初物・ホタルイカ … 居酒屋「川名(かわな)」(阿佐ケ谷)
成人の日にからんだ三連休の中日(なかび)です。昨年末から借りていた本を返すために、阿佐ケ谷図書館に向かいます。居酒屋でくつろいでる時間も好きですが、図書館でいろんな本をダラダラと眺めている時間も好きなのです。その中から、お気に入りの何冊かを借り出して、足は自動的に(?)「川名」に向かいます。
店についたのは、「川名」の開店時刻であるジャスト4時。入口引き戸をガラリとあけて、「こんちは」と店内へ。4時だと「こんちは」とあいさつできるぐらいの明るさになってきましたねぇ。確実に日がのびてきてます。
この時刻だともちろん1番乗り。店長は、フロアの側でなにやらしたくをしている様子です。「ちょっと早かったかな」と聞くと、「いや。もう大丈夫ですよ」と店長。その横から、ヨウさん(店を手伝っている女性のひとり)が、例によってお通しのリンゴを持ってきてくれます。「じゃ、ヨウさん。さっそくホッピー(320円)ね」「はい」と、奥の飲み物カウンターに準備に向かいます。
私のほうは、そのままカウンターの1番席(一番入り口よりの席)に着席です。なんだか、この席に座ることが多くなってきましたねぇ。常連のみなさんたちの座る席が、大体わかってきたので、なかなかその席を陣取っちゃうことはできないんですよね。たとえば一番奥の7番席、テレビのすぐ下に必ず座るおにいさんや、その手前、5~6番席あたりのタネケースの前に陣取る役者さん。その手前に、やってくる順に棟梁か、バンダナのおにいさんが座っていることが多いのです。
でも、心配することはありません。この常連さんたちは、店の開店直後にやってきて、2品程度のつまみを食べながら、2杯程度のチューハイ(生グレープフルーツサワーかレモンサワーを飲んでいる人が多い)を飲むと、すっと帰っていく。たいていの場合は、6時までにはみんないなくなってしまいますから、それ以降は、どこにでも座れるのではないでしょうか。
もしかすると、それ以降の時間帯にも、決まった時間にやって来て、同じ席に座ったりする人がいるのかもしれませんが…。
そんなことを言ってる間に、キンキンに冷えたジョッキに入った焼酎と、ビン入りホッピーが目の前にそろいます。そして、ヨウさんは、右手に鉛筆、左手に注文用レシートをもって、目の前でニコッと笑って注文待ちです。とはいえ、この時間帯、まだ「今日のおすすめメニュー」のホワイトボードは書きあがってないんですよねぇ。「じゃあねぇ、まずはマーボ豆腐(380円)と、あと、刺身はなにがあるかな…」と、席を立ってタネケースの前まで調査(?)に行きます。ヨウさんも、レシートを持ったまま後ろをくっついてきます。
「や。ホタルイカがあるじゃない。これにしよう!」 初物(はつもの)かなぁ、ホタルイカ。きっと今日のおすすめだね、これは。
タネケース前から、1番席に戻ったところへ、本日2人目のお客さんの来店です。「キリンビールと、タンとレバーを焼いてもらうかな」と、3番席あたりに座りながら注文です。今日も、表の焼き台はアイちゃん(彼女も店を手伝っている女性。彼女のほうが先輩)が担当しています。表の焼き台は、店内からのもつ焼き、焼き鳥の注文のみならず、表の通りでお土産用の焼き鳥を買っていく人の対応もしないといけないので、なかなか大変な仕事なのです。
そこへ、まずホタルイカから登場です。マーボ豆腐は調理するのに少し時間がかかりますからね。
いつも刺身が出てくる長方形のお皿に、ホタルイカが頭の方向をそろえてずらりと並んでいます。こうやって、頭の方向をそろえる手間を惜しまないといった姿勢が、この店のいいところだと思います。こういう姿勢が、きっと目に見えない部分でも発揮されてるんだろうなぁ。いつも醤油をいれる部分には、酢味噌が入っています。これをちょいと付けてと。ん~。うまいですねぇ。こんなちっちゃなイカなのに、なんでこんなに味が深いんだろ。この味には日本酒かなぁ、本当は。
こうしているうちにも、お客さんはぞくぞくと入ってきて、4時20分にはすでにカウンター7席は満席です。三連休の中日ということもあってか、みなさんいつもよりも出足がいいように感じます。かくいう私も、今日は4時入店ですからねぇ。
来た来た。マーボ豆腐です。これもまた、あったかくていいですよねぇ。なんて食べてるところへ、このマーボ豆腐を紹介してくれたバンダナのおにいさんが来店です。あ。どうもこんばんは。今日もいただいてますよぉ、マーボ豆腐。(^^)
バンダナのおにいさんは、カウンターが満席のため、カウンターの後ろ側に3つあるテーブルのまん中、B卓に陣取り、いつものようにマーボ豆腐を注文です。B卓で注文をとっていたヨウさんをつかまえて、私もナカ(ホッピーの焼酎部分のおかわり。320円)を注文します。
そして、ついに4時40分には、3つあるテーブル席も、各席に(それぞれひとり客が)2人ずつ座った状態になり、これでこちら側のフロアはすべて満席です。数字上は、テーブル席は4人掛けなんですが、知らない人同士が相席で座るにはせますぎるので、2人ずつ座った段階で、実質的には満席となってしまうのでした。
カウンターの常連さんからは、「楽屋裏(がくやうら)に電気がついてないよ」と声がかかります。「忙しくてつけられないんだよ」と店長。なにしろこんな短時間に、次々にお客さんが入ってきて、それぞれが1~2品ずつのつまみを注文してますからねぇ。とても「今日のおすすめボード」が書ける状態ではありません。
ちなみに、「楽屋裏の電気」というのは、この「今日のおすすめボード」を照らすための照明のことなのです。「今日のおすすめボード」が昨日の状態のままのときは、この照明が消えていて、今日のものに書き直されるとはじめてパッと照明が灯(とも)るのです。
それからしばらくして、やっと楽屋裏の電気が灯ります。ほぉ。ホタルイカは220円だったんだ。ほかにはイカ刺し(220円)、アン肝(180円)なんてところが、今日のおすすめメニューの中の刺身系のものです。アン肝もあったんだ。となり(2番席)のおじさんが食べてるサバ炭焼きもボリュームがあって、ホッコラとおいしそうなんですが、これは180円なんですねぇ。安い!
しかし、今日はそろそろ2杯目のホッピーも終わるので、これまでにしておきますか。どうもごちそうさま。お勘定は1,302円(1,240円+税)。ちょうど1時間の滞在でした。ホッピー2杯ぐらいが、ちょうどいい酔い心地ですねぇ。
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