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2013年11月

名物にうまいものあり … 「大はし(おおはし)」(北千住)

名物にうまいものあり


『名物にうまいものあり北千住 牛のにこみでわたる大橋』

 有名なこのキャッチコピーは、この店に常連として通っていた画家・伊藤晴雨の作。

 今日は創業明治10(1877)年という老舗、北千住の「大はし」にやって来ました。

 根津近辺での仕事が終わったのが午後4時ごろ。

(ちょっと早いけど、今日はこれで上がるか。久しぶりに北千住に出てみよう。)

 と思い立って、根津から地下鉄・千代田線に乗り込むと、なんと、たったの10分で北千住に到着です。根津と北千住って、こんなに近かったんだ!

 そして「大はし」に到着したのは、開店時刻10分前の午後4時20分。

 開店前の大行列ができているかと思いきや、待ってるのはいかにも近所の方らしいいでたちの女性がひとりだけ。

 へぇ~。平日はそんなものなのか。

 以前、土曜日の開店前に来たときは、店の前にズラリと大行列。開店と同時に満席になったのでした。

 今は土曜日も休み(土・日・祝が定休)になったので、私のように、平日は横浜で働いている者にとっては、なかなか来れない店の1軒になっています。

 行列がないのに安心して、近くの本屋で開店までの10分ほどを過ごします。

 開店時刻の4時半になったので、改めて「大はし」の前に行くと、暖簾のれんが出され、その上にある「千住で2番 大はし」と書かれた扁額へんがくにも照明が灯り、店が開店したことを告げています。

 ガラリと入口引き戸を開けて店内に入ると……。

 うそっ!

 店内(カウンターとテーブルで40席ほど)はすでに3分の2ぐらいの入り。

 みんな、いったいどこで待ってたの?

 カウンターはコの字の一辺が短くなったJ字型をしていて、奥のほうから順にお客が入っている感じ。私もそのすぐ手前の空いている席に腰を下ろします。

「はいっ、飲み物はぁ~」

 と声をかけてくれるのは、名物店主・神野彦二さん。祖父(創業者)、父、兄につぐ4代目なんだそうで、5代目となる息子さんと一緒に店内を切り盛りします。

「焼酎(250円)ください」

「おぃ~っ」

 受け皿とコップを出して、ドドドドッと焼酎(キンミヤ)を注ぎ、

「梅は?」

「入れてください」

「おぃ~っ」

 あっという間に梅割りのできあがりです。

 以前は「おいきたっ」とか、「はいよっ」と「おいよっ」の中間のような掛け声で注文を受けてくれていたのですが、今はもっと短くなって、「おぃ~っ」と「うぃ~っ」の中間のような掛け声で注文にこたえてくれます。

 近くに来た息子さんに「肉とうふ(320円)をください」と声をかけると、「うぃ~っ」と返事した息子さんが、シャカシャカと奥の大鍋前に肉とうふを注ぎに行き、すぐに戻ってきて「うぃ~っ」と出してくれます。

 息子さんも、親父さんとまったく同じような掛け声になっているのがおもしろいなあ。きびきびとした動き方もよく似てるね。

 さあ、肉とうふ。これを楽しみにやってきた。

 千住名代の煮込みメニューには『牛にこみ』と『肉とうふ』の二つがあって、どちらも320円。

 牛にこみは、牛のスジと肩肉を、醤油と砂糖で甘辛く煮たもの。すき焼きの割り下をあっさりめにした(=濃厚さを抑えた)感じの味わいがうまい。

 肉とうふは、肉の量が半減する代わりに、同じ鍋で煮込んだ豆腐が加わります。けっこう硬めで、いかにも肉っ! といった感じの肉の部分と、とろりと軟らかくて、煮汁の旨みをたっぷりと含んだ熱々豆腐がいいバランスです。

 向かい側に座っているおじさんは、牛にこみと肉とうふの二つをいっぺんに注文。左どなりの男性は「豆腐だけ」という注文。肉がまったくなくなる代わりに、肉とうふには1個しか入っていない豆腐が、ふたつになります。値段は同じ。「豆腐だけ」を注文しているお客さんも多いなあ。

 私も焼酎(250円)の梅割りをおかわりして、ついでに肉とうふ(320円)もおかわりします。

 千住市場が近いので、魚介類のメニューも多いのですが、ここに来ると、やっぱりここでしか食べられない牛にこみや肉とうふに食指が動いてしまいますね。

 開店から20分後の4時50分に、店内は満員。入口近くの丸椅子に座って待つ客が出始めました。月曜日からこの勢いなんですね。

 早い時間帯にやって来るのは、ほとんどが常連さんの様子。店に入ってくるなり、

「おぉ、○○さん、いらっしゃい」

 と店主や息子さんから声がかかると同時に、スッとキンミヤのキープボトルが出されます。ものすごい数のキープボトルがあるのに、よくこんなに速く出せるもんだ。そのことも驚きです。

 ひと言も発していないのに、すっと牛にこみが出されたり、肉とうふが出されたり、とうふだけが出されたりと、それぞれの常連さんの好みに応じたつまみもスッと出されている。

 みんな、毎日この時間を楽しみにやって来るんだろうなあ。

 そんなことを思いながら2杯めの焼酎を飲み干し、2枚めの肉とうふを食べ終えて30分ほどの滞在。お勘定は1,140円でした。どうもごちそうさま。

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「大はし」 / 肉とうふ1皿め / 肉とうふ2皿め

店情報前回

《平成25(2013)年11月25日(月)の記録》

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伝統的な味と新しい味 … 「鳥好(とりよし)」(横須賀中央)

伝統の味・焼めし


 横須賀の「鳥好」は、店主・野村宏さんが呉の「本家鳥好」で修業してから、この地にこの店を開店されたことや、今年4月に急逝された店主の奥様・野村美由紀さんが、「本家鳥好」の店主・上瀬弘和さんの妹さんということもあって、横須賀の地にありながらも、呉の『とり屋』の伝統をしっかりと受け継いだ正統派『とり屋』です。

 メニューにも、『鶏皮のみそ煮』(3本1皿で180円)や、鶏正肉と白ネギの串にパン粉の衣をつけて揚げた『串カツ』(3本1皿で350円)、『ささみの天ぷら』(400円)、『スープドーフ』(450円)、『焼めし』(400円)といった、伝統的な呉の『とり屋』の料理がずらりと並んでいます。

 そのいっぽう、ここ「鳥好」も、なにしろこの地で40年以上、商売を続けてきているので、この店ならではの独自の進化もしてきています。

 呉の『とり屋』でよく見かける、生けすの魚はこの店にはない。というか、魚介系のメニューそのものがありません。

 そのかわり、呉の『とり屋』にはない、『とりわさ』(400円)や、『とりぬた』(400円)、『すなぎもの唐揚』(400円)、『牛すじの煮込み』(400円)、『おじや』(500円)、『煮やっこ』(350円)などのメニューがあるのでした。

 ホッピー(セットで350円)が飲めるのも、横須賀ならではですね。

 そんなわけで、今日もまずはホッピーと、鶏皮のみそ煮(3本)からスタート。

 今日もひとりで来たので、カウンター席に座ったのですが、後ろのテーブル席には、何年かぶりにこの店に来たという年配のご夫婦。

 そのご夫婦も、最初の一品は鶏皮のみそ煮です。

「あぁ、これだ。懐かしいなあ。このみそ煮をよく食べたなあ」

「ほんとねえ。懐かしいわねえ」

 お二人とも、とてもうれしそう。鶏皮のみそ煮は、横須賀でもみんなに愛されて、『懐かしい味』のひとつになってるんですね。

 私は『ぬた』(400円)を注文。注文を受けてから、ささみをサッと湯引きして作ってくれます。これもいいですねえ。鶏肉が軟らかくて、うまいや。ん~、ホッピー、ホッピー。

 このみそ煮とぬたで、1杯めのホッピーを飲み干して、ナカ(ホッピーの焼酎おかわり、300円)をもらうとともに、これまた呉の『とり屋』にはない『煮やっこ』(350円)を注文し、その煮やっこができるのを待つ間に、ホワイトボードに手書きされている『うりの鉄砲漬』(350円)をもらいます。

 うりの鉄砲漬は、店主・野村宏さんの故郷である千葉県成田の名産品。

 白うりの種の部分を取り除き、そこにシソで巻いた青唐辛子を入れて、醤油漬けにしたもの。これを5ミリ程度の厚みにスライスしたものをいただきます。これもまたいいつまみになりますねえ。

 さあそして、煮やっこもできあがってきました。

 鶏スープで作る『スープドーフ』ももちろんおいしいけれど、関東らしい、甘辛い醤油味の煮やっこも捨てがたい。その日の気分で選べますね。

 うりの鉄砲漬と煮やっこは、それぞれがすばらしい酒の肴。これだけでさらにナカをもう1杯(3杯め)いただきます。

 そしてラスト1杯、4杯め(今日はソト1ナカ4)となるナカをもらって、つまみには『焼めし』(400円)を注文です。

 今日のメーンは、なんといってもこの焼きめし。

 横須賀に向かって電車に乗るときから、「最後は焼きめしで!」と決めていたのです。

 呉では、多くの酒場の〆のメニューとして、必ずと言っていいぐらい「焼きめし」があります。チャーハンでもなく、ピラフでもなく、焼きめしなんです。

 もちろん「本家鳥好」にもあるし、ここ横須賀の「鳥好」にもある。

 注文を受けて、フライパンでチャチャっと炒めて作ってくれるシンプルな焼きめし。

 今日の4杯めのホッピーのつまみも、この焼きめしです。つまみにも〆の食事にもなるんですね。

 その焼きめしを完食して、3杯めのホッピーもグイッと飲み干して、ごちそうさま。

 2時間弱の滞在。今日のお勘定は2,930円でした。やあ、おいしかった。そしてよく飲んだ。

 伝統的な呉の味と、横須賀ならではの新しい味。このバランスが横須賀「鳥好」の大きな特長ですね!

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当店自慢・鶏皮のみそ煮 / 鶏ぬた / ホッピーのナカを氷入りで

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うりの鉄砲漬 / 煮やっこ / 値段ごとに色分けされた札でお勘定

店情報前回

《平成25(2013)年11月15日(金)の記録》

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スナック風の大衆酒場 … 大衆酒場「高砂家(たかさごや)」(高砂)

氷下魚(こまい)


 京成高砂たかさごにガールズバーのような大衆酒場がある。

 前々からそんな噂はよく聞いていた(Facebook等で見ていた)のです。

 今日はたまたま京成線沿線に出かけてきたので、会社の同僚と二人で噂の「高砂家」を目指します。

 まったく知らない店でも、携帯電話にその店の住所を入れると、GPSを頼りにその店まで行くことができる。便利な時代になったものです。

「GPSだと、この辺のはずなんだけどなあ。ないねえ」

 これは困った。そこで、「高砂家」の常連でもある宇ち中うちちゅうさんに電話します。

「まわりに何が見えますか?」

「え~と、近くにサーティワンアイスクリームがある」

「なるほど、じゃ、そのまま線路沿いにもう少し先まで進んでください」

「このまま進めばいいの? あっ、あったあった。看板が見えた。ありがとう!」

 う~む。文明の利器にもはるかにまさる、常連さんのナビゲーションです。

 この店構えはすばらしいなあ。入口の横幅いっぱいにかかる大きい暖簾のれん。白地に黒々と「大衆酒場」という大きな文字。いいですねえ。

 その大きな暖簾をくぐって店内へ。おぉ~っ。店内も、いい意味で古びていて、いかにも下町の老舗大衆酒場といった雰囲気たっぷりです。

 店の奥に向かってド~ンとのびるL字のカウンター。入口すぐ左手に2階に上がる階段もあるので、上は座敷席になっているのかな。

 しかし、店員さんと客層が、下町大衆酒場っぽくない。

 カウンターの中にいるのは若くて現代風のかっこうをした女性が3人。客も20代~30代ぐらいと思われるカップルが3組ほど入っていて、下町大衆酒場に多い年配の男性ひとり客はいません。(後になって、いかにも常連さんらしい年配男性客が3人連れで入ってきましたが……。)

 そのカウンター内の若いおねえさんが、すぐに注文を取りに来てくれます。

 さっそく酎ハイを注文すると、お通しには小皿のポテトサラダが出されます。

 ずらりと並ぶ短冊メニューから、私は煮込みを、同僚は、女将さんらしき女性にすすめられた氷下魚こまいを注文します。この氷下魚。軽く一夜干し程度の、珍しいものなんだそうです。(氷下魚はカチンカチンに乾燥していて、木づちで叩いてほぐして食べるようなものが出ることが多いのです。)

 これらのつまみの多くが330円というのがうれしいではありませんか。さすが大衆酒場です。

「とにかくグラスが空いてることがないように、と言われてるんです」

 というおねえさん。酎ハイが残り少なくなると、

「おかわりをおもちしますか?」

 と声をかけてくれます。

「ありがとう。空いたら注文するからね」

「は~い」

 とそのが奥に引っ込むと、たまたま近くに来た別のおねえさんが、

「おかわり、お作りしましょうか?」

 ん~、教育が行き届いてますねえ。

 残りの酎ハイをグイッと飲み干して、

「じゃ、おかわりをお願いします」

 つまみにはタコぶつも追加です。

 私自身、ガールズバーと呼ばれる酒場には行ったことがないので、そことの比較はできないのですが、若いおねえさんたちが話し相手になってくれたり、お酒がなくなりそうになると、すぐにおかわりをすすめたりしてくれるところは、まるでスナックのような感じ。

 それでいて、値段は大衆酒場価格なんだからうれしいではありませか。

 この酒場が人気がある理由がよくわかりました。

 お勘定は二人で4,030円(ひとりあたり2,015円)でした。どうもごちそうさま。また来たい酒場です。

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酎ハイとお通し / にこみ / たこぶつ

店情報

《平成25(2013)年11月16日(土)の記録》

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店情報: 大衆酒場「高砂家(たかさごや)」(高砂)

    高砂家
  • 店名: 高砂家
  • 電話: 03-3607-1221
  • 住所: 125-0054 東京都葛飾区高砂5-44-13
  • 営業: 18:00-01:00、日祝休
  • 場所: 京成高砂駅の出入口1を出て、正面の横断歩道を渡り、交番の横、京成線沿いに伸びるエビス通り商店街に入る。そのまま線路沿いに進むこと1分(約80メートル)、左手。
  • メモ: 料理メニューは手書きされていて、330円から1,000円まで。〔メニュー例〕肉だんご、ホルモン炒、若どり塩やき、とり唐揚、レバー炒、砂肝炒、半ペンチーズ揚、半ペンバターやき、さつま揚やき、とちお油揚、アスパラ肉炒、アスパラウインナー、ウインナー串、アスパラゆで、アスパラ塩やき、新しょうが、にんにく唐揚、スルメいか酒やき、チャーシュー、ミノキムチ、肉にんにくやき、サーモン刺、すじ子おろし、エリンギバター、舞たけバター、エノキバター、舞たけ天ぷら、はまぐりやき、はまぐり酒ムシ、ジャガイモバター塩辛、ジャガイモバター明太子、なす肉炒、なすもみ、エシャーレット、フランクフルト、中とろ刺、かつおタタキ、あじたたき、あじなめろう、さんま刺、さんまなめろう、さんま塩やき、たこぶつ、すだこ、げそわさ、いか丸やき、いかゴロやき、いかスタミナ、ハラス塩やき、サバ塩やき、シマほっけ塩やき、ハタハタやき、ししゃもやき。(2016年8月調べ)

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ひとりでの~んびりと … 「栄屋酒場(さかえやさかば)」(日ノ出町)

刺身盛り合せ(小)


「おや珍しい。ひとりで飲むこともあるんですね」

 店主にそう声をかけられて、私自身も驚いた。

 そういえば、この店に来るときはいつも誰かと一緒。

 一人で来たのは、いちばん最初に来たときだけだったかもしれません。

 この店の料理は、一品一品がそれぞれしっかりとしたボリュームなので、何人かで一緒に来ないと、いろんな料理を食べることができない。それがこの店にひとりで来なかった最大の理由です。

「なので、刺身の盛り合わせを、少なめでお願いします」

 と、まずはメニューにはないんだけど、刺身の少量盛り合わせ(たぶん1,000円)を注文します。

 大瓶ビール(キリンラガー、610円)をもらって、お通し(サービス)で出された煮イカをつまみながら飲み始めます。

 そして出てきた刺身小盛り合わせは、カツオ(800円)、ヒラメ(700円)、ダルマイカ(700円)、トリ貝(800円)、シャコ(750円)、そしてシャコツメ(800円)。カッコ内の値段は、それぞれを単品で注文したと場合の1人前の値段です。

 少量ずつ、あれこれとつまめるのが、呑ん兵衛にはうれしいんですよねえ。

 この刺身には、やっぱり日本酒かな。

 壁の張り紙にある『地酒めぐり』は、今回で「No.1909」。お酒は高知の「久礼くれ 純米・ひやおろし」(560円)です。

 酒屋さんに「毎回、違うのを持ってきて」と注文して、地酒めぐりをやっているうちに、積もりに積もって、1909回に達したんだそうです。

 ックゥ~ッ。この酒はおいしいなあ。すっきりとキレがある。

 刺身の小盛り合わせが残り少なくなってきたところで、この店の名物、あなご天(630円)を注文します。

 この店の穴子は、生麦なまむぎの魚河岸で仕入れたもの。東京湾のプリップリ穴子です。

 大きくカットした穴子が、一人前で6切れ。ボリュームたっぷりなのに、どんどん食べられるんですよねえ。

 この天ぷらには燗酒(340円)をもらいましょう。

 メニューには「2級酒」と書かれている、この燗酒の銘柄は、姫路の「八重垣」です。

 熱々がおいしいあなご天。せっかくの燗酒を飲むのも忘れるぐらいの勢いで、一気に食べ切ります。

 やあ、おいしかった。

 でも、燗酒が残ってる。

 この燗酒用に、ちょっとしたつまみをもらうことにします。

 「栄屋酒場」は魚介類が売りの酒場ながら、黒板に手書きされたメニューには魚介類以外のつまみも何品か並んでいます。

 たとえば今日は、トコロテン(250円)、おしんこ(350円)、冷やっこ(100円)、湯トーフ(380円)、トマト(350円)、南京豆(400円)、フランク(400円)、カボチャ煮(350円)、ユデピー(400円)、おひたし(350円)、きぬかつぎ(350円)などなど。

 南京豆(400円)をもらってみようかな。

 南京豆は、落花生のこと。大ぶりの殻付き落花生が、受け皿付きの小鉢に、受け皿にあふれるほど盛られて出てきました。すごぉ~いっ。

 それとは別に、南京豆の殻を入れるための、紙で折ったゴミ箱も出してくれるので、そこに南京豆の殻を割っては入れ、割って入れしながら食べ進みます。

 残ったお酒を飲むために注文した南京豆ながら、その南京豆の量が多いので、燗酒(340円)もおかわりです。

 南京豆は大好物なので、これだけ量があるとうれしい。

 ゆ~っくりとの~んびりと2時間半ほどの滞在。今日のお勘定は3,880円でした。どうもごちそうさま。

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「栄屋酒場」 / ビールとお通し / お漬物

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『地酒めぐり』 / 納豆和え / あなご天

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南京豆と燗酒 / ごぼう煮 / 柿

店情報前回

《平成25(2013)年10月30日(水)の記録》

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若鳥唐揚はこう楽しむ … 鳥料理「鳥房(とりふさ)」(立石)

若鳥唐揚


 若鳥の半身揚げで有名な「鳥房」にやってきました。

 開けっ放しの入口から、「ひとりです」と中をのぞき込むと、

「はい、こちらにどうぞ」と入口右手のカウンター席に案内されます。

 絶賛発売中の「とりマニア」(浜田信郎・監修、メディアパル、1,300円+消費税)でもご紹介させていただきましたとおり、この店にはいくつかのルールがあります。

 まずは入店する前のお約束。店頭に『酔った方の入店はお断り申し上げます(店主)』という張り紙があります。

 看板にも書かれているとおり、ここ「鳥房」は『鳥料理』の店。その鳥料理をワシワシ食べて楽しめるコンディションで臨みましょう。

 店内に入ると、もっとも守りたいのは『とにかく店のおねえさんたちの仕切りに従うこと』というルール。

「はい、あなたはここ。次の4人はこっち!」

 指示されたとおりに、指示されたところに座り、指示されたように注文するのが、この店をたっぷりと楽しむための、最大かつ基本的なルールなのです。

 次なるルールは、『若鳥唐揚は、必ずひとり1個ずつ注文すること』。なにしろ若鳥唐揚が最大の売りの鳥料理屋なので、これも守りましょう。食べきれなかった分は、お持ち帰りすることができます。

 その若鳥唐揚。値段が「時価」と表記されているのでドキドキしますが、鳥の大きさ(重量)に応じて、半身で550~650円ほどと、驚くほど安いのです。

 大きいほうが味わいがいいそうなので、できれば一番大きいのを注文するのがいいんじゃないかと思います。

 若鳥唐揚は注文した順に、何個かずつロットで揚げていきますので、タイミングによっては、できあがるまでかなり待つことになります。その間をつなぐのが、メニューにずらりと並んでいるサイドメニュー群です。

 ぽんずさし(530円)、鳥ぬた(530円)、鳥サラダ(530円)、鳥わさ(530円)、鳥からし味(530円)、鳥南蛮漬(280円)、お新香(280円)。

 なかでも一番人気は、ぽんずさし(530円)です。

 これは、湯引きしてスライスした鳥ささみに、唐辛子と長ネギをたっぷりとつけ込んだポン酢醤油をかけたもの。さっぱりとした中に、ピリッとした辛みを感じるところがいいんですね。

 サイドメニューをたのみ過ぎると、メーンの若鳥唐揚が食べられなくなりますので、少なめに注文することが肝心です。

 飲み物を注文すると、お通しとして鳥皮の生姜煮が出されるので、ひとりで行った場合には、それをチビチビとつまみながら、唐揚げのできあがりを待つのでもいいぐらい。酒の肴として最高のお通しです。

 そうそう。飲み物と言えば、このお店。立石にありながら焼酎類は置いていません。ビール(大瓶のみ560円)、日本酒(350円、冷酒ボトルは650円)、そしてワイン(650円)というラインナップ。ソフトドリンク(200円)もあります。

 さあ、いよいよ若鳥唐揚が登場です。

 若鳥の頭と足先を落として、左右に真っ二つに切った半身分のかたまりを、そのまま揚げたもの。

 割り箸で胴体のまん中あたりをしっかりと押さえ、ペーパーナプキンで足先をつかんで、グイッと上に引っ張りあげるようにすると、肉がたっぷりと付いた足の部分がはずれます。

 同じように胴体を箸でおさえたまま、今度は手羽の部分をペーパーナプキンでつかんで、ヨイショと上に引っ張ると、手羽と胸肉のところが取れます。

 こうやって、つかみやすいところを上へ上へと持ち上げていくと、次々と食べやすい大きさに分かれていくんですね。

 ポイントは、胴体のところは動かさずに、お皿の上に箸で押さえつけておいて、足や手羽など、その胴体についている各部分を引っ張り上げるようにはずすということ。

 胴体をひっくり返したり、持ち上げたりして動かしちゃうとうまくいきません。

 もうこれ以上、持ち上げて外すものが無くなったところで、それぞれのかたまりを、さらに食べやすく小分けたりする、という手順がいいようです。

 このとき、解体したそれぞれの部位を、添えられた千切りキャベツの上に敷き詰めるように置いていくと、鳥肉の熱気でキャベツがしんなりと蒸されて、おいしくなります。

 慣れない間は、店のおねえさんに、「すみません。やり方がよくわからないので、お願いします」と申し出ると、目の前であっという間に解体してくれます。

 解体が終わったら、あとは好きに食べやがれ、って感じですが、ほとんどの骨は食べられます。温度が下がってくると骨は硬くなるので、骨の部分はなるべく早く食べましょう。

 肋骨の部分などの、黒く見える骨はすべて食べられます。足の骨などの白い骨は硬いので、きれいにしゃぶったら残しましょう。(これらも含めて、お皿に何も残さず食べきっちゃう人もいるというからびっくりです。)

 塩味がついてるので、そのまま食べられると思いますが、前菜として、ぽんずさしを注文してた場合には、そのポン酢をつけて食べるのもおいしいです。このポン酢は、千切りキャベツのドレッシングにしてもいいですね。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は1,660円でした。どうもごちそうさま。

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ビール(大瓶のみ560円) / お通しの鳥皮生姜煮 / 食べやすく解体した若鳥唐揚

店情報前回

《平成25(2013)年11月2日(土)の記録》

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大衆酒場で大衆食堂で … 「丸大ホール(まるだいほおる)」(川崎)

丸大ホール


 9年ぶりにやって来ました。川崎の「丸大ホール本店」です。

 店の横幅いっぱいにかけられた、長~いのれんには、「大衆酒場・大衆食堂」の文字。

 そう、ここは麺類や定食類もおいてるんだけど、ほとんどの客が酒を飲んでるという、なんとも不思議な大衆酒場、いや大衆食堂なんです。

 日曜、午後8時過ぎの、この時間帯ならゆったりかと思いきや、6人掛けテーブルが6つ並んだ店内はほぼ満席状態。(奥に座敷席もありますが、この時間帯は灯りも落としていて、使われていません。)

 店のおねえさんにうながされるまま、4人の男性客(二人連れ1組と、ひとり客が二人)が座っているテーブルに相席させてもらいます。

 すぐに出される小皿のお通し(サービス)は、大豆と小松菜の煮物。

 ホッピーセット(400円)をもらって、最初のつまみは「あさりバター」(400円)を注文します。

 昭和11(1936)年ごろに創業したというこのお店。現在は故・2代目店主の奥様である野中通子さん(85歳)を筆頭に、年配のおねえさんたち4~5人で切り盛り中。厨房の中に一人だけ、年配の男性の姿も見えます。

 入口側を除いた三方の壁に、短冊メニューがずらりと並んでいて、その数ざっと140種。

 もっとも安いのは生玉子の50円で、もっとも高い食べ物はカツカレーの900円。ほとんどのおかずは200~500円ぐらいです。

 『売り切れ』と書かれた黄色い付箋ふせんが貼られているのが、人気のメニューなのかな。

 まぐろ中落(400円)、サバのみそ煮(400円)、かき酢(350円)、生しらうお(350円)、ホタテ刺身(350円)、あん肝(350円)の6種が売り切れです。

「アサリバターはどちら?」と店のおねえさん。

「はいっ! こっちこっち」

 店のおねえさんたちが、それぞれ年配ということもあってか、注文はなかなか通しにくくて、大きな声で「すみませぇ~んっ!」と声をかけて、やっと気づいてくれるぐらい。

 注文した品は、その場で厨房に伝達されますが、しばらくして厨房からできあがった料理が出てきたときは、

「トンカツはどなたでしたっけ?」

 と忘れていることも多いのがご愛嬌あいきょう

 それでも常連さんらしき年配客のみなさんは、大きな声を出すこともなく、スッと自分の注文を通しているので、なんかうまいコツがあるんでしょうね。

「中身(ホッピーの焼酎おかわり、250円)をお願いします。あと、ハムエッグ(450円)もください」

 おねえさんが横を通過するタイミングで、私もスッと注文することができました。

 平日にやってくると、サラリーマンも含めて、近所の労働者たちでいっぱいになる店内ですが、日曜のこの時間帯は、若者の3~4人組ぐらいのグループ客あり、カップル客あり、酒場ファンらしき男性ひとり客(私もその一人)ありと、客層が比較的若くて、着ている服の色合いも、全体的に明るい。

 8時半を回るごろ、多くのお客さんがシメの食事を注文し始めます。

「鍋焼きうどんと鍋焼きそばをお願いします」

 なぬ? 鍋焼きそばだと?

 改めてメニューを確認してみると、うどん、そば系統の料理はすべて、うどんとそばとが選べるようになっています。鍋焼きも、「鍋焼きうどん・そば(700円)」となっている。

 鍋焼きそばというのは、いまだかつて食べたことがないけど、おいしいかもね。

 ラーメン(400円)も大人気で、どんどん注文が入っています。

 ハムエッグを半分ぐらい食べて、2杯めのホッピーを飲み終えたところで午後9時。

「ラストオーダーの時間です。注文はありますか」

 残っているお客さんたちに注文を聞いて回る店のおねえさん。

「日曜日は閉まるのが早いんですか?」と確認してみると、

「そうなんです。日曜・祝日は9時にラストオーダーで、9時半閉店なんです」とのこと。

「じゃ私は、中身(250円)をもう1杯と、半食はんしょく(170円)をお願いします」

 この店のメニューには「定食」(200円)というメニューがあります。これは、ごはん、お新香、みそ汁のセットのこと。このごはんを小盛り(半ライス)にしたものが「半食」(170円)です。いろんなおかずに、この「定食」か「半食」をつけると、どれもが立派な定食メニューになるんですね。

 焼酎の中身は、毎回、新しいジョッキに氷入りで出してくれます。残っていたホッピー(ソト)を入れて、結果としてソト1・ナカ3となる分量。これで合計900円なので、1杯あたりだと300円ということですね。

 ごはんの上に残しておいた半熟の目玉焼きをのせて、千切りキャベツはハムで巻いて、添えられているポテトサラダはそのままで。それら3種をそれぞれをつまみにしながら、最後の1杯となるホッピーをちびりちびり。

 カツオ出汁がものすごくよく効いたみそ汁や、お新香(タクアン2切れ)も、これまたいいつまみになりますねえ。

 午後9時半まで、1時間20分ほど楽しんで、今日のお勘定は1,920円でした。どうもごちそうさま。

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お通し(サービス)とホッピー / あさりバター / 半熟で出されるハムエッグ

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小ごはんに目玉焼きをのせて / キャベツはハムで巻いて / みそ汁もいいつまみだ

店情報前回

《平成25(2013)年11月17日(日)の記録》

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紅生姜を豚肉で巻いて … 立飲み「串揚100円ショップ(くしあげひゃくえんしょっぷ)」(立石)

紅生姜ロール


 「串揚100円ショップ」です。

 ここは立ち飲みの串揚げ店。店名のとおり串揚げはすべて1本100円で、注文は2本から。

 紅鮭(サーモン)、紅生姜ロール、豚ヒレ、豚ねぎロール、鳥ネギマ、鳥ササミチーズ、ハムカツ、えび椎茸、いか、つくね、ウズラ玉子、アスパラベーコン、新じゃがベーコン、ウィンナー、もちチーズ、ホタテ、こんにゃく、エリンギ、にんにく、ピーマン、タマネギ、さつま芋、カボチャ、大根、椎茸、里芋、ニンニク、シシトウなどのネタがそろっています。

 2本以上というしばりがあるので、ひとりで来ると、アラカルトであれこれ食べることはむずかしい。その解消策として「おまかせ串揚6本セット」(600円)というメニューも用意されています。これは1本ずつ6種類のおまかせセットです。

 今日は4人で来てるんだけど、この「おまかせ串揚6本セット」を注文。

 名物の品は必ず入れてくれるので、人数に関係なく、たいていの場合は「おまかせ串揚6本セット」を注文しておけば大丈夫なのです。

 飲み物は酎ハイ(250円)をもらいます。

 最初に出されたのは、この店の大名物といってもいい大根です。

 味付けて煮込んだ大根に衣をつけて、サッと揚げた一品。サクッとした衣の下の大根が、ジュワッとジューシーで軟らかいのがいいんですねえ。

 この大根を食べると「串揚100円ショップ」に来たって気がします。

 続いてはコンニャクと紅生姜ロール。これらもまた名物だなあ。

 大根に味が付いていたように、コンニャクにもちゃんと味が付いてます。そういう品のときには、「そのまま食べてください」と言いながら出してくれるので、二度づけ禁止のソースはつけません。

 紅生姜ロールは、紅生姜を豚肉で巻いて揚げたもの。一度食べるとクセになります。

 そしてハムカツ、エリンギ、カボチャと出てきて、これで6本です。

 サッと飲み食いして、スッと出られるスピード感は、立ち食いの串揚げ店ならでは。

 お勘定は食べたく串の本数と、カウンター上に残ったジョッキの数で計算します。そのためにジョッキやグラスは下げないんですね。

 酎ハイと串揚げセットで、ひとり850円。どうもごちそうさま。

131102e 131102f 131102g
酎ハイ / 大根 / コンニャク、紅生姜ロール

131102h 131102i
ハムカツ、エリンギ / カボチャ

店情報前回

《平成25(2013)年11月2日(土)の記録》

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福山人のソウルフード … 大衆食堂「稲田屋(いなだや)」(福山)

関東煮


 福山駅の近くに『福山人のソウルフード』とも呼ばれる料理を出す店があるということで、大急ぎでその店に向かいます。

 なぜ大急ぎかというと、予定している新幹線の時刻まで、あと40分ほどしかないから。

 福山駅から徒歩10分ほどかかる、JOYふなまち商店街の中にあるその店は、大衆食堂「稲田屋」。創業は古く、大正時代だそうです。

 店内はに、厚みのある自然木ながらも、ほぼ形がそろった長テーブルがずらりと並んでいて、椅子も木製の長椅子(ベンチシート)式。

 営業時間は昼前11時から、中休みなしで午後8時まで。

 日曜日、午後5時の店内には、先客は二人(男性ひとり客×2)しかいません。

 すぐに注文を取りに来てくれる店のお姉さんに、

「ビールの小(420円)と、クシ(140円)は白・黒1本ずつお願いします」と注文。

 大衆食堂と言いつつも、この店の料理は基本的には『もつ煮込み』と『牛肉煮込み』の2種類のみ。

 もつ煮込みのほうは、シロ(腸)とフワ(肺)を、それぞれ串に刺して、醤油と砂糖で味付けした煮汁で煮込んだもので、メニュー上の表記は「関東煮」です。こう書いて「かんとだき」と読みますが、常連さんたちはほとんど「クシ」と注文するんだそうです。

 さっき「白・黒1本ずつ」と注文したのは、「シロとフワを1本ずつ」ということです。

 シロは色が白く、フワは色が黒いので、こう呼ぶんでしょうね。

 出てきたクシは、白いほうは1串にシロが5切れ。黒いほうはフワ・シロ・フワ・シロ・フワと、3個のフワの間に2個のシロがはさまって、合わせて5切れ。どちらもよく煮込まれてますねえ。

 まずはシロからいってみますか。ど~れどれ。

 ………!(゚д゚)

 甘ぁ~っ。あま、あま、甘ぁ~っ!

 まるで濃縮した砂糖を食べているかのような、濃厚な甘さです。

 う、う、うぅぅ。ビール、ビール。

 ッカァ~ッ、落ち着いた。

 事前の調査で、『醤油にたっぷりとザラメをぶち込んで味をつけるので、かなり甘い』ということは知ってたのですが、ここまで甘いとは思いませんでした。びっくりですねえ。

 この店のもつ煮込みのルーツは、大阪の「どて焼き」。

 大阪でどて焼きを食べた創業者が、見よう見まねでそれを再現しようとしてできたのが、この店の関東煮なんだそうです。

 創業者の舌に残った、強烈な甘さの印象が、味の記憶としてより増長されて、この店の煮込みの甘い甘い味付けになったのかもしれませんね。

 甘さが一番のごちそうだった時代も長かったようなので、『甘い』この関東煮が、多くの福山市民を喜ばせ、『福山人のソウルフード』と言われるほどになったんでしょうねえ。おもしろいなあ。

 関東煮という言葉も、創業者が大阪から持ってきたのかな?

 大阪でいう『関東煮かんとだき』は、おでんのこと。

 『どて焼き』は、今でこそ牛スジ肉を煮込んだものですが、大正後期から昭和の初めごろの『どて焼き』は、「豚の皮身を味噌で煮詰めたもの」だったんだそうです。

 その大阪の味を、福山に持って帰ったときに、料理は『どて焼き』で、名前は『関東煮』という融合がおこったんじゃないかというのが、私の推理です。

 「ねぎ(きざみ)」(90円)というのもメニューに載っています。常連さんの中には、串から外したシロやフワに、この刻みネギをたっぷりとトッピングして、一味唐辛子もたっぷりとかけて食べる人もいるようです。こうすると甘みが抑えられて食べやすい、いや、美味しいのかもね。

 関東煮は持ち帰りもできて、それを入れるためのプラスチック容器(タッパー)も売られています。何十本も買って帰る人がいるんだそうですよ! さすがソウルフード。

 『牛肉煮込み』のほうも、同じように牛肉を醤油と砂糖で甘ぁ~く煮たもの。

 そのまま「肉皿」(510円)としても食べられるほか、ごはんにのせて「肉丼」(630円)にしたり、うどんやそばにのせて、「肉うどん」(510円)、「肉そば」(510円)として食べます。(玉子を落としてもらうとそれぞれ50円増しです。)

 本当はクシを何本か食べたあと、「肉玉そば」(560円)ぐらいで〆てから新幹線に乗りたかったんだけどなあ。時間がなくて残念!

 20分ほどの滞在。今日のお勘定は700円でした。ごちそうさま。

 いやぁ、それにしても、驚きの甘さだったなあ。こんなもつ煮込みもあるんですね。大発見でした。

店情報

《平成25(2013)年11月10日(日)の記録》

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店情報: 大衆食堂「稲田屋(いなだや)」(福山)

    稲田屋
  • 店名: 稲田屋
  • 電話: 084-925-1392
  • 住所: 720-0043 広島県福山市船町1-18
  • 営業: 11:00-14:50 & 16:00-19:40、木休
  • 場所: JR福山駅・南口を出て、駅前の大きなバスロータリーの左側を回りこむように進み、「福山駅前」信号交差点(左前方が百貨店「天満屋」)を左折。100m弱先の「伏見町」信号交差点を右斜め(鈍角)に右折して直進。右手の「福山神社」を過ぎても50mほど道なりに進むと、「JOYふなまち」のアーケード商店街に入る。アーケードの中を100mほど進んだ左手が「稲田屋」。福山駅南口からは徒歩10分(630m)ほど。
  • メモ: 大正8(1919)年創業。牛のシロ(腸)とフワ(肺)を串に刺して甘く煮込んだ「関東煮」が有名で、「福山人のソウルフード」と言われるほど。肉丼、肉うどんも人気が高い。日本酒は福山の「天寶一てんぽういち」。11:00-13:30は禁煙。
    肉玉丼830、肉丼780、めし大200・小180、肉皿650、肉玉うどん/そば650、肉うどん/そば600、卵うどん/そば550、かけうどん/そば450、漬物150、冷やっこ150、ねぎ(きざみ)100、みそ汁150、関東煮1本160、生ビール大ジョッキ780/中ジョッキ570、ビール大ビン650/小ビン450、純米酒550、酒上撰400、チューハイ400、梅酒(ロック)600、ジュース200、ウーロン茶200、ノンアルコールビール300。 定食(平日の11:00-13:30、めし、漬物、肉皿、みそ汁)800。(2017年8月調べ)

    肉玉丼680、肉丼630、肉皿510、めし大190・小170、肉玉うどん・そば560、肉うどん・そば510、卵うどん・そば510、かけうどん・そば410、漬物120、みそ汁120、関東煮(1本)140、ねぎ(きざみ)90、冷やっこ120。生ビール大740・中530、ビール大580・小420、純米酒500、酒二級350、チューハイ350、ジュース・ウーロン茶・ノンアルコールビール200。定食(平日のみ開店~13:30、肉皿、めし、漬物、みそ汁)680。(2013年11月調べ)

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下町立石の隠れた名店 … 「ゑびすや食堂(えびすやしょくどう)」(立石)

ふぐひれ酒(290円)


 「ゑびすや食堂」のような店を『隠れた名店』と言うんだろうなあ。

 呑ん兵衛のワンダーランド・立石を目指す酒友しゅゆうたちは必ず訪れている。そして酒や肴も安くてうまい。

 とは言うものの、1軒めとして「さあ! 『ゑびすや食堂』に行こう!」という感じではなくて、

「あらら。やっぱり『二毛作』は満席だったね。じゃ、『ゑびすや食堂』に行こうか」とか、

「うわぁ! 次は『栄寿司』に行こうと思ってたのに、ものすごい行列だ! 今日は『栄寿司』はやめて、『ゑびすや食堂』にしとく?」

 という流れで「ゑびすや食堂」に向かうことが多いのです。

 今日もまさにそう。

 「宇ち多゛」の店内で相席となった酒場好きの面々と、4人で「二毛作」をのぞいてみたところ、予想どおり満員。

「じゃあ、『ゑびすや食堂』ですね」

 と、こちらにやって来たのでした。

「すみません、4人です」

「はい、どうぞ~」

 必ず入れるのが、これまたすばらしいなあ。

 多くの呑ん兵衛がこの店を訪れるのに、なぜか時間帯がちょっとずつずれているらしくて、この店に入れなかったことがない。

 呑ん兵衛たちにとって、まさにセーフティネットというか、すべり止めというか、とてもありがたいお店なのです。(しかもレベルは高いぞ!)

 入口を入った目の前に、9席のL字カウンターがあり、右手手前の壁際にテーブル席が2卓(3席+4席)。そして右手側面の壁際に小上がりの4人卓が2卓。ぜんぶ合わせて24席ほど。

 この店内を、お母さんと、その息子さん夫婦(だと思う)の3人で切り盛りしています。

 寒い季節にこの店に来ると、必ず注文したいのが「湯どうふ」(350円)です。

 小さい、ひとり用土鍋で出される湯どうふ。鍋のまん中には、ポン酢しょう油の入った金属の器。こうやって、つけダレも一緒に温めておいてくれると、せっかくの湯どうふが冷めることがなくていいですね。

 湯どうふが出たところで、これまたこの店の名物的な飲みものである「ふぐひれ酒」(290円)を注文。

 ふぐひれの入った蓋つきの湯呑みと、徳利に入った熱燗の酒を別々に出してくれるので、自分で注いで「ひれ酒」を作ります。

 たった2枚のふぐひれで、とても強い旨みが感じられる燗酒に変身するのがおもしろいですよねえ。

 1杯めの「ひれ酒」を飲み終えて、「つぎしゅ」(日本酒のおかわり)をお願いすると、熱々に燗づけした日本酒(250円)を、徳利で出してくれます。

 ゆっくりと1時間半ほど楽しんで、お勘定は4人で4,160円(ひとりあたり1,040円)という低価格。

 呑ん兵衛のワンダーランド・立石にあるから、『隠れた名店』的な存在になっていますが、もし他の地域にあったら、じゅうぶん4番バッターで通用する名酒場なんじゃないかと思います。

 逆に言うと、こういうお店が、さりげな~く存在していることが、酒都・立石のものすごさですね。

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酎ハイ(300円) / 湯どうふ(350円) / ハムカツ(300円)

店情報前回

《平成25(2013)年11月2日(土)の記録》

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近所の人達の憩いの場 … 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)

名物おでん


 食堂なんだけど、雰囲気はほとんど酒場だなあ。

 小規模な「まるます家」(赤羽)といったところ。

 まさに『自由に飲み食いしてください』って感じ。だから店名も「自由軒」なのかなあ。

 こういうお店。私は大好きです。

 日曜日の午後3時半というこの時間帯、コの字カウンター20席ほどの店内は、半分ぐらいの客の入り。

 ゆっくりと盃を傾ける男性ひとり客が何人かいて、3人連れぐらいでやってきて楽しそうに飲んでいる若者グループもいて、そうかと思うと二人でニコニコと食事をする中年夫婦もいて、母娘(娘は小学生ぐらい)ふたりで仲睦まじく食事をしていたりもする。

 老若男女、いろんな層のお客さんが入ってるということは、この店が名店であるというあかしのひとつですね。

「大瓶のビール(550円)をお願いします」

「アサヒとキリンがありますけど」

「キリンで」

「は~い」

 すぐにビールとコップを用意してくれる店のおねえさん(住村淳子さん)。

 店は二代目店主・住村功二さん・美鈴さんご夫妻を中心に、1階(カウンター席と厨房)だけでも4~5人が働いていて、それとは別に2階に座敷席もあり、そっちにも店員さんがいるようです。(お店の方のお名前は、「吉田類の酒場放浪記」で知りました。)

 福山という地域性もあるのかもしれませんが、お店の人も、カウンター席に並ぶお客さんたちも、まるでみんなが家族の一員のようで、ほんわかとした暖かい空気感があります。

 地域のみなさんたちの『いこいの場』になってるんでしょう。みんなの笑顔がうれしいね。

「お料理、うかがいましたっけ?」

 カウンターの中から笑顔で声をかけてくれるのは店主・功二さん。

「いや、まだお飲みものだけなんです」

 私が答えるよりも早く、店主にそう話してくれる淳子さん。

「まずはおでんをください。豆腐(150円)と、あとロールキャベツ(250円)」

「はいよっ」

 と返事して、コの字カウンターの短辺のところに据えられたおでん鍋から、豆腐とロールキャベツをお皿に取り、ロールキャベツは食べやすいように3つにカットして、上からこの店ならではの味噌ダレをかけて、出してくれます。

 この店ののれんや看板には『洋食・おでん』の文字が並んで表記されています。この二つが、「自由軒」の二枚看板のようです。

 現在の店主のお父さん(初代)は、もとは洋食のコックさん。戦後、屋台から始めて、昭和26(1951)年に、ここ「自由軒」を創業しました。

 毎日、鰹節と昆布で出汁をとるおでんは、創業当時からの伝統の品なんだそうです。

 もしかすると、屋台時代におでんを始めたのかもしれませんね。

 そのおでん、ほとんどの品は150円で、今いただいている自家製ロールキャベツ(中は鶏つくね)が250円。そしてスジ(牛すじ肉)が300円です。

 スジもけっこう人気があるようで、あちこちから注文が飛んでいます。

 そのスジは、串刺しではなくて、おでん鍋の中でバラのまま煮込まれています。注文を受けて、これを小鉢に取って、上から味噌ダレをかけて出してくれるのです。これもまた美味しそうだねえ。

 味噌ダレは、備後びんごの府中味噌をベースに、七味唐辛子の、唐辛子以外の成分(胡麻、陳皮、芥子、麻、山椒など)を加えて作った、この店独自のもの。

 辛さが足りなければ、さらに七味唐辛子を振って補います。唐辛子以外の成分はほぼ同じなので、七味唐辛子をかけても、味噌ダレのバランスが崩れることはありません。

 味噌ダレをかけずに、醤油をちょっとかけて食べるというオプションも選べるようです。

 もともとのおでんは薄味に仕上げられていて、味噌ダレか醤油をかけて、ちょうどいい味になるようになってるんですね。

 店の入口横には、小さな冷蔵陳列ケースもあって、刺身類やちょっとしたつまみ類(梅クラゲ250円、めいたいこ250円、たこわさび250円など)が、その中に並んでいます。これらは、お店の人に注文して出してもらってもいいし、自分で勝手に持ってきてもいい様子。なにもかもが、ゆるやかなのがいいですね。

 もうひとつの看板料理、洋食もいただきましょう。

 ここはやっぱり「キモテキ」(530円)かな。

 キモテキというのはレバーステーキのこと。食べやすい厚さにスライスしたレバーに、塩・胡椒で下味を付けてフライパンで炒め、ケチャップと醤油で仕上げます。

 他にはない料理だし、類さんの番組でも、『この店のオススメ料理』として、店主の弟・住村裕さんが、このキモテキを調理して出してました。私自身、レバーは大好きなので、その点でも、この料理はピッタリですね。

 キモテキが出てきたところで日本酒(350円)を、燗酒でお願いします。

 日本酒の銘柄は「天宝一てんぽういち」。一升瓶からアルミのチロリに注がれ、おでん鍋の横にある5穴の燗づけ器に浸けられます。

 で、そのチロリのまま「はいどうぞ」と出してくれる仕組み。これを一緒に出されるコップに注いでいただくんですね。

 洋食は、日本人向けにアレンジした西洋料理。基本的に、ごはんにピタリと合うように作られています。

 ごはんに合うものは、当然のごとく日本酒にも合う。

 キモテキと燗酒も、とてもよく合います。

 メニューには「小いわしの天ぷら」(400円)や「たこぶつ」(650円)といった瀬戸内海の海の幸も並んでいるほか、「ビフテキ定食」(950円)や「チキンカツ定食」(680円)、「魚の煮付定食」(680円)などの定食類もずらり。

 私の向かい側で、チビチビと焼酎を飲んでたおとうさんは、〆の一品として「玉子うどん」(500円)を注文しました。

 中華そば(480円)や各種丼ものまであるというふところの深さです。

 昼前の11時から、夜の10時まで、中休みなしの通し営業というのもうれしいではありませんか。いつでも飲めちゃう。

 キモテキも食べ終えて、1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は1,830円でした。どうもごちそうさま。

 いいね、福山「自由軒」。また来たいな。

131110a 131110b 131110c
「自由軒」 / キモテキ / 燗酒

店情報

《平成25(2013)年11月10日(日)の記録》

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店情報: 洋食・おでん「自由軒(じゆうけん)」(福山)

    自由軒
  • 店名: 自由軒
  • 電話: 084-925-0749
  • 住所: 720-0063 広島県福山市元町6-3
  • 営業: 11:00-22:00、火休
  • 場所: JR福山駅・南口を出て、駅前の大きなバスロータリーの左側を回りこむように進むと、信号交差点の向かい側に見える大きな百貨店「天満屋」の、向かって裏手。駅から徒歩5分ほど。
  • メモ: 昭和26(1951)年創業。創業当時から洋食とおでんが二枚看板。創業者の息子・住村功二さんが現在の店主(二代目)。1階はカウンター20席ほど、2階に20席ほどの座敷あり。
    生ビール550、大ビール550、小ビール400、日本酒350、焼酎350、冷酒400、梅酒400、ハイボール500、ノンアルコール400。
    ビフテキ750、ビフカツ750、トンカツ530、一口カツ580、チキンカツ530、若鶏のバター焼530、キモテキ530、ヤサイイタメ530、ニラ炒め530、ニラレバ530、オムレツ400、目玉焼350、魚フライ450、カツカレー750、カレー580、ヤキメシ580、チキンライス580、オムライス630、肉めし750、親子丼630、玉子丼630、カツ丼750、中華そば480、うどん480、お茶漬430、ライス220、みそ汁100、スープ150、おでん150、ロールキャベツ250、スジ300、納豆250、冷奴200、キムチ納豆300、ちりめん300、らっきょ200、ししゃも350、めざし350、中華ホタテ250、揚げ出しなす400。
    肉うどん650、玉子うどん500、カツとじ650、豚しゃぶ500、豚ねぎ450、手作りコロッケ400、豚肉の生姜焼き450、自由軒カツ400、南蛮漬400、鶏の唐揚530、れんこん天ぷら400、小いわしの天ぷら400、〆鯖450、さんまの塩焼450、鯖の煮付400、もつの煮付300、ポテトサラダ300、もずく300、ピーマンみそ300、ニラみそ300、たこぶつ650、いかさし650、かつおのたたき550、おばいけ400、まぐろ500、あじフライ450、馬さし550、なます300、枝豆200、ねぎとろ500、トマト400、アスパラ400、山いもスライス/とろろ400、いかの天ぷら400、とん汁200、ホルモンいため530、しいたけミンチ400。
    キモ定食680、肉めし定食750、おでん定食680、豚生姜焼定食680、ビフテキ定食950、チキンカツ定食680、とんかつ定食680、鶏の唐揚定食680、南蛮漬定食680、コロッケ定食680、魚フライ定食680、魚の煮付定食680、ねぎとろ丼定食(2013年11月調べ)

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シロだけで梅割り3杯 … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(立石)

シロタレ


 ちょっと出遅れて、立石の「宇ち多゛」に到着したのは午後1時前。

 土曜日は裏口からしか入れないので、大急ぎで裏口側へと回ってみると、行列は4人(2人連れ×2組)。その後ろに並ぶとすぐに、店内から2人連れが2組出てきました。

「シロしかないけどいい?」

 店内から顔を出したソウさん(店員さん)が、並んでいる我われにそう確認し、順番に店内へと案内されます。

 ひとり分の席は、もともと空いていたようで、私の前の4人が入ると同時に、私も表側入口横の「二の字」と呼ばれている、テーブルのようなカウンターのような席に通されました。

 やあ、シロしか残ってないとはいえ、まずは入れてよかった、よかった。

 すぐに注文を取りに来てくれたアンチャン(三代目)に、焼酎(180円)の梅割りと、シロタレ(180円)を注文。

 ちょっと立ち上がって煮込み鍋を確認すると、近くにいたアンチャンが、

「煮込みも売り切れ。シロミソ用に汁だけおいてる」と教えてくれます。

「お新香(180円)も売り切れ?」

「大根ならあるよ」梅割り&大根お酢

「じゃ、大根ください」

「お酢、入れる?」

「お願いします」

「大根、生姜のっけて、お酢ね!」

 とアンチャンから、奥の厨房(と言っても、みんなが飲んでるスペースと仕切られているわけではありません)に注文が通ります。

 ックゥ~ッ、うまいっ。

 昼間っから飲む焼酎の、なんとうまいことよ。

 昨晩ちょっと飲み過ぎて、朝からボォ~ッとしてたのですが、いま飲み始めたこの焼酎で、昨日の夜とつながった。よしっ。もう大丈夫だ。

 迎え酒の威力は抜群です。

 まあこれも土曜日だからできること。仕事のある平日は、朝や昼から、迎え酒を飲むわけにはいきませんもんねえ。

 この『つながる』という表現は、「酒とつまみ」創刊編集長の大竹聡(おおたけ・さとし)さんが使い始めた言葉で、『二日酔い、三日酔いで調子が悪くても、がんばって飲み始めてみると、前夜の酔っている状態とつながって、またグイグイと飲み始めることができる』ということを表したものです。この感じ、ものすごくよくわかります。

 と、そのとき!

「シロ、なくなった」

 という焼き台からの声が、店内に響きわたります。

 これで、もつはすべて売り切れ。こうなると、もし大根が残っていたとしても、もう新たな客は店内には入れないルールです。

「残ってるおかずで、大事に飲んでね」

 とアンチャンから、みんなに声がかかります。

 まだシロも大根も半分ぐらい残ってるから大丈夫そうだ。

「梅割り(180円)のおかわりをお願いします!」

 なにしろこの店のおかず(もつ焼き、もつ煮込み、お新香の3種)は、それぞれ一皿180円という低価格ながら、それぞれボリュームがある。

 3皿も食べれば、もう十分、というほどの量なので、シロと大根の2皿だけでも、焼酎の2杯や3杯は、軽くいけちゃうのでした。

 相席となった「宇ち多゛」ファンのみなさんとの会話を楽しみつつ、シロをちびり、大根をちびり、そして梅割り焼酎もちびり。

 「宇ち多゛」の、戦いのように忙しい時間帯が終わり、今はゆるやかに後片づけのとき。

 店内に残っている客も常連さんが多くて、とってもゆったりとした時間が流れます。

 閉店まぎわの遅い時間帯にやってくると、おかずはあまり残っていないのですが、このゆったりとした時間を楽しむことができるのがとてもいい。私の大好きな時間帯です。

 けっきょくもう1杯(合計3杯)、梅割り焼酎をいただいて、50分ほどの滞在。今日のお勘定は900円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成25(2013)年11月2日(土)の記録》

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1軒めとしては初訪問 … 焼鳥「若竹(わかたけ)」(桜木町)

焼鳥「若竹」


 1軒めの酒場として、この店にやって来たのは今日が初めてです。

 昭和27(1952)年創業の老舗の味と雰囲気に、どっぷりとひたらなくっちゃね。

 よしずでできた、小さなスイング扉を開けて、「ひとりです」と店内へ。

「奥へどうぞ~」

 とカウンターの中にいる女将さんから声がかかります。

 入口右手のカウンター席(8席ほど)は、手前側こそお客が詰まっているものの、奥のほうは空いている様子。左手に3つあるテーブル席には、すべて客が座っています。

 すぐに出されるおしぼりで手を拭きながら、ベテランの女性店員さんに、大瓶ビール(キリンラガー)を注文し、焼き鳥は、女将さんに「おまかせで」と注文します。

 店はこの女性二人と、炭火の焼き台で黙々と焼き鳥を焼く親父さんの、合わせて3人で切り盛りしています。

 ビールと一緒に出される定番の「うずら卵入り大根おろし」をつまみながら待つことしばし。

 出てきたのは「つくね」「しいたけ肉」「皮」の3本で、それぞれ塩焼き。

 これに秘伝の「にんにく味噌」をぬりつけながらいただきます。

 この「にんにく味噌」が、これだけでつまみになるほどうまい。

 横浜方面では、ほとんどの焼鳥屋で、この「にんにく味噌」が出されますが、「にんにく味噌」を出しはじめた元祖のお店が、ここ「若竹」と言われています。

 「しいたけ肉」は、1本の串に、鶏肉、しいたけ、鶏肉、しいたけ、鶏肉と刺されたもの。しいたけと肉とでは、火の通る度合いが違うでしょうから、こうやってどっちにもちょうどよく火を通すというのは、思ったよりたいへんなのかもなあ。

 「皮」は軟らかく焼き上げるのが「若竹」の特徴。鶏皮のうまみがよくわかります。カリッと香ばしい焼き方も好きですが、この軟らかい「皮」もいいですねえ。

 続いては「手羽中」の塩焼き。骨を手で持って、骨ぎわの肉までしゃぶりつくすようにいただきます。

 ここでとなりの独り客がお勘定。

「ちょっと待ってくださいね。スープ出しますからね」と女将さん。

 一緒に私にも出してくれました。やったね。

 このスープは、うずらの生卵に、鶏ガラでとったスープを注ぎ、刻みネギを浮かべたもの。味付けは塩だけです。

「熱いですから、気をつけてくださいね」

 うずらの生卵がサッと煮えるように、熱々のスープなのがポイントです。

 このスープ。お勘定をお願いしたあと、サービス品で出してくれるものなんですが、実はこれがとてもいい酒のさかなになるんじゃないかと、前々から思っていたんです。

「すみません。熱燗をお願いします」

 せっかくですので、熱燗をもらって、スープをつまみにお酒をいただきましょう。

 すぐにトロリと濃厚な「れば」のタレ焼きも出てきました。

 燗酒は「菊正宗(上撰)」。ればとスープだけで、燗酒1本が軽くいけました。

「焼き鳥の『おまかせ』分は、これで終わりですか?」と聞いてみると、

「はい。あとはお好きなものをどうぞ」とのこと。

「それじゃ、ハツと砂肝。お新香もください。燗酒ももう1本お願いします」

 ハツと砂肝は塩焼きで出してくれます。お新香は6種盛り。

 この店では、『おまかせ』でたのむもんなんだと思い込んでいたのですが、常連さんたちは、好き好きに、自分のお気に入りを注文している様子。

 私ももう1本と、うずらの卵を焼いてもらいます。

「よろしければスープも、もう1杯どうぞ」と女将さん。

「ぜひお願いします」

 やったね。この熱々スープ、大好きだ。

 ゆっくりと、ゆっくりと2時間ほどの滞在。大瓶ビール1本、燗酒2本、焼き鳥8本にお新香、そして熱々スープ2杯(サービス)で、今日のお勘定は3,800円でした。どうもごちそうさま。

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お通しの大根おろし / にんにく味噌 / つくね、しいたけ肉、かわ

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手羽 / 鶏スープ(1杯め) / れば(タレ)

131023g 131023h 131023i
「菊正宗」(燗酒) / はつ / 砂ぎも

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お新香 / うずら卵 / 鶏スープ(2杯め)で〆

店情報前回

《平成25(2013)年10月23日(水)の記録》

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生のくじらをユッケで … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

生くじらユッケ


 生くじらのユッケ(700円)である。

 牛レバ刺しが法令で禁止になって以来、生肉もまた公明正大に食べることができにくい状況にあるのですが、くじらは別ですねえ。

 ここ「竹よし」でも、生くじらは刺身(700円)やユッケとして供してくれます。

 くじらの赤、玉子の黄、そして刻みネギや千切りキュウリの緑も加わって、色も鮮やか。

 これをグリグリグリッとかき混ぜて、いただきます。

 ック~ッ。うまいっ。

 子供のころに食べていたクジラは、もっと筋ばってて、噛んでも噛んでもかみ切れず、いつまでも口の中に残ってて、最後はあきらめてゴクンと飲み込まないといけない。

 ところが今のこの生くじらは、とろけるようにやわらかいですねえ!

 力を入れて噛むなんてことは、まったく必要ありません。

 そしてキューッと「高清水」の冷酒(300ml瓶、600円)です。

 今日は日本酒をよく飲んだなあ。

 1軒めの「ロックフィッシュ」は角ハイボールだったものの、2軒めの「三州屋」で大徳利2本(4合)、3軒めの「ふくべ」でも燗酒2本(2合)。で、4軒めがここ「竹よし」です。

 この「高清水」を飲みきったら、合計で7.7合(1,380ml)です。

 それに「ロックフィッシュ」のハイボールと、「竹よし」で最初にもらったサッポロラガービール中瓶(500円)。

 私自身は、それほど酒が強いほうではないと思うのですが、時間をかければ、けっこう飲めるもんなんですねえ。

 土曜日に「竹よし」を手伝っているキティちゃんが、来週(11/2)で「竹よし」を卒業ということで、今日はキティちゃんが作る『やみつきキュウリ』(300円)もいただいて、2時間ちょっとの滞在。

 お勘定は2,100円でした。どうもごちそうさま。

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《平成25(2013)年10月26日(土)の記録》

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千福でひとり酒まつり … 通人の酒席「ふくべ」(日本橋)

生ウニで千福


 本来ならば、今夜は呉で、『第6回 呉酒まつり』に参加している予定だったのに……。

 台風27号の接近で、予定されていた出張が延期になり、その出張のついでに呉に立ち寄ることもできなくなってしまったのでした。残念なり。

 そんなわけで今宵は、八重洲の「ふくべ」で、「千福」(特選)の燗酒を飲み、ひとりで『呉酒まつり』です。

 つまみは、女将さんが「今日のオススメです」とすすめてくれた生ウニ(700円)。

 ウニと「千福」を合わせたのは、はじめてだけど、ウニの濃厚なコクにもよく合います。

 呉の「千福」をはじめとする、広島県のお酒は、軟水で造られていることもあってか、飲み口がやさしい。

 物足りなさを感じるほどのやさしさ、やわらかさの日本酒が多いのです。

 ところが、呉に赴任して、呉で飲む呉の酒は、ぜんぜん違う。物足りないなんてことはまったくなくて、とてもおいしい。

 その原因は、どうやら酒のさかなにあるようです。

 小イワシなどの瀬戸の小魚も、広島名産の牡蠣かきも、うま味が濃厚。この濃厚なうま味に、やわからい広島の地酒がよく合うんですね。

 「千福」は、広島の酒の中では辛口ですが、広島の酒は、どっちかというと甘みの強いものが多い。その代表格が「白牡丹はくぼたん」です。

 呉に住んでいる、年配の呑ん兵衛たちは、この甘い酒を熱燗あつかんにして、お茶やお吸い物をすするように飲みながら、小魚の刺身やカキをつまみます。

 冷たい肴に、熱い酒という対比。旨みの肴に、甘みの酒という相乗効果。これがいいんですね。

 今いただいている生ウニと「千福」燗酒も、それに近いおいしさを感じます。

 今日は、「ロックフィッシュ」から、「三州屋」と、銀座の名店2軒を飲み歩いて、酒食ともに満ち足りた状態。

 でもまだ午後7時過ぎなので、これで切り上げるというのも、なんだかもったいない。

 (酔い覚ましと、腹ごなしを兼ねて、少し歩くか!)

 ということで、銀座から八重洲まで、トコトコと15分ほど歩いて、ここ「ふくべ」にやってきたのでした。

 「ふくべ」は、全国各地の日本酒が飲めることで、つとに知られた老舗酒場。

 全国各地の日本酒といっても、地酒ブーム以降に、世に知られるようになった『隠れた地酒』みたいなお酒ではなくて、わりと昔から世間にも知られているような、準ナショナルブランド的な日本酒がそろっています。

 たとえば広島県なら、「千福」の他に、「酔心」「賀茂鶴」「賀茂泉」。兵庫県は「菊正宗」「櫻正宗」「剣菱」「白鶴」「白鷹」といったラインナップで、全体では22県41銘柄。

 自分の出身地や、それに近い県のお酒を飲むことができるので人気が高く、いつもほぼ満席状態が続きます。

 そんな41銘柄の中でも、一番人気はなんといっても、カウンターの一番奥に鎮座している「菊正宗」の樽酒ですね。常温はもとより、この樽酒も燗酒として楽しめます。というか、樽酒燗がうまいっ!

 私も、この店での1本めは、その「菊正宗」の燗酒をいただきました。

 いっぽう、つまみはというと、人気のおでん(650円)や、くさや(600円)など43種の定番メニューに、壁に2~3品、日替りの短冊メニューが掲げられます。

 今いただいている生ウニ(700円)は、その短冊メニューの一品です。

 そして2本めとして、「千福」の燗酒をいただいたのでした。

 1時間ちょっとの滞在。今日のお勘定は1,840円でした。どうもごちそうさま。

 あ、そうだ。ここ「ふくべ」は、明日11月9日、午後9時放送の「出没!アド街ック天国 東京駅八重洲口」に登場予定だそうです。何位でしょうね。楽しみです。

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《平成25(2013)年10月26日(土)の記録》

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鯛カブト煮で燗酒4合 … 大衆割烹「三州屋(さんしゅうや)銀座店」(銀座一丁目)

鯛カブト煮で燗酒


 「えっ! うそっ?!」

 出された『鯛カブト煮』(530円)を見て、思わず声がでた。

 デンッ! と置かれた丸皿は、それだけでカウンターの奥ゆきいっぱいになる大きさ。

 その皿から、はみ出さんばかりの鯛のカブトは、左右両側で一対をなしています。

 うっひゃぁ~っ。こんなに食べられるかなあ?!

 まずは、胸ビレの下の、よ~く脂ののった身を一口。

 ん~~っ。これはうまいっ。さすが「三州屋」の煮魚だ。ランチで来ても、ここの煮魚はうまいもんなあ。

 よしっ。今日は、性根しょうねをすえて、この鯛カブト煮に取り組もう。『鳥豆腐とりどうふ』(480円)はヤメだ。

 この時点で、そう決心しました。

 鳥豆腐というのは、ここ「三州屋」の名物料理のひとつ。簡単に言うと、鶏の水炊きを、丼によそって出してくれるもので、一緒に出されるポン酢しょう油をつけていただきます。

 ここに来ると、この鳥豆腐で一献やるのが楽しみなのです。

 《まずは鯛カブト煮ぐらいで軽くやってから、次に鳥豆腐をもらうことにしよう》

 今日もそう考えて、まず燗酒(大徳利800円)と鯛カブト煮(530円)を注文したのでした。

 いや、この鯛カブト煮を目にするまでは、ずっとそう思い続けてました。

 ところがっ! 出てきたのがこれですよ。この巨大さ!

 (これ、本当に530円の鯛カブト煮かなあ?)

 思わず、目の前の伝票を確認したほど。でも間違ってませんでした。

 今日の1軒め、銀座のバー「ロックフィッシュ」での『ひとりゼロ次会』を経て、2軒めのこの店にたどりついたのは午後5時過ぎ。実に5年ぶりの訪問です。

 この店は、昼前の午前11時半から、夜の10時(9時半LO)まで、中休みなしで10時間半の営業。昼でも飲んでる客は多いので、この時間帯だともうほぼ満席状態。

 ポツンと1席だけ空いていた、カウンター席のまん中あたりに入れてもらって、燗酒と鯛カブト煮を注文したのでした。

 前々から何度か書いているとおり、食べる部位によって味わいや食感が、それぞれ異なるのがカブト煮のいいところ。

 あっちをつついては酒を飲み、こっちをつまんでは酒を飲み、としているうちに、鯛カブトの半分(半身)を食べたところで、大徳利(2合徳利)がちょうど1本空きました。

 「すみません。熱燗、おかわり!」

 大徳利(800円)をもう1本もらって、残る半分に取り組みます。

 となりにいた中年男女が席を立ち、入れ代るようにやってきたのは、今度は若い男女ふたり連れ。

 気がつきませんでしたが、入口の所には待ち行列ができていて、客が帰るごとに、それと同じ人数が店に入ってきている状態。いやあ、相変わらず人気店ですねえ。

 『大衆割烹』とうたったこのお店。品ぞろえ的には魚料理を中心とした『大衆食堂』って感じですが、その値段は大衆食堂よりは、ちと高い。だから大衆割烹なのかな。

 若い男女の、女性のほうは『カキフライ定食』(1,300円)と『サッポロ生ビール(中)』(600円)。男性のほうは『サバ味噌煮定食』(800円)と『日本酒1合』(400円)を注文します。

 なんと! 日本酒は1合でも注文できるんですね。

 とはいうものの、この鯛カブト煮には、大徳利2本ぐらいはないと、とても取り組めないよなあ。

 奮闘すること2時間弱。巨大な鯛カブト煮を完食し、大徳利2本(4合分)も完飲。

 やぁ、おいしかったなあ。

 お勘定は2,130円。うち75%(1,600円)が酒代、25%(530円)が肴代という、ちょっとアンバランスな結果に終わりました。

 いやあ、それにしても満腹すぎるほど満腹じゃ! どうもごちそうさま。

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「三州屋」 / お通しと燗酒 / 鯛カブト煮

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《平成25(2013)年10月26日(土)の記録》

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皮きりの角ハイボール … バー「ロックフィッシュ(ROCK FISH)」(銀座)

角ハイボール


 ックゥ~~ッ。角ハイボール(840円)がうまいっ!

 今日はなんと、ここ「ロックフィッシュ」の角ハイボールが、飲み始めの1杯です。

 この店ではダブル(60ml)のウイスキー(43度)を、瓶入りの炭酸(180ml)で割るから、できあがったハイボールのアルコール度数は11度ほど。

 ざっとビールの倍ぐらい、焼酎の半分ぐらいのアルコール度数なんですね。

 これくらいのアルコール度数が、どうやら我われ呑ん兵衛には美味しく感じられるようです。

 薄いのはダメだし、濃いのはグイグイとは飲めない。

 ビールは5度ぐらいの薄さながら、ホップの苦みが効いているから、もの足りなさを感じることがなくて、ゴクゴクゴクッと一気に飲める爽快感があるんでしょうね。

 『横須賀ホッピー』と呼ばれる、横須賀地区で出される強めのホッピーは、たとえば「中央酒場」の場合、140mlの焼酎(25度)を、350mlの瓶入りホッピーで割る。そうするとできあがったホッピーは7度強というアルコールの濃度です。

 ってことは、横須賀ホッピーよりも、「ロックフィッシュ」のハイボールのほうが、かなり(1.5倍ほど)強いってことなんですね。

 う~む。ものすごく飲みやすいので、そんなに濃いとは思わなかったのですが、これは気をつけて飲まないとなあ。

 昨夜(金曜日)は、だらだらと近づいてくる台風27号の雨の影響がでるかと思って、横浜の単身赴任社宅にとどまっていたのです。

 (夜中に通り過ぎて、土曜日は朝から台風一過のいい天気だろうから、土曜日になってから東京に移動しよう!)

 そんな目論見もくろみでいたのでした。

 ところが、台風のスピードは予想以上にだらだらで、実際に大雨が降り始めたのは、今日の未明。雨が完全に上がったのも昼過ぎと、予定はザックリと半日以上の遅れ。

 で、京浜急行から都営浅草線へと直通する電車で新橋まで出て、午後4時半ごろに、ここ「ロックフィッシュ」に到着したのでした。

 土曜日の「ロックフィッシュ」の営業時間は、午後3時から6時までの3時間と短い。狙いすましたように向かわないとダメなんですね。

 それでもカウンターがほぼいっぱいなのがすごいですよね。(奥のテーブル席は空いてます。)

 グイッと角ハイボールを飲み干して20分ほどの滞在。今日のお勘定は840円です。

 「これから繰り出しますか?」

 と店主の間口さん。

 「ええ、がんばってきます!」

 「いってらっしゃいませ(笑)」

 間口さんに見送られながら、夕闇せまる銀座の街へと繰り出したのでした。

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《平成25(2013)年10月26日(土)の記録》

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