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遊び心も満載の新店舗 … 「第三秋元屋(だいさんあきもとや)」(野方)

なんこつ、かしら


 今から12年ほど前の夏のこと。

「中央線沿線でオフ会をやりませんか」

 という呼びかけがあり、居酒屋愛好家11人が、阿佐ヶ谷「川名」の奥座敷に集まった。(→その日の記事

「あちこちのもつ焼き屋を回っているうちに、もつ焼きにはまってしまいました。そのうちの1軒の味噌ダレに惚れ込んで、強引にその店で修業をさせてもらいました。今度、この近くで、自分でもつ焼き店をはじめようと思っています」

 その日の参加者のうちの一人が、そうあいさつして、参加者一同から喝さいを浴びた。

 この人こそが、後に今をときめく「秋元屋」の店主となる秋元宏之(あきもと・ひろゆき)さん、その人だった。

 修業されたお店はわらびの「喜よし」。このとき、私は「喜よし」の存在も、その独自の味噌ダレの存在も知らなかった。いい店のもつ焼きは、塩焼きで食べるものと思い込んでいた。

 それから半年ほど経った平成16(2004)年1月30日、野方に「秋元屋」が開店した。

 その「秋元屋」で、「ま、試してみてください」と出してくれたシロとテッポウの味噌焼き。

 味噌焼きというから、焼き上がったもつ焼きに味噌のかたまりのようなものでも塗りたくるのかな、なんて思いながら見ていると、あにはからんや、普通の醤油ダレと同じようなタレの壷にトプンとつけて焼いている。液体の味噌ダレなんだ。

 食べてみると、ピリッとした辛みもあって、とてもおいしい。

 それから10年、今や秋元系(元は喜よし系)の味噌焼きは、もつ焼きの味付けの定番のひとつとして完全に定着した。

 開店当初の「秋元屋」は、コの字カウンター15席のみの小さな酒場だった。(現在の店舗の、向かって左側にあるカウンター席だけの店だった。)

「健さん(高倉健)の『居酒屋兆治』みたいな店が理想なんですよ」

 ちょっと照れるようにそう話してくれた。

 がしかし!

 その後の「秋元屋」人気はすさまじく、店主が望んだ『居酒屋兆治』のような状態は夢のまた夢。大いそがしの日々を送らざるを得ない状態になり、店も拡大を繰り返した。

 「秋元屋」で修業を積んだ人たちが、西東京エリアを中心に、どんどん新店舗を出して人気店になり、「秋元屋」はその総本山として、ますます人気が高い状態になってしまった。

 私自身、何度も「秋元屋」の近くまでは行くのだが、いつ行っても店の外にまで待ち行列ができているほどの状態。あきらめて別の店に向かうことが多かったのだ。

 そんなある日、「第三秋元屋」が開店するという情報が飛び込んできた。

 その開店が、ちょうど一時帰国中のことだったので、開店直後のほとぼりが冷めたころに、さっそく伺った。

 シンプルな外観の店舗には、「酒」と大書された白い提灯ちょうちんと、黒い小さめの暖簾のれん。その暖簾の右隅に、小さく「秋元屋」という名が書かれている。

 渋いっ! 外観からも店主のねらいがうかがえる。

 落ち着いた、大人の酒場だ。

 さっそく中に入ってみると、「秋元屋」の開店当初と同じく、15席のみのカウンター席。そのカウンターの中の厨房には、店主・秋元宏之さんが立っている。

 まずは開店のお祝いを申し上げたあと、ハートランド(500円、以下すべて税別表記)をもらって、つまみには牛ホルモン煮込(400円)と串焼き盛り合わせ(550円)を注文する。

 「串焼き盛り合わせ」という出し方もなつかしいなあ。「喜よし」もこの出し方をするし、創業当初の「秋元屋」もそうだった。

 串焼きは、基本的に1本120円なのだが、盛り合わせでもらうと、品物はお任せになる代わりに値段は5本で550円と、1本あたりだと110円になる仕組み。

 特にチュルトロ系の「上しろ」がすばらしい。

 店主自らに焼いてもらうもつ焼き。何年ぶりだろうなあ。

 ちなみに秋元宏之さんと、この近くにある「すっぴん酒場」の店主・徳宿克治(とくしゅく・かつじ)さん、そして私の3人は年齢が同じ。お二人が大活躍されている様子は、私自身の大きな励みとなっているのだ。

 昔から酒場好きだった秋元さんは、他の酒場に、おいしいつまみ、おもしろいつまみがあると、すぐに取り入れて我われに提供してくれた。

 「第三秋元屋」のメニューを見ても、その遊び心はまったく失われていない。渋谷のあの店の「ポテトサラダ」、銀座のあの店の「オイルサーディン」などが、しらっとメニューに登場している。

「オイルサーディンは、値段も同じく800円にしてみました。売れますかねえ」

 と笑う秋元さん。

 開店にあたって、宣伝も何もしなかったという店内は、お客も少なくて、ゆっくりと過ごせる。まさに『大人の秋元屋』である。ある意味、秋元さんの求めていた理想の姿かもしれない。(酒場好きの秋元さんから見ると理想の姿だけど、経営者としての秋元さんから見ると、もっとお客が入ったほうがいいんだろうな。)

 でも、こういう日々も長くは続かないだろう。

 みんながこの店の存在を知ったら、半年もたたないうちに、「秋元屋」本店と同じような状態になるに違いない。

(ちなみに、客が増えたときのために、すでに2階に30席分のテーブル席が用意されているんだそうな。)

 そうなったらまた、隠れ家のような4号店を出してくださいね。>秋元さん

 ゆっくりと、本当にゆっくりと2時間ほど楽しんで、今日のお勘定は3,320円だった。

 やあ、満足。どうもごちそうさま!

141225a 141225b 141225c
ハートランドとお通し / 牛ホルモン煮込 / たん

141225d 141225e 141225f
れば、上しろ / シャリ金ホッピー / つくね(塩・たれ)

店情報

《平成26(2014)年12月25日(木)の記録》

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 初めて注文したコーヒー焼酎豆乳割り(400円)は、コーヒーの香りと豆乳のコクと甘みが混ざりあって、とても飲みやすくて、お酒らしさを感じない。  つまみに「やきとん串盛り合わせ」(おまかせ5本550円)を注文すると、まず最初にレバの塩焼きが出される。  レバも、コーヒー焼酎豆乳割りも、それぞれが、それぞれに美味しいんだけれど、これまで、もつ焼きとコーヒーを一緒に味わったことがないので、私の舌はびっ... [続きを読む]

受信: 2016.11.25 22:00

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