバーに勤務したあと、平成6(1994)年に自分の店、「スリーマティーニ」を開店しました。

 この最初の「スリーマティーニ」は、今よりも小さくて、野毛のトンカツ屋、「パリ一」のすぐ近くにあったんだそうです。

 それから7年後の平成13(2001)年、ここ山下町に移ってきて、現在の店舗になりました。

 なので、創業からは19年、この店に移ってからは12年。老舗バーも多い横浜の中では、比較的新しいバーではありますが、すでに横浜を代表するバーの1軒になっています。

 私はこのバーのカウンターにある、肘置きのクッションが大好き。ここに肘を置いて、カウンターにもたれかかると、本当にくつろぐことができます。

 ホテルオークラ(虎ノ門)内にあるスコティッシュバー「ハイランダー」のカウンター席の肘置きが同じ感じですね。

 そんなカウンター席の一角に座り、まずは生ビール(サントリー・プレミアムモルツ)からスタートします。

 なにしろ今日は、この店が1軒めですからねえ。やっぱり最初はビールから始めたい。

 足つきグラスで出された生ビールを、ゴクゴクッと3~4口ぐらいで飲み干して、モヒート(1,300円)をもらうとともに、つまみとして『オイルサーディンのパン粉焼き』(1,000円)も注文します。

 店は店主ご夫妻と、それを手伝う若手男性スタッフ(バーテンダーでもあります)で切り盛りしており、「美味しい」と定評のある料理は、もっぱら店主の奥様が担当されているようです。

 フレッシュ・ミントがよく効いたモヒートを飲んでいるところへ、

「熱いので気をつけてくださいね」

 と、六角形の鉄板プレートにのったオイルサーディンのパン粉焼きが出てきました。

 添えられているトースト(食べやすいようにカットされています)に、そのオイルサーディンをのせて、まず一口。アチチッ。これは本当に熱い。でもうまいなあ。

 オイルサーディンそのものも、もちろんおいしいけど、トーストがうまいっ!

 モヒートが残りわずかになってきて、『次は何を飲もうかなあ』と考えているところへ、近くの常連さんからバーボンソーダ(=バーボンの炭酸割り)の注文が飛びます。

「私もバーボンソーダをお願いします」

 と瞬間的に便乗注文。バーボンソーダも、けっこう好きな飲み物なのに、このところトンとごぶさたしてました。他人ひとが注文するのを聞いて、「あ! バーボンソーダのことを忘れてたなあ」と気がついたのでした。

 バーボンソーダのバーボンは、エライジャ・クレイグ(Elijah Craig)12年もの。

 革張りの肘置きに、肘をもたせて、LPレコードから真空管アンプを通して店内に流れるロックを聴きながら、バーボンソーダをちびりちびり。とてもくつろげる時間です。

 めっぽうオーセンティックバーなのに、店内の客層は老若男女、幅広く、しかもみんながごく普通の酒場として楽しんでいる様子なのがおもしろい。

 お店の側にも、お客の側にも、しゃちこばったところが微塵みじんもないんですねえ。

 横浜には、東京の大衆酒場のような酒場は少ないんだけど、バー(しかもオーセンティックバー)の数は多い。駅の周辺には、必ず何軒かバーがあると言ってもいいじゃないかと思います。(私が知ってる何駅かの周辺には、必ずちゃんとしたオーセンティックバーがあります。)

 港町であり、開国の街でもあった横浜は、バーの歴史も古く、すっかり町になじみ込んでいる。横浜の人たちにとっては、バーはごく普通の、日常的な酒場なんでしょうね。

 1時間ちょっとの滞在。お勘定は4,300円でした。ごちそうさま。

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BAR「スリーマティーニ」 / 生ビール / バーボンソーダ

店情報前回

《平成25(2013)年6月7日(金)の記録》

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乗換ついでにサク飲み … 「西口やきとん(にしぐちやきとん)」(浅草橋)

壁際カウンターにて


 浅草橋の人気もつ焼き店、「西口やきとん」にやってきたのは、土曜日の午後6時半。店内左手にあるメイン立ち飲みカウンターや、奥のテーブル席はほぼ満員状態ながら、焼き台前(店の入り口横)や、店内右手の壁に作り付けてある立ち飲みカウンターには、まだ空きがあります。

 右手立ち飲みカウンターの一角に立ち、ボール(280円)と皿ナンコツ(200円)、そしてフランスパン(1串100円)を注文します。

 ボールというのは、レモンハイボールの略称。この店の代表的な飲み物で、通常サイズが280円、大きなサイズは400円です。

 レモンの酸味がいいんですよね。東十条「埼玉屋」の生レモンサワー(440円)もそう。甘みをおさえた酸っぱさが、もつ焼きによく合うのです。

 すぐに出される皿ナンコツとフランスパン。

 名物の皿ナンコツは、圧力鍋で煮込んだ軟骨をタレに浸けこんだもの。小皿に盛られて状態で、ずらりと並んでいるものを、注文を受けてから温め直して出してくれます。『汁っけのない豚ナンコツ煮込み』という感じ。

 そしてフランスパンは、一口大にカットしたフランスパン3切れを串に刺して、クレイジーソルトを振り、もつ焼きと同じように炭火の焼き台で焼いたもの。

 このフランスパンに、皿ナンコツをのせて、一緒に食べるのがいいんです。

 今日は、昼過ぎに立石の「宇ち多゛」で飲んだあと、愛知から上京されているKさん、店内で一緒になった『歩く酒場データベース』川口さんご夫妻、そして「古典酒場」のブロガー座談会でもご一緒させていただいている、ワイタベさん宇ち中さんとも合流して、押上おしあげで開催されていた「第2回 角打かくうちスタンプラリー」に参加。その待ち時間も含めて4軒ほどの酒場をハシゴしたあと解散し、浅草橋駅で、中央線方面への乗り換えをするついで(?)に、ひとり、久しぶりの「西口やきとん」に立ち寄ったのでした。

 この店に来たのは4年ぶりなのに、なにもかも、ちっとも変ってないのがいいですねえ。もつ焼きなどの串焼きも、基本的に1本100円で変わりなし。当時150円だった小皿料理が200円になってるのが唯一の変更点でしょうか。値上がりしても安い(コストパフォーマンスがいい)ですよね。

 小皿料理の中でも浸けキュウリや、もやしナムル、らっきょう、自家製メンマなどの野菜ものは、以前と変わらず100円のままです。

 小皿料理は日替わりで、毎日、店内のホワイトボードに手書きされるのも以前のとおり。

 店内のにぎわいや、店員さんたちの元気のよさも変わりなし。ここに来たら、自分も元気になるような気がするんですよねえ。

 相変わらずの大人気店であることを再認識したところでお勘定。30分ほどのサク飲みは、580円でした。どうもごちそうさま。

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「西口やきとん」 / 皿ナンコツ / フランスパン

店情報前回

《平成25(2013)年5月18日(土)の記録》

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「はまや食堂」飲食記 … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

ごぼうピリ辛煮3月14日(木)、さんま塩焼きに引かれて特別定食(小ライス、960円)で、3品から2品が選べる副菜はマカロニサラダと、ごぼうピリ辛煮を選択(もう1品は、ほうれん草おひたし)。大瓶ビール(480円)と大徳利(500円)で、合計1,940円。
さんま塩焼き定食4月1日(月)、新年度が始まった。月曜日の今日は休肝日。お酒抜きでのC定食(680円)は、さんま塩焼きと冷奴。なにしろさんまの塩焼きが好きなんだなあ。ちなみに今日の特別定食(980円)は豚鍋、B定食(580円)はナス味噌。
まぐろぬた4月3日(水)、今日はアラカルトで行くことにして、フキ煮付け(250円)とマグロぬた(380円)、白菜の漬物(180円)をつまみに飲んで、つまみと〆も兼ねた主菜はホッケ焼き定食(780円)。大瓶ビール1本(480円)と大徳利の燗酒(500円)を2本でお勘定は3,050円。この料金が、これまで(7月まで)の「はまや食堂」最高値。
酢の物4月9日(火)、ホッケ塩焼きの特別定食(小ライス)で、副菜は酢の物とブロッコリーの2品を選択。大瓶ビールに大徳利の燗酒に、納豆(100円)を追加して、今日のお勘定は2,040円。酢の物のワカメがおいしかったなあ。
和風ハンバーグ定食4月15日(月)、休肝日の今日は和風ハンバーグ定食(780円)。ハンバーグには大根おろしがのり、目玉焼きが添えられる。毎日のようにこの定食を注文する常連さんもいるほど人気の品なんだけど、お酒のおともにはなりにくいので、私自身はきょうが初めての注文。ハンバーグがジューシーでうまい!
ほっけ塩焼き4月18日(木)、ホッケ塩焼きの特別定食(小ライス)で、副菜はポテトサラダと、ごぼうピリ辛煮を選んで、大瓶ビールと大徳利(燗酒)の『大衆食堂のフルコース』である。ごはんの時に納豆も追加して、2時間ほどゆっくりと過ごす。お勘定は2,040円。
まぐろぶつ4月27日(土)、今日の特別定食の主菜はマグロぶつ(単品530円)。副菜に、じゃが煮付けと揚げ豆腐を選んで、いつものように大瓶ビールから大徳利(燗酒)。揚げ豆腐は、豆腐の天ぷら。おろし生姜を溶いた天つゆでいただくと、これはうまい!
豚肉スタミナ鉄板4月29日(月)、豚肉スタミナ鉄板の特別定食を、山うど酢味噌とマカロニサラダの副菜、ライスは小で注文し、大瓶ビールを2本。山うどのみずみずしさがいいですねえ。ジュージューと出される豚肉スタミナ鉄板は、いつもある定番メニューなんだけど食べたのは初めて。ビールによく合う。納豆も追加して2,020円。
ポテトサラダ5月9日(木)、B定食(580円)は野菜系の主菜に、納豆、海苔、ライスセットが付く。今日の主菜は、なす味噌(単品250円)。先にポテトサラダ(200円)をもらって、大瓶ビール(480円)を2本。お勘定は1,740円。
かれい煮付け5月16日(木)、特別定食はカレイの煮付け。ブロッコリーとカボチャ煮を副菜に選んで、ごはんは小。大瓶ビール(480円)に、燗酒は小(280円)でもらう。カレイの煮付けは、餡かけの唐揚げのような感じで出され、とてもうまい!
野菜天ぷら5月20日(月)、休肝日の予定だったんだけど、店に入るとどうしてもビールが飲みたくなり、大瓶ビール(480円)にC定食(680円)。今日のC定食は野菜天ぷらと冷奴。ごはんの時に納豆(100円)も追加して、お勘定は1,260円。
なす味噌5月27日(月)、今週はきちんと休肝日。なす味噌+納豆、海苔、ライスセットのB定食(580円)をもらう。B定食はいつも野菜中心。ヘルシーな定食なのです。これだけ食べてたら太らないんだけどなあ。横浜に来てから体重が増加気味。
なす生姜のB定5月29日(水)、カボチャ煮付け(200円)で大瓶ビール(480円)を飲んで、なす生姜のB定食(580円)を小ライス(-20円)でもらって〆。なす味噌もいいけど、醤油でさっぱりといただく、なす生姜もいいですねえ。納豆ごはんもうまい。1,240円。
ぶり照焼5月30日(木)、二夜連続の「はまや食堂」。特別定食(小ライス、960円)はブリ照焼。副菜は冷奴とマカロニサラダ。大瓶ビール(480円)から大徳利(燗酒、500円)へと進み、ごはんの前にオニオンサラダ(180円)も追加。2,120円。
塩鮭焼き6月6日(木)、特別定食の小ライス(960円)をオールで注文。オールは、本来は3品から2品選ぶ副菜を、3品すべて出してもらうこと。単品価格が一番安いものが追加料金となる。今日の主菜は塩ジャケ。副菜は山芋とろろ、小松菜おひたし、大根煮付けだ。とろろごはん、うまし! 小ライスに大瓶ビールと大徳利で2,140円。
カレーライス6月13日(木)、木曜日は「はまや食堂」に行くのが定番のようになっている。今日はC定食(680円)がカレーライス+マカロニサラダ。大瓶ビール(480円)をもって、ビールとともにカレーを楽しむ。目玉焼きが付いてるのがいいね! お勘定は1,160円。
トンカツ6月19日(水)、トンカツの特別定食(980円)を小ライス(-20円)、オール(+180円)で、大瓶ビール(480円)に、ぬる燗小(280円)。詳細な状況についてはこちらの別記事をご覧ください。
豚生姜焼き定食6月24日(月)、豚生姜焼き定食(650円)をもらって休肝日。今日の特別定食(980円)は豚肉スタミナ鉄板に副菜2品。B定食(580円)はアサリ汁(大)に納豆、のり、ライスセット。C定食(680円)はハムエッグと揚げ豆腐にライスセット。
さんまと冷奴6月26日(水)、特定がトンカツ、C定はサンマ。今日はサンマに引かれた。大瓶ビール(480円)とカボチャ煮付け(200円)からスタートし、ぬる燗の大徳利(500円)へ。C定はごはん小(660円)で。納豆(100円)も追加して、1,940円。
なす味噌7月4日(木)、東北の季節の山菜、『みず』が美味しかったこの日の様子は、こちらの別記事にありますのでご覧ください。ごはんと一緒に出してくれた、なす味噌もおいしかったなあ。ビールとぬる燗で、この日は2,340円。
ハムエッグ7月8日(月)、今季初めて、横浜でも最高気温35℃を記録。ほうほうのていで「はまや食堂」にたどり着き、なにはさておき大瓶ビール(480円)。グッとのどを潤したところで、ハムエッグとポテトサラダのB定食(680円)を小ライス(-20円)で注文した。1,140円なり。
冷やしうどん7月10日(水)、猛暑日が続いているので、冷やしうどん(780円)を注文すると、そのうどんに付いてくる野菜天ぷらが、とてもつまみによさそうなので大瓶ビール(480円)ももらう。つるっとコシのある細いうどんは、秋田の稲庭うどんだそうな。今日のお勘定は1,260円なり。
オニオントマト7月11日(木)、ぶり照焼の特別定食(小ライス、960円)をオールでもらって、大瓶ビール(480円)から、ぬる燗大(500円)。副菜は冷奴、オニオントマト、マカロニサラダの3品。オニオントマトは通常メニューにはない。オニオンサラダ(180円)と冷やしトマト(150円)のミックスだ。納豆(100円)を追加して2,170円。
あじ天ぷら7月18日(木)、「大瓶のビール。特定食をオールで、ライスは小で後からお願いします」と、いつものように注文。今日の特定食の主菜はアジ天ぷら。副菜は冷奴、ポテトサラダ、小松菜おひたし。アジの天ぷら、うまいなあ。添えられている舞茸、なす、ピーマンなどの天ぷらもうまいっ。ぬる燗の大(500円)をもらって、2,070円。
かつお刺身7月22日(月)、休肝日なのに特別定食(980円)のカツオ刺身に引かれた。副菜はカボチャ煮付けとマカロニサラダの2品を選択。生姜醤油をたっぷりとからめたカツオの刺身を、熱々ごはんの上にオン。冷たいカツオ刺身と熱いごはんを一緒に食べるのがうまいんだなあ。特別定食に付くデザートはグレープフルーツ2切れ。

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《平成25(2013)年7月22日(月)の記録》

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最後の注文はシロみそ … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(京成立石)

シロみそ


 昨年末に、一緒に『呉の三大大衆食堂巡り』をした愛知県在住のKさんが上京され、今回は一緒に「宇ち多゛」へと向かいます。

 昼の12時30分に京成立石駅の改札口で待ち合わせて「宇ち多゛」に向かうと、裏手の入口には30人ほどの長い行列。しかしながら午後1時には店内に入ることができました。

 まずは大瓶ビール(キリンラガー、540円)をもらって、料理は煮込み(180円)とお新香・生姜のっけてお酢(180円)、そしてタン生お酢(180円)を注文。

 お新香は残念ながら売り切れていて、大根・生姜のっけてお酢(180円)になりました。お新香(ぬか漬け)はキュウリと大根の盛り合わせなのですが、たいていキュウリが先になくなってしまいます。そうなるとお新香も大根だけになるんですね。

 それにしてもタン生が残っていてよかった。みんなもう売り切れたと思って注文してなかったのかなあ。

 同じテーブル(裏手入口の左側の奥席)には、歩く酒場データベース・川口さんご夫妻や、常連・しのさんたちもいて、そこでの会話もまた楽しい。

 愛知からいらしたKさんは、お仕事の都合で錦糸町に住んでいたこともあって、そのころにもよく「宇ち多゛」に来られていたんだそうです。しかしながら、太田和彦さんの「居酒屋味酒覧」に掲載されている酒場も、ほぼ全軒制覇されているKさんなので、どこにお誘いしても行ったことがあるお店なのかもしれませんね。

 それにしても「居酒屋味酒覧」掲載店は全国各地に及んでいる。そのほぼすべてを制覇というのは、すごいことですよねえ!

 ビールを飲み干して、焼酎の梅割り(180円)に切り替えたところで、残っているもつ焼き(2本180円)はアブラ、シロ、ガツの3種のみ。タン生もさっき売り切れたのです。午後1時を過ぎると、いろんな品物が次々に売り切れていくんですね。

 残る3種の中からアブラたれと、シロたれをもらいます。

 ガツよりもアブラのほうが先に売り切れるだろうという読みだったのですが、なんと先に売り切れたのがガツ。『ガツ素焼きお酢入れないで』をねらってたのになあ。

 『ガツ素焼きお酢入れないで』というのは、素焼きしたガツに醤油だけかけて、お酢はかけないもの。つまり『ガツ醤油』ができあがるってことですね。う~む、残念でした。

 すぐにアブラも売り切れて、もう残っているのはシロのみ。

 さっきはシロたれでいただいたので、今度はシロみそをもらいます。

 シロみそというのは、素焼きのシロを、煮込みの汁をくぐらせてから出してくれるもの。つまり『みそ』というのは、煮込み汁のみそ味のことなんですね。けっこう人気が高い一品です。

 店の片づけが始まる2時ごろまで、1時間ほどの滞在。二人でおかず6品と、ビール大瓶、焼酎梅割り6杯(ひとり3杯ずつ)で、お勘定は二人で2,700円でした。どうもごちそうさま。

 なお「宇ち多゛」は、2013年7月25日(木)~28日(日)までは夏休み。8月15日(木)は土曜日なみの営業で、8月16日(金)~18日(日)はお盆休みです。

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大根、煮込み、タン生 / アブラたれ、シロたれ / 焼酎梅割り

店情報前回

《平成25(2013)年5月18日(土)の記録》

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ソースも合う、鶏もつ … 「福田フライ(ふくだふらい)」(桜木町)

ソースも合う、鶏もつ


 今日もまた「武蔵屋」に行って、「ホッピー仙人」に行って、ぼちぼち帰ろうかと桜木町駅に向かっていると、おろっ。「福田フライ」がいているし、いている。

 時計を見ると午後9時45分。

「あと15分だけ!」

 と、店の入り口近くにあるフライヤー(おばちゃんがいるところ)の横に立ち、奥のノブさん(息子さん)に酎ハイ(400円)をお願いして、目の前のおばちゃんには、とりかわ、ハツ、砂ギモ、レバー(各140円)を1本ずつ注文します。

 横浜で『フライ』と呼ぶのは、大阪でいう『串カツ』、東京でいう『串揚げ』のこと。

 値段は1串あたり190円、150円、140円、90円という4つに分かれています。

 最高級品である190円ものは、くじら1品のみ。

 150円ものは、いわし、あじ、にんにくの3品。たとえば『あじ』は、おかずに出てくるアジフライのように、開きにした1尾をそのまま揚げてくれます。

 140円ものが一番多い。串かつ、玉子、わかさぎ、えび、かき、あさり、げそ、いか、かぼちゃ、しいたけ、銀杏、アスパラといった品々。先ほど注文した『鶏もつ4兄弟』(とりかわ、ハツ、砂ギモ、レバー)も140円です。

 90円は野菜もの。ポテト、なす、玉ねぎ、長ねぎ、ししとう、ピーマンの6品がそうです。中でもポテトは人気が高いですねえ。いつもだれかが注文しています。

「辛いの?」

 フライヤーから、できあがった鶏もつを持ち上げたおばちゃんから声がかかります。

 大阪風の串カツは、『2度づけ禁止』で自分でソースをくぐらせますが、ここ「福田フライ」では、おばちゃんがソースの壺に浸けてから出してくれるのです。

 そのソースに『普通の』と『辛いの』がある。おばちゃんが「辛いの?」と聞いてくれたのは、「どっちのソースをつけますか?」ということなのです。

 「福田フライ」ならではの味は、なんといっても『辛いの』なのですが、ものすっごくニンニクが効いているのが困りもの。明日の朝になっても、まだ強烈なニンニク臭が残るほどなのです。

 『鶏もつ4兄弟』は、すべて衣をつけないで素揚げしてくれるので、これまではいつも、素揚げのままで出してもらって、塩をかけて食べていたのです。しかもそれがおいしいので、他のソースをつけてみるという発想がありませんでした。

 改めて、おばちゃんに「辛いの?」と聞かれると、

(そうか。他の人たちはそんな食べ方をするんだ。私も今日はソースで食べてみようかなあ)

 という気分になってきて、

「普通のソースでお願いします」と回答。

 さすがに火曜日から『辛いの』はちょっとまずいかなあと、普通のソース(=ウスターソース)にしてみたのでした。

 鶏かわの素揚げをウスターソースで食べるなんて……。

 鶏ハツの素揚げをウスターソースで食べるなんて……。

 砂ギモの素揚げをウスターソースで食べるなんて……。

 鶏レバの素揚げをウスターソースで食べるなんて……。

 そう思うでしょう? 私もそう思ってました。

 ところが! これが意外にもうまいんです。

 ちょっと練りがらしをつけても、またうまい。

 すぐにでも、この『鶏もつ4兄弟』をおかわりしたいところなんだけど、残念ながら今日は時間がない。

 今度は、金曜日か土曜日に来て、この『鶏もつ4兄弟』を『辛いの』で食べてみたいんだけど、この金曜日、土曜日(+日曜日)の「福田フライ」が爆発的に混雑してて、入れないことが多いし、よしんば入れても、ほしいネタが売り切れてたりするんですよねえ。

(やっぱり平日に『辛いの』を試すしかないかなあ)

 そんなことを考えながら、グイッと酎ハイを飲み干して、お勘定をお願いします。

 10分ほどの滞在。今日のお勘定は960円でした。ギリギリに来てごめんなさいね。どうもごちそうさま。

 あ、そうそう。毎週木曜日は、おばちゃんがお休みする日になったそうです。つまり、『木曜日はフライはお休み』ということです。ご承知おきください。

店情報前回

《平成25(2013)年7月2日(火)の記録》

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殻がうまい!うずら卵 … やきとり「大和鳥(やまとちょう)」(高円寺)

殻がうまい!うずら卵


 中野区大和町やまとちょうにある焼き鳥の店、「大和鳥」にやってきました。店名の読みは『やまとちょう』。大和町にあるから『やまとちょう』なんですね。

「みんなが一発で覚えてくれるんだよ。高円寺は焼き鳥激戦区だから、いろいろと工夫しないとな」

 と笑うのは店主の佐藤由亘さとう・よしのぶさん。

 テレビや雑誌では、この店の名物として、殻付きのうずらの卵や、イカ墨の富士宮焼きそばが取り上げられることが多いのですが、実は本当の名物は店主マスター自身だろうと思います。店主を、自分のオヤジやアニキのように慕って、この店に通ってくる若者が多いのです。

 昭和56(1981)年6月1日の創業。今年で創業32年になります。

 メニューはない。「食べ物はオレが決める!」という店主が順番に出してくれるものをつまみながら、冷蔵庫に入っているビールを自分で出して飲んだり、焼酎の水割りを作って飲んだりする。何をどれだけ飲んだかは自己申告制なのです。

 だから基本的に一見いちげんさんはお断り。この店のルールをある程度知っていないと、戸惑ってしまうからです。

 一見でも行ってみたいという方は、入り口に面した焼き台で、焼き鳥を焼いている店主に、店の表から、開けっ放しの窓越しに話しかけて、正直にその思いを伝えてみましょう。きっと思いは伝わります。

 最初は奥さんと二人で切り盛りしていたのですが、弟のようにかわいがっている知人のお店が人手不足になり、やむなく店主の奥さんが手伝いに行くことになった。そこで、この店を店主ひとりで切り盛りするのにあたって、メニューをなくして店主が作ったものを出すようになり、飲み物もセルフサービスの自己申告制にしたんだそうです。

 だから座る位置も、「あんたはここに座んなさい」と店主が指定する。店主のすぐ近くのベストポジション(一番入口に近い席)に指定されるのは、フットワークの軽い若手の常連さん。なにしろここは店主の手伝いをしないといけないからね!

 よそで食べてきてお腹がいっぱいだったり、ふところ具合が寂しかったりするときは、最初にその旨を申告しておけば、それを考慮した出し方をしてくれます。

 今日はカウンターに3人、その後ろの2人掛け×2卓のテーブル席の、奥側の1卓にも二人連れのお客さんが入っていたので、私は冷蔵庫から瓶ビール(キリン一番搾り大瓶)と冷えたグラスを取って、残る1卓、入口側のテーブル席に座ります。(奥にも座敷席があります。)

「昨日は久本が10人ぐらいでやってきて大変だったんだよ」

 と言いながら、店主がお通しのネギとエノキの和え物を出してくれます。この日替りのお通しは、毎日、店主の奥さんが作ってくれるんだそうです。それ以外の料理はすべて、仕入れから仕込みまで、店主がひとりでやっています。

 店主が『久本』と呼ぶのは、タレントの久本雅美ひさもと・まさみさん。久本さんは、上京してすぐ、東京ヴォードヴィルショーに入団したころ(1981年)から、つまりこの店の創業当時から、この店に通っていて、WAHAHA本舗(1984年設立)もこの店で生まれたんだそうです。「超」が付くほどの人気者になった今も、ときどき顔を出してくれるというのがうれしいですね。

 おぉ~っ、すげぇ~っ。

 見ただけでびっくりする本日の1品めは、『鯨赤味と鯨ベーコンの刺身』です。赤味・ベーコン・赤味・ベーコン・……と順番に並べてくれているので、ぜいたくに赤味の上にベーコンをのせて、一緒にいただきます。ん~~~ん。これはうまいっ!

 2品めは『ささみの明太子焼き』。軽~く炙る程度に焼いた鶏ささみに、店主オリジナルの明太子ソースをのせて、さらに焼き海苔をのせたもの。この明太子ソースだけでもいいつまみになるんですよねえ。

 ここで大瓶ビールを飲み終えて、飲み物を麦焼酎(いいちこ)の水割りに切り替えます。この焼酎のボトルは、『おっとこまえH氏』こと、酒友・H氏のもの。H氏も、久本さんと同様に、創業の2か月後、1981年8月からこの店に通っているという古い常連さんです。私自身、はじめてこの店に来たときは、H氏に連れてきてもらったのでした。

 そして3品め。ここでしか食べられない『殻付きのうずらの卵』です。できたては殻の部分が火傷やけどするほど熱いので、2分ほど待ってからいただきます。熱いほど美味しいので、なるべく熱々で! 5分も待つと待ち過ぎです。

 この『殻付きのうずらの卵』は、殻ごと、カリカリ、シャクシャクといただきます。

(えぇ~っ、うそでしょう?!)

 と思う人もいるでしょうが、この一品は、むしろ殻があるから美味しい。殻にもちょっと醤油っぽい味が付いていて、それが香ばしくてうまいのです。

「殻付きのうずらの卵は、ひらめきで、すぐに思いついた料理だけど、それからお店でちゃんとした形で出せるようになるまでが長かった。うちの料理の中で、完成するまで一番時間がかかった料理じゃないかなあ」と店主。

 4品めは『シシャモのしそ海苔巻』。焼き台で熱々に焼いたシシャモを、刻んで梅肉で和えた大葉(しそ)をのせた海苔で巻いて、手渡しで出してくれるもの。シシャモの熱さと、刻んだシソの冷たさのバランスもおもしろくて、お酒が進む一品です。

 5品めは『砂肝の塩焼き』。ここの砂肝は、いつも同じ形のものが出されるのがすばらしい。いろんな大きさの砂肝があると思うのですが、ほぼきっちりと大きさもそろっている。昔のスペースインベーダーのキャラを彷彿とさせる、丸っこいクラゲのようにカットされているのが、なんだかカワイイのです。

 店内はまるで放課後の部室のよう。店主が話の中心になって、店中の客が同じ話題で盛り上がる。その話のあいま、あいまで、店主がちょいと出してくれる料理がまたうまい。こうして、みんな時間を忘れて話し込んでいくんですねえ。

 そろそろ午後11時。私はボチボチと腰を上げるとしましょう。たっぷりと3時間ほどの滞在。今日のお勘定は2,700円でした。どうもごちそうさま。

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やきとり「大和鳥」 / お通しとビール / 鯨刺身と鯨ベーコン

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ささみの明太子焼き / シシャモのしそ海苔巻 / 砂肝の塩焼き

店情報前回

《平成25(2013)年5月4日(土)の記録》

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水割りとミックスピザ … バー「クライスラー(CHRYSLER)」(日ノ出町)

水割りとミックスピザ


 編集者でライターの白井いち恵さんと、野毛の「武蔵屋」で、散歩の達人MOOK「はいから横浜」(2013年7月12日発売、880円)の打ち合わせをしたあと、二次会として向かったのは福富町の老舗バー「クライスラー(CHRYSLER)」です。

 2階に上がって、ずっしりと重い扉を開けると、すぐ目に飛び込んでくるのは横に長~いカウンター席。このカウンター席、実は右の端っこで直角に折れて、本当は長~いL字(短辺がすごく短いLの形)をしているのですが、入った瞬間はそこまで見えません。

 ついでに言うと、入口からは見づらい右手の奥のほうは、少し広い空間になっていて、4人掛けのボックス席が数卓と、CD式のジュークボックスが置かれています。(ジュークボックスを日本で最初に入れたのも、この店だそうなんだけど、ほんと?)

 そのカウンター席に座り、名物のウイスキー水割り(500円)を2杯もらって乾杯し、つまみには、これまた名物のミックスピザ(1,200円)を注文します。

 カウンター席でウイスキーの水割りを注文すると、ブーツ型のグラスで供されるのがいいんですね。

 ちなみにボックス席で水割りを注文すると、ホルン型のグラスで出されます。

 ブーツ型のグラスは、ガラスが薄いし、左右に倒れやすいので、グラスを倒すことが少ないカウンター席でだけで使われるのです。

 こうやって二人分のブーツ型グラスが並ぶと、ちょうど両足分になって、見た目にもおもしろいですね。

 ここ「クライスラー」は昭和25(1950)年5月5日創業のオーシャンバー。

 オーシャンバーというのは、オーシャンウイスキーを出す酒場のことを言います。サントリーのトリスバーや、ニッカバーなどと同じですね。

 なので、この店で、銘柄を指定せずにウイスキーの水割りを注文すると、オーシャンの「スペシャルオールド」というウイスキーの水割りが出されていました。ところが、今はもう「スペシャルオールド」は作られていないんだそうで、水割りも「竹鶴」(ニッカ・ウイスキー)で作ってくれました。(個人的には「竹鶴」は大好きなウイスキーなので、この変化はウェルカムです。)

 そして銀色の金属皿で出されるのは、これまた昔から「クライスラー」の名物であるミックスピザですねえ。チーズの味がものすごく濃厚で、水割りにもよく合います。

 このブログでは、タイトルの地名は、店の最寄駅を表記するようにしています。「クライスラー」の場合は、京急・日ノ出町駅が最寄りなので、『日ノ出町』という表記にしていますが、実は日ノ出町駅から徒歩8分(約480m)、関内駅から徒歩9分(約530m)、地下鉄・伊勢佐木長者町駅から徒歩11分(約630m)、桜木町駅から徒歩13分(約740m)と、ちょうどこの4駅の中間あたりにあるのです。

 すでに野毛の酒場で飲んでいる場合には、都橋商店街の日ノ出町駅寄りにある橋(宮川橋)を渡って、伊勢佐木町方面に(ソープ街を突っ切って)進むと、徒歩2分(約140m)ほど先の左手2階。黄色い電灯看板が目印です。

 今年で創業63年と、界隈でも屈指の老舗バーなのに、その店内はまったくゆる~い空気感。店内の客も老若男女幅広く、まるで喫茶店のような雰囲気で、みんながそれぞれ楽しんでいる。こうやって、普段の生活の中にフツーにバー文化が溶け込んでいるのが、横浜なんですよねえ。

 私の分だけもう1杯、ウイスキーの水割り(500円)をおかわりして1時間ほどの滞在。お勘定は二人で2,800円でした。どうもごちそうさま。

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1軒目は「武蔵屋」 / ウイスキー水割り2杯 / ミックスピザ

店情報前回

《平成25(2013)年4月2日(火)の記録》

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にぎり寿司で酒を飲む … 「魚がし寿司(うおがしずし)」(都立家政)

特上にぎり


 子供たち(大学生)が出かけているので、かみさんと二人で、近所の「魚がし寿司」にやってきました。

 お酒が飲めないかみさんは、いきなり「特上にぎり」(1,300円)からスタート。私は中瓶ビール(550円)をサッポロ(黒生)でもらって、つまみはホタルイカ(500円)。ぷっくりと、かわいく膨らんだホタルイカは、ひと皿にずらりと12ハイほど。辛子酢味噌でいただきます。

 「特上にぎり」は、まぐろ、玉子、かんぱち、たい、中とろ、甘えび、ほたて、うに、いくら、そしてかっぱ巻(1/2本)という、にぎり9個と1/2巻で1,300円。

 この他に、「上にぎり」は、まぐろ、玉子、かんぱち、たい、中とろ、えび、とびっこ、かっぱ巻(1本)の、にぎり7個と1巻で800円。「並にぎり」は、まぐろ、かんぱち、こはだ、たこ、玉子、かっぱ巻(1本)という5個と1巻で600円です。(内容は仕入れによって変更される場合があります。)

 アラカルトでもらっても、1個が50~350円(100~200円の品が多い、注文は1種2個ずつ)なので、高くないのがうれしいところ。それでいて、しっかりとした寿司を出してくれるので、地元でも人気のお店です。

 飲み物も、ビール、日本酒、焼酎が、それぞれ何種類かずつあるほか、サワー類も各種(500円)あるので飲んでいる人も多い。

 すべての寿司ネタが、つまみとして食べられるのはもちろんのこと、今いただいているホタルイカのように、つまみ専用のものも何種類か用意されています。その日の仕入れによってその内容は異なりますが、今日は活ハマチ刺(800円)や、シマアジ刺(800円)などが並んでいます。

 ホタルイカに続いては、コハダをつまみでもらって、飲み物も燗酒(500円)に切り替えます。コハダは、野毛の「武蔵屋」でいただくことが多いので、つい燗酒と合わせたくなっちゃうのでした。燗酒とコハダ。実に相性のいい組み合わせだと思います。

 アナゴは、にぎり(150円×2個)で注文すると、炙ってタレをつけて出してくれます。ちょっと甘めのタレに、とろける軟らかさのアナゴ。これもいいつまみですねえ。タレをつけずに、塩味で出してもらうのもありです。そっちも美味しいです。

 自分一人だと、もうちょっと飲み続けるところですが、ゆっくりと食べてくれていた、かみさんの「特上にぎり」もそろそろ終わりそうなので、私も〆の1品をいただきますか。

「大トロをにぎり(300円×2個)でお願いします」

 いつもは1個350円の大トロですが、今日は300円のサービス品。『最後はこれで』と決めていたのでした。

 1時間ちょっとの滞在。二人分のお勘定は4,400円でした。どうもごちそうさま。

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ホタルイカ / ビールと生姜、お通し(酢の物) / 燗酒

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コハダ(つまみ) / アナゴ(にぎり) / 大トロ(にぎり)

店情報前回

《平成25(2013)年5月4日(土)の記録》

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相模湾の幸、生しらす … 炭焼「鳥佳(とりよし)」(上大岡)

相模湾の幸、生しらす


「醤油はいらないと思いますよ。そのまま食べてみてください」

 店主からそう言われて、そのまま食べてみると、ちょうどいい塩っけ。鮮度の高い生しらすならではですね。これは絶対に日本酒だ。

「え~と、『竹鶴』を常温でお願いします」

 この生しらすには、きっと広島の酒が合うだろうと「竹鶴」(550円)を選ぶと、土瓶の「竹鶴」が注がれます。

 っくぅ~っ。合う合う。酒もうまいし、生しらすもうまいっ!

 ここ「鳥佳」は、焼き鳥の店なんだけど、海の幸や山の幸も豊富。メニューは日替りで、今日はこの生しらす(400円)の他、かつおのっけ盛(700円)、たこ刺身(600円)、〆ごまさば(700円)、あおりいか刺身(650円)、いわし刺身(600円)、あじ刺身(650円)などが並んでいます。刺身三点盛は1,000円です。

 今日は、午後7時半に「鳥佳」にやってきたものの満席で、ひとり客でも入れない状態。近くの「じぃえんとるまん」で1時間半ほど立ち飲みながら待ち、「空きましたよ~」という電話をいただいてからの再訪となったのでした。

 やっと入れた「鳥佳」は、カウンター席の一番手前から2席めというポジション。

 店主に久しぶりのごあいさつや、姉妹店の「一火」も含めて、各社の取材にご協力していただいたお礼などをすませたあと、大瓶ビール(550円)と小腹セット(串5~6本で700円)を注文します。

 まず出されたのはレバー(150円)のタレ焼き。立方体に近い形でカットされたレバーは、いい感じの焦げ色と、つややかなタレの照りをまとって、見るからにおいしそう。

 プリッとしたこの食感は、レア気味に焼いたレバーならではですよねえ。

 とろりと、旨み(コク)が口の中いっぱいに広がる感じは生レバのほうが勝るものの、トータルな食感は、ちょい焼きレバーのほうが好きかもなあ。

 続いてはシシトウ(150円)とカシラ(150円)の塩焼き。横にキャベツの酢漬けも添えられています。

 もつ焼きも、焼き鳥も、串物すべてに共通して言えることは、

『出されたら間髪入れずに食べること!』

 これにつきます。せっかく焼き手が絶妙な焼き加減で出してくれているのに、食べ手がグズグズしていたら、美味しいタイミングを逃してしまいます。天ぷらなどと同じですね。

 キャベツの酢漬けもうまいなあ。この酢漬けはサービスで付けてくれていますが、単品(小鉢350円)としてもメニューに載っていて、いいつまみになります。

 4本めは皮(150円)塩焼き。5本めは、つくね(150円)タレ焼き。

 左どなり(カウンターの一番入り口側の端っこ)の年配のお客さんは、店主のおかあさんがやっている頃からこの店に通ってるんだそうです。何十年来の常連さんなんですね。

「最近はいつも混んでて、なかなか入れないから、遅い時間に来るんだよ。今日も先によそで飲んでからきたから、もうほとんど飲み食いできないんだけどね(笑)」

 それでもちょっと立ち寄ってから帰りたい、といったところなんでしょうね。イワシの刺身をつつきながら、燗酒をちびりちびりと飲まれているようです。

 6本めは鳥ねぎ(150円)。“ねぎま”と呼ぶ店も多い一品。皮付きの肉を使っているのがうれしいですね。

 小腹セットの最後、7本め(これはサービスかも)として「ちょっと辛いかもしれません」と言いながら出してくれたのは、メニューにはない万願寺とうがらし。何本かに1本、ビビッと強烈に辛いのがあると言われている万願寺とうがらしですが、今日も大丈夫でした。

(小腹セットの次は、なにを食べようかなあ。)

 と思っていたところへ、店主が、

「生しらすです。明日までは置けないので、ぜひどうぞ」

 と出してくれたのが、冒頭の生しらすだったのです。

 しらすは、相模湾さがみわんの海の幸。逗子ずしから茅ヶ崎ちがさきにかけての湘南海岸で水揚げされます。すぐに鮮度が落ちるため、生しらすを食べることができるのは、ほとんどが水揚げされた地元のみ。横浜あたりも、かろうじて地元の端っこに引っかかってるんでしょうね。

 この初夏は、小イワシや、シコイワシの刺身を食べることができなかったので、ちょっとがっくりだったのです。ここで生しらすを食べることができて本当によかった。

 グイッと「竹鶴」を飲み干して、1時間半ほどの滞在。お勘定は1,800円でした。どうもごちそうさま。

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レバー / サッポロ黒ラベル大瓶 / ししとう、かしら、キャベツ酢漬け

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皮 / つくね / 鳥ねぎ

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万願寺とうがらし / 土瓶から注がれる「竹鶴」は、 / 黄色みを帯びている。

店情報前回

《平成25(2013)年7月12日(金)の記録》

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ワタがいい鯉のうま煮 … 鯉とうなぎの「まるます家(まるますや)」(赤羽)

鯉のうま煮


 はまってますねえ、鯉のうま煮(800円)。このところ毎回これをたのんでる。

「小生ビール(350円)と鯉のうま煮をお願いします」

 ワンパターンのようにこう注文するのが常になってきました。

 鯉のうま煮は、ウロコの付いた皮ごと、そして内臓ごと、どすんと輪切りにした鯉を、まっ黒になるぐらいまでコトコトと煮込んだもの。骨までホロリと食べられるほどのできあがりになります。

 ここ「まるます家」では、あらかじめじっくりと煮込んである鯉のうま煮を、注文を受けてから温め直して出してくれている様子。だから、小生ビール(といっても他の店の中生ビールと同じくらいの量)を飲み干すぐらいのタイミングで、ちょうどよく鯉のうま煮が出てくるのでした。

 で、鯉のうま煮が出てきたところで注文するのが、地元・北区の「丸眞正宗まるしんまさむね」の生酒(300ml瓶、700円)。これもまた毎度の定番になってきましたねえ。

 鯉のうま煮は、まずその内臓部分から箸をつけます。なにしろここが一番うまい。鯉の「もつ」ですもんね。

 そしてキューッと冷たい「丸眞正宗」。

 ん~~~~っ。幸せじゃ。

 少し前に、『それぞれの部位で食感と味わいが違うから、真鯛のかぶと煮が好きだ』ということを書きましたが、鯉のうま煮もそれと同じ。

 よく煮込まれた、鯉のもつ煮の部分があり、その内臓を水の冷たさから守るための、よく煮込んでもなお豊富な脂分を感じる腹の身(トロの部分)があり、そしてなによりウロコの付いた皮がうまい。

 ほかの魚の場合、たまにウロコが残っていたりすると、ウェッとなったりするものですが、鯉の場合は、ウロコそのものがしっかりし過ぎているほど、しっかりしているので、これだけよく煮込むと、そのゼラチン質がとても心地よい食感になるのです。よそには鯉の「うろこせんべい」を名物にしているお店まであるくらいですから、まずかろうはずがない。ぜひ一度お試しください。

「失礼ですが、東北のご出身じゃないですか?」

 となりに座っているカップルの男性から、そんな声がかかります。

「東北じゃないんですけど、どうしてですか?」

「いや、私自身が東北の出身でしてね。鯉のうま煮がなつかしいなあと思って」

「そうなんですか。私はこの店で初めて鯉のうま煮を知ったんですよ。最近はこれにすっかりはまってまして……」

「なんといってもワタ(内臓)がうまいんですよねえ。東北のほうでは『ワタこく』といって、ワタがいっぱい入った鯉こくも食べるんですよ」

 なんとまあ。ワタこく。聞いただけでもうまそうな。

「こっちも鯉のうま煮をもらう?」と連れの女性に聞く男性。

「次でいいんじゃない。こんなにあるのに」

 カップルの前には、ずらりといろんな料理が並んでいます。

「でもおいしそうだよ、いやきっとおいしいよ、鯉のうま煮」

「そんなに入んないよ。もうお腹いっぱい」

 女性は生まれも育ちも東京の方なんだそうです。鯉のうま煮は、ちょっとグロテスクに感じちゃうのかもね。おいしいんだけどなあ。

 その後も男性は鯉のうま煮を強烈にアピール。たび重なる男性からのオファーに、ついに女性も「じゃ、たのめば」と折れてくれました。

「すみません! 鯉のうま煮をお願いします!」

 意気揚々と注文する男性。すると店のおねえさんが、

「ごめんなさいね。鯉のうま煮、さっき売り切れちゃいました」

「あ………、そうですか…」

 苦難の末の意気消沈。ほんとうに残念でした。

「来週また来る! 絶対来る!」

 来週に期待をつなげる男性。子供のころから慣れ親しんだ鯉のうま煮。やっぱり食べたいですよねえ。

 さてと。私はボチボチ席を立ちますか。1時間半ほどの滞在。鯉のうま煮に、飲み物が小生ビール、丸眞正宗と、酎ハイモヒート(450円)で、今日のお勘定は2,300円でした。どうもごちそうさま。来週は食べられるといいですね、鯉のうま煮。

店情報前回

《平成25(2013)年4月7日(日)の記録》

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待ってる間を利用して … 国民酒場「じぃえんとるまん」(上大岡)

まぐろ刺身(200円)


 金曜日の今日、上大岡かみおおおかの人気焼き鳥店、「鳥佳」にやってきたのは午後7時半。入口引き戸をガラリと開けて、「ひとりです」と店内をのぞき込むと、

「すいません。満席なんです。いまいてるカウンター席も予約が入ってて……。席が空いたらお電話しましょうか。少し時間がかかるかもしれませんが」と店のお姉さん。

「ぜひお願いします。その辺で待ってますので」

 とお願いして、再び上大岡駅のほうへと向かいます。

 大人気店の「鳥佳」は、予約して行くのが基本。『でも一人ならなんとかなるかな?』と思ったのが甘かったようです。ひとりで滑り込むすき間もありませんでした。

 携帯に電話がかかってきたら、すぐに出ることを考えると、立ち飲み屋で飲むのが良さそうだ。でも時間的に、角打ちの「成田屋酒店」は無理だな。8時閉店だから、30分も居られない。となると立ち飲みの「じぃえんとるまん」(正式名称は「国民酒場あさひや じぃえんとるまん」)が第一候補かな。

 その「じぃえんとるまん」、改装したのか、私の記憶にある外観とちょっと違っている。

 縄のれんをくぐり、入口引き戸を開けて店内に入ると、店内も変わっています。5年ぶりですもんねえ、この店に来るのも。相変わらずの大にぎわいは、前と変わりません。

 店内の右手奥にかけられた暖簾のれんの向こうにも小部屋があって、そこが空いてるようなので、その一番奥の突き当り、壁に作りつけたL字カウンターの内側に立って、まずは大瓶ビール(アサヒスーパードライ、370円)とマグロ刺身(200円)をもらいます。

 この場所はトイレのすぐ横なので空いてるのかな? しかもここからだと料理のメニューも見えないので、まわりにいるおじさんたち(客)も、それぞれ常連さんばかりの様子。私もかつて注文した覚えのあるマグロ刺身を注文してみると、今もやっぱり置いてました。

 支払いは品物と交換払い(キャッシュ・オン・デリバリー)。その場で千円札で支払って、お釣りの430円は今後の注文用にカウンターの上に置いておきます。

 それにしても、このビールの大瓶が370円って、へたな角打ちよりも安いんじゃないかなあ。(ちなみに「成田屋酒店」の大瓶は、キリン、アサヒ、サッポロが360円、エビスが380円と、こちらもさらにすばらしいっ!)

 近くのおじさんが、きゅうりのぬか漬け(100円)を注文しているのを聞いて、『そういえばここは、きゅうりも美味しかったなあ』と思い出し、便乗注文。

 ぬかが付いたまま、カウンター上のバットにずらりと並んでいるきゅうりを、注文を受けて1本ずつ取り出して、表面のぬかを洗い取ってスライスし、うまみ調味料(味の素)をかけて出してくれます。(「味の素かけないで」とお願いすると、うまみ調味料なしで出してくれます。)

 マグロとキュウリで大瓶のビールを飲み干して、続いてはトマトハイ(220円)にするか、豆乳ハイ(220円)にするか、ちょっと迷って豆乳ハイを選択。

 なぜこの二つを候補に挙げたかというと、これらはどちらも酒とさかなが一体化した飲み物だからです。

 トマトハイは、トマトをつまみに焼酎を飲んでるような、豆乳ハイは、豆腐をつまみに焼酎を飲んでるような、そんな感じの飲み物なので、今のような時間待ちの時にはちょうどいい。電話がかかってきたら、クイッと飲み干して出るつもり。

 その豆乳ハイも残りわずかとなった午後9時10分。

「たいへんお待たせしました。カウンターに空席ができました」

 という電話がかかってきました。

「わかりました。すぐに向かいます!」

 と電話を切って、カウンター上に残ったお釣り、110円をポケットに入れ、グイッと飲み干したグラスや、空いているお皿をカウンター上に返して「ごちそうさま」。

 1時間半の滞在は890円。この安さが、さすが「じぃえんとるまん」ですねえ。

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「じぃえんとるまん」 / きゅうりぬか漬け(100円) / 豆乳ハイ(220円)

店情報前回

《平成25(2013)年7月12日(金)の記録》

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5年ぶりの特製たたき … 「秋田屋(あきたや)」(浜松町)

特製たたき


 5年ぶりに浜松町の大人気店、「秋田屋」にやってきました。

 キリンの大瓶ビール(580円)をもらって、つまみは「特製たたき」(220円)に「たこやき」(450円)、そしてその焼き上がりを待つあいだ用として「牛にこみどーふ」(450円)を注文します。

 5年ぶりに来ても、メニューのラインナップも値段も変わってないのがうれしいなあ。

 7年前にお店を改装した直後、それまで2本で320円だった「もつ焼き」が340円になり、しばらくすると360円になりと、どんどん値上げされたので、この先どこまで上がるんだろうと思っていたのですが、その360円のところでピタッと止まったんですね。

 まず出てきたのは、予想通り「牛にこみどーふ」。よく煮込まれた牛もつに、これまたよく煮込まれた焼き豆腐が数切れ。大きめにカットされた焼き豆腐は、小鉢の中でどかんと存在感がありますねえ。てっぺんには刻んだ白ネギがトッピングされています。

 豆腐が入らない「牛にこみ」も、「牛にこみどーふ」と同じく450円。豆腐がない代わりに、牛もつの量が多くなります。

 さあ、出てきましたよ。秋田屋名物「特製たたき」。これは軟骨入りの肉団子をタレ焼きにして青海苔あおのりをかけたもの。おひとり様1本限りの限定品ながら、売り切れていなければ、ほぼすべての客が注文する品でもあります。この特製たたきが食べたくて、「秋田屋」に来ている人も多いんじゃないでしょうか。

 そして「たこやき」。この「たこやき」は、たこの足1本分を食べやすいようにぶつ切りにして、串に刺して焼いたもの。サッと醤油がかけられ、皿のふちには練りワサビも添えられています。

 これはやっぱりお酒だね。「高清水」の燗酒を小徳利(550円)でもらいます。(ここの小徳利は大きいのですよ。)

 ここ「秋田屋」は、もつやきを焼く煙がいつももうもうと上がっているお店ながら、実は海の幸もそろっていて、しかもおいしい。

 今いただいている「たこやき」以外にも、「自家製ひずなます」や「いかやき」「げそやき」「ほたてやき」「ほや酢」などが、それぞれ450円で並んでいるほか、なんと、新島直送の青むろの「くさや」まであります。しかもそのくさや、大1,600円、中800円、小600円と3サイズが選べるのもおもしろい。

 見たことないんだけど「大」って、どのくらいの量で出てくるんでしょうね。大が1尾まるごと、中が半身分、小がどっか一部分ってところかなあ。

 たこやきを食べ終えたところで、自家製の「お新香」(300円)を追加すると、きゅうり、にんじん、白菜のぬか漬けの盛り合わせ小鉢が出されます。これもいいねえ!

 大にぎわいの中、1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定は2,550円でした。どうもごちそうさま。

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牛にこみどーふ / たこやき / 自家製おしんこ

店情報前回

《平成25(2013)年3月21日(木)の記録》

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久々の横須賀ホッピー … 「中央酒場(ちゅうおうさかば)」(横須賀中央)

久々の横須賀ホッピー


 大衆酒場の街、横須賀。この街の大衆酒場のすばらしいところは、ちゃんと『大衆酒場』という言葉を冠している店が多いこと。

 有名どころだけでも、大衆酒場・焼鳥専門店「忠孝」、大衆酒場「坂戸屋」、大衆酒場「ぎんじ」、そして大衆酒場「天国」と、各店の暖簾・看板に『大衆酒場』の文字が踊ります。(大衆酒場「若松屋」は閉めちゃったの?)

 そんななか今日は、横須賀の呑兵衛のんべえたちから、『チューサカ』という略称で親しまれている「中央酒場」にやってきました。

 おろっ? 「中央酒場」には『大衆酒場』の冠が付いてないですねえ。

「はい、いらっしゃい。おひとり? こちらにどうぞ」

 店に入るなり、店内中央部に立って、カウンターの後ろから店全体を見ている店主から声がかかり、うなぎの寝床のように細長い店内を貫くカウンターの中央部に通されました。

 長いカウンターの中央部のここだけが、少しすき間が空いていて、そこを店員さんたちが行き来します。

「ホッピーください。あと、しこ刺しはありますか?」

「しこ刺し、今日はありませんねえ」

「それじゃあ、ゲソ天をください」

 ホッピー(450円)はこの店の名物ドリンク。

 ホッピービバレッジが推奨する、焼酎とホッピーの比率は1:5。瓶入りホッピーは360mlなので、これに70mlの焼酎(25度)を合わせると、ちょうどいい比率になります。この黄金比率のホッピーを出してくれるのが、木場の「河本」や、野毛の「ホッピー仙人」ですね。

 ところが、ここ「中央酒場」の焼酎の量は、なんとその倍の140ml。瓶入りホッピーと合わせて、ちょうど500mlのホッピー割りができあがります。

 この濃厚なホッピーこそが、人呼んで『横須賀ホッピー』。

 これだけ濃いと、さぞかし飲みにくいだろうと思いきや、これが全然そんなことはない。普通のホッピーと同じようにススゥ~ッとのどを通っていきます。

 この店にはホッピー専用の冷蔵庫があって、焼酎が入ったジョッキと、瓶入りのホッピーがずらりと並んでいます。注文を受けて、その両方をすっと出してくれるのです。

 この冷蔵庫の温度が、ビールなんかを冷すよりも低い、約3℃ほど。この温度が、アルコール度数が高いのに飲みやすいホッピーを生んでるんですね。

 ほとんど待つこともなく、できたて熱々のゲソ天(450円)も出てきました。プリッと太いこのゲソは、スルメイカのゲソ。小鉢の天つゆでいただきます。

 実は横須賀在住の同級生(しかも会社の同僚)の大好物が、この店のゲソ天。

『横須賀で飲むなら、チューサカのゲソ天、銀次のもつ揚げ、忠孝の満州焼き』

 まるで口ぐせのように、いつもこう話してくれるので、今日は彼のおすすめのゲソ天をもらったのでした。

 先日、出張で呉に行ったときに小イワシ刺身を食べることができなかったので、今日はチューサカで「しこ刺し」(450円)を食べようと思っていたのですが、残念ながら、ここでもふられてしまいました。ちなみに広島でいう小イワシも、横須賀でいうシコイワシも、どちらも同じカタクチイワシ。松山のホウタレイワシも同じですね。

 あっという間にゲソ天を食べ終えて、2品めは「地だこぶつ切り」(700円)にするか、「まぐろぶつ」(550円)にするか、ちょっと迷って、まぐろぶつに決定。このあたりは久里浜くりはまの地だこもうまいし、まぐろの三崎も近いので、どっちにも引かれるんですよねえ。

 ちなみに、まぐろ料理の種類が多いのも、チューサカの大きな特徴で、まぐろぶつ(550円)、まぐろ刺身(600円)の他に、まぐろ鍋(650円)、まぐろ納豆(550円)、まぐろ照焼(500円)、まぐろバター(500円)、まぐろ唐揚げ(500円)、まぐろ串かつ(500円)などの品が並んでいます。

 くぅ~っ。なんでもなく出されたまぐろぶつがうまいのぉ~。

 ホッピー(450円)もおかわりです。なにしろ濃いホッピーなので、脳は『危ないからゆっくりね!』という指令を出すのですが、のどがグイグイと通してしまう。いかんですねえ。

 もう1品ぐらい、なにか食べたい。メニューを眺めてみるものの、なにしろここのメニューは100種類ほどあるので、ひと通り見るだけでもかなり時間がかかるのです。

 そんな中から、横須賀の地名が入ったヨコスカコロッケ(350円)を注文すると、カリッと揚がったコロッケが2個、千切りキャベツの上にのって登場です。

「なんでヨコスカコロッケというんですか?」

「横須賀ビーフが入ってるんですよ」

 な~るほどなあ。ギュッとしまった昔ながらのコロッケは、牛肉の自然な甘みが味わえます。これもいいですねえ。ソースをかけなくてもうまいなあ。

 1時間ちょっとの滞在。ホッピー2杯と料理3品で、お勘定は2,250円でした。どうもごちそうさま。

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ゲソ天 / まぐろぶつ / ヨコスカコロッケ

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《平成25(2013)年7月5日(金)の記録》

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毎週火曜は焼き魚の日 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

毎週火曜は焼き魚の日


 ちくちゃん(=店を手伝っている女性)のブログ、「竹よし便り。」で、『毎週火曜は焼き魚の日』であることは知っていたのですが、なかなか行くことができなくて、会社が休みの今日、はじめて火曜日の「竹よし」です。

 店に到着したのは、開店時刻の午後5時。当然のごとく先客はなく……、というかまだ店頭の「営業中」を示す札は「準備中」になっていて、暖簾のれんも出てませんけど。

 入口引き戸をガラリと開けて、

「こんちは。もう入ってもいいですか?」

 そう言いながら店内に入ると、カウンターの中で一所懸命に仕込み作業をやっていた店主マスターが、驚いたように顔を上げて、

「あぁ、浜ちゃん、いらっしゃい」

 と笑顔を向けてくれます。

「札も営業中にしておきますね」

 と札をひっくり返すと、店主が暖簾を出して、「竹よし」の今日の営業が始まります。

 水曜から日曜までの5日間は、曜日替わりで手伝いの女性が入っている「竹よし」。月曜日は定休日で、火曜日の今日だけが、店主ひとりでの営業日です。

 店主ひとりでも切り盛りがしやすいように、料理を焼き魚に限定した、というのが『毎週火曜は焼き魚の日』となった原点のようです。

 まずはサッポロラガービール(中瓶500円)をもらって、それを飲みながら今日のメニューを確認します。

 あじ、たちうお、たいかぶと、ねぎま串焼き、さわら西京みそ、キングサーモン、赤えび串焼き2尾、そい、さんま蒲焼き、ホッキ貝、くじら生姜焼き、かじきまぐろ、いかするめ、紅鮭(大辛)、いか。今日のメニューに並んでいる焼き魚は、この15品で価格は400円均一。

 どうしても400円均一では出せない、かれい姿焼き、たい姿焼き、うなぎ串焼きの3種のみが、それぞれ500円。それにしてもカレイやタイは、尾頭おかしら付きの丸々1尾が500円だから、安いですよね。

「他にも、数人前しかないので書いてないものもあるんだよ」

 と言いながら、カウンターの上段に今日の魚をずらりと並べてくれます。メニューの字面じづらで見るよりも、こうして本物を見るほうが、やっぱりわかりやすいですね。

 タイなんて、「本当にこの1尾を500円で出しちゃうの?」と思わず再確認したほど立派な真鯛まだいです。

 『これは真鯛に決まりかな』と決めかけていたところに登場したのが、これまたすごく立派なさわらの西京漬け。

「これをお願いします!」

 思わずそう注文してしまいました。日本酒によく合いますもんねえ、西京焼きは。

 引き続きビールを飲みながら、サワラ西京焼きのできあがりを待っていると、

「焼き物の前に、まずはやっぱり刺身をね」

 と店主がマグロとスズキの刺身を少量ずつ、小皿で出してくれました。ありがとうございます。

 『毎週火曜は焼き魚の日』と言いつつも、メニューには刺身や煮魚のほか、普段と同じように、イカ塩辛(350円)や、酒盗とクリームチーズ(450円)、もずく(300円)などの一品料理も並んでいます。

 最初こそ焼き魚オンリーだったんだけど、徐々に増えていって、『焼き魚の日』に加えて、普段のメニューもあるという、ちょっと贅沢ぜいたくな火曜日になっているんだそうです。

 そして出てきたサワラの西京焼き(400円)。ホクホクとした身を口に含むと、まずみそ味がやってきて、噛むとサワラの味わいが広がってきます。う~ん。これはやっぱり日本酒だね。

 「菊正宗」を大徳利(700円)で注文し、サワラを食べながら、すでに次なる一品、クジラ生姜焼き(400円)を注文します。

 クジラ生姜焼きは、ステーキのように1枚焼きしたものを、食べやすく2センチ幅ぐらいにスライスし、大根おろしをのせて出してくれます。同じフライパンで焼いたネギや赤ピーマン、シメジも添えられています。

 続いてはホッキ貝(400円)。刺身でも食べられる大きなホッキ貝を、さっとレア目に炙って出してくれます。これもまた贅沢な食べ方ですねえ。

 お腹もけっこうふくれてきたので、ホッキ貝をちまちまとつまみながら、「菊正宗」の燗酒(大徳利、700円)を2本いただいたあと、「高清水」の冷酒(300ml瓶、600円)に切り替えて、日本酒を飲み進みます。

 7時半ごろになって、冷酒だけでは少し口寂しさを感じてきたところで、ねぎま串焼き(400円)を焼いてもらいます。これは、白ネギとマグロを串に刺して焼いたもの。ずっしりと重いこの串には、レモンスライスと大根おろしもたっぷりと添えられます。

 午後9時過ぎまで、4時間以上の滞在。焼き魚5品(各400円)に、中瓶ビールと、大徳利(約360ml)2本、冷酒(300ml)3本で、お勘定は5,700円でした。

 それにしても日本酒が合計で9合(1,620ml)か。おいしい焼き魚をつまみに、今夜はちと飲み過ぎたなあ。。。

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まぐろぶつ / すずき刺身 / さわら西京みそ漬焼き

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くじら生姜焼き / 北寄貝あぶり / ねぎま串焼き(焼く前)

店情報前回

《平成25(2013)年4月30日(火)の記録》

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〔お知らせ〕 散歩の達人MOOK「はいから横浜」

はいから横浜


 2013年7月12日、散歩の達人MOOKから「はいから横浜」(880円)が発売されました。

 サブタイトルは『いつもあたらしい、いつもなつかしい。』

『行くたびにいつも新しい発見があって、でも、なんだかなつかしい気持ちにさせてくれる横浜。港側のレトロなホテルや桟橋、洋館があるおなじみのあたりはもちろん、下町風情の商店街や丘の上の住宅街、ひっそりとした路地にあるいぶし銀のバー、古めかしいビルにあるギャラリーや雑貨店、書店など、観光地のちょっとした隙間に隠れている、魅力的な場所にもご案内。中華だって中華街の王道料理とあわせて、地元に愛される穴場中華店もご紹介。常連の多そうな店だってすぐに溶け込めてしまうのは、さすが横浜・港町気質。こんなに風通しがよくて、誰にも優しい街はないんじゃないかと思うくらい。今までの月刊 散歩の達人で取り上げた横浜スポットからの選りすぐりに加え、新規に探し出した店もずらり掲載。編集部が全力で集めた横浜のいいとこ、詰め込みました。』

 というのが散歩の達人MOOK公式サイトでの紹介文です。

 A4変型判、128ページの内容(目次)は次のとおりです。


001 YOKOHAMA HAIKARA STORY
010 はいから横浜マップ
014 わざわざ行きたい横浜
 ・014 ハマの洋食は街の顔
 ・020 愛され地元中華
 ・026 港町喫茶へ
 ・032 浜田信郎の横浜酒場礼賛
044 横浜意匠散歩
049 〔コラム〕私の好きな横浜の景色
050 横濱家族物語
056 YOKOHAMA BOOK LIFE!
060 体感せよ、ヨコハマ・アート
071 魅惑の商店街
 ・072 六角橋商店街
 ・076 横浜橋通商店街
 ・078 洪福寺松原商店街
082 〔コラム〕横浜駅~山元町~根岸、山のぼりバス散歩
086 海の香りのする手仕事。
090 ハマ街ジャーナル
 ・090 野毛・桜木町・日ノ出町・福富町・黄金町
 ・097 中華街
 ・104 元町・山手
 ・108 関内・馬車道
112 〔コラム〕ハマの卸売市場は新たな観光地!
114 ハマみやげ

 私も、目次の中で太字表記した部分、『浜田信郎の横浜酒場礼賛』で、ハマの酒場5軒と、濱のバー6軒をご紹介させていただきました。

 とは言うものの、私自身が文章を書かせていただいているのは、2本のエッセイと「豚の味珍」の紹介文だけで、残りの10軒の店については、編集担当の白井いち恵さんが改めて取材をして、すばらしい紹介文を書いてくれました。

 それぞれ自分で選んだお店ながら、こうして、私と違う人の視点を通してみると、とても新鮮に感じますねえ。改めてありがとうございます。>白井さん

 ほかの部分も興味深いページが多いので、ぜひご覧いただけるとありがたいです。

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豚料理全6種類の写真 … 豚の「味珍(まいちん)」(横浜)

豚料理全6種類


 上の写真が「味珍」の豚料理6種類(各700円)のすべて。

「残ったらお土産用にパックしてもらおうね」

 なんて言いながら、結局、食べましたがな。3人で全部。

 この写真を撮った日は、昨日(7月12日)発売された、散歩の達人MOOK「はいから横浜」(2013年7月12日発売、880円)の取材だったので、こんな贅沢な出し方をしてもらいましたが、通常、ひとりで行くときは豚料理はせいぜい1品。それに白菜の漬物や、くらげサラダなどのサイドメニューを1~2品もらって飲むということになります。

 常連さんになると、豚料理もたのまなかったりする。前回来たときがまさにそうでした。ずらりと並ぶ常連さんはだれひとり豚料理を注文していない。

 今日は、私もその時の常連さんたちのまねをして注文してみました。

「セットと漬物。あと煮込みをください」

 これです。

 セットというのは、この店ではヤカンと呼ばれている焼酎(380円)と、缶入りの鉄観音てっかんのん(150円)、そして氷入りのグラスを出してもらうこと。すり切りに注がれた焼酎を、氷入りのグラスに移して、鉄観音でウーロン割りにしていただきます。

 漬物は辣白菜ラーパーツァイ(300円)という、白菜の中華風の甘酢漬けです。この店にはお通しという制度はないので、さっと出される漬物は、取り急ぎまず1品のつまみとして最適なのです。

 そして、常連さんたちに、なぜか豚料理よりも人気があるのが牛もつ煮込み(580円)。

 煮込みというと、いつも大鍋で煮込まれていて、注文を受けるとすぐに、サッと器によそってできあがり、という『出の早いつまみ』のイメージがありますが、ここの煮込みは違います。

 私がいるのは、本店2階ですが、注文はインターフォンで1階に伝えられ、しばら~くしてから、下の階からできあがった煮込みが届けられるのです。

 飲みながら待ってると、かなり長い時間が過ぎたように感じますが、写真のタイムスタンプによると、この『しばら~く』は5分ちょっとくらいでした。

 この煮込み、とにかく具だくさんなのです。牛もつはもちろん、大根、ごぼう、にんじん、豆腐、里芋、こんにゃくなどがたっぷりと入っていて、最後に刻みネギをトッピング。

 器も大きいし、汁もたっぷりと入れてくれるので、写真で見るとそれほど量がある感じはしないでしょうが、これがけっこうボリュームフル。

 常連さんたちは、これにさらにもう1杯、焼酎(380円)をおかわりするくらいで、席を立ちます。で、お勘定は1,790円。頻度よく通っても、まずまず大丈夫な金額ですよね。

 これだけ「味珍」の牛もつ煮込みのことをご紹介しておいて、今さらながら申し訳ありませんが、この煮込み、毎年10月から翌年6月末までの期間限定メニューです。つい先日、今期分が終了したばかり。残念ながら、次は10月からの提供となります。

 この『期間限定』というところも、常連さんたちに人気が高い理由のひとつなのかもね。

「今日は伊東さんも来るの?」と本店2階店長のきょうさん。

「いや、特に打ち合わせてはないんですが、聞いてみますね」

 そう言って、伊東さんにメールしてみると、別の店で飲んでるんだけど、これから「味珍」に向かうとのこと。これはうれしいですねえ。

 伊東さんは、ここ「味珍」の大常連さん。私がまだ「味珍」の初心者だった8年前、伊東さんにご一緒していただいて、はじめて本店の2階に入り、いろんな「味珍」の楽しみ方を教えてもらったのでした。

 その伊東さんもすぐに到着し、福島の地酒「自然郷」(500円)でスタートです。

「他で飲んできたから、今日はちょっとだけ」

 と話していた伊東さんは、1杯めの地酒をキューッと飲み干して、冒頭でご紹介したセット(焼酎+鉄観音)に移行。ついでに私も焼酎(380円)と鉄観音(150円)をおかわりするとともに、ピータン(300円)も注文します。

「ピータンはどう食べるのがおすすめなんですか?」

 と伊東さんに確認。伊東さんは、どの店に行っても、出された料理をそのまま食べるということはほとんどなくて、常になんらかの工夫をされているのです。

「ラー油をかけるとうまいんです。私はいつも、くらげサラダ(400円)の上にピータンを載せて出してもらうんです。そこにラー油をかける。その食べ方がいいんです」

 さすが伊東さん。予想どおり、やはりピータンにも一家言いっかげんありましたねえ。ピリッとしまった味わいになります。

 グイッと焼酎を飲み干した伊東さん、「それではこれで」と席を立って帰途につきます。わざわざ来ていただきまして、ありがとうございました。

 私はさらに3杯めとなる焼酎(380円)と、これまた3本めとなる鉄観音(150円)をもらって、つまみには腐乳ふにゅう(150円)を注文します。

 腐乳は、こうじをつけた豆腐を、塩水の中で発酵させた、豆腐の塩辛のような中国食品。爪楊枝つまようじの先にちょっとつけるくらいで、ちょうどいいつまみになるのです。

 今日はゆっくりと2時間の滞在。お勘定は伊東さんからお預かりしている分も含めて、4,250円でした。どうもごちそうさま。

 焼酎を3杯も飲んだら、階段を降りるのを気をつけないとね。

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「味珍」の暖簾 / ヤカンと鉄観音のセット / 辣白菜

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期間限定の牛もつ煮込み / ピータン / 腐乳(発酵豆腐)


店情報前回

《平成25(2013)年4月22日(月)の記録》

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待ってもなおの満足感 … 大衆酒場「岸田屋(きしだや)」(月島)

もつ煮込み&チューハイ


 木場「河本」、門前仲町「大坂屋」と、牛もつ煮込みを食べ歩き、今日の3軒めは、これまた牛もつ煮込みが名物の月島「岸田屋」を目指します。

 このあたりは、ひと駅ごとに、東京を代表するもつ煮込みが食べられる酒場があるのがいいんです。

 門前仲町の駅を起点に考えると、西にひと駅行くと木場、南にひと駅行くと月島、さらに北にひと駅行くと、これまた牛もつ煮込みの人気店「山利喜」がある森下ですもんね。

 門前仲町から、となりの各駅にはトコトコと歩いても行ける距離。飲んだあと、酔いざましを兼ねて歩くのにちょうどいいぐらいです。

 月島へもトコトコと歩いて、隅田川を渡って向かいます。

 19時45分。「岸田屋」前に到着。店の前に7人ほどが行列しているものの、この店の行列は、店の外に置かれた椅子に座って待つことができるので、その後ろに並びます。

 20時05分。20分たったけど、ひとりも進まない。しかしながら「河本」でホッピーを3杯、「大坂屋」で梅割り焼酎を2杯飲んだあとなので、このインターバルはあまり気にならない。ウツラウツラと待つのです。

 そんなことを思っていたら、一気に先頭の3人ほどが店内に入って、前から4番目。そうか、行列の客にもグループ客が多いんだな。その人数分の席が空くまで、店内に案内してくれないから、行列の進み方が遅いんですね。

 20時25分。行列に並び始めてから40分後に、私の前の3人連れが店内に案内され、店のおねえさんから「次の方は何人ですか?」と声がかかる。「ひとりです」と答えたらすぐ、「ではこちらにどうぞ」と、右手壁際に作りつけてあるカウンターの、一番奥に空いた1席に案内されました。

 さっそくチューハイ(420円)と、名物の牛にこみ(480円)を注文したところ、「にこみは、半分もできます」とおねえさん。それはありがたいなあ。ということで、その半分にこみを注文すると、出された牛にこみは小鉢盛り。値段は350円のようです。

 ごろんと大きめにカットされた牛もつがいいんですよねえ。

 ひとしきり牛もつ煮込みを堪能したところで、メニューを眺めていて発見した、くさや(500円)を追加注文します。

 しばらくすると、厨房のほうから漂ってくるくさやを焼く香り。

 最初に食べたときは「うへっ」と思ったその臭いながら、今はこの香りが漂ってくるだけで、うまさへの期待がふくらみます。

 くさやは、焼いた後、手で食べやすい大きさに引き裂いて出してくれるのが標準形。

 口に含むと、いかにも干物という感じの塩っけを感じたあと、噛みしめるにつれて濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。これが旨みということなのかと、最初に食べたときは驚いたものでした。

 昭和4年に、酒屋として創業したこのお店。店内はコの字カウンター席と、右手壁際に作り付けの、今、私が座っているカウンター席の、合わせて24席ほど。開店前から閉店まで、行列が絶えない大人気店です。

 牛にこみをはじめ、魚料理など、なにを食べてもはずれがない料理のうまさはもちろんのこと、人気の大きな理由は、この店を切り盛りする女性陣のホスピタリティあふれる接客にあります。

 どのお客さんに対しても、一所懸命、真摯に、ていねいに、そしてにこやかに向かい合っている。この姿勢が、時代に左右されない酒場の基本なんだろうなあ。(客席担当のおねえさんが、美人で優しいことも人気の理由ですね!)

 21時20分。その美人おねえさんにお勘定をお願いすると、今日は1,270円なり。

 「ごちそうさん」と店を出ると、そろそろラストオーダーというこの時間にも関わらず、店の前にはまだ5~6人ほどの待ち行列。「岸田屋」人気のものすごさを、あらためて実感したような次第です。

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もつ煮込み(半分) / くさや / 午後9時20分の「岸田屋」

店情報前回

《平成25(2013)年5月25日(土)の記録》

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今が旬!みずおひたし … 「はまや食堂(はやましょくどう)」(杉田)

今が旬!みずおひたし


 木曜日は、会社帰りに「はまや食堂」に行くことが多い。日替わりの特別定食(980円)に、ビールやお酒を付けてもらって、『大衆食堂のフルコース』を楽しむのです。

 今日の特別定食は、主菜がサンマの塩焼き。副菜は長芋スライス、茄子生姜なすしょうが、カボチャ煮の3品から2品をチョイス。さらに中ライス、お新香、みそ汁、そしてデザートのフルーツが付きます。

「大瓶のビール(480円)と、特別定食(980円)をオール(+200円)で。ライスは小(-20円)で、あとからお願いします」

 注文の言葉も毎週ほぼ決まっています。

 『オールで』という注文は、本来なら3品から2品をチョイスしなければならない副菜を、『3品とも全部ください』というもの。3品の中で、単価がいちばん安いものが追加料金となります。

 今日だと、長芋スライスと茄子生姜が250円、カボチャ煮が200円なので、追加料金は、カボチャ煮の200円ということですね。

 お通し(サービス)の枝豆をつまみながらビールを飲んでいるところへ、まず出されたのは長芋スライスです。スライスと言いつつも、実際には細い細い千切りにされているので、グリグリっとかき混ぜると、山芋とろろのようにドロリとした状態になります。これをズズズッとすすり込むように食べると、口に入った瞬間こそ、とろろの感覚ですが、噛みしめると細切りにされた長芋のシャキシャキ感が残っている。この食感がいいね!

 そしてカボチャ煮。煮物はこの店の名物のひとつ。毎日必ずメニューに並んでいて、主たる食材(今日だとカボチャ)は日替わりながら、副食材はいつもほぼ一緒。いんげん、にんじん、がんもどき、さつまあげ、ちくわ、そしてコンニャクです。

 店主夫妻の言葉づかいがとっても上品なのですが、煮物などの味付けも上品。熱々の状態で出してくれる上に、具材が多いこともあって、まるでおでんのように楽しめます。

 お通しの枝豆と、これら2品の副菜をつまみに、ゆるゆると飲み進めます。

 大衆酒場と違って、大衆食堂の場合は客同士で話をするということは、ほとんどありません。

 食堂によっては、お店のおねえさんが物を運んだりするついでに、ひと言ふた言、呑ん兵衛のんべえに声をかけてくれたりします。ここ「はまや食堂」では、そういうことはなくて、こちらから声をかけるときちんと答えてくれますが、そうでない限り、いい意味でほっといてくれるのです。

 だから、店内は非常に静か。テレビの音(今日は巨人対阪神の野球中継)がBGM代わりです。

 2品の副菜も、大瓶のビールもなくなりかけてきたところで、主菜であるサンマ塩焼きの登場です。それに合わせて大徳利(500円)をぬる燗で注文します。

 まずは内臓から。この苦味が燗酒によく合うこと!

 特別定食をオールで注文した場合、3つの副菜のうち1つを、最後に出されるライスセットのために取っておいてくれるのです。今日の場合は茄子生姜を、ごはん用のおかずに取っておいて、先にサンマ塩焼きを出してくれたんですね。

 そろそろサンマも食べ終わるかという頃合いで、あらためて店内の短冊メニューを見渡してみると、そのなかに、

『秋田直送! 旬! 山菜(みず)おひたし 200円』

 というのがあるのを発見。『みず』がどんな山菜かは、とんと記憶にないけれど、『秋田直送!』とか『旬!』という文字を見ると、ちょっと試してみずにはいられない。

「すみません。ライスセットの前に、みずのおひたしをお願いします」

 すぐに出されたみずのおひたしは、いかにも初夏の山菜らしく、浅緑色(ライトグリーン)が美しいですねえ。

 少量の醤油をさっとかけていただくと、ほとんどクセのない味わい。見た目はフキのようにも見えるんだけど、フキよりはずっとやわらかくて、ちょっと粘りっけもあります。

「もとはフキのような感じの山菜なんですか?」と聞いてみると、

「そうです。今の季節にしか食べられないんですよ」

 と女将さん。秋田をはじめとする東北地方では、わりとポピュラーな山菜のようです。秋田直送のみずに、秋田の酒「爛漫らんまん」のぬる燗。いい組み合わせですねえ。

 最後にライスセットをお願いすると、本当は残る1品の副菜として茄子生姜が出されるところを、同じ食材を使った茄子味噌なすみそに変更してくれていました。

 茄子生姜のほうは、炒めた茄子におろし生姜を添えて、醤油をかけていただく一品。それに対して茄子味噌は、炒めた茄子に味噌ダレが添えられます。さっきの、みずおひたしが醤油をかけていただく一品だったので、味が重ならないように味噌に変えてくれたんですね。

 料理の味がおいしいということはもちろんですが、この気配り、目配りと、仕事のていねいさ、店内の清潔さが、「はまや食堂」の大きな特長だと思っています。

 ゆっくりと2時間ほどの『大衆酒場のフルコース』。今日のお勘定は2,340円でした。どうもごちそうさま。

 店内が禁煙なのも、料理屋として、居心地がいい理由のひとつかな。

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枝豆と大瓶ビール / 長芋スライス / カボチャ煮

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サンマ塩焼き / みずおひたし / 小ライスセットと茄子味噌

店情報前回

《平成25(2013)年7月4日(木)の記録》

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固ゆで玉子入りスープ … 牛にこみ「大坂屋(おおさかや)」(門前仲町)

大坂屋


 木場の「河本」をあとに、永代通りを西へ10分も歩けば、地下鉄東西線・門前仲町もんぜんなかちょうの駅に出ます。

 今日の2軒目は、こちらもまた「河本」同様に、牛もつ煮込みの名店、「大坂屋」です。

 「河本」が、牛もつ煮込み以外にも、何品か(10品には届かない程度)の料理をそろえているのに対して、こちら「大坂屋」はほぼ牛もつ煮込み(1串130円)のみ。それ以外の品書きは、玉子入りスープ(330円)とオニオンスライス(300円)しかありません。

 土曜日、午後6時の店内は予想どおり、ほぼ満席状態ながら、これまた予想どおり、ひとり客がなんとか滑り込める空席はありました。

 今日も女将(三代目)と若女将(四代目)が二人で切り盛り中。壁には、月曜日も休みになったむねの張り紙が出されています。これまでは日祝休だったのですが、今度から日・・祝日が休みになるということですね。

 焼酎梅割り(400円)を注文し、氷入りのグラスも一緒に出してもらって、自分でロックにし、煮込みはまずは3種それぞれ1本ずつ、合計3本を取ってもらって、いつものように、まっ先に玉子入りスープ(330円)を注文しておきます。

 玉子入りスープは、注文を受けてから、殻が付いたままの生卵を煮込み鍋に投入し、そこから半熟のゆで玉子状態にまで仕上げるので、少し時間がかかるのです。

 「大坂屋」の牛にこみは、串に刺した牛もつを、串のまま煮込み、串のまま出してくれるタイプ。串も真っ黒になるほど、黒々と煮込まれているのが特徴で、牛もつの種類は、シロ(腸)、ナンコツ(喉)、フワ(肺)の3種類です。

 いちばん人気があって、いちばん鍋に入っている本数も多いのがシロです。「河本」の煮込みもこれですね。腸の弾力感がいいのと、裏側(外側)についている脂身の旨みと甘みが、シロの人気の理由なんでしょうね。焼酎系の飲み物が進む逸品です。

 ナンコツは、喉の奥、食道まわりの軟骨で、コリッと硬い噛みごたえが身上です。本当に軟骨だけだったら、とっても淡白な味わいなんでしょうが、喉の軟骨には少しだけれど肉も付いていて、それが旨みにつながるんですね。

 フワ(肺)は、その名のとおり、ふわっと軟らかい弾力感。広島のほうでは『ヤオギモ』と呼ばれています。フワそのものには味はなくて、それを煮込んだスープの味になります。これを食べると、「大坂屋」の煮込み汁の味わいがよくわかるってことです。

 かなりゆ~っくりと3本の牛にこみを食べ進んだのに、なかなか玉子入りスープが出てきませんねえ。待ってる間にオニオンスライス(300円)もいただきましょう。

『もしかすると、玉子入りスープは忘れられちゃったかな?』

 と思い始めたころ、大きな箸で煮込み鍋の中の串の配置を変えていた女将さんが、鍋の中の玉子を発見した模様。

「玉子入りスープはどなたでしたっけ?」

「あ、私です」と手をちょっとあげて合図を送ります。

 コンコンと殻を割って殻をむき、熱々のゆで卵を小鉢へ。包丁で十文字に切り目を入れて、煮込み鍋の煮汁(=スープ)をかけたらできあがり。

 『玉子入りスープ』という名のとおり、スープが主役で、玉子はそれに入っている脇役。この半熟卵を崩してスープに混ぜこんでいただくのが本来の食べ方ですが、残念ながら今日は、完全なる固ゆでになってしまいました。

 この固ゆでの玉子を崩してスープに混ぜこみつつ、牛にこみのシロ(130円)を3本、追加でもらって、焼酎(400円)もおかわりをもらいます。

 串から抜いたシロを、玉子を混ぜ込んだスープに投入して、このスープを絡めながらいただくのがうまいんですよねえ。

 1時間ほどの滞在。お勘定は2,210円でした。どうもごちそうさま。

 ところで、6月ごろから休業されているという情報をいただいている「大坂屋」さん。常連さんが書かれている「食・酒・旅のネクシャリスト」というブログによると、今日7月10日、休業以来、はじめて営業されているようです。これで再開かな?

店情報前回

《平成25(2013)年5月25日(土)の記録》

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三杯屋つれづれ訪問記 … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)

初代・木村銀蔵さんの像


3月13日(水)
 二日連続の休肝日明けで、カウンターの左端で小瓶と3杯セット(合計2,700円)。お勘定の時に「珍しく顔に出てるわよ。なるべくまっすぐにね」とおばちゃん。それなのに勢いが止まらず、つい「ホッピー仙人」→「野毛ハイボール」とハシゴ酒。ちょうど野毛に来ていたアヤパンマンさんから、おめでたい話が聞けたのもよかったなあ。

3月15日(金)
 「古典酒場」の取材で、大竹聡さん、倉嶋編集長、そしてカメラマンの平島格さんと4人で訪問。金曜日とあって、店内はものすごい賑わい。取材のために、いつもよりも遅くまで開けておいてくれた。ありがとうございます。この時の様子は、ぜひ「古典酒場 VOL.12 FINAL号」でご覧ください。

4月2日(火)
 3月後半はなにかとバタバタしていて、2週間ちょっとぶりの訪問。今日はフリー編集者&ライターの白井いち恵さんと、打ち合わせも兼ねてやって来た。まずは大瓶ビール(700円)をもらって、3杯セット(2,200円)を2人前。この時の打ち合わせは、間もなく実を結ぶ予定です。

4月16日(火)
 午後6時半の店内は満席状態ながら、4人掛けのテーブルに座っている3人連れのサラリーマンのところに相席させてもらう形で滑り込んだ。3人のリーダー格の人が、「最近はこういう酒場に来ても、飲み物にも食べ物にも手を付けずにしゃべってばかりいる奴がいるんだよ。喫茶店じゃねえってんの!」とやたらと憤慨している。たしかにそういう姿をよく見るなあ。

4月26日(金)
 金曜日ながら、GW連休の前だから、むしろ空いてるんじゃないかな、と思ってきてみるとビンゴ! すっと入ることができた。今日は大瓶ビール(700円)からはじめる。身欠きニシン(400円)、山椒が効いていて実にうまい。この山椒、おばちゃんの家の庭にできるものを収穫し、冷凍保存して使っているんだそうな。湯豆腐に使う柚子も、庭で収穫したものなんだって! すごいなあ。

5月7日(火)
 連休明けは、久々にカウンター席に座れた。もう何年も前になるが、この店に背広の上着を忘れて、野毛でハシゴ酒をしていたことがあった。終電が近くなって、ボチボチ帰ろうと駅に向かっているときに、はじめてSuicaなどの入っている上着がないことに気が付いた。あわてて「武蔵屋」に戻ってみると、深夜にも関わらず、おばちゃんと小さいおばちゃんが二人で待っていてくれた。「きっと取りに来ると思ってたのよ」。うれしかったなあ。カウンター席から、おばちゃんの働く様子を見ていて、そんなことをふと思い出した。

5月14日(火)
 「野毛ハイボール」の店主・ハルさんのとなりの席になった。ハルさんは、3杯の酒を、常温→常温→燗酒といった飲み方をする。常温の酒は、一升瓶の栓をポンッと開けて、新品の瓶から注いでくれる。いつものように小瓶と3杯セットを飲んだ後、ハルさんと一緒に「福田フライ」に繰り出した。

5月21日(火)
 「武蔵屋」の料理は、玉ねぎ酢漬け、おから、たら豆腐、納豆、お新香という定番の5品の他に、こはだ酢、身欠きにしん、きぬかつぎ(各400円)を追加注文することができる。2杯めのお酒をおかわりするときに「納豆が食べられません」と自己申告すると、納豆の代わりに切干大根煮を出してくれるようだ。

5月28日(火)
 小上がり手前の2人卓に座れた。左どなりの小上がり4人卓にいる男性二人連れは、かつてここ「武蔵屋」でアルバイトをしていた仲間とのこと。「当時は曜日が違ってたんで、一緒に飲むことはなかったんですよ」。おばちゃんもとてもうれしそうだ。

6月4日(火)
 岡山への出張の帰り、新幹線で新横浜駅に到着したのは午後7時過ぎ。まだ間に合うと、大急ぎで野毛に向かうと、「今日はサッカー(W杯アジア最終予選)があるらしくて、ずっと静かなのよ」とおばちゃん。たしかに今日は空席が目立つなあ。それでも8時にはいつものように満席になった。

6月11日(火)
 毎年、猛暑の季節になると「武蔵屋」は夏休みに入るので、今のうちに『寝だめ』ならぬ、『武蔵屋だめ』をしておこうと、「武蔵屋」頻度がより一層あがっている。今日もカウンター左端で、小瓶と3杯セット。

6月18日(火)
 マイク・モラスキーさん、倉嶋編集長とともに野毛で飲み歩いた件は、別記事あり。

6月25日(火)
 カウンターの左端の席で飲んでいたら、小瓶のビールを飲み終える頃合いで、おばちゃんが1杯めのお酒を注いでくれた。「肩が痛くて、腕が上がらないのよ」という話を聞いたのは何年前だったろう。それ以来、サービスで出してもらう最後の1杯をおばちゃんに注いでもらうことはあったが、3杯セットのお酒を注いでもらうのは初めてだ。涙が出るほどうれしかった。

7月2日(火)
 店に着いたら、カウンター右側に座っていた3人連れの男性客がちょうど出るところで、入れ替わりにカウンター右端の席に入れてもらった。その次に入ってきて、私のとなりに座ったのは「野毛ハイボール」の店主・ハルさんだ。「先週、おばちゃんに注いでもらってましたねえ。うらやましかったですよ」とハルさん。常連さんはみんな、そういう思いで見てたんだろうな。本当にうれしい出来事だった。マリエちゃん(=今の「武蔵屋」の注ぎ手)が注いでくれるお酒も、もちろん美味しいですよん!

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豆、玉ねぎ、おから / たら豆腐 / 納豆

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お新香 / きぬかつぎ / こはだ酢

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身欠きにしん / 切干大根煮 / きゃらぶきの佃煮

店情報前回

《平成25(2013)年7月2日(火)の記録》

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実は煮魚もうまいんだ … 「河本(かわもと)」(木場)

カレイ煮付け


 土曜日の今日は、「河本」の口開けを目指して、午後3時すぎに自宅を出発。開店時刻の4時に店に着くと、すでに暖簾のれんも出てるし、店内もすでに9割りほどの入り。「ン」の字の長い辺の一番上の端にあたる場所(普通席の中で、もっとも常連席に近い席)が空いていたので、そこに腰を下ろして、まずはホッピー(400円)をもらいます。

 冷蔵庫で冷やしているのは瓶入りホッピーだけなんだけど、焼酎は500mlのペットボトルで冷やし、1本ずつ使っていくのでほぼ冷えている。ジョッキは常温なので、1.8冷ぐらいの感じですね。

 つまみにはニコタマ(煮込み玉子入り、300円)をもらいます。

 これは、今店の名物である牛もつ煮込み(300円)に、同じ鍋でじっくりと煮込んだ玉子を添えてくれるもの。そのかわり、牛もつ煮込みの量がちょっと減ります。

 煮玉子は数に限りがあるので、もし残っていてもひとり1個だけ。普通の、玉子の入らない煮込みは、おかわり可能です。

 ここの煮込みが、ホッピーとの相性が一番いい。

 腸にたっぷりと付いた脂身の甘みと旨みが、逆に甘みや旨みがまったくないドライなホッピーと対照的で、互いに相手をすすめあう関係にあるんですね。

 ホッピーがギンギンに冷えていないこともまた、煮込みの味わいを高めるんだろうな。

 すぐに1杯めのホッピーと、ニコタマを食べ終えて、ホッピー(400円)をおかわりするとともに、やっこさん(冷奴)の小(100円)と塩辛(200円)をもらいます。

 やっこさんは、醤油で食べてももちろんおいしいんだけど、今日は塩辛でいただこうと思って、両者を一緒に注文したような次第。豆腐の上に塩辛をちょいとのせて、一緒に食べるのがいいんですよねえ。豆腐と塩辛も、互いを高めあう関係かもね。

 4時半までには店内はすっかり満席。もう1人も入れません。

 壁際の常連席(「ン」の左上の点の部分)にも、店が開いてる日には毎日やってくる常連さんたちがずらり。

「今日はハマちゃんは用事があって来れないんだってさ」

 といったことが、常連さんたちにとっては大きな話題になるのです。

 その常連さんたちの話題と言えば、最近見たテレビ番組のこと。例えば「綾小路きみまろきみまろは、カツラを被る前から森昌子と一緒に仕事をしてたんだって」とか、「アンジェリーナ・ジョリーが乳房を切ったんだって」といった、他愛なく、当たり障りのない、三面記事的な情報が多い。

 こういう話を聞くともなしに聞いていると、大衆酒場はまさに『男たちの井戸端会議のの場』だったんだろうなと思う。小難しい話にならないのがいいんだろうな。

 3杯めとなるホッピー(400円)をおかわりして、今度は「かけじょうゆ」(マグロぶつ、400円)を注文しようかなあ、と思いながらメニューを再確認すると、今日はカレイ煮付け(400円)があったので、そっちを注文。

 出てきたカレイは身も大きくて、卵もたっぷり。築地も近いこの町では、魚もうまいんです。あんちゃん(女将の弟さん)の味付けもいいんだけどね。

 1時間40分ほどの滞在。今日のお勘定は2,200円でした。どうもごちそうさま!

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ニコタマ / やっこさん小 / 塩辛

店情報前回

《平成25(2013)年5月25日(土)の記録》

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ドンカクは元祖酎ハイ … 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(新宿三丁目)

ドンカクとお通し


 この店もまた、『店の存在はずっと前から知ってたんだけど、なぜか今まで行ったことがない』店の1軒。

 昭和26年の創業。三島由紀夫や黒澤明など、数多くの文化人が通った酒場としても有名です。

 実はつい最近、新宿の「池林房」などの居酒屋を経営している太田篤哉とくやさんの書かれた、「新宿池林房物語」を読んだのです。

 東京オリンピックの年、昭和39年に、北海道から予備校に通うために上京してきた太田さんは、アルバイトで新宿のキャバレーで働き始め、その後「どん底」に出会う。その「どん底」でしばらく働いて、昭和53年、太田さん33歳の時に、自身の店「池林房」を開店したのでした。

『「どん底」はそれまで見たことのないような飲み屋だったんだよ、新宿の文化を一身に背負って立ってるようないろんな人が来てたし。あそこで俺の人生変わったよね。こんな店をやりたいって思った。』

『それまで俺が知っていた飲み屋って(中略)キャバレーとバーでしょ。どっちも女の人が働いている店だよね。「どん底」はさ、働いている人に女性はいなくて、飲みに来ている客層も、男と女のグループとかさ、何かこうフリーな雰囲気が溢れていたわけさ。』

『飲み屋っていうと、その当時は他には焼き鳥屋と一杯飲み屋みたいなとこだったからさ、とにかく「どん底」に行ってみて、びっくりしたんだよね。』

 「新宿池林房物語」の中で、太田さんはそう書かれています。

 今では、男と女のグループで飲みに来るなんて、いたって普通のことなんだけれど、当時は珍しかったんでしょうねえ。

 三島由紀夫氏は、この状況を次のように書かれてます。

『ある歌を一人が歌い出すと、期せずして若人の大合唱となる。喚声と音楽が一しょになって、なまなましいエネルギーが、一種のハーモニィを作り上げる。何んとも言えぬハリ切った健康な享楽場である。』

『ワビだのサビだのといっていた日本人が、集団的な享楽の仕方を学び、とにもかくにも一夕の歓楽の渦巻を作りうるようになったのは、戦後の現象で銀座の恒久バアーでコソコソ個人的享楽にふけっている連中にくらべると、焼鳥キャバレーやどん底酒場のほうが、よほで世界的水準に近づいているように、私には思われるのであった。』

 老若男女がひっくるめて、みんなで一緒に盛り上がるなんてことは、それまでにはあまりなかったのかもしれませんね。

 創業60年を超える老舗なのに、店内の雰囲気は今もなお現代的で若々しい。建物と、カウンターなどの調度品が歴史を感じさせるくらいです。

 私は2階に通されたのですが、ここは天井が低くて、まっすぐに立っては歩けません。ちょっと背をかがめて、カウンター席の一角に腰を下ろし、カウンターの中の若いおにいさんに、名物のドンカク(650円)を注文します。

 ドンカクは、「どん底カクテル」の略称で、元祖酎ハイといわれているんだそうです。

 すぐに出されたお通し(チャージとして300円)は生ハムのカナッペ。それを出してくれたおにいさんが、食べ物メニューを渡してくれながら、「ピザが名物なんです」と教えてくれます。

 なるほど、ミックスピザ(1,200円)は2~3人前と書かれています。ひとりじゃちょっと厳しいなあ。おっ。ドライフルーツ(650円)発見、これにしましょう。

 ドンカクは意外に甘くて、これまた甘いドライフルーツとは残念ながら相性がよくない。

「シーバスリーガルをシングル(750円)で、水割りでお願いします」

 やっぱりドライフルーツにはウイスキーが合うなあ。

 午後6時が近くなって、お客が増えてきました。そのほとんどが若いカップル。カウンターの前の椅子(空席)も、2個ずつを1ペアにして、寄せ合って並べているところを見ると、この店はいつもカップルが多いんでしょうね。

 さすがに今は「歌声喫茶」のように全員で歌ったりすることはないんだろうなあ。

 外装・内装は老舗なんだけど、店の雰囲気は現代風の、なんだか今までに経験したことがない感じの酒場です。

 1時間半ほどの滞在。お勘定は2,350円でした。

「どうもごちそうさま」と席を立つと、頭が天井のはりにガツン! そうだ天井が低いんだった。背の高い人は気を付けてくださいね。

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「どん底」 / ビル全体をツタが覆う / 店頭の案内看板

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ドライフルーツ / シーバスリーガル水割り / 歴史を感じるカウンター

店情報

《平成25(2013)年6月29日(土)の記録》

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店情報: 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(新宿三丁目)

    「どん底」
  • 店名: 居酒屋「どん底」
  • 電話: 03-3354-7749
  • 住所: 160-0022 東京都新宿区新宿3-10-2
  • 営業: 17:00-24:00(23:30LO)、年中無休(大晦日・正月は除く)
  • 場所: 地下鉄新宿三丁目駅C6出口を地上に出たところで、左にUターンし、新宿二丁目交差点(その先が新宿御苑)方面に進み、はじめて現れる右側の路地(約20m先)を右折して2ブロック(約50m)先を右折した先、右手にあるツタのからまったビルが「どん底」。新宿「末広亭」のすぐ近く。
  • メモ: 昭和26(1951)年創業。三島由紀夫氏、黒澤明監督等、数多くの文化人が通った伝説の酒場。チャージ(チャーム付き)300。
    〔飲み物〕どん底カクテル(通称:ドンカク。「どん底」のオリジナル酎ハイ)650、プレミアムモルツ中生・中瓶700、グラスワイン600、シェリー650、いいちこ600、日本酒1合750・2合1200、梅酒600、サントリー角600など、各種カクテル800より。
    〔食べ物〕ミックスピザM(2-3人)1200・L(4-5人)2200、ピロシキ2個750、ナポリタン850、林さんのライス950、林さんのみ900、チョリソ750、ソーセージ盛合せ900、野菜スティック750、枝豆550、アンチョビ600、ミックスナッツ600、チーズ盛合せ950、レーズンバター600、ドライフルーツ650など。
    公式サイト携帯サイト)あり。(2013年6月調べ)

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大正4年から続く老舗 … 食堂「長野屋(ながのや)」(新宿)

ハムエッグとビール


『店の存在はずっと前から知ってたんだけど、なぜか今まで行ったことがない』

 そんなお店がたくさんあるのですが、新宿駅東南口の階段を下りた目の前にある「長野屋食堂」もそんな店の1軒です。

 現在の時刻は、土曜日の午後3時半。お店的には一番ゆっくりとした時間帯かな。

 開けっ放しの入り口から店内をのぞき込んでみると、一番手前のテーブルに食事をしている中年女性客がひとり、一番奥のテーブルにつまみの小皿を並べてチューハイを飲んでいる男性二人連れがひと組。

 よしっ。ちょっと飲んでいくか。

 紺地に白で「長野屋」の染め抜かれた暖簾のれんをくぐり店内に入り、女性客、男性二人連れと、ちょうど均等に距離が離れたあたりの、壁ぎわのテーブルに座ります。

 店が角地にあるからか、店内の形はちょっといびつな五角形になっている。なので、4人掛け、2人掛けのテーブルも整然とは並べられなくて、壁に沿わせてぐるりと配置した後、中央部はなんとなくちょうどいい間隔でテーブルが並んでいます。

 えぇ~と、4人卓×7+2人卓×3の合計34席ですか。狭い店内の割りには、効率よく大人数が入れるんですねえ。

「いらっしゃいませ」

 と注文を取りに来てくれたのは、なんと入口付近のテーブルで食事をとっていた女性ひとり客。この人が女将さんだったんですね。こいつは失礼いたしました。昼どきのランチ営業が一段落したところで、夕方から混み合う前に食事をとっておこうということだったんでしょうね。

「大瓶のビール(630円)をお願いします」

 そう注文しておいて、テーブル上に置かれたメニューを確認すると、これが写真付きで、日本語の他に、英語、韓国語、中国語の4か国語表記。国際的ですねえ。しかもA3ぐらいの大きさで、ラミネート加工された表裏1枚にすべてをまとめていて、とても見やすい。

 15種類ほどの定食は650~1,000円ほどで、カツ丼(700円)やカレーライス(500円)などもある。もちろん、呑ん兵衛のんべえの好きな単品メニューも充実していて、五目煮、里芋煮、肉どうふ(各400円)の他、酢だこ(300円)、冷やっこ(200円)、ポテトサラダ(250円)、玉子焼き(250円)、お新香(200円)、おひたし(200円)、納豆(150円)などが、ずらりと40品ほど並んでいます。

 「はいどうぞ」と、キリン一番搾りの大瓶とコップを出してくれたところで、ハムエッグ(250円)を注文すると、注文は伝票につけられて、料理用の小さいエレベーターで上の階へと運ばれていきます。

「厨房は上にあるんですか?」と聞いてみると、

「そうなんです。ここ(1階)の他に、2階と3階に客席があって、全部のフロアの料理を1か所で作るんです。今は1階しか使ってないんですけどね」

 と女将さん。この女将さん、ひとり客にも気を使ってくれて、テレビから流れているワイドショー的な内容にも、

「わっ。この人、ものすごく悪そうな顔よねえ」

 と誰にともなく話しかける。ちょっとおしゃべりしたい気分の客であれば、このタイミングで「そうだね」と相槌を打てば、どんどん話が展開していく流れになります。

 ブーッ

 とブザーの音がして、小さなエレベータが下りてきました。

「はいお待たせ。ハムエッグね」

 あらあら。お皿の大きなちょうどに、真ん丸にできあがったハムエッグがきれいですねえ。黄身もいい具合に半熟状態。ハムをとって、その半熟の黄身にプツンと突き刺しながらいただきます。

「二人だけど入れる? ここは定食屋?」

 と新しいお客さんが入ってきました。

「いらっしゃいませ、入れますよ。うちは定食屋なんだけど、実際は飲み屋みたいなものね」

 と女将さん。やるなあ。この返しがおもしろい。

 この店の創業は大正4(1915)年だそうですから、あと2年ほどで創業100周年。ものすごい老舗です。

 昔は、甲州街道を通って荷物を運んできた馬と人がひと休みするような場所だった。戦後の高度成長期には、この近くにかつて「旭町」と呼ばれていたドヤ街ができ、そこに寝泊まりして働く日雇い労働者が大勢やってくるようになったが、その木賃宿もなくなり、現在はサラリーマンや学生が客の中心になっているんだそうです。

「昔はにぎやかだったんだけどねえ。今はもう、全然ダメ」

 と嘆く女将さん。いかにも作りものの、にせ昭和レトロを売り物にした店が流行はやるかと思えば、ここのような、本物の大正・昭和のお店で閑古鳥かんこどりが鳴いていたりするんですねえ。私なんかこういうお店、大好きなんですけどねえ。

 単品のロースとんかつが700円なのに、カツカレーが600円(普通のカレーライスは500円)というのも面白いなあ。今度はカツカレーでビールを飲んでみようかなあ。

 女将さんと話をしたりしながら、大瓶ビール1本とハムエッグで1時間ちょっとの滞在。お勘定は930円でした。どうもごちそうさま。また来なきゃね。

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食堂「長野屋」 / ハムエッグ / 店内の様子

店情報

《平成25(2013)年6月29日(土)の記録》

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店情報: 食堂「長野屋(ながのや)」(新宿)

    長野屋
  • 店名: 食堂 長野屋
  • 電話: 03-3352-3927
  • 住所: 160-0022 東京都新宿区新宿3-35-7
  • 営業: 11:00-21:00(20:30LO)、水休
  • 場所: JR新宿駅東南口の階段を降りた目の前。
  • メモ: 大正4(1915)年に、現在と同じ場所で創業。外食券食堂や東京都指定食堂だった時代も持つほどの老舗大衆食堂。1~3階までが食堂だそうだが、現在は1階のみ営業中。4人卓×7、2人卓×3の計34席。
    〔飲物〕ビール(キリン一番搾り)大630・小430、お酒大700・小350、冷酒(八重垣)600、水割り(スーパーニッカ水割りボトル12%・300ml)600、レモンサワー350、ウーロンハイ350、キリンフリー380、サイダー250。
    〔単品〕さしみ700、チキンカツ700、鳥唐揚げ700、ロースとんかつ700、ハンバーグ700、魚フライ500、イカフライ500、焼き肉500、さば煮400、さば焼400、筋子400、たらこ400、五目煮400、里芋400、肉どうふ400、オムレツ350、ハムエッグ300、なすみそ炒め300、イカ煮300、月見300、カボチャ300、酢だこ300、冷やっこ200、生野菜300、ポテトサラダ250、ハムサラダ250、マカロニ250、肉じゃが250、厚揚煮250、きんぴら250、玉子焼き250、目玉焼き250、キムチ250、お新香200、おひたし200、しらすおろし200、納豆150、焼きのり100、とん汁250、みそ汁100、ライス大250・中200・小150。 〔定食〕刺身定食1,000・小950、鳥唐揚定食1,000・小950、とんかつ定食1,000・小950、チキンカツ定食1,000・小950、生カキフライ定食(秋~春)1,000、イカフライ定食800・小750、魚フライ定食800・小750、焼肉定食800・小750、赤魚煮定食800・小750、ホッケ焼定食800・小750、サバ煮定食700・小650、サバ焼定食700・小650、肉どうふ定食700・小650、カツ丼(お新香みそ汁付)700、親子丼(お新香みそ汁付)700、玉子丼(お新香みそ汁付)600、カツカレー600、カレーライス500。(2013年6月調べ)

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うなぎ串焼き全リスト … うなぎ「カブト」(新宿)

 開店時刻の午後2時ちょうどにやって来たのに、もうほとんど満席! すごいなあ。

 よく確認してみると、カウンターのみ15席分の奥のほうに2席程度の空きがあって、そこに滑り込むことができました。

 大瓶のビール(キリンラガー、650円)をもらって、うなぎ串焼きは、メニューにある5種7本がすべて出される『ひと通り』(1,540円)をお願いします。

えり焼えり焼(2本320円): まず最初に出されるのがこれ。うなぎの首の周りの肉3尾分を1串に刺して焼いたもの。ちょっと骨っぽいが、その骨のまわりの肉がうまい。
ひれ焼ひれ焼(2本320円): うなぎの腹びれ、背びれ、尾びれを串に巻き付けて焼いたもの。表面のシャクッとした香ばしさと、脂分たっぷりのジューシーさのバランスがすばらしい。1串に7尾分のひれが使われている。
きも焼きも焼(1本290円): 肝臓(レバー)以外の内臓一式を串に巻いて焼いたもの。これも1串に3尾分の内臓が使われている。ちょっとほろ苦い感じがいい酒の肴になる。
一口蒲焼一口蒲焼(1本320円): 一口大に切ったうなぎの身を串に刺して蒲焼にしたもの。蒸さずに焼き上げるので、プリッとした弾力感が楽しめる。
れば焼れば焼(1本290円): うなぎの肝臓(レバー)13尾分を1串に刺してサッと焼いたもの。ひと通りを注文した人にしか出されず、基本的に単品での注文はできない。早い時間に売り切れてしまうので、それ以降は「れば焼」の入らないひと通りとなる。

 ここまでで、ひと通りが終了。ビールを飲み干したところで、飲み物を焼酎(350円)の梅割りに切り替えて、うなぎ串焼きも追加注文です。

かば塩かば塩(1本320円): 「一口蒲焼」を塩焼きしてもらうもの。つまり、できあがるのは「一口白焼しらやき」ってことですね。うなぎの身のうまさがよく味わえる、人気の高い一品。
まる塩まる塩(2本320円): 「えり焼」のもう少し頭側の部分。ほっぺたあたりかな? 輪切った形がまん丸いので「まる」と呼ばれるようになったに違いない(←未確認)。1串に4尾分の「まる」が使われている。「えり焼」よりももっと骨っぽい。タレで焼く「まるタレ」もある。

 おそらくこれが「カブト」のうなぎ串焼きの全品だと思いますが、他にもあれば教えてください。

(「えり焼」を追加注文したお客さんに、「やわらかいのでいいんだね?」と聞き返していたので、「えり焼」の硬いの、やわらかいの、みたいなのもあるじゃないかと思います。もしかすると「まる」が「えり焼」の硬いののことなのかなあ?)

 1時間ちょっとの滞在。ビール大瓶と焼酎に、うなぎ串焼きが7種10本で、お勘定は2,860円でした。どうもごちそうさま。

 あぁ、外が明るくてまぶしい。金宮焼酎の梅割りはよく効くなあ。

店情報前回

《平成25(2013)年6月29日(土)の記録》

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真鯛かぶと煮で菊正宗 … 「金田(かねだ)」(自由が丘)

真鯛かぶと煮で菊正宗


 金曜日の夜は寄り道の時間。横浜の職場から、都内の自宅へと帰る道すがら、途中の駅で下車してちょっと一杯飲んで帰ろうというもの。

 しかしながら、会社の出張旅費規定にあるような『もっとも経済的かつ合理的な経路』で帰るわけではなくて、あっちに回り、こっちを通りしながら帰ることが多いので、途中の駅もあっちやこっちと幅広い。今日は東急東横線を経由して、自由が丘で途中下車。

 現在の時刻は午後8時前。一番混んでそうな時間だけど、大丈夫かな?

 駅のすぐ近くにある、うなぎ串焼きの店、「ほさかや」は、サラリーマン二人連れが店の外で空席待ち。うなぎ串焼きの店は、どことも人気が高いようですねえ。

 そして「金田」。今日のお目当ては、このお店です。

 入口引き戸をガラリと開けて玄関に入り、さらにすぐ右手の引き戸をガラリと開けて、やっと店内へと入る仕組み。

 おぉ~っ。満員だ。

「ひとりです」

 カウンターの中のおねえさんに向かってそう言いながら、人差し指を立てると、

「こちらにどうぞ」

 とそのカウンター席の一角を指し示してくれます。

 なあるほど。ぎっしりと満席のように見えていたのですが、カウンターの一番端っこ、ダブル「コ」の字のつけ根の部分に、かろうじて1席分の空席がありました。

 まずは菊正宗(420円)の燗酒を注文すると、すぐに出される小皿の冷奴。こうしてちょっとした豆腐が、サービスのお通しとして出されるのが「金田」の定番。夏は小さな冷奴、冬は小さな湯豆腐です。

 その冷奴をつるりといただいて、燗酒をちびちびやりながら、A3サイズの用紙にびっしりと書き出された、80品ほどの料理をじっくりと眺めます。どれもおいしそうなので、いつも困るんですよねえ。迷って迷って仕方がない。

 5分ほど、じっくりと検討して、マグロのぬた(800円)と、ふき味噌(450円)をもらおうかなあと、ほぼ心に決めたところで、3~4人ほどのお客さんがお勘定をして席を立ち、入れ替わるようにダダダッと3~4人のお客さんが入ってきて、再び店内は満席状態。さらに続いて何人かが入ってくるものの「満席です」と断られています。2階、3階もいっぱいなんですね。

 私がスッと入れたのは、とてもラッキーなことだったんだなあ。改めてそう実感。

 そんなこんなで、新しく入った人たちの注文が終わるのを待ちながら、厨房との間の短冊メニューを見ると、A3メニューにはなかった、真鯛あら煮(1,000円)があるのを発見。マグロぬたにするか、鯛あら煮にするか、ちょっと迷ってあら煮に決めました。

「ふき味噌と、真鯛のあら煮をお願いします」

 やっと新たなお客さんたちへの対応が一段落したおねえさんをつかまえて、私も料理の注文を済ませます。予想どおり、すぐに出てきたふき味噌は自家製のもので、小鉢にたっぷりと盛られています。このほろ苦さが日本酒に合うんですよね。

 昭和11(1936)年に開店。今年で創業77年になります。長くお店の顔であった二代目店主が、2011年10月21日に他界されたという話を聞いていたのですが、店の雰囲気は以前と同じで、変わりがないように感じます。

 二代目がご存命中も、料理は京都・祇園の料亭などで7年ほど修業されてきた三代目(二代目の息子さんで、初代創業者のお孫さん)が担当されていたので、料理については、いっさい変わりなし。それがいいんでしょうね。

「鯛のあら煮は、こちら? いいところがありましたよ」

 と女将さんが笑顔で出してくれた大皿は、なんと大好物の鯛かぶと。しかも左右両側で、まるまる1尾分の大きな頭がデ~ンと載っています。これは嬉しいなあ。『でも、こんなに食べられるかなあ』と思ってしまうほどボリュームたっぷりです。

 まずは頭頂部の身をちょいとつまんで口に入れると、しっかりとした弾力感。さすが天然の真鯛です。こんな立派なかぶと煮が1,000円で食べられるとは! 女将さんがわざわざ「いいところがありましたよ」と出してくれたのがわかりますねえ。

 なんで真鯛のかぶと煮が好きかというと、それぞれの部位で、食感と味が違うから。

 目玉のまわりはちゅるんとやわらかく、ほっぺの肉はしっかりとしていてギュッとしまっている。カマのあたりは脂がたっぷりとのっていて、旨みがものすごく強い。

 この1品だけで、いろんなもつ焼きを出してもらっているのと同じようなバラエティが楽しめる。『少量ずつ多くの種類を』という呑ん兵衛の好みによく合うのです。

 この真鯛かぶと煮だけで、けっきょく菊正宗の燗酒(420円)を3本いただいて、飲み喰いともに、もう十分。大満足です。

 ゆっくりと1時間半の滞在。今日のお勘定は2,710円でした。どうもごちそうさま。真鯛のあら煮(かぶと煮)、ものすごくおいしかったです。

店情報前回

《平成25(2013)年4月19日(金)の記録》

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今日は新橋をひと巡り … ビアホール「ビアライゼ(BIER REISE)'98」(新橋)ほか

アサヒF生ビール


 今日は久しぶりに新橋をひと巡り。

 まずは午後4時の開店時間を目指して、生ビールのおいしいビアホールレストラン「ビアライゼ(BIER REISE)'98」に向かうと、「ビアライゼ'98」はとっても静かに開店時刻を迎え、私以外にはお客はいない状態。

「もう入ってもいいですか?」

 と確認しながら、広い店内に入り、入口すぐ左手にある小さなカウンター席の真ん中あたりに腰を下ろします。

 平日の午後4時から6時までの2時間のあいだ、お得な『ハッピーアワーセット』というのがあって、アサヒ「F」(620円)の生ビールに、料理が1品付いて880円。今日の料理は「枝豆のガンモドキを揚げたもの」だということで、さっそくそのハッピーアワーセットを注文すると、歴史を感じる古い生ビールサーバーで、ダダァ~~ッと贅沢ぜいたくに注ぎこぼしながら、いかにも美味しそうな生ビールを入れてくれました。

 ックゥ~ッ、うまいっ。

 飲み始めの最初の1杯ということもあるけれど、炭酸が強すぎないビールの喉越しがいいこと! ググゥ~ッと飲めてしまいますねえ。

 しばらくすると、年配の男性客がひとり、またひとりと入ってきて、生ビールを飲みながら店主と談笑。お店らしい雰囲気になってきました。

「揚げ物にちょっと時間がかかりますので、その間、これをどうぞ」

 と出してくれたのはキャベツとキュウリの塩もみ。これはうれしい。店が開いたばかりなので、揚げ油の温度がまだ上がり切っていないのかもしれませんね。

 2杯めのビールを注文するころに、枝豆のガンモドキ揚げも出てきました。熱々のところを、生姜醤油をつけていただくこの一品。これまたうれしいことに、枝豆がたっぷりと、入り過ぎるほど入っていて、『枝豆がたっぷりと入った揚げ豆腐』をいただいているような感じ。枝豆も豆腐も呑ん兵衛の強い味方。その両者が合体したこの料理は、もう完璧ですね!

 さっくりと1時間弱の滞在。お勘定は1,500円でした。どうもごちそうさま。

            ◆   ◆   ◆

 新橋での2軒目は、大衆酒場「大露路」です。この店も午後4時開店。開店後1時間、午後5時の店内は半分くらいの入り。

 この店は6人テーブルが2卓と、8人テーブルが2卓の、全4卓28席。このテーブルに入れ込み(相席)で、ぎっしりと入っていくのです。さらに常連さんは、奥の厨房との間の仕切り壁のところで立って飲んだりしているから、実際には30人ちょっと入ります。

 私も8人テーブルの端っこの席に案内され、酎ハイ(300円)と、ハムとメンチのセット(300円)を注文すると、すぐに酎ハイと、お通し(サービス)のもやしナムルが出されます。

 この店の大きな特徴は、料理が全品300円均一であること。しかもその値段ながら、安っぽい料理が出るわけではありません。

 定番ものと、日替りものとで構成される料理メニュー。今日は、くじらベーコン、ホタルイカ、やりいかさし、わけぎぬた、あじ酢、まぐろさし、いわしフライ、いわしハンバーグ、いわし塩焼き、山芋千切り、みつ葉おひたし、みょうが、セロリ、メンチ、やりいか煮、さといも煮、ポテトサラダ、半ぺん照焼、ホルモン炒め、ゴーヤ炒め、とり唐あげ、肉やさい炒め、さばバタ焼、ウィンナ炒め、豚肉しょうが焼、ほうぼう唐揚、いかげそ焼、いかわたホイル焼、ベーコンエッグ、にら玉、あつあげ、はすきんぴら、焼そば、焼うどん、焼ビーフン、まぐろステーキ、いかバタ、ししゃも焼、がんも煮、エリンギベーコン炒め、なす油ミソ、ふき煮、新じゃがフライ、串かつ、オムレツ、肉豆腐、冷やしトマト、あじ南蛮漬、鯛かぶと煮、はまぐり酒むし、うど酢ミソ、さつまあげ、ハムフライ、ピーマン肉炒め、冷奴、卯の花、鮭かま焼など、60品近い品が並んでいます。

 ところでさっき注文した「ハムとメンチのセット」。メニューにこんな料理はありません。これはそれぞれ人気が高い、ハムフライ(2個で300円)とメンチ(2個で300円)を、それぞれ1個ずつ盛り合わせてもらって300円になるというもの。メニューにはないけど、ほとんどのお客はその存在を知っていて、『ハムメン』という略称まであるほどなのでした。

 このハムメン。けっこうボリュームフルなので、酎ハイ1杯では食べ終わらず、2杯めは玉露割り(300円)をいただきます。

 飲み物のほうも、千福(日本酒)、焼酎、酎ハイ、酎サワー、ウーロンハイ、トマトハイ、玉露割り、そしてウィスキーがそれぞれ300円均一。300円じゃないのはビールだけで、大瓶が550円で、小瓶は350円です。

 午後6時まで、1時間ほどの滞在。飲み物2杯に料理1品で、900円のお勘定を払って、ぎっしりと満席になった「大露路」をあとにします。

            ◆   ◆   ◆

 3軒めは、新橋駅を超えて銀座方面に出て、バー「ロックフィッシュ」です。

 午後6時過ぎの「ロックフィッシュ」はほぼ満員。入口近くの立ち飲みカウンターがちょっと空いていて、そこに立ってハイボール(840円)をいただきます。

 ここのハイボールは、氷が入らない関西風で、ベースとなっているウイスキーは、サントリーの角瓶です。

 この店のハイボールに惚れこんで通った会社員・佐野晴彦さんが、のちに独立して横浜・野毛に「野毛ハイボール」を開店したのも有名な話。それくらい、「ロックフィッシュ」の間口一就さんが作るハイボールはおいしいのです。

 銀座「ロックフィッシュ」のカウンターの上などには、酒場関係の本がずらりと並んでいるのですが、バックバーの本置場のところに、森下賢一さんの「居酒屋礼讚」や、成田一徹さんの「to the Bar」と並んで、拙著「酒場百選」も置いてくれているのが、ものすごくうれしいなあ。ありがとうございます。

 30分ほど立ち飲んで、お勘定は840円でした。どうもごちそうさま!

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「ビアライゼ'98」 / キャベツとキュウリの塩もみ / 枝豆のがんもどきを揚げたもの

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がんもどきの中は枝豆たっぷり / 「大露路」 / お通しと酎ハイ

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ハムメン(ハムフライとメンチ) / 「銀座ロックフィッシュ」 / ハイボール

・「ビアライゼ'98」の店情報前回) / 「大露路」の店情報前回) / 「ロックフィッシュ」の店情報前回

《平成25(2013)年5月2日(木)の記録》

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孤独のグルメ・野毛編 … 中華料理「第一亭(だいいちてい)」(日ノ出町)ほか

孤独のグルメ・野毛編


 テレビ東京で2012年1月(Season1)、2012年10月(Season2)と2期に渡って放送され、人気となったドラマ「孤独のグルメ」。2013年7月10日から、同じく水曜深夜(23:58~)の枠で、Season3の放送が始まるんだそうです。

 上の写真は、その台本です。

 この台本では、『第一話:横浜野毛編』となっていますが、番組サイトの最新情報によりますと、

  ・第一話(7月10日放送):北区赤羽のほろほろ鳥とうな丼

  ・第二話(7月17日放送):横浜市日ノ出町(上の写真のもの)

というふうに、それぞれ決定したそうです。

 赤羽は、原作の漫画「孤独のグルメ」(原作・久住昌之、作画・谷口ジロー)にも登場した土地。原作では「まるます家」のうな丼が登場するのですが、テレビ版ではどうなるんでしょうね。「まるます家」で、ほろほろ鳥のメニューは見たことがないなあ。

 そして第二話が『横浜市日ノ出町』。私が、ここ「第一亭」で、上の写真の台本を見せてもらったということは……。きたる7月17日(水)をお楽しみに!

 今日は、呉にいたときに同じ職場だったSさんが、出張で横浜に来られたので、ぜひ一献ということで、二人で「第一亭」へとやってきました。

「中華街があることからもわかるように、横浜には昔から中国の人が多かったようで、中華街だけではなくて、市内のあちこちに、ごく普通に大衆食堂風の中華料理屋がある。この店もそんな大衆中華食堂の1軒なんだけど、とにかく豚モツ料理がうまいっ! 豚モツは大丈夫?」

「食べたことはないけど、苦手な料理はありません。大丈夫です」とSさん。

 金曜日、午後8時過ぎの店内は、ほぼ満席で、我われ二人は、奥の小上がりの座敷にある6人卓で飲んでいる二人連れの先客のところに相席させてもらうことになりました。なにはともあれ、まずは入れて良かった良かった。

 ここ「第一亭」だけに限らず、このところあちこちの店で、人気がある店はより人気が出て入りにくいほどになり、人気がない店は客がほぼゼロという光景をよく目にします。

 ネットなどを通して、信頼性の高い口コミ情報を手軽に得られることができるようになったことも、大きな原因のひとつなんじゃかと思っていますが、それにしてもあまりにも極端な状況ですよねえ。

 しかも、注文するものまで、みんなほとんど同じもの。かくいう我われも、みなさんと全く同じくシジミ正油漬(600円)、チート(豚胃)の生姜炒め(600円)、そして青菜炒め(500円)を注文しておいて、瓶ビール(中瓶)を2本もらって乾杯です。

 すぐに出されるシジミ正油漬。これは台湾では、日本のお通しのような感じで出されることもあるほどポピュラーな料理なんだそうです。シジミを軽くゆでて、口が開くかどうかくらいの半生状態のものを、唐辛子や生姜、ニンニクなどを加えた醤油に漬け込んで仕上げますが、この調味料の配分は、「第一亭」の店主しか知らないんだそうです。

 生でもなく、火が通っているでもない、微妙なクニュっと感がいいですね。

 中瓶ビール2本は、あっという間に飲み終えて、紹興酒をボトル(720ml)でもらいます。

 チートの生姜炒めは、もし豚モツが嫌いな人であっても大丈夫だろうと思えるほど、クセのない、というか美味しい一品。はじめて豚モツを食べたSさんにも気に入ってもらえたようです。

「豚モツも大丈夫そうですね。もう1品、いってみますか」

 ということで、青菜炒め(チンゲン菜)が出たタイミングで、レバみそ炒め(600円)を追加注文。これはレバを大きめに切った白ネギと一緒に炒め、唐辛子などの入った味噌ダレで味付た料理です。

「レバーのプリプリ感がすごいですね」とSさん。

 そうでしょう。私も上京してすぐのころ(25年ほど前)、うちの近所にあった、レバニラ炒めが名物の中華定食屋(現在は閉店)のレバーを食べて驚いた。「これ、本当にレバーなの?」。それくらい、これまでに食べたレバーと食感が違った(プリッとした感じが強烈だった)のです。これがレバーの鮮度なんですねえ。

 今は逆に、そんなプリッとしたレバーを食べることが多いから、たまに昔のようなねっとりとした感じのクセのあるレバーが出てきたりすると、逆にびっくりします。

 最後はやっぱりパターン(600円)ですね。

 これはゆで冷ました中華麺を、ニンニク醤油で和えたシンプルな冷麺。しかしそのニンニクの量が半端じゃない。

 この料理を作るときに、まな板の上に皮をむいたニンニクを並べて、中華包丁を寝かして、包丁の広い側面でパターン、パターンとニンニクを叩き潰したので、料理の名前も『パターン』になったという一品。もともとは、まかない料理だったんだそうで、今も正規のメニューには載っていませんが、ほとんどの客が注文する人気の品です。

 一緒に出してくれるスープがまたうまいんですよねえ。

 1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定はふたりで6,000円(ひとりあたり3,000円)でした。どうもごちそうさま。

 せっかく横浜まで来てくれているので、この1軒で終わるということはなく、入口からあふれるほど超満員の「ホッピー仙人」をちらりとのぞいて、「野毛ハイボール」へ。こちらはかろうじて2席空いていて、ハイボール(700円)と自家製モスコミュール(800円)をそれぞれ1杯ずつ。チキンカレーの黄色の缶詰(400円)をつまみにもらって、お勘定はふたりで3,400円。

 さらに「日の出理容院」でカクテルなど(各600円ほど)をいただいて、横浜の夜を締めくくったのでした。

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「第一亭」しじみ正油漬 / チート(豚胃)の生姜炒め / 青菜炒め(チンゲン菜)

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紹興酒ボトル / レバみそ炒め / パターン

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「野毛ハイボール」 / ハイボール / たっぷりの生姜を浸けて

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自家製モスコミュール / チキンカレー缶詰 / 最後に「日の出理容院」

・「第一亭」の店情報前回) / 「野毛ハイボール」の店情報前回) / 「日の出理容院」の店情報前回

《平成25(2013)年6月14日(金)の記録》

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この夏の新作、かわ焼 … うなぎ串焼「川二郎(かわじろう)」(中野)

かわ焼


『かわ焼: 鰻のしっぽの部分です。サクっとして鰻の身のやわらかさを残した新しい食感です。この夏の新作串焼!』

 「川二郎」店主のfacebookに、そんな書き込みが載ったのは、6月27日(木)のこと。

 私自身、うなぎの串焼きは大好きなので、いろんな店に食べに行っていますが、新作メニューの登場は、少なくとも私が知っている中では初めてじゃないかなあ。それくらい、うなぎの串焼きのネタは定番化しているのです。

 これはぜひ食べに行ってみなきゃと、ダメ元(売り切れ覚悟)で、翌金曜日の仕事終了後、横浜の職場から、大急ぎで中野を目指したのでした。

 店の前に到着したのは午後8時過ぎ。店の前の行列は4人と少ない。時間的に、多くのネタは売り切れてるでしょうが、入れないことはなさそうです。

 すぐに一人お客さんが出てきて、カウンターの人たちがちょっとずつ左右に寄って、行列先頭のサラリーマン二人連れが店内へ。さらに10分ほど待ったところで、店内からサラリーマンの4人組が出てきて、私も含む行列の3人が店内に入ることができました。

 私の後ろには人は来なかったので、この時点(8時15分ごろ)で行列は解消。店内にも、私のとなりに、もう1席分の空席がある状態になりました。

 まずは大瓶のビール(キリンラガー、650円)をお願いして、店主が一緒に入ったカップルに、

「今日は残りが4種類しかないんですが、その4種類をお出ししたんでいいですか?」

 と確認し、カップルが「はい、それでお願いします」と答えたタイミングで、「私もそれでお願いします」と追いかけて注文し、あわせてカルシウム(うなぎの中骨の唐揚げ、300円)ももらうことにしました。

 カルシウムは、揚げ終えてカウンター上のバットに盛られているものから、1人前を小皿に分け、塩を振って出してくれるので、出るのが早いのです。パリポリとした香ばしさがビールにもよく合う! これとお通しのキャベツをつつきながら、うなぎ串焼きの焼き上がりを待とうという寸法です。

 一緒に入ったカップルは、きも刺(1人前650円)を出してもらって、これをつまみながら焼き上がりを待つようです。見てくれはあまりよくない(過去記事に写真がある)のですが、このきも刺もうまいんですよねえ。とくにモツ(内臓)好きにはたまらん一品です。

 昭和43(1968)年創業のこのお店。昭和48(1973)年から、長きにわたって2代目店主の鈴木正治さんが切り盛りしてこられましたが、平成20(2008)年に正治さんの甥っ子で、この店で修業を続けてきた鈴木規純さんに店主の座をバトンタッチ。以来、規純さんが3代目店主として、老舗「川二郎」の暖簾のれんを守っています。

(その後、2代目・正治さんの娘さんが、すぐ近くに同じく鰻の店、「味治みはる」をオープンし、現在は正治さんもそこを手伝われています。正治さんのもとで修業した鈴木康治さんが独立して、荻窪に出した「川勢かわせ」も含めて3軒が、それぞれ大人気の繁盛店だというのは素晴らしいことですよね。)

 現在の「川二郎」を切り盛りするのは、3代目・規純さんご夫妻と、男性スタッフひとり。この男性スタッフが、店頭の行列をうまくさばいてくれます。

 カルシウムもほとんどなくなりかけた頃合いに、まず出てきたのは「ひれ焼」(170円)と「えり焼」(170円)です。

 これまで何度か来たときには、焼き置きしているうなぎ串を、もう一度、炭火で温め直して出してくれたので、ほとんど待つこともなく「ひと通り」が出されていたのです。今日は金曜日の午後8時過ぎということもあってか、焼き置きしたものはまったくなくなった様子。冷蔵庫の中に保存されている生の状態の串を焼き上げてくれたので、時間がかかったようです。生から焼くと、こんなにかかるんですね。びっくりしました。(それとも、もしかすると現在は焼き置きせず、すべて生から焼いてるのかな?)

 ひれ焼は、うなぎの背びれや腹びれをニラと一緒に串に巻いて焼いたもの。すべてのうなぎ串焼きの中で、私はこれが一番好きかな。うま味が強いんです。しかも今日のひれ焼は、生から焼き上げただけあって、カプッとかじると脂がしたたるほどジューシー。これはすごい。待った甲斐があったなあ。

 えり焼は、おなじみのカブト(=頭)ですが、ほっぺたよりも前側の骨ばった部分は取って、それより後ろの、いわゆるカマの部分を焼いたもの。ここがうなぎの首のあたりでもあるため、えり焼きと言うんですね。

 えり焼でも、骨っぽい店は、かなり骨っぽいのですが、ここ「川二郎」のえり焼は、骨をほとんど感じないくらい、上手に処理されています。山椒粉をチャチャッと振りかけて食べるのがおいしいですね。

 3本目は「ばら焼」(170円)。これも好きだなあ。これはうなぎの腹骨(あばら骨)からそいだ身をこねて焼いたもの。マグロで言えば『トロの部分の中落ち』ですもんね。うまくないわけがない。

「最後は『かわ焼』です。味はついてますので、そのままお召し上がりください」

 やった! まだあったんだ。思わず心の中でガッツポーズをしながら、

「これですね。新作のうなぎ串は!」

「そうなんです」と3代目・規純さん。

 鶏の皮の焼き鳥のように、カリッとしているんだけど、ジュワッとうま味があるような串を、うなぎでも作れないかと試行錯誤して、うなぎの尾の方の身を使って焼く、この「かわ焼」にたどりついたんだそうです。

 たしかに食感はサクッとしているし、口の中で噛みほぐすにつれ、さすがはうなぎ(しかも尾の身)と思わせる旨みがたっぷり! こいつはいいぞ。いきなり好物の仲間入りです。

 これで今日残っている4本はすべていただいたのですが、これだけで帰るのもしのびない。もう待っている人もいないし、私自身も久しぶりなので、もうちょっとゆっくりして帰りましょうか。

「お酒のあったかいのと、あと、おつけものをお願いします」

 ここの標準的なお酒は秋田の「新政」だったんだけど、今は同じ秋田の「八重寿」(330円)になっているようです。燗酒は、2代目の頃と同じように、保温しているポットから、受け皿付きのコップに注がれます。

 おつけもの(300円)はキュウリとカブのぬか漬け。『2代目は外で飲んでいるときでさえ、「漬物の世話をしないといけないから」と店に帰っていた』という逸話があるほどの「川二郎」のぬか漬け。今も健在なようですねえ。

 店に入ってからちょうど1時間ほどの滞在。今日のお勘定は2,240円でした。どうもごちそうさま。新作の「かわ焼」、おいしかったです!

 ただでさえ行列ができるほど混んでるのに、こんな新作までできちゃったら、ますます混むんだろうなあ。うれしいような、悲しいような、複雑な気持ちです。

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店頭の行列に並んで待つ / カルシウム、お通しのキャベツ / ひれ焼、えり焼

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ばら焼 / おつけもの、燗酒 / 店を出て、金曜、午後9時15分の「川二郎」

店情報前回

《平成25(2013)年6月28日(金)の記録》

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