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牛煮込みの甘みと旨み … やきとり「鳥勝(とりかつ)」(立会川)

煮込みとホッピー


 立会川の「鳥勝」にやってきた。

 店の前までは何度も何度もやってきてるんだけど、いつも満席。入れたことがない。

『月曜日の早い時間なら大丈夫なんじゃないか?』

 と思って、仕事が終わると同時にやってきた次第。現在の時刻は午後6時半。

 さあ、どうだ!

 横方向に2枚が連結されて、横長~くなっている暖簾のれんをくぐり、入口引き戸をガラリと開けて店内へと入る。

 いつものように「ひとりです」と口にするよりも前に、カウンター席に4~5席(カウンター席全体の半分ぐらい)の空席があるのが目に飛び込んできた。

「ひとりですけど、カウンター、どこに座ってもいいんでしょうか?」

 入口横の焼き台で、もつ焼きを焼いている店主に、そう声をかけると、「どこでもどうぞ」とのこと。一番奥の席に腰を下ろした。

 やぁ良かった。やっと「鳥勝」に入ることができた。

 店内は入口を入ってすぐに9席ほどのカウンター席があり、その奥に4人がけのテーブル席が5卓ほどならんでいる造り。全体では30人近く入れる計算になる。

 この店内を店主夫妻が二人で切り盛りしている。

 カウンター席にはまだ空きがあるものの、テーブル席はすでに、すべての卓に客が入っている状態。さすが人気店だ。

 まずはホッピー(360円)と煮込み(490円)を注文する。

 氷入りのホッピージョッキの半分ぐらいの高さまで焼酎が注がれ、それとは別にびんのホッピー(ソト)が出される。自分で割っていただく仕組みだ。

 カウンターの一番奥の席に座ると、ちょうど目の前が煮込み鍋。煮込みはその鍋から小鉢についで、刻みネギをトッピングして出してくれる。

 このスピード感がいいね。

 もつ焼き屋では、お通しは出ないことが多い。だからパッと出てくる煮込みやお新香(220円)は、お通し代わりの最初の1品として、ちょうどいいのである。

 ど~れどれ。

 ほう。煮込みの具材は牛シロだけ。

 その牛シロにはたっぷりと脂肪分がついてて、甘みも旨みも濃厚なんだけど、けっしてくどくはない。

 口の中いっぱいに牛シロの甘みと旨みが広がったところで、ホッピーをグイッといく。

 これで口の中の甘みと旨みがリセットされたところへ、また牛シロを投入する。

 っくぅ~っ。いいねえ。牛シロとホッピーの無限ループが止まらない。

 この感覚、どこかで味わったことがある。そう、木場の「河本」だ。

 「河本」も、甘みと旨みが濃厚な牛シロの煮込みとホッピーの組み合わせが絶妙だった。

 営業を一時休止した後、女将の義妹いもうとさんが営業を再開してくれているが、いまだ煮込みは復活していない。

 あの煮込みとホッピーのバランスは、しばらく味わえないのかと残念に思っていたものだが、ここ「鳥勝」で、その「うれし懐かし」の組み合わせに遭遇できた。

 煮込みをつつきながら、この店の看板メニューである「やきとり」(=もつ焼き)も注文する。

 先にも書いたとおり、大人気の店内を、ご夫婦二人だけで切り盛りされているので、注文は店内のそこここに置かれている小さな紙に記入して、お二人のどちらかに手渡す仕組み。このやり方だと、注文の聞き違いが少なくていいよね。

 レバーとシロをタレで、ガツとテッポウを醤油で、それぞれ1本ずつ注文した。

 毎朝、品川の食肉市場から仕入れてくるという「やきとり」は、なんと1本80円という安さである!

 アルバイト店員さんに入ってもらうと、どうしてもその費用を料金に転嫁せざるを得ない。なんとか低価格で抑えようと、忙しくてもご夫婦二人でやってるんだそうな。なんともありがたい話である。

 口で言うのは簡単だけれど、実はもつ焼き屋の労働時間は長い。

 朝5時から仕入れを行い、夕方の営業開始に向けてコツコツと仕込みをする。牛煮込みも早くから煮込み始める。あっという間に午後4時半の営業開始時刻を迎える。9時までの営業が終わったら後片付けを行って、やっと眠れたと思ったら、もう翌朝の5時がやってくる。

 これをぜ~んぶ二人でやるんだから大変だ。

 みんなが低価格で楽しめる裏には、店主夫妻のものすごい努力が隠れているのである。

「会社でも家でも、ずっと身を縮めるようにして過ごすしかないんだけど、唯一、この店だけはゆっくりできて居心地がいいんだよ。だから毎日のように来てしまうんだなあ」

 となりで飲んでる常連さんが、目を細めながらそんな話を聞かせてくれる。

 この店の常連さんたちは、ほぼ全員がダイヤ焼酎の一升瓶をキープしている。この一升瓶が目の前に立っているかどうかで、常連さんかどうかがすぐわかるのだ。

 キープボトル(一升瓶)の数が多くなり過ぎて、今や店主夫妻の枕元まで一升瓶で埋めつくされるほど。だから数回通ったぐらいでは、このキープはさせてもらえないらしい。

 だから、この店で一升瓶のキープができるようになったら、常連さんとして認められたってことなんだね。

 店のメニュー構成は、やきとり(もつ焼き)や焼き肉などが主なんだけど、生野菜や冷奴、お新香などの一般的なおつまみの他、アジ開き、スルメ、カキバターなどの魚介類もある。

 3杯め(ソト1・ナカ3)となるナカ(ホッピーのおかわり焼酎、200円)をもらって、つまみにはアジ開き(360円)をもらってみた。

 少し待って出てきたアジ開きもいいねえ。きっと焼き台の炭火で炙ってくれたに違いない。やきとり屋で焼いてもらう焼き魚にはハズレがないのだ。

 1時間40分ほどの酒場浴。今宵のお勘定は1,930円なり。

 どうもごちそうさま。噂にたがわぬ名酒場でした。

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煮込(牛) / レバー、シロ、ガツ、テッポウ / あじ開き

店情報

《平成29(2017)年1月16日(月)の記録》

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受信: 2017.02.03 22:00

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