はじめて紀州の酒場訪 … 居酒屋「はるちゃん」(御坊)

和歌山県に足を踏み入れたのは、今日が初めて。やって来たのは御坊だ。
この地でどんな酒場に出会えるのか――それを考えるだけで、もう楽しくて仕方がない。
ワクワクしながらあれこれと調べ、せっかくだから地元の人たちが普段使いしていそうな酒場に行ってみようと、目星をつけたのが居酒屋「はるちゃん」だった。

御坊駅からトコトコと歩くこと、20分ほど。店に着いたのは午後5時過ぎだった。
まだ早い時間帯とあって、店内の先客は数人程度。(これがこの1時間後には、地元のご常連さんたちで、ほぼ満席になるのでした。)
店内右手のカウンター席の奥に先客がいたので、私はその手前の席に座らせてもらうことにした。

この日はとにかく寒かったので、ここまで歩いてくる間に、身体がすっかり冷え切ってしまった。
そこでまずは「日本酒(大)」(750円)を熱燗でお願いした。

その熱燗を一口含み、ゆっくりと日替りメニューのボードを眺める。
枝豆、アオリイカつくり、マグロつくり、カキフライ、ブリカマ、金目の開き……。
紀伊水道に面した町らしく、魚介がごく自然に並んでいるのがいい。
名物だと声高に主張するでもなく、ただ「今日はこれがあるよ」と、優しく提示してくれている感じだ。

そんな中から、特に気になった「はるちゃん鍋」(1,000円)を注文すると、すぐに固形燃料コンロと、鍋用の小鉢やレンゲを出してくれた。
なにしろ小鍋メニューの中で、唯一、この店の名前を冠した一品なので、これは食べてみたいよねぇ。

この店では、「お通し」は出されないようなので、「はるちゃん鍋」を待つ間用のつまみとして「枝豆」(300円)も注文すると、小鉢にたっぷりの、しかも温かい枝豆を出してくれた。
この寒さの中で、この心配りは素直に嬉しいよねぇ。
さっそくその温かい枝豆をつまみながらの熱燗である。あぁ~っ、生き返る。
身体の芯から、ゆっくりとほぐれていく感じがするよねぇ。

店は店主ご夫妻がお二人で切り盛りされているらしく、ご主人が厨房を担当し、奥様が酒や配膳を受け持たれているようだ。

さぁ来た、「はるちゃん鍋」だ。
店主が奥の厨房で仕上げたものを、固形燃料コンロの上において着火してくれるので、すぐに食べることができるし、熱々の状態も保たれる。
それにしても、見るからに具沢山ですねぇ!

最初に小鉢に取ったのは、豚肉、椎茸、エノキタケ。
おおっ。メニューにも『ピリ辛』という添え書きがあるとおり、味はほどよくピリ辛で、お酒が進むこと進むこと。

やったぁ~っ、牡蠣も入ってた。これは嬉しいなぁ。
冬場の鍋は、やっぱり牡蠣が旨いよねぇ。

さらには鶏肉、豆腐、カンパチ、海老などなど、食べても食べても飽きることがないのが素晴らしい!
この内容で1,000円という値段も、今どき本当にありがたい話である。

「はるちゃん鍋」と熱燗で、身体もすっかり温まったところで、次なる飲み物として「麦焼酎」(450円)の水割りをもらった。
見渡す店内は、地元のご常連さんたちで、ほぼ満席状態。
観光地の酒場にありがちな浮ついた雰囲気はなくて、長年この場所で積み重ねられてきたであろう、やわらかくて居心地のいい空気が店内に流れている。
昼前の11時半に開店し、中休みなしで夜の10時までの、10時間半の営業というのもいいよねぇ。

「はるちゃん鍋」を注文したときには、『鍋の具材を食べ終えたら、〆にご飯を入れて、雑炊にしてもらおうかな』なんて思っていたのだが、そんな余裕はない状態。
たっぷりの具材を食べ進めるうちに、もうすっかり満腹になってしまったのだ。

気がつけば、ゆっくりと2時間ほどの『酒場浴』。
御坊という町も、紀中という土地も、今回がはじめてなんだけれど、地元のお客さんたちの会話をBGMに、ただただ酒を飲み、料理をつまみ、身体を休めることができた時間のなんと嬉しいことよ。
こういう時間こそが、出張先の夜の醍醐味だと思う。
お勘定は2,500円で、支払いは現金のみ。
値段以上の満足感を抱えて、店を後にしたのでした。
どうもごちそうさま。
次の機会にはもっといろんな料理を食べてみたいな。






































































































































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