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冬場の楽しみもう1軒 … 酒房「北国(きたぐに)」(中野)

冬の名物、おでん


 中央線沿線で冬場の楽しみと言えばもう1軒、忘れてならないのが中野駅南口にある酒房「北国」のおでんです。

 この店のおでんは、毎年11月10日から始まると決まっている。

 そのおでんの中でも、特徴的なのが玉子です。殻付きのまま煮込まれているのです。

 この玉子、生の状態からおでん鍋で煮込むわけではありません。

 あらかじめゆで卵を作っておいて、それをおでん鍋に入れるときに、コツンと鍋のふちにぶつけ、殻にヒビをいれてから投入する。

 このヒビの部分から、おでんの出汁(だし)が染み込むとともに、殻もむきやすくなるんですね。

 玉子が割れたり、煮崩れたりしないのがいい。

 逆に欠点は、熱々の状態で出された玉子の殻をむくのがたいへんなこと。

 みんな「アチチ、アチチ」と転がしながら、ちょっとずつ殻をむいていきます。

 ここ「北国」が創業したのは、昭和32(1957)年11月のこと。

 若き日に、青森から上京してきた女将(スミちゃん)は、新宿の酒場で働いたあと、独立して、この場所に「北国」を開きました。以来、57年間、この老舗酒場を守ってきたのです。

 ここに来るのは、1年10ヶ月ぶり。

 女将さんがお元気かどうか、店がちゃんと続いているかどうか、ちょっと心配していたのですが、小さな路地を曲がったところで、「酒房 北国」という小さな電灯看板に、灯りがともっているのを見てひと安心。

 入口引き戸を開けて、「いらっしゃい」と迎えてくれた女将さんの笑顔を見て、また大きく安心したのでした。

 ずらりと居並ぶ常連さんたちの顔ぶれも、変わりがありませんねえ。

「ユミさんもお元気なんですか?」

 となりの席に座っている大常連さんに、それとなく確認してみます。

 ユミさんというのは、昔からこの店を手伝っている、女将の姪御(めいご)さんです。

「うん。元気元気。週に三日ほど手伝いに来てるよ。水曜日は来ない日なんだ」という返事。

 それは良かった。

 老舗酒場にとって、「変わらない」ということほどありがたいことはない。

 奥の黒板に書かれた手書きメニューも変わらない。

 今日は、いかまぐろ500、えぼ鯛430、いか納豆380、いか塩辛380、チーズ巻430、まぐろてり400、あつどーふ400、赤ひも胡瓜400、まつも400、たたみ400、白才漬300、といった品々が書き出されています。

 ユミさんが居ないときは、女将さんがひとりで切り盛りしないといけないのだから大変だ。

 お客のほうもそれがわかってるから、女将さんに無理のないように見極めながら注文している。こういうところが大人の酒場ですね。

 お通しのロールキャベツのスープに、おでんは玉子とごぼう巻き、すじ(魚)を注文すると昆布も入れてくれた。

 これらをつまみに青森の「八鶴」の燗酒を3本いただいて、2時間ほどの酒場浴。

 今日のお勘定は、ちょうど2千円でした。どうもごちそうさま。

 いつまでもお元気でいてくださいね。>女将さん&ご常連のみなさま

141224g 141224h 141224i
酒房「北国」 / お通しのロールキャベツのスープ / おでん

店情報前回

《平成26(2014)年12月24日(水)の記録》

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コメント

卵の殻には、灰汁を取る効果があり、洋食でも中華でも、スープ作りには、必ず入れてますよね。
従って、ここのおでんのスープも美味しいんじゃないのかな。
是非、行ってみます。

投稿: ザッパ | 2015.03.16 08:05

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 前回、木場の「河本」の常連席が、劇場のステージのようであるということを書いたけれど、劇場型という点では、中野の「北国」も負けていない。  昭和32(1957)年創業の「北国」の店内は、L字カウンター10席程度と、その背後に4人ほど座れる小上がりの席と、同じく4人ほど座れるテーブル席という造り。  しかしながら、ほとんどの客はカウンター席に座る。カウンター席に座ることができずに、はじき出された客が... [続きを読む]

受信: 2015.08.31 06:13

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