今年も大盛況 … 居酒屋「武蔵屋(むさしや)」(横浜・野毛)
明日は朝から東京方面での仕事なので、横浜での仕事を終えてから、自宅に向かって移動します。移動の途中、桜木町駅で途中下車したのが午後7時過ぎ。久しぶりに「武蔵屋」に寄って帰ろうと思っているのです。
午後7時過ぎというのは、一番お客さんの多い時間帯だけど大丈夫かな。ガラガラと引き戸を開けます。おぉ。さすがに多いですねぇ。右手の6人ほどかけられる小さいカウンターは満席ですが、小上がりの座敷席左手側はガランと空いた状態。こりゃなんとかなりそうですね。ズイと店の中へ進みます。
「おひとり?」と問う女将さんに、「そう、ひとりです」と人差し指を立てながら応えます。「それじゃ、そちらへどうぞ」と指し示されたのは、入口左手奥側のテーブル席です。4人掛けのテーブルの片側に若いカップルが座っていて、その向かい側が2人分空いている。「武蔵屋」に行かれたことのある方には、『ちょうどトイレの入口の前のところ』と説明すればわかりやすいでしょうか。
この場所に座るのははじめてですねぇ。「すいません。同席させてくださいね」と先客にあいさつしながら、その場所に腰をおろします。何度かいったことのある店でも、はじめて座る場所から見える風景は、また新鮮です。ふ~ん。店の奥側から入口側を見ると、こんな風に見えるんだ。
老姉妹はあいかわらずお元気そうな様子で、まずはひと安心。バイトの若いおねえさんふたりも変わりありません。そのおねえさんが、湯呑みに入った塗り箸をトンと置きながら、「お酒でよろしいですか」。「えぇ。お酒にしてください」と私。ちょっと風邪気味だし、外も寒かったので、最初から燗のお酒であったまりたい気分なのです。
定番のつまみである玉ネギの酢漬け、おからが用意されます。このあたりで、目の前に座っていたカップルが席を立ちます。なるほど。もうお勘定も終わってたんですね。
入口側のテーブル席が4人掛けに5人で座ってたりする混雑の中、私ひとりで4人掛けのテーブルを独占してる状態になっちゃいました。これはまた、ずいぶんとゆったりですねぇ。
カウンターの中から女将さんが出てきて、1杯目のお酒をツツゥ~ッと注(つ)いでくれます。その表面張力を、口からお迎えです。ッカァ~ッ。沁(し)みますなぁ。
それにしても、この玉ネギの酢漬け。柑橘類の生絞り酢が使われてたんですねぇ。今日の酢漬けには、たまたま白い種が1個紛れ込んでいたので気がついた次第です。
そして、タラ豆腐の登場です。このつまみは、お客の顔を見てから準備を始めるようで、他のものに比べるとちょっと時間がかかるのです。しかし、このタラ豆腐が、この店のつまみの華(はな)でもあるのです。唯一のあったか物ですからねぇ。
2杯目のお酒をお願いしたところへ、会社員らしき男女2人連れが入ってきます。「座敷でもいいですよ。テーブルだとご相席になります」と案内され、「すみません」と、私と同じテーブルに相席になることになりました。たしかにねぇ。座敷はテーブルが低いので、女性にはむずかしいかもしれませんね。
2杯目のお酒とともに出てくるつまみは納豆です。考えてみると、おから、タラ豆腐、納豆と、大豆製品が多いですよね。お酒のつまみには、朝ごはんのおかずと同じように、良質のタンパク質がいいらしいので、大豆製品がつまみの中心というのは理にかなっているように思います。
大ぜいで来たときは、つまみはどんな風に出てくるんだろうなぁ、と思いながら、向こうの5人連れの席を観察してみると、つまみは一番早い人のペースに合わせて出されるようです。つまり、みんなで1杯目のお酒を飲みはじめて、だれかが最初に2杯目のおかわりをしたところで、そのグループのみんなに納豆が出されます。そして、3杯目を注文したところで、みんなにお新香です。したがって、ペースの早い人が混ざっていると、つまみもペース早く出てくることになるようです。
じゃ、私も3杯目をお願いします。3杯目のお酒は、手伝っているおねえさんのうち、ベテランのほうのおねえさんが注いでくれます。このおねえさんも、注ぐのがとっても上手になっていて、ダダァ~ッと、土瓶を高く持ち上げながら、ちょうど表面張力のところでピタリと注ぎ終わります。
もうひとりのおねえさんが、3杯目用のつまみ、お新香を持ってきてくれます。
昔は、ここのお酒を3杯飲んでも、まったく飲み足りないように感じてたのですが、最近は、この量がちょうどいい気分ですねぇ。平日、あまり飲みに出なくなったせいなのか、それとも年のせいなのか。(^^;
今日も、ちょうど1時間ぐらい滞在して、お勘定は1,900円。お店の女性4人の笑顔に見送られながら、店をあとにしたのでした。
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コメント
1/26に私も武蔵屋に行って来ました。12月と1月は月曜日も営業しているとの事で狙って行きました。予想通り午後6時過ぎにもかかわらず、店内はゆったりとした入客です。ちょうど座敷の左の一番手前が空いてたのでそこに腰を下ろします。武蔵屋に出入りしている野良猫のボス格の一匹が向かいの座布団を占領しています。彼に愛想を振りまきながら、盃を重ねます。いつきても変わらぬ味とたたずまい、落ち着きますねぇ。また今度来ようと思わせるいい雰囲気を漂わせる不思議なひと時です。ご馳走様。
投稿: ふじま | 2004.02.09 02:25
昨年末に横浜から地方へ転居しました。
武蔵屋にはまた行きたいと思っているのですが
帰省できるのが休日だけなので、まだ実現できていません。
お盆休みには営業しているのか気になるところです。
投稿: akagi | 2004.07.01 00:44
こんばんは。
昨晩2005年2月25日金曜に
はじまてでわくわくしながらいったら
「当分休業します」の張り紙がありました。
残念、伊勢崎町 「長八」 そのあと
「波の上」に行ってきました。移転してたん
ですねー。
投稿: kmoto | 2005.02.26 18:46
>kmotoさん
「武蔵屋」は、今おねえさん(喜久代さん)が病気療養中で、今月(2月)いっぱい休業中だそうです。
次の火曜日(3月1日)から再開かな?
待ちわびている人が多いと思います。
伊勢佐木町の「長八」と沖縄料理の「波之上」は、居酒屋紀行の髭コラムでも紹介されていたお店ですね。私も気になっていたのです。
移転してたのはどちらのお店なのでしょう?
投稿: 浜田信郎 | 2005.02.27 22:37