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2014年2月

やっと入れてシメサバ … 大衆酒場「栄屋(さかえや)」(日ノ出町)

シメサバ


 最低でも週に1度は野毛のげで飲みたい。

 今日も仕事を終えて、トコトコと野毛に出てきたところ、なんと「武蔵屋」は臨時休業。

 道路の積雪こそないものの、この寒さだからなあ。

 よしっ。こういうときは、また「栄屋酒場」をのぞいてみよう。

 年末ごろから、「栄屋酒場」にはもう5~6回、行ってはいるのですが、いつも満席で入れない。

 今や、常連さんでも予約をしないと入れないぐらいの人気店になっているんだそうです。

 「栄屋酒場」へ向かう途中にある、「あさひや」は、すでに赤ちょうちんの灯が消えている。現在の時刻は午後8時。今日は早めに売り切れたんでしょうね。

 「武蔵屋」→「あさひや」と、野毛の誇る2軒の三杯屋さんばいやをハシゴする人も多いので、「武蔵屋」が臨時休業の今日は、早い時間から「あさひや」がにぎわったに違いありません。

 これまた人気の「第一亭」は、今日、火曜日が定休日。最近はお客さんが多くなってきて、そのための仕込みがたいへん。定休日にもゆっくり休んでられないことが多いんだそうです。

 さあ、「栄屋酒場」に到着。

 この店の入口引き戸は、すりガラスなんだけど、上部だけ、透明なガラスになっている。だから、のれんをかき分けて、その透明な部分から店内の様子をうかがうことができるんです。

 おぉ~っ、先客は2組(2テーブル)のみ。やっと入れるなあ。

 ガラリと入口引き戸を開けて、「こんばんは」と店内へ。

 一番奥、右手の、黒板メニュー前の席に座り、まずはのど潤しに小瓶のビール(400円)をもらうと、お通し(サービス)のイカの煮物と一緒に出されます。

 この黒板前の席は、他と同じく本来は4人用のテーブル席なんだけど、突き当りの壁に押し当てて配置されていて、奥には焼酎ボトルや、ポットなどの備品類も置かれているため、二人用のカウンター席のような感じです。

 黒板にびっしりと手書きされている今日のメニューは36品(数えました!)。

 このうち、魚介系のメニューが23品(全体の3分の2)、それ以外の野菜系や豆腐、フランクなどが13品(3分の1)という構成。(ちなみにクジラ刺身750円は、魚介類のほうに分類しています。)

 一番安いのは冷奴の100円。一番高いのがマグロ刺身の950円(壁に貼られている鍋物メニューは除く)。36品の平均値は540円。最頻値は350円なので、魚介系が中心の店としては安いですよね。

 でも実は、値段もさることながら、その量がすばらしいんですね。

 36品の中から、刺身類だけを抜き出すと、平均値も最頻値も700円。今日はまさにその平均&最頻価格のシメサバ(700円)を注文すると、出てきたシメサバは、どかんと20切れ!

 構成は背側10切れと、腹側10切れなのですが、これで3枚におろしたサバの半身1丁分。すごいでしょう!

 シメサバにはやっぱり日本酒ですね。

 壁の貼紙にある「地酒めぐり」は、No.1925まで進み、今回は「天狗舞てんぐまい 純米酒」(620円)。まずはこれをいただきましょう。

 「栄屋酒場」は、昭和23(1948)年に『市民酒場』として創業しました。

 現在の店主・三宅明治さんは、創業店主の次男。店はおにいさん(長男)が継ぐものと思って会社勤めをされていたんだそうです。

 ところが、そのおにいさんは「なまものはイヤだ」と、近くにスナックを始めて、独立してしまった。

 「親父の店をなんとかしなきゃ」ということで一念発起した明治さんは、ある日突然、15年間のサラリーマン生活を投げ打って、「栄屋酒場」を継ぐことに決めたのでした。

「そりゃあ、びっくりしたわよ。サラリーマンの奥さんだったら生活も安定してると思って、パパと結婚したのに、なんの相談もなく、ある日、急に会社を辞めてくるんだもの」

 と笑うのは、明治さんと二人三脚でこの店を切り盛りする京子さん。その日から急に、考えたこともなかった『女将さん』になってしまったんだそうです。

「女将さんらしいことなんて、なにもできないわよ! って抗議したんだけどね。パパが、『女将らしいことなんて、しなくていいよ』って言ってくれたんで、今もずっと自然体でやってるのよ(笑)」

 それもまた、「栄屋酒場」の味わいのひとつになってますよね。

 お二人が店の中でも、パパ、ママと呼び合うので、常連さんたちも店主のことを「パパさん」、女将さんのことを「ママさん」と呼んでます。

「よかったら、これ食べてみて」

 と出してくれたのは、大根の煮物と、小松菜のおひたし。ご自宅近くの畑でとれたものなんだそうです。

 平日(店の営業日)は、パパさんはこの店に寝泊まりしながら、朝早くから仕入れに行き、昼間は仕込みをして、営業時間を迎えます。

 ママさんは、ご自宅にいて、畑仕事などをしながら、営業時間が近くなるとお店に出勤してくる、という毎日なんだそうです。

 「天狗舞」に続いては、メニューには「二級酒」(340円)と書かれている日本酒を、燗でいただきます。この二級酒がほんわりと甘くて、魚介類にもよく合うんですよね。

「パパは昔から、よく人にだまされるタイプの人なのよ。でも本人はそんなこと少しも気にしていないみたいなのよねえ。それぐらい人がいいの」

 店の経営にも、その姿勢が表れてますよね。とにかくいつも一所懸命。もうけのことなんて考えてる気配もない。いや、もしかすると本当に考えてないのかもしれないなあ。

 だからこそ、何十年も通ってくる常連さんも多いし、若い人たちにも人気があるんでしょうね。

 その人気ゆえに、なかなか入れないことだけが残念なところです。

 もう1本、燗酒(340円)をもらって2時間弱の酒場浴。今日のお勘定は2,400円でした。どうもごちそうさま。

 さあて。せっかくの野毛だし、最後にもう1杯。「ホッピー仙人」のホッピー(500円)で〆て帰るとしましょうか。

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「栄屋酒場」 / お通しのイカと小瓶のビール / 今日のメニュー

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地酒めぐりは「天狗舞」 / 自家製の大根と小松菜 / あさり佃煮

店情報前回

《平成26(2014)年2月18日(火)の記録》

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筍の煮付けで春を知る … 「はまや食堂」(杉田)

筍の煮付け


 大雪は降り積もるは、外は凍えるほど寒いはということで、いつにもまして「はまや食堂」に行く頻度が上がっている今日このごろです。

 そんな「はまや食堂」の今日の煮付けは、なんとたけのこ

 あまりの寒さに、季節感がすっかり狂ってしまっていましたが、こよみの上では、すでに立春(2月4日)も過ぎ、『空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ』(Wikipediaより)とされる雨水うすい(2月19日)を迎えようとしています。

 年明けしばらくして、どこかの酒場で、ふきのとうの天ぷらを食べて、「新春だねえ」と思うことが多いのですが、今年はどういうわけだか、ふきのとうの天ぷらが出るようなお店に行っていない。

 遅ればせながら、今日の筍の煮付けに、新春の到来を感じたのでした。

 週の初めの月曜日なので、本当は休肝日にしようと思いながら「はまや食堂」にやってきたのですが、今日の煮付けの主食材が筍なのを見て、あっさりとチェンジマインド。

(大瓶のビール1本ぐらい、いいだろう。せっかくの筍なんだから…)

 ということで大瓶ビール(キリンラガー、480円)と、その筍の煮付けが副菜に付いた特別定食(980円)を、小ライス(20円引き)でもらうことにします。

 今日の特別定食の主菜は、サバの塩焼き。副菜は筍煮付け、ブロッコリー、小松菜おひたしの3品から2品を選ぶ仕組み。筍とブロッコリーを選択しました。

 ここで飲むときは、追加料金を払って、特別定食の副菜を3品すべてにしてもらう、『オール』というたのみかたをすることが多い。

 それを標準状態の2品に留めることによって、自分自身に対して『今日は大瓶ビール1本だけにするぞ!』という意志表示をしたつもりです。

 ん~。筍もいいけど、サバがこれまたおいしいですねえ。脂がとてもよくのっている。

 と、そこへ入ってこられたのは、この近所に住んでいるFacebook仲間のOさんです。Oさんもすぐ近くの席に座り、ハムエッグ(280円)をつまみに大徳利(500円)です。

(せっかくOさんも来られたから、小徳利を追加しようかな。焼きサバにも合いそうだ)

 飲み始めると止まらない。なにかと言い訳をこしらえて、もう1本、あと1本と追加してしまうのが、呑兵衛のんべえさがですねえ。

 Oさんとの話は弾むし、寒サバにはやっぱり燗酒が合う。

 最後に小ライスのセットで〆て、1時間40分ほどの酒場浴。今日のお勘定は1,720円でした。

 どうもごちそうさま。Oさん、お先に!

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お通し(枝豆)と大瓶ビール / ブロッコリー / 鯖塩焼き

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美酒「爛漫」(小) / 特別定食の小ライスセット

店情報前回

《平成26(2014)年2月17日(月)の記録》

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鯛のカブトを酒蒸しで … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

たいかぶと酒蒸し


「浜田さんは、たいカブト酒蒸し(600円)を注文されるんじゃないかと思ってますが」

 カウンター上のネタケースを見ながら、今日のさかなを選んでいるところへ、りえちゃん(手伝いの女性)から、そう声がかかります。

 するどいっ!

 まさにそのとおりで、先ほどからネタケースの中央部にデンと置かれている、大きな鯛のカブトに、心を引かれていたところでした。

「当たりです(笑)。その鯛カブトをお願いします」

 さっそく鯛カブト酒蒸しを注文します。

 首都圏で刺身といえばマグロですが、西日本エリアでは刺身といえば圧倒的に鯛。

 鯛は、私の故郷・愛媛県をはじめとする、瀬戸内海各地の名産品で、刺身はもちろん、焼き魚や煮魚にしたり、うしお汁(吸い物)にしたり、さらには郷土料理の鯛めしや、鯛そうめんで楽しんだりと、いろんな場面で登場する魚なのです。

 鯛カブトは、酒蒸しにしても、煮付け(カブト煮)にしてもおいしいのですが、ここ「竹よし」では、野菜などと一緒に酒蒸しにして出してくれます。

 これをポン酢醤油でいただくんですね。

 鯛カブトの何が好きかっていうと、そのそれぞれの部分で、味も食感も異なっていること。

 目玉のまわりのチュルンと軟らかい部分。ホッペタのしっかりとした肉。カマの部分の脂がのった身。1つの料理なのに、楽しみがとっても多いのです。

 ん~。お酒お酒。

 鯛カブトには、やっぱり「菊正宗」の燗酒(350円)ですね。

 今日は、すぐ近くにある、やきとん「弐ノ十」で飲んだあと、サクサクと雪を踏みしめながら、2軒めとして、ここ「竹よし」にやってきました。

 こんな大雪のあとでも、「竹よし」のカウンター席には先客が4人。

 そのカウンター席の一角に入れてもらって、まずは新潟出身のりえちゃんの経緯を表して、新潟は緑川酒造の雪洞貯蔵酒「緑」(純米吟醸、600円)からスタート。

 この「緑」をチビチビとやりながら、鯛カブト酒蒸しのできあがりを待ち、鯛カブトがでてきたところで、「菊正宗」に切り替えたのでした。

 ここ「竹よし」の情報は、「竹よし」のスタッフのひとりである、ちくちゃんが「竹よし便り。」というブログで、こまめに紹介してくれています。

 曜日替わりで店主を手伝う女性スタッフの存在も、「竹よし」の人気の理由の、大きな要素。

 現在は、火曜:さとちゃん、水曜:店主のみ、木曜:なおちゃん、金曜:ちくちゃん、土曜:りえちゃん、日曜は週替わりで、月曜は定休日という、4人の女性陣が店主を手伝ってくれているのです。

 もう1本、「菊正宗」燗酒(350円)をもらって、2時間半ほどの酒場浴。今日のお勘定は1,900円でした。どうもごちそうさま。

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雪の「竹よし」 / 雪洞貯蔵酒「緑」純米吟醸 / 「菊正宗」上撰

店情報前回

《平成26(2014)年2月15日(土)の記録》

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冬だけの定番、煮大根 … やきとん「弐ノ十(にのじゅう)」(都立家政)

煮大根と黒ホッピー


 先週に続いて、この週末も首都圏は雪。

 しかも、天気予報では先週よりも軽い予定だったのに、昨日(金曜日)の時点で、すでに先週よりもたくさん、ずっしりと積もっています。

 先週は、単身赴任社宅に閉じ込められて動きが取れなかったので、今週は赤羽・十条方面か、東京下町方面に出かけようと思っていたのですが、予想外の大雪に交通も乱れているので断念。自宅近くの、歩いてでも帰れる場所で飲むことにします。

 昨年(2013年)のはじめ、2度目となる横浜勤務になって以来、横浜・横須賀方面の酒場に力を入れている影響で、来れる頻度がぐんと落ちているのが自宅近くの酒場なのです。

 『いつでも来れるから』という安心感がありすぎて、逆にあまり来れない結果になってしまってるんですね。いかん、いかん。

 西武新宿線であれば、野方のがた都立家政とりつかせい鷺ノ宮さぎのみや、そしてかろうじて下井草しもいぐさあたりが、わが家から徒歩で飲み歩ける圏内。

 今日は、都立家政駅で下車して、まず向かったのは、やきとん「弐ノ十」です。

 野方の名店「秋元屋」で修業をつんだアキさん(女性)が独立し、平成22(2010)年7月に開業。現在4年めの若いお店ながら、他の秋元系のお店と同様に、すでに地元の人気店になっています。

 午後5時過ぎの店内は、こんな雪の日にもかかわらず、L字カウンターの手前側に先客がひとり。私もカウンターの奥のほうに陣取って、まずは黒ホッピー(380円)をもらいます。

 すると、すぐあとから、ひとり、またひとり、さらには男女二人連れが二組と入ってきて、店内は一気ににぎわいを増していきます。さすがですねえ。(このあと、5時半ごろには満席になりました!)

 つまみのほうは、ホワイトボードに書かれている季節メニューの煮大根(200円)をもらいます。

 これは、もつ煮込みの鍋の中で、大根をじっくりと煮込んだもの。

 ブリと一緒に煮込んだのがブリ大根。イカと一緒に煮込むとイカ大根ということから言うと、豚モツと一緒に煮込んだこの大根は、『モツ大根』といってもいいかもしれませんね。

 よ~く煮込まれて、飴色あめいろに透き通った熱々の大根。見るからにうまそうではありませんか。

 ブリ大根が、ブリよりもブリらしい味わいだったり、イカ大根が、イカよりもイカらしい味わいだったりするのと同じように、この煮大根は、モツよりもモツらしい風味が、口の中いっぱいに広がります。

 この店の冬場の定番であるとともに、もつ好きにはたまらない逸品ですね。

 ナカ(ホッピーの焼酎おかわり、250円)をもらって、焼き物はレバ味噌(100円)とアブラ味噌(100円)を注文。

 味噌ダレのやきとんは、秋元系のお店では必食です。

 レバ味噌もさることながら、アブラ味噌がいいですねえ!

 これまでは、レバ、カシラ、ハラミ、チレ、テッポウなどを味噌でもらって、シロやアブラなどはタレで注文することが多かったのです。

 今日は、ホワイトボードに、あえてアブラ味噌と、味付けも含めて書かれているのを見て、そのままアブラ味噌を注文してみたのでした。アブラと味噌ダレの相性、いいです。

 さらにナカ(250円)をおかわりして、これで黒ホッピーはソト1・ナカ3。

 つまみには、これまたホワイトボードメニューから、カシラチーズ(100円)を注文。

 これはアキさん(=女将)たちが、まかないの、おやつ用として食べていたのが正式メニューになったものなんだそうです。

 塩コショウをしたカシラを焼いて、最後に粉チーズを振りかけて、さらに焼いて仕上げた一品は、つまみとしても、とてもいい。おもしろいねえ。

 最後はテッポウ正油(100円)で締めて、1時間ちょっとの酒場浴。今日のお勘定は1,580円でした。どうもごちそうさま。

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やきとん「弐ノ十」 / 煮大根 / ればみそ

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あぶらみそ / かしらチーズ / てっぽう正油

店情報前回

《平成26(2014)年2月15日(土)の記録》

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特別定食は豚鍋ライス … 「はまや食堂」(杉田)

豚鍋(とんなべ)


 今日の特別定食(980円)の主菜は豚鍋とんなべ

 いつもは主菜1品に、副菜は3品から2品を選ぶのが特別定食ですが、今日のように、鍋物などが主菜になる場合は、構成がちょっと変わります。

 今日は、「小松菜おひたし」または「じゃが煮付け」と、「大根おろし」または「お味噌汁」という二つの選択肢があって、それに小ライスが付きます。

 だから、注文の仕方も、いつもとちょっと違う。

「特別定食を、小松菜と大根おろしで。ごはんは後からお願いします」

 お通し(サービス)の枝豆で、大瓶ビール(キリンラガー、480円)を飲んでいるところへ、まずは小松菜おひたし(単品200円)と、大根おろし(単品100円)が出てきます。

 じゃが煮付け(単品200円)にも引かれるものはあったのですが、あとで熱々の豚鍋が出てくるので、副菜は冷たいものを選んだのでした。

 2品の副菜で、大瓶ビールを飲み終えるちょうどそのころ、固形燃料の卓上コンロとともに出てきたのが豚鍋です。

「できあがってますので、そのままお召し上がりください」

 と女将さん。ここの鍋物は、奥の厨房で仕上げてから、卓上コンロと一緒に出してくれるのです。つまり、卓上コンロは加熱用というよりも、保温用なんですね。

 その豚鍋。その名のとおり、主役は豚肉なんですが、白菜や玉ネギ、白ネギ、ニンジン、春菊などの野菜に、豆腐や蒲鉾かまぼこも入り、仕上げに生卵が落とされています。

 味付けは、関東の定番である、醤油、みりん、砂糖の甘辛い割り下。

 秋田の地酒、美酒「爛漫らんまん」の大徳利(500円)を燗酒でいただいて、豚鍋をつまみに燗酒をちびり、ちびり。

 ポイントは、仕上げに入れた生卵を、どの時点で食べるか、ってところにあります。

 私はいつも、この生卵をまっ先に小鉢に取る。それをプツンとつぶして、煮汁をレンゲで2~3杯かけ、それをからめるようにしながら、各具材をいただくのです。

 豚鍋は、この店の冬場の定番メニュー。単品なら680円、小ライスが付いた定食は830円で、いつでも食べることができます。

 常連さんの中に、この豚鍋をこよなく愛している人がいるんです。

 この人はいつも、豚鍋定食をライス大(プラス70円)で注文する。

 取り皿(小鉢)を使わずに食べるのが、この人の食べ方の最大の特徴です。

 ドン! と大盛りに盛られたごはんのてっぺんに、ちょっとくぼみを作り、まずそこに、周辺の白身がフツブツとかたまりかけた生卵を置いて、黄身をつぶして熱々ごはんの中に浸透させます。

 しかるのちに、豆腐や玉ネギなどの具材を鍋から取っては、ごはんの上にのせて、ワッシワッシと口に運ぶ。

 最初はごはんが盛り上がっているので、あまり具材はのせられないのですが、食べ進むにつれて、ごはんの上部に余裕ができてきて、のっける具材の量が増えていくのが面白い。

 豚肉をごはんにのっけて食べ、豆腐をどんとのせて食べ、そして玉ネギをたっぷりとのせて、グイグイと食べる。

 言ってみれば「豚鍋丼」みたいなものですね。

 最後のほうになると、鍋の煮汁もごはんにかけて、簡易おじやのようにしてシャブシャブとかっこんでいる。

 大盛りのごはんでも足りないぐらいの食べっぷりです。

 これが、なんだかとてもとっても美味しそうに見えるんですね。

 私自身は、そんなにたくさんは食べられないので、ほとんどの具材は燗酒のつまみとしていただいて、最後にちょっと残しておいた具材と、鍋の煮汁を、小ライスにのっけたり、かけたりしていただきます。

 ん~ん、うまいっ。

 鍋の煮汁まですべてを完食して1時間半ほどの酒場浴さかばよく。今日のお勘定は1,960円でした。どうもごちそうさま。満腹じゃ!

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大根おろし、小松菜おひたし / 大徳利(燗) / 小ライスセット

店情報前回

《平成26(2014)年2月14日(金)の記録》

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牛肉と玉子のうま煮飯 … 広東料理「楽園(らくえん)」(石川町)ほか

牛肉と玉子のうま煮ごはん


 今宵の晩酌は横浜中華街の「楽園」です。

 注文したのはビール(アサヒスーパードライ中瓶、520円)と、牛肉と玉子のうま煮ごはん(780円)。

 まだ木曜日なので、軽く飲んで帰ろうという考えで、つまみつまみした料理は注文せず、いきなり食事ものにしたのでした。

 牛肉と玉子のうま煮ごはんは、この店の名物料理のひとつ。

 丸皿に盛った白いごはんの上に、牛肉を、ふんわりと玉子でとじたあんがのっています。

 中華風の他人丼といったところですが、牛肉がすごく大きいぞ!

 奥の丸テーブルでは、6人ぐらいのグループが、どんどん料理を追加しながら酒盛りを楽しんでいます。

 その手前の長方形テーブル(6人掛け)には3人連れ。

 この店は料理の出が速いので、1~2品ずつ、好きなものをもらいながら飲む人が多いようです。

 メニューには、数人のグループ用のコース料理も2名用から、8名用ぐらいまで、何種類か並んでますので、慣れないうちは、そちらを注文するのもいいかもしれません。

 すぐ右のテーブルには、私と同じく男性ひとり客。

 この人は、この店の人気料理・巻揚まきあげのハーフサイズをもらって、ビールを飲んでいます。

 何品かの料理は、ハーフサイズで注文可能というのは、ひとりのときにはうれしいところ。(メニューには、どれがハーフサイズ可能かは書かれていないので、おかあさんに確認してください。)

 さて、牛肉と玉子のうま煮ごはん。お皿が大きいこともあって、それほどのボリュームには見えなかったのですが、実際に食べてみると、これがけっこう量が多い。しっかりと満腹になってしまいました。

 お勘定は1,300円。

「どうもごちそうさま」

 とレジのおかあさんにあいさつして、石川町駅に向かうものの、中瓶1本のビールでは、ほろ酔いにもなっていなくて、単なる呼び水。

(よしっ! 野毛のげに向かおう!)

 ということで、単身赴任社宅があるのとは逆方向の、上りの電車に乗り込みます。

 中華街のある石川町駅から、野毛の最寄り駅である桜木町駅までは2駅3分。あっという間に到着します。

 まっすぐに都橋みやこばし商店街に向かい、入ったのは「野毛ハイボール」です。

 いやあ。このところ、何度のぞいても満席で、入ることができなかった「野毛ハイボール」。やっと入ることができました。

 ここでは、なんといっても、氷なしの神戸風ハイボール(700円)ですね。

 銀座「ロックフィッシュ」の常連さんでもあった、店主・ハルさんが作るハイボールは、「ロックフィッシュ」と同じように、ウイスキーが濃くて、うまいっ!

 とても残念なのは、左どなりに座っている3人連れが、3人の世界を作ってしまっていて、私の側にも、背中でグイグイと押し込んできていること。

 バーなどのカウンターでは、正面に向かって座るのが基本です。

 ところが最近は、3~4人ぐらいでやってきて、両側の人が完全に内側(自分たちの連れの側)を向いて、自分たちだけの結界を作ってしまうことが多い。

 それだけであれば、大きな問題はないのですが、両側で内側に向かって座った人が、自分の背後(=となりの席)に座る客のことをまったく考えず、笑ったりするたびに、こちらに向かってのけぞったり、なぜかこちらに向かってどんどん広がってきたりするのが困るんですよねえ。

 10人も入ればもう満席となる「野毛ハイボール」の店内。私自身も、他のお客さんに迷惑をかけないようにしなきゃなあ、と改めて考えたような次第です。

 そんなわけで、いつもは2杯ぐらいいただくところを、今日は1杯だけで「野毛ハイボール」を早々に退散。お勘定は700円でした。

 しかしこうなると、ますます飲み足りないし、「ホッピー仙人」は臨時休業中。これは困ったなあ。

 「栄屋酒場」はどうだろう?

 大岡川沿いを、トコトコと「栄屋酒場」に向かってみると、午後9時半ながら、すでに暖簾のれんが店内に入っていて、店内に残っているお客さんだけでの営業中。

 う~む。この店も、「野毛ハイボール」同様、何度も何度も来てるのに、いつも満席で入れないんですよねえ。今や野毛界隈でもトップクラスの人気店の1軒です。

 ちょっと戻って「第一亭」をのぞいてみると、ラッキーにもカウンター席に空きがありました。

 さっそく紹興酒(650円)をもらって、つまみには豚足(400円)を選択。

 そう、豚足とんそく

 先日(2014年2月9日)、テレビ東京の「日曜ビッグバラエティ 人情屋台冬物語」という番組で、「一二三」をはじめとする呉の屋台9軒が紹介されたのです。

 呉の老舗屋台といえば、おでん、ラーメン、豚足の3つが定番。

 この豚足を、鉄板の上で焼いて出してくれるのが呉流です。呉にいるときは、よくこの豚足を食べていたことを思いだしたのでした。

 横浜では、横浜駅近くの「豚の味珍」の豚足が有名で、私も何度かいただいています。

 ここ「第一亭」にも豚足があるのですが、いつも豚胃(チート)や豚腸(ホルモン)ばかりいただいていて、豚足を注文するのは、これが初めてだと思います。

 すぐに出された冷製の豚足は、ニンニク味噌をつけていただくタイプ。

 おぉ~っ! なるほど。これもうまいぞ!

 両手でがっしりと豚足を握って、骨までしゃぶるようにいただくのがいいですね。

 1時間ほどくつろいで、今日のお勘定は1,050円でした。どうもごちそうさま。

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「楽園」 / 関帝廟 / 「野毛ハイボール」

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「第一亭」 / 紹興酒 / 豚足

・「楽園」の店情報前回) / 「野毛ハイボール」の店情報前回) / 「第一亭」の店情報前回

《平成26(2014)年2月13日(木)の記録》

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大瓶1本、お酒も1本 … 「はまや食堂」(杉田)

豚ロースとんかつ


 会社からの帰り道、いつものように「はまや食堂」で『大衆食堂のフルコース』。

 これは、日替わりの特別定食(980円)の、ライスセット(ごはん、みそ汁、漬物)だけ後から出してもらって、順次出されるおかずで晩酌を楽しもう、というもの。

 今日も大瓶のビール(キリンラガー、枝豆付きで480円)をもらっておいて、

「特別定食をオールで。ごはんは小で、あとからお願いします」

 いつもの注文を、まるで呪文のように唱えます。

 今日の特別定食は、主菜が豚ロースのとんかつ。

 副菜は、しらすおろし(単品なら180円)、ほうれん草おひたし(同200円)、ごぼうピリ辛煮付(同200円)の3品から、好みの2品が選べる仕組み。

 これを「2品じゃなくて、3品すべてちょうだい」というのが『オール』です。

 オールの場合は、単品価格がいちばん安いもの、今日の場合だと、しらすおろしの180円が、特別定食の値段に追加されます。

 呑兵衛のんべえ共通の好みは、「少量のおかずを数多く」。その点でも、ここの特別定食は理にかなっています。

 この店は、基本的に大衆食堂で、ひとり客が多いということもあって、あまり客同士で会話したりすることはありません。

 ご夫婦と思しき店主二人も、ご主人は厨房での調理に専念しているし、女将さんは一所懸命その手伝いや接客などをされているしということで、店内はとても静か。

 入口近くに置かれているテレビの音も、それほど大きくないボリュームなんだけど、よく聞こえます。

 店内は禁煙なので、空気もきれいで居心地がいい。

 半分以上の客は、ビールやお酒を飲んでるんだけど、酔っぱらって、どうしようもない状態の人は見たことがありません。

 枝豆をつまみながらビールを飲んでいるところへ、3品の副菜がいっぺんに出てきました。

 日替わりの煮物(今日はごぼうのピリ辛煮付け)は、温めなおして熱々の状態で出してくれます。具だくさんで、まるでおでんのような感じなのがうれしいですね。でも、冷めてもおいしくいただけます。

 大瓶のビールが、残り半分ぐらいになったところで、とんかつの登場です。

 とんかつは、とにかくできたて熱々の状態がもっともおいしいので、副菜3品は横に置いておいて、大急ぎでとんかつに取り組みます。

 あれっ? そういえば昨日もとんかつを食べたなあ。二日連続だけど、好物なので大丈夫。むしろうれしいぐらいです。

 この店では、毎日ある定番のメニューとしても、とんかつライスセット(780円)があるので、とんかつはいつでも注文可能です。(これに200円程度の副菜2品が加わって980円なんだから、特別定食のお得さがわかりますね!)

 とんかつを食べ終わるとともに、大瓶のビールも飲み終わり、日本酒(美酒「爛漫らんまん」)の小(280円)を、燗酒かんざけでいただきます。

 残しておいた副菜3品をつまみに、燗酒をちびりちびり。

 とんかつ1枚をたいらげた後なので、空腹も少し満たされていて、まさに至福の時間です。

 軽い晩酌で飲むときには、大瓶のビール1本と、日本酒を1本ぐらいという量がちょうどいい。日本酒はその日その日の「飲みたい度合い」によって、小徳利(280円)でもらったり、大徳利(500円)でもらったり。

 このくらいで切り上げると、ちょうどほろ酔い。明日にも残らず、気持ちよく過ごすことができます。

 お酒も副菜も終えたところで、小ライスセット(通常の20円引き)を出してもらって、シメとします。(特別定食についてくる小皿のフルーツ。今日はイチゴでした!)

 1時間半ほどの『大衆食堂のフルコース』。お勘定は1,900円でした。どうもごちそうさま。

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ごぼうピリ辛煮付 / しらすおろし / ほうれん草おひたし

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お通し(枝豆)と大瓶ビール / 美酒「爛漫」(小) / 小ライスセット

店情報前回

《平成26(2014)年2月12日(水)の記録》

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名物店主の料理が美味 … 立ち呑み処「みつるちゃん」(蒲田)

仙人&みつるちゃん


 蒲田には本当に立ち飲み屋が多い。特にバーボンロードは、そこここに立ち飲み屋が並んでいて、すばらしいですねえ。

 そんなわけで、蒲田での3軒めも立ち飲み屋、「みつるちゃん」です。

 北海道出身、昭和56(1981)年生まれの店主・石田満(いしだ・みつる)さんが一人で切り盛りしている店だから、店名が「みつるちゃん」。

 先ほどの「豚番長」と同じく、ここも平成21(2009)年の創業。今年の9月で、創業5年を迎えます。

 もともとは大阪風の串カツ(1本100円)が目玉のお店だったようですが、今は串カツもあるけど、店主のオリジナル料理が人気の立ち飲み屋のようです。

 さっそく、一番人気という生ジンジャーサワー(350円)をもらって、8人で乾杯し、本日の四次会のスタートです。

「厚揚げをお願いします!」

 と、おすすめの料理を注文してくれる仙人(=「ホッピー仙人」の店主)。

 ここの「厚揚げ一丁」(300円)は、丸ごと1丁の豆腐を、注文を受けてから油で揚げて、厚揚げにしてくれるのです。それだけでもおいしそうなのに、そのできたて熱々の厚揚げを切り分けて、お出汁だしでさっと煮てから出してくれるんですねえ。これはいいつまみだ。

 ポテトサラダ(300円)や、マカロニサラダ(300円)、ハムカツ(300円)といった定番メニューの他、ホワイトボードにも日替わりのメニューが手書きされています。

 にしん入の漬物(350円)、鮭ハラスの照焼(500円)、〆さば(350円)、数の子ワサビ(350円)、チーズ丸々フライ(400円)などが、今日の手書きメニュー。

 いずれも、いいつまみになりそうじゃありませんか。

 チーズ丸々フライなんて、名前からして引かれますよねえ。

 でも、酔っぱらいの我われは、メニューなんてほとんど見ていない。カウンター上に置かれている千住ネギを見て、「これが食べたい」と勝手な注文。

 「はいはい」と、にっこり笑顔で注文を受けてくれた店主は、千住ネギの白い部分を、5センチぐらい長さに切り分けて、こんがりと焦げるまで焼いて出してくれます。

「いちばん外側の、焦げている部分だけをがして食べてください」

 ガァーッと焼き焦がしただけのように見えるネギは、ひと皮とると、中は真っ白。シャッキリ、トロリとした食感と、口の中に広がるネギの甘みがいい。

 この店主、お若いのに料理が上手なんですね!

「蒲田ダックも美味しいんですよ。これ食べてみてください」

 入り口側で飲んでいる常連さんが、自分が注文した蒲田ダックを、我われにも食べさせてくれました。

 これがまた、メニューには載っていない、知る人ぞ知るという一品。独特のタレで味付けをした、焼き鳥というところです。

「いやいや。これをみんなでいただいちゃうわけにはいきません。こちらにも、その蒲田ダックをひとつ、お願いします」

 すぐさま注文してくれるチャコちゃん。そうだよねえ。我われは8人もいるので、ちょっとずつもらっても、すぐに1人前ぐらいはなくなってしまいそう。それじゃ、あまりに悪いですもんね。さすがです。

 この常連さん。職場は上野で、ご自宅は大崎あたりなのに、わざわざ蒲田のこの店まで飲みに来ることが多いんだそうです。

 1時間半ほど楽しんで、お勘定はひとり600円ずつ。

 今日は川崎、蒲田を4軒まわって、総支払額は、ひとり4,100円ずつ。1軒当たり平均1,025円という驚異的なハシゴ酒となったのでした。

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厚揚げ一丁 / 焼きネギ / 蒲田ダック

店情報

《平成26(2014)年2月11日(火)の記録》

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店情報: 立ち呑み処「みつるちゃん」(蒲田)

  • 店名: 立ち呑み処 みつるちゃん
  • 電話: 03-6913-6127
  • 住所: 144-0051 東京都大田区西蒲田7-64-8
  • 営業: 11:30-24:00、日休
  • 場所: JR蒲田駅西口、東急多摩川線・池上線の蒲田駅を出て、ロータリーの左手、三井住友銀行の先を東急線に沿って(通称バーボンロード)、徒歩3分。右側2ブロックめの真ん中あたり。
  • メモ: 〔定番飲み物〕サワー類(生ジンジャーサワー、元気サワー、梅サワー、緑茶ハイ、ウーロンハイ、角ハイボール、腰砕けハイボール)グラス350・大ジョッキ450・ピッチャー(6杯分)1,800、ホッピー(白・黒)セット400・そと300・なかみ200、焼酎ボトル1,200、ビール(アサヒ)ジョッキ400・大ジョッキ500・ピッチャー2,200、瓶ビール(サッポロ赤星・黒ラベル)550、日本酒400~、熱燗ロング600、バカッピー(ラム+白ホッピー)500、ビートブラック(ウイスキー+黒ホッピー)500、ソフトドリンク(ガラナ、コーラ、ジンジャーエール、ウーロン茶、お茶)300。
    〔定番食べ物〕冷奴250、漬物250、ポテトサラダ300、マカロニサラダ300、厚揚げ一丁300、ハムカツ300、ザンギ400、竹田の塩辛300。
    〔ホワイトボードの飲み物〕千歳鶴400、千歳鶴辛口(+15)450、北の誉400、男山400、国稀(くにまれ)400、男山(純米)500、国稀(純米)500、にごり親玉400。
    〔ホワイトボードの食べ物〕参号艇のつくね1本100、たらこ600、筋子600、切干大根とたらこ和え300、にしん入の漬物350、鮭の粕漬500、鮭の西京漬500、鮭ハラスの照焼500、〆さば350、竹田の沖漬400、布田の塩辛300、マグロカルパ500、数の子ワサビ350、ベビ帆マリネ400、鮭フライ300、イカリング400、チーズ丸々フライ400、串カツ3本(バラ肉、しいたけ、れんこん)300、串カツ5本(3本+牛肉、うずら)500、れんこんフライ300、フライ盛500、デラックス盛700。(2014年2月調べ)

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創業5年となる人気店 … やきとん「豚番長(ぶたばんちょう)」(蒲田)

黒ホッピーと梅水晶


 立呑処「勘蔵」を出た我われ8人は、蒲田駅のすぐ近く、東急線にそって伸びるバーボンロードにやって来ました。

 この通りには、たくさんの飲み屋が並んでいるので、バーボンロードと呼ばれるようになったんだそうです。

 そのバーボンロードでまず向かったのは、チャコちゃん一押しの「紋之丞」という立ち飲み屋ですが、まだ午後7時半過ぎなのに、すでに閉店に向けて店内の片付けをしているところ。

「祝日だから、開いてないかもしれないと思って『勘蔵』を先にしたんだけど、順番を逆にしたほうがよかったですねえ」

 と残念そうなチャコちゃん。老店主ひとりで切り盛りしている店なので、閉店も早いんだそうです。

 でも、ここバーボンロードには、他のおすすめ店もたくさんあるとのころで、さっそく次なる店を目指します。その途中、急にピタッと立ち止まる仙人とチャコちゃん。

「あっ。『豚番長』が空いてる。こんなことは珍しいから入りましょう」

 急きょ予定を変更して飛び込んだのは、立ち飲みのやきとん店、「豚番長」です。

 平成21(2009)年創業。今年の夏で5年となる若い店ながら、いつも満員状態が続く人気店なんだそうです。

 今日は祝日だから、たまたま空いてたんでしょうね。

 ここはそれぞれ好きなものを注文しようということで、私は黒ホッピーセット(380円)と梅水晶うめすいしょう(250円)をもらいます。

 梅水晶というのはサメ軟骨の梅肉和え。コリコリとした軟骨の食感と、さわやかな酸っぱさが、いいつまみになります。白ホッピーのほうがよく合ったかな。

 やきとん(豚のもつ焼き)は1本がそれぞれ100円、焼き鳥(鶏系の串焼き)はそれぞれ120円、野菜焼きはそれぞれ130円、つくねは150円というラインナップ。

 他にも、揚げ物や、豚もつの刺身、一品料理、さらには〆の食事ものまでそろっています。

 アンクルトリスの爪楊枝入れがいいですね。

 1時間弱の立ち飲みは、ひとり500円ずつでした。

店情報

《平成26(2014)年2月11日(火)の記録》

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店情報: やきとん「豚番長(ぶたばんちょう)」(蒲田)

    やきとん「豚番長」
  • 店名: 立ち飲み やきとん 豚番長
  • 電話: 03-3739-7058
  • 住所: 144-0051 東京都大田区西蒲田7-63-6
  • 営業: 17:00-24:00(土日祝は12:00- )、不定休
  • 場所: JR蒲田駅西口、東急多摩川線・池上線の蒲田駅を出て、ロータリーの左手、三井住友銀行の先を東急線に沿って(通称バーボンロード)、徒歩3分。2つめの角、右手向こう側。
  • メモ: 公式サイトあり。
    〔やきとん(特記以外100)〕レバー、タン、かしら、チレ、しろ、バラ、おっぱい、ハツ、テッポー、なんこつ、コブクロ、あぶら、ハラミ、ガツ、豚玉、つくね150。 〔やきとり(全品100)〕正肉、かわ、ネギ間、ささみ、うずら。 〔やさい(全品130)〕ししとう、しいたけ、ネギ、トマト、ピーマン。 〔その他串〕スパム串150、豚バラ梅じそ肉巻200、トマトチーズの肉巻220、ピーマンチーズの肉巻250。 〔揚〕とりから130、串カツ130、レバカツ130、うずらカツ150、紅しょうがフライ150、アジフライ150、イカフライ150、魚肉ソーセージ150。 〔刺〕レバ刺200、ガツ刺200、コブクロ刺200、ガツの辛酢みそ300。 〔一品〕かっぱ90、梅水晶250、千キャベツ180、ニラもやし200、ポーク玉子350、玉子マカロニサラダ280、コブクロバター炒め300、きゅうりの番長漬け300、レバチレニラ炒め300。 〔ごはんもの〕おにぎり180、スパムチャーハン580、やきそば480。
    〔ハイボール〕トリスハイ310、角ハイ350、番長ハイ(ジンジャーハイ)380、黒豚ハイ(コークハイ)380、赤豚ハイ(ピリ辛党のあなたに)380、スケ番ハイ(マブイスケなら)380、バーボンハイ(ジムビーム)400。 〔ホッピー〕ホッピーセット(白・黒)380、中焼酎(キッコー宮)200、外280、三冷ホッピー・シャリ金ホッピーもあり。 〔ビール〕生ビール(サントリープレミアムモルツ)450、瓶ビール(アサヒスーパードライ)500。 〔わりもの系〕お茶わり350、ウーロンハイ350、チューハイ350、レモンサワー350、ライムサワー350、グレープフルーツサワー350、ジャスミンハイ380、トマトハイ380、シークワーサーサワー380、巨峰サワー380、豆乳ハイ380、カルピスサワー380、抹茶ハイ380、梅干しサワー420、グァバハイ420、カルピス豆乳ハイ420。 〔焼酎〕キッコー宮(甲類)350、薩摩白波(芋)380、二階堂(麦)380、残波(泡盛)480。 〔日本酒〕杜氏のこころ320、一ノ蔵480。〔ワイン〕カルロロッシ(赤・白)380。〔カクテル〕各種500。〔ソフトドリンク〕各種300。(2014年2月調べ)

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レッツゴー、全部のせ … 立呑処「勘蔵(かんぞう)」(蓮沼)

全部のせ


 「倉形屋酒店」を出て、再び京急大師線・小島新田こじましんでん駅から電車に乗り込んだ、「ホッピー仙人」一行8名は、蒲田かまたを目指します。

「蒲田には『勘蔵』という面白い立ち飲み屋さんがあるんですよ。ここも以前、『出没!アド街ック天国』で紹介されたのを見て出かけたお店なんです。立ち飲みの店内で流しそうめんとかするんですよ!」

 と言いながら、お店に8人ほどで伺うことを電話してくれるチャコちゃん。

 店内はギュッと詰めても10人ほどのキャパシティの人気店なので、我われ8人が入れるかどうかというところです。

 京急蒲田駅から、JR蒲田駅までは歩いて10分ほど。そのJR蒲田駅を反対側に抜けて、さらに歩くこと10分ほどのところに、目指す立ち飲み屋、「勘蔵」はありました。

 祝日ということもあってか、午後6時半の店内には先客が4人。この4人が立ち飲みカウンターの両側に詰めてくれて、その間に8人で入れてもらうことができました。

 立ち飲みカウンターは、L字の角のところを斜めに落とした形。店自体が交差点の角地に建っているので、建物自体も交差点側の角を斜めに落として、そこが入口になっています。

 この店に何度も来ているという仙人やチャコちゃんに注文をお任せすると、飲みものはジャワティハイ(250円)を、つまみは「全部のせ」(200円)をたのんでくれました。

 「全部のせ」というのは、1品50円のつまみ4種(ゆで玉子、チーズ2枚、リッツクラッカー4枚、メンタイマヨ)を全部、1つのお皿にのせて出してくれる、豪勢な料理。50円のつまみの「大人買い」ですね! でも200円だ。

 食べるときも豪勢に、リッツクラッカーの上にチーズをのせて、その上にゆで玉子(うすくスライスされています)をのせて、そしてその上にメンタイマヨをスプーンでのせて、4品を一気に口の中へと投入。

 いろんな味が合わさって、ぜいたくじゃのぉ、うまいのぉ。

 他のつまみも、品数こそ多くないものの、100円、150円のものがほとんど。これは安いぞ。

 本来はキャッシュ・オン・デリバリで、そのつど支払うそうなんですが、今日は団体さんなので、あとでまとめて支払うようです。

 店は店主と、それを手伝う女性スタッフの二人で切り盛りされていて、とにかく店主が明るくて、ホスピタリティにあふれています。

「よ~し。大勢で来てくれたから、玉子焼きいこう! レッツゴー!」

 と大きなボウルにいっぱいの玉子を溶いて、できたて熱々の出汁巻き玉子を出してくれます。

 1杯めのジャワティハイを飲み終えて、2杯めにもらったのは、店の常連さんたちから「ゆうこりん」と呼ばれている、シークヮーサー・レモンハイ(250円)。シークヮーサーも、レモンもという欲ばりっぷりがいいですね。

 チャコちゃんが見たことがあるという流しそうめんは、この店のイベントとして行ったもので、年に何度かやっているんだそうです。

 他にも、正月の樽酒とか(正月も含めて年中無休です!)、店内での花見といったようなイベントが、随時、行われているんだそうです。知らずに、たまたまそのイベント当日に店に入ると、そのままイベントに参加することができるそうですよ。

 出汁巻き玉子を出してくれたあとも、店主が厨房でなにやら忙しそうに調理をしていると思っていたら、にぎりたての塩おにぎりと豚汁を、みんなに出してくれました。

 もともと安いのに、こんなにサービスしてくれていいの? とこちらが心配するほどのホスピタリティに驚くばかり。

 1時間ほど立ち飲んで、ひとりあたり800円程度の支払いのところを、ひとり千円ずつとさせていただきました。

 地元の常連さんたちに、ものすごく愛されていることがわかる立ち飲み屋さんでした。

 どうもごちそうさま。必ずまた来ます!

店情報

《平成26(2014)年2月11日(火)の記録》

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店情報: 立呑処「勘蔵(かんぞう)」(蓮沼)

    立呑処「勘蔵」
  • 店名: 立呑処 勘蔵
  • 電話: 03-5703-2161
  • 住所: 144-0051 東京都大田区西蒲田7-11-5
  • 営業: 16:00-02:00(平日はランチ営業もあり、11:30-14:00)、無休
  • 場所: 東急池上線・蓮沼駅から徒歩約5分(300m弱)。JR蒲田駅からは徒歩約10分(600m弱)。東京蒲田病院のすぐ横。
    東急池上線・蓮沼駅からは、1番線からも2番線からも、改札を出て大通り(多摩堤通り)を右へ、道なりに直進すること約300m、東京蒲田病院手前の右手角。
    JR蒲田駅からは、西口のロータリーから、正面のバス通りを進むこと5ブロック(約400m)、右手前角にセブンイレブンがある信号交差点を右折して、道なりに4ブロック(200m弱)進み、大通り(多摩堤通り)に出る左手角。右手は東京蒲田病院。
  • メモ: 角を落としたL字立ち飲みカウンターは、10人ほどで満員になる。公式サイト店主のブログあり。
    ビールセット(生ビール+枝豆+つまみ1品)500、サワーセット(サワー類1杯+枝豆+つまみ1品)400、生ビール(中)350、レガッタ(ウイスキーのウーロン茶割)200、ウーロン割250、緑茶割250、各種サワー(レモン、ライム、グレープフルーツ、うめ酒、カルピス、ジャワティ)250、こいめのチューハイ250、ハイボールレモン付300、トマト割300、日本酒350~、本格焼酎(麦、芋)350、ホッピーセット400、ハイッピーセット400、ソフトドリンク(ウーロン茶、緑茶、カルピス)150。ゆで玉子50、チーズ2枚50、リッツクラッカー4枚50、ガーリックトースト(フランスパン)1枚50、メンタイマヨ50、オニオンスライス100、大根サラダ100、たこわさび100、カキピー100、冷奴100、のりチーズ100、キムチ150、枝豆150、キムチ豆腐150、納豆豆腐150、リッツクラッカーとチーズ150、魚肉ソーセージ150、日替わりスパゲティサラダ150、手作りポテトサラダ150、フライドポテト150、目玉焼き150、めんたいまよ全部のせ(めんたいまよ+チーズ+ゆで玉子+クラッカー)200など。その他、日替わりの料理も各種あり。(2014年2月調べ)

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こたつ式のテーブルで … 「倉形屋酒店(くらがたやさけてん)」(産業道路)

こたつ式のテーブルで


 今日は、「ホッピー仙人」の小さな新年会ということで、仙人(=「ホッピー仙人」の店主)をはじめとする8人が、京急大師線の終点、小島新田こじましんでん駅の改札前に、祝日の午後3時に集合。

 向かったのは、駅から歩いて10分ほどの、住宅街の中にある「倉形屋酒店」です。

 その名前からわかるとおり、酒屋が営業している酒場です。

 がしかし! 立ち飲みの角打ちではありません。3卓ほどのテーブル席があって、ゆっくりと座って飲むことができるのです。

 しかもしかも! 普通に椅子に座る形式のテーブル席なのに、そのうちの2卓はコタツ布団もかけられた、コタツ席になっているのです。

 椅子に座るテーブルだけに、コタツ布団も床までは届かない長さですが、この布団を、椅子に座った太ももの上にかけておくと、中はとってもあったかい。

 もうひとつ面白いのが、この店のメニュー。

 今も酒屋の営業もしているので、酒類はまさに「売るほどある」状態なのですが、食べ物は日替わりで、手書きの看板が店の外に立てられます。

 今日のメニューは「とんかつ 300円」と「串かつ 150円」の2品。

 えっ? たった2品なの? って感じですが、いつもこんなもんなんだそうです。

 それ以外に、袋菓子の渇きものや、缶詰などは、店内で売っています。

「なんでこんな店を知ってるの?」

 と聞いてみると、「ホッピー仙人」の大常連さんであるチャコちゃんが、「出没!アド街ック天国」の川崎大師の回(2012年1月14日放送)で、この店が紹介されたのを見て、すぐにやって来てみたところ、いい酒場だった。それをきっかけに、ときどき来るようになったんだそうです。

 すばらしい行動力ですよねえ。私も、「アド街ック天国」はよく見ているのですが、なかなか実際に出かけていくだけの実現力・実行力が伴わないのが困りもの。類さんの「酒場放浪記」で紹介された酒場の中にも、行ってみたい店はとても多いんだけど、これまたなかなか行けてないのでした。

『昭和で時が止まったかのような空間。お酒のお供に人気なのが「ぶた肉のすきやき」です。野菜の上に敷かれる美しい肉は千葉県産の銘柄豚「林SPF」。赤身と脂のバランスが絶妙で柔らかくきめ細やかです。また、土間に置かれた巨大な壺の中には炭で焼いた「焼きいも」が。今日もちょっと1杯のつもりがついつい長居したくなります』

 というのがアド街サイトでの、この店の紹介文。

 今日はチャコちゃんが、我われの席の予約とともに、その「ぶた肉のすきやき」も予約してくれてました。

「先に『とんかつ』を出すから、『すきやき』のコンロに火をつけるのは、それからにしてくださいね」

 と言いながら、卓上コンロの上に、南部鉄製のすきやき鍋を置いてくれるお父さん(=店主)。お店は店主夫婦が二人で切り盛りされています。

 その間に、今日の参加者8名はホッピーで乾杯。

 そしてすぐに出された「とんかつ」。脂身の甘みがすばらしいですねえ。

 この「とんかつ」や「串かつ」は、店内のみならず、お持ち帰り用に買って帰ることもできるんだそうで、我われが飲んでる間にも、近所の人たちが次々に「とんかつ」を買いに来ます。

 元々は純粋に酒屋として営業していたこの店。だんだんとお酒の売り上げが下がってきたので、飲食店の許可も取って、店内での居酒屋営業も始めたんだそうです。

 ホッピーに続いて、日本酒をお願いすると、

「今日は『八海山』の新酒・生原酒がありますよ」と店主。

「いいお酒は、味がわかるうちに飲もう!」

 ということで、通称で「青越後あおえちご」と呼ばれている、「八海山 しぼりたて原酒 越後で候」を冷酒でいただきます。

 ックゥ~ッ。なんと飲みやすい。これでも原酒なのか!

 強さに気づかず、グイグイと飲めてしまいそうな、危ないお酒ですねえ。

 さあそして。「とんかつ」の登場と同時に、コンロに火を入れておいた「すきやき」も、ぼちぼちとできあがってきたようです。

 牛のすき焼きと同じように、溶かした生卵にからめながらいただく、この「ぶた肉のすきやき」。林SPFの豚肉もさることながら、椎茸やしめじ、えのき茸などのきのこ類もたっぷりと入っているのが美味しくて、うれしい。

「これは燗酒だね!」

 ということで、「八海山」本醸造の燗酒を、次から次からおかわりです。お酒が強いメンバーがそろっていると、ものすごいね!

 午後5時を回ると、地元の常連さんたちも続々とやって来ます。

「それじゃ、我われはこの辺で席を立ちますか」

 このあたりの、きれいな引き際もさすがです。

 2時間ほどの間、満腹になるほど、思いっきり飲み食いしたのに、お勘定は8人で15,800円(ひとり2千円ほど)。恐るべし、小島新田。恐るべし「倉形屋酒店」ですねえ。どうもごちそうさまでした。

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「倉形屋酒店」 / とんかつ / ぶた肉のすきやき

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トマト割り / 燗をつける大きな火鉢 / 乾き物ももらう

店情報

《平成26(2014)年2月11日(火)の記録》

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店情報: 「倉形屋酒店(くらがたやさけてん)」(産業道路)

    倉形屋酒店
  • 店名: 倉形屋酒店
  • 電話: 044-288-3994
  • 住所: 210-0824 神奈川県川崎市川崎区日ノ出1-14-17
  • 営業: 08:30-21:00
  • 場所: 京急大師線・産業道路駅の改札を出て右へ。産業道路(高架の上は首都高・横羽線)に沿って直進すること5分(300m弱)ほどの、「出来野」信号交差点を左折。道路を渡って、1ブロック先のトの字を右折して、道なりに5分(250m)ほど直進した左手。産業道路駅からの総距離は600m弱(徒歩約10分)。
  • メモ: 店主夫妻が二人で切り盛りする酒屋の角打ちだが、テーブル席に座って飲むことができる。つまみは袋菓子や缶詰の他、日替りで数品の料理が用意されている。千葉県産の銘柄豚「林SPF」を使った「ぶた肉のすきやき」は、「出没!アド街ック天国」でも紹介された。とんかつ300、串かつ150。(2014年2月調べ)

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大雪でも集う常連さん … 国民酒場「じぃえんとるまん新杉田店」(新杉田)

まぶろぶつ、ホタルイカ


『強い寒気と低気圧の影響で、関東甲信では8日未明から雪が降り始め、東京23区でも20センチの降雪が予想されるなど、首都圏では1998年以来16年ぶりの大雪となる可能性があります』

 こんなニュースが繰り返されるなか、昨日(金曜日)は会社帰りに、横須賀に飲みに出かけたわけですが、土曜日の朝、目覚めてみると、その予報のとおり雪が降り始めていました。しかもすでにうっすらと積もっている。

 都内の自宅に帰ると、明日(日曜日)までに横浜に戻ってこれないかもしれないので、この週末は単身赴任社宅に籠城しようと決めて、りっぱなしで見ることができていなかったテレビ番組を見たり、つん読になってしまっていた本を読んだり、いつの間にやらウトウトとうたた寝をしたりしながら過ごしているうちにも、雪はどんどん強くなってきて、飛行機や新幹線など、交通機関にも大きな影響が出てきている様子。

 ちょっと外の様子を見てみようと、玄関の扉を開けたところ、その玄関のすぐ目の前に30~40センチほどの雪が積もっているではありませんか!

『えっ? なんで?』

 単身赴任社宅の部屋は、2階建ての1階部分ながら、入口は階段用のでっぱりの下にあるので、雨が降っても濡れることがありません。それなのになぜ??

 そんな思いで、しばらく雪の具合を観察してみると、ふわふわと軽い雪が、低気圧の強風にあおられて、うちの入り口近くに吹き溜まってくるようです。

『雪が固まってしまわないうちに、通路だけは確保しておこう』

 段ボールをスコップ代わりにしてヨイショと押してみると、空気を含んでふんわりと積もった雪は、軽く移動することができて、いつもの通路が現れます。その作業を繰り返して、なんとか入り口付近の雪は取り除くことができました。

『着替えて外に出たついでに、近くの酒場に出かけてみるか』

 部屋にこもっているときは、外に出ようという気も起らなかったのですが、いったん外に出てしまうと、逆に、もうちょっと出かけてみようという気持ちがわいてきました。

 今の時刻は午後4時前。さすがにこの雪の中を、電車やバスなどの交通機関を使って出かけていくのは避けたい。この時間に、歩いて行ける範囲内で開いている酒場というと「愛知屋酒店」(午後3時開店)か「じぃえんとるまん新杉田店」(土日は午後1時開店)。JR新杉田駅近くの、「養老乃瀧」も午後4時開店だなあ。

 よしっ。その方面に向かえば、なんとかなりそうだ。

 新雪をサクサクと踏みしめて……

 なんて思っていたら、新雪の積もっている量があまりにも多すぎて、1歩ごとにズボッ、ズボッと、ひざぐらいまで埋もれてしまう。ひゃ~っ。これはすごいなあ。

 テレビで何度も繰り返されていた、『不要な外出は控えましょう』というフレーズを思い出したけど、ここまで来たら行っちゃえ!

 車も通る道まで来ると、車が通った後のわだちの部分は雪が踏み固められていて、ちょっと滑るけど歩きやすい。

 いつもなら5分ほどで行ける「愛知屋酒店」ながら、今日は10分以上かかって到着すると、シャッターが閉まっていて休業。さすがにこの雪じゃ、お客も来ないと予想しての休業なんでしょうねえ。

 ちょっと不安になりながら、その先の大通りまで出てみると…。

 やった! 「じぃえんとるまん新杉田店」の赤提灯に灯がともっている。

 吹雪のような大雪の中、まるで灯台のようだ。この赤い光はうれしいなあ。

 さっそくその店内に飛び込むと、この大雪の中でも、先客がひとりいる!

 入り口の横で、コートについた雪を払って、傘を巻いていると、ホールや飲み物を担当されている女性店員さんが、

「このあたりがエアコンがよく効いて暖かいですよ。どうぞどうぞ」と、奥のテーブル席に案内してくれます。

 これだけ寒くても最初はやっぱりビールがほしいですね。

「瓶ビール(370円)と、まぐろぶつ(200円)。あとホタルイカ(250円)もください」

 ここの瓶ビールは、アサヒスーパードライの大瓶。これが370円なんだから驚くではありませんか。角打ち(酒屋での立飲み)でも、これより高い店は多いぞ!

 まぐろぶつはこの店の名物。遅い時間に来ると売り切れてることが多いのですが、今日はありますねえ。

 先客の男性ひとり客は、この店の常連さんらしく、ときどき店の外に出て、入口付近の雪かきをしています。入口付近が、ちょっとしたスロープになってるので、雪が積もってると滑って危ないんですね。

 この雪かきを、お店の人に頼まれてやるんじゃなくて、自主的にやっているところに、お店への愛を感じますねえ。

 まぐろぶつとホタルイカを食べ終えたところで、温かい料理をもらおうということで、コロッケ(2種150円)を注文すると、揚げたての熱々で出されるコロッケは、普通のコロッケと、カレーコロッケの2種類です。

 値段の安い立ち飲み屋ながら、料理の多くは、注文を受けてから調理してくれる。これもまた、この店の人気の理由のひとつなんでしょうね。

 ビールを飲み干したところでホッピー(350円)をもらって、「ふぐのバターしょうゆ焼」(300円)を注文します。

 この「ふぐのバターしょうゆ焼」。おそらく安いサバフグだろうと思うのですが、3枚におろした両側の身はバター醤油でソテーし、中骨はカリカリに揚げて、きれいに盛り付けて出してくれるんですね。これもいいなあ。

 骨まですべていただきましたよぉ!

 京浜東北・根岸線も運転を取りやめてしまったので、もうこれ以上はお客さんは来ないかと思いきや、5時を過ぎると、ひとり、またひとりと、それぞれ常連さんらしき男性ひとり客が次々とやってきます。

「振替輸送で京急線に乗ったら、京急も徐行、徐行でさあ。いつもの3倍ぐらい時間がかかっちゃったよ。あ、生ビール(中370円)2杯ちょうだい。え? いいんだよ、最初から2杯で。1杯めはすぐに飲み干しちゃうからさ」

 その言葉どおり、1杯めは息もつがずにキューッと飲み干して、すぐに2杯めのジョッキに手を伸ばします。電車の中で、長いこと缶詰めになってたので、のどが渇いていたのかな。

 この店には昔ながらの、片手では持ち上げにくいぐらいの大ジョッキ(570円)もあるのですが、それにしないで中ジョッキを2つにしたところが、なにやらつうっぽいですね。

 私もホッピーのナカ(焼酎おかわり、180円)をもらって、かまぼこ(100円)を追加注文すると、出されたかまぼこは紅白合わせて8切れ。見ためもいいね。

 その後も客は増えてきて、午後6時前の段階で7~8人ほど。

 いつもギューギュー詰めの「じぃえんとるまん新杉田店」から考えると、ガランガランと言ってもいい状況ですが、この大雪の中ですからねえ。

「いやあ、寒い寒い。よく降るねえ!」

 と飛び込んできたお客さんに、店長も女性店員さんも、

「えっ! 電車、止まってるんじゃないの?!」と驚き顔。

「止まってるから、磯子(=となり駅)からここまで歩いてきたんだよ。遠かったなあ」

 こんな天候でも、電車が止まっていても、常連さんたちはやってくるんですねえ。この店で飲まないと1日が終わらないんでしょう。だから店の側も、こんな雪でも、臨時休業にしないでやってるんですね。

 お客、お店、双方の深い信頼関係を感じます。

 「じぃえんとるまん新杉田店」が開店したのは、平成20(2008)年12月5日。開店から5年で、そこまで信頼されるお店になったのは、素晴らしいことだと思います。

 2時間弱の立ち飲みタイム。キャッシュ・オン・デリバリーでの支払総額は1,900円でした。どうもごちそうさま。

 来たときよりも、ますます降り積もり、さらに激しさを増す吹雪の中を社宅へと向かったのでした。

140208a 140208b 140208c
まぶろぶつ / ホタルイカ / コロッケ2種

140208d 140208e 140208f
瓶ホッピー / ふぐのバターしょうゆ焼 / かまぼこ

店情報前回

《平成26(2014)年2月8日(土)の記録》

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店の人たちが一所懸命 … 「中央酒場(ちゅうおうさかば)」(横須賀中央)ほか

キムチなべ


 金曜日の仕事を終えて、「中央酒場」にやってきました。

 会社の最寄駅から、京急・各駅停車の電車に乗りこむと、横須賀中央まで座っていくことができる。飲んだ帰りは、もちろん座って帰ることができる。この楽さが、横須賀方面に飲みに行くメリットなのでした。

 野毛や横浜方面に向かうと、飲んだ帰り(下り方面)は、まず座ることができませんからねえ。

 いつものごとく、「中央酒場」の店内は、ほぼ満席状態。長~いカウンターの中央部に切られた、店員さん用の通路わきの空席に座り、いつものようにホッピー(450円)でスタートします。

 おっ! 今日のメニューには『しこさし』(450円)がありますねえ!

 『しこさし』は、『しこ』と呼ばれるカタクチイワシの刺身のこと。広島で言うところの『小イワシの刺身』と同じものです。

 早い時間帯に売り切れてしまうことが多い『しこさし』。この時間(午後8時半)まで残ってるのは珍しいことです。もちろん注文。

 燗酒でいただく小イワシの刺身もいいもんですが、ガツンと強いホッピーでいただく『しこさし』も、これまたいいですねえ。

 こうしてカウンター中央部に座ると、右を見るとテレビが見えるし、前を見るとカウンター内で調理をしている様子を見ることができる。ひとりで来ても、まったく退屈することがない席なのです。

 「中央酒場」の1階フロアを切り盛りするのは、厨房の人も含めて7人ほど。厨房専門の人が4~5人いるので、外まわり(客席)は2~3人で見てるんですね。このフロア以外に、2階にも座敷席があるから、そちらにも何人かのスタッフがいるんでしょうね。

 この充実したスタッフ陣が、居酒屋チェーン店ともっとも違うところなんだろうなあ。

 経営効率を追求する居酒屋チェーン店は、なるべく少人数で店を切り盛りしようとしているように思えます。だから、コース料理は、テーブル上に置く場所がなくても、一気にどんどん出てくる。「ピンポ~ン」というボタンを押して店員さんを呼んでも、実際に店員さんが来るまでに、ものすごく時間がかかる。注文したものはなかなか出てこない。それでいて、飲み放題が終了する時間にだけにはやたらと厳しい。

「酒場浴的な過ごし方は、絶対にできんな!(怒)」

 というような店が多いのです。

 一方で、「中央酒場」をはじめとする、人気個人店には、注文がスッと通る。注文したものの出が速い。そして店の人たちがいつも一所懸命というような共通点があります。

 これが「ひとりででも飲みに行きたい」と思わせてくれる理由なんでしょうねえ。

 2杯めのホッピー(450円)をもらって、つまみにはキムチ鍋(600円)を注文します。

 ここ「中央酒場」には、このキムチ鍋以外にも、豚鍋(600円)、牛鍋(700円)、どじょう鍋(700円)、たらちり(600円)、まぐろ鍋(650円)、かき鍋(900円)と、鍋ものメニューも豊富なのです。

 これらの鍋ものは、厨房できっちりと調理してから、できあがった状態で出されます。

 キムチ鍋の具材は、豆腐、キムチ、豚肉、ニラ、白ネギ。汁の味は濃いんだけど、具の味は意外と淡白。具と汁を一緒にいただくと、ちょうどいいつまみになります。

 このキムチ鍋もそうなんだけど、人気のある料理は次から次から注文が入ります。そのたびに、少しも手抜きをすることなく、同じ作業を何度も何度も繰り返しながら、1人前ずつの料理を仕上げていく。

 「中央酒場」に限らず、どこの酒場、どこの料理屋でも同じなんでしょうが、改めてものすごい仕事だと思います。

 もつ焼き屋などでも、開店前に切り分けや串打ちなどの仕込みをして、営業時間中は、同じ手順を繰り返しながら、無限とも思えるほどの量のもつ焼きを焼き続けてますもんねえ。

 店の人からすると、何度も何度も繰り返し作っていく中の1品なんでしょうが、客の側は、自分のところに出されるその1品が、一期一会の1品となってしまう。だから1品たりとも手が抜けないんですね。

 私なんか、絶対にできそうにないなあ。「めんどくさいから、同じものは、いっぺんに注文してくれ!」なんて切れちゃいそうだ。

 1時間半ほどの酒場浴。今宵のお勘定は1,950円でした。ごちそうさま。

◇   ◇   ◇

 「中央酒場」を出たところで午後10時。せっかく横須賀まで来たから、もう1軒、寄って帰りますか。

 10時ぐらいに閉まる店が多いなか、「ぎんじ」と「天国」が11時までで、「忠孝」は午前1時まで。

 「忠孝」はつい先日も行ったばかりなので、大衆酒場「ぎんじ」にしてみましょう。この時間なら、席も空いてるでしょう。

 店に到着してみると予想どおりで、店内に残っている客は半分ほど。

 カウンターの一角に座り、ホッピー(450円)と、好物のモツ揚げ(300円)を注文すると、すぐにホッピーとともに出されたお通し(サービス)は小皿のお新香です。

 遅い時間だからか、カウンターの中も女将と若女将の二人だけで切り盛り中。モツ揚げも、その若女将が作ってくれました。

 モツ揚げというのは、鶏の砂肝をひと口大に切り分けて、サッと素揚げにしたもの。できあがりに塩をふって仕上げます。

 ゆっくりと1時間ほど飲んで、今日のお勘定は750円でした。ごちそうさま。

140207a 140207b 140207c
「中央酒場」 / しこさし、ホッピー / 大衆酒場「ぎんじ」

・「中央酒場」の店情報前回) / 「ぎんじ」の店情報前回

《平成26(2014)年2月7日(金)の記録》

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常連さんはこう食べる … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

B定食のおかず


 週に2回ほどのペースでやってきている「はまや食堂」。

 呉にいた3年弱の間は、自炊を基本とした生活をしていたのですが、横浜に再転勤後は外食生活に戻ってしまいました。

 この店に来ると、ほとんどの場合は、主菜1品に副菜が2品付く、日替わりの「特別定食」(980円)でお酒を飲むという、『大衆酒場のフルコース』的な楽しみ方をするのですが、今日は食事の量をちょっと控えめにして、その分、お酒を多めに飲む方針。

 まずは大瓶ビール(お通しの枝豆付きで480円)と、『本日の煮もの』である「山菜(ふき)煮付」(250円)でスタートします。

 大衆食堂も、大衆酒場と同じように、毎日、毎日、同じ時間にやってくる常連客が大勢います。好みの席がだいたい決まっているのも、大衆酒場と同じですね。

 以前からときどきこのブログにも登場している、私が『大食漢のおっちゃん』と呼んでいる常連さんも、そのひとり。

 いつも私が飲み食いしている途中に入ってきて、大瓶ビール1本に、何かの定食に、好みの副菜を数品とって、ワッシワッシと食べ進め、必ず私より先に出ていきます。お勘定はいつも2千円前後。

 今日の大食漢のおっちゃんの注文は、大瓶ビール(480円)に、特別定食(豚肉生姜焼き、小松菜おひたし、山菜ふき煮付、ライスセットで980円)、しらすおろし(180円)、スパゲティーサラダ(200円)、山芋とろろ(280円)、冷しトマト(150円)というもの。

 主菜(豚肉生姜焼き)1品に、なんと、副菜は6品です!

 このおっちゃん。とにかく食べるのが速いのです。

 ビールと一緒に出された枝豆と小松菜おひたしは、最初のビール1杯を飲む間にガガガッと食べてしまい、続いて出された冷しトマトも、あっという間。出てくるはしから、どんどんなくなっていく様子は、とても軽快で気持ちがいい。

 そして最後は豚肉生姜焼きをおかずに、山芋とろろをぶっかけたごはんをズズズッと食べて、40分ほどですべて完食です。

 これで、お勘定は2,270円。

 ものすごい数を注文したのに、飲みものがいつもビール1本だけなので、それほど大きな金額にはならないんですね。

 この大食漢のおっちゃん。筋肉質でしっかりとした体つき。決して太ってはいないということを書き添えておきます。

 もうひとり。最近よく一緒になる、『酒常温のおじさん』と呼んでるおじさんは、いつものように常温の大徳利(500円)と山菜(ふき)煮付(250円)を注文。この煮付1品で、大徳利1本を飲み切るのです。

 大徳利に続いて、今度は小さい徳利(280円)を、これまた常温でもらって、日替わりのB定食(580円)を注文するというのが、このおじさんのパターンなんだけど、今日は違った。

「お酒の小さいの(280円)を常温で。あと塩鮭焼きの小ライス(660円)と、野菜サラダ(250円)ね」

 なるほど。今日のB定食はハムエッグに、納豆、海苔、ライスセット。B定食の主菜はナス味噌炒めだったり、湯豆腐だったり、あさり汁だったりすることが多いのですが、今日は違うんですね。

 酒常温のおじさんが、B定食じゃなくて、塩鮭焼ライスセットを注文したのも、それが理由かな。ハムエッグ、あまり好きじゃないのかもしれないですね。

 そんな風に、改めてメニューを眺めてたら、私がB定食を食べたくなっちゃった。

「すみません。お酒の大(500円)を燗で。あとB定食(580円)を、ごはんは小(20円引き)で、ライスセットだけ後からお願いします」

 あえて『ライスセットだけ』という言葉を添えるのは、『それ以外の、納豆や海苔は先に出してくださいね』ということなんです。

 冒頭の写真では、目玉がひとつに見えますが、実は2玉。もうひとつはハムの下に隠れています。この店のハムエッグは、いつもこの形(黄身のひとつがハムの下になった形)で出されます。

 ハムエッグは熱いうちがおいしい。プチッとつつくと、とろりと流れ出る黄身を、ハムや、箸で切りとった白身にまぶしながらいただきます。ちょっと温まった黄身の、濃厚なコクがいいんですね。

 そのハムエッグが一段落したところで、納豆をチビチビとつまみ、そして海苔をチビチビとかじりながら、燗酒をチビチビといただきます。ん~~。至福じゃ。

 最後はB定食の小ライスセットで締めて2時間ほどの酒場浴。今日のお勘定は1,790円でした。どうもごちそうさま。満足、満腹!

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大瓶ビールとお通しの枝豆 / 山菜(ふき)煮付 / 大徳利(燗)

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納豆 / 海苔 / 最後に小ライスセットで締める

店情報前回

《平成26(2014)年2月6日(木)の記録》

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鶏の水炊き鍋&烏賊酒 … 大衆酒場「鳥万(とりまん)本店」(蒲田)

鶏の水炊き鍋


 日曜日の夜、都内の自宅から、横浜市内の単身赴任社宅に向かいながら、蒲田かまたで途中下車して、5階建てのビル全体が1軒の大衆酒場という「鳥万本店」に立ち寄ります。

 『仕事帰りにちょいと一杯』という飲み方とは真逆で、『仕事先に向かいながらの、ちょいと一杯』。これはこれで、また楽しいんですね。

 2階のカウンター席の一角に腰を下ろし、まずは何も考えずに、「ホッピーとサービス」と注文しておいてから、今日のメニューを確認します。

 おっ。冬場だから、鍋ものもメニューに登場したんですね。

 野菜きのこ鍋(420円)、牛すき鍋(420円)、豚キムチ鍋(420円)、鶏の水炊き鍋(420円)、ちゃんこ鍋(420円)、かき鍋(450円)、そして磯寄せ鍋(670円)というラインナップ。

 7品のうち、6品までがワンコイン(500円)未満というのが、さすが「鳥万」ですねえ。庶民の味方だ。

 すぐにホッピーセット(370円)を持ってきてくれたおばちゃんに、

「鶏の水炊き鍋をお願いします」

 と注文。「鳥万」だけに、まずは鶏の鍋を食べてみようという単純な理由です。この店の名物である、若鶏の唐揚(420円)もおいしいから、水炊きも、きっとうまいに違いない。

 お通し(50円)として、あらかじめカウンター上に置かれている、小さな袋の豆菓子をポリポリとかじりながら、ホッピーを飲んでいると、すぐに卓上コンロが出され、鶏の水炊き鍋がセットされます。

 今の燃料は、袋入りのジェル状。指で触るとプニョプニョしてるのに、着火するとまるで固形燃料と同じように固まって見えます。

 まずは、本日のサービス品(200円)が出てきて、それを食べ終えるころに鍋ができあがるだろうと思ってたのですが、サービス品がなかなか出てこない。

 壁の短冊を確認すると、今日のサービス品は白身魚フライ(通常価格は350円)です。

 サービス品というと、刺身などの生もので、すぐに出てくるイメージがあったのですが、前回来たときはナンコツ揚げ、その前は肉コロッケと、日曜日はいつも揚げ物ばかり。しかも毎回、出てくるのがすごく遅くて、忘れたころに出てくるのです。今日もそうなのかな。

 そんなことを考えているうちに、鍋がフツフツと沸いてきました。

 となりの席にやってきた、いかにも常連さんらしき同年輩のおじさんは、焼酎のお茶割り(290円)に、ホタルイカ(320円)とポテトサラダ(320円)を注文。この二つのつまみは、あっという間に出てきました。出が速い品を、よく知ってるんだなあ。

 私の水炊きは、そろそろできたかな。

 おぉ~っ。ちょうどいい感じですねえ。

 紅葉おろしと刻みねぎを入れたポン酢醤油で、ハフハフといただきます。

 おかわりでもらったナカ(ホッピーの焼酎)は290円。この店にしては高い感じがしますが、実はこれがコップになみなみと1杯(約1合)で出されます。これであと2杯分のホッピーが作れるので、最初にもらったホッピーセット(370円)と合わせて、合計660円で、ソト1・ナカ3のホッピーが楽しめる計算。1杯あたり、220円のホッピーなんですね。

 鶏の水炊き鍋を食べ終わるころ、やっとサービス品の白身魚フライが出てきました。注文してから出てくるまで、今日は25分もかかっちゃったんですね。

 冒頭でも書いたとおり、この店は、5階建てのビル全体が1軒の大衆酒場(客席は1~4階)。4フロア合わせて200席ほどという料理のすべてを、1階の厨房で作るので、注文が重なると遅くなることもあるんですね。もしかすると値段の安いサービス品は、後回しにされてるのかなあ。

 サービス品の白身魚フライで2杯めのホッピーも飲み干して、3杯めを作るとともに焼き鳥を注文。焼き鳥は1本90円で、合わせて3本以上で注文することになっています。

「鶏正肉、つくね、砂肝、鶏皮を1本ずつ、塩でお願いします」

 味付けは1回の注文で1種類(塩か、タレか)のみ。これもこの店の決まりです。

 注文を受けてくれたおばちゃんは、サービス品の空いた皿を下げてくれながら、

「鍋には、あとでごはん(150円)や、うどん(120円)を入れることができますから、下げずに置いときますね」とのこと。

 他にも、もち(120円)や白菜(150円)などの、鍋用の追加オプションが用意されています。

 焼き鳥は、ほとんど待つこともなく、スッと出てきてうれしい限り。この4本で、3杯めのホッピーをいただいて、ソト1・ナカ3を飲み切りました。

 この時点で、入店から1時間15分。

 食べものも、飲みものもなくなって、キリはいいんだけど、ちょっと飲み足りないなあ。しかも、鍋の最後もごはんか、うどんで締めたい。

 もう1杯、ふぐひれ酒(350円)でももらおうかな。

 おやっ? その並びに、烏賊いか酒(320円)なんてのもある。飲んだことがないけど、なにやらうまそうだなあ。

「すみません。烏賊酒をお願いします。あとお新香も」

 料理用の小さなエレベーターで、1階の厨房から炙ったイカをひと切れ入れたコップが上がってきました。これに、おばちゃんが燗付け器からお酒を注いだらできあがり。

「もうちょっと熱くしようね」

 電子レンジでちょっとだけ追い炊きして、熱燗の状態で出してくれました。

 割り箸の後ろ側で、つんつんとイカをつつくと、お酒の色がサッと濁るほど、イカの出汁が出てきます。

 ックゥ~ッ。ものすごい旨味うまみ

 今日のお新香(250円)は白菜。烏賊酒と白菜漬物だけで、いくらでも飲めそうだ。

 この烏賊酒1杯で終わりにしようと思ってるのに、カウンターの中のおばちゃんから、

「烏賊酒はね、つぎしゅを入れてもおいしいわよ。それだけで2~3杯はいけるから」と悪魔のささやき。

 つぎ酒というのは、フグのひれ酒なんかのときに、飲み終えて残ったひれに、さらに熱燗の酒を注いでもらうこと。お茶でも一せんめと二煎めで味わいが異なるように、ひれ酒なんかも味わいが違うんですね。

 そうと聞いたら、つぎ酒もせずにはいられない。

 グッと一煎めのお酒を飲み干して、二煎めの燗酒(200円)を注いでもらいます。

 ん~。2杯めもいいねえ。お酒を吸って、ヒタヒタになったイカも、つまみとしてチビチビといただきつつ、二煎めの烏賊酒もフィニッシュ。

 最後に、うどん(120円)をもらって鍋を締め、2時間半もの長っちり。お勘定の2,580円は、1階のレジカウンターで支払います。

 ゆっくり、のんびりと日曜日の酒場浴さかばよくを楽しむことができました。どうもごちそうさま。

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ホッピーとお通しの豆菓子 / 鶏の水炊き鍋 / サービス品の白身魚フライ

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ナカ(焼酎のおかわり) / つくね、鶏皮、砂肝、鶏正肉 / 烏賊酒

140202g 140202h 140202i
お新香(白菜) / つぎ酒して二煎めの烏賊酒 / 最後はうどんで〆る

店情報前回

《平成26(2014)年2月2日(日)の記録》

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久しぶりのアブラたれ … もつ焼「宇ち多゛(うちだ)」(立石)ほか

アブラたれ


 土曜日です。横浜の単身赴任社宅を出発し、京成立石駅に到着したのは、正午をちょっと回った12時20分。

 この時間、どうだろうなあ。

 そう思いながら、「宇ち多゛」に急ぐと、土曜日の入口である裏口側には15人ほどの行列。よかったよかった。間にあったか。

 その後ろに並ぶこと約20分。店内に入ることができました。

 「宇ち多゛」は回転が速いので、行列があってもそんなにたくさんは待たずに済むのです。(さすがに開店直後などはダメなようですが。)

 裏口近くの席について、まずは小瓶のビール(360円)をもらうと、ビールを持ってきてくれたそうさんが、「タン生?」と声をかけてくれます。

 やった! まだタン生が残ってるんだ。

「はい、お願いしますっ!」と元気に返事。

「お酢入れる?」

「入れてください」

 そんなわけで、今日の1品めは、タン生お酢(180円)。これがうまいんだ。

 ビールを飲み終えて、梅割り焼酎(180円)に切り替えたところで、2人連れのお客さんに場所をゆずるため、表の入口(土曜日は出口)近くの「二の字」にならんだ、カウンターのようなテーブル席に移動して、常連さんたちの間に入れてもらいます。

 まわりの注文を聞いていると、まだアブラがある様子。あんちゃん(三代目)が近くに来たところで、「アブラあるんですか?」と聞いてみると、あるとのこと。さっそくタレ焼きでお願いしました。(もつ焼きはすべて2本1皿で180円)

 前回、同じくらいの時間に来たら、シロしか残っていなかったのですが、今日はレバやガツもまだあるようです。

 梅割りをおかわりして、煮込み(180円)と、お新香(180円)はもう大根しかないとのことで、その大根を『生姜のっけてお酢』(=紅生姜を多めにのせて、醤油の他にお酢も入れてください)のオプションでもらいます。

 そこへやって来たのは、宇ち中うちちゅうさん。ありゃりゃ。お久しぶり(1ヶ月ぶり?)です。

 閉店時刻(今日は午後2時過ぎ)に、その時点で残っていた全員がお勘定。私は4皿4杯と、小瓶のビールで1,800円でした。どうもごちそうさま。

◇   ◇   ◇

 「宇ち多゛」を出て、宇ち中さんと、同じく店内で一緒になったKさんと3人で、満席の「二毛作」をちらりとのぞいて、「ゑびすや食堂」へ。

 にこごり(260円)をつまみに、酎ハイ(300円)で乾杯です。

 そこへ、窓の外から店内をのぞきこんだのはワイタベさんです。

 「おぉ~い!」と店内からも手を振って、ワイタベさんも合流して、「ゑびすや食堂」でしばらく飲んでから、「二毛作」へ。

 「二毛作」ではワインをいただくものの、「宇ち多゛」での梅割り4杯が効いて、私は早めに「お先にぃ~!」と離脱。

 これが午後4時ごろ。すぐ近くの京成立石駅から電車に乗って、目が覚めると大田区あたりで羽田空港に向かってる。

 「あ。乗り過ぎた」と反対向きの電車に乗って、次に目が覚めると千葉県。

 で、またまた反対向きの電車に乗って、今度はちゃんと予定どおりに乗り換えて、西武線への乗り換え駅である高田馬場に午後6時半に、やっと到着。立石から2時間半近くもかかってしまいました。

 ちょうどお腹もすいてきたので、高田馬場の「やよい軒」で、しょうが焼き定食(580円)をいただいてから帰りましたとさ。

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「宇ち多゛」タン生お酢、小ビール / 梅割り焼酎 / 大根、煮込み

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「ゑびすや食堂」酎ハイ / にこごり / 「二毛作」

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「二毛作」での飲み食いいろいろ

・「宇ち多゛」の店情報前回) / 「ゑびすや食堂」の店情報前回) / 「二毛作」の店情報前回

《平成26(2014)年2月1日(土)の記録》

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〔コラム〕 久しぶりの長崎紀行

長崎に向かって


 一泊二日の長崎出張。

 長崎に行くの、何年ぶりだろう。忘れるほど前のことです。

 飛行機に乗るのも久しぶり。セントルイスへの出張のときに乗って以来だと思うので、こちらも5年ぶりか。

 朝の10時ごろ、羽田空港を出発。空から見る東京は、やっぱり大都会だ。

 ロサンゼルスでも、セントルイスでも、アトランタでも、さらにはシドニーやメルボルンなどでも、空港のすぐ近くこそ高層ビルが建ちならぶ都会なんだけど、それ以外はガラ~ンとした土地が広がっている。

 ところが東京は、まわり一面、見渡す限りの高層ビル群。これだけ広範囲に都会が広がっている街は他にはあまりないだろうなあ。

 郊外に抜けても、平地を埋めつくすように、住宅が密集している。これもすごいですねえ。使える場所は、すべて使ってる感じです。

横濱チャーハン 機内サービスで、飲み物(コーヒーやジュースなど)が出されるタイミングでスープをもらい、空港で買っておいた空弁そらべん崎陽軒の「横濱チャーハン」(580円)を取り出すと、「これをお使いください」と、お手拭きを出してくれました。さらには食後のコーヒーまで!

 至れり尽くせりのサービスに、飛行機嫌いの私も、「たまには飛行機もいいもんだなあ」、なんて思ってしまいました。

 飛行機は、日本列島の尾根にそって南下。いっとき雲が多い場所があったものの、ほぼ全域にわたって快晴で、てっぺんあたりに雪をかぶった山々が素晴らしく美しい。

 ど~んと都会の風景が目に飛び込んでくると、そこがもう博多。そして博多を過ぎるとすぐに着陸態勢に入る。

 2時間弱で、もう長崎に着いちゃうんだから、改めて飛行機は速いなあ。

 天候もよく、実に気持ちのいい空の旅でした。

◇   ◇   ◇

 初日の仕事を終えて、仕事関係の会食も終えて、ホテルに着いたのは午後9時ごろ。

 お腹はいっぱいなんだけど、なんだかちょっと飲み足りないなあ。

 部屋に荷物だけおいて、ちょっと外の様子を見に出てみると、なんとすぐ目の前に赤ちょうちんのラーメン屋台がある! 行くでしょう。

 防寒用のビニールシートを開けて、

「こんばんは。ひとりですけどいいですか?」

 と屋台の中へと進むと、屋台の3辺を囲む、コの字型のカウンターには、手前の長辺に男女二人連れ、短辺におじさんが一人、奥の長辺の、いちばん奥の端っこにおばさんが一人という、合わせて4人が腰を下ろしています。

「はい、いらっしゃいませ」

「どうぞこちらへ」

 と同時に立ち上がったのは、奥の端っこのおばさんと、短辺に座っているおじさん。このお二人が店主ご夫妻だったんですね。

 たいていの屋台は、どこか1辺が調理用のスペースになっていて、そこにはお客が座る場所はないのですが、ここは3辺、どこにでも座ることができるのが面白い。残る1辺のところに、食器置き場や、小さなテレビがあったりして、屋台の引手ひきても付いています。

 こういう席配置だと、お客が少ないときは、店主夫妻も空いてる席に座って、お客と一緒に話したりできるのがいいですね。

『ラーメン屋台だけど、酒とつまみぐらいはあるだろう』

 と思って飛び込んだのですが、予想どおり、屋台の中央にデンとおでん鍋が据えられていて、150円のロールキャベツ以外は、すべて110円です。

「お酒(400円)と、おでんは厚揚げと、椎茸しいたけをください」

 日本酒は、ラーメンの麺をゆでる鍋で、チロリで燗をつけて、グラスに注いでくれます。

 ふわりと甘みのある出汁だしで煮込んだおでん。

 プリッと弾力感のある椎茸がすばらしいですねえ!

 九州北部(福岡県、大分県、長崎県)は、椎茸の一大産地ですもんね。

 店主夫妻はニコニコと温かく、せまい屋台の中で、他のお客さんとも話をしたりしながら、ゆっくりと時間が過ぎていく。長崎弁の会話が、耳に心地よいなあ。

「今度は芋焼酎(300円)のお湯割りをください。あと、これはなんですか?」

 おでん鍋の中に、見慣れないおでん種があるので聞いてみると、

「これは、ちゃんめん揚げ(110円)といって、魚のすり身に、皿うどんの麺をまぶして揚げたものなんですよ」(←実際には、この内容を長崎弁で。)

「なるほど。じゃ、これください」

ちゃんめん揚げ 皿うどんというのは、カリッと揚げた細麺に、具だくさんで熱々のあんをかけていただく、長崎の郷土料理。その麺を練り込んだ平天ひらてんが、このちゃんめん揚げなんですね。

 へぇ~っ、おもしろい。

 皿うどんは、カリッとしているときもおいしいんですが、餡がしっとりと染み込んで、やわらかくなった麺もまた美味しい。ちゃんめん揚げの麺は、そのやわらかくなった麺の味や食感と似てるなあ。

「ちゃんめん揚げは、長崎では一般的なおでん種なんですか?」

「いや、そうでもないと思います」

「じゃ、ここでしか食べられないぐらいなんだ。これはいいですねえ」

 ゆっくりと1時間ほど飲んで、ラーメン(500円)は食べずに終了。お勘定は1,030円でした。どうもごちそうさま。

 長崎に来る機会があれば、ぜひまた来たい、長崎ワシントンホテル近くの屋台でした。

◇   ◇   ◇

 明けて二日めの仕事も無事に終わり、長崎空港に到着したのは午後5時すぎ。飛行機は7時前出発なので、1時間ほどは飲み食いできそうです。

 で、向かったのが空港1階にある長崎ちゃんぽんの「牡丹ぼたん」です。

 長崎に来たらやっぱり、ちゃんぽんか皿うどんは食べて帰らないとね。

 いきなりちゃんぽんか皿うどんをいくと、あっという間に食べ終わって時間がつぶせないので、まずは黒豚餃子(5個450円)をつまみに、サントリーモルツの中瓶(680円)をゴクリ。中瓶が680円というのが空港価格ですねえ!

 このお店、ちゃんぽんや皿うどんも、それぞれ1,000円。これまた空港価格です。

 ビールを飲みながら、改めてメニューを眺めていたところ、生ビールセットを発見。これは生ビール小(アサヒかキリン、単品なら530円)に、ミニちゃんぽんかミニ皿うどん(単品ならそれぞれ800円)が付いて1,250円という、個別に単品で注文するよりはお得なセットです。

 もうちょっとビールも飲みたいので、これにしましょう。

 ビールのつまみには、ちゃんぽんよりも皿うどんですね。皿うどんは細麺か太麺かも選べるようですが、ここはもちろん細麺で。

ミニ皿うどん ど~んと大きい丸皿で出された皿うどんは、「本当にこれがミニなの?」と驚くほどボリュームがあります。もしかすると麺の量だけ減らしていて、上にかけている餡は、通常と同じ量なんじゃないかなあ。つまみとなる部分が多くなるので、うれしい限り。

 さっくりと1時間ほど楽しんで、お勘定は2,380円。さすがに大衆酒場価格ではないですね。

 帰りはもう日が暮れていて、まっくら闇の中を1時間半ほど飛んで、東京上空にやってくると、まるで光の洪水のような明るさ。夜見ても大都会ですねえ。

 こうして、あっという間に一泊二日の長崎出張を終えたのでした。

(デジカメを忘れていたので、画像はすべて携帯電話で撮ったものです。)

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豚肉と白菜の味わい鍋 … 「養老乃瀧(ようろうのたき)」(新杉田)

豚肉と白菜の味わい鍋


 日曜の夕方、軽く刺身が食べたくなって、「じぃえんとるまん新杉田店」に出かけたところ、なんと今日は臨時休業。

「この近くで、刺身が食べられそうな店は?」

 と考えて、すぐ近くにある「養老乃瀧 新杉田店」にやってきました。

 ここは毎月、奇数回めの日曜日が定休日。今日は1月の第4日曜日と、偶数回めとなる日曜日だから開いていたんですね。

 1956年に横浜市内に第1号店を開店して以来、今年で創業58年となる「養老乃瀧」グループ。

 個人店のいいところである『地域に根ざし、お客との間に温かみある末永い関係を築ける』という特長と、チェーン店のいいところである『大量仕入れ、集中管理などのスケールメリットやネームバリュー』。その二つを組み合わせたフランチャイズシステムが「養老乃瀧」の特徴です。

 ここ新杉田店の店内の雰囲気も、個人店とチェーン店の中間のような感じで、毎日のようにやってくる一人客も多い様子。

 店で働いている人もまた、古くからここで働いているらしく、常連ひとり客たちとの、さりげなく親しげなやり取りは、まるで個人店(=普通の大衆酒場)のような感じです。

 店内は、カウンター席あり、テーブル席ありで、総席数50席ほど。

 常連のひとり客は、入口左手にある8人掛けの大テーブルに、入れ込みの相席で座っていることが多いようです。

 このテーブル席からだと、テレビがよく見えるのです。

 大テーブルの真ん中には、ちょうど目の高さにはりが通っていて、テーブルの向かい側に座る人とは、目が合わないようになっています。

 私もその大テーブル席の一角に腰を下ろし、養老酎ハイのジャンボと、かんぱち刺身(550円)を注文します。

 養老酎ハイというのは、いわゆる下町チューハイのことのようで、ちょっと褐色がかったチューハイが、くし切りのレモンを浮かべて出されます。

 定価だと、サワーグラスで出される普通サイズが347円、ジョッキで出されるジャンボサイズが504円なのですが、ここ新杉田店では普通サイズが200円、ジャンボサイズは300円という特別価格で提供されます。

 この特別価格。もともとは、早い時間だけのタイムサービスだったのですが、今は『フルタイムサービス』ということで、どの時間帯に入っても、この価格で飲むことができます。(養老酎ハイだけでなく、多くのサワー類がこの価格です。)

 その養老酎ハイ・ジャンボと一緒に、まず出てきたのはお通し(221円)。今日のお通しは、小皿に1個の「煮はま」(ハマグリの煮もの)です。

 その煮はまを食べ終えるころに、かんぱち刺身も出てきました。

 腹の部分の、たっぷりと脂ののった大きな刺身が5切れ。

 刺身メニューだけでも十数種類あるのですが、盛り合せを除くと、かんぱち刺身と中トロ刺身が、ともに550円で最高値さいたかね。あとは、マグロ赤身が420円だったり、シメサバが380円だったりと、比較的安価に刺身を楽しむことができます。三点盛り合わせだって、525円ですもんね。

 かんぱち刺身で、突発的な「刺身食べたい病」が落ち着いたところで、次なるつまみを探します。

 寒さの冬には、やっぱり鍋ものがいいかな。

 ここ「養老乃瀧」には、ひとり用の鍋ものとして、湯豆腐(378円)、キムチ鍋(504円)、かき鍋(546円)、牛すきやき鍋(玉子付き、609円)、まるころホルモン鍋(683円)といった冬季限定メニューが並んでいます。

 どの鍋にするかなあ、と思いながらも、改めて通常メニューも眺めていたところ、その中に「豚肉と白菜の味わい鍋」(504円)というのがあるのを発見。

 豚肉と白菜!

 呉で自炊していた時代に、とってもよくお世話になった組み合わせです。

 鍋の中に、白菜、豚肉、白菜、豚肉、……と、層になるように積み重ねておいて、火にかけるだけ。

 これを、ゆず胡椒を溶いたポン酢醤油でいただくと、日本酒でもご飯でも、進むこと進むこと。

 簡単なのに、おいしい。冬場はほとんどこの料理だったような気がするなあ。

 これをもらってみることにしましょう。

 他の鍋ものは、固形燃料の簡易コンロと一緒に出されて、自分で仕上げていくのですが、この豚肉と白菜の味わい鍋は、厨房で仕上げてから、熱々の状態で持ってきてくれます。

 スープにはあらかじめ味が付いていて、それをそのままいただくか、好みで添えられたゆず胡椒を溶きいれていただきます。

 ん~ん。うまいっ。

 ポン酢醤油で食べるのとは、また違う味わいですね。これもいい。

 2杯めの飲み物として、緑茶割りジャンボ(玉露入り、300円)をもらいます。

 となりの年配ひとり客は、店のおばちゃんから下の名前(=ファーストネーム)で呼ばれるほどの常連さん。だまって座ると、ライムサワーのジャンボ(300円)が出され、

「今日は、じゃがバターと餃子をもらおうか」

 なんて注文しています。

 このじゃがバター、正式名称は「北あかりのじゃがバター(塩辛添え)」(399円)。ホクホクのじゃがバターの上に、添えられた塩辛をのっけて、一緒にいただくんですね。うまそぉ~っ。今度、食べてみたいね。

 私のほうは、豚肉と白菜の味わい鍋も食べ終えて、そろそろ〆のモード。

 とはいうものの、まだ緑茶割りも半分ほど残っているので、つまみにもなって〆にもなるものがいいかな。

 で、選んだのが「おにぎり」(2個336円、みそ汁付き)。具材は鮭・梅・明太の3種類から選べるので、つまみになりそうな鮭と明太にしました。

 ちなみに、このおにぎりの他に迷った候補は、焼きおにぎり(2個336円、みそ汁付き)、キムチチャーハン(420円)、中華ちまき(336円)、塩焼きそば(399円)、海老入り焼ビーフン(441円)などでした。

 ゆっくりと2時間ほどのくつろいで、今日のお勘定は2,211円。「超」が付くほど満腹になって席を立ちます。どうもごちそうさま!

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「養老乃瀧」新杉田店 / お通し(煮はま)、養老酎ハイ・ジャンボ / かんぱち刺身

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豚肉と白菜の味わい鍋 / 緑茶割り(玉露入り)ジャンボ / おにぎり(鮭・明太)

店情報前回

《平成26(2014)年1月26日(日)の記録》

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週に一度の癒しの時間 … 「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)ほか

「武蔵屋」


 去年の1月に、2度目の横浜勤務になってから、ほぼ週に1回ペースで「武蔵屋」に来ています。(店が休暇中などの場合は除いて。)

 最初に小瓶のビール(500円)をもらって、お酒3杯と定番料理5品のセット(2,500円)で1時間半ほどの、ゆったりとした時間を過ごして、お勘定が3,000円というのがお決まりのパターン。

 ここ「武蔵屋」は、私の酒場めぐりの原点とも言える酒場であり、この酒場に代わる酒場は他にはないということ。そして都内の自宅から、横浜の酒場に飲みに行くのはとっても遠いということ。それが、呉に3年弱ほど赴任している間によくわかったのです。

 で、再び横浜に赴任したのをきっかけに、以前にも増して「武蔵屋」に足しげく通うようになったのでした。

 ところが!

 週に1回なんてのは、この店の大常連さんたちにしてみると、まったく少ない。

 いつも遅い時間にお見かけするKさんは、店の営業日には、ほぼ100%やってくる。年に数回ほど、仕事が遅くなって、営業時間中に間に合わないことがあるんだけれど、それ以外のときには必ずやってくるんだそうです。

「100%といっても、週に3日ですからねえ。平均すると、2日に1回というペースなので、ちょうどいいぐらいです」

 しかもKさん。ご夫婦の仲が良くて、奥様と一緒に飲んでいることが多い。別のお店で、ばったりとお会いしたときにも、ご夫婦で仲良く飲まれてました。

 奥様のほうが、お仕事が遅くなることが多いらしく、「武蔵屋」の営業時間(午後8時半がラストオーダー)には間に合わないことも多いんだそうです。そういうときだけ、Kさんがおひとりで飲んでるんですね。(今日は奥様もご一緒です。)

 そうやって、開いてるときは毎日やってきても、5品の定番料理が変わるわけではありません。

 常連さんへのサービスで、1品ほど余分に出してくれたりすることはありますが、基本的に年中いつ来ても、全く同じ内容の料理が出されます。

 そしてお酒も「櫻正宗」が3杯きり。「最後におばちゃん(=女将)からです」と、お勘定をするときに、お猪口に1杯のサービスがある程度。

 それでも飽きることはない。

 むしろ『これでいい。これがいい』と思えてくるんですねえ。余分なものがなにもない。シンプルの極みです。

「なるべく真っすぐにね」

 いつものように、おばちゃんや、店のみなさんに見送られながら「武蔵屋」をあとにして、そのまま真っすぐに「ホッピー仙人」に向かうのも、これまた私のいつものパターン。

 これもまた飽きることがないんですよねえ。

 こうして週に1回以上、野毛のげの酒場で飲める喜びをかみしめながら、いつもの三冷ホッピーをいただくのでした。

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「武蔵屋」 玉ねぎ、小肌酢、おから / たら豆腐 / 2杯めに納豆

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3杯めにお新香 / 2軒めは「ホッピー仙人」 / 瓶白の三冷ホッピー

・「武蔵屋」の店情報前回) / 「ホッピー仙人」の店情報前回

《平成26(2014)年1月21日(火)の記録》

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骨まで美味い鰈煮付け … 「はまや食堂(はまやしょくどう)」(杉田)

カレイ煮付け


 月曜日なのでお酒は抜いて、休肝日にしようと「はまや食堂」にやってきました。

 「はまや食堂」は、なにしろ食堂なので、お酒を飲まずに食事だけという客も多いのです。

 店の前に到着して、いつものように店頭に掲示されている日替わりメニューを確認。

 B定食(580円)は、フキの煮付けに、納豆、海苔、そしてライスセット。C定食(680円)はハムエッグと揚げ豆腐にライスセット。どちらも捨てがたい。

 休肝日のときは、B定食、C定食のいずれかを選ぶことが多いのです。

 特別定食(980円)は副菜が充実してるから、ついつい飲んじゃうんですね。

 しかしながら、念のため特別定食も確認してみると、今日の主菜はなんとカレイの煮付け。

 なぜ『なんと』という接頭詞が付くかというと、この店の魚の煮付けは、他にはあまりないタイプで、とても美味しいからです。しかも、通常メニューにはない料理なので、こうして特別定食に組み込まれたときに食べるしかない。早めに売り切れてしまうことも多い人気の品なのです。

 これは困った。めったに登場しない魚の煮付けメニュー。今日は絶対にこれを食べなきゃなあ。

 となると、お酒も飲まないわけにはいかない。しかたない。今日の休肝日はお預けだ。

 入口引き戸をガラリと開けて店内へ。

 「はまや食堂」の店内は小さくて、右手壁際に、壁に向かうカウンター席が4席あって、その奥に4人掛けのテーブル席。入口の左手には、2人掛けのテーブル席が、間をあけて3卓ならんでいて、その奥側に、店の物品置き場も兼ねた変形テーブルがあって、2人ほど座れる。

 したがって、席数でいうと16席あるのですが、そこまで入るとかなり窮屈きゅうくつな感じになってしまいます。12人ぐらいで、ほぼ満席という状況になりますね。

 右手奥のテーブル席に座り、いつものように『大衆食堂のフルコース』を注文します。

「ビールの大(480円)と、特別定食(980円)をオールで。ごはんは小(-20円)で、あとからお願いします」

 『オール』というのは、本来は3品の副菜から2品を選ぶことになっているところを、3品すべてにしてもらうことです。単品価格が一番安いものの料金が追加されます。

 今日の3品は、なめこおろし(180円)、ポテトサラダ(200円)、小松菜おひたし(200円)なので、なめこおろしの180円が追加料金ですね。

 大瓶のビール(キリンラガー)は、お通し(サービス)の枝豆と、1品めの副菜である、小松菜のおひたしと一緒に出てきました。

 しょっちゅう書いているとおり、ここ「はまや食堂」の大きな特長のひとつは、『野菜料理がおいしい』ということ。火の通し具合、ゆで具合がちょうどいいんですね。

 小松菜おひたしも、軟らか過ぎず、硬すぎず。葉野菜のシャキシャキとした葉っぱの食感や、ほんわりと出てくる自然な甘みを楽しむことができます。こうなるともう、醤油はちょっとだけかけるぐらいで十分です。

 その小松菜が残りわずかになったところで、ポテトサラダが登場。キュウリやニンジン、タマネギなどの、ポテト以外の具材もほどよく混ざっています。

 さあ、出てきました。カレイの煮付け。

 先に『この店の魚の煮付けは他にはあまりないタイプ』と書きましたが、揚げ煮というんでしょうか。片栗粉をつけた魚を揚げてから煮たものです。とろりとしたあんがかけられ、千切りの生姜しょうがをトッピング。大根の煮物も添えられています。

 唐揚げと煮魚のいいとこ取りのような感じで、魚を楽しむことができるんですねえ。

 最初に揚げてるから、ヒレや尻尾もカリカリと全部食べることができる。それもいいんだなあ。

 副菜3品の残る1品。なめこおろしも出てきました。

 カレイを食べては、合いの手になめこおろしをチビリチビリ。

 うぅ~っ。これは絶対に燗酒だね。小さいの(280円)を1本、つけてください。

 中骨の大きいもの以外は、すべて食べ切って、カレイの煮付けも完食。

 小ライスのセットを出してもらって、添えられたデザートのバナナを食べて、『大衆食堂のフルコース』を食べ終えました。

 最後に、女将さんが入れてくれる熱々のお茶で〆て、1時間40分ほどの滞在。今日のお勘定は1,920円でした。どうもごちそうさま。

 休肝日にはならなかったけれど、ほんとうに美味しかったなあ!

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店頭のメニュー / ビール、枝豆、小松菜おひたし / ポテトサラダ

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なめこおろし / 美酒「爛漫」燗酒(小) / 小ライスセットとバナナ

店情報前回

《平成26(2014)年1月20日(月)の記録》

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